JPH06346064A - その場で調製したコロイド状触媒を用いるハイドロクラッキング法 - Google Patents

その場で調製したコロイド状触媒を用いるハイドロクラッキング法

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JPH06346064A
JPH06346064A JP5154430A JP15443093A JPH06346064A JP H06346064 A JPH06346064 A JP H06346064A JP 5154430 A JP5154430 A JP 5154430A JP 15443093 A JP15443093 A JP 15443093A JP H06346064 A JPH06346064 A JP H06346064A
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【目的】 重質油のハイドロクラッキングにおけるコー
クスの生成を減少させることができるハイドロクラッキ
ング用重質炭化水素供給原料の製造方法及びこの原料を
用いたハイドロクラッキング方法の提供。 【構成】 モリブデン、鉄、ニッケル及びコバルトの化
合物からなる油溶性金属化合物添加剤をアスファルテン
類及びイオウ分を含む重質炭化水素供給原料と所定条件
で混合して、ハイドロクラッキングにおいて形成される
金属スルフィドがコロイド状の大きさになるハイドロク
ラッキング用重質炭化水素供給原料の製造方法。前記製
造方法により得られたハイドロクラッキング用重質炭化
水素供給原料を加熱下で水素を供給して軽質分をストリ
ッピングし、かつコロイド状金属スルフィドを含むピッ
チ含有生成物を生成する、ハイドロクラッキング方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、重質油のハイドロクラ
ッキングにおけるコークス形成を減少させる改良方法で
あって、前記油、アスファルテン類用溶媒、及び油溶性
金属化合物(それはコークス前駆体の合体を妨害し、そ
の場で(in situ) 触媒粒子を形成する)の混合物を前処
理において温和な温度で加熱及び混合し、次いで反応器
中に導入され、水素に富んだ流れを用いてハイドロクラ
ッキングを行って混合と効率的軽質分ストリッピングを
確保する方法に関する。
【0002】
【発明の背景】本発明は本来はアスファルテン類及びイ
オウ分の含有量が高い重質炭化水素供給原料のハイドロ
クラッキングに関して開発された。より詳しくは試験さ
れた供給原料は、ビチューメン(bitumen) の蒸留で生成
された真空塔残油(VTB)であった。本発明は、その
ような供給原料に対する応用に限定されるものではない
が、以下では解決が必要な問題点を強調するために特に
それに関して説明する。
【0003】ビチューメンは比較的高い比率のアスファ
ルテン類を含有する。ビチューメン又はその真空塔残油
がハイドロクラッキングされるとき、アスファルテン類
は粘着性固体コークスが生成するコークス前駆体を生成
する。このコークスは反応器及び下流の装置の表面に析
出し付着する。さらに、供給原料の一部がコークスの生
成において消費されるので、有用な生成物への供給原料
の転化率は減少する。
【0004】本出願人は、ビチューメン及び他の重質油
の改質における改良の促進を委任されているアルベルタ
・ガバメント・リサーチ・エイジェンシーである。
【0005】本出願人は、転化率に制限があることを認
識し、コークス析出が与える問題を操作して、コークス
形成メカニズムの調査と経済的に応用できるであろう改
良を見出すための研究プロジェクトを開始した。
【0006】本方法は、この研究の結果として得られた
ものである。この研究は概念の改良と実験的発見とを含
み、それらは一緒になって高い効率とともに粘着性コー
クスの付着の減少とコークス生成の減少とによって特徴
付けられる方法を与えた。
【0007】本出願の親出願の調査及び手続において見
出された関連ある先行技術を以下に示す。
【0008】米国特許第4,294,686(フィッシ
ャーら)は、液体水素供与体油が、ビチューメン真空塔
残油のハイドロクラッキングに関して水素化をともなっ
て用いられたとき、コークスの析出は、記載によれば除
かれることを教示する。
【0009】しかるに、本出願人及び上記特許の出願人
は共同で液体水素供与体法を用いてビチューメン残油に
ついて大規模なハイドロクラッキングを行った。このテ
ストは重大なコークス生成問題に直面した。それによれ
ば、ビチューメン残油のようなハイドロクラッキング高
アスファルテン含有フィード(原料)には、液体水素供
与体油単独の存在以上のものが必要である。
【0010】米国特許第4,455,218(ダイモッ
クら)は、H2 の存在下重質油のハイドロクラッキング
用のその場で生成された触媒源としてFe(CO)5
使用を教示する。
【0011】米国特許第4,485,004(フィッシ
ャーら)は、水素、水素供与体物質及びアルミナ上のN
i又はCo粒子を含む触媒の存在下での重質油のハイド
ロクラッキングを教示する。
【0012】米国特許第4,134,825(ビールデ
ンら)は、鉄カルボニルのような油溶性化合物の形態で
添加された微量のFeを用いる重質油中でのその場での
固体の非コロイド状触媒の形成を教示する。この金属化
合物は上記油に添加され、水素と接触させながら325
〜415℃に加熱されて固体の非コロイド状触媒に変換
される。この触媒は、次いで上記油のハイドロクラッキ
ングに用いられ、上記米国特許ではコークスの生成が防
止されると述べられている。
【0013】米国特許第4,592,827(ガリアソ
ンら)は、油溶性触媒前駆体Mo化合物と水とを加熱器
に移動する重質油の流れに注入し、加熱器中では上記混
合物が230℃から420℃の温度に加熱されてMo化
合物の分解が行われる。加熱器生成物は次いでハイドロ
クラッキング反応器に導入される。
【0014】
【課題を解決するための手段】本発明の基礎となる研究
の一面において、コークスが希釈剤とビチューメン真空
塔残油(VTB)との混合物をハイドロクラッキングす
ることにより調製され、かつ、このコークス組成物は顕
微鏡により検討された。その結果、コークス前駆体が粘
着性固体コークスへ変化する過程において異なる種類の
等方性及び異方性のザブミクロン及びミクロンサイズの
長球体が存在することが見出された。本明細書に添付し
たいくつかの図にはこれらの種々の長球体が示されてお
り、以下のようなラベルを付してある。
【0015】等方性球体 (図1及び6) 基本等方性粒子(図1) 等方性凝集物 (図3) 異方性球体 (図2及び5) 基本異方性粒子(図2) 異方性微細モザイク粒子(図4) 異方性粗モザイク粒子 (図4)及び 異方性凝集物 (図4) さらに以下のことが実験により見出された。
【0016】コークス前駆体のコークスへの変化には微
細な等方性粒子のより大きな粒子への合体のプロセスが
関与していると(図5及び6)及び上記合体のプロセス
が等方性及び異方性凝集状態において残っている前駆体
の主要部分によって阻害された場合、粘着物及び固体コ
ークスの析出が顕著に減少し、事実上消去する。
【0017】これらの観察結果から、合体のプロセスを
阻害し、かつ、もしコークスが存在する場合に、好まし
くは等方性状態において、凝集物種の形態で支配的に存
在するであろう最終目標への到達を補助する適当な添加
剤の探求と同定を行った。
【0018】十分に分散し、油溶性である金属化合物が
ビチューメンVTBのイオウ分とその場で反応して、コ
ロイド粒子が前駆体長球体を表面に捕集してこの長球体
が合体するのを阻害できるであろう湿潤特性を有するコ
ロイド状触媒粒子を生成するのに用いることができるの
であろうと推察された。さらに、適切な希釈剤はこの添
加剤の分散及び前駆体長球体の可溶化の補助に有益にも
用いることができるであろうと推察された。
【0019】油溶性Mo、Fe、Ni、又はCo化合物
添加剤、例えば鉄ペンタカルボニル又はモリブデン2−
エチルヘキサノエート(これらはハイドロクラッキング
温度で分解性であり、かつハイドロクラッキング触媒で
ある粒子をその場合で形成する能力を有する)を50〜
300℃、好ましくは80〜190℃でかつ添加剤の分
解温度より低い温和な加熱温度下で、油中への添加剤の
実質的に均一な分散と添加剤のアスファルテン類との化
合を確実にするに十分な時間混合した場合、かつ得られ
た混合物をハイドロクラッキング温度に加熱し、反応器
中で反応させた場合、先に推察した機構が生じるであろ
うことが実験的に見出された。
【0020】他の点では、ハイドロクラッキングさせる
反応混合物への添加剤の混入は粘着性固体コークスの析
出を減少させる望ましい効果がある。但し、添加剤は前
述の方法により十分に分散されている。ハイドロクラッ
キング後の冷却した固体試料の試験によれば、これらの
条件下で生成したコークスの主要部は、等方性凝集物の
形態であった。反応温度において、このコークスは、コ
ークス前駆体の微細長球体の形をとるであろうと考えら
れる。この試料コークスの化学分析によれば、添加され
た金属スルフィドの多くの量がコークスと化合し、かつ
ほとんどの金属スルフィドはコロイド状であり、典型的
には直径0.1ナノメーター以下であった。
【0021】要するに、本発明によれば前記のような油
溶性で分解性金属化合物が、まず好ましくは希釈剤を用
いて重質油中に温和な加熱温度において十分に混合さ
れ、アスファルテン類と化合する。次にこの混合物をハ
イドロクラッキング温度にすると、コロイド状金属スル
フィド粒子が生成し、コークス前駆体の表面又は長球体
中に蓄積して、それらの合体を阻害するものと考えられ
る。ハイドロクラッキングが終了すると、コークス前駆
体は等方性凝集物に大きく変化していることが見出され
る。さらに、粘着性固体コークスの析出が顕著に減少す
ることも見出される。
【0022】以下に続く実験は以下のことを示す。
【0023】添加剤を油に対して、反応器入口又は、反
応器の直上流のプレヒーターで加え、適当な温和な温度
での長時間の混合が行われない場合、ハイドロクラッキ
ングはコークスで汚れたものとして特徴付けられるこ
と。
【0024】長時間の混合は行ったが、添加剤の分解温
度より高かった場合、生成される触媒粒子は比較的大き
い(例えば5ミクロン〜4mm)であり非コロイド状で
あり、この場合、コークスによる汚れが生じること。
【0025】用いた油がビチューメンである場合、ビチ
ューメンは通常アスファルテン類のための十分な溶媒を
含み、希釈剤又は溶媒の添加は必要としないこと。
【0026】好ましい工程は、以下の工程を含む。
【0027】油、添加剤及び好ましくはアスファルテン
類溶媒を80〜190℃の範囲内であり、添加剤の分解
温度より低い温度で、分散剤を均一に分散するに十分な
時間混合し、次いで生成物を混合しながら良好な分散状
態を維持しつつ添加剤分解温度より高くハイドロクラッ
キング温度より低い加熱温度で消化(digesting) し、か
つ混合物をハイドロクラッキング温度に加熱し、それを
反応器中に導入する。
【0028】分散及び消化工程が十分な時間十分な撹拌
下で、かつ適切な温度で適切に行われたか否かの試験
は、添加剤がコロイドサイズの触媒金属スルフィド粒子
に変換されていることによって確認される。
【0029】「分解温度」の用語は、本明細書中、分散
工程の間に約10重量%より少ない添加剤が分解する温
度を意味する。
【0030】研究された第2の方法については、アスフ
ァルテン類はペンタンを添加すると沈澱することが良く
知られている。この公知の事実を考慮して、出願人らは
コークス形成に対する効果を決定するためにハイドロク
ラッキング中の軽質分の除去を強調することを考えた。
実験は、まずハイドロクラッキングゾーンからの軽質分
(沸点(B.P.)<220℃)のストリッピングの効
果を決定することから始めた。実験によればコークス形
成は、ハイドロクラッキングの間に軽質分を一貫して除
去したときに減少した。この点を改良するためには、ハ
イドロクラッキングの間に混合物を混合することが望ま
しいと思われた。混合は添加剤の金属成分の分散を維持
することにもなる。
【0031】前述のことを更に検討するために、コーク
ス形成は相分離と関連することが考慮された。コークス
前駆体が個別の相に豊富に濃縮されると、コークス形成
過程は、早くかつ定量的に進むと推察された。これを妨
げるため、軽質分を除去しかつ相分離を減少させること
が望ましいと思われた。
【0032】従って、本発明の第2の好ましい態様は、
管状反応器を用い、好ましくは実質的に充填物を含ま
ず、反応器中の水素の流れは豊富にし、反応領域の長さ
及び幅のすみずみまで混合するように調整される。豊富
な水素の流れは、上記領域から軽質分を除去(ストリッ
プ)するように機能する。好ましくは、混合及び除去
は、水素の流れを8,000〜20,000SCF/B
BLの範囲にし、かつ反応チャンバー中で以下のペクレ
ット数(P.N.)となるに十分となるようにすること
によって行われる。
【0033】液体: 軸P.N.=2.0より小さい、好ましくは1.0より
小さく、より好ましくは0.01より小さい 気体: 軸P.N.=3.0より大きく、好ましくは5.0より
大きい 相分離を減少させるもう1つの方法として、アスファル
テン類を可溶化する希釈剤を反応混合物に添加した。こ
の希釈剤(又は溶媒)は、約220〜504℃、好まし
くは220〜360℃のB.P.を有する炭化水素留分
であった。良好に使用できた溶媒は、ジーン・ビチャー
ド(Jean Bichard)の文献「オイル・サンズ・コンポジッ
ション・アンド・ビヘービア(Oil Sands Composition a
nd Behaviour) 」(1987)2〜30ページ、アルバ
ータ・オイル・サンズ・テクノロジー・アンド・リサー
チ・オーソリティ(Alberta Oil Sands Technology and
Research Authority)(エドモント、アルバータ、カナ
ダ)発行に定義されている高いコット(cot) θ値を有し
ていた。
【0034】好ましい希釈剤は、芳香族又は脂環式しか
し脂肪族ではない環状成分を含んでいた。例えば、n−
ヘキサンは良い希釈剤ではないが、シクロヘキサン、デ
カリン及びベンゼンは良好な希釈剤であり、最後のもの
が好ましい。しかし、ハイドロクラッカー中において、
これらの希釈剤より安価なものはハイドロクラッカー軽
油の220℃〜360℃の重質芳香族留分又は安定化さ
れていないコークス軽油の同様の留分である。
【0035】上記添加剤は、加えて、液体水素供与体と
して有用に機能し、かつ、生成されたコロイド状金属ス
ルフィド(触媒としての性質を有する)と豊富な水素と
の組合せにおいて、高沸点(例えば504℃以上の)留
分の高い転化率と低いコークス析出に有利な条件を創り
出すことが望まれた。実験結果は、希釈剤添加、十分に
分散された添加剤の添加及び水素による軽質分の除去の
組合せをアスファルテン類とイオウ分を含有する重質油
のハイドロクラッキングに関して実施した場合、実質的
に粘着性コークスの析出を伴わずに高沸点炭化水素の特
に高い転化率が達成された。上記組合せから希釈剤を除
くと、又は希釈剤がアスファルテン類の良い溶媒でない
と、又は軽質分の除去が不十分であると、実験によれ
ば、著しいコークス析出が見られた。しかし、希釈剤の
添加は、単に好ましい特徴に過ぎないことを理解すべき
である。
【0036】要するに、従って、分散が、添加剤の分解
又はハイドロクラッキング温度への加熱の前の個別の工
程において、連続流れ、撹拌槽ミキサーのような手段で
重質油と添加剤と希釈剤との混合物を混合する(但し、
該混合物は50〜300℃、好ましくは80〜190℃
の範囲にあり、かつ添加剤が著しく分解する温度より低
い温度に保たれ、滞留時間は添加剤が混合物中実質的に
均一に分散されるのを確保するに十分である)ことによ
り好ましくは達成される。この混合には、2つ以上の連
続流れ、又は連続した撹拌槽反応器の使用も好ましい。
【0037】広い意味で、本発明の1つの態様は、アス
ファルテン類及びイオウ分を有する、ハイドロクラッキ
ング用重質炭化水素供給原料の製造方法であって、前記
供給原料と油溶性金属化合物添加剤とを50℃から30
0℃の範囲にあり、かつ前記添加剤の分解温度より低い
温度で混合して生成物混合物を調製し、前記添加剤はモ
リブデン、鉄、ニッケル及びコバルトの化合物添加剤か
らなる群から選ばれるものであり、前記添加剤はハイド
ロクラッキング温度に加熱したときに分解し、かつ前記
供給原料中のイオウ分と反応してハイドロクラッキング
用触媒である金属スルフィド粒子を形成し、前記混合は
前記添加剤が十分に分散されるのに十分な時間行われて
ハイドロクラッキングにより形成される金属スルフィド
粒子がコロイド状の大きさとなることを含む。
【0038】もう1つの広い態様において、本発明は、
アスファルテン類とイオウ分とを含有する重質炭化水素
供給原料のハイドロクラッキング方法であって、前記供
給原料と油溶性金属化合物添加剤とを50℃から300
℃の範囲にあり、かつ前記添加剤の分解温度より低い温
度で混合して生成物混合物を調製し、前記添加剤はモリ
ブデン、鉄、ニッケル及びコバルトの化合物添加剤から
なる群から選ばれるものであり、前記添加剤はハイドロ
クラッキング温度に加熱したときに分解し、かつ前記供
給原料中のイオウ分と反応してハイドロクラッキング用
触媒である金属スルフィド粒子を形成し、前記混合は前
記添加剤が十分に分散されるのに十分な時間行われてハ
イドロクラッキングにより形成される金属スルフィド粒
子がコロイド状の大きさとなり、次いでさらに前記生成
物混合物をハイドロクラッキング温度に加熱し、前記加
熱した生成物混合物をハイドロクラッキング反応器のチ
ャンバーに導入し、前記加熱した生成物混合物を前記チ
ャンバー中に一時的に保持し、チャンバー内容物の実質
的に幅及び長さの端から端まで、チャンバー内容物の混
合と軽質分(light ends)のストリッピングとを維持する
のに十分な水素を連続的に通し、かつ未反応水素及び残
っている軽質分とを前記チャンバーから除去し、コロイ
ド状金属スルフィドを含むピッチ含有生成物を生成する
ことを含む。
【0039】まだ1つの本発明の好ましい態様では、転
化率の向上のためにピッチが下流のホットセパレーター
から反応器へ循環される。より好ましい態様では、重質
留分とピッチを含むセパレーター生成物が蒸留されてピ
ッチが別に回収され、これと関連して新しい原料が蒸留
器に入るセパレーター流に加えられ、ピッチからのアス
ファルテン類の分離を減少させる。新しい油の添加は、
さもなければ蒸留器中に現れる粘着性アスファルテン塊
の生成を減少又は防止するために効果がある。
【0040】好ましい態様において、本発明には、ハイ
ドロクラッキング操作において以下のユニット及び条件
が関連し、図44参照。
【0041】○ 熱ハイドロクラッカー: 操作温度:430〜460℃、好ましくは450〜45
5℃; 操作圧力:1500〜3000psig、好ましくは約
2000psig; ○ 高圧ホットセパレーター: 操作温度:約350℃以上; 操作圧力:反応器圧力; ○ 5〜15%の新しい原料(重質油)をホットセパレ
ーターからの下流物に添加; ○ 低圧ホットセパレーター: 操作温度:ホットセパレーターの温度以下; 操作圧力:100〜500psig; ○ 低圧ホットセパレーターからの0〜95%のピッチ
の反応器への循環
【好ましい態様の説明】本方法への原料は重質油であ
る。この用語は、アスファルテン類及びイオウ分を含有
する石炭−石油・共プロセスからの誘導油類、ビチュー
メン並びに原油残油類を含むことを意味する。典型的原
料は、アタバスカ(Athabasca) ビチューメンからの誘導
された真空塔残油であり得る。
【0042】この原料は、触媒前駆体添加剤及び好まし
くは、アスファルテン類用の炭化水素溶媒と混合され
る。
【0043】この添加剤は、ハイドロクラッキング温度
で分解し、かつ油中のイオウ分と反応して、その場で、
ハイドロクラッキング用の触媒であり、コークス前駆体
の合体を妨害する金属スルフィド粒子を形成するように
改良された油溶性金属化合物である。上記金属は、F
e、Ni、Co及びMoからなる群から選ばれることが
できる。好ましい化合物は、鉄ペンタカルボニル及びモ
リブデン2−エチルヘキサノエートである。
【0044】アスファルテン類用炭化水素溶媒は、好ま
しくは220℃〜504℃、好ましくは220℃〜36
0℃の範囲に沸点を有し、前記ジーン・ビチャード(Jea
n Bichard)による「オイル・サンズ・コンポジッション
・アンド・ビヘービア(Oil Sands Composition and Beh
aviour) 」に定義されている、コット(cot) 値θの高い
値を好ましくは有する循環流である。
【0045】添加剤の添加量は、原料の重量基準で0.
0001〜5重量%の範囲である。好ましくは我々は約
0.002〜0.5重量%を使用する。我々が用いる特
定の好ましい化合物類は典型的には以下のとおりであ
る。
【0046】 モリブデン2−エチルヘキサノエート 0.01重量% モリブデンナフタネート 0.007重量% 鉄ペンタカルボニル 0.05重量% アスファルテン類用溶媒に関しては、いくつかの原料
(例えば、粗アタバスカビチューメン)は、別に溶媒の
添加が必要ないように既に十分な溶媒を含んでいるかも
しれない。しかし、溶媒の添加が必要な場合には、溶媒
の原料に対する好ましい重量比は、1:10〜3:1、
好ましくは1:4〜1:1の範囲である。
【0047】混合は、連続流・加熱・撹拌槽混合器中
で、又は混合物を予熱器を介してタンクから移送し、次
いでこのタンクへ戻すことにより行うことができる。い
ずれの場合にも、混合は、以下の条件に従って行われ
る。
【0048】混合温度:50〜300℃、好ましくは8
0〜190℃の範囲内で、かつこの混合工程の間に約1
0重量%より少ない添加剤が分解する温度; 滞留時間:添加剤が油中に実質的に均一に分散し、かつ
アスファルテンと分子レベルで実質的に化合することを
確実にするのに十分な時間。
【0049】本方法は、好ましい添加剤として鉄ペンタ
カルボニル及びモリブデン2−エチルヘキサノエートの
使用に注目している。
【0050】鉄ペンタカルボニルの場合、満足できる転
化率を達成するためには比較的多量を使用する必要があ
る。しかし、過剰量使用すると、配管中に蓄積して閉塞
と圧力の揺らぎを起こす鉄生成物を形成する傾向があ
る。鉄ペンタカルボニルを適正に使用するために、まず
混合により温和な温度で油中に十分に分散し、次いで触
媒前駆体の分散を維持する再度の混合条件下での高温消
化工程において添加剤を分解することが望ましいことを
見出した。
【0051】典型例として、添加剤として鉄ペンタカル
ボニル及び油として504℃+ ビチューメン真空塔残油
を用いた場合、以下の条件を用いる。
【0052】添加剤量: 250ppm(油基
準) 溶媒: 200〜504℃ビチューメン留分 溶媒/油比: 1:1.2 分散時間: 20分間 分散温度: 110℃ 分散容器: 800rpmで回転する羽根車付1
リットルタンク 消化時間: 60分間 消化温度: 250℃ 消化容器: 1000rpmで回転する羽根車付
3.8リットルタンク 典型例として、添加剤としてモリブデン2−エチルヘキ
サノエートと油として430℃+ ビチューメン真空塔残
油とを用いた以下の条件を用いる。
【0053】添加剤量: 150ppm 溶媒: 430〜524℃留分 溶媒/油比: 1:2 分散時間: 24時間 分散温度: 100℃ 分散容器: 75リットル 消化時間: 60秒 消化: なし 混合物は次いで約450℃〜455℃に急速に加熱さ
れ、ハイドロクラッキング反応器に導入される。反応器
中には、前述のペクレット(Peclet)No.値を満足し、
反応器充填物の混合が起き、軽質分又は揮発分が充填物
から除去されるのを確保するに十分な速度で水素が供給
される。
【0054】実施例として、前述の混合処理を用いた場
合のパイロットプラントにより生成した混合物のハイド
ロクラッキングに典型的には以下の条件を用いた。
【0055】反応器寸法: 長さ220.98cm
(87インチ)×直径4.50cm(1.77インチ) 反応器圧力: 1500psig 反応器温度: 455℃ H2 速度: 68リットル/分 混合物速度: 2405g/hr 蒸留物流速: 1082g/hr ピッチ流速: 1322g/hr 〔転化率は以下の計算式により決定した。
【0056】100%(流入 524℃+ 留分流出 524℃+
留分)/(流入 524℃+ 留分) 但し、524℃+ 留分は、無機物は含まずコークスを含
む。〕 Fe(CO)5 添加剤を用いた実験の場合、前記典型条
件に基づくパイロットプラントの結果は、典型的な52
4℃+ 留分の転化率が90%であった。ピッチは、分析
の結果、コロイド状鉄スルフィドを含有していた。コー
クス生成量は約1%であった。
【0057】モリブデン2−エチルヘキサノエートを用
いた実験の場合、前記典型条件に基づくパイロットプラ
ントの結果は、典型的な524℃+ 留分の転化率が90
%であった。ピッチは、コロイド状鉄スルフィドを含有
していた。コークス生成量は約0.3%であった。
【0058】
【実施例】以下本発明を実施例及び実験的に得られたデ
ータに基づいて説明する。
【0059】実施例I〜V 以下の実施例I〜Vは、本方法の初期の段階において研
究されたいくつかの特徴を説明するために記載する。
【0060】実施例I〜Vの全ての試験は、1リットル
のバッフル板付撹拌オートクレーブ中で行った。充填物
は、原料としてアタバスカ真空塔残油(504℃+ )、
溶媒(又は「希釈剤」として記載)及び添加剤(もし使
用する場合には)を含み、上記オートクレーブに導入し
た。オートクレーブは、密封し、空気を排気し、窒素又
は水素で加圧して430℃に加熱した。反応器は800
rpmで撹拌し、430℃の反応温度で105分間反応
させた。
【0061】アタバスカ真空塔残油(VTB)の性質は
以下のとおり。
【0062】 以下の表1は実験操作の間に用いた希釈剤の組成(重量
%)を示す。
【0063】縮合ジシクロパラフィン類及びベンゼンシ
クロパラフィン類の相対含有量に従って、希釈剤Bは最
高の水素供与能力を有し、かつ希釈剤Cは最低の能力を
有することが注目される。
【0064】
【表1】 実施例I この実施例では異なる希釈剤の影響について説明する。
オートクレーブには、109gのビチューメンと220
gの希釈剤A、B又はCを入れる。0.55MPaの窒
素過剰圧力を加え、内容物を430℃で105分間熱的
にクラッキングした。
【0065】試験の結果は表2に示す。反応器を開き、
実験CF−30、CF−9及びCF−31のバッフル板
上に析出したコークスを図7、8及び9にそれぞれ示
す。
【0066】実験CF−31では実験CF−9より多く
のコークスが生成したが、このコークスはバッフル板及
び反応器表面から最も容易に除去されたことが注目され
る。さらに、実験CF−31はCF−30の約2倍多い
コークスを生成したがこのコークスは最も容易に除去さ
れた。実験CF−31の反応器及びバッフル板の表面は
最も汚れていなかった。
【0067】3つの実験からのコークスは顕微鏡で検査
し、結果を図10に示す。凝集物濃度(異方性であっ
た)が比較的高い場合(実験CF−31)、コークスの
析出及び粘着は、希釈剤Cが最も低い水素供与能力を有
するにもかかわらず、最も弱いものであった。
【0068】
【表2】 実施例II この実施例では水素過剰圧力の効果について説明する。
【0069】実験条件及び結果を表3に示す。実験CF
−A3は実験CF−9と比較する。
【0070】図11は実験CF−A3のバッフル板の上
に析出したコークスを示す。実験CF−9(図8)と比
較して、実験CF−A3のコークス収率及び析出は少な
かった。
【0071】図12は実験CF−A3から得たコークス
の顕微鏡検査の結果を示す。実験CF−9の図10に示
す結果と比較するもので、結果は同様である。
【0072】両実験において、コークス成分の80%以
上が異方性タイプのものであった。実験CF−A3凝集
濃度は実験CF−9のそれより著しく大きいものではな
かった。
【0073】この実施例は、水素のみが豊富であると、
コークス前駆体の粘着性を中和できないか、又は選択的
にコークス組成を変性できないことを教示する。
【0074】
【表3】 実施例III この実施例は、多くの凝集物を含むコークスは粘着性で
ないことを示す。
【0075】実験CF−A3と実験FE−1の結果及び
条件は表4示す。
【0076】図13は実験FE−1のバッフル板上にコ
ークスの析出がないことを示す。実験CF−A3(図1
1)と比べ、実験FE−1のコークス収率及び析出は少
ない。
【0077】実験FE−1からのコークスは、反応器の
底部にゆるく沈澱した微細な粒子であると観察された。
【0078】
【表4】 図12は実験CF−A3と実験FE−1から得たコーク
スの顕微鏡試験の結果を示す。これらの結果は非常に異
なるものである。実験FE−1からのコークスは80%
以上が等方性凝集物である。
【0079】実験FE−1の図14と15は、固体粒子
は全て互いに弱く化合していることを示した。コークス
組成は成分の97%以上が異方性であることを示した。
(図12参照)。等方性凝集物はコークス組成の80%
であった。。実験FE−1のこのデータは、コークス前
駆体の粘着性は高度に分散された鉄化合物により効率的
に中和されたことを示した。等方性球体が濃縮されたと
き(図15参照)、等方性凝集物は、この球体の基本等
方性粒子への合体を効率的に防止した。
【0080】鉄スルフィドとして存在する添加剤はコー
クス重量の約1/3に達するがそれ程明白ではないこと
も注目される。
【0081】実施例IV この実施例は、希釈剤の選択が望ましいことをさらに示
す。
【0082】実験CF−38は米国特許第4,455,
218(ダイモック(Dimock)ら)の教示に従って行っ
た。実験条件は、実験FE−1について表4に示したも
のと同一である。全アタバスカビチューメンがアタバス
カVTBの代わりに用いられ、かつ希釈剤は添加しなか
った。全ビチューメンは504℃以上の温度で沸騰する
炭化水素を約60重量%含有した。ビチューメン中の5
04℃+ 含有量の等量基準で0.5%(金属)の鉄ペン
タカルボニルを添加した。
【0083】コークス収率は7.9%(504℃+
準)であり、このコークスは反応器及びバッフル板の表
面に非常に強力に粘着した。図16はバッフル板上に析
出したコークスを示す。
【0084】実施例V この実施例は、反応流体からの高度に揮発性成分の連続
的除去の速度の影響を示す。
【0085】1リットルのオートクレーブに反応器にN
2 又はH2 を散布する挿入管、生成ガスの連続流出が可
能な出口及び揮発生成物をガス流から分析のためのサン
プルバックにガスが捕集される前に除去するためのコー
ルドトラップ冷却器を備えた。実験は前記反応器中で4
30℃で105分間、550kPaの圧力下、ガス流な
しで、及び反応器内及び外の連続的ガス流ありで、行っ
た。各実験では、110gのアタバスカ504℃+ 真空
塔残油(VTB)と220gの希釈剤を用いた。以下の
表5は反応条件と実験結果を示す。
【0086】
【表5】
【表6】 図17は窒素の流速の関数としてのコークス生成量を示
す。希釈剤A及びBについて示すように、コークス生成
量は窒素流速が増加すると減少した。窒素の高流速にお
いては、希釈剤B(最良の水素供与体溶媒)を用いた実
験におけるコークス生成量は、希釈剤B(最悪の水素供
与体溶媒)を用いた実験のそれとは非常に異なってはい
なかった。
【0087】表5において、少ないコークス生成量を与
える条件については、排出ガスから回収される凝縮物の
量は最も多かったことが注目される。これは希釈剤A及
びBの両者について言えることである。
【0088】表6は実験5からの凝縮物の模擬蒸留の結
果を示す。この凝縮物の約90%は220℃以下の温度
で沸騰する。
【0089】この実施例はコークス生成は、低沸点生成
物が反応流体から連続的に除去(ストリップ)されると
減少することを示す。さらに、コークス生成は低沸点生
成物が希釈剤から除去すると減少することも示す。
【0090】これらの観察は、反応流体から別の液相と
してアスファルテン類分離を有するモデルに一致する。
ペンタンをビチューメンに添加して室温で固体アスファ
ルテンを得る一般の実験と類似して、そのような高温で
行われる実験は、分離液相としてアスファルテンが得ら
れると予期される。さらに、この分離液相は熱的に分解
してコークスを生成するアスファルテン類に富むであろ
うと予想される。
【0091】この相分離は、模式的に図18に示す。こ
の図の3つの成分は、それぞれラベルされたアスファル
テンの芳香族と脂肪族と脂環式の504℃+ 、220〜
504℃及び220℃の沸点を有する留分をそれぞれ示
す。矢印は、実施例IVで起こったであろう全ビチュー
メンの組成の発生を示す。
【0092】実施例VI 本実施例は、反応流体からの高度に揮発性の成分を連続
的に除去するための水素の使用の効果を示す。
【0093】予熱器、2リットル撹拌反応器及び生成物
捕集システムからなる連続フローシステムを用いた。バ
ッフル板及び攪拌機は前の実施例のものと類似のもので
ある。アタバスカVTB、希釈剤A及び予熱水素の混合
物は、予熱器を介して撹拌反応器の底部にポンプで流し
込まれた。生成物は反応器の高さの60%の所にその入
口がセットされたディップ管を介して除去された。
【0094】実験条件及び結果は、実験7、8及び9に
ついては表7に示す。各実験において、水素流速は12
slpmであった。実験7では、液空間速度は実験8及
び実験9のそれの2倍である。反応流体の温度は実験8
のそれの20℃高い。
【0095】注目すべきは、ハイドロクラッキングの厳
しさは実験7から8、さらに9になるほど増すにもかか
わらず、実験8における生成コークス量は実験7のそれ
より少なかったこと及び実験9ではほとんどコークスが
生成しなかったことである。
【0096】そのような結果は、反応流体の高度に揮発
性の留分が、条件が実験7から8、さらには9に変化し
たときに効率を増して除去されると考えると予期され
る。実験9では、反応器を生成物捕集器に繋ぐパイプが
実験終了時には、詰まった。
【0097】実験10では、2つの1リットル反応器を
並べて配置し、反応器の高さの50%及び70%の位置
にディップ管の入口を設置した。条件及び結果を表7に
示す。
【0098】
【表7】 転化率は実験8と同様であった。このことは、異なる液
空間速度と異なる反応器の数を与えることを予想させ
る。しかし、実験10の水素流速が速いにもかかわら
ず、実験10で生成したコークス量は、実験8での生成
量より多かった。
【0099】この実施例は、水素流及び反応温度は、反
応流体から低沸点生成物を除去(ストリップ)して、生
成するコークス量を減らすのに上手に用いることができ
るであろうことを教示する。さらに、一連の1つ以上の
ハイドロクラッキング反応器については、1つの反応器
の有する配置は、少量のコークスを生成するだけである
ことを教示する。さらに、多数のハイドロクラッキング
反応器を並べて配置すると、1つの反応器から次の反応
器に移る際、流体から揮発炭化水素が除去されると、コ
ークス生成量は少なくなることを教示する。
【0100】実施例VII 本実施例は、反応器の配置、反応の厳しさ、揮発成分の
ストリッピング及び添加剤の上手な使用によってVTB
の蒸留生成物への高い転化率が、許容できるコークス生
成と反応器の最少限の汚れで、得られることを示す。
【0101】実施例VIの実験7、8及び9の連続フロー
システムを用いた。添加剤は鉄ペンタカルボニルであっ
た。実験11と12の条件と結果とを表8に示す。
【0102】実験12の条件は実験11のそれより大変
厳しいものであった。にもかかわらず、反応器、パイプ
及び捕集容器の全ての表面は、コークスによる汚れがな
く、かつ生成したコークスは、生成物捕集容器中に沈澱
した微細な砕けやすい物であった。
【0103】実験12の生成コークスの顕微鏡試験結果
は、表9に示す。コークスの74%が凝集物の形態であ
った。コークスの23%は等方性球体の形態であった
が、これらの球体は、凝集物のマトリックス中に隔離さ
れ捕獲されていた。
【0104】この実施例は生成コークスの大半が凝集物
である場合、最少限の反応器の汚れで高い転化率が得ら
れるであろうことを教示する。
【0105】
【表8】 実験12においてH2 の流れが増えなかったら、転化率
の14%の増加は、記録された量より相当に高いコーク
ス収率によって、得られたものであると予想したであろ
うことに注意すべきである。
【0106】
【表9】 実施例VIII 本実施例では、種々の添加剤及び種々の金属化合物を比
較した。
【0107】以下の添加剤を用いた一連のテストでは、
それらのコークス生成及び析出の防止における相当効率
の比較を行った。
【0108】○ 微細アルベルタ(Alberta) 木炭 ○ 油溶性ニッケルナフタネート ○ 油溶性コバルトナフタネート、及び ○ 油溶性モリブデンナフタネート 鉄ペンタカルボニルを比較の基準として用いた。
【0109】全てのテストは、以下の一般的反応条件で
行った。
【0110】0.5重量%(金属、真空塔残油基準)添
加剤、アタバスカ真空塔残油(33.3%)、希釈剤
(66.7%)、6.8Mpa初期水素圧力、800r
pm撹拌速度、430℃、及び105分の反応時間。ア
ルベルタ木炭の場合、添加量は、真空塔残油の4%に相
当する量とした。
【0111】図19の圧力曲線及び図20の水素消費結
果は、水素消費について以下の観測順を示した。
【0112】モリブデン添加剤(CF−40)68% ニッケル 添加剤(CF−41)39% コバルト 添加剤(CF−41)27% 鉄 添加剤(FE−1) 26% 及び木炭 (CF−43)21% 表10の生成物分散は以下の添加剤順序を示した。
【0113】○ 真空塔残油転化率 モリブデン>鉄>木炭>ニッケル>コバルト ○ C5 −504℃の選択率 ニッケル>鉄>コバルト>モリブデン>木炭 ○ コークス生成 ニッケル<コバルト<木炭<鉄<モリブデン 図21は、コークス前駆体を転化して非析出等方性凝集
物コークス粒子を形成する際の種々の添加剤の有効性を
示す。モリブデン含有添加剤を用いた実験は最も多い量
の水素を消費したが、コークスの90%以上は基本等方
性粒子であった。図22中、実験CF−40からのコー
クスは基本等方性粒子の連続シートとして表れていた。
実験CF−40からのコークスは鉄添加剤を用いた実験
FE−1からのコークスより明らかに密に充填されてい
た(図14〜15)。
【0114】先に指示したように、反応器壁へのコーク
スの析出を防止するためには、添加剤はコークス前駆体
球体を等方性凝集物に選択的に変換しなければならな
い。実験CF−40からのコークス中に等方性凝集物が
含まれていないことは、反応器バッフル板上への粘着性
コークスの析出(図23)の説明を示唆する。一方、鉄
ペンタカルボニルを用いた実験での反応器バッフル板
(図13)には、粘着性コークスが全くなかった。
【0115】この実施例は、添加剤を適当に選ぶことに
より、コークス生成を防止でき、かつ適当な希釈剤を用
いると粘着性コークスの析出を防止できるであろうこと
を教示する。そのような添加剤は、等方性凝集物の形態
のコークス留分を最少限にする。鉄又はコバルト又はニ
ッケル又はこれらの組合せを含む油溶性添加剤が好まし
い。
【0116】
【表10】 実施例IX〜XII これらの実施例は全体として以下の主張を支持する。
【0117】1. 添加剤分散は分解温度以下で行う必
要があり、かつアスファルテン類中に添加剤を均一に分
散するために温和な加熱温度における長時間の混合を必
要とする。
【0118】2. 添加剤の分解を引き起こす消化は混
合条件下で行う必要がある。さらに、 3. 前記添加剤選択、溶媒の好ましい使用、分散及び
消化工程、並びにハイドロクラッキングの間のストリッ
ピング及び混合の組合せは一緒になって、粘着性コーク
ス形成のほとんどない高い525℃+ 転化率を可能にす
るコロイド状触媒粒子を生成する。
【0119】換言すると、もし添加剤が、相当な分解が
起きる前に分子スケールで十分に分散されていないと、
おそらく、相対的に大きい、非コロイド状の、ミクロン
以上のサイズの触媒粒子が生成し、粘着性コークスの生
成があり、かつ転化率も低いであろう。同様に、もし添
加剤の分解が分散を保つための混合なしに起こったら、
非コロイド状触媒が生成し、その結果、コークスが生成
し、転化率も低いであろう。
【0120】実施例IX この実施例(実験TRU101とB3−1に関する)
は、添加剤の分解温度より十分低い温度である加熱温度
において長時間添加剤を混合することにより適切に分散
することが望ましいことを示す。他の点では、混合物が
次いでハイドロクラッキング温度に急激に加熱された場
合、猛烈な汚れが、ヒーター内又は反応器入口で起こ
り、閉塞が生じ、この閉塞は、循環系内の圧力の動揺に
よって特徴付けられる。
【0121】図25には、これらのテストに用いた系を
示す。図26〜28は図25上に示された点で実験TR
U101の間に得られた圧力記録を示す。
【0122】混合及び分散容器(「ミキサー」)にポン
プと帰り管とを設け、原料が循環及び混合できるように
した。供給源からの水素は、ミキサーからの生成物を取
り出す管に加えた。混合物は加熱器を通して温度をハイ
ドロクラッキング温度に上げた。加熱器生成物に次いで
ハイドロクラッキング反応器中に導入した。反応器生成
物は、ホットセパレーターを通してピッチを生成した。
【0123】以下に最初の実験(TRU101)に関す
る条件を示す。
【0124】(a)供給原料: 70重量%の525℃
+ 残油とモリブデンエチルヘキサノエートをモノブデン
として300ppm(重量)を含有するコールド・レー
ク(Cold Lake) 粗真空残油(430℃) (b)分散: 混合及び循環しつつ135℃で24
時間、後に150℃に昇温 (c)水素流: 14,000SCF/バレル (d)反応器条件:圧力 13.6Mpa 温度 455℃ ミキサーは初めスタートから17.1時間に135℃で
操作した。ミキサー温度は次いで150℃(添加剤の分
解温度以下である)に昇温した。スタートから25.9
時間後、最初の圧力振動がPT455で観測され、ホッ
トセパレーターへの入口の下流で弱い閉塞が起こったこ
とを示唆した。スタートから85.3時間後にPT32
0で16.3Mpaへの圧力振動が観測され、PT32
0とPT340の間で軽微な閉塞が起きたことを示唆し
た。閉塞を開放するとDP450で圧力振動が観測さ
れ、該閉塞が反応器及びホットセパレーターへの下流を
通って押し出されたことが示唆された。スタートから9
9時間後、PT400での圧力が15.2Mpaに振動
し、反応器への入口で閉塞が形成されたことを示唆し
た。スタートから108.9時間後、強い閉塞が反応器
入口で形成されたために、PT400及び上流での圧力
が21.6Mpaに飛び上がった。
【0125】これらの結果は、以下の観測結果を与え
る。
【0126】閉塞は、分散が135℃で行われたときに
は問題ではなかったが、150℃では問題となった。さ
らに添加剤の分解は、非混合条件下では加熱器中又はそ
の周辺で起こった。このことはパイプを閉塞する大きな
鉄粒子の形成を起こさせる。
【0127】同じ系を実験B3−1にも用いた。この実
験に関する条件は以下のとおりである。
【0128】(a)供給原料: モリブデンエチルヘキ
サノエートをモノブデンとして100ppm(重量)2
00〜360℃軽油に分散したものを含むコールド・レ
ーク(Cold Lake) 粗真空残油 (b)分散: 混合及び循環下約105℃で24時
間、 (c)水素流: 14,000scf/バレル (d)反応器条件:圧力 13.6Mpa 温度 450℃ 実験B3−1は225時間続けた。実験TRU101と
比べて以下の違いがあった。
【0129】○ 分散温度が低かった。
【0130】○ 添加剤濃度が少なからず減少した。
【0131】○ 反応器温度がやや低かった。
【0132】実験B3−1の圧力記録を図29〜30に
示す。
【0133】順調で閉塞のない操作が実質的に全てのテ
スト中観測された。約160時間後にセパレーターの上
流の圧力が、閉塞が生じ破れたことで、わずかに約1
9.0Mpaに振動した。ユニットの閉塞及び汚れは、
実験B3−1では実験TRU101より顕著に少なかっ
た。
【0134】この実験は、分解温度により相当に低い温
度での分散及びハイドロクラッキング温度への急速な加
熱が望ましいことを示す。
【0135】実施例X 本実施例は、油中に添加剤を高濃度で添加した場合、及
び分散を分解温度を超えた高い温度で実施した場合、良
い結果が得られないことをを示す。
【0136】本テストでは、分散及び分解は第一の部位
で一段落で行い、混合生成物はハイドロクラッキングの
ため別の部位に移送された。移送を容易にするために濃
度(Fe4重量%)は第一の部位で形成された。用いた
2つの循環系を図31及び32に示す。
【0137】実験の条件は図面と共に示されている。
【0138】この系におけるいくつかの実験結果は以下
のとおりである。
【0139】
【表11】 生成ピッチからの固体の電子顕微鏡分析によれば、Fe
Sx粒子は典型的には5μmの直径を有していた。
【0140】ピッチ転化率(57〜68%)は比較的悪
く、かつ反応器循環系中にコークスが生成していた。
【0141】実施例XI 本実施例は、実施例Xの追加であり、かつビチューメン
と添加剤とが、予め低温で混合されることなしに分解温
度で消化のみさせた場合、混合しながら消化させても良
い結果は得られないことを示す。
【0142】図33はパイロット循環系であり、本実験
ではいくつかの条件を用いた。図34はこの実験におけ
る圧力記録を示す。
【0143】本テストにおいての条件は以下のとおりで
ある。
【0144】○ 供給: アタバスカビチューメ
ン、組成:45%220〜524℃、55%525℃+ ○ 供給速度: 2.815kg/hr ○ 添加剤: 軽油中に33重量%の鉄ペンタカルボ
ニル ○ 添加速度: 32.9ml/hr ○ 添加剤濃度:525℃+ 留分に対して5000pp
m ○ 水素: 34標準リットル/分(4000SC
F/BBL) ○ 消化温度: 250℃ ○ 反応器条件:450℃、10.2Mpa 反応器を横断する圧力降下は、実験の間に徐々に増加
し、33時間後に急激に増加した。循環系は、PT23
Aにおける記録圧力が増大して36時間後に操作不能に
なった。
【0145】生成ピッチからろ過した物質の試験によれ
ば、鉄スルフィド粒子径は1〜2μであった。
【0146】実施例XII 本実施例は、適切な分散が添加剤分解温度より十分に低
い温度である穏やかな、即ち温和な温度で行われ、かつ
分解が混合を伴って行われた場合、良好な転化率とコー
クスの減少結果が得られることを示す。
【0147】図35は本実験に用いた循環系及び条件を
示す。図36は実験からの種々の記録を示す。
【0148】本テストでは、ビチューメンと鉄ペンタカ
ルボニルとを羽根車付第1の容器中で約100℃の温度
で約30分間混合して添加剤を分散し、次いで羽根車付
第2の容器中で約250℃の温度で約1時間混合して、
分散しながら分解した。
【0149】次の表12は別の条件及び実験結果を示
す。
【0150】
【表12】 最初の100時間の操作は順調でかつ閉塞も見られなか
った。その時点でポンプが故障した。修理の後、反応器
を横断する圧力降下に少し動揺が記録されたが、循環系
の操作は全く順調であった。ピッチ転化率は、約300
時間の実験の間に、84%から92%に徐々に増加し
た。
【0151】試験の結果、コロイド状鉄スルフィド粒子
の形態のピッチ中に存在すべき添加剤の鉄が示された。
【0152】実施例XIII 本実施例は、異なる温度においてモリブデンナフタネー
ト(「Mo−naph」)とモリブデンエチルヘキサノ
エート(「Mo−HEX」)の分解範囲を示すデータを
提供する。
【0153】詳しくは、Mo−naph又はMo−HE
Xのいずれかを含有するビチューメンサンプルの赤外ス
ペクトルを130℃、200℃及び300℃の温度にお
いて一定時間測定した。以下の表に、これらの触媒前駆
体の各々の分解パーセントを与えられた時間で消失した
それぞれのスペクトル成分の関数(%)として表した。
【0154】
【表13】 実施例XIV 本実施例は、本発明の方法により生成される触媒粒子は
コロイドサイズであることを示す。
【0155】実験CFE−1で生成したピッチのサンプ
ルをX線回折及びモスバウアー(Moss bauer)分光計で検
査した。
【0156】X線回折試験によりFeS2 の存在が明ら
かになった。
【0157】モスバウアー分析のスペクトルを図24に
示す。確認データを以下の表14に記載する。スペクト
ルにおいてそれぞれのピークの幅が重要である。そのよ
うな幅は、典型的には直径が10ナノメーター以下の非
常に細かいコロイド状粒子を示す。
【0158】本テストの前、化学分析ではピッチ中に2
0重量%以上の鉄スルフィドを示してはいたが、本発明
に従って行った実験から得られたピッチのサンプルの顕
微鏡試験は、鉄スルフィド粒子についての証拠はなかっ
た。この証拠は、触媒粒子は顕微鏡サイズ以下であるこ
とを示す。
【0159】
【表14】 実施例XV〜XIX これらの実施例は、添加剤又は触媒前駆体としてモリブ
デンナフタネートを用いた実験に基づく。
【0160】実験ではビチューメンからの真空塔残油を
原料として用いた。原料の性質と組成は以下のとおりで
ある。
【0161】
【表15】 報告した実験で用いた循環系は、図25のものである。
モリブデンナフタネートを、モリブデン300ppmと
なるように原料に添加した。原料は、撹拌し、実験前に
200℃で3時間ループ管をポンプで循環された。テス
トは12〜15時間行った。
【0162】実施例XV 本実施例は、固型コークスの生成が最少で高いアスファ
ルテン転化率が、添加剤としてモリブデンナフタネート
を用いて本発明を実施したときに得られることを示す。
【0163】コールド・レーク(Cold Lake) 真空残油の
アスファルテンに富んだ供給原料(IBPが430℃以
上)を0.01m3 のサージングタンクに充填した。
【0164】モリブデンナフタネートをモリブデンが3
00ppmになるように、攪拌器と循環ポンプを備えた
上記タンクに添加し、200℃で窒素雰囲気下で混合し
て均一混合物を形成した。この混合物は、プロセスヒー
ターを介して反応器中にポンプで導入した。温度は、プ
ロセスヒーター中で455℃に上昇させた。水素は、プ
ロセスヒーターの入口で混合物に添加した。水素は、1
0,000〜12,000SCF/BBLの速度で、か
つ2000psigの圧力で供給した。プロセスヒータ
ーは、ハイドロクラッキング温度のスズに浸漬した内径
(I.D.)2.9mm、長さ6100mmものであっ
た。
【0165】ハイドロクラッキング反応器の容量は66
9cm3 であった。それは、内径(I.D.)25m
m、高さ1370mmのステンレス鋼製円筒であった。
【0166】反応器操作の条件は以下のとおりである。
【0167】 H2 /液体の容量流れ=10,000SCF/BBL 液体ペクレットNo.=約0.25 ガスペクレットNo.=約6 (これらのペクレットNo.はXe133 及びI131 を用
いたトレーサー試験から決定した。) LHSVは0.4〜1.0h-1であった。反応器が定常
操作条件に達するのに通常10〜12時間を要した。ハ
イドロクラッキングは455℃の温度かつ2000ps
igの圧力で行った。ガスと液体の混合物を含む反応器
流出液は、ガスと液体とを分離するホットセパレーター
に送られた。
【0168】表16は本方法の典型的結果を示す。
【0169】
【表16】 上記ハイドロクラッキングテストは、表15に記載され
たコールド・レーク真空残油について行われ、前駆体濃
度は、原料基準で300ppmのMoであった。各テス
トの後、実験系の全てのユニットは開けられ、検査され
てコークス及び他の汚れのないことが確認された。
【0170】Moを用いた実験は原料とてVTBを用い
たにもかかわらず溶媒なしで良好に行えたことは注目す
べきである。
【0171】実施例XVI 本実施例は、実施例XVの触媒がコロイド状であったこ
とを示す。
【0172】ハイドロクラッキング残油をメチレンクロ
ライドに分散し、混合物をゲル透過カラムに注入した。
モリブデン含有成分は、ポリスチレンにより校正したこ
のゲル透過カラムに関して400から3000の明白な
分子量範囲を有することがわかった。この範囲は、0.
002ミクロン以上で0.01ミクロン以下の直径のコ
ロイド状粒子に相当する。
【0173】実施例XVII 本実施例は、触媒が前駆体とビチューメン残油供給原料
のアスファルテン留分との選択的化合の効果について示
す。
【0174】表17は、1つは触媒を用い、1つは触媒
を用いない2つのテストのデータを示す。これらのテス
トは、特に、アスファルテン転化率及びコークス収率の
相違を実証した。2つの実験についてのピッチ転化率は
類似していたが、アスファルテン転化率は約2倍異な
り、触媒はアスファルテンを選択的に転化した。
【0175】
【表17】 選択的アスファルテン転化率とコークス抑制に対する触
媒前駆体の効果の追加の証拠は、表18に示され、2つ
の+525℃ハイドロクラッキング残油(ピッチ)組成
を比較した。
【0176】
【表18】 ピッチIは、モリブデンアフタネート触媒前駆体を含む
テストから得られた。ピッチIIは、モリブデンアフタ
ネート触媒前駆体を含まないテストから得られた。
【0177】図38は、アスファルテン転化率は、42
〜99%の広範囲のピッチ転化率について触媒の存在に
よって有利になったことを示す。触媒の存在下ではプロ
セスユニットは、清潔かつコークスが無い状態に保たれ
た。触媒の不存在下では、プロセスユニットは、コーク
スによって汚れた。
【0178】
【表19】 実施例XIX 本実施例は、触媒前駆体、モリブデンナフタネートがビ
チューメン残油の不存在又は存在下約300℃以上の温
度で分解することを示す。
【0179】図37のa及びbは、250℃以下の温度
で安定であることを示す。図37のcは、触媒前駆体
は、300℃の温度で徐々に分解とポリマー化が始まる
ことを示す。
【0180】図37のd及びeは、ビチューメン残油に
溶解した触媒前駆体は、250℃以下の温度で安定であ
ることを示す。図37のfは、ビチューメンに溶解した
触媒前駆体は、300℃の温度で徐々に分解を始めたこ
とを示す。
【0181】触媒前駆体を350℃でビチューメン残油
に注入することにより、モリブデン含有コークスを生じ
た。
【0182】実施例XX 本発明の好ましい態様に従って(反応器生成物を処理す
る)、ホットセパレーターを離れた重質蒸留物とピッチ
の混合物を蒸留して、ピッチを生成した。このピッチの
一部を反応器に循環した。
【0183】このようにして以下のことを遂行した。
【0184】(1)軽質分のストリッピングの速度は、
水素フラックスの増加なしに増大し、循環流から軽質分
は徐去された。これにより、コークス生成と触媒消費が
減少する。
【0185】(2)循環流中のコロイド状の活性触媒
は、反応器中に蓄積し、循環しない場合に比べて、より
高い定常状態濃度が得られる。これにより循環しない場
合に比べて触媒の消費は典型的には50%減少する。
【0186】(3)ピッチの滞留時間は選択的に増加し
て、それにより全液体収率は増加し、操作の安定性も向
上する。
【0187】さらに、少量の新しい原料をこの循環流に
加えると、それにより、添加剤混合供給原料と混合する
前にこの流れの混合と冷却が加速される。
【0188】本実施例はこれらの特徴の実施の利点を示
す。
【0189】特に、図39〜41は、以下に説明する3
段階テスト実験(R2−1)に用いた循環系と条件を示
す。この実験は全部で490時間行った。
【0190】実験R2−1の一般条件は以下のとおりで
ある。
【0191】原料:200〜360℃軽油中に分散した
150ppmのモリブデンエチルヘキサノエートを含有
するコールド・レーク真空残油 混合:窒素雰囲気下105℃で少なくとも25時間の循
環と混合を、原料を工程へ送る前に行った。
【0192】ハイドロクラッキング条件: 圧力 13.6Mpa 温度 約450℃ H2 流 約15,000scf/バレル 蒸留:ASTM P−1160蒸留に従って行った。
【0193】第一の段階(96時間の操作)の間は、図
39に示すように、「1回通し」ベース、即ちピッチ循
環なしにテストを行った。第2の段階では、原料の15
重量%の非転化のピッチを反応器に循環した。この第2
の段階の工程は、図40に示され、390時間続けた。
非転化ピッチの循環は新しい原料ピッチの転化率を90
%(第1の段階)を98%(第2の段階)に向上させ
た。
【0194】実験B3−1(実施例IX)と比較して、
実験R2−1では、顕著な閉塞や圧力振動は見られなか
った。
【0195】このことは、図42及び43の圧力記録に
示されている。
【0196】しかるに、循環用非転化ピッチの回収のた
めのホットセパレーターの生成の蒸留の間に、蒸留ポッ
ト中で(凝集物に似た)ピッチの塊りが生じた。これら
の塊りは、除去が困難であり、蒸留容器中に強固に付着
した。
【0197】この塊りは、添加剤により形成したモリブ
デンスルフィドと非転化アスファルテンを含むことが分
かった。150時間続けた実験であるこのテストの第3
の段階では、新しい原料の一部を、蒸留容器に導入する
前にホットセパレーターの生成物に添加した。この装置
は図41に示す。さらに、この第3の段階では、モリブ
デンへキサノエート濃度は150ppm(金属)であっ
た。
【0198】第2の段階では、3164gのホットセパ
レーター生成物が89.4gの塊状固体と28.7gの
蒸留ポットに強固に付着した残渣を生成したことが分か
った。これは注入量の4.1%に相当した。
【0199】第3の段階では、3200.1gのホット
セパレーター生成物と601.5gの新しいコールド・
レーク真空残油とが塊りは生じず、かつ蒸留ポットに付
着した、たった6.3gの残渣を生成した。これはホッ
トセパレーター生成物の0.2%に相当した。
【0200】結論としてこのテストにより以下のことが
得られた。
【0201】○ この方法の条件により、閉塞及び汚れ
無しに490時間操作することができた。
【0202】○ 非転化ピッチの循環によりピッチ転化
率が著しく増加した。
【0203】○ ピッチ分離用の蒸留装置に新しい原料
の一部を添加すると、蒸留工程におけるアスファルテン
が減少した。換言すると、ホット循環ピッチへの新しい
原料の添加は、反応器への原料流への分散を加速した。
【0204】本テストの終わりに、反応器とホットセパ
レーターは開放し、全てのユニットの表面が清潔かつ汚
れが無いことが観察された。反応器から捕集された液体
はろ過された。得られた固体は顕微鏡サイズの凝集物か
らなる細かい粉末であった。この得られた固体は、図4
4に示す。
【0205】
【図面の簡単な説明】
【図1】等方性球体(s)及び基本等方性粒子(b)の
特徴を示す写真(倍率1650×)。
【図2】異方性球体(s)及び基本異方性粒子(b)の
特徴を示す写真(倍率1650×)。
【図3】異方性固体(a)と鉄スルフィド粒子(s)を
伴った等方性凝集物(g)の特徴を示す写真(倍率16
50×)。ここで鉄スルフィド粒子は原料から生成し
た。顕微鏡で検討されたコークス試料は鉄添加剤を用い
ない熱試験により生成した(図17参照)。
【図4】異方性凝集物(a)、異方性微細モザイク
(f)と異方性粗モザイク(c)の特徴を示す写真(倍
率1650×)。
【図5】より小さい異方性球体(c)の合体により成長
した異方性コークス粒子を示す写真(倍率1650
×)。
【図6】より小さい等方性球体(s)の合体により成長
した等方性コークス粒子を示す写真(倍率1650
×)。
【図7】実施例I(希釈剤B)に記載した実験CF−3
0の後の反応器のバッフル板及びコークス析出物の写真
(表2)。
【図8】実施例I(希釈剤A)に記載した実験CF−9
の後の反応器のバッフル板及びコークス析出物の写真
(表2)。
【図9】実施例I(希釈剤C)に記載した実験CF−3
1の後の反応器のバッフル板及びコークス析出物の写真
(表2)。
【図10】実験CF−9、CF−31及びCF−30の
コークス組成を示す棒グラフ。
【図11】実施例IIに記載した実験CF−A3の後の反
応器のバッフル板及びコークス析出物の写真(表3)。
【図12】実施例III に記載した実験CF−A3とFE
−1のコークス組成を示す棒グラフ。
【図13】実験FE−1の後の反応器のバッフル板の写
真。
【図14】鉄スルフィドと化合した最も等方性の凝集物
(A)である実験FE−1からのコークス粒子の写真。
等方性球体(s)は凝集物から採集した。
【図15】鉄誘導体によって基本等方性粒子への成長が
効果的に防止された等方性粒子(s)を示す、実験FE
−1からのコークス粒子の写真。
【図16】実施例IVで記載した実験CF−38の後の反
応器バッフル板の写真。
【図17】実施例Vでの窒素流速に対するコークス生成
をプロットした図。
【図18】実施例Vの相図である。
【図19】実施例VIIIで記載した異なる添加剤に関する
実験の圧力変化をプロットした図。
【図20】実施例VIIIで記載した種々の実験についての
消費水素を示す棒グラフ。
【図21】実施例VIIIで記載した番号の実験についての
コークス生成を示す棒グラフ。
【図22】基本等方性粒子(B)の最も連続するシート
を示す実験CF−40からのコークスの写真(倍率16
50×、実施例VIII参照)。
【図23】実験CF−40の後の反応器バッフル板及び
コークス析出物の写真(A);実験CF−41の後の反
応器バッフル板及びコークス析出物の写真(B)。
【図24】本発明に従って生成した触媒のモスバウアー
顕微鏡分析により得られたプロットを示す図(実施例II
I 参照(表4))。
【図25】実施例IXで記載した実験の実施に用いたパイ
ロットプラントの模式図( 条件:原料と触媒前駆体(モ
リブデンエチルヘキサノエート溶液)をテストのスター
ト前24時間以上135〜150℃の温度で混合及び循
環させた)。
【図26】実施例IXの実験TRU101の間に反応器と
セパレーターの間のPT455で記録された圧力変化を
示す図。
【図27】実施例IXの実験TRU101の間の反応器を
横断するDP450での差圧変化を示す図。
【図28】実施例IXの実験TRU101の間に反応器入
口のPT400において記録された圧力変化を示す図。
【図29】実施例IXの実験B3−1の間の反応器を横断
するDP450での差圧変化を示す図。
【図30】実施例IXの実験B3−1の間に、循環系に沿
った異なるポイント(PT340、PT400、PT4
55、PT510)における圧力変化を示す図。
【図31】実施例Xで述べた実験の実施に用いたパイロ
ットプラントの一部の模式図(記載された条件は、ビチ
ューメン中でFe(Co)5 を分解させることにより、
ビチューメンの鉄濃縮物を調製するために用いたも
の)。
【図32】実施例Xで述べた実験の実施に用いたパイロ
ットプラントの一部の模式図(記載された条件は、Fe
(CO)5 濃縮物の効果のテストに用いたもの)。
【図33】実施例XIで実施した実験の実施に用いたパイ
ロットプラントの模式図。
【図34】実施例XIで実験についての圧力記録を示す
図。
【図35】実施例XII で述べた実験の実施に用いたパイ
ロットプラントの模式図(記載された条件で行った)。
【図36】実施例XII について用いたプラントの反応器
を横断する差圧、ヒーター中の圧力及び消化器温度の変
化を示す図。
【図37】実施例XIX における混合工程での温度の変化
の効果を示す一連の((a)〜(f))のIRスペクト
ル。
【図38】実施例XVIIにおける42と99%の間のピッ
チ転化率を与える実験についてのアスファルテン転化率
とピッチ転化率との関係を示す図。
【図39】実施例XXの実験R2−1の第1段階において
用いた1回通しパイロットプラントの模式図( 条件:原
料と触媒前駆体(モリブデンエチルヘキサノエート溶
液)をテストのスタート前24時間以上、110℃未満
の温度で混合及び循環させた)。
【図40】実験R2−1の第2の段階で実施したピッチ
の循環を示す、図39パイロットプラントを変形したも
のの模式図( 条件:原料と触媒前駆体(モリブデンエチ
ルヘキサノエート溶液)をテストのスタート前24時間
以上、110℃未満の温度で混合及び循環させた)。
【図41】実験R2−1の第3の段階で実施したピッチ
の循環と原料の添加を示す、図40のパイロットプラン
トをさらに変形したものの模式図( 条件:原料と触媒前
駆体(モリブデンエチルヘキサノエート溶液)をテスト
のスタート前24時間以上、110℃未満の温度で混合
及び循環させた)。
【図42】実験R2−1の間に反応器を横断する差圧変
化を示す図。
【図43】実験R2−1の間にパイロットプラントに沿
った異なるポイント(PT400、PT455、PT5
10)における圧力変化を示す図。
【図44】中央部に多数の粒子を取り込んだ外側の成分
の融合又は合体の状態において実験R2−1から得た粒
子を示す共焦顕微鏡写真。高反射率のサブミクロンサイ
ズの無機成分が、粒子の多数の領域で明らかに判別でき
る。(反射モード、647nm、油浸漬、2500
×)。
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成6年2月7日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】図面の簡単な説明
【補正方法】変更
【補正内容】
【図面の簡単な説明】
【図1】等方性球体(s)及び基本等方性粒子(b)の
特徴(粒子構造)を示す図面に代わる写真(倍率165
0×)。
【図2】異方性球体(s)及び基本異方性粒子(b)の
特徴(粒子構造)を示す図面に代わる写真(倍率165
0×)。
【図3】異方性固体(a)と鉄スルフィド粒子(s)を
伴った等方性凝集物(g)の特徴(粒子構造)を示す
面に代わる写真(倍率1650×)。ここで鉄スルフィ
ド粒子は原料から生成した。顕微鏡で検討されたコーク
ス試料は鉄添加剤を用いない熱試験により生成した(図
17参照)。
【図4】異方性凝集物(a)、異方性微細モザイク
(f)と異方性粗モザイク(c)の特徴(粒子構造)
示す図面に代わる写真(倍率1650×)。
【図5】より小さい異方性球体(c)の合体により成長
した異方性コークス粒子(粒子構造)を示す図面に代わ
写真(倍率1650×)。
【図6】より小さい等方性球体(s)の合体により成長
した等方性コークス粒子(粒子構造)を示す図面に代わ
写真(倍率1650×)。
【図7】実施例I(希釈剤B)に記載した実験CF−3
0の後の反応器のバッフル板及びコークス析出物の図面
に代わる写真(表2)。
【図8】実施例I(希釈剤A)に記載した実験CF−9
の後の反応器のバッフル板及びコークス析出物の図面に
代わる写真(表2)。
【図9】実施例I(希釈剤C)に記載した実験CF−3
1の後の反応器のバッフル板及びコークス析出物の図面
に代わる写真(表2)。
【図10】実験CF−9、CF−31及びCF−30の
コークス組成を示す棒グラフ。
【図11】実施例IIに記載した実験CF−A3の後の
反応器のバッフル板及びコークス析出物の図面に代わる
写真(表3)。
【図12】実施例IIIに記載した実験CF−A3とF
E−1のコークス組成を示す棒グラフ。
【図13】実験FE−1の後の反応器のバッフル板の
面に代わる写真。
【図14】鉄スルフィドと化合した最も等方性の凝集物
(A)である実験FE−1からのコークス粒子(粒子構
造)図面に代わる写真。等方性球体(s)は凝集物か
ら採集した。
【図15】鉄誘導体によって基本等方性粒子への成長が
効果的に防止された等方性粒子(s)を示す、実験FE
−1からのコークス粒子(粒子構造)図面に代わる
真。
【図16】実施例IVで記載した実験CF−38の後の
反応器バッフル板の図面に代わる写真。
【図17】実施例Vでの窒素流速に対するコークス生成
をプロットした図。
【図18】実施例Vの相図である。
【図19】実施例VIIIで記載した異なる添加剤に関
する実験の圧力変化をプロットした図。
【図20】実施例VIIIで記載した種々の実験につい
ての消費水素を示す棒グラフ。
【図21】実施例VIIIで記載した番号の実験につい
てのコークス生成を示す棒グラフ。
【図22】基本等方性粒子(B)の最も連続するシート
を示す実験CF−40からのコークス(粒子構造)
面に代わる写真(倍率1650×、実施例VIII参
照)。
【図23】実験CF−40の後の反応器バッフル板及び
コークス析出物の図面に代わる写真(A)、及び実験C
F−41の後の反応器バッフル板及びコークス析出物の
図面に代わる写真(B)
【図24】本発明に従って生成した触媒のモスバウアー
顕微鏡分析により得られたプロットを示す図(実施例I
II参照(表4))。
【図25】実施例IXで記載した実験の実施に用いたパ
イロットプラントの模式図(条件:原料と触媒前駆体
(モリブデンエチルヘキサノエート溶液)をテストのス
タート前24時間以上135〜150℃の温度で混合及
び循環させた)。
【図26】実施例IXの実験TRU101の間に反応器
とセパレーターの間のPT455で記録された圧力変化
を示す図。
【図27】実施例IXの実験TRU101の間の反応器
を横断するDP450での差圧変化を示す図。
【図28】実施例IXの実験TRU101の間に反応器
入口のPT400において記録された圧力変化を示す
図。
【図29】実施例IXの実験B3−1の間の反応器を横
断するDP450での差圧変化を示す図。
【図30】実施例IXの実験B3−1の間に、循環系に
沿った異なるポイント(PT340、PT400、PT
455、PT510)における圧力変化を示す図。
【図31】実施例Xで述べた実験の実施に用いたパイロ
ットプラントの一部の模式図(記載された条件は、ビチ
ューメン中でFe(Co)を分解させることにより、
ビチューメンの鉄濃縮物を調製するために用いたも
の)。
【図32】実施例Xで述べた実験の実施に用いたパイロ
ットプラントの一部の模式図(記載された条件は、Fe
(CO)濃縮物の効果のテストに用いたもの)。
【図33】実施例XIで実施した実験の実施に用いたパ
イロットプラントの模式図。
【図34】実施例XIで実験についての圧力記録を示す
図。
【図35】実施例XIIで述べた実験の実施に用いたパ
イロットプラントの模式図(記載された条件で行っ
た)。
【図36】実施例XIIについて用いたプラントの反応
器を横断する差圧、ヒーター中の圧力及び消化器温度の
変化を示す図。
【図37】実施例XIXにおける混合工程での温度の変
化の効果を示す一連の((a)〜(f))のIRスペク
トル。
【図38】実施例XVIIにおける42と99%の間の
ピッチ転化率を与える実験についてのアスファルテン転
化率とピッチ転化率との関係を示す図。
【図39】実施例XXの実験R2−1の第1段階におい
て用いた1回通しパイロットプラントの模式図(条件:
原料と触媒前駆体(モリブデンエチルヘキサノエート溶
液)をテストのスタート前24時間以上、110℃未満
の温度で混合及び循環させた)。
【図40】実験R2−1の第2の段階で実施したピッチ
の循環を示す、図39パイロットプラントを変形したも
のの模式図(条件:原料と触媒前駆体(モリブデンエチ
ルヘキサノエート溶液)をテストのスタート前24時間
以上、110℃未満の温度で混合及び循環させた)。
【図41】実験R2−1の第3の段階で実施したピッチ
の循環と原料の添加を示す、図40のパイロットプラン
トをさらに変形したものの模式図(条件:原料と触媒前
駆体(モリブデンエチルヘキサノエート溶液)をテスト
のスタート前24時間以上、110℃未満の温度で混合
及び循環させた)。
【図42】実験R2−1の間に反応器を横断する差圧変
化を示す図。
【図43】実験R2−1の間にパイロットプラントに沿
った異なるポイント(PT400、PT455、PT5
10)における圧力変化を示す図。
【図44】中央部に多数の粒子を取り込んだ外側の成分
の融合又は合体の状態において実験R2−1から得た粒
(粒子構造)を示す図面に代わる写真(共焦顕微鏡写
。高反射率のサブミクロンサイズの無機成分が、粒
子の多数の領域で明らかに判別できる。(反射モード、
647nm、油浸漬、2500×)。
フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C10G 49/12 2115−4H // C07B 61/00 300 (72)発明者 セオドル サイア カナダ国 アルバータ州 エドモントン ナインティワン ストリート サウス 3208 (72)発明者 バキ オズム カナダ国 アルバータ州 エドモントン ウェストリッジ ロード エヌ ダブリュ 234 (72)発明者 ラップ キュウング リー アメリカ合衆国 ニュージャージイ州 ウ ェスト ウィンザー イースト キンチエ イド ドライブ 12 (72)発明者 レスゼック リュウコウィッツ カナダ国 アルバータ州 エドモントン ツウェンティスリーエイ アベニュー 11135

Claims (43)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 アスファルテン類及びイオウ分を有す
    る、ハイドロクラッキング用重質炭化水素供給原料の製
    造方法であって、 前記供給原料と油溶性金属化合物添加剤とを50℃から
    300℃の範囲にあり、かつ前記添加剤の分解温度より
    低い温度で混合して生成物混合物を調製し、 前記添加剤はモリブデン、鉄、ニッケル及びコバルトの
    化合物添加剤からなる群から選ばれるものであり、前記
    添加剤はハイドロクラッキング温度に加熱したときに分
    解し、かつ前記供給原料中のイオウ分と反応してハイド
    ロクラッキング用触媒である金属スルフィド粒子を形成
    し、 前記混合は前記添加剤が十分に分散されるのに十分な時
    間行われてハイドロクラッキングにより形成される金属
    スルフィド粒子がコロイド状の大きさとなることを含む
    製造方法。
  2. 【請求項2】 混合が80℃から190℃の範囲の温度
    で行われる請求項1記載の方法。
  3. 【請求項3】 前記生成物混合物を添加剤の分解温度よ
    り高く、ハイドロクラッキング温度より低い温度で、添
    加剤を、その分散を保ちつつ分解するに十分な時間さら
    に混合することを含む請求項2記載の方法。
  4. 【請求項4】 前記添加剤が前記供給原料基準で0.0
    02〜5重量%の間の量で供給される請求項2記載の方
    法。
  5. 【請求項5】 前記添加剤が鉄化合物である請求項4記
    載の方法。
  6. 【請求項6】 前記添加剤がモリブデン化合物である請
    求項4記載の方法。
  7. 【請求項7】 混合工程の間にアスファルテン類用の炭
    化水素溶媒と前記供給原料及び添加剤とを混合すること
    を含む請求項2記載の方法。
  8. 【請求項8】 溶媒/供給原料重量比が1:10から
    3:1の範囲にある請求項7記載の方法。
  9. 【請求項9】 混合工程の間にアスファルテン類用の炭
    化水素溶媒と前記供給原料及び添加剤とを混合すること
    を含む請求項3記載の方法。
  10. 【請求項10】 溶媒/供給原料重量比が1:10から
    3:1の範囲にある請求項9記載の方法。
  11. 【請求項11】 前記添加剤が前記供給原料基準で0.
    002〜5重量%の間の量で供給される請求項10記載
    の方法。
  12. 【請求項12】 アスファルテン類とイオウ分とを含有
    する重質炭化水素供給原料のハイドロクラッキング方法
    であって、 前記供給原料と油溶性金属化合物添加剤とを50℃から
    300℃の範囲にあり、かつ前記添加剤の分解温度より
    低い温度で混合して生成物混合物を調製し、 前記添加剤はモリブデン、鉄、ニッケル及びコバルトの
    化合物添加剤からなる群から選ばれるものであり、前記
    添加剤はハイドロクラッキング温度に加熱したときに分
    解し、かつ前記供給原料中のイオウ分と反応してハイド
    ロクラッキング用触媒である金属スルフィド粒子を形成
    し、 前記混合は前記添加剤が十分に分散されるのに十分な時
    間行われてハイドロクラッキングにより形成される金属
    スルフィド粒子がコロイド状の大きさとなり、 次いでさらに前記生成物混合物をハイドロクラッキング
    温度に加熱し、 前記加熱した生成物混合物をハイドロクラッキング反応
    器のチャンバーに導入し、 前記加熱した生成物混合物を前記チャンバー中に一時的
    に保持し、チャンバー内容物の実質的に幅及び長さの端
    から端まで、チャンバー内容物の混合と軽質分(light e
    nds)のストリッピングとを維持するに十分な水素を連続
    的に通し、かつ未反応水素及び残っている軽質分とを前
    記チャンバーから除去し、コロイド状金属スルフィドを
    含むピッチ含有生成物を生成することを含む方法。
  13. 【請求項13】 混合が80℃から190℃の範囲の温
    度で行われる請求項12記載の方法。
  14. 【請求項14】 ハイドロクラッキング温度に加熱する
    前に、前記生成物混合物を前記添加剤の分解温度より高
    く、かつハイドロクラッキング温度より低い温度で前記
    添加剤を、その分散を維持しつつ分解するに十分な時間
    さらに混合することを含む請求項13記載の方法。
  15. 【請求項15】 前記添加剤を前記供給原料基準で0.
    002〜5重量%の間の量で供給される請求項13記載
    の方法。
  16. 【請求項16】 前記添加剤が鉄化合物である請求項1
    5記載の方法。
  17. 【請求項17】 前記添加剤がモリブデン化合物である
    請求項15記載の方法。
  18. 【請求項18】 混合工程の間にアスファルテン類用の
    炭化水素溶媒と前記供給原料及び添加剤とを混合するこ
    とを含む請求項13記載の方法。
  19. 【請求項19】 溶媒/供給原料重量比が1:10から
    3:1の範囲にある請求項18記載の方法。
  20. 【請求項20】 混合工程の間にアスファルテン類用の
    炭化水素溶媒と前記供給原料及び添加剤とを混合するこ
    とを含む請求項14記載の方法。
  21. 【請求項21】 溶媒/供給原料重量比が1:10から
    3:1の範囲にある請求項20記載の方法。
  22. 【請求項22】 液の軸ペクレット数(axial Peclet N
    o.)を2.0より低く、かつ気体のそれを2.0より高
    く維持するのに十分な水素を反応チャンバーに通す請求
    項13記載の方法。
  23. 【請求項23】 液の軸ペクレット数を2.0より低
    く、かつ気体のそれを2.0より高く維持するのに十分
    な水素を反応チャンバーに通す請求項14記載の方法。
  24. 【請求項24】 液の軸ペクレット数を2.0より低
    く、かつ気体のそれを2.0より高く維持するのに十分
    な水素を反応チャンバーに通す請求項15記載の方法。
  25. 【請求項25】 液の軸ペクレット数を2.0より低
    く、かつ気体のそれを2.0より高く維持するのに十分
    な水素を反応チャンバーに通す請求項19記載の方法。
  26. 【請求項26】 液の軸ペクレット数を2.0より低
    く、かつ気体のそれを2.0より高く維持するのに十分
    な水素を反応チャンバーに通す請求項21記載の方法。
  27. 【請求項27】 液の軸ペクレット数を2.0より低
    く、かつ気体のそれを2.0より高く維持するのに十分
    な水素を反応チャンバーに通す請求項22記載の方法。
  28. 【請求項28】 前記添加剤を前記供給原料基準で0.
    002〜5重量%の間の量で供給される請求項22記載
    の方法。
  29. 【請求項29】 前記添加剤を前記供給原料基準で0.
    002〜5重量%の間の量で供給される請求項23記載
    の方法。
  30. 【請求項30】 前記添加剤を前記供給原料基準で0.
    002〜5重量%の間の量で供給される請求項26記載
    の方法。
  31. 【請求項31】 前記添加剤が鉄化合物及びモリブデン
    化合物からなる群から選ばれる請求項24記載の方法。
  32. 【請求項32】 前記添加剤が鉄化合物及びモリブデン
    化合物からなる群から選ばれる請求項23記載の方法。
  33. 【請求項33】 前記添加剤が鉄化合物及びモリブデン
    化合物からなる群から選ばれる請求項26記載の方法。
  34. 【請求項34】 前記添加剤が鉄化合物及びモリブデン
    化合物からなる群から選ばれる請求項19記載の方法。
  35. 【請求項35】 前記添加剤が鉄化合物及びモリブデン
    化合物からなる群から選ばれる請求項11記載の方法。
  36. 【請求項36】 生成した反応器ピッチの一部を反応器
    に戻して循環することを含む請求項12記載の方法。
  37. 【請求項37】 前記ピッチ含有生成物を分離して重質
    留出物とピッチ含有セパレーター生成物とを生成し、 前記セパレーター生成物を蒸留し、かつ蒸留したピッチ
    の一部を反応器に戻して循環することを含む請求項12
    記載の方法。
  38. 【請求項38】 新しい供給原料を、蒸留前にセパレー
    ター生成物に添加することを含む請求項37記載の方
    法。
  39. 【請求項39】 混合が80℃から190℃の範囲の温
    度で行われる請求項38記載の方法。
  40. 【請求項40】 前記添加剤が前記供給原料基準で0.
    002〜5重量%の間の量で供給される請求項39記載
    の方法。
  41. 【請求項41】 混合工程の間にアスファルテン類用の
    炭化水素溶媒と前記供給原料及び添加剤とを混合するこ
    とを含む請求項39記載の方法。
  42. 【請求項42】 溶媒/供給原料重量比が1:10から
    3:1の範囲にある請求項41記載の方法。
  43. 【請求項43】 液の軸ペクレット数を2.0より低
    く、かつ気体のそれを2.0より高く維持するのに十分
    な水素を反応チャンバーに通す請求項42記載の方法。
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