JPH0634601U - 指血圧計 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 指血圧計における指の円筒状カフへのセット
を位置的に正確に行わせる。 【構成】 カフ加圧用ポンプ及びカフ圧の減圧用弁を少
なくとも収納し、かつ表面に円筒状カフ５が取付けられ
た指血圧計において、円筒状カフケース５ｂの後端縁
に、測定すべき人差指の正規のセット状態を検知するた
めに、人差指及び中指間の付根の接触を検知するタッチ
センサ７を設ける。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、円筒状カフに指を挿通させて、カフ圧を止血状態に高くした状態か ら減圧する過程で血圧を測定するようになった指血圧計に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】

この種の指血圧計は、通常その本体ケースを手で持って指を円筒状カフ内へ挿 入するようになっており、また特開昭６４−２６２６によれば、血圧測定開始時 点を単にスイッチ操作に依存させるのでなく、カフ内に設けた光電センサにより 、指の挿入を検知した状態で始動させている。これにより、カフへ指を挿入した 状態で測定が開始され、誤動作が回避される。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】

したがって、本体ケースを通常手で持つことにより、指或は手首の位置付けが 必ずしも正確に行われず、またカフへの指のセットを検知するにしても、挿入さ れた指位置を正確に検知することは不可能であり、測定の都度脈波信号にばらつ きを生じさせ易く、測定精度上改良の余地が残されていた。 よって、本考案は、指の位置的に正確なセット状態で測定を行える指血圧計を 提供することを目的とする。

【０００４】

【課題を解決するための手段】

本考案は、この目的を達成するために、請求項１により、カフ加圧用ポンプ及 びカフ圧の減圧用弁を少なくとも収納した本体ケースに、円筒状カフケースの内 周に袋状カフ本体を取付けて構成された円筒状カフが設けられ、このカフに挿通 させた人差指を止血させるカフ圧から減圧させる過程で血圧を測定するようにな った指血圧計において、円筒状カフケースの後端縁に、測定すべき人差指の正規 のセット状態を検知するために、人差指及び中指間の付根の接触を検知するタッ チセンサを設けたことを特徴とする。

【０００５】

【作用】

人差指をカフに挿通させ、中指間の付根がカフケースの後端縁に接触すると、 タッチセンサが付根を検知して、このような人差指のセット状態でのカフ圧迫に よる血圧測定が可能となる。

【０００６】

【実施例】

図１及び図２は本考案の一実施例による指血圧計を示す。 １は、机等の平面に載置され、かつ内部空間を備えた据置式の本体ケースとし ての指セット基台である。その表面は、自然な状態で人差指をセットさせるよう に後端部から徐々に上昇して人差指の第２及び第３関節間をセットさせる頂部２ ａを形成し、この頂部から徐々に下降して指尖腹セット面２ｂとなる隆起面２と して形成されている。隆起面２の両側には、段部２ｃが形成され、その一方側に は中指が載置される。

【０００７】 頂部２ａには、円筒状カフケース５ｂに袋状カフ本体５ａを取付けて構成され た円筒状カフ５を取付けると共に、円筒状カフケース５ｂの後端縁に、人差指及 び中指間の付根の接触を検知するタッチセンサ７が設けられている。このタッチ センサは例えばストレインゲージ、静電容量検知電極、導電ゴム等で構成できる 。場合によっては、リミットスイッチを用いることもできる。カフ５の内周面に は、指血管の容積脈波を検知する発光素子及び受光素子（図示せず）が取付けら れている。

【０００８】 カフ５の先方に位置した指尖腹セット面２ｂには指尖腹が接触したのを検知す るタッチセンサ８が配置されている。隆起面２の側面には、最高及び最低血圧値 を表示する表示器９が取付けられている。

【０００９】 指セット基台１の内部空間には、モータ駆動でカフ５を加圧するポンプ１１、 カフ圧を減圧させ、かつ最低血圧の検出時点で急速排気を行う電磁弁１２と、カ フ圧を検知する圧力センサ１３及びこれらと協働する血圧測定回路部１０等が収 納されている（図２参照）。

【００１０】 血圧測定回路部１０は、タッチセンサ７、８の双方の検知信号が入力すると、 ポンプ１１を始動させ、圧力センサ１３が所定のカフ圧を検知すると、ポンプ１ １の作動を中断すると共に、電磁弁１２を作動させてカフ圧を減圧させる。その 減圧過程でカフ５の光電センサの検知した脈波信号を解析することにより決定し た最高血圧時点で圧力センサ１３により最高血圧値を検出し、さらに最低血圧時 点を解析して、最低血圧値を検出し、表示器９に表示させる。このような血圧測 定及びカフ圧の制御方法自体は周知のものと同様であり、圧力センサ１３で空圧 脈波から最高及び最低血圧時点を検出することもできる。また、血圧測定回路部 １０及び表示器９は、別体の装置本体に収納することも考えられる。

【００１１】 このように構成された指血圧計の動作は次の通りである。 血圧測定に際しては、机等に据置きされた指セット基台１のカフ５に、その隆 起面２に沿って人差指３を挿通させる。カフ５から人差指を突出させると、先ず タッチセンサ８に指尖腹３ａが接触してその検知信号が出力され、さらに人差指 ３及び中指間の付根が、図３に示すように、タッチセンサ７に接触してその検知 信号が出力される。これにより、カフ５による人差指３の圧迫が開始され、手の 掌が指セット基台１に載置されて、人差指３の付根が円筒状カフケース５ｂの後 端縁に接触した状態で止血される。続く減圧過程で、カフ５の光電センサにより 検出した最高及び最低血圧時点におけるカフ圧値が、最高及び最低血圧値として 表示器９に表示される。

【００１２】 測定しない状態で、タッチセンサ７、８のいずれか一方が検知信号を発生して も血圧測定は始動されず、誤作動が回避される。 尚、前述の実施例において、構成を簡単にするためにはタッチセンサ８を廃止 して付根のタッチセンサ７のみの作動で測定を始動させても良く、また手動スイ ッチを設けておき、タッチセンサ７の検知状態で、その手動スイッチを操作する と測定が開始されるようにもできる。本考案は、据置式でなく、手で持つタイプ の本体ケースより構成される従来の指血圧計にも適用可能である。

【００１３】

【考案の効果】

請求項１の考案によれば、血圧測定状態での円筒状カフに対する人差指の位置 関係が正確に設定され、指の圧迫及び脈動の検出が安定的に行われ、絶えず安定 した高精度の血圧測定が行われるようになる。

【００１４】 請求項２の考案によれば、据置式の指セット基台の隆起面に、人差指が手首の ねじれ及びぶれも無く自然な状態でセットされるために、より安定した高精度の 血圧測定が行われるようになる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案の一実施例による指血圧計の斜視図であ
る。

【図２】同血圧計の回路構成を示す図である。

【図３】同血圧計の測定状態を示す斜視図である。

【符号の説明】

１ 指セット基台 ２ 隆起面 ５ カフ ７、８ タッチセンサ ９ 表示器 １１ ポンプ １２ 電磁弁

Claims (2)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 カフ加圧用ポンプ及びカフ圧の減圧用弁
   を少なくとも収納した本体ケースに、円筒状カフケース
   の内周に袋状カフ本体を取付けて構成された円筒状カフ
   が設けられ、このカフに挿通させた人差指を止血させる
   カフ圧から減圧させる過程で血圧を測定するようになっ
   た指血圧計において、 円筒状カフケースの後端縁に、測定すべき人差指の正規
   のセット状態を検知するために、前記人差指及び中指間
   の付根の接触を検知するタッチセンサを設けたことを特
   徴とする指血圧計。
2. 【請求項２】 本体ケースが、平面に載置され、かつ自
   然な状態の人差指をセットさせるように後端部から徐々
   に上昇してカフを設ける頂部を形成し、さらに徐々に下
   降するようになった隆起面を形成された据置式指セット
   基台として構成されたことを特徴とする請求項１の指血
   圧計。