JPH06344182A - アルミニウム又はアルミニウム合金の表面改質用合金 - Google Patents

アルミニウム又はアルミニウム合金の表面改質用合金

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JPH06344182A
JPH06344182A JP14078093A JP14078093A JPH06344182A JP H06344182 A JPH06344182 A JP H06344182A JP 14078093 A JP14078093 A JP 14078093A JP 14078093 A JP14078093 A JP 14078093A JP H06344182 A JPH06344182 A JP H06344182A
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JP
Japan
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aluminum
alloy
welding
heat resistance
cladding
Prior art date
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Pending
Application number
JP14078093A
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English (en)
Inventor
Mitsuhiko Itaya
光彦 板屋
Eiji Shiotani
英爾 塩谷
Harue Motoyoshi
はる江 元吉
Tadashi Kamimura
正 上村
Masato Motoyoshi
正人 元吉
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Isuzu Motors Ltd
Original Assignee
Isuzu Motors Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 本発明の目的はアルミニウム又はアルミニウ
ム合金の表面の耐熱性及び機械強度の向上と共に、均一
な肉盛りを容易に達成することができる新規なアルミニ
ウム又はアルミニウム合金の表面改質用合金を提供する
ことにある。 【構成】 本発明はアルミニウム又はアルミニウム合金
の表面強化のために、その表面に肉盛り溶接される表面
改質用合金において、Cu5〜33wt%、Ni0.5
wt%、B0.005〜0.1wt%、残部Alか
らなることを特徴としている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はアルミニウム又はアルミ
ニウム合金の表面強化のために、その表面に肉盛り溶接
される表面改質用合金に関するものである。
【0002】
【従来の技術】CO2 による地球温暖化対策の一環とし
てエンジンの燃費向上技術と共に、車両の軽量化が求め
られている。この車両の軽量化としては、従来の鉄系材
料に代えてアルミニウム、チタンなどの軽量化対策材を
用いることで達成されるが、これら軽量化対策材は鉄系
材料に比べて耐摩耗性及び耐熱性等の機械的特性に劣る
ため、エンジン等の特に耐熱性及び耐摩耗性が要求され
る部品には耐熱アルミ合金が用いられている。この耐熱
アルミ合金は耐熱用鋳造軽合金として開発され、アルミ
ニウム母材中に銅やニッケル等を添加したものであり、
代表的なものとしてはJIS−AC5A(Al−Cu−
Ni−Mg系:通称Y合金)や、さらに耐熱性及び耐摩
耗性に優れたLo−Ex(AC8A)等があり、航空機
の熱機関部品や自動車のエンジン部品等に多く使用され
ている。
【0003】また、最近では、このような耐熱用鋳造軽
合金を用いずに、アルミニウム、チタンなどの軽量化対
策材の表面を改質することで部分的に強化する技術も提
案されている。この表面改質方法は例えば、TIG溶接
機やMIG溶接機等の肉盛り溶接機を用いてアルミ鋳物
部品等の軽量化対策材の表面を再溶融すると共に、Ni
等の耐熱金属粉末からなるワイヤ状の表面改質用合金を
肉盛り溶接してその表面を合金化させるものであり、具
体的には本出願人が先に出願した「金属系部品の表面改
質方法及びその装置」(特願平2−139677号)等
に詳しく示されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところで、このような
表面改質用合金はNiやCuなどの耐熱耐摩耗性元素を
単独で、あるいはこれらと他の元素を複数ブレンドした
ものであるが、これらを溶融部に供給する際に、これら
元素の量が多すぎると伸びが減少して合金溶融部に亀裂
が生じたり、反対に少なすぎると耐熱強度等の向上が現
れないことがあり、均一な肉盛りが困難であった。
【0005】そこで、本発明は上記の問題点を有効に解
決するために案出されたものであり、その目的はアルミ
ニウム又はアルミニウム合金の表面の耐熱性及び機械強
度の向上と共に、均一な肉盛りを容易に達成することが
できる新規なアルミニウム又はアルミニウム合金の表面
改質用合金を提供するものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に本発明はアルミニウム又はアルミニウム合金の表面強
化のために、その表面に肉盛り溶接される表面改質用合
金において、Cu5〜33wt%、Ni0.5〜0.1
wt%、B0.005〜0.1wt%又はBとTi、Z
rのうちいずれかの化合物3wt%以下、残部Alから
なる表面改質用合金である。
【0007】以下、各元素の働きとその量について補足
説明を行う。
【0008】Cu(銅)はCuAl2 というCu系の金
属間化合物の析出で機械特性の上昇と耐熱強度の向上に
寄与する。ここでCu量を5〜33wt%に限定した理
由としては、Cu量が33wt%を超えると、Alの固
溶体が極端に少なくなり、CuAl2 の金属間化合物が
多くなり過ぎて脆くかつ溶接工法による表面改質の際、
亀裂が生じ易くなり、反対に5wt%以下では従来のJ
IS−AC5Aと同等で、これ以上の強化が図れず、溶
接工法による表面改質を図る意味が無くなるためであ
る。
【0009】Ni(ニッケル)はNiAl3 ,Ni2
3 ,Cu3 NiAl6 (Y化合物)を析出させ、強度
特性、とりわけ耐熱強度の強化に寄与する。尚、従来の
JIS−AC5A(Y合金)は、このNi系金属間化合
物であるY化合物による強化がメインである。この化合
物を多くし、強度向上を大きくするには上記Cu量があ
る程度(5〜33wt%)の範囲の量が必要となる。N
i量が5wt%を超えるとコスト高となると同時に、溶
接工法による肉盛表面改質時の亀裂発生となる。また、
0.5wt%未満では耐熱強度向上の主因であるY化合
物の析出が期待できない。
【0010】B(硼素)は結晶粒の粗大化を抑える元素
であり、結晶粒を微細化することで析出する金属間化合
物の延性を改善する働きをなす。また、Bの添加量を
0.1〜0.005wt%の範囲に限定した理由として
は0.1wt%を超えると添加量に対する延性改善の効
果が薄く、また0.005wt%以下ではその効果が認
められないからである。また、BとTi、Zrとの複合
添加も同様の効果があり、TiB2 等の化合物の形で添
加してもよい。この場合、3wt%以下に限定したの
は、これ以上添加しても延性の改善が認められないばか
りでなく、コストの上昇を招いてしまうからである。
【0011】
【作用】本発明によれば、上述した各元素の働きによ
り、耐熱強度及び耐摩耗性が向上し、熱応力による割れ
や摩耗が減少する。また、これら各元素を予め上記範囲
内でブレンドすることにより、アルミニウム母材の肉盛
表面改質部に均一に供給されるため、良好な肉盛り表面
改質が行える。
【0012】
【実施例】以下、本発明の実施例を詳述する。
【0013】(実施例1)Cu15wt%、Ni2wt
%、B0.05wt%、残部Alの組成からなる耐熱合
金を溶解にて2mmの板に鋳造した後、これを2mm丸
×30mmに加工し、TIG法によってAC2Bのアル
ミ鋳物の表面にプレート・オン・ビートで溶接肉盛りを
行い、冷却後、この溶接部位から3つの試験片を切り出
し、表1に示すように、それぞれの試験片、及び比較試
験片として従来のAC5Aについて引張強度及び伸びを
測定した。
【0014】
【表1】
【0015】この結果、表1に示すように、比較材(A
C5A)の場合では引張強度及び伸びがそれぞれ221
MPa,4.8%であったのに対し、本発明材では優れ
た引張強度を示し、また伸びの低下が極めて少なかっ
た。さらに、溶接部位を調べても溶接欠陥は殆ど見られ
ず、良好な肉盛り改質を行うことができた。尚、本発明
合金は加工性が悪く、特殊な方法例えば特殊連続鋳造法
等を用いても溶接用の棒またはワイヤーにするには困難
なため、実際の肉盛り溶接に用いる場合には、アトマイ
ズ法等の微粒子製造法で粉末化し、これに外皮と同じ材
質の子粒子をカプセル化し、これをアルミの鞘に充填し
てMIG及びTIG溶接用のワイヤーとする。また、こ
の場合、溶接時に鞘及び子粒子のアルミによる希釈を考
慮し、Cuについては+10%、Niについては+1%
の組成とする必要がある。
【0016】(実施例2)耐熱合金の組成をCu20w
t%、Ni2wt%、B0.05wt%、残部Alと
し、実施例1と同様な方法でその引張試験を行った。
【0017】
【表2】
【0018】この結果、表2に示すように、実施例1と
同様に本発明材では優れた引張強度を示し、また、Cu
量を増やしたのにも拘らず、伸びの低下が少なかった。
【0019】(実施例3)耐熱合金の組成をCu20w
t%、Ni2wt%、TiあるいはZr0.1wt%、
B0.05wt%、残部Alとし、実施例1と同様な方
法でその引張試験を行った。
【0020】
【表3】
【0021】
【表4】
【0022】この結果、表3に示すようにTiを添加し
た場合では上記実施例1.2に比較して特に強度が向上
し、また、表4に示すようにZrを添加した場合では伸
びはやや低下したものの、引張強度は上記実施例1.2
と同様な値を示した。
【0023】
【発明の効果】以上要するに本発明によれば、耐熱強度
及び機械強度が向上し、熱応力による割れや摩耗が減少
する。また、これら各元素を予め上記範囲内でブレンド
することにより、アルミニウム母材の肉盛表面改質部に
均一に供給されるため、良好な肉盛り表面改質が行える
等といった優れた効果を有する。
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成5年12月21日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】特許請求の範囲
【補正方法】変更
【補正内容】
【特許請求の範囲】
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0006
【補正方法】変更
【補正内容】
【0006】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に本発明はアルミニウム又はアルミニウム合金の表面強
化のために、その表面に肉盛り溶接される表面改質用合
金において、Cu5〜33wt%、Ni0.5〜wt
%、B0.005〜0.1wt%又はBとTi、Zrの
うちいずれかの化合物3wt%以下、残部Alからなる
表面改質用合金である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 上村 正 神奈川県藤沢市土棚8番地 株式会社い すゞ中央研究所内 (72)発明者 元吉 正人 神奈川県藤沢市土棚8番地 株式会社い すゞ中央研究所内

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 アルミニウム又はアルミニウム合金の表
    面強化のために、その表面に肉盛り溶接される表面改質
    用合金において、Cu5〜33wt%、Ni0.5〜
    0.1wt%、B0.005〜0.1wt%、残部Al
    からなることを特徴とするアルミニウム又はアルミニウ
    ム合金の表面改質用合金。
  2. 【請求項2】 アルミニウム又はアルミニウム合金の表
    面強化のために、その表面に肉盛り溶接される表面改質
    用合金において、Cu5〜33wt%、Ni0.5〜
    0.1wt%、BとTiあるいはZrの化合物3wt%
    以下、残部Alからなることを特徴とするアルミニウム
    又はアルミニウム合金の表面改質用合金。
JP14078093A 1993-06-11 1993-06-11 アルミニウム又はアルミニウム合金の表面改質用合金 Pending JPH06344182A (ja)

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN103921011A (zh) * 2014-03-31 2014-07-16 安徽维斯佳节能门窗有限公司 一种美式窗焊料及其无缝焊接方法
JP2015518536A (ja) * 2012-03-28 2015-07-02 マーレ インターナショナル ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテルハフツングMAHLE International GmbH アルミニウムピストンの製造方法

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