JPH0636192U - 陰極線管画像表示装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 偏向ヨーク、高圧トランスおよびその他コイ
ル部品より発生する不要輻射の低減を図ることができる
陰極線管画像表示装置を提供する。 【構成】 装置本体からの漏洩磁界を低減するためにそ
の外周に設けられるシールド板１同士の接合部またはシ
ヤシー２とシールド板１との接合部における両者の端辺
の少なくとも一方はＬ字形に曲げられており、Ｌ字形端
辺を外側にして両者が接合されるようになつている。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、ビデオデイスプレイ装置などの陰極線管画像表示装置に係り、特に 磁気シールドに使用されるシールド板同士またはシールド板とシヤシーとの接合 部構造に特徴のある陰極線管画像表示装置に関する。

【０００２】

【従来の技術】

画像表示装置における不要輻射の発生源としては、偏向ヨーク、高圧トランス およびその他のコイル類があり、偏向ヨークからの不要輻射を低減する手段とし ては、従来より種々提案されており、部品単位で個々に不要輻射対策がなされて いる。

【０００３】 しかし、完全には個々の部品からの不要輻射をなくすことができないため、こ れらを組立てて画像表示装置とした場合、さらにその画像表示装置本体の外周に シールド板等を設け、各部品より漏れる不要輻射の全体を低減するように対策し ている。

【０００４】 図５は、従来技術によるシヤシーとシールド板の接合構造の一例を示す陰極線 管画像表示装置の概略断面図である。

【０００５】 図において、３は陰極線管、４は偏向ヨーク、５は高圧トランス、６はシール ド板、７はシヤシーである。シールド板６のＬ字形に曲げられた端辺の外側にシ ヤシー７が接合した構造となつている。

【０００６】

【考案が解決しようとする課題】

上記従来装置におけるシールド板とシヤシーの接合構造においては、不要輻射 が不均衡になり、不要輻射の漏洩を効率よく防止することができないという問題 があつた。

【０００７】 本考案の目的は、以上のような従来の技術の欠点を解消し、画像表示装置から 漏れる不要輻射を全体的に十分抑制できるシヤシーおよびシールド板の接合構造 を有する陰極線管画像表示装置を提供することにある。

【０００８】

【課題を解決するための手段】

上記目的は、装置本体からの漏洩磁界を低減するためにその外周に設けられる シールド板同士の接合部またはシヤシーとシールド板との接合部における両者の 端辺の少なくとも一方はＬ字形に曲げられており、Ｌ字形端辺を外側にして両者 が接合されるようになつている第１の手段により達成される。

【０００９】 また上記目的は、第１の手段において、シールド板同士あるいはシヤシーとシ ールド板との接合部を、ねじまたは溶接により強固に固定した第２の手段により 達成される。

【００１０】

【作用】

第１の手段においては、シールド板あるいはシヤシーのＬ字形端辺が外側にな るように接合されるため、接合部の漏洩磁界の磁路が長くなり、その結果不要輻 射とそのばらつきが低減される。

【００１１】 第２の手段においては、ねじあるいは溶接により接合部を強固に固定するよう にしたので、不要輻射の低減効果はさらに高められる。

【００１２】

【実施例】

以下、本考案の実施例を図面に基づいて説明する。なお、従来例と同一個所に は同一符号を付して重複する説明は省略する。

【００１３】 図１は本考案に係る陰極線管画像表示装置の概略断面図、図２は、図１におけ るシヤシーとシールド板との接合部の拡大構成図、図３は、図２の接合部をねじ 止めした構成図、図４は、図２の接合部を溶接した構成図である。

【００１４】 これらの図において、１はシールド板、２はシヤシーである。これらの図に示 すように、端辺の片辺がＬ字形をしたシールド板１がシヤシー２の端辺の外側に 接合されることにより、図５の従来例に示すように、シールド板６がシヤシー７ の端辺の内側に接合された場合より、漏洩磁界の磁路８が長くなり、接合部より 漏れる磁束が低減される。

【００１５】 また、図３に示すように、ねじ９によりシールド板１とシヤシー２の接合部の ギヤツプをなくすことにより、漏洩磁界の磁路が遮蔽されることになり、接合部 より漏れる磁束が低減される。

【００１６】 さらに、図４に示すように、溶接部１０によりシールド板１とシヤシー２の接 合部のギヤツプをなくすことにより、漏洩磁界の磁路が遮蔽されることになり、 接合部より漏れる磁束が低減される。

【００１７】 従つて、この実施例では、陰極線管３に取り付けられた偏向ヨーク４および高 圧トランス５より発生した不要輻射の漏洩磁束が陰極線管画像表示装置の後部上 方より漏洩するのを効率よく低減させることができる。

【００１８】 なお、この実施例ではシールド板１とシヤシー２を接合させたが、シールド板 同士を接合する場合も同様のことが言える。

【００１９】 この考案の接合構造を、陰極線管３の画像表示部を除く接合部の全個所に適用 することにより、陰極線管３の画像表示部面側以外の不要輻射の漏洩磁束を低減 できるから、偏向ヨーク４および高圧トランス５および他のコイル部品は、陰極 線管３の画像表示部面側の不要輻射対策を重点的に行うだけで、陰極線管画像表 示装置全体の漏洩磁束を低減することができる。

【００２０】

【考案の効果】

請求項１記載の考案によれば、シールド板あるいはシヤシーのＬ字形端辺が外 側になるように接合されるため、接合部の漏洩磁界の磁路が長くなり、その結果 不要輻射とそのばらつきを低減させることができる。

【００２１】 請求項２記載の考案によれば、ねじあるいは溶接により接合部を強固に固定す るようにしたので、不要輻射の低減効果をさらに高めることができる。

【００２２】 従つて、偏向ヨーク、高圧トランスおよびその他のコイル部品の個々の不要輻 射対策に関する構造および性能を緩和することができる副次的効果もある。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案の実施例に係るシヤシーとシールド板を
接合した場合の陰極線管画像表示装置の概略断面図であ
る。

【図２】図１におけるシヤシーとシールド板との接合部
における拡大構成図である。

【図３】シヤシーとシールド板の接合部をねじ止めし、
漏洩磁束の磁路を遮蔽した構成図である。

【図４】シヤシーとシールド板の接合部を溶接止めし、
漏洩磁束の磁路を遮蔽した構成図である。

【図５】従来技術によるシヤシーとシールド板の接合構
造の一例を示す陰極線管画像表示装置の概略断面図であ
る。

【符号の説明】

１ シールド板 ２ シヤシー ３ 陰極線管 ４ 偏向ヨーク ５ 高圧トランス ８ 漏洩磁束磁路 ９ ねじ １０ 溶接部

Claims (2)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 装置本体からの漏洩磁界を低減するため
   にその外周に設けられるシールド板同士の接合部または
   シヤシーとシールド板との接合部における両者の端辺の
   少なくとも一方はＬ字形に曲げられており、Ｌ字形端辺
   を外側にして両者が接合されるようになつていることを
   特徴とする陰極線管画像表示装置。
2. 【請求項２】 請求項１記載において、シールド板同士
   あるいはシヤシーとシールド板との接合部を、ねじまた
   は溶接により強固に固定したことを特徴とする陰極線管
   画像表示装置。