JPH0635277B2 - 水噴射式船舶推進機のトリム調節装置 - Google Patents

水噴射式船舶推進機のトリム調節装置

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JPH0635277B2
JPH0635277B2 JP61091680A JP9168086A JPH0635277B2 JP H0635277 B2 JPH0635277 B2 JP H0635277B2 JP 61091680 A JP61091680 A JP 61091680A JP 9168086 A JP9168086 A JP 9168086A JP H0635277 B2 JPH0635277 B2 JP H0635277B2
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pressure
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pressure chamber
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良和 中安
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Yamaha Marine Co Ltd
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Sanshin Kogyo KK
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Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本考案は水噴射式の船舶推進機に係り、特に船速に応じ
て船舶の姿勢すなわちトリムを調節する水噴射式船舶推
進機のトリム機構に関する。
[従来の技術] 従来、船外機においては無論のこと水噴射式船舶推進機
においても、船速の変化に対して船の航走姿勢を調整
し、適切なトリムで最良の航走性能と経済的な燃料消費
率を得ることを目的としてトリム調節装置が種々提案さ
れている。これらの例の一つとして実公昭60−487
9号公報に記載された小型舟艇の水ジェット推進装置が
あるが、ここに記載されたトリム調節装置は、可動ノズ
ルを手動で上下に揺動させて適切なトリム角を得るよう
にしたものである。
また他の例として、実公昭54−40636号公報に記
載されたジェット推進式滑走艇の自動トリム調整装置が
ある。このものは可動ノズルに相当するものを船速に応
じて自動的に上下に揺動させて適切なトリム角を得るよ
うに意図されたものである。しかしここに記載のもの
は、船底に位置するカバーがキール線よりも下方へ張り
出すように位置されるとともに上下に揺動可能に取付け
られ、このカバーに作用する水の抵抗によってこのカバ
ーが上下するような構造となっており、従って常に船に
対する水の抵抗を受ながらトリム角を調節せんとするも
のである。
[発明が解決しようとする問題点] このように従来における水噴射式船舶推進機のトリム調
節装置は、例えば手動で調節することとなっていたり、
また船舶に作用する水の抵抗を積極的に受けるような構
造としてこの抵抗を利用してトリムを調節せんとするも
のであり、従って最良な航走性能を得るには至っていな
い。
本発明は、このような従来技術の問題点に鑑みなされた
もので、その目的とするところは船速に応じて自動的
に、かつ水の抵抗を極力受けることのないような水噴射
式船舶推進機のトリム調節装置を提供するにある。
[問題点を解決するための手段] 本発明はインペラの回転による水の噴流を、左右に揺動
可能な可動ノズルを介して船の後方に噴射して推進力を
得る水噴射式船舶推進機において、可動ノズルをシリン
ダ機構を介して上下にも揺動可能とし、船速に対応した
船舶周囲の水の動圧を取り入れる第1の取入れ口とイン
ペラの回転による水の噴流の動圧を取り入れる第2の取
入れ口とを船舶に設け、該第1の取り入れ口を前記シリ
ンダ機構の第1のピストンの第1の圧力室に、該第2の
取り入れ口を前記シリンダ機構の第2の圧力室にそれぞ
れ連通して、該第1の圧力室の圧力と該第2の圧力室の
圧力との相対変化によって前記可動ノズルを上下に制御
できるように構成した水噴射式船舶推進機のトリム調節
装置によって上記目的を達成せんとするものである。
例えば、前記第1のピストンの受圧面積を前記第2のピ
ストンの受圧面積よりも大きく構成し、さらに前記第1
のピストンの押力が前記第2のピストンの押力よりも大
きくなる程可動ノズルが水平になるように構成される。
[作用] 以上のように本発明によれば、前記第1の圧力室の圧力
と前記第2の圧力室の圧力との相対変化によって前記可
動ノズルを制御するように構成したので、船舶推進機の
船速に応じて前記可動ノズルを上下に揺動することがで
き、これによってその船速に適した推進効率を得ること
ができる船舶推進機のトリムを与える。
さらに本発明によれば、インペラの回転による水の噴流
の動圧と船速に対応した船舶周囲の水の動圧との相対的
均衡によって前記可動ノズルの位置が決められているの
で、安定したノズル位置に制御することができる。
例えば、前記第1のピストンの受圧面積を前記第2のピ
ストンの受圧面積よりも大きく構成し、さらに前記第1
のピストンの押力が前記第2のピストンの押力よりも大
きくなる程可動ノズルが水平になるように構成する。こ
のように構成することにより、船舶が低速域あるいは中
速から高速へ加速する時においては、第1の取入れ口か
ら取り入れられる船舶周囲の水の圧力は低く、よって可
動ノズルは斜め下方に揺動されて水の噴射方向を斜め下
方とし、船尾を持ち上げて加速性能が向上する。一方、
船舶が高速域にある時においては、第1の取入れ口から
取り入れられる船舶周囲の水の圧力は高くなる。この
際、前記第1のピストンの受圧面積が前記第2のピスト
ンの受圧面積よりも大きく構成されているため、前記第
1のピストンの押力は前記第2のピストンの押力よりも
大きくなり、よって可動ノズルはほぼ水平な状態に揺動
されて効率のよい推進力を得る。すなわち、このような
構成によれば、船舶が低速域から高速域に移ると、自動
的に船舶は水平になり、効率のよい推進力が自動的に得
られるようになる。
[実施例] 以下、本発明を図面に示す実施例に基づいて説明する。
第1図には本発明を水噴射式小型レジャー船に適用した
場合の実施例が示されている。この水噴射式小型レジャ
ー船は全体として船体10の後方下部に水噴射ユニット
12と、船体のエンジンルーム11の中央前寄りにエン
ジン14と、エンジン14よりさらに前寄りに燃料タン
ク16とを有している。水噴射ユニット12は主に、エ
ンジン14に駆動されるプロペラ軸18、プロペラ軸1
8により駆動され、水吸込み口24からの水を後方に押
出すインペラ20、インペラ20よりも後方に設けられ
た整流翼21、水吸込み口24が下方に形成されるとと
もにインペラ20および整流翼21を収納するケーシン
グ22、および後で詳しく述べる固定ノズル26と可動
ノズル28とよりなる。
エンジン14は主に、シリンダブロック30、シリンダ
ヘッド32、クランクケース34、シリンダヘッド上方
に配置された排気膨張室36、および排気通路38から
なり、その出力はカップリング40を介して前記プロペ
ラ軸18に伝達されるようになっている。なお符号42
はエンジンのウォータジャケット(図示省略)に冷却水
を導入する冷却水用ホースであり、44は排気管であ
り、46は点火プラグである。また符号48はハンドル
装置を示し、このハンドル装置48は前記可動ノズル2
8に連結されて該可動ノズル28を左右に揺動せしめこ
れによって船の操舵を司どるようになっている。
第2図には前記水噴射ユニット12の構造が拡大して示
されている。可動ノズル28は、その下部において球面
継手50を介して固定ノズル26に上下および左右方向
に揺動可能に取付けられている。第3図をも参照し、固
定ノズル26の上部は肉厚状に形成されるとともに軸線
方向に沿って延在する突起状のレール52が形成され、
このレール52は固定ノズル26の後端すなわち第2図
の左端部に向かって徐々に軸心に近づくようになめらか
に湾曲して形成されている。このレール52には摺動部
材54が該レール52をまたぐように載置され、この摺
動部材54からは略垂直上方に軸部56が一体的に突設
されている。この軸部56は可動ノズル28の上部を貫
通し、この貫通部にナット58が螺合されている。これ
によって、可動ノズル28は軸部56の回りに船舶の左
右方向に揺動可能に支承されている。ナット58には一
体的にブラケット60が突設され、このブラケット60
にはピン62を介してピストンロッド64が連結されて
いる。従ってこのピストンロッド64が往復動すること
によって、摺動部材54がレール52に沿って往復動
し、これによって可動ノズル28は球面継手50を中心
に上下に揺動可能となっている。前記ピストンロッド6
4は、前記固定ノズル26に一体的に形成されたシリン
ダ66から突出されており、このピストンロッド64に
はシリンダ66内において、一対のピストン68,70
が取付けられている。さらに詳しくは、シリンダ66は
小径部66Aと大径部66Bとが直列に一体的に配置さ
れた形状となっており、小径部66Aにはピストンロッ
ド64の先端において小径の第1のピストン68が連結
され、大径部66Bにはピストンロッド64の略中間位
置において大径の第2のピストン70が連結されてい
る。第1のピストン68の圧力室72はホース74を介
して前記ケーシング22内の整流翼21の位置、すなわ
ちインペラ20の後方に連通され、これによってインペ
ラ20後方の圧力が導入されて、この圧力によってピス
トンロッド64を第2図の左方向に押し出すようになっ
ている。また第2のピストン70の圧力室76は、ホー
ス78を介してピトー管80に連通されている。このピ
トー管80は、水噴射ユニット12の底部を覆う底板8
2に取付けられ、その先端は船舶の軸線方向前方、すな
わち第2図の右方向に向かって開口され、これによって
船舶の速度に応じた圧力が圧力室76に導入されて第2
のピストン70を押圧し、よってピストンロッド64を
第2図の右方向に移動させるようになっている。なお、
符号84は両ピストン68、70の間の空間を大気に連
通させるための空気抜き通路である。
以下、この実施例の作動を説明する。通常、特に水噴射
式船舶推進機において、インペラ20によって生ずる水
の圧力と船速に対応してピトー管80から取り出される
圧力との関係は第4図に示すようなものとなる。この第
4図において、Pは前述のホース74によって取り出
されるインペラ20よりも後方の水の圧力であり、P
はピトー管80から取り出される船速に対応した水の圧
力である。この図から分かるように、船速に対応した圧
力Pは、水による走行抵抗等により、インペラ20に
よる水の噴射圧力Pよりもその立ち上がりが遅く、か
つ常に低い状態となっている。ここで、前述のようにピ
トー管80に連結された第2の圧力室76を区画する第
2のピストン70は、インペラ20後方の圧力が導入さ
れる第1の圧力室72を区画する第1のピストン68よ
りもその受圧面積が大きく採られている。このようにす
ることにより、第4図の圧力Pはその受圧面積の差に
応じた分だけピストンロッド64を移動させる力は低く
なることになり、ちょうど第4図に点線で示す状態とな
る。換言すれば、圧力Pはピストンロッド64を第2
図の右方向に移動させて可動ノズル28を水平方向に揺
動させる力となり、点線で示した圧力P′はピストン
ロッド64を第2図の左方向に移動させて可動ノズル2
8を下方に揺動させる力となる。従って、船速が低い時
にはP′はPよりも大きく、従って可動ノズル28
は下方に揺動して噴流を船体下方に噴射させ、船の加速
力を高めるように作用する。船速が徐々に増加して図に
Cで示す地点で圧力P′とPは同一となり、その後
はP′よりも高い圧力となってこれによって可動
ノズル28は水平な位置となり、効率のよい高速の航走
状態を得ることができる。
上記実施例においては、第2の圧力室76にピトー管8
0によって取り出した船舶の回りの水の動圧を導入する
ようにしたが、これに限定する必要はなく、実質的に、
船速に対応した船舶周囲の水の動圧を取入れるようにす
ればよい。
その実施例として第5図に示すものがある。この第5図
において、前記第一実施例と異なるところは、第2の圧
力室に連接されたホース78は、ケーシング22の水吸
込み口24内に開口した圧力取入れ口86に接続されて
いる点のみである。他の部分は前述の実施例と全く同様
である。この圧力取入れ口86で取り入れられる水の圧
力は、前記実施例のピトー管で取り入れられた水の圧力
と同様、船速に対応した船舶周囲の水の動圧であり、こ
れによって前記実施例と全く同様の作用を奏することが
できる。
また第1実施例における第1の圧力室72に導入される
圧力についても種々の変形例が考えられ、その変形例を
示すものが第6図、第7図である。第6図に示すもの
は、前記第1実施例における第1のピストン68、ホー
ス74および空気抜き通路84をなくし、第1の圧力室
72を密閉した室としたものであり、この第1の圧力室
72の圧力がピストン70の一側面を押圧し、一方、第
2の圧力室76に導入される船速に対応した動圧がピス
トン70の他方の面を押圧するような構成となってい
る。さらに、第7図に示すものは、第1実施例における
第1のピストン68およびホース74をなくし、第1の
圧力室72に導入されるインペラ後方の噴射圧力に替
え、ばね88を第1の圧力室72に介装してピストンロ
ッド64を図の左方向に付勢したものである。これら第
6図、第7図に示す実施例においても、実質的に前記第
1実施例に示しものと同様な作用を奏することができ
る。
[効果] 本発明によれば、船速に応じて自動的に船のトリムを調
節することができ、また船速に対応した船舶周囲の水の
動圧とインペラの回転による水の噴流の動圧との均衡に
よって安定したノズル位置に制御することができ、従っ
て効率のよい航走性能を発揮することができるという優
れた効果がある。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明に係る水噴射式船舶推進機のトリム調節
装置の第1実施例を示す切欠き断面図、第2図は同実施
例における水噴射ユニットを拡大して示す断面図、第3
図は第2図におけるIII-III線に沿う拡大断面図、第4
図はインペラ後方の水の噴射圧力と船速に対応したピト
ー管の圧力を比較して示すグラフ、第5図は本発明の他
の実施例を示し、特に第2の圧力室に導入する圧力の取
入れ口の他の例を示す要部断面図、第6図は第1の圧力
室の他の実施例を示す要部断面図、第7図はさらに第1
の圧力室の他の実施例を示す断面図である。 12……水噴射ユニット 20……インペラ 24……水吸込み口 26……固定ノズル 28……可動ノズル 66……シリンダ 68、70……ピストン 72、76……圧力室 86……圧力取入口

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】インペラの回転による水の噴流を、左右に
    揺動可能な可動ノズルを介して船の後方に噴射して推進
    力を得る水噴射式船舶推進機において、可動ノズルをシ
    リンダ機構を介して上下にも揺動可能とし、船速に対応
    した船舶周囲の水の動圧を取り入れる第1の取入れ口と
    インペラの回転による水の噴流の動圧を取り入れる第2
    の取入れ口とを船舶に設け、該第1の取り入れ口を前記
    シリンダ機構の第1のピストンの第1の圧力室に、該第
    2の取り入れ口を前記シリンダ機構の第2の圧力室にそ
    れぞれ連通して、該第1の圧力室の圧力と該第2の圧力
    室の圧力との相対変化によって前記可動ノズルを上下に
    制御できるように構成した水噴射式船舶推進機のトリム
    調節装置。
  2. 【請求項2】前記第1のピストンの受圧面積を前記第2
    のピストンの受圧面積よりも大きく構成し、さらに前記
    第1のピストンの押力が前記第2のピストンの押力より
    も大きくなる程可動ノズルが水平になるように構成した
    特許請求の範囲第1項記載の水噴射式船舶推進機のトリ
    ム調節装置。
JP61091680A 1986-04-21 1986-04-21 水噴射式船舶推進機のトリム調節装置 Expired - Lifetime JPH0635277B2 (ja)

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JPS62247997A JPS62247997A (ja) 1987-10-29
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