JPH06346063A - 軽質炭化水素の接触変換法 - Google Patents

軽質炭化水素の接触変換法

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JPH06346063A
JPH06346063A JP5158166A JP15816693A JPH06346063A JP H06346063 A JPH06346063 A JP H06346063A JP 5158166 A JP5158166 A JP 5158166A JP 15816693 A JP15816693 A JP 15816693A JP H06346063 A JPH06346063 A JP H06346063A
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JP
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zeolite
catalyst
zsm
reaction
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JP5158166A
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Taku Takahashi
卓 高橋
Sadataka Kanejima
節隆 金島
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Asahi Chemical Industry Co Ltd
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Asahi Chemical Industry Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 パラフィンを主体とする軽質炭化水素を低級
オレフィンと単環芳香族炭化水素に変換する。 【構成】 アルカリ土類金属をゼオライト中のAlに対
して0.01〜0.6原子比含み、かつ、平均一次結晶
粒子径が0.01〜1μmの範囲にある中間細孔径アル
ミノシリケートゼオライトの触媒を用いて軽質炭化水素
原料を接触分解する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、パラフィンを主体とす
る軽質炭化水素、例えばナフサを原料にして、化学基礎
原料として有用な製品、すなわち、低級オレフィン、特
にエチレン、プロピレン、及び、単環芳香族炭化水素
(アロマ)、特にベンゼン、トルエン、キシレンを高収
率に製造する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】特開昭60ー222428号公報には、
プロトン型ZSM−5を触媒に用いる方法が、又特開昭
61ー7218号公報には、固有のX線回折パターンを
示すゼオライト(AZ−1)を触媒に用いる炭化水素の
変換方法が開示されている。しかし前者の方法はナフサ
を原料にした場合、単環芳香族炭化水素の収率が高いも
ののオレフィン収率が低く、後者の方法はナフサを原料
にした場合、エチレン、プロピレン、C6 〜C8 アロマ
から成る製品収率合計が低いという問題点がある。 特
開平3ー130236号公報には、昇温脱離法による5
00〜900℃におけるピリジンの脱離量が40〜18
0μmol/g−ゼオライトとなる特定の中間細孔径ゼ
オライトを触媒に用いる方法が開示されている。この方
法は窒素または水蒸気存在下で実施されており、ナフサ
を原料にした場合、C6 〜C8 アロマ収率が低い。
【0003】特開平1−213240号公報には、α値
5〜25のZSMー5またはZSM−11のゼオライト
を用いる方法が開示されている。α値は、単位時間での
単位触媒当たりのノルマルヘキサンの転化速度を基準に
した相対速度定数として定義されており、アルファ値を
求める試験法は、Journal of Cataly
sis 61(390〜396)1980に記載されて
いるとしている。この文献の図2からα値とSiO2
Al2 3 比との関係を求めることができ、これに基づ
くと、α値5〜25は、SiO2 /Al2 3 比として
おおよそ1960〜390に相当する。また、特開平1
ー213240号公報の実施例においては、重量時間空
間速度(WHSV)として1を割る値が採用されてい
る。
【0004】特開平2ー1413号公報及び特開平2ー
184638号公報においては、ZSMー5、オフレタ
イトーエリオナイト、Yなどのゼオライトに銅やコバル
トや銀さらにはリンを担持した触媒を用いる方法が開示
されている。これらの方法の実施例においては、ヘリウ
ムを希釈ガスとして用いてパルス反応を行っている。特
開平4ー352731公報においては、0.3〜0.7
nmの細孔と2μm未満の平均微結晶寸法とを有するゼ
オライトを用いる方法が開示されている。この方法は、
減圧軽油を原料とした場合、プロピレン、ブチレンの収
率が高いもののエチレン、アロマの収率が低い。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】以上説明したように炭
素数2から12のパラフィンを主体とする軽質炭化水
素、特にナフサを原料に用いて、化学基礎原料として有
用な製品すなわち、エチレン、プロピレン、アロマ(ベ
ンゼン、トルエン、キシレン)を効率よく高収率で得る
方法は確立されていない。本発明の目的は、上記した従
来技術の問題点を克服し、パラフィンを主体とする軽質
炭化水素、特にナフサを原料に用いてエチレン、プロピ
レン、アロマを効率よく高収率で製造する接触分解法を
提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記目的
を達成する方法について鋭意検討を行った。その結果、
アルカリ土類金属をゼオライト中のAlに対して0.0
1〜0.6原子比で含有し、かつ、平均一次結晶粒子径
が0.01〜1μmの範囲にある中間細孔径アルミノシ
リケートゼオライトを接触分解触媒として用いることに
よって上記目的が達成できることを見出し、本発明を完
成するに至った。
【0007】すなわち本発明は、炭素数2から12のパ
ラフィンを主体とする軽質炭化水素原料を、アルカリ土
類金属をゼオライト中のAlに対して0.01〜0.6
原子比で含有し、かつ、平均一次結晶粒子径が0.01
〜1μmの範囲にある中間細孔径アルミノシリケートゼ
オライトを接触分解触媒とし、好ましくは温度600〜
750℃で重量時間空間速度(WHSV)1〜200/
時の条件下で接触させて、エチレン、プロピレンを主成
分とする低級オレフィン及びベンゼン、トルエン、キシ
レンを主成分とする単環芳香族炭化水素(アロマ)を高
収率で得る方法を提供するものである。なお、ここで言
う低級オレフィンとは、エチレン、プロピレン以外にブ
テン、ペンテン、ヘキセンを含む。また、単環芳香族炭
化水素とは、ベンゼン、トルエン、キシレン以外にエチ
ルベンゼン、スチレンを含む。
【0008】本発明の方法に用いることのできる軽質炭
化水素原料は、炭素数2から12のパラフィンを概ね7
0重量%以上含むものであれば特に制限はない。この例
として軽質ナフサ、重質ナフサ、直留ナフサ、FCCガ
ソリン、コーカーガソリン、熱分解ガソリン等が挙げら
れる。
【0009】本発明で用いられる中間細孔径アルミノシ
リケートゼオライトとしては、A型ゼオライトで代表さ
れる小細孔径ゼオライト、X型、Y型ゼオライトで代表
される大細孔径ゼオライトの中間の細孔径を有するもの
で、有効細孔径として約5〜6.5オングストロームの
範囲のものである。これらの代表としては、ZSM−5
類、ZSM−11、ZSM−12、ZSM−21、ZS
M−23、ZSM−35、ZSM−38等が挙げられる
が、好ましいものとしては、ZSM−5類、ZSM−1
1である。本発明で用いる触媒は、これらのゼオライト
を単独で用いても、あるいは、混合して用いてもよい。
【0010】本発明で言うZSM−5類とは、X線回折
パターンが少なくとも表1に示す面間距離のピークを含
むゼオライトである。この表1のピークは、ZSM−5
類特有の回折ピークであり、その他のピークが、それぞ
れ微妙に異なっていても本発明の対象とするZSM−5
類に含まれる。
【0011】
【表1】
【0012】本発明に含まれるZSM−5類としては、
例えばZSM−5(米国特許3702886号)、ZS
M−8(ドイツ特許2049755号)、ZETA−1
(ドイツ特許2548697号)、ZETAー3(英国
特許1553209号)、NU−4(ドイツ特許326
8503号)、NU−5(ドイツ特許3169606
号)、TZ−01(米国特許4581216号)、Cr
ystalline aluminosilicate
(米国特許4954326号)、TRS(ドイツ特許2
924870号)、MB−28(欧州特許21445
号)、TSZ(特開昭58ー45111号)、等が挙げ
られる。ZSM−8、ZETA−1、NU−4、NU−
5、TZ−01、TSZ等は、表1に記載されている面
間距離d=3.85±0.07オングストロームのメイ
ンピークがダブルピークで記載されているが、このよう
なゼオライトも本発明で用いられる触媒に含まれる。
【0013】また、本発明で言うZSM−11とは、特
公昭53ー23280号公報に記載されているゼオライ
トである。また、本発明に使用するゼオライトのSiO
2 /Al2 3 比は、20〜200で、好ましくは30
〜180である。この比が20を下廻るものは、触媒と
しての安定性が悪く、また、200を上廻るものは、触
媒活性が不充分となる。
【0014】本発明に用いられる触媒は、アルカリ土類
金属を含浸法、イオン交換法等により含有させることに
よって調製される。アルカリ土類金属は、具体的にはベ
リリウム、マグネシウム、カルシウム、ストロンチウ
ム、バリウム、ラジウムであり、そのうち好ましいもの
は、マグネシウム、カルシウム、ストロンチウム、バリ
ウムであり、バリウムが特に好ましい。
【0015】含浸法は、原料を含浸させる方法により以
下のように分類される。アルカリ土類金属イオンの吸着
量をあらかじめ調べておき、飽和吸着量以下の量を全量
吸着させ必要により水洗する吸着法、飽和吸着量以上の
成分を含む化合物溶液を含浸させ、過剰分をろ過などに
より回収する平衡吸着法、担体の細孔容積をあらかじめ
測っておき同量の容積の溶液を加え全量吸収させるポア
フィリング(pore−filling)法、担体に溶
液を少しずつ加え、担体表面が均一にぬれた状態で、し
かも過剰な溶液が存在しない状態になるまで滴下を続
け、細孔容積の測定をしながら含浸させるインシピエン
トウェットネス(incipient wetnes
s)法、活性成分溶液に担体を浸し、攪拌しながら加熱
し、溶媒を蒸発させ活性成分を固定化する蒸発乾固法、
担体をたえず乾燥状態に保ちながら活性成分溶液を噴霧
するスプレー(spray)法などがある。
【0016】イオン交換法は、担体上に金属または金属
イオンを交換担持する方法である。ゼオライトを所望す
る置換用カチオンの塩溶液と接触させることにより達成
され、好ましい塩としては、塩化物、硝酸塩および硫酸
塩である。また、ゼオライト水熱合成時、原料にアルカ
リ土類金属含有化合物を使用し、ゼオライトにアルカリ
土類金属を含有させてもよい。例えば、硫酸アルミニウ
ム、ケイ酸ソーダ、テトラプロピルアンモニウムブロマ
イドを用いてゼオライトを合成する時に硝酸バリウム水
溶液を添加し、バリウム含有ゼオライトを合成する方法
である。
【0017】アルカリ土類金属を含有させる場合の含有
量は、アルカリ土類金属/アルミニウム(原子比)=
0.01〜0.6、好ましくは、0.05〜0.5であ
る。この比が0.01を下廻るとオレフィンの収率が悪
くなり、0.6を上廻ると触媒分解活性が低下し、ま
た、アロマ収率も悪くなる。
【0018】本発明に用いられるゼオライト触媒の酸性
量は、ピリジンを用い、昇温速度を15℃/分とした場
合の昇温脱離法による500〜900℃における当該ゼ
オライト1g当りのピリジンの脱離量が190〜420
μmolであるものとして決めることができる。。昇温
脱離法については、例えば安盛により「化学と工業」第
19巻、第10号、1208〜1214頁(1988)
に説明されており、ZSMー5型ゼオライトの昇温脱離
法は、「触媒」、25、97〜99頁(1983)等に
記載されている。
【0019】本発明の酸性量は、180℃で被測定触媒
にピリジンを飽和吸着させ、それを毎分15℃の一定速
度で昇温させて、昇温に伴って脱離してくるピリジン
を、500〜900℃の間に限って水素炎イオン化検出
器により検出し、脱離量をピリジンの検量線を用いてピ
リジン換算量として算出することによって求める。
【0020】本発明で用いる昇温脱離法の測定装置を第
1図に示す。試料すなわち被測定触媒4は20〜30メ
ッシュに破砕して、内径6mmφ、外径8mmφ、15
0mm長のステンレス鋼製の試料管3に入れる。キャリ
アガスとしてボンベ詰の窒素を、質量流量計1で調節
し、60ml/分の流量で流す。ピリジンはマイクロシ
リンジを用いて2μlづつシリコンゴム製の注入口5よ
り注入する。ほぼ全量吸着した場合には10分後に、
又、未吸着分が認められる場合は流出の完了が検出器で
確認された時点で次の注入を行い、飽和吸着に達するま
で注入をくり返す。
【0021】ピリジンの触媒への飽和吸着が完了したな
らば、炉芯管内径25mmφ、長さ100mmの管状電
気炉2で15℃/分の速度で昇温する。ここで、ピリジ
ン注入口5の周りから水素炎イオン化検出器(FID検
出器)6までの流路は、電気炉内の部分を除き、リボン
ヒーター8等で加温し、外側を保温材9で覆って300
℃に保温する。温度検出は試料管外部に密着設置した温
度検出端7の位置で行う。温度検出端7における検出温
度が500℃になった時から、更に昇温して900℃に
達するまでの間に試料4から脱離するピリジンをFID
検出器6で検出し、ピリジンの検量線を用いて、その脱
離量を求める。
【0022】本発明に適用できるゼオライトの平均一次
結晶粒子径は、0.01〜1μmで、好ましくは、0.
01〜0.3μmである。0.01μmを下廻るもの
は、水熱合成が難しく、また、1μmを上廻るものは、
エチレン、プロピレン、アロマの収率が低い。
【0023】本発明の領域の一次結晶粒子径は、電子顕
微鏡によって観察できる。一次結晶の平均一次結晶径
は、電子顕微鏡観察で一般的には約200〜500個程
度の結晶数を測定することにより求めた相当径の結晶径
分布より個数平均一次結晶径として求めることができ
る。ゼオライトの結晶粒子径制御は、水熱合成段階での
結晶成長速度に対する結晶核形成速度の比によって行う
ことができ、この比が大きい程結晶粒子径を微細にする
ことができる。
【0024】結晶成長速度と核形成速度は、水熱合成条
件である温度、撹拌速度、原料仕込SiO2 /Al2
3 比、種結晶量により影響を受ける。温度が低い場合、
結晶成長速度が小さくなる。撹拌速度が速い場合やSi
2 /Al2 3 比が低い場合や種結晶量が多い場合に
は、結晶核形成速度が大きくなる。これらの条件を組み
合わせて適正な水熱合成を行うことによって、平均一次
結晶粒子径が0.01〜1μmの範囲のゼオライトを任
意に得ることができる。これら得られたゼオライトは、
さらにスチーミング処理する等の方法によって脱アルミ
ニウムを施すことができる。この方法により、水熱合成
では直接合成することが難しい0.01〜1μmの範囲
内の高SiO2 /Al2 3 比を有するゼオライトも得
ることができる。
【0025】本発明によるゼオライトを触媒として使用
する場合、球状、柱状あるいは顆粒状等の成型体として
用いてよい。ゼオライト結晶はそれ自身では結合性がな
いため、バインダーを添加して成型する必要がある。通
常耐火性無機酸化物の多孔性母体、例えばアルミナ、シ
リカ、シリカーアルミナ、ジルコニア、チタニア、ケイ
ソウ土、粘土等をマトリックスあるいはバインダーとし
て配合、成型する。この成型処理により、使用する際の
機械的強度はアップするが、触媒単位重量あたりの活性
はマトリックス、バインダーを添加した分だけ低下する
ことになる。
【0026】本発明を実施する条件は、600〜750
℃の温度、1〜200hr-1の重量時間空間速度(WH
SV)、0.1〜30kg/cm2 の圧力、好ましく
は、650〜720℃の温度、5〜150hr-1の重量
時間空間速度(WHSV)、大気圧が採用される。
【0027】重量時間空間速度は、触媒重量当たりの原
料供給速度によって求めることができるが、ここでいう
触媒単位重量はゼオライト単位重量のみを意味し、マト
リックスやバインダーとして多孔性母体を用いた場合に
は、これらの重量を無視する。また、重量時間空間速度
は、反応器形状や反応器サイズにより触媒が同一でも適
正値が異なってくる。反応器方式として流動床を採用し
た場合、一般に、反応器サイズが大きくなるにしたがっ
て、炭化水素原料と触媒との接触効率が上がる傾向にあ
るので同一の触媒活性を得るために重量時間空間速度を
高めることが可能になる。
【0028】各条件は、それぞれが単独に適正値をとる
のではなく、相互に関連するので好適範囲が変わること
があるが、要は、本発明による触媒を使用することによ
って、エチレン、プロピレン、アロマの各収率、およ
び、その合計収率が高収率となる処理条件を選択するこ
とができる。ただし、反応温度600℃未満の条件で
は、エチレン、プロピレン収率は低く、750℃を越え
る条件では、コーク析出のため触媒の劣化が進行しプロ
ピレン、アロマ収率は低くなる。また、重量時間空間速
度1未満の条件でも、コーク析出による触媒の劣化が進
行するためエチレン、プロピレン、アロマ収率は低く、
200を越える条件では転化率が低いため、エチレン、
アロマ収率は低くなる。
【0029】実施に際して、窒素やヘリウムなどの不活
性ガスで原料を希釈して実施することもできるが、得ら
れる製品からこれら不活性ガスを分離除去することは、
エネルギー損失をともない実用的ではなくなる。むし
ろ、希釈剤を用いないで軽質炭化水素原料のみで反応を
行っても有効製品を高収率で得られることが本発明の特
徴でもある。
【0030】本発明の反応器方式としては、触媒の固定
床または流動床のいずれで行ってもよい。実用に供する
場合は、コーキングによる触媒活性低下を防ぐため連続
再生が可能な流動床方式が好ましい。この方式の実用例
としては、石油精製の分野でガソリン製造用に汎用的に
用いられているFCC装置があり、装置型式として適用
できる。そのような流動床方式において装置は反応塔と
再生塔よりなりこれら2塔は2本のラインで結ばれてお
り、触媒はこのラインを通じ反応塔と再生塔を循環す
る。反応塔で触媒と気化した原料油は流動状態で接触し
て分解反応が進み、コークスの付着した触媒は、ストリ
ッパーで油分を除去後、再生塔に送られ、空気でコーク
スを燃焼し再生される。触媒の循環は、反応塔と再生塔
の圧力差、密度およびレベルにより調節される。
【0031】
【実施例】以下、実施例を挙げて、本発明を具体的に説
明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
【0032】実施例1 〔触媒の調製〕硫酸アルミニウム(18水塩)5.2g
およびテトラプロピルアンモニウムブロマイド7.5g
を蒸留水90gに溶解した溶液(A)、別にケイ酸ソー
ダ(水ガラス3号)60g、蒸留水120gから成る溶
液(B)を各々調製した。次いで、上記溶液(A)およ
び(B)を撹拌下、同時に滴下し混合物を得た。この混
合物を強撹拌下に、20%硫酸18gを滴下し、均質に
した後、500mlオートクレーブに入れ、1200r
pmの撹拌下、100℃で100時間、160℃で50
時間反応させた。反応後、冷却、反応混合物を濾過、水
洗し、固形物を分離した後、120℃で3時間乾燥し5
50℃で3時間空気中で焼成したところ、15.2gの
結晶性アルミノシリケートゼオライトが得られた。この
ものを粉末X線回折で確認したところ、ZSM−5のパ
ターンを示した。
【0033】上記方法で得られたZSM−5ゼオライト
を10%塩化アンモニウム水溶液と接触させ、イオン交
換を実施、120℃で乾燥後、550℃で3時間空気中
で焼成してH型のZSM−5を得た。ついで硝酸マグネ
シウム0.66gを蒸留水15gに溶解し上記のH型Z
SM−5ゼオライト5gに含浸、蒸発乾固させ、ついで
500℃下、3時間仮焼した。ケイ光X線分析よりSi
2 /Al2 3 比は30であり、マグネシウムはゼオ
ライト中のAlに対してO.5原子比含有していた。電
顕写真より平均一次結晶粒子径は、0.05μmであっ
た。また、この触媒のピリジン脱離量は462μmol
/gであった。
【0034】〔接触分解反応〕得られたマグネシウム含
有ZSM−5(ケイ光X線分析で測定したSiO2 /A
2 3 比30、マグネシウム/Al原子比0.5)を
圧縮成型後、粉砕して920メッシュにそろえたもの
1.0gを内径24mmφの石英ガラス製反応器に充填
し、大気圧下、ナフサ28g/hr、温度680℃の条
件でナフサの転化反応を実施した。原料ナフサは密度
0.683g/cm3 、組成は第2表に示すものを用い
た。また、分析は、原料供給開始後10〜40分の反応
生成物をガスと液とに分けて回収し、ガスクロマトグラ
フィー(TCD、FID検出器)を用いて行なった。結
果を第3表に示した。なお、第3表中のナフサ転化率は
以下の式で定義した。
【0035】
【数1】
【0036】実施例2 実施例1で合成したプロトン型ZSM−5を用い、含浸
時のアルカリ土類金属原料に硝酸カルシウムを使用して
カルシウム含有ZSM−5を調製した。ケイ光X線分析
よりSiO2 /Al2 3 比は30であり、カルシウム
はゼオライト中のAlに対してO.45原子比含有して
いた。電顕写真より平均一次結晶粒子径は、0.05μ
mであった。この触媒のピリジン脱離量は409μmo
l/gであった。圧縮成型後、粉砕し、実施例1と同一
の方法でナフサの転化反応を行なった。反応条件、及
び、反応結果を第3表に示した。
【0037】実施例3 実施例1と同様の合成法で合成条件を、1200rpm
の撹拌下、120℃で100時間、160℃で50時間
反応に変え、含浸時のアルカリ土類金属原料に硝酸スト
ロンチウムを用い、ストロンチウム含有ZSM−5を調
製した。ケイ光X線分析よりSiO2 /Al2 3 比は
30であり、ストロンチウムはゼオライト中のAlに対
してO.22原子比含有していた。電顕写真より平均一
次結晶粒子径は、0.1μmであった。また、この触媒
のピリジン脱離量は443μmol/gであった。圧縮
成型後、粉砕し、実施例1と同一の方法でナフサの転化
反応を行なった。反応条件、及び、反応結果を第3表に
示した。
【0038】実施例4 実施例3で合成したプロトン型ZSM−5を用い、含浸
時のアルカリ土類金属原料に酢酸バリウムを用い、バリ
ウム含有ZSM−5を調製した。ケイ光X線分析よりS
iO2 /Al2 3 比は30であり、バリウムはゼオラ
イト中のAlに対してO.50原子比含有していた。電
顕写真より平均一次結晶粒子径は、0.1μmであっ
た。また、この触媒のピリジン脱離量は210μmol
/gであった。圧縮成型後、粉砕し、実施例1と同一の
方法でナフサの転化反応を行なった。反応条件、及び、
反応結果を第3表に示した。
【0039】実施例5 実施例3で調製したプロトン型ZSM−5を硝酸バリウ
ム水溶液を用いバリウム型にイオン交換した。ケイ光X
線分析よりSiO2 /Al2 3 比は30であり、バリ
ウムはゼオライト中のAlに対してO.15原子比含有
していた。電顕写真より平均一次結晶粒子径は、0.1
μmであった。また、この触媒のピリジン脱離量は32
8μmol/gであった。圧縮成型後、粉砕して実施例
1と同一の方法でナフサの転化反応を行なった。反応条
件、及び反応結果を第4表に示した。
【0040】実施例6 実施例1と同様の合成法で合成条件を、600rpmの
撹拌下、130℃で100時間、160℃で50時間反
応に変え、含浸時のアルカリ土類金属原料に酢酸バリウ
ムを用い、バリウム含有ZSM−5を調製した。ケイ光
X線分析よりSiO2 /Al2 3 比は30であり、バ
リウムはゼオライト中のAlに対してO.15原子比含
有していた。電顕写真より平均一次結晶粒子径は、0.
3μmであった。また、この触媒のピリジン脱離量は3
35μmol/gであった。圧縮成型後、粉砕し、実施
例1と同一の方法でナフサの転化反応を行なった。反応
条件、及び反応結果を第3表に示した。
【0041】比較例1 実施例1で調製したプロトン型ZSM−5(ケイ光X線
分析で測定したSiO2 /Al2 3 比30)を圧縮成
型後、粉砕して実施例1と同一の方法でナフサの転化反
応を行なった。結果を第4表に示した。この結果よりア
ルカリ土類金属を含有させない場合、エチレン、プロピ
レン収率が低くなることがわかる。
【0042】比較例2 実施例1と同様の合成法で合成条件を200rpmの撹
拌下、160℃40時間反応に変え、含浸時のアルカリ
土類金属に酢酸バリウムを用いバリウム含有ZSM−5
を調製した。ケイ光X線分析よりSiO2 /Al2 3
比は30であり、バリウムはゼオライト中のAlに対し
てO.15原子比含有していた。電顕写真より平均一次
結晶粒子径は、1.5μmであった。圧縮成型後、粉砕
し、実施例1と同一の方法でナフサの転化反応を行なっ
た。反応条件、及び、反応結果を第4表に示した。
【0043】比較例3 実施例1と同様の合成法で合成条件を無撹拌下、160
℃40時間反応に変え、含浸時のアルカリ土類金属に酢
酸バリウムを用いバリウム含有ZSM−5を調製した。
ケイ光X線分析よりSiO2 /Al2 3 比は30であ
り、バリウムはゼオライト中のAlに対してO.50原
子比含有していた。電顕写真より平均一次結晶粒子径
は、2.0μmであった。圧縮成型後、粉砕し、実施例
1と同一の方法でナフサの転化反応を行なった。反応条
件、及び、反応結果を第4表に示した。比較例2、3の
結果より平均一次結晶粒子径が1μmを超える場合は、
エチレン、プロピレン、アロマの合計収率が低くなるこ
とがわかる。
【0044】比較例4 実施例1と同様の合成法で合成条件を600rpmの撹
拌下、160℃40時間反応に変え、含浸時のアルカリ
土類金属に酢酸バリウムを用いバリウム含有ZSM−5
を調製した。ケイ光X線分析よりSiO2 /Al2 3
比は30であり、バリウムはゼオライト中のAlに対し
てO.80原子比含有していた。電顕写真より平均一次
結晶粒子径は、0.7μmであった。圧縮成型後、粉砕
し、実施例1と同一の方法でナフサの転化反応を行なっ
た。反応条件、及び、反応結果を第4表に示した。この
結果よりアルカリ土類金属の含有量がゼオライト中のA
lに対して、0.6より多い場合、アロマ収率が低く、
触媒の分解活性も不充分であることがわかる。
【0045】
【表2】
【0046】
【表3】
【0047】
【表4】
【0048】
【発明の効果】ナフサ等を原料にして化学基礎原料とし
て有用な製品であるエチレン、プロピレン、単環芳香族
炭化水素(ベンゼン、トルエン、キシレン)の各製品を
希釈剤を用いることなしに高収率で得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1図はピリジンを用いて触媒の昇温脱離量を
測定するための装置の説明図である。
【符号の説明】
1 質量流量計 2 管状電気炉 3 試料管 4 試料(被測定触媒) 5 注入口 6 水素炎イオン化検出器 7 温度検出器 8 リボンヒーター 9 保温材
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C07C 15/02 9280−4H // C07B 61/00 300

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 炭素数2から12のパラフィンを主体と
    する軽質炭化水素原料をエチレン、プロピレンを主成分
    とする低級オレフィン及びベンゼン、トルエン、キシレ
    ンを主成分とする単環芳香族炭化水素に変換する方法に
    おいて、アルカリ土類金属をゼオライト中のアルミニウ
    ムに対し、0.01〜0.6原子比で含有し、かつ、平
    均一次結晶粒子径が0.01〜1μmの範囲にある中間
    細孔径アルミノシリケートゼオライトである触媒に接触
    させることを特徴とする方法。
JP5158166A 1993-06-04 1993-06-04 軽質炭化水素の接触変換法 Withdrawn JPH06346063A (ja)

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