JPH0636061B2 - アニユラス排気設備 - Google Patents

アニユラス排気設備

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JPH0636061B2
JPH0636061B2 JP61232747A JP23274786A JPH0636061B2 JP H0636061 B2 JPH0636061 B2 JP H0636061B2 JP 61232747 A JP61232747 A JP 61232747A JP 23274786 A JP23274786 A JP 23274786A JP H0636061 B2 JPH0636061 B2 JP H0636061B2
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  • Superconductors And Manufacturing Methods Therefor (AREA)
  • Preparation Of Compounds By Using Micro-Organisms (AREA)
  • Structure Of Emergency Protection For Nuclear Reactors (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、原子力プラントの二次格納施設としてのアニ
ユラス部を排気するアニユラス排気設備に係り、特に、
アニユラス部負圧達成後におけるアニユラス部からの排
気中に含まれる放射能をより低減するのに好適なアニユ
ラス排気設備に関する。
〔従来の技術〕
従来の原子力プラントの系統構成の一例を第5図に示
す。図において、1はタービン、2は原子炉格納容器、
3は給水ポンプ、4は給水管、5は原子炉圧力容器、6
は燃料棒、10は外周円筒コンクリート壁、12はアニ
ユラスシール、11は貫通配管、13はアニユラス部、
19はアニユラス排気管、15は放射性物質除去フイル
タユニツト、14はアニユラス排気フアン、16は風導
管、18はスタツク、17はアニユラス給気弁、23は
格納容器サンプ、8は非常用ポンプ、9は冷却水タン
ク、22は安全補機室、25は安全補機室の放射性物質
除去フイルタユニツト、24はその排気フアン、26は
風導管である。
このような構成において、原子炉圧力容器5で発生した
蒸気は、貫通配管11を通りタービン1に導かれ、そこ
で仕事をしたのち、冷却凝縮されて給水ポンプ3により
給水管4から再び原子炉圧力容器5に送られる。
給水管4等において、万一配管破断が発生した場合に
は、第6図に示すように、配管破断口7から炉水が原子
炉格納容器2内へ放出されるため、原子炉圧力容器5内
に設置された燃料棒6の周りの炉水の圧力が急激に減少
し、燃料棒6内に蓄積された放射性物質が燃料棒被覆管
ピンホールを通し、炉水中ひいては原子炉格納容器2内
に放出される可能性がある。炉水が配管破断口7から流
出し、原子炉圧力容器5内の炉水が減少すると、非常用
ポンプ8が作動し、冷却水タンク9から冷却水を原子炉
圧力容器5内に注水し、原子炉を安全に停止させる。
また、配管破断口7から流出した放射性物質は、超気密
な原子炉格納容器2内に閉じ込め、環境への放射性物質
の漏洩を防止している。しかし、配管破断口7からは高
温高圧の蒸気が原子炉格納容器2内に放出されるため、
原子炉格納容器2内の温度が急激に上昇し、その圧力が
環境に対して正圧となるため、万一原子炉格納容器2内
が気密性を失つた場合にも、原子炉格納容器2内の放射
性物質が直接環境へ放出されないように、外周円筒コン
クリート壁10を設け、第二次格納容器としている。原
子炉格納容器2と外周円筒コンクリート壁10とアニユ
ラスシール12とで形成される密閉空間がアニユラス部
である。アニユラス部13は、原子炉格納容器2の気密
性を失う要因として考えられる原子炉格納容器を貫通す
る配管11部分が全て含まれるように形成されている。
配管破断発生直後に、アニユラス排気フアン14を起動
し、放射性室除去フイルタユニツト15を通し排気する
ことにより、アニユラス部13を環境に対して、規定時
間内に負圧に戻し、環境に放出される可能性のある放射
性物質を含んだ空気を、全て放射性物質除去フイルタユ
ニツト15を通して排気するように配慮してある。放射
性物質除去フイルタユニツト15とアニユラス排気フア
ン14と風導管16とからなるアニユラス排気設備の設
備容量は、アニユラス部13の圧力が、配管破断後規定
時間内に、原子炉格納容器2からの伝熱によるアニユラ
ス部13の空気の熱膨張に打勝つて、環境に対し負圧に
なるように決められている。
アニユラス部13の負圧が達成された後は、原子炉格納
容器2からの伝熱量がすでに減少しており、アニユラス
部13の空気の熱膨張の度合いは急激に減少し、ひいて
はその空気への原子炉格納容器2からの伝熱と外周円筒
コンクリート壁10への放熱が熱バランスするため、熱
的な膨張がなくなり、第7図に示すように、アニユラス
部13内の温度は、原子炉格納容器2内の温度降下とと
もに低下する傾向にある。したがつて、アニユラス部1
3の負圧達成後に、その負圧を維持するために、アニユ
ラス部13からアニユラス排気フアン14で排気すべき
風量は、アニユラス部13を配管破断直後から規定時間
内に負圧にするために必要なアニユラス排気容量よりも
大幅に小さくなる。
アニユラス排気設備は、安全上重要な設備であるから、
排気フアンのサージング等を防止し、高信頼性を確保す
るために、事故後の運転風量は極力一定にする必要があ
る。そこで、従来はアニユラス部13にアニユラス給気
弁17を設け、アニユラス部13の負圧達成後はアニユ
ラス給気弁17から大容量の外気を導入し、アニユラス
部13に停滞している放射性物質またはアニユラス部1
3において放射性減衰中の放射性物質等を、強制的に放
射性物質除去フイルタユニツト15に導き、処理後の排
気をスタツク18から大気中に放出していた。
〔発明が解決しようとする問題点〕
このように、アニユラス給気弁17をアニユラス部13
に設けられていたために、本来は放射性物質の自己減衰
作用を期待して設けてあつたアニユラス部13における
放射性物質の滞留時間が極端に短かくなり、原子炉格納
容器2から漏れる可能性のある放射性物質が十分に減衰
されないままに大気中に放出される可能性があつた。
本発明の目的は、アニユラス部13の負圧達成後にアニ
ユラス部13から排気する量をアニユラス部の負圧を維
持するのに必要最低限の風量とし、アニユラス部13の
放射性物質が環境に放出される可能性を極力低く抑える
ことができるアニユラス排気設備を提供することであ
る。
〔問題点を解決するための手段〕
本発明は、上記目的を達成するために、アニユラス排気
フアンのサージングを防止するための外気を取り込むバ
イパス給気弁付きバイパス給気管を、従来のアニユラス
部に設ける構成に代えて、アニユラス排気管の途中に設
けたアニユラス排気設備を提案するものである。
〔作用〕
本発明においては、バイパス給気管をアニユラス排気管
に直接設けたので、アニユラス部の負圧が達成された後
のアニユラス部からの排気量を極端に減らすことができ
る。一般に、アニユラス部に存在する放射性物質のアニ
ユラス部内の平均存在時間Tは、アニユラス空間体積
をA、アニユラス部からの排気量をQ/hとすると、T
=A/Qで示されるから、アニユラス部からの排気量
が減少すると、放射性物質のアニュラス部内での平均存
在時間が長くなり、アニュラス排気ファンによりスタツ
クから放出される際の放射能が、自己減衰により低減さ
れることになる。
ある放射性核種の半減期をTとすると、アニユラス負圧
達成後にスタツクから放出される可能性のある放射性核
種の放射能Iの本発明のアニユラス排気設備による低減
比ηは、概略次式で表現される。
ただし、Imin:本発明によるスタツクからの放出放射
能 I:従来例によるスタツクからの放出放射能 Qmin:本発明によるアニユラス部負圧達成後のアニユ
ラス部からの排気流量 Q:従来例によるアニユラス部負圧達成前後のアニユ
ラス部からの排気流量 つまり、従来例のように、アニユラス部の負圧達成後も
アニユラス給気弁から強制的にアニユラス部へ外気を給
気し、常にアニユラス部からの排気量をQとした場合
に比較し、アニユラス部負圧達成後にはアニユラス部を
負圧に維持するのに必要な最低流量Qminのみを排気し
た場合における低減比ηは、アニユラス部体積Aを10
000m3、ある放射性核種の半減期Tを24時間、配管
破断後規定時間内にアニユラス部の負圧を達成するに必
要な風量Qを10000m3/h、およびアニユラス部
負圧達成後アニユラス部の負圧維持に必要な最低風量Q
minを500m3/hとすると、上式から求められて、η
=0.58となり、放射性核種に対しては、スタツクか
ら放出する可能性のある放射能が役40%減少し、アニ
ユラス部から環境への放出放射能がより一層低減され
る。
〔実施例〕
第4図は本発明の基本的実施例を示す原子力プラントの
系統図である。本実施例が第5図の従来例と異なるの
は、アニユラス部に設けてあつたアニユラス給気弁17
に代えて、アニユラス排気管19上にバイパス給気弁2
1Aを有するバイパス給気管21を設けたことである。
アニユラス部13の負圧達成後にバイパス給気弁21A
を開くと、アニラス部13を介することなく外気をアニ
ユラス排気管19に直接取り込むことができ、アニユラ
ス部の放射性物質を持ち出すことがなくなるので、外気
に放出される放射性物質の量を著しく低減することがで
きる。ただし、この場合は、安全補機室排気設備を従来
通りに備えたままである。
第4図に示した設備では、従来の設備と同じく、前記ア
ニュラス排気設備と安全補機室22からの排気設備とが
併設してある。第6図の配管破断直後の状態では、非常
用ポンプ8には冷却水タンク9から見ずが補給されるか
ら、放射性物質を含んだ格納容器ポンプ23内の水は安
全補機室内の配管には流れないので、安全補機室22内
は放射能汚染されることはなく、放射性物質除去フィル
タニット25を働かせる必要がない。第7図に示したア
ニュラス部13の負圧達成後に、格納容器サンプ23か
ら冷却水を取り込み、再び原子炉圧力容器5に送るの
で、格納容器サンプ23から取り入れられる冷却水の安
全補機室22内への漏れ込みに配慮して、ここで初めて
放射性物質除去フィルタユニット25を働かせることに
なる。したがって、第6図の状態では安全補機室排気設
備は、いわば遊休状態にある。これに対して、第7図に
示したアニュラス部13の負圧達成後は、アニュラス排
気設備の排気量は、すでに非常に少なくなっているか
ら、安全補機室排気設備を並列運転することは、設備容
量的にむだが多かった。
そこで、本発明の最も好ましい実施例を第1図を参照し
て説明する。本実施例が第4図の基本的実施例と異なる
点は、バイパス給気弁21Aの吸い込み側を、安全補機
室排気管20に接続し、放射性物質除去フィルタユニッ
ト25及び排気ファン24を省いたことである。
第2図は、事故が発生した直後のアニユラス排気設備お
よび原子炉圧力容器5内に冷却水タンク9から冷却水を
緊急注水する非常用ポンプ8の動作を示す図である。本
実施例で仮定した各部の体積およびアニユラス排気フア
ンの容量等の一例を第1表にまとめて示す。
第2図に示すように、事故後アニユラス部13は、その
内圧を規定時間(10分)内に環境に対し負圧とするた
めに、アニユラス排気設備により約10000m3/hで
排気処理される。一方、安全機室22内に設置された非
常用ポンプ8は、冷却水タンク9から冷却水を原子炉圧
力容器5内に注水する。この際、弁およびポンプシール
部等から内部冷却水が漏出するおそれがあるが、冷却水
タンク9の冷却水には、特に放射性物質は含まれていな
いので、環境への被曝上の問題はない。
第3図は、事故発生10分以後の状態を示す。アニユラ
ス部13はすでに負圧状態となつており、また、事故後
10分後にはすでにアニユラス部13は熱的平衡に達し
ているから、アニユラス部13を以後負圧に維持するの
に必要な排気量は、約500m3/h程度であり、初期負
圧達成に必要な排気量10000m3/hに比較して約2
0分の1程度となる。
しかし、第8図に示すように、アニユラス排気フアン1
4は、風量が減少すると、風量に対する風圧特性が逆転
し、いわゆるサージング現象が発生するため、極端な風
量変動は許容できない。また本設備自体安全上重要な設
備であるため、排気フアンの高信頼性確保の観点から、
事故後の運転風量は極力一定にする必要がある。
このため、従来例では第7図に示すように、アニユラス
給気弁17から不足している約9500cm3/hを供給する
システムであつたが、本発明では、環境への放出放射能
低減を目的として強制的にアニユラス部への空気を供給
することをやめ、第3図に示すように、アニユラス排気
管19に新たに接続した安全補機室排気管20のバイパ
ス給気弁21を開き、アニユラス部13からの排気量5
00m3/hと安全補機室22からの排気量9500cm3/h
とをアニユラス排気管19で合流させ、アニユラス排気
フアン14には、約10000m3/hの風量を確保する
ようにしてある。ここでは、安全補機室排気設備は不要
となり、アニユラス排気設備のみで両者の役割を果たし
ている。
仮りに、第9図に示すように、従来のアニユラス排気設
備を用いて、安全補機室排気設備との共用化を図り、設
備の有効利用を考える場合には、環境への放出放射能量
の低減はできない。さらに、安全補機室22内の放射性
物質が一旦アニユラス部13へ運ばれるため、放射性物
質の拡散防止上好ましくない系統構成となつてしまう。
これに対して、本実施例においては、安全補機室22か
らの排気開始時間が、事故後10分以降となるが、安全
補機室22に設置された非常用ポンプ8が冷却水タンク
9の水源が不足して、その取水源を格納容器サンプ23
に切換える時間が、事故後30分以降で、これ以降に冷
却水中に放射性物質が含まれる可能性がでてくるから、
この遅れ時間は被曝上特に問題とはならない。
〔発明の効果〕
本発明によれば、アニユラス部負圧達成後のアニユラス
からの排気量は、府圧達成前のアニユラス部からの排気
量の約20分の1となるので、スタツクから負圧達成後
に環境に放出される放射能量は、従来例に比べて概略前
記(1) 式で計算される値に低減される。
アニユラス部空間内には、いろいろな核種の放射性物質
が原子炉格納容器内からリークする可能性があるが、こ
こで、放射性ヨウ素132(I−132)、半減期T=
2.26hrを例にとり、具体的に計算すると、次のよう
になる。
よつて、スタツクからアニユラス部負圧達成後環境に放
出されるI−132の放射能は、本発明によれば、従来
設備に比較し、約99.7%低減できるので、環境への
放出放射能を極端に減らすことができる。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明によるアニユラス排気設備の一実施例を
示す系統図、第2図は第1図実施例において配管破断が
生じた際の作動状態を示す図、第3図は第2図状態から
所定時間経過後の状態を示す図、第4図は本発明による
アニユラス排気設備の他の実施例を示す系統図、第5図
は従来のアニユラス排気設備の一例を示す系統図、第6
図は第5図実施例において配管破断が生じた際の作動状
態を示す図、第7図は第6図状態から所定時間経過後の
状態を示す図、第8図はアニユラス排気フアンの運転特
性を示す図、第9図は従来の設備合理化案の一例を示す
図である。 1……タービン、2……原子炉格納容器、3……給水ポ
ンプ、4……給水管、5……原子炉圧力容器、6……燃
料棒、7……配管破断口、8……非常用ポンプ、9……
冷却水タンク、10……外周円筒コンクリート壁、11
……貫通配管、12……アニユラスシール、13……ア
ニユラス部、14……アニユラス排気フアン、15……
放射性物質除去フイルタユニツト、16……風導管、1
7……アニユラス給気弁、18……スタツク、19……
アニユラス排気管、20……安全補機室排気管、21…
…バイパス給気管、21A……バイパス給気弁、22…
…安全補機室、23……格納容器サンプ。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】原子力プラントの二次格納施設としてのア
    ニユラス部に接続されたアニユラス排気管と、前記アニ
    ユラス排気管を通して引出される排気中の放射性物質を
    除去する放射性物質除去フイルタと、前記放射性物質除
    去フイルタを通して前記アニユラス部を排気しアニユラ
    ス部内を負圧に保つアニユラス排気フアンとを含むアニ
    ユラス排気設備において、前記アニユラス排気フアンの
    サージングを防止するための外気を取り込むバイパス給
    気弁付きバイパス給気管を、前記アニユラス排気管の途
    中に設けたことを特徴とするアニユラス排気設備。
  2. 【請求項2】特許請求の範囲第1項において、前記バイ
    パス給気弁の吸込側を、前記原子力プラントの安全補機
    室に接続したことを特徴とするアニユラス排気設備。
JP61232747A 1986-09-30 1986-09-30 アニユラス排気設備 Expired - Lifetime JPH0636061B2 (ja)

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