JPH0635922Y2 - スパイラル式自動ストレッチ包装機 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案はスパイラル式自動ストレッチ包装機に関し、よ
り詳しくはストレッチフィルム（以下、単にフィルムと
いう）のロールが上昇する間だけ被包装物にフィルムを
巻付けるスパイラル式自動ストレッチ包装機の改良に関
する。

〔従来の技術〕

パレット上に積載した被包装物に弾性を有するフィルム
（通常、片面粘着性のフィルムが用いられる）を緊張さ
せながら該フィルムのロールが上昇する間だけ被包装物
の周囲にフィルムを巻付けるスパイラル式自動ストレッ
チ包装機は本出願人の出願にかかる実開平3-38705号公
報（実願平1-28571号明細書）に開示されている。

〔考案が解決しようとする課題〕

一方、最近ではこのようなスパイラル式自動ストレッチ
包装機で包装した被包装物をクロスコンベアや別の回転
テーブルに一旦移さずに、直接該包装機の回転テーブル
から、搬入した方向の直角の方向に搬出することがしば
しば要求されるようになった。すなわち、フィルムの巻
付けが完了し、回転テーブルが所定の位置で自動的に停
止し、フィルムの巻終り端部が切断され、その切断端部
を被包装物の側面に装着した後、回転テーブルを90°回
転させて、該回転テーブル上のコンベアを回動させ、被
包装物をその搬入した方向と直角の方向に搬出できない
かということである。これによってクロスコンベアある
いは別の回転テーブルに要する設備費とこれらを設置す
るためのスペースも節減できるからである。

しかしながら、前記実願平1-28571号明細書のスパイラ
ル式自動ストレッチ包装機では、上記グリッパーが邪魔
になって被包装物を回転テーブル上に定置したまま、回
転テーブルを回転させることができない。また、上部グ
リッパーを邪魔にならない位置まで後退させると、粘着
性フィルムを使用している場合、フィルムがたるんで粘
着面同志が接着してクシャクシャになり、フィルムを回
転テーブル上に取付けられているグリッパーに移しかえ
る（つかみ直させる）とき支障となるという問題があっ
た。

本考案はかかる事情に鑑みなされたもので、その課題
は、包装サイクル完了後、必要に応じ、回転テーブルを
90°回転させ包装済の被包装物をその搬入した方向と直
角の方向に搬出できるよう改良された、フィルムロール
の上昇中だけ、被包装物にフィルムを巻付けるスパイラ
ル式自動ストレッチ包装機を提供することにある。

〔課題を解決するための手段〕

本考案は、被包装物を移動するコンベアとストレッチフ
ィルムの先端を下方から挟持するグリッパーを備えた回
転テーブル、該回転テーブルから独立して設けられた架
柱、該架柱に沿って設定したストロークで上昇した後、
下降するフィルム昇降フレーム、前記回転テーブル上に
定置された被包装物の側面に接触し得る揺動半径で揺動
するフィルム押えアーム、前記フィルム押えアームより
小さい揺動半径で揺動した後、直ちに原点に復帰するカ
ッターアームを主体とするスパイラル式ストレッチ包装
機において、前記フィルム昇降フレーム上に前記フィル
ム押えアームと、前記カッターアームとを取付け、更に
前記フィルム押えアームには複数個に分割された押込み
バーを、又、前記カッターアームには複数個に分割され
たグリッパーを前記押込みバーと上下方向に互いに喰違
う位置に取付けたことを特徴とするスパイラル式自動ス
トレッチ包装機である。

〔作用〕

本考案のスパイラル式自動ストレッチ包装機は前記した
通り、フィルム昇降フレーム上のフィルム押えアームと
カッターアーム上に夫々押込みバーとグリッパーが設け
られているので、フィルム昇降フレームの上昇中に被包
装物にフィルムを巻き付け、被包装物の上端までフィル
ムを巻きおわったとき、その位置でフィルム押えアーム
とカッターアームを揺動させてフィルムの切断及び該フ
ィルムの切断端部の被包装物側面への密着固定を行うと
共に、カッターアームに取付けられているグリッパーに
切断したフィルムの未包装端部を挟持させ、フィルム押
えアームとカッターアームを揺動前の位置に戻してから
被包装物を回転テーブル上から移動させた後、フィルム
昇降フレームを下降させると共にカッターアームを再び
切断位置まで揺動させ、前記カッターアームに取付けら
れているグリッパーから原点に戻った回転テーブルの上
に設けられている下部グリッパーにフィルムをつかみ直
させる（移しかえる）ことにより、フィルムが上昇する
間だけ被包装物の側面にスパイラル状フィルムを巻き付
ける作業を自動的に行うという作用が達成される。

本考案の装置においては、フィルムの切断と該フィルム
の切断端部の被包装物側面への装着を行った後、フィル
ム押えアームとカッターアームが原点に戻るので、必要
に応じて、回転テーブルを支障なく90°回転させて、被
包装物を回転テーブル上に搬入した（ときの）方向と直
角の方向に搬出することもできる。

〔実施例〕

以下、図面を参照して、本考案のスパイラル式自動スト
レッチ包装機の一実施例について詳細に説明するが、本
考案はこれによって限定されるものではない。

第１図は本考案の一実施例のスパイラル式自動ストレッ
チ包装機の正面図、第２図はその要部斜視図で、作図の
都合上フィルムの一部を切除して図示している。図中の
符号101はベースフレーム、102は回転テーブル、103は
フィルムロール、103′はフィルムロール103から巻出さ
れたフィルム、104はフィルム昇降フレーム、105は架
柱、106はフィルム押えアーム、106′はフィルム押えロ
ーラー、107はカッター・アーム、107′はカッター、10
8は下部グリッパー、109はチェーン・コンベア、110は
フィルム・ブレーキ・ユニット、111はガイドローラ
ー、112はブレーキ・ローラー、113は電磁ブレーキ、11
4はカッターアームに取付けられているグリッパー、115
は押込みバー、116,117,119,120,121はエアシリンダー
（第２図参照）である。

本実施例の装置は被包装物を移動するためのチェーンコ
ンベア109及びフィルム103′の端部を挟持する下部グリ
ッパー108を設けた回転テーブル102と、ベースフレーム
101上に該回転テーブルと独立して設けた架柱105と、フ
ィルムロール103を支持し、ガイドローラー111、ブレー
キ・ローラー112、電磁ブレーキ113より成るフィルム・
ブレーキ・ユニット110を包含し、前記架柱105に沿って
昇降するフィルム昇降フレーム104を有する点で市販の
スパイラル式自動ストレッチ包装機と同一である。

本考案のストレッチ包装機の特徴は、（ａ）従来のスパ
イラル式自動ストレッチ包装機では架柱105と並立して
ベースフレーム101上に設けられていたフィルム押えア
ーム106及びカッター・アーム107がフィルム昇降フレー
ム104上に取付けられ、該フィルム昇降フレームと共に
昇降するようになっている点と、 （ｂ）該フィルム昇降フレーム上にフィルム103′の面
部を挟持するグリッパー114が、エアシリンダー120によ
り回転テーブル102の中心方向に向って揺動するカッタ
ーアーム107上に取付けられている点と （ｃ）該フィルム昇降フレーム上に押込みバー115がエ
アーシリンダー121により回転テーブル102の中心方向に
向って揺動するフィルム押えアーム106上に取りつけら
れている点にある。

次に第３（ａ）〜第10（ｂ）図を参照して本実施例の装
置の作動を順に追って説明する。第３（ａ）〜第10
（ｂ）図は本実施例の装置の作動の各段階を説明する概
念図であり、図中の記号は第１図及び第２図におけるの
と同じ意味を有し、118は被包装物である。

（ａ）第３（ａ）及び第３（ｂ）図においてチェーン・
コンベア109を図示していない上流の機器（例えばパレ
タイザー）からの被包装物118を搬出する旨の信号を受
取ると始動し、該上流機器より被包装物を受取り、該被
包装物を回転テーブル中央まで移動させたところで図示
していない適当な検知装置例えばビームスイッチがこれ
を検知して、チェーン・コンベア109を停止させる。

（ｂ）次に第４（ａ）及び第４（ｂ）図に示すように回
転テーブル102が回転を開始するが、このときフィルム1
03′の端部は該回転テーブル上に設けられている下部グ
リッパー108に挟持されテーブルと共に回転するので、
フィルム103′は被包装物118の周囲に巻き付けられる。

（ｃ）回転テーブル102が概ね半回転したところで、下
部グリッパー108はフィルム103′の端部を挟持したまま
の状態でエアシリンダー117（第２図参照）の作動によ
り被包装物の側面にほぼ接する位置まで回転テーブル10
2の中心に向かって移動する（第５（ａ）図，第５
（ｂ）図参照）。

（ｄ）フィルム昇降フレーム104は回転テーブル102が少
なくとも１回転する間は上昇せず、又フレーム・ブレー
キ・ユニット110（第１図、第２図参照）はほとんどフ
ィルム103′にブレーキをかけない。フィルム昇降フレ
ーム104は回転テーブル102が１回転した後の適当に設定
されたタイミングで上昇を開始し、又フィルム・ブレー
キ・ユニット110はフィルム103′に予め設定された値の
ブレーキ力を働かせ、ストレッチ包装に必要な張力をフ
ィルム103に付与する。これとほとんど同時に下部グリ
ッパー108が開いてフィルム端部を開放し、エアシリン
ダー117（第２図参照）の作動により回転テーブル回転
開始前の位置まで戻る。このようにしてフィルム103′
は被包装物118の周囲にスパイラル状に巻き付けられる
（第６（ａ）図、第６（ｂ）図参照）。

（ｅ）フィルム昇降フレーム104は上昇を続け、設定さ
れたストロークの上限に到達すると停止し、そのままの
位置で停滞して被包装物118の上端部周囲にフィルムを
更に２〜３回巻き付けるが、これまでの工程は市販のス
パイラル状自動ストレッチ包装機と何ら異なるところは
ない。

（ｆ）本実施例のストレッチ包装機においては、フィル
ム昇降フレーム104がその設定されたストローク上限に
到達して停止すると、回転テーブル102は予め設定され
た回数だけ回転した後、自動的に低速に移行し、次いで
回転開始前の位置で停止する。

（ｇ）次いでフィルム昇降フレーム104に取付けられて
いるフィルム押えアーム106とカッター・アーム107によ
って、フィルム103′の切断及び被包装物118の側面への
装着が行なわれる。すなわち、先づフィルム押えアーム
106が揺動してフィルム103′を被包装物118の側面に装
着させると共に、該フィルム押えアームに取付けられて
いる押込みバー105が該フィルムの未包装端部を、カッ
ター・アーム107が揺動したとき、該カッター・アーム
に取付けられているグリッパー114の中に押込むことの
できる位置まで誘導する。

次いでカッター・アーム107が揺動し、フィルム103′が
前記押込みバー105によって、該カッター・アームに取
付けられているグリッパー114の間に押込まれたところ
で停止する。そして、グリッパー114はエアシリンダー1
16によって閉じられフィルム103′の未包装端部を挟持
する。（第７（ａ）図，第７（ｂ）図参照） 次いでカッターアーム先端部のカッターがエアーシリン
ダー119により前方に移動しフィルム押えロール106′と
グリッパー114の間でフィルム103′を切断して（第８
（ａ）図，第８（ｂ）図参照）、直ちに元の位置に戻
る。次にチェーン・コンベア109が始動し、被包装物118
を図示していない下流の機器（例えばコンベア）上に移
動するが、この間フィルム押えアーム106はそのままの
位置に留まり、被包装物118の側面にフィルム103′の切
断端部を確実に密着・固定させる（第９（ａ）図，第９
（ｂ）図参照）。

被包装物118がフィルム押えアーム106を通過すると該ア
ームは直ちに揺動前の位置に戻る。

なお、グリッパー114が閉じた場合、押込みバー115を挟
まないようにグリッパーと押込バーは上下方向に互い違
いに設けられている。

また、グリッパーと押込バーは夫々カッターアーム及び
フィルム押えアーム上に固定して設けてもよく、またフ
ィルムの巾にあわせて個々に上下に移動できるようにし
てもよい。

（ｈ）次いでフィルム昇降フレーム104は上昇開始前の
位置まで下降する。

（ｉ）カッターアームに保持されているグリッパー114
は、フィルム昇降フレーム104がそのストローク下限に
到達すると、フィルム103′の切断端部を挟持したまま
の状態でエアシリンダー120の作動により回転テーブル1
02の中心に向って、下部グリッパーの内側まで揺動し
（第10（ａ）図、第10（ｂ）図）、次いで回転テーブル
102上に設けられている下部グリッパー108がエアシリン
ダーの作動で閉じ、フィルム103′の下端部を挟持する
と、カッターアームに保持されたグリッパー114が開い
て、フィルム103′を開放し第３（ａ）図，第３（ｂ）
図の位置迄移動する。

なお、本考案のストレッチ包装機においては、カッター
アームに保持されているグリッパーがエアシリンダー12
0の作動によって、第10（ａ）図に示す位置に揺動し、
フィルム103′を下部グリッパー108に移しかえるのは被
包装物が下流機器上に移動し、フィルム押えアーム106
が揺動前の位置にエアシリンダー121の作動によって戻
った時から、上流機器から次の被包装物が移動してくる
までの間の適当な時点でよく、又カッター107′にはホ
ットワイヤーカッターの外、ノコ刃などフィルムを切断
するための公知の切断手段を用いてもよく、更に、フィ
ルム・ブレーキ・ユニット110の代わりに、予備延伸装
置を用いてもよい。又架柱105に沿って昇降し、回転テ
ーブル102の回転中、被包装物の頂部を押える装置（い
わゆるプラテン装置）を設けてもよい。

本考案の装置では、必要に応じ、フィルムの切断後、カ
ッターアーム107とフィルム押えアーム106を揺動前の位
置に戻してから、回転テーブル102を90°回転させ、続
いてチェーンコンベア109を回動させて被包装物118を搬
入した方向と直角の方向に搬出させることができる。す
なわち、カッターアーム107とフィルム押えアーム106は
揺動前の位置に戻っているので回転する被包装物118に
当ることはない。その後、被包装物118の搬出後回転テ
ーブルを90°逆転させて定位置に戻し、前記（ｈ）及び
（ｉ）の工程を経て、包装サイクルが完了する。

〔考案の効果〕

本考案のスパイラル式自動ストレッチ包装機は前記した
通り、フィルム昇降フレーム上にフィルム押えアームと
カッターアーム上に夫々押込みバーとグリッパーが設け
られているので、フィルム昇降フレームの上昇中に被包
装物にフィルムを巻き付け、被包装物の上端までフィル
ムを巻きおわったとき、その位置でフィルム押えアーム
とカッターアームを揺動させてフィルムの切断及び該フ
ィルムの切断端部の被包装物側面への密着固定を行うと
共に、カッターアームに取付けられているグリッパーで
切断したフィルムの未包装端部を挟持させ、フィルム押
えアームとカッターアームを揺動前の位置に戻してから
被包装物を回転テーブル上から移動させた後、フィルム
昇降フレームを下降させると共にカッターアームを再び
切断位置まで揺動させ、前記カッターアームに取付けら
れているグリッパーから回転テーブル上に設けられてい
る下部グリッパーにフィルムをつかみ直させる（移しか
える）ことにより、フィルムが上昇する間だけ被包装物
の側面にスパイラル状にフィルムを巻き付ける作業を自
動的に行うことができる。

本考案の装置においては、フィルムの切断と該フィルム
の切断端部の被包装物側面への装着を行った後、フィル
ム押えアームとカッターアームが原点に戻るので、必要
に応じて、回転テーブルを支障なく90°回転させて、被
包装物を回転テーブル上に搬入した（ときの）方向と直
角の方向に搬出することもできる。

以上詳述したように、本考案によれば、包装完了後、必
要に応じ、回転テーブルを90°回転させ包装済の被包装
物をその搬入した方向と直角の方向に搬出できるよう改
良された、フィルムロールの上昇中だけ被包装物にフィ
ルムを巻付けるスパイラル式自動ストレッチ包装機を提
供することができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案のスパイラル式自動ストレッチ包装機の
一実施例の正面図、第２図は第１図に示す装置の要部斜
視図、第３（ａ）図、第３（ｂ）図、第４（ａ）図、第
４（ｂ）図、第５（ａ）図、第５（ｂ）図、第６（ａ）
図、第６（ｂ）図、第７（ａ）図、第７（ｂ）図、第８
（ａ）図、第８（ｂ）図、第９（ａ）図、第９（ｂ）
図、第10（ａ）図及び第10（ｂ）図は本考案の装置の作
動を順を追って説明するための図面であって、第３
（ａ）図、第４（ａ）図、第５（ａ）図、第６（ａ）
図、第７（ａ）図、第８（ａ）図、第９（ａ）図及び第
10（ａ）図は平面図、第３（ｂ）図、第４（ｂ）図、第
５（ｂ）図、第６（ｂ）図、第７（ｂ）図、第８（ｂ）
図、第９（ｂ）図及び第10（ｂ）図は夫々の平面図に対
応する側面図である。 101……ベースフレーム、 102……回転テーブル、 103……フィルムロール 103′……フィルムロール103から巻出されたフィルム、 104……フィルム昇降フレーム、 105……架柱、 106……フィルム押えアーム、 106′……フィルム押えローラー、 107……カッター・アーム、 107′……カッター、 108……下部グリッパー、 109……チェーン・コンベア、 110……フィルム・ブレーキ・ユニット、 111……ガイドローラー、 112……ブレーキ・ローラー、 113……電磁ブレーキ、 114……カッターアームに保持されているグリッパー、 115……押込みバー、 116,117,119,120,121……エアーシリンダー

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】被包装物を移動するコンベアとストレッチ
   フィルムの先端を下方から挟持するグリッパーを備えた
   回転テーブル、該回転テーブルから独立して設けられた
   架柱、該架柱に沿って設定したストロークで上昇した
   後、下降するフィルム昇降フレーム、前記回転テーブル
   上に定置された被包装物の側面に接触し得る揺動半径で
   揺動するフィルム押えアーム、前記フィルム押えアーム
   より小さい揺動半径で揺動した後、直ちに原点に復帰す
   るカッターアームを主体とするスパイラル式ストレッチ
   包装機において、前記フィルム昇降フレーム上に前記フ
   ィルム押えアームと、前記カッターアームとを取付け、
   更に前記フィルム押えアームには複数個に分割された押
   込みバーを、又、前記カッターアームには複数個に分割
   されたグリッパーを前記押込みバーと（上下方向に）互
   いに喰違う位置に取付けたことを特徴とするスパイラル
   式自動ストレッチ包装機。