JPH06344977A - 船舶の水中展望方法およびその装置 - Google Patents

船舶の水中展望方法およびその装置

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JPH06344977A
JPH06344977A JP16382193A JP16382193A JPH06344977A JP H06344977 A JPH06344977 A JP H06344977A JP 16382193 A JP16382193 A JP 16382193A JP 16382193 A JP16382193 A JP 16382193A JP H06344977 A JPH06344977 A JP H06344977A
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JP
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ship
recess
underwater
observation
underwater observation
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JP16382193A
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English (en)
Inventor
Tsunemi Fujita
恒美 藤田
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Nippon Yusen KK
Original Assignee
Nippon Yusen KK
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 高速で航行でき、しかも充分に水中を観測で
きるようにする。 【構成】 船舶1の底部に、両側のサイドハル部2と船
首シール部と船尾シール部とで囲まれる凹部5を設け
る。船舶1に空気ファン10を設け、その吸排気ダクト
11に、開閉機構12を設ける。サイドハル部2の内側
に、展望窓6および水中照明灯7を設ける。空気ファン
10を正転させて凹部5内を加圧すると、凹部内水面W
Iが下がって、船舶がエア・クッション船となるので、
高速で航行できる。空気ファンを逆転させて凹部5内を
減圧すると、凹部内水面WIが展望窓6より上まで上が
って、水中を観測できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は船舶の水中展望方法およ
びその装置に係り、特に高速,長距離航行が可能で、し
かも充分な水中展望が可能な船舶の水中展望方法および
その装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、船底部あるいは水中の舷側部に、
ガラス等の透明材料を嵌め込んだ展望窓を設け、この展
望窓を通して水中を展望できるようにした船舶の水中展
望装置は一般に知られている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】前記従来の水中展望装
置においては、展望窓が常時水中に没しているため、航
行時の衝撃から展望窓を保護する必要があることから、
展望窓を大型化できないとともに、高速航行が制限さ
れ、水中観測すべき目的地までの移動に多大な時間を要
するという問題がある。
【0004】そこで一部では、移動用と水中観測用とで
船舶を分けて使用する試みがなされているが、移動船と
水中観測船との間での観測者の移動が容易でないととも
に、移動の際に危険を伴ない、また観測点が複数の場所
に分かれている場合には、各観測点に各々水中観測船を
配置しておかなければならないという問題がある。
【0005】本発明は、かかる現況に鑑みなされたもの
で、高速,長距離航行が可能で、しかも充分な水中展望
が可能な船舶の水中展望方法およびその装置を提供する
ことを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】前記目的を達成するた
め、本発明の請求項1に係る発明は、船底両側部にサイ
ドハル部を突出させた双胴型の船舶と、少なくともいず
れか一方のサイドハル部の内側に設けられた展望窓とを
備え、バラスト量の調整により、通常航行時には喫水線
を前記展望窓よりも下げるとともに、水中展望時には喫
水線を上げて前記展望窓を没水させるようにしたことを
特徴とする。
【0007】また、本発明の請求項2に係る発明は、両
側のサイドハル部と船首シール部と船尾シール部とによ
り船底中央部に凹部が形成された船舶と、前記凹部の内
周面の任意位置に設けられた展望窓とを備え、通常航行
時には、前記凹部内を大気圧以上にして展望窓を水面上
に位置させるとともに、水中展望時には、前記凹部内を
大気圧未満にして展望窓を没水させるようにしたことを
特徴とする。
【0008】また、本発明の請求項3に係る発明は、通
常航行時または水中展望時のうちの少なくともいずれか
一方の際に、バラスト量の増減を併用するようにしたこ
とを特徴とする。
【0009】また、本発明の請求項4に係る発明は、船
底両側部にサイドハル部を突出させた双胴型の船舶と;
少なくともいずれか一方のサイドハル部の内側に設けら
れた展望窓と;前記船舶に設けられ、バラスト量の調節
により喫水線を前記展望窓の下方位置と上方位置との間
で変化させるためのバラストタンクと;をそれぞれ設け
るようにしたことを特徴とする。
【0010】また、本発明の請求項5に係る発明は、両
側のサイドハル部と船首シール部と船尾シール部とによ
り船底中央部に凹部が形成された船舶と;前記凹部の内
周面の任意位置に設けられた展望窓と;前記船舶に設け
られて前記凹部内の圧力を変化させ、凹部内の水面を展
望窓の下方位置と上方位置との間で変化させるための空
気吸排機構と;をそれぞれ設けるようにしたことを特徴
とする。
【0011】また、本発明の請求項6に係る発明は、空
気吸排機構に、凹部内を密閉空間とする開閉機構を設け
るようにしたことを特徴とする。
【0012】また、本発明の請求項7に係る発明は、船
舶に、空気吸排機構と共働して凹部内の水面位置を変化
させるバラストタンクを設けるようにしたことを特徴と
する。
【0013】また、本発明の請求項8に係る発明は、船
首シール部および船尾シール部を可動機構で構成し、可
動機構の駆動により、凹部の前後端部を開放することが
できるようにしたことを特徴とする。
【0014】また、本発明の請求項9に係る発明は、可
動機構を、開閉構造またはスライド構造のドアで構成す
るようにしたことを特徴とする。
【0015】また、本発明の請求項10に係る発明は、
可動機構を、巻取構造のシャッタで構成するようにした
ことを特徴とする。
【0016】また、本発明の請求項11に係る発明は、
可動機構を、内部空間への流体の給排により拡縮する袋
状ウォールで構成するようにしたことを特徴とする。
【0017】また、本発明の請求項12に係る発明は、
展望窓を、上端が船舶の中心側に倒れた斜め設置とする
ようにしたことを特徴とする。
【0018】さらに、本発明の請求項13に係る発明
は、船舶に水中照明手段を設けるようにしたことを特徴
とする。
【0019】
【作用】本発明の請求項1に係る船舶の水中展望方法に
おいては、バラスト量の調整により、通常航行時には、
喫水線が展望窓よりも下に位置しており、しかも双胴型
の船舶構造となっているので、高速,長距離航行が可能
となる。一方、水中展望時には、展望窓が没水するの
で、専用船を用いることなく充分な水中展望が可能とな
る。しかも、展望窓はサイドハル部の内側に設けられ、
水中に浮遊する固形物から保護されているので、展望窓
を大型化でき、より充分な水中展望が可能となる。
【0020】また、本発明の請求項2に係る船舶の水中
展望方法においては、凹部内の圧力調整により、通常航
行時には展望窓が水面上に位置するとともに、水中展望
時には展望窓が没水し、長距離航行および充分な水中展
望が可能となる。また、通常航行時に凹部内が大気圧以
上となるので、船舶がホーバ・クラフト(商品名)等の
エア・クッション船となり、高速航行が可能となる。
【0021】また、本発明の請求項3に係る船舶の水中
展望方法においては、バラスト量の増減を併用している
ので、水面に対する展望窓の位置移動を、より容易かつ
迅速に行なうことが可能となる。
【0022】また、本発明の請求項4に係る船舶の水中
展望装置においては、バラストタンク内のバラスト量の
調節により、喫水線が展望窓の下方位置と上方位置との
間で変化し、しかも双胴型の船舶構造となっているの
で、高速,長距離航行および充分な水中展望が可能とな
る。
【0023】また、本発明の請求項5に係る船舶の水中
展望装置においては、空気吸排機構を駆動して凹部内の
圧力を変化させることにより、凹部内の水面が展望窓の
下方位置と上方位置との間で変化し、長距離航行および
充分な水中展望が可能となる。しかも、通常航行時に、
凹部内の圧力を高めることにより、船舶がエア・クッシ
ョン船となり、高速航行が可能となる。
【0024】また、本発明の請求項6に係る船舶の水中
展望装置においては、空気吸排機構に開閉機構が設けら
れているので、水中展望時に、開閉機構を閉じて凹部を
密閉空間とすることにより、空気吸排機構を停止しても
水中展望が可能となり、水中展望時に騒音を抑えること
が可能となる。
【0025】また、本発明の請求項7に係る船舶の水中
展望装置においては、空気吸排機構と共働して凹部内の
水面位置を変化させるバラストタンクが設けられている
ので、水面に対する展望窓の位置移動を、より容易かつ
迅速に行なうことが可能となる。
【0026】また、本発明の請求項8に係る船舶の水中
展望装置においては、可動機構の駆動により凹部の前後
端部が開放され、双胴型の船舶構造となる。このため、
通常航行時に高速航行が可能となる。
【0027】また、本発明の請求項9に係る船舶の水中
展望装置においては、可動機構が、開閉構造またはスラ
イド構造のドアで構成されているので、装置構成を簡素
化することが可能となる。
【0028】また、本発明の請求項10に係る船舶の水
中展望装置においては、可動機構が、巻取構造のシャッ
タで構成されているので、小さなスペースに可動機構を
組込むことが可能となる。
【0029】また、本発明の請求項11に係る船舶の水
中展望装置においては、可動機構が、内部空間への流体
の給排により拡縮する袋状ウォールで構成されているの
で、簡単な構造で充分なシール性を確保することが可能
となる。
【0030】また、本発明の請求項12に係る船舶の水
中展望装置においては、展望窓が、上端を船舶の中心側
に倒した斜め設置となっているので、水中展望の際に、
水の屈折率を有効に利用して水底部も容易に観測するこ
とが可能となる。
【0031】さらに、本発明の請求項13に係る船舶の
水中展望装置においては、水中照明手段を有しているの
で、夜間でも充分な水中展望が可能となる。
【0032】
【実施例】以下、本発明の図面を参照して説明する。図
1ないし図4は、本発明の第1実施例に係る船舶の水中
展望装置を示すもので、図中、符号1は船舶であり、こ
の船舶1の船底部には、両側のサイドハル部2,船首シ
ール部3および船尾シール部4で周囲が囲まれた凹部5
が設けられており、前記各サイドハル部2の内側面に
は、展望窓6および水中照明灯7がそれぞれ設けられ、
各サイドハル部2内からの水中展望を可能としている。
【0033】前記各展望窓6は、図3に鎖線で示す航行
停止時の水面WSよりも上に位置するように、サイドハ
ル部2の上部に設けられているとともに、上端を船舶1
の中心側に倒した斜め設置となっており、この斜め設置
により、水中展望の際に、水の屈折率を有効に利用して
水底部も容易に観測することができるようになってい
る。なお、これについては後に詳述する。
【0034】前記各サイドハル部2の下端内部には、図
3および図4に示すように、バラスト量の調節により喫
水線を上下に変化させるためのバラストタンク8がそれ
ぞれ設けられており、そのバラスト量の調節は、主とし
て図4に示す水中展望の際に行なわれるようになってい
る。なお、これについても後に詳述する。
【0035】前記船舶1凹部5の天面部には、図3およ
び図4に示すように、空気吸排機構としての空気ファン
10に接続される吸排気口9が設けられており、また空
気ファン10の吸排気ダクト11の末端部には、例えば
電動バルブで構成される開閉機構12が設けられてい
る。そして、開閉機構12を開放した状態で前記空気フ
ァン10を正転駆動することにより、図3に示すよう
に、凹部5内が加圧されて凹部内水面WIが下がるとと
もに、空気ファン10を逆転駆動することにより、図4
に示すように、凹部5内が減圧されて凹部内水面WIが
展望窓6よりも上方位置まで上がるようになっており、
かつこの状態で開閉機構12を閉止することにより、凹
部5内が密閉空間となって空気ファン10を停止するこ
とができるようになっている。
【0036】また、前記船首シール部3および船尾シー
ル部4は、図1に示すように、その前端面が船尾側に湾
曲して傾斜する流線型構造となっており、これにより、
高速航行時の抵抗を少なくすることができるようになっ
ている。
【0037】次に、本実施例の作用について説明する。
航行停止時,すなわち空気ファン10を停止した状態に
おいては、水面WSは図3に鎖線で示す位置となってお
り、展望窓6はその上方に位置している。
【0038】この状態から、通常航行する場合には、ま
ず開閉機構12を開いた状態にして空気ファン10を正
転駆動する。すると、外気が吸排気ダクト11,空気フ
ァン10および吸排気口9を通って凹部5内に供給さ
れ、凹部5内の圧力が大気圧を超える。このため、凹部
内水面WIが図3に実線で示す位置まで下がり、船舶1
がホーバ・クラフト(商品名)等のエア・クッション船
となって航行時の抵抗が大幅に低減される。したがっ
て、高速,長距離航行が可能となる。
【0039】一方、水中展望の際には、通常航行の際と
は逆に、開閉機構12を開いた状態にして、空気ファン
10を逆転駆動する。すると、凹部5内の空気が吸排気
口9,空気ファン10および吸排気ダクト11を介して
外部に排出され、凹部5内の圧力が大気圧を下廻る値と
なる。このため、凹部内水面WIが図4に示す位置まで
上昇し、展望窓6が没水して水中展望が可能となる。
【0040】ここで、図4に示す凹部内水面WIの位置
を維持するには、空気ファン10を低速で駆動し続けれ
ばよいが、空気ファン10を駆動し続ける場合には、そ
の騒音が問題となる場合もある。
【0041】そこで、騒音が問題となる場合には、凹部
内水面WIが図4に示す位置まで上昇したならば、開閉
機構12を閉止し、凹部5を密閉空間とする。これによ
り、空気ファン10を停止することができ、騒音の問題
を解決することができる。
【0042】なお、空気ファン10を逆転駆動して水中
展望を行なう際には、バラストタンク8へのバラスト漲
水を併用するようにしてもよい。そしてこれにより、図
4に示す水中展望状態への移行をより短時間で行なうこ
とができるとともに、水中展望状態をより安定させるこ
とができる。
【0043】ところで、展望窓6は、図5に示すよう
に、上端を船舶1の中心側に倒した斜め設置となってい
る。このため、水中展望の際に、観測者の視線Aは、水
の屈折率により符号Bで示すように下方に屈折し、水底
部を自然な姿勢で容易に観測することができる。
【0044】しかして、展望窓6は、通常航行時あるい
は航行停止時には、水面上に位置しており、しかも各サ
イドハル部2の内側に設けられ、水中に浮遊する固形物
から保護されているので、展望窓6を大型化しても、高
速,長距離航行時に支障となることがない。そして、展
望窓6の大型化により、より充分な水中展望が可能とな
る。また、船舶照明灯7の点灯により、夜間の水中展望
も可能となり、また船舶1を低速で航行させながら水中
を観測することもできる。
【0045】なお、前記第1実施例においては、展望窓
6を各サイドハル部2の内側にそれぞれ設ける場合につ
いて説明したが、いずれか一方のサイドハル部2のみに
設けるようにしてもよく、また船首シール部3の内側や
船尾シール部4の内側に設けるようにしてもよい。
【0046】また、前記第1実施例においては、船首シ
ール部3および船尾シール部4が、各サイドハル部2と
同様固定構造となっている場合について説明したが、船
首シール部3および船尾シール部4を可動機構で構成
し、凹部5の前後端部を、水中展望時を除き開放できる
ようにしてもよい。
【0047】図6ないし図20は、船首シール部3およ
び船尾シール部4を可動機構で構成した船舶の水中展望
装置をそれぞれ示すもので、以下これらについて説明す
る。
【0048】すなわち、図6ないし図8は、本発明の第
2実施例に係る船舶の水中展望装置を示すもので、この
装置における可動機構は、左右両側に観音開き状に開閉
する2枚のドア21a,21bで構成されており、これ
ら両ドア21a,21bを開放することにより、船舶1
が双胴型の船舶構造となるとともに、両ドア21a,2
1bを閉止することにより、前記第1実施例の場合と同
様の凹部5が形成され、水中展望ができるようになって
いる。なお、その他の点については、前記第1実施例と
同一構成となっており、作用も同一である。
【0049】しかして、観音開き状のドア21a,21
bを開いて凹部5の前後端部を開放することにより、船
舶1が双胴型の船舶構造となり、波が荒い場合でも高速
航行が可能となる。この際、バラストタンク8内のバラ
スト量を少なくして喫水量を減少させることにより、抵
抗が少なくなってより高速航行が可能となる。
【0050】図9および図10は、本発明の第3実施例
に係る船舶の水中展望装置を示すもので、この装置にお
ける可動機構は、上端を支点として上下に開閉するドア
31aと、外側端を支点として左右に開閉する2枚のド
ア31b,31cとから構成されており、これらのドア
31a,31b,31cを開放することにより、船舶1
が双胴型の船舶構造となるとともに、各ドア31a,3
1b,31cを閉止することにより、凹部5が形成され
るようになっている。なお、その他の点については、前
記第1実施例と同一構成となっており、作用も同一であ
る。
【0051】しかして、本実施例によっても、前記第2
実施例と同様の効果が得られるとともに、ドア31a,
31b,31cの枚数が多い分だけ各ドアを小型化で
き、ドア31a,31b,31cを開放した際の収納が
容易となる。
【0052】図11は、本発明の第4実施例に係る船舶
の水中展望装置を示すもので、この装置における可動機
構は、上端を支点として上下に開閉する1枚のドア41
で構成されており、このドア41を開放することによ
り、船舶1が双胴型の船舶構造となるとともに、ドア4
1を閉止することにより、凹部5が形成されるようにな
っている。なお、その他の点については、前記第1実施
例と同一構成となっており、作用も同一である。
【0053】しかして、本実施例によっても、前記第2
実施例と同様の効果が得られるとともに、凹部5内を減
圧すれば、ドア41には閉じ方向に引張る力が作用する
ことになるので、簡単な構造で充分なシール性を確保す
ることができる。
【0054】図12および図13は、本発明の第4実施
例に係る船舶の水中展望装置を示すもので、この装置に
おける可動機構は、上下にスライドして開閉するドア5
1で構成されており、このドア51を開放することによ
り、船舶1が双胴型の船舶構造となるとともに、ドア5
1を閉止することにより、凹部5が形成されるようにな
っている。なお、その他の点については、前記第1実施
例と同一構成となっており、作用も同一である。
【0055】しかして、本実施例によっても、前記第2
実施例と同様の効果が得られるとともに、ドア51の動
きが単純であるので、その駆動機構を簡素化できる。
【0056】図14および図15は、本発明の第6実施
例に係る船舶の水中展望装置を示すもので、この装置に
おける可動機構は、上下にスライドして開閉するドア6
1aと左右にスライドして開閉する2枚のドア61b,
61cとから構成されており、これらのドア61a,6
1b,61cを開放することにより、船舶1が双胴型の
船舶構造となるとともに、各ドア61a,61b,61
cを閉止することにより、凹部5が形成されるようにな
っている。なお、その他の点については、前記第1実施
例と同一構成となっており、作用も同一である。
【0057】しかして、本実施例によっても、前記第2
実施例と同様の効果が得られるとともに、ドア61a,
61b,61cの枚数が多い分だけ各ドアを小型化で
き、ドア61a,61b,61cを開放するためのドア
収納スペースを、船舶1内に容易に確保することができ
る。
【0058】図16および図17は、本発明の第7実施
例に係る船舶の水中展望装置を示すもので、この装置に
おける可動機構は、巻取構造のシャッタ71で構成され
ており、このシャッタ71を開放することにより、船舶
1が双胴型の船舶構造となるとともに、シャッタ71を
閉止することにより、凹部5が形成されるようになって
いる。なお、その他の点については、前記第1実施例と
同一構成となっており、作用も同一である。
【0059】しかして、本実施例によっても、前記第2
実施例と同様の効果が得られるとともに、開放したシャ
ッタ71を小さなスペースに収納することができる。
【0060】図18ないし図20は、本発明の第8実施
例に係る船舶の水中展望装置を示すもので、この装置に
おける可動機構は、水等の流体を内部空間に給排するこ
とにより拡縮する袋状ウォール81で構成されており、
この袋状ウォール81を縮小させることにより、図19
に示すように船舶1が双胴型の船舶構造となるととも
に、袋状ウォール81を膨張させることにより、図18
および図20に示すように凹部5が形成されるようにな
っている。なお、その他の点については、前記第1実施
例と同一構成となっており、作用も同一である。
【0061】しかして、本実施例によっても、前記第2
実施例と同様の効果が得られるとともに、簡単な構造で
充分なシール性が得られ、しかも袋状ウォール81の内
部空間に注入される流体を、バラストとして機能させる
ことができるので、バラスト調節併用効果も得られる。
【0062】なお、前記各実施例においては、水中展望
の際に凹部5を形成し、この凹部5内を減圧する場合に
ついて説明したが、例えば図2における船首シール部3
および船尾シール部4を省略して、船舶1を完全な双胴
型の船舶構造とし、バラストタンク8内のバラスト量の
増減のみにより、喫水線を展望窓6の上下で変化させる
ようにしてもよい。そして、この場合には、バラストタ
ンク8を大型化する必要があるが、空気ファン10等を
省略できるので、船舶構造を簡素化できる。
【0063】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の請求項1
に係る発明は、双胴型の船舶構造とするとともに、通常
航行時には、バラスト量の調整により喫水線が展望窓よ
りも下にくるようにしているので、高速,長距離航行が
可能となる。一方、水中展望時には、展望窓が没水する
ので、専用船を用いることなく充分な水中展望が可能と
なり、しかも展望窓はサイドハル部の内側に設けられ、
水中に浮遊する固形物から保護されているので、展望窓
を大型化でき、より充分な水中展望が可能となる。
【0064】また、本発明の請求項2に係る発明は、凹
部内の圧力調整により、展望窓を水面上に位置させたり
没水させたりするようにしているので、長距離航行およ
び充分な水中展望が可能となる。また、通常航行時に
は、凹部内が大気圧以上となって船舶がエア・クッショ
ン船となるので、高速航行が可能となる。
【0065】また、本発明の請求項3に係る発明は、バ
ラスト量の増減を併用するようにしているので、水面に
対する展望窓の位置移動を、より容易かつ迅速にしかも
安定して行なうことができる。
【0066】また、本発明の請求項4に係る発明は、双
胴型の船舶構造とするとともに、バラストタンク内のバ
ラスト量の調節により、喫水線を展望窓の上下で変化さ
せるようにしているので、高速,長距離航行が可能とな
るとともに、充分な水中展望が可能となり、しかも船舶
構造を簡素化することができる。
【0067】また、本発明の請求項5に係る発明は、空
気吸排機構により凹部内の圧力を変化させ、凹部内の水
面を展望窓の上下で変化させるようにしているので、長
距離航行および充分な水中展望が可能となるとともに、
通常航行時に凹部内の圧力を高めることにより、船舶が
エア・クッション船となるので、高速航行が可能とな
る。
【0068】また、本発明の請求項6に係る発明は、空
気吸排機構に開閉機構を設けているので、水中展望時
に、開閉機構を閉じて凹部内を密閉空間とすることによ
り、空気吸排機構を停止しても水中展望が可能となり、
水中展望時の騒音を大幅に抑制でき、音に敏感な魚類等
の観測に有効である。
【0069】また、本発明の請求項7に係る発明は、空
気吸排機構と共働して凹部内の水面位置を変化させるバ
ラストタンクを設けるようにしているので、水面に対す
る展望窓の位置移動を、容易,迅速かつ安定に行なうこ
とができる。
【0070】また、本発明の請求項8に係る発明は、可
動機構の駆動により凹部の前後端部を開放し、双胴型の
船舶構造とすることができるようにしているので、通常
航行時に高速航行が可能となる。
【0071】また、本発明の請求項9に係る発明は、可
動機構を開閉構造またはスライド構造のドアで構成して
いるので、可動機構の構造を簡素化できる。
【0072】また、本発明の請求項10に係る発明は、
可動機構を巻取構造のシャッタで構成しているので、小
さなスペースに可動機構を組込むことができる。
【0073】また、本発明の請求項11に係る発明は、
可動機構を、内部空間への流体の給排により拡縮する袋
状ウォールで構成しているので、簡単な構造で充分なシ
ール性を確保することができるとともに、袋状ウォール
内に注入される流体をバラストとして利用することがで
きる。
【0074】また、本発明の請求項12に係る発明は、
展望窓を、上端が船舶の中心側に倒れた斜め設置として
いるので、水中展望の際に、水の屈折率を有効に利用し
て水底部も容易に観測することができる。
【0075】さらに、本発明の請求項13に係る発明
は、水中照明手段を設けているので、夜間等でも充分な
水中展望が可能となり、また集魚灯として利用すること
もできる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施例に係る船舶の水中展望装置
を示す部分断面図である。
【図2】図1の船舶の船底部の構造を示す斜視図であ
る。
【図3】通常航行時の状態を示す図1の縦断面図であ
る。
【図3】水中展望時の状態を示す図3相当図である。
【図5】展望窓の設置角度と水の屈折率との関係を示す
説明図である。
【図6】本発明の第2実施例を示す図1相当図である。
【図7】図6の縦断面図である。
【図8】ドアの開閉構造を示す説明図である。
【図9】本発明の第3実施例を示す図1相当図である。
【図10】図9の縦断面図である。
【図11】本発明の第4実施例を示す図1相当図であ
る。
【図12】本発明の第5実施例を示す相当図である。
【図13】図12の縦断面図である。
【図14】本発明の第6実施例を示す図1相当図であ
る。
【図15】図14の縦断面図である。
【図16】本発明の第7実施例を示す図1相当図であ
る。
【図17】図16の縦断面図である。
【図18】本発明の第8実施例を示す図1相当図であ
る。
【図19】通常航行時の状態を示す図18の縦断面図で
ある。
【図20】水中展望時の状態を示す図19相当図であ
る。
【符号の説明】
1 船舶 2 サイドハル部 3 船首シール部 4 船尾シール部 5 凹部 6 展望窓 7 水中照明灯 8 バラストタンク 9 吸排気口 10 空気ファン 11 吸排気ダクト 12 開閉機構 21a,21b,31a,31b,31c,41,5
1,61a,61b,61c ドア 71 シャッタ 81 袋状ウォール WI 凹部内水面
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成6年3月18日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】図面の簡単な説明
【補正方法】変更
【補正内容】
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施例に係る船舶の水中展望装置
を示す部分断面図である。
【図2】図1の船舶の船底部の構造を示す斜視図であ
る。
【図3】通常航行時の状態を示す図1の縦断面図であ
る。
【図】水中展望時の状態を示す図3相当図である。
【図5】展望窓の設置角度と水の屈折率との関係を示す
説明図である。
【図6】本発明の第2実施例を示す図1相当図である。
【図7】図6の縦断面図である。
【図8】ドアの開閉構造を示す説明図である。
【図9】本発明の第3実施例を示す図1相当図である。
【図10】図9の縦断面図である。
【図11】本発明の第4実施例を示す図1相当図であ
る。
【図12】本発明の第5実施例を示す相当図である。
【図13】図12の縦断面図である。
【図14】本発明の第6実施例を示す図1相当図であ
る。
【図15】図14の縦断面図である。
【図16】本発明の第7実施例を示す図1相当図であ
る。
【図17】図16の縦断面図である。
【図18】本発明の第8実施例を示す図1相当図であ
る。
【図19】通常航行時の状態を示す図18の縦断面図で
ある。
【図20】水中展望時の状態を示す図19相当図であ
る。
【符号の説明】 1 船舶 2 サイドハル部 3 船首シール部 4 船尾シール部 5 凹部 6 展望窓 7 水中照明灯 8 バラストタンク 9 吸排気口 10 空気ファン 11 吸排気ダクト 12 開閉機構 21a,21b,31a,31b,31c,41,5
1,61a,61b,61c ドア 71 シャッタ 81 袋状ウォール WI 凹部内水面

Claims (13)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 船底両側部にサイドハル部を突出させた
    双胴型の船舶と、少なくともいずれか一方のサイドハル
    部の内側に設けられた展望窓とを備え、バラスト量の調
    整により、通常航行時には喫水線を前記展望窓よりも下
    げるとともに、水中展望時には喫水線を上げて前記展望
    窓を没水させることを特徴とする船舶の水中展望方法。
  2. 【請求項2】 両側のサイドハル部と船首シール部と船
    尾シール部とにより船底中央部に凹部が形成された船舶
    と、前記凹部の内周面の任意位置に設けられた展望窓と
    を備え、通常航行時には、前記凹部内を大気圧以上にし
    て展望窓を水面上に位置させるとともに、水中展望時に
    は、前記凹部内を大気圧未満にして展望窓を没水させる
    ことを特徴とする船舶の水中展望方法。
  3. 【請求項3】 通常航行時または水中展望時のうちの少
    なくともいずれか一方の際に、バラスト量の増減を併用
    することを特徴とする請求項2記載の船舶の水中展望方
    法。
  4. 【請求項4】 船底両側部にサイドハル部を突出させた
    双胴型の船舶と;少なくともいずれか一方のサイドハル
    部の内側に設けられた展望窓と;前記船舶に設けられ、
    バラスト量の調節により喫水線を前記展望窓の下方位置
    と上方位置との間で変化させるためのバラストタンク
    と;を具備することを特徴とする船舶の水中展望装置。
  5. 【請求項5】 両側のサイドハル部と船首シール部と船
    尾シール部とにより船底中央部に凹部が形成された船舶
    と;前記凹部の内周面の任意位置に設けられた展望窓
    と;前記船舶に設けられて前記凹部内の圧力を変化さ
    せ、凹部内の水面を展望窓の下方位置と上方位置との間
    で変化させるための空気吸排機構と;を具備することを
    特徴とする船舶の水中展望装置。
  6. 【請求項6】 空気吸排機構は、凹部を密閉空間とする
    開閉機構を備えていることを特徴とする請求項5記載の
    船舶の水中展望装置。
  7. 【請求項7】 船舶は、空気吸排機構と共働して凹部内
    の水面位置を変化させるバラストタンクを備えているこ
    とを特徴とする請求項5または6記載の船舶の水中展望
    装置。
  8. 【請求項8】 船首シール部および船尾シール部は可動
    機構で構成され、可動機構の駆動により、凹部の前後端
    部が開放可能となっていることを特徴とする請求項5,
    6または7記載の船舶の水中展望装置。
  9. 【請求項9】 可動機構は、開閉構造またはスライド構
    造のドアで構成されていることを特徴とする請求項8記
    載の船舶の水中展望装置。
  10. 【請求項10】 可動機構は、巻取構造のシャッタで構
    成されていることを特徴とする請求項8記載の船舶の水
    中展望装置。
  11. 【請求項11】 可動機構は、内部空間への流体の給排
    により拡縮する袋状ウォールで構成されていることを特
    徴とする請求項8記載の船舶の水中展望装置。
  12. 【請求項12】 展望窓は、上端を船舶の中心側に倒し
    た斜め設置となつていることを特徴とする請求項4,
    5,6,7,8,9,10または11記載の船舶の水中
    展望装置。
  13. 【請求項13】 船舶は、水中照明手段を備えているこ
    とを特徴とする請求項4,5,6,7,8,9,10,
    11または12記載の船舶の水中展望装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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