JPH06347494A - 電機子の抵抗測定装置及びその装置を使用する抵抗測定方法 - Google Patents

電機子の抵抗測定装置及びその装置を使用する抵抗測定方法

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JPH06347494A
JPH06347494A JP14066693A JP14066693A JPH06347494A JP H06347494 A JPH06347494 A JP H06347494A JP 14066693 A JP14066693 A JP 14066693A JP 14066693 A JP14066693 A JP 14066693A JP H06347494 A JPH06347494 A JP H06347494A
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 電機子の巻線を切断することなしに、その巻
線と整流子片との間の接続抵抗を簡単に測定でき、1つ
の巻線抵抗も測定できるようにする。 【構成】 第1のスイッチSw1をオンに,第2のスイ
ッチSw2をオフにして定電流Iaを流して各電圧測定
器33,34,35により隣り合う各整流子片C1とC2
間,C2 とC3 間,C9 とC10間の各電圧Va1,Vb1,V
c1を測定し、次に上記スイッチのオン・オフを逆にして
電圧発生器32により電圧測定器34によって測定され
る電圧Vb2 がVb1と同じになるように発生電圧を制御
し、電圧測定器33,35によって電圧Va2,Vc2を再び
測定し、オームの法則を用いて導いた関係式RC1=(Va
1−Va2)/Ia から電機子30の接続抵抗RC1を、RLl
=Va2(Vc1+Vc2)/Ia・Vc2 から演算により巻線抵
抗RL1をそれぞれ算出する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、電動機(モータ)にお
ける電機子(アーマチュア)の巻線(コイル)と整流子(コ
ミュテータ)の整流子片との接続抵抗とその巻線抵抗を
測定するための電機子の抵抗測定装置及びその装置を使
用する抵抗測定方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、電動機に使用する電機子(回
転子)は、全ての巻線が完了した段階で整流子の全ての
整流子片間の抵抗値を測定することにより、巻き数が予
め設定した巻数どうりに巻かれているか否か、あるいは
その巻線(コイル)が断線していたり線間短絡等の異常
を生じていないか等を確認している。
【0003】その電機子は、コアの各巻き溝に巻かれた
巻線が整流子の対応する整流子片にそれぞれ接続されて
おり、その接続は、例えば自動化が図れる点でメリット
のあるスポット溶接で行なわれている。
【0004】そのスポット溶接は、巻線の一部を整流子
の外周面に所定の角度で突設させた各整流子片の係止端
部にたるみが生じないように掛けた後に、その係止端部
を巻線を挾んだ状態で整流子の外周面側に圧接させてそ
の部分に行ない、そのスポット溶接によって巻線(一般
にエナメル線が使用される)の被覆を溶かして、中の銅
線部分を整流子片に溶着させて導通させるようにしてい
る。
【0005】このスポット溶接が不十分であると、電機
子を固定子(ステータ)に組み付けて電動機として回転
させたときに、遠心力によって整流子片の係止端部が外
側に開いてしまって、そこに溶接されたはずの巻線がは
ずれてしまうことがあるので、その管理は極めて重要で
ある。この溶接状態の確認は、巻線と整流子片との間の
接続抵抗を測定することにより行なうことができる。
【0006】しかしながら、その巻線は、隣り合う全て
の部分が互いに接続されているので、測定したい部分の
接続抵抗のみを正確に測定しようとしてもそれは困難で
あり、さらにその接続抵抗値は電機子の巻線の抵抗値に
比べて例えば1/100〜3/100程度と極めて小さ
な値であるため、それを正確に測定するのは難しかっ
た。
【0007】そこで、巻線の測定したい部分のみを切断
して取り出せば上記の接続抵抗値を直接測定することが
できるが、そのようにすれば電機子として使用できなく
なってしまう。以上の理由により、コイルを切断するこ
となしに電機子の巻線と整流子片との間の接続抵抗を測
定できることが理想であり、それを実現した測定方法と
して、例えば特開昭61−29774号公報に記載され
ているものがある。
【0008】その測定方法について、図2を使用して説
明する。図2において、10は電機子であり、それぞれ
巻線抵抗がRB1,RB2,…,RB6の6個の巻線が図示のよ
うにループ状に接続され、その各巻線の両端が整流子を
構成する6個の整流子片1,2,…,6にそれぞれ接続
されており、その各接続部の接続抵抗をRS1,RS2,
…,RS6として示している。
【0009】整流子片1と2の間に、第1電圧発生器2
0の出力電圧を、また整流子片2と3の間に第2電圧発
生器21の出力電圧をそれぞれ印加する。さらに、整流
子片4と6の電圧を制御回路23に入力させ、その差に
応じて制御回路23が出力する信号を電圧調整器22に
入力させるようにしている。
【0010】このように構成される回路において、整流
子片1と2の間に電圧V1 を印加すると共に、整流子片
3と2の間に電圧V2 を印加し、それによって生じる電
流I1 がI2 よりも大きくなるようにする。
【0011】その電流I1 は2つに分割され、その一方
が接続抵抗RS1→巻線抵抗RB1→接続抵抗RS2を経て第
1電圧発生器20に戻り、その電流よりも小さな電流と
なるもう一方が、RS1→RB6→RB5→RB4→RB3→RB2
→RS2(便宜上抵抗の符号のみで記す)を経て第1電圧
発生器20に戻る。
【0012】そして、整流子片4と6の間の電圧を制御
回路23で検出し、その電圧を零にして整流子片4と6
の間に電流が流れないように電圧調整器22に電圧発生
器32の発生電圧V2 を制御させる。このようにして、
巻線抵抗RB6及び接続抵抗RS6に流れる電流を零にする
ことによって次式が成り立つ。
【0013】
【数1】 RS1=VX /I1 (VX は整流子片1と6の間の電圧)
【0014】
【数2】 VY =RB1・I1+RS2(I1+I2) (VY は整流子片6と2の間の電圧)
【0015】したがって、電圧VX と電流I1 とを測定
すれば、数1から接続抵抗RS1が得られる。次に、電機
子10を、図2で時計回り方向に1段(1セグメント
分)回転させて、接続抵抗RS2を図2で接続抵抗RS1の
ある位置に移動させる。そして、上述した方法によって
接続抵抗RS1を求めたときと同様に、今度は接続抵抗R
S2を求め、さらに電圧VY と電流I2 とを測定すれば、
数2から巻線抵抗RB1が得られる。
【0016】このようにして、電機子10を1段ずつ回
転させていき、順次電圧と電流の測定を繰り返していく
ことにより、全ての整流子片と巻線との接続抵抗及び各
整流子片間の巻線抵抗を求めることができる。
【0017】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述し
た測定方法の場合には、電機子の各整流子片間の巻線抵
抗は、最初に1つの巻線と整流子片との間の接続抵抗を
求めた後、電機子を1段回転させて、それに隣り合う巻
線と整流子片との間の接続抵抗を求めてからでなければ
測定できなかったので、巻線抵抗を測定するのに手間が
かかった。
【0018】この発明は、上記の問題点に鑑みてなされ
たものであり、電機子の巻線を切断することなしに、そ
の巻線と整流子片との間の接続抵抗を簡単に測定できる
ようにすることを目的とする。また、電機子の1つの巻
線抵抗を測定する際に電機子を回転させるようなことを
せずに、短時間で簡単に測定できるようにすることも目
的とする。
【0019】
【課題を解決するための手段】この発明は上記の目的を
達成するため、電機子に設けられた複数の整流子片を有
する整流子の第1整流子片と第3整流子片以降の任意の
整流子片との間に定電流を流す定電流発生手段と、その
定電流発生手段による定電流をオン・オフするための第
1のスイッチと、第3整流子片以降の2つの整流子片の
間に電圧を印加する電圧発生手段と、その電圧発生手段
による電圧の印加をオン・オフするための第2のスイッ
チと、第1整流子片とそれに隣り合う第2整流子片との
間の電圧を測定する第1の電圧測定手段と、上記定電流
発生手段に接続される2つの整流子片の間で第2整流子
片以降の隣り合う整流子片間の電圧を測定する第2の電
圧測定手段と、第1のスイッチをオンに第2のスイッチ
をオフにした第1のスイッチ切換位置と第1のスイッチ
をオフに第2のスイッチをオンにした第2のスイッチ切
換位置において第2の電圧測定手段によって測定される
電圧が同じになるように電圧発生手段の発生電圧を制御
する電圧制御手段と、第1のスイッチ切換位置と第2の
スイッチ切換位置においてそれぞれ第1の電圧測定手段
によって測定される各電圧と定電流発生手段が流す定電
流の値とから電機子の巻線とそれを接続した第1整流子
片との接続抵抗を演算する接続抵抗演算手段とを設けて
電機子の抵抗測定装置を構成したものである。
【0020】また、上記電機子の抵抗測定装置におい
て、第1整流子片と電圧発生手段に接続された整流子片
のうち第1整流子片に近い方との間に位置する互いに隣
り合う2つの整流子片間の電圧を測定する第3の電圧測
定手段と、上記第1のスイッチ切換位置において第3の
電圧測定手段によって測定される電圧と、上記第2のス
イッチ切換位置において第1,第3の電圧測定手段によ
ってそれぞれ測定される各電圧と、定電流発生手段が流
す定電流とから、電機子の第1整流子片と第2整流子片
との間に接続された巻線の抵抗を演算する巻線抵抗演算
手段とを設けるとよい。
【0021】さらに、上記電機子の抵抗測定装置を使用
する抵抗測定方法として、上記第1,第2のスイッチを
上記第1のスイッチ切換位置にして、定電流発生手段に
より整流子の第1整流子片と第3整流子片以降の任意の
整流子片との間に定電流を流し、第1,第2の電圧測定
手段によりそれぞれ前記隣り合う2つの整流子片間の電
圧を測定し、次に第1,第2のスイッチを上記第2のス
イッチ切換位置にして、電圧発生手段により第3整流子
片以降の2つの整流子片間に電圧を印加し、その際に第
2の電圧測定手段によって測定される電圧が第1のスイ
ッチ切換位置の時に測定された電圧と同じになるように
電圧発生手段の発生電圧を制御した後、第1の電圧測定
手段によって隣り合う整流子片間の電圧を再び測定し、
その第1の電圧測定手段によってこの時測定された電圧
と第1のスイッチ切換位置の時に測定された電圧及び定
電流発生手段が流した定電流の値とから電機子の巻線と
それを接続した第1整流子片との接続抵抗を演算する抵
抗測定方法を提供する。
【0022】また、前述した第3の電圧測定手段と巻線
抵抗演算手段とを設けた上記の電機子の抵抗測定装置を
使用する抵抗測定方法として、上記第1,第2のスイッ
チを上記第1のスイッチ切換位置にして、定電流発生手
段により整流子の第1整流子片と第3整流子片以降の任
意の整流子片との間に定電流を流し、第2及び第3の各
電圧測定手段によりそれぞれ隣り合う2つの整流子片間
の各電圧を測定し、次に第1,第2のスイッチを第2の
スイッチ切換位置にして、電圧発生手段により第3整流
子片以降の2つの整流子片間に電圧を印加し、その際に
第2の電圧測定手段によって測定される電圧が第1のス
イッチ切換位置の時に測定された電圧と同じになるよう
に電圧発生手段の発生電圧を制御した後、第1,第3の
電圧測定手段によって隣り合う整流子片間の電圧をそれ
ぞれ測定し、この時第1,第3の電圧測定手段によって
それぞれ測定された各電圧と、第1のスイッチ切換位置
の時に第3の電圧測定手段によって測定された電圧及び
定電流発生手段が流した定電流の値とから、電機子の第
1整流子片と第2整流子片との間に接続された巻線の抵
抗を演算する抵抗測定方法を提供する。
【0023】
【作用】この発明による電機子の抵抗測定装置及びその
装置を使用する抵抗測定方法によれば、第1,第2のス
イッチを第1のスイッチ切換位置にして、定電流発生手
段により整流子の第1整流子片と第3整流子片以降の任
意の整流子片との間に定電流を流した時に第1の電圧測
定手段によって測定された隣り合う2つの整流子片間の
電圧と、次に第1,第2のスイッチを第2のスイッチ切
換位置にして、電圧発生手段により第3整流子片以降の
2つの整流子片間に電圧を印加し、その際に第2の電圧
測定手段によって測定される電圧が第1のスイッチ切換
位置の時に測定された電圧と同じになるように電圧発生
手段の発生電圧を制御した後、第1の電圧測定手段によ
って再び測定された隣り合う整流子片間の電圧及び定電
流発生手段が流した定電流の値とから、電機子の巻線と
それを接続した第1整流子片との接続抵抗を演算により
求めることができる。したがって、電機子の巻線を切断
することなしに、その接続抵抗を簡単に測定できる。
【0024】また、前述した第3の電圧測定手段と巻線
抵抗演算手段とを設けた電機子の抵抗測定装置及びその
装置を使用する抵抗測定方法によれば、第1,第2のス
イッチを第1のスイッチ切換位置にして、定電流発生手
段により整流子の第1整流子片と第3整流子片以降の任
意の整流子片との間に定電流を流した時に第3の電圧測
定手段により測定された隣り合う2つの整流子片間の電
圧と、次に第1,第2のスイッチを第2のスイッチ切換
位置にして、電圧発生手段により第3整流子片以降の2
つの整流子片間に電圧を印加し、その際に第2の電圧測
定手段によって測定される電圧が第1のスイッチ切換位
置の時に測定された電圧と同じになるように電圧発生手
段の発生電圧を制御した後、第1,第3の電圧測定手段
によってそれぞれ測定された隣り合う整流子片間の電圧
及び定電流発生手段が流した定電流の値とから、電機子
の第1整流子片と第2整流子片との間に接続された巻線
の抵抗を演算により求めることができる。したがって、
電機子における接続抵抗を除いた1つの巻線抵抗を測定
する際に電機子を回転させるようなことをせずに、短時
間で簡単に測定できる。
【0025】
【実施例】以下、この発明の実施例を図面に基づいて具
体的に説明する。図1はこの発明による電機子の抵抗測
定装置及びその装置を使用する抵抗測定方法を説明する
ための概略図である。
【0026】図1において30は電機子であり、それぞ
れ巻線抵抗がRL1,RL2,…,RL10の10個の巻線が
図示のようにループ状に接続され、その各巻線の両端が
整流子を構成する10個の整流子片C1 ,C2 ,…,
C10にそれぞれ接続されており、その各接続部分の接続
抵抗をRC1,RC2,…,RC10として図示している。
【0027】この電機子30に対する抵抗測定装置は、
定電流発生器31及び発生電圧を制御できる電圧発生器
32と、これらの出力による給電回路をオン・オフする
スイッチSw1(リレーCR1の接点)及びスイッチS
w2(リレーCR2の接点)と、第1,第2,第3の電
圧測定器33,34,35と、リレーCR1,CR2及
び電圧発生器32を制御すると共に、第1〜第3の電圧
測定器33〜35による各測定電圧を入力して巻線抵抗
や接続抵抗を算出する制御演算部40とを備えている。
【0028】そして、定電流発生器31は、第1整流子
片C1 と第3整流子片C3 以降の任意の整流子片(図示
の例ではC4 )との間にスイッチSw1を介して定電流
を流すためのものであり、電圧発生器32は第3整流子
片C3 以降の2つの整流子片(図示の例ではC4 とC8
)との間にスイッチSw2を介して電圧を印加するた
めのものである。
【0029】スイッチSw1とSw2は、リレーCR1
とCR2によって制御演算部40からの制御信号に応じ
て、スイッチSw1がオンでスイッチSw2がオフの第
1のスイッチ切換位置と、スイッチSw1がオフでSw
2がオンの第2のスイッチ切換位置とに制御される。
【0030】さらに、第1の電圧測定器33は、整流子
片C1 とそれに隣り合う整流子片C2 との間の電圧を測
定し、第2の電圧測定器34は、前述した整流子片C1
とC4 の間で第2整流子片C2 以降の隣り合う整流子片
C2 とC3 との間の電圧を測定し、第3の電圧測定器3
5は、第1整流子片C1 と電圧発生器32に接続された
整流子片C4 ,C8 のうち第1整流子片C1 に近い方の
整流子片C8 との間に位置する互いに隣り合う2つの整
流子片(図示の例では整流子片C9 とC10)との間の電
圧を測定するためのものである。
【0031】これらの各電圧測定器33〜35によって
それぞれ測定された電圧Va ,Vb及びVc が制御演算
部40に入力されるようになっている。
【0032】なお、この制御演算部40には、各種判断
及び処理機能を有する中央処理装置(CPU)と、上記
の電機子30の巻線と整流子片との間の接続抵抗Rc1〜
Rc10 、及び巻線抵抗RL1〜RL10 を算出するために必
要な演算プログラムを含む各プログラム及び固定データ
(定電流Iaの値等)を格納したプログラムメモリであ
るROMと、入力データやCPUによる処理データを一
時的に格納するデータメモリであるRAMと、入出力回
路(I/O)等によつて構成されるマイクロコンピユー
タを使用することができる。
【0033】そして、この実施例では、この制御演算部
40が電圧発生器32の発生電圧を制御する電圧制御手
段及び接続抵抗を演算する接続抵抗演算手段、さらには
巻線の抵抗を演算する巻線抵抗演算手段として機能す
る。次に、このように構成した測定装置を使用して、電
機子30の各巻線と整流子片C1 〜C10との間の各接続
抵抗RC1,RC2,…,RC10と、巻線抵抗RL1,RL2,…,
RL10とを測定する方法について説明する。
【0034】図1に示したように電機子30を測定装置
にセットし、スイッチSW1をON,スイッチSW2を
OFF(第1のスイッチ切換位置)にして、定電流発生
器31により予め既知の定電流Ia を流す。その状態
で、電圧測定器33,34及び35によってそれぞれ測
定される電圧Va1 ,Vb1 及びVc1 を制御演算部40
に入力させて内部のメモリに記憶させる。
【0035】次に、スイッチSW1をOFF,スイッチ
SW2をON(第2のスイッチ切換位置)にして、電圧
発生器32によって電圧を印加して電流Ib を流すが、
その際に電圧測定器34によって既に測定されて制御演
算部40に記憶している電圧Vb1と今回電圧測定器34
によって測定された電圧Vb2とが同じ(Vb1=Vb2)に
なるように制御演算部40が電圧発生器32の発生電圧
を制御する。
【0036】そして、その状態で電圧測定器33と35
とによって測定される電圧Va2とVc2を制御演算部40
のメモリに記憶する。なお、この際に電圧Vc2は絶対値
で記憶する。以上で、接続抵抗RC1と巻線抵抗RL1を求
めるための測定が終了する。
【0037】ところで、第1のスイッチ切換位置で電圧
測定器33により測定した電圧Va1は、その電圧測定器
33の入力インピーダンスが非常に大きいため、整流子
片C2 に流れる電流は極めて少ないので、整流子片C1
と図1のb点との間の電圧と考えてもほとんど誤差は生
じない。したがって、その電圧Va1は、次の数3の式で
得られる。
【0038】
【数3】Va1=Ia ・RC1+Ia1・RL1
【0039】また、第2のスイッチ切換位置で電圧測定
器33により測定した電圧Va2は、同様に電圧測定器3
3の入力インピーダンスが非常に大きいため、整流子片
C1,C2 に流れる電流は極めて少ないので、図1のa
点とb点との間の電圧と考えてもほとんど誤差は生じな
い。したがって、この時にa−b間を流れる電流をIb1
とすると、電圧Va2は次の数4の式で得られる。
【0040】
【数4】Va2=Ib1・RL1
【0041】一方、前述したように電圧Va2,Vc2を測
定する際に、Vb1=Vb2 となるようにしたので Ia1=
Ib1 となり、数3,数4からIa ・RC1=Va1−Va2
となって、次の数5が得られる。
【0042】
【数5】RC1=(Va1−Va2)/Ia
【0043】したがって、この方法によれば、電圧測定
器33で測定した電圧Va1 とVa2、さらに定電流発生
器31によって流す電流Ia により、数5の式から接続
抵抗RC1を容易に演算により算出することができる。
【0044】同様な方法で、電機子10を1段(1セグ
メント分)回転させて、次の隣り合う整流子片C2 と巻
線との間の接続抵抗RC2を求め、接続抵抗RC3以降につ
いても同様に求めていく。
【0045】次に、電機子10の各整流子片間の巻線抵
抗RL1〜RL10を測定する方法について説明する。図1
に示す接続状態において、第1のスイッチ切換位置にし
た時に、電圧測定器35によって測定して制御演算部4
0のメモリに記憶した電圧Vc1は、その時に図1のa点
から巻線抵抗RL10 側に分岐する電流を電流Ia2とする
と、その電流Ia2及び巻線抵抗RL9との間で数6の関係
式が成り立つ。
【0046】
【数6】Vc1=Ia2・RL9 RL9=Vc1/Ia2
【0047】同様に、第2のスイッチ切換位置にした時
に電圧測定器35によって測定した電圧Vc2 について
は、数7の関係式が成り立つ。
【0048】
【数7】Vc2=Ib1・RL9 RL9=Vc2/Ib1
【0049】また、前述したように Ia1=Ib1 であ
るので、RL9=Vc2/Ia1であり、数1より次の数8の
関係式が得られる。
【0050】
【数8】Vc1/Ia2=Vc2/Ia1 Ia1・Vc1=Ia2・Vc2
【0051】また、Ia=Ia1+Ia2 であるから、この
関係式は数9のようになり、電流Ia1 を求めることが
できる。
【0052】
【数9】 Ia1・Vc1=(Ia−Ia1)Vc2 =Ia・Vc2−Ia1・Vc2 Ia1・Vc1+Ia1・Vc2=Ia・Vc2 Ia1(Vc1+Vc2)=Ia・Vc2 ∴Ia1=Ia・Vc2/(Vc1+Vc2)
【0053】また、RLl=Va2/Ia1 であるので、こ
のIa1 に上式を代入すると数10が得られる。
【0054】
【数10】 RLl=Va2/{Ia・Vc2/(Vc1+Vc2)} =Va2(Vc1+Vc2)/Ia・Vc2
【0055】したがって、既に測定して制御演算部40
のメモリに記憶されている各電圧Va2,Vc1,Vc2、さ
らに定電流発生器31によって流した電流Ia とによっ
て、数10の演算を行なうことにより、巻線抵抗RL1を
容易に求めることができる。
【0056】同様な方法で、隣りの巻線抵抗RL2及びそ
れ以降の各巻線抵抗RL3〜RL10 についても、電機子3
0を1段(1セグメント分)回転させながら、整流子の
セグメント数だけ繰り返し同様な測定をしていく。
【0057】このように、この測定方法は、電機子の巻
線と各整流子片との間の接続抵抗と、各整流子片間にお
ける接続抵抗を除いた他の巻線抵抗を含まない1つの巻
線抵抗とを容易に測定することができ、しかもその1つ
の巻線抵抗を測定する際に、電機子を回転させるような
ことをせずに、そのまま測定できるので便利である。
【0058】
【発明の効果】以上説明したように、この発明による電
機子の抵抗測定装置によれば、上述した抵抗測定方法を
実施することによって、第1,第2のスイッチを第1の
スイッチ切換位置と第2のスイッチ切換位置にそれぞれ
した時に第1の電圧測定手段によって測定された隣り合
う2つの整流子片間の各電圧と、定電流発生手段が流し
た定電流の値とから、電機子の巻線とそれを接続した第
1整流子片との接続抵抗を演算により求めることができ
る。したがって、電機子の巻線を切断することなしに、
その接続抵抗を簡単に測定することができる。
【0059】また、第3の電圧測定手段と巻線抵抗演算
手段とを設けた電機子の抵抗測定装置によれば、その装
置を使用する上述した抵抗測定方法を実施することによ
って、第1,第2のスイッチを第1のスイッチ切換位置
にした時に第3の電圧測定手段によって測定された隣り
合う整流子片間の電圧と、それらのスイッチを第2のス
イッチ切換位置にした時に第1,第3の電圧測定手段に
よってそれぞれ測定された各電圧及び定電流発生手段が
流した定電流の値とから、電機子の第1整流子片と第2
整流子片との間に接続された1つの巻線抵抗を演算によ
り求めることができる。したがって、電機子の各整流子
片間の1つの巻線抵抗を測定する際に電機子を回転させ
るようなことをせずに、短時間で簡単に測定することが
できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明による電機子の抵抗測定装置及びその
装置を使用する抵抗測定方法を説明するための概略図で
ある。
【図2】従来の巻線を切断することなしに電機子の巻線
と整流子片との間の接続抵抗を測定できるようにした抵
抗測定方法の例を説明するための概略図である。
【符号の説明】
30 電機子 31 定電流発生器 32 電圧発生器 33,34,35 電圧測定器 40 制御演算部 C1 〜C10 整流子片 Sw1,Sw2 スイッチ

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 電機子に設けられた複数の整流子片を有
    する整流子の第1整流子片と第3整流子片以降の任意の
    整流子片との間に定電流を流す定電流発生手段と、 該定電流発生手段による定電流をオン・オフするための
    第1のスイッチと、 前記第3整流子片以降の2つの整流子片の間に電圧を印
    加する電圧発生手段と、 該電圧発生手段による電圧の印加をオン・オフするため
    の第2のスイッチと、 前記第1整流子片とそれに隣り合う第2整流子片との間
    の電圧を測定する第1の電圧測定手段と、 前記定電流発生手段に接続される2つの整流子片の間で
    前記第2整流子片以降の隣り合う整流子片間の電圧を測
    定する第2の電圧測定手段と、 前記第1のスイッチをオンに第2のスイッチをオフにし
    た第1のスイッチ切換位置と前記第1のスイッチをオフ
    に第2のスイッチをオンにした第2のスイッチ切換位置
    において前記第2の電圧測定手段によって測定される電
    圧が同じになるように前記電圧発生手段の発生電圧を制
    御する電圧制御手段と、 前記第1のスイッチ切換位置と第2のスイッチ切換位置
    においてそれぞれ前記第1の電圧測定手段によって測定
    される各電圧と前記定電流発生手段が流す定電流の値と
    から前記電機子の巻線とそれを接続した前記第1整流子
    片との接続抵抗を演算する接続抵抗演算手段とを設けた
    ことを特徴とする電機子の抵抗測定装置。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の電機子の抵抗測定装置に
    おいて、 前記第1整流子片と前記電圧発生手段に接続された整流
    子片のうち前記第1整流子片に近い方との間に位置する
    互いに隣り合う2つの整流子片間の電圧を測定する第3
    の電圧測定手段と、 前記第1のスイッチ切換位置において前記第3の電圧測
    定手段によって測定される電圧と、前記第2のスイッチ
    切換位置において前記第1,第3の電圧測定手段によっ
    てそれぞれ測定される各電圧と、前記定電流発生手段が
    流す定電流とから、前記電機子の第1整流子片と第2整
    流子片との間に接続された巻線の抵抗を演算する巻線抵
    抗演算手段とを設けたことを特徴とする電機子の抵抗測
    定装置。
  3. 【請求項3】 請求項1記載の電機子の抵抗測定装置を
    使用する抵抗測定方法であって、 前記第1,第2のスイッチを前記第1のスイッチ切換位
    置にして、前記定電流発生手段により前記整流子の第1
    整流子片と第3整流子片以降の任意の整流子片との間に
    定電流を流し、前記第1,第2の電圧測定手段によりそ
    れぞれ前記隣り合う2つの整流子片間の電圧を測定し、 次に前記第1,第2のスイッチを前記第2のスイッチ切
    換位置にして、前記電圧発生手段により前記第3整流子
    片以降の2つの整流子片間に電圧を印加し、その際に前
    記第2の電圧測定手段によって測定される電圧が前記第
    1のスイッチ切換位置の時に測定された電圧と同じにな
    るように前記電圧発生手段の発生電圧を制御した後、前
    記第1の電圧測定手段によって前記隣り合う整流子片間
    の電圧を再び測定し、 該第1の電圧測定手段によってこの時測定された電圧と
    前記第1のスイッチ切換位置の時に測定された電圧及び
    前記定電流発生手段が流した定電流の値とから前記電機
    子の巻線とそれを接続した第1整流子片との接続抵抗を
    演算することを特徴とする抵抗測定方法。
  4. 【請求項4】 請求項2記載の電機子の抵抗測定装置を
    使用する抵抗測定方法であって、 前記第1,第2のスイッチを前記第1のスイッチ切換位
    置にして、定電流発生手段により前記整流子の第1整流
    子片と第3整流子片以降の任意の整流子片との間に定電
    流を流し、前記第2及び第3の各電圧測定手段によりそ
    れぞれ前記隣り合う2つの整流子片間の各電圧を測定
    し、 次に前記第1,第2のスイッチを前記第2のスイッチ切
    換位置にして、前記電圧発生手段により前記第3整流子
    片以降の2つの整流子片間に電圧を印加し、その際に前
    記第2の電圧測定手段によって測定される電圧が前記第
    1のスイッチ切換位置の時に測定された電圧と同じにな
    るように前記電圧発生手段の発生電圧を制御した後、前
    記第1,第3の電圧測定手段によって前記隣り合う整流
    子片間の電圧をそれぞれ測定し、 この時該第1,第3の電圧測定手段によってそれぞれ測
    定された各電圧と、前記第1のスイッチ切換位置の時に
    該第3の電圧測定手段によって測定された電圧及び前記
    定電流発生手段が流した定電流の値とから、前記電機子
    の第1整流子片と第2整流子片との間に接続された巻線
    の抵抗を演算することを特徴とする抵抗測定方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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EP0695946A3 (en) * 1994-08-01 1997-03-19 Axis Spa Methods and apparatus for testing the anchor
CN107290662A (zh) * 2016-04-11 2017-10-24 通用电气公司 电动机器故障监测系统、计算机程序产品及相关方法

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