JPH06350100A - 強誘電体材料および該材料をゲートとして用いたmfsfet - Google Patents
強誘電体材料および該材料をゲートとして用いたmfsfetInfo
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- JPH06350100A JPH06350100A JP15604193A JP15604193A JPH06350100A JP H06350100 A JPH06350100 A JP H06350100A JP 15604193 A JP15604193 A JP 15604193A JP 15604193 A JP15604193 A JP 15604193A JP H06350100 A JPH06350100 A JP H06350100A
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- Japan
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- bsto
- mfsfet
- thin film
- ferroelectric
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Abstract
(57)【要約】
【目的】 本発明の目的は、ゲート上に形成する強誘電
体薄膜材料としてBiとTiの酸化物を使用する場合
に、該材料中にさらに特定のイオンあるいは原子を添加
することによって、不安定性を低減し、デバイスとして
の動作を安定向上させることができる強誘電体薄膜材料
および該材料を使用したMFSFETを提供する点にあ
る。 【構成】 Ba、Ti酸化物とSr、Ti酸化物の固溶
体(以下、BSTOという)に、該BSTOがn型の場
合にはアクセプタとなりうる元素、また該BSTOがP
型の場合にはドナーとなりうる元素を添加したもので構
成されることを特徴とする強誘電体材料および該材料を
使用したMFSFET。
体薄膜材料としてBiとTiの酸化物を使用する場合
に、該材料中にさらに特定のイオンあるいは原子を添加
することによって、不安定性を低減し、デバイスとして
の動作を安定向上させることができる強誘電体薄膜材料
および該材料を使用したMFSFETを提供する点にあ
る。 【構成】 Ba、Ti酸化物とSr、Ti酸化物の固溶
体(以下、BSTOという)に、該BSTOがn型の場
合にはアクセプタとなりうる元素、また該BSTOがP
型の場合にはドナーとなりうる元素を添加したもので構
成されることを特徴とする強誘電体材料および該材料を
使用したMFSFET。
Description
【0001】
【技術分野】本発明は、強誘電体材料および該材料を使
用したMFSFETに関する。
用したMFSFETに関する。
【0002】
【従来技術】強誘電体薄膜をMOSFET(Metal-oxid
e-semiconductor・field-effect-transistor)のゲート
部に作製させ、その膜の有する履歴現象を伴う電気分極
によりチャネルの表面ポテンシャルを制御してドレイン
電流を変化させ、不揮発性メモリ効果を生じさせること
が出来る。この素子はMFS(Metal-ferroelectric-se
miconductor)FETと呼ばれるが、その概要は、例え
ば次の二つの文献によって紹介されている。 「強誘電体薄膜を用いた不揮発性メモリFET」松井
康、浜川圭弘他、電子通信学会技術研究会報告 CPM
78−46 pp.1〜8(1978) US Patent 2,791,758(195
7) MFSFETは、構造が簡単で素子の応答速度も数ns
ec程度と早いこと等、EPROMに比較して利点を有
しているものの、現在迄のところ、デバイス化が遅れて
いる。その原因の一つには、材料組成に関連する誘電体
薄膜の結晶構造と電気特性の安定性がデバイス化が可能
なレベルに到達出来ていないことにある。例えば、ゲー
ト上の強誘電体薄膜材料としてPZT(Pb、Zr、T
i酸化物)を検討している例は多いが、分極反転を繰返
した時109回位で残留分極(Pr)の値の低下が目立
って来る。この劣化現象は薄膜中のイオンや格子欠陥の
移動等に起因すると考えられ改善へ向けて研究が続けら
れている。又、薄膜の誘電特性のうち動作電場強度(E
R)や抗電場(EC)、リーク電流等の値も重要な特性パ
ラメーターであるが、上述のように反転繰返し回数と共
に変化して行くことが知られており、これもデバイス化
を行う際の障害になっている。これらの特性パラメータ
ーの変化は、材料本来の性質によることは勿論である
が、むしろ、製膜の際に導入される組成の不均一性や結
晶格子の欠陥によることが多いと考えられる。
e-semiconductor・field-effect-transistor)のゲート
部に作製させ、その膜の有する履歴現象を伴う電気分極
によりチャネルの表面ポテンシャルを制御してドレイン
電流を変化させ、不揮発性メモリ効果を生じさせること
が出来る。この素子はMFS(Metal-ferroelectric-se
miconductor)FETと呼ばれるが、その概要は、例え
ば次の二つの文献によって紹介されている。 「強誘電体薄膜を用いた不揮発性メモリFET」松井
康、浜川圭弘他、電子通信学会技術研究会報告 CPM
78−46 pp.1〜8(1978) US Patent 2,791,758(195
7) MFSFETは、構造が簡単で素子の応答速度も数ns
ec程度と早いこと等、EPROMに比較して利点を有
しているものの、現在迄のところ、デバイス化が遅れて
いる。その原因の一つには、材料組成に関連する誘電体
薄膜の結晶構造と電気特性の安定性がデバイス化が可能
なレベルに到達出来ていないことにある。例えば、ゲー
ト上の強誘電体薄膜材料としてPZT(Pb、Zr、T
i酸化物)を検討している例は多いが、分極反転を繰返
した時109回位で残留分極(Pr)の値の低下が目立
って来る。この劣化現象は薄膜中のイオンや格子欠陥の
移動等に起因すると考えられ改善へ向けて研究が続けら
れている。又、薄膜の誘電特性のうち動作電場強度(E
R)や抗電場(EC)、リーク電流等の値も重要な特性パ
ラメーターであるが、上述のように反転繰返し回数と共
に変化して行くことが知られており、これもデバイス化
を行う際の障害になっている。これらの特性パラメータ
ーの変化は、材料本来の性質によることは勿論である
が、むしろ、製膜の際に導入される組成の不均一性や結
晶格子の欠陥によることが多いと考えられる。
【0003】
【目的】本発明においては、ゲート上に形成する強誘電
体薄膜材料としてBSTOを使用する場合に、該材料中
にさらに特定の元素を添加することによって上記のよう
な該材料の不安定性を低減し、デバイスとしての動作を
安定向上させることを目的とする。
体薄膜材料としてBSTOを使用する場合に、該材料中
にさらに特定の元素を添加することによって上記のよう
な該材料の不安定性を低減し、デバイスとしての動作を
安定向上させることを目的とする。
【0004】
【構成】本発明は、BSTOに、該BSTOがn型の場
合にはアクセプタとなりうる元素、また該BSTOがp
型の場合にはドナーとなりうる元素を添加したもので構
成される強誘電体材料、および該強誘電体材料を、電界
効果型トランジスタ(以下、MFSFETという)のゲ
ートとして用いたことを特徴とするMFSFETに関す
る。本発明で使用するBSTOとしては、例えば式Ba
ySrxTiO3(y=1−x)で示されるものが挙げ
られる。前式中、xが0.1≦x≦0.35のBSTO
は、常温あるいはその近傍のデバイス動作速度で強誘電
性を有するものであり、また液体窒素温度付近のような
温度範囲でデバイスを操作させるような場合には、強誘
電性を発現するものとしては、xが0.7≦x≦0.9
の範囲のものが挙げられる。
合にはアクセプタとなりうる元素、また該BSTOがp
型の場合にはドナーとなりうる元素を添加したもので構
成される強誘電体材料、および該強誘電体材料を、電界
効果型トランジスタ(以下、MFSFETという)のゲ
ートとして用いたことを特徴とするMFSFETに関す
る。本発明で使用するBSTOとしては、例えば式Ba
ySrxTiO3(y=1−x)で示されるものが挙げ
られる。前式中、xが0.1≦x≦0.35のBSTO
は、常温あるいはその近傍のデバイス動作速度で強誘電
性を有するものであり、また液体窒素温度付近のような
温度範囲でデバイスを操作させるような場合には、強誘
電性を発現するものとしては、xが0.7≦x≦0.9
の範囲のものが挙げられる。
【0005】BSTO薄膜は、その作製条件の差異によ
って、p型あるいは、n型の性質を有することが知られ
ている。p型BSTO薄膜に、ドナーとなる得る元素を
添加するとキャリヤーの補償が起り、リーク電流は減少
することになる。又、この場合電荷補償のためにイオン
の位置に空孔が生じて分極ベクトルを動きやすくしてE
Cを減少させる効果を生じると考えられている。また、
n型BSTO薄膜の場合に、アクセプタとなり得る元素
を添加すると、そのイオンが双極子を形成し、さらには
分極壁のピニングを行なうために経時変化を低減する効
果を生じる。さらに、前記のようなドナーとなり得る元
素またはアクセプタとなり得る元素を添加すると、前記
のようなリーク電流およびECの減少という効果だけで
なく、分極反転速度等強誘電体のその他のパラメーター
についても影響し、強誘電性メモリーとしてのBSTO
薄膜の特性を向上させることができる。したがって、B
STOについては、Ba、Sr、Tiに対してドナーま
たはアクセプタの作用をする元素を予測し、これを添加
することにより、前記のようなリーク電流およびECの
減少等の効果を生じさせることができる。このようなB
a、SrおよびTiに対してドナーまたはアクセプタの
作用をすることができる元素は、ペロブスカイト構造B
STOのA−SiteのBaおよびSrは原子価が2
+、またB−SiteのTiは原子価が4+であるか
ら、下記表1に記載のような価数のものが適当である。
って、p型あるいは、n型の性質を有することが知られ
ている。p型BSTO薄膜に、ドナーとなる得る元素を
添加するとキャリヤーの補償が起り、リーク電流は減少
することになる。又、この場合電荷補償のためにイオン
の位置に空孔が生じて分極ベクトルを動きやすくしてE
Cを減少させる効果を生じると考えられている。また、
n型BSTO薄膜の場合に、アクセプタとなり得る元素
を添加すると、そのイオンが双極子を形成し、さらには
分極壁のピニングを行なうために経時変化を低減する効
果を生じる。さらに、前記のようなドナーとなり得る元
素またはアクセプタとなり得る元素を添加すると、前記
のようなリーク電流およびECの減少という効果だけで
なく、分極反転速度等強誘電体のその他のパラメーター
についても影響し、強誘電性メモリーとしてのBSTO
薄膜の特性を向上させることができる。したがって、B
STOについては、Ba、Sr、Tiに対してドナーま
たはアクセプタの作用をする元素を予測し、これを添加
することにより、前記のようなリーク電流およびECの
減少等の効果を生じさせることができる。このようなB
a、SrおよびTiに対してドナーまたはアクセプタの
作用をすることができる元素は、ペロブスカイト構造B
STOのA−SiteのBaおよびSrは原子価が2
+、またB−SiteのTiは原子価が4+であるか
ら、下記表1に記載のような価数のものが適当である。
【表1】 前記のドナーになる得る価数の元素としては、具体的に
はV、Nb、Ta(V族)、Cr、Mo、W、Se、T
e(VI族)、Re(VII族)およびRu、Os(VIII
族)よりなる群から選ばれた少なくとも1種のものが挙
げられる。前記のアクセプタになり得る価数の元素とし
ては、具体的にはCu、Ag、Au、Na、K、Rb、
Cs(I族)、Zn、Cd、Hg(II族)、B、Al、
Ga、In、Tl、Sc、Y、LaとLa族元素(III
族)およびFe、Co、Ni、Rh、Pd、Pt、Ir
(VIII族)よりなる群から選ばれた少なくとも1種のも
のが挙げられる。
はV、Nb、Ta(V族)、Cr、Mo、W、Se、T
e(VI族)、Re(VII族)およびRu、Os(VIII
族)よりなる群から選ばれた少なくとも1種のものが挙
げられる。前記のアクセプタになり得る価数の元素とし
ては、具体的にはCu、Ag、Au、Na、K、Rb、
Cs(I族)、Zn、Cd、Hg(II族)、B、Al、
Ga、In、Tl、Sc、Y、LaとLa族元素(III
族)およびFe、Co、Ni、Rh、Pd、Pt、Ir
(VIII族)よりなる群から選ばれた少なくとも1種のも
のが挙げられる。
【0006】前記のような元素のBSTO薄膜への添加
は、原子状またはイオン状で行うことができる。例え
ば、スパッタリングターゲットに該元素の酸化物を混在
させてスパッタリングによるBSTO薄膜の製膜を行う
際に行うか、あるいは適当なBSTO薄膜の製膜方法、
例えばrfスパッタリング法によってBSTO薄膜を形
成し、該BSTO薄膜に所望する元素をイオン注入する
ことによって行うことができる。また、主成分の量論組
成を大きく変化させないという理由から、添加する元素
は1元素あたり10-2重量%以下である。
は、原子状またはイオン状で行うことができる。例え
ば、スパッタリングターゲットに該元素の酸化物を混在
させてスパッタリングによるBSTO薄膜の製膜を行う
際に行うか、あるいは適当なBSTO薄膜の製膜方法、
例えばrfスパッタリング法によってBSTO薄膜を形
成し、該BSTO薄膜に所望する元素をイオン注入する
ことによって行うことができる。また、主成分の量論組
成を大きく変化させないという理由から、添加する元素
は1元素あたり10-2重量%以下である。
【0007】次に、本発明の具体的な実施例および比較
例を示す。 〔比較例〕p型、抵抗値10Ωcm-1のSi(100)
基板上にBSTO膜をrfスパッタリング法により膜厚
0.04〜1.0μmで製膜した。BSTO膜の製膜
は、dcスパッタリング法、多元蒸発法、レーザアブレ
ーション法、ゾルゲル法、MOCVD法等によっても行
うことができる。ターゲットとしては、前式BaySr
xTiO3(y=1−x)において、x=0.28の組
成のものを用いた。BSTO製膜の後、ゲート電極膜を
堆積させ、フォトリソ・エッチングにより電極パターン
を形成した。この際、エッチングは異方性を考慮して、
反応性イオンエッチング法で行った。次に3×1013個
/cm2程度の砒素(As)を加速電圧160eVで注
入し、ランプアニールによる活性化を行いソースおよび
ドレインを形成した。引続き、メタライゼーション工程
およびパッシベーション膜形成工程を行い、さらにAl
−2%Siによるスパッタ法でアルミ配線を行いMFS
FET〔以下、FET(1)という〕を作製した。この
FET(1)について、分極反転の繰返しのサイクル試
験とリーク電流の測定を行った。 〔実施例1〕比較例1で使用したBSTOをスパッタリ
ングターゲットに使用し、該スパッタリングターゲット
に微量のRe酸化物(Re2O7)を混在させることによ
って、2mole%La含有のBSTO膜とする以外
は、上記FET(1)と同様にしてMFSFET〔以
下、FET(2)という〕を作製した。前記FET
(1)およびFET(2)について、耐久試験を行い、
その結果を以下に示す。FET(1)では、繰返し回数
2×109回より残留分極の値が減少し始め、1011回
では分極値の減少とヒステリシス曲線の平坦化に伴って
FETがスイッチング動作としての判別が困難になっ
た。また、これに対応してリーク電流値は当初の1×1
0-6Amp/cm2から、8×10-6Amp/cm2に増
大した。他方、FET(2)については、3×1010回
程度の反転より残留分極の減少が始まったが、5×10
13回においてもスイッチング動作を確認することができ
た。また、対応するリーク電流は、当初は2×10-8A
mp/cm2と改善され、5×1013回において、4×
10-8Amp/cm2であった。 〔実施例2〕比較例1と同様にして、rfスパッタリン
グによってBSTO製膜の後、このBSTO膜に対して
Reイオンの添加を目的として、イオン注入を行なっ
た。この時の加速電圧は、200eVで4×10-3mo
le%のReイオンの量とし、注入後ランプアニールを
行った。引続きFET(1)と同じプロセスによりMF
SFET〔以下、FET(3)という〕を作製した。F
ET(3)について耐久試験の結果では繰返し回数が2
×1013回より残留分極値の減少がはじまり、3×10
12回付近程度でスイッチング動作を示さなくなった。リ
ーク電流値については当初の値5×10-8Amp/cm
2を2×1013回の反転後も維持していることが認めら
れた。 〔実施例3〕BSTOとして、x=0.8のものを使用
した以外は比較例1および実施例1と同様にして、BS
TO膜および2mole%のRe含有のBSTO膜を作
製した。このBSTO膜およびRe含有のBSTO膜を
使用し、MFSFETを作製した〔前者をFET(I
V)、後者をFET(V)という〕。これらFET(I
V)およびFET(V)の特性の測定をおこなったとこ
ろ、該両方のFETにおいて、スイッチング動作に応用
が可能な誘電分極のヒステリシス曲線が得られた。ま
た、リーク電流値は、FET(IV)およびFET(V)の
各々について、2×10-7、5×10-9Amp/cm2
の値が得られ、この場合もRe添加の効果が認められ
た。
例を示す。 〔比較例〕p型、抵抗値10Ωcm-1のSi(100)
基板上にBSTO膜をrfスパッタリング法により膜厚
0.04〜1.0μmで製膜した。BSTO膜の製膜
は、dcスパッタリング法、多元蒸発法、レーザアブレ
ーション法、ゾルゲル法、MOCVD法等によっても行
うことができる。ターゲットとしては、前式BaySr
xTiO3(y=1−x)において、x=0.28の組
成のものを用いた。BSTO製膜の後、ゲート電極膜を
堆積させ、フォトリソ・エッチングにより電極パターン
を形成した。この際、エッチングは異方性を考慮して、
反応性イオンエッチング法で行った。次に3×1013個
/cm2程度の砒素(As)を加速電圧160eVで注
入し、ランプアニールによる活性化を行いソースおよび
ドレインを形成した。引続き、メタライゼーション工程
およびパッシベーション膜形成工程を行い、さらにAl
−2%Siによるスパッタ法でアルミ配線を行いMFS
FET〔以下、FET(1)という〕を作製した。この
FET(1)について、分極反転の繰返しのサイクル試
験とリーク電流の測定を行った。 〔実施例1〕比較例1で使用したBSTOをスパッタリ
ングターゲットに使用し、該スパッタリングターゲット
に微量のRe酸化物(Re2O7)を混在させることによ
って、2mole%La含有のBSTO膜とする以外
は、上記FET(1)と同様にしてMFSFET〔以
下、FET(2)という〕を作製した。前記FET
(1)およびFET(2)について、耐久試験を行い、
その結果を以下に示す。FET(1)では、繰返し回数
2×109回より残留分極の値が減少し始め、1011回
では分極値の減少とヒステリシス曲線の平坦化に伴って
FETがスイッチング動作としての判別が困難になっ
た。また、これに対応してリーク電流値は当初の1×1
0-6Amp/cm2から、8×10-6Amp/cm2に増
大した。他方、FET(2)については、3×1010回
程度の反転より残留分極の減少が始まったが、5×10
13回においてもスイッチング動作を確認することができ
た。また、対応するリーク電流は、当初は2×10-8A
mp/cm2と改善され、5×1013回において、4×
10-8Amp/cm2であった。 〔実施例2〕比較例1と同様にして、rfスパッタリン
グによってBSTO製膜の後、このBSTO膜に対して
Reイオンの添加を目的として、イオン注入を行なっ
た。この時の加速電圧は、200eVで4×10-3mo
le%のReイオンの量とし、注入後ランプアニールを
行った。引続きFET(1)と同じプロセスによりMF
SFET〔以下、FET(3)という〕を作製した。F
ET(3)について耐久試験の結果では繰返し回数が2
×1013回より残留分極値の減少がはじまり、3×10
12回付近程度でスイッチング動作を示さなくなった。リ
ーク電流値については当初の値5×10-8Amp/cm
2を2×1013回の反転後も維持していることが認めら
れた。 〔実施例3〕BSTOとして、x=0.8のものを使用
した以外は比較例1および実施例1と同様にして、BS
TO膜および2mole%のRe含有のBSTO膜を作
製した。このBSTO膜およびRe含有のBSTO膜を
使用し、MFSFETを作製した〔前者をFET(I
V)、後者をFET(V)という〕。これらFET(I
V)およびFET(V)の特性の測定をおこなったとこ
ろ、該両方のFETにおいて、スイッチング動作に応用
が可能な誘電分極のヒステリシス曲線が得られた。ま
た、リーク電流値は、FET(IV)およびFET(V)の
各々について、2×10-7、5×10-9Amp/cm2
の値が得られ、この場合もRe添加の効果が認められ
た。
【0008】
【効果】本発明によって提供される化学量論組成のBS
TOに特定元素の添加した強誘電体材料を使用したMF
SFETは、該特定元素が添加されていないBSTOを
使用したMFSFETに比較し、分極反転回数、リーク
電流値について、ほぼ2桁に達する改善が得られた。し
たがって、このような改善により、従来困難とされてい
たMFSFETの製品仕様を満足する素子の作製が可能
となった。
TOに特定元素の添加した強誘電体材料を使用したMF
SFETは、該特定元素が添加されていないBSTOを
使用したMFSFETに比較し、分極反転回数、リーク
電流値について、ほぼ2桁に達する改善が得られた。し
たがって、このような改善により、従来困難とされてい
たMFSFETの製品仕様を満足する素子の作製が可能
となった。
【図1】MFSFETの断面構造を示す模式図である。
【図2】強誘電体BSTO薄膜のP−E曲線を示す図で
ある。
ある。
【図3】強誘電体BSTO薄膜の反転疲労後のP−E曲
線を示す図である。
線を示す図である。
1 P−Si基板 2 強誘電体薄膜 3 金属電極 4 パッシベーション膜
Claims (5)
- 【請求項1】 Ba、Ti酸化物とSr、Ti酸化物の
固溶体(以下、BSTOという)に、該BSTOがn型
の場合にはアクセプタとなりうる元素、また該BSTO
がp型の場合にはドナーとなりうる元素を添加したもの
で構成されることを特徴とする強誘電体材料。 - 【請求項2】 p型BSTOの場合の添加元素が、V、
Nb、Ta、Cr、Mo、W、Se、Te、Re、Ru
およびOsよりなる群から選ばれた少なくとも1種のも
のである請求項1記載の強誘電体材料。 - 【請求項3】 n型BSTOの場合の添加元素が、C
u、Ag、Au、Na、K、Rb、Cs、Zn、Cd、
Hg、B、Al、Ga、In、Sc、Y、Fe、Co、
Ni、Rh、Pd、Pt、Ir、LaおよびLa族元素
よりなる群から選ばれた少なくとも1種のものである請
求項1記載の強誘電体材料。 - 【請求項4】 アクセプタまたはドナーとなり得る元素
として添加された元素が、イオン注入法によって添加さ
れたものであり、かつ該添加量が1元素あたり10-2重
量%以下である請求項1記載の強誘電体材料。 - 【請求項5】 導電層(M)、ゲートとして強誘電体薄
膜(F)および半導体層(S)を備えた電界効果型トラ
ンジスタ(以下、MFSFETという)において、強誘
電体薄膜(F)が請求項1、2、3または4記載の強誘
電体材料で構成されたことを特徴とするMFSFET。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP15604193A JPH06350100A (ja) | 1993-06-02 | 1993-06-02 | 強誘電体材料および該材料をゲートとして用いたmfsfet |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP15604193A JPH06350100A (ja) | 1993-06-02 | 1993-06-02 | 強誘電体材料および該材料をゲートとして用いたmfsfet |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH06350100A true JPH06350100A (ja) | 1994-12-22 |
Family
ID=15619030
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP15604193A Pending JPH06350100A (ja) | 1993-06-02 | 1993-06-02 | 強誘電体材料および該材料をゲートとして用いたmfsfet |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH06350100A (ja) |
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US6025257A (en) * | 1996-03-13 | 2000-02-15 | Lg Semicon Co., Ltd. | Method for preparing dielectric thin film and semiconductor device using same |
WO2000049659A1 (en) * | 1999-02-17 | 2000-08-24 | International Business Machines Corporation | Microelectronic device for storing information and method thereof |
KR100799498B1 (ko) * | 2006-09-15 | 2008-01-31 | 한국과학기술연구원 | 유전체 박막 및 이를 이용한 박막 트랜지스터 |
CN100421236C (zh) * | 2004-05-28 | 2008-09-24 | 富士通株式会社 | 半导体装置及其制造方法 |
-
1993
- 1993-06-02 JP JP15604193A patent/JPH06350100A/ja active Pending
Cited By (6)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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US6025257A (en) * | 1996-03-13 | 2000-02-15 | Lg Semicon Co., Ltd. | Method for preparing dielectric thin film and semiconductor device using same |
WO2000049659A1 (en) * | 1999-02-17 | 2000-08-24 | International Business Machines Corporation | Microelectronic device for storing information and method thereof |
US6815744B1 (en) * | 1999-02-17 | 2004-11-09 | International Business Machines Corporation | Microelectronic device for storing information with switchable ohmic resistance |
CN100421236C (zh) * | 2004-05-28 | 2008-09-24 | 富士通株式会社 | 半导体装置及其制造方法 |
KR100799498B1 (ko) * | 2006-09-15 | 2008-01-31 | 한국과학기술연구원 | 유전체 박막 및 이를 이용한 박막 트랜지스터 |
WO2008032904A1 (en) * | 2006-09-15 | 2008-03-20 | Korea Institute Of Science And Technology | Dielectric thin film and thin film transistor using the same |
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