JPH0634304A - 静電容量型測長器 - Google Patents

静電容量型測長器

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Publication number
JPH0634304A
JPH0634304A JP20703392A JP20703392A JPH0634304A JP H0634304 A JPH0634304 A JP H0634304A JP 20703392 A JP20703392 A JP 20703392A JP 20703392 A JP20703392 A JP 20703392A JP H0634304 A JPH0634304 A JP H0634304A
Authority
JP
Japan
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measurement
electrode
correction
capacitor
core
Prior art date
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Pending
Application number
JP20703392A
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English (en)
Inventor
Atsushi Kanayama
淳 金山
Akio Fujita
暁夫 藤田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Kawaguchiko Seimitsu KK
Original Assignee
Kawaguchiko Seimitsu KK
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Publication date
Application filed by Kawaguchiko Seimitsu KK filed Critical Kawaguchiko Seimitsu KK
Priority to JP20703392A priority Critical patent/JPH0634304A/ja
Publication of JPH0634304A publication Critical patent/JPH0634304A/ja
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  • Measurement Of Length, Angles, Or The Like Using Electric Or Magnetic Means (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 演算回路等の精度の高い電子回路を省くこと
のできる静電容量型測長器を得る。 【構成】 測定リング電極A内に軸方向に移動するスク
リーンを設けると共に測定コア電極Bを設け、その周面
の一部を絶縁部材17を介してシールドリング18でシ
ールドする。また、補正コア電極、基準コア電極とそれ
ぞれ異なる容量を形成する複数個の補正リング電極F1
〜F5 と基準リング電極H1 〜H5 とを設けて補正コア
電極G1 〜G5 、基準コア電極I1 〜I5 を挿通し、各
コア電極に共通に電圧Em を加える。 【効果】 測定範囲が切替点で分割され、各切替点で精
度の補正が行われる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、物体の変位量を静電
容量の変化として検出し、これを電気信号に変換して取
り出すようにした静電容量型測長器に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】図13は従来の静電容量型測長器の検出
器部分を示す構成図である。図13において、1は測定
リング電極、2は測定リング電極1と同軸的に配された
基準リング電極、3は測定リング電極1と基準リング電
極2の中心軸上に共通に配されたコア電極、4はコア電
極3が嵌合されると共に測定リング電極1内で同軸的に
x方向に移動するリング状のスクリーンで電気的に接地
されている。Cm は測定リング電極1、コア電極3及び
スクリーン4で構成される測定キャパシタ、Crは基準
リング電極2とコア電極3とで構成される基準キャパシ
タである。
【0003】次に上記構成による動作について説明す
る。図13に示すように、検出器の要部は、測定キャパ
シタCm 、基準キャパシタCr 、スクリーン4より構成
されていて、測定キャパシタCm と基準キャパシタCr
のコア電極3は共通である。測定キャパシタCm 、基準
キャパシタCr は同じ誘電体で構成されていて、測定キ
ャパシタCm には基準方形波電圧Vr が、基準キャパシ
タCr には測定方形波電圧Vm が印加される。Vr とV
m は同一周波数で互いに逆相の方形波電圧であり、Vr
は一定の変化しない電圧、Vm は可変の電圧である。ス
クリーン4が移動し、Cm のキャパシタンスcm が変化
すると、電子装置(図示せず)により、コア電極3に誘
導されるAC電圧が零となるように、Vm が変化させら
れる。このことは、『Cm にVr を印加したときにCm
に発生する電流ir と、Cr にVm を印加したときにC
r に発生する電流im との和が零となるようにVm を変
化させる。』ことと同等である。これにより次の式が成
り立つ。 cmr +crm =0 Vm =−Vrm /cr ・・・・・(1) (1)式において、Vm とVr は位相差が180度ある
ため、異符号となり、Vr =−Vr1と表わすと、 Vm =Vr1m /cr ・・・・・(2) となる。ここで、Vr1/cr は正の比例定数である。
(2)式は、cm が増加するとVm は増加し、cm が減
少するとVm が減少することを意味しており、cm が減
少するとVm が増加したり、cm が増加するとVm が減
少したりすることは決してないことを意味している。
【0004】図13のxは、スクリーン4の変位を示し
ている。スクリーン4が測定リング電極1内に差し込ま
れて図の右に移動するとき、変位xを正と取れば、cm
は次の式で表わされる。 cm =cm0(1−bx)=−bcm0x+cm0 ・・・・・(3) ここで、cm0はスクリーン4の基準位置の(x=0のと
きの)Cm のキャパシタンスであり、bは正の比例定数
である。(2)式と(3)式より、Vm は次のようなx
の一次式として表わせる。 Vm =−(Vr1bcm0x/cr )+(Vr1m0/cr ) ・・・(4) 比例定数−Vr1bcm0/cr は、必ず負の値であり、x
が増加すると、図14に示すように、Vm は減少し、x
が減少するとVm は増加することになる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】従来の静電容量型測長
器は以上のように構成されているので、上記(4)式か
らも判るように、スクリーン4の変位を測定リング電極
1内に差し込まれる方向を正と取ると、xとVm の増
加、減少の関係は逆となり、xとVm は線形の関係には
あるが比例関係にはない。このため、Vm をxと比例関
係を保ち、かつ比例定数が正となるVm1にさらに変換す
る必要がある。この変換には精度の良い演算回路などの
電子回路を必要とし、電子回路の付加はコストアップに
つながると共に、回路の安定性及び温度特性を低下させ
る要因となる等の問題点があった。
【0006】この発明は上記のような問題点を解消する
ためになされたもので、精度の良い演算回路などの電子
回路を省くことのできる静電容量型測長器を提供するこ
とを目的としている。
【0007】
【課題を解決するための手段】この発明においては、測
定コア電極の一部周面をシールドして測定リング電極に
挿通すると共に、それぞれ異なる厚さを有する複数の補
正リング電極を設け、基準リング電極及び補正リング電
極に上記測定コア電極と共に同一電位に接続されたコア
電極をそれぞれ挿通したものである。
【0008】
【作用】測定リング電極に基準方形波電圧E1 を加え、
補正リング電極に上記基準方形波電圧E1 と逆相の補正
方形波電圧を加えることにより、基準リング電極に測定
コア電極の移動に応じた上記基準方形波電圧E1 と同相
の電圧E3 が得られると共に、測定範囲が各補正リング
電極と対応する切替点で分割され、各切替点で精度の補
正が行われる。
【0009】
【実施例】
実施例1.図1において、Aは測定リング電極、Bは測
定リング電極A内の中心軸上に軸方向に移動可能に配さ
れた円柱状の測定コア電極、12は測定コア電極Bの先
端部に絶縁部材14を介して同軸的に接続されたスピン
ドルで、このスピンドル12の先端が被測定物体(図示
せず)に当接されるように成されている。18は測定コ
ア電極Bのキャパシタが形成されない部分の周面に絶縁
部材17を介して設けられたシールドリング、Sは測定
コア電極Bの端末部、15は測定コア電極Bの後部に一
端を取付けたバネ、16はバネ15の他端が取付けられ
ると共に電圧Em が加えられる電極部材、CA は測定リ
ング電極Aと測定コア電極Bとで構成される測定キャパ
シタ、cA は測定キャパシタCA のキャパシタンスであ
る。
【0010】以上は検出器の構成であり、次に電子装置
内のキャパシタ部分の構成について説明する。後述する
測定範囲の分割数をn=5とすると、キャパシタ部分は
n個の補正キャパシタCF1,CF2,CF3,・・・C
Fnと、1個以上n個以下の基準キャパシタCH1,CH2
H3,・・・CHk(kは1以上n以下の正の整数、ここ
ではk=5)とを有している。各補正キャパシタCF1
F5は円筒状の補正リング電極F1 〜F5 と円柱状の補
正コア電極G1 〜G5 とにより構成され、各基準キャパ
シタCH1〜CH5は円筒状の基準リング電極H1 〜H5
円柱状の基準コア電極I1 〜I5 とにより構成されてい
る。上記測定コア電極Aと各補正コア電極G1 〜G5
各基準コア電極I1 〜I5 とはすべて電気的に共通に導
通している。各補正キャパシタCF1〜CF5の補正リング
電極F1 〜F5 と補正コア電極G1〜G5 の中心軸はほ
ぼ一致していて、補正リング電極F1 〜F5 と補正コア
電極G1 〜G5 のギャップdがそれぞれ異なっている。
各補正キャパシタCF1〜CF5のキャパシタンスcF1〜c
F5はそれぞれ調整ネジ51〜55により調整可能であ
る。各基準キャパシタCH1〜CH5の基準リング電極H1
〜H5 と基準コア電極I1 〜I5 の中心軸も、ほぼ一致
していて各基準キャパシタCH1〜CH5のキャパシタンス
H1〜cH5もそれぞれ調整ネジ71〜75により調整可
能となっている。尚、測定キャパシタCA 、補正キャパ
シタCF1〜CF5、基準キャパシタCH1〜CH5はすべて同
じ誘電体(空気)で構成されている。また、21,24
は検出器と電子装置間の伝送線のシールドである。
【0011】次に、上記構成による動作について図1〜
4と共に説明する。スピンドル12が押し込まれると、
測定コア電極Bが測定キャパシタCA に差し込まれてキ
ャパシタンスcA が変化する。ここでは、スピンドル1
2の押し込まれる方向(測定コア電極Bが測定キャパシ
タCA に差し込まれる方向)、すなわち測定キャパシタ
A のキャパシタンスcA が増加する方向を正としてい
る。また、図2(a)〜(f)に示すように、測定範囲
中にスクリーンの移動位置に対応した切替点が等間隔に
設けられている。測定始点q0 、切替点q1 ,q2,q3
,・・・qn-1 の位置は、スクリーン11を正確に変
位させ、そのときの測定方形波電圧E3 が零となるよう
に各補正キャパシタCF1〜CF5のキャパシタンスを調整
することにより、あらかじめ等間隔Pに設定されてい
る。
【0012】図3は図1に示す各電圧E1 〜E3 及び後
述する電圧E0SC ,E4 の波形を示すタイミングチャー
トである。図3において、基準方形波電圧E1 と補正方
形波電圧E2 は、同一周波数で互いに逆相の方形波電圧
であり、基準方形波電圧E1と測定方形波電圧E3 は同
一周波数で同相の方形波電圧である(E2 とE3 の関係
は、同一周波数で逆相の方形波電圧となる)。基準方形
波電圧E1 、補正方形波電圧E2 は一定の変化しない電
圧で測定方形波電圧E3 は可変の電圧である。図4は測
定始点q0 、切替点q1 〜q5 と測長器の表示値yとの
関係を示す。
【0013】測定コア電極Bの端末部Sが測定始点q0
より第1の切替点q1 まで変位するときの測定は、測定
リング電極Aに基準方形波電圧E1 が印加され、第1の
補正リング電極F1 にE1 と同一周波数で逆相の補正方
形波電圧E2 が印加され、さらに第1の基準リング電極
1 には基準方形波電圧E1 と同一周波数で逆相の測定
方形波電圧E3 が印加される。補正方形波電圧E2 又は
測定方形波電圧E3 の印加されていない補正リング電極
及び基準リング電極は電気的に接地されている。スピン
ドル12が移動し、スピンドル12と一体的に取り付け
られた測定コア電極Bの端末部Sが測定始点q0 より移
動すると、測定キャパシタCA のキャパシタンスcA
変化する。このとき電子装置が働き、コア電極(測定コ
ア電極、補正コア電極、基準コア電極)に誘導されるA
C電圧が零となるように、E3 が変化させられる。即
ち、CA に流れる電流をiA とし、CF1に流れる電流を
F1とし、CH1に流れる電流をiH1とすれば、次式が満
足させられるようにE3 は変化させられる。 iA +iF1+iH1=0 ・・・・・(5) CA のキャパシタンスをcA とし、CF1のキャパシタン
スをそれぞれcF1とし、CH1のキャパシタンスをcH1
すると、(5)式は次のように表わせる。 cA1 +cF12 +cH13 =0 したがってE3 は次式のようになる。 E3 = −(cA1 +cF12 )/cH1 ・・・・・(6) E3 とE1 は逆相の方形波電圧で、E3 とE2 は同相の
方形波電圧であるので、E11=−E1 と置き換えて、
(6)式を書き換えるとE3 は次式のようになる。 E3 = (cA11−cF12 )/cH1 ・・・・・(7)
【0014】スピンドルが検出器内に押し込まれる方向
(測定コア電極が測定リング電極に差し込まれる方向)
を正として変位x1 を表わし、x1 =0のCA のキャパ
シタンスをc0 とすると、cA は次式で表わすことがで
きる。 cA =c0 (1+a11 ) ・・・・・(8) ここで、a1 は測定始点q0 と切替点q1 の間で測定リ
ング電極Aと測定コア電極Bのキャパシタを形成する部
分の幾何学的寸法によって定まる正の値である。(7)
式に(8)式を代入すると、 E3 =(c01111 /cH1)+(c011−cF12 )/cH1 ・・・・・(10) と表わせ、 α1 =c0111/cH1,β1 =(c011−cF12 )/cH1 ・・・・・(11) とおくと、(10)式は次のように変形される。 E3 =α11 +β1 ・・・・・(12) E2 又はcF1がcF1|E2 |=c0 |E1 |、即ち、c
F12 =c011となるようにあらかじめ調整されてい
るのでβ1 =0となり、E3 は次式で表わすことができ
る。 E3 =α11 =c01111 /cH1 ・・・・・(13) 比例定数α1 は正の値であるので、E3 とx1 の関係
は、次のように言い表わすことができる。x1 が増加す
ると、E3 はx1 に正比例して増加し、x1 が減少する
と、E3はx1 に正比例して減少する。また、x1 =0
のとき、E3 =0となる。なお、α1 はあらかじめ基準
値α0 と等しくなるように基準キャパシタCH1のキャパ
シタンスcH1の調整により調整されているので、(1
3)式は、 E3 =α01 ・・・・・(14) と表わすことができる。
【0015】E3 は電子装置(図示せず)によりγ倍
(1/α0 倍)され測長値に換算される。そして測長器
は表示値γE3 、即ち『x1 』を表示する。(10)式
において、E3 はc0 /cH1,cF1/cH1と言うキャパ
シタンスの比で構成されているので、CA ,CF1,CH1
が同一誘電体で構成されていれば、誘電率の影響は全く
受けない。cF1|E2 |≠c0 |E1 |のときは、β1
は零でない定数となり、E3 はβ1 増加し、長さ表示値
は見掛け上、x1 =0の点がγβ1 、即ちβ1 /α0
けマイナス側に移動する。cF1|E2 |=c0 |E1
の関係は、cF1を調整して保たれても良く、E2を調整
して保たれても良く、E2 及びcF1の両者を調整して保
たれてもよいが、補正キャパシタ、基準キャパシタを検
出器内に設置して検出器に互換性を持たせる場合は、c
F1を調整して保たれることが必要である。cF1の調整
は、補正キャパシタCF1の調整ネジ51により行われて
いる。
【0016】一般に、E2 の調整には、温度特性良好な
ポテンショメータなどの電気部品が用いられるが、温度
が変化しても全く変化しないと言うものではないため、
温度特性良好なることを非常に要求される場合は、ポテ
ンショメータなどの電気部品なしが好ましい。補正キャ
パシタを設けたことにより、ポテンショメータなどの電
気部品なしでのx1 =0の点の調整を可能としている。
α1 の調整は基準キャパシタCH1の基準リング電極H1
の調整ネジ71でキャパシタンスcH1を調整することに
より行われる。測定コア電極Bの端末部Sが切替点q1
に達すると電子装置に内蔵されたカウンタが1つカウン
トアップされる。カウンタのカウント値は電子装置によ
りδ倍され、測長値に換算されて、測長器は表示値
『δ』を表示する。これと同時に、基準方形波電圧E1
と同一周波数で逆相の補正方形波電圧E2が、第1の補
正リング電極F1 から第2の補正リング電極F2 に切替
えて印加され、基準方形波電圧E1 と同一周波数で逆相
の測定方形波電圧E3 は、第1の基準リング電極H1
ら第2の基準リング電極H2 に切替えて印加される。補
正方形波電圧E2 または測定方形波電圧E3 の印加され
ていない補正リング電極及び基準リング電極は電気的に
接地されている。なお、基準方形波電圧E1 は測定リン
グ電極Aに印加されたまま保たれる。
【0017】測定コア電極Bの端末部Sが切替点q1
りq2 に向かって移動すると、測定始点q0 〜切替点q
1 のときと同様に、測定キャパシタCA のキャパシタン
スcA が変化する。このとき電子装置が働き、コア電極
(測定コア電極、補正コア電極、及び基準コア電極)に
誘導されるAC電圧が零となるように、E3 が変化させ
られる。即ち、CA に流れる電流をiA とし、CF2に流
れる電流をそれぞれiF2とし、CH2に流れる電流をiH2
とすれば、次式が満足させられるようにE3 は変化させ
られる。 iA +iF2+iH2=0 ・・・・・(15) CA のキャパシタンスをcA とし、CF2のキャパシタン
スをcF2とし、CH2のキャパシタンスをcH2とすると、
(15)式は次のように表わせる。 cA1 +cF22 +cH23 =0 従って、E3 は次式のようになる。 E3 =−(cA1 +cF22 )/cH2 ・・・・・(16) q0 〜q1 のときと同様に、E11=−E1 と置き換え
て、(16)式を書き換えると、E3 は次式のようにな
る。 E3 =(cA11+cF22 )/cH2 ・・・・・(17) 切替点q1 からの測定コア電極Bの端末部Sの変位をx
2 とし、変位x2 の正の方向を、q0 〜q1 と同じ方向
(測定コア電極が測定リング電極に差し込まれる方向)
とし、切替点q1 (x2 =0の点)の測定キャパシタC
A のキャパシタンスをc1 とすると、cA は次式で表わ
すことができる。 cA =c1 (1+a22 ) ・・・・・(18) ここで、a2 は測定始点q1 と切替点q2 の間で測定リ
ング電極Aと測定コア電極Bのキャパシタを形成する部
分の幾何学的寸法によって定まる正の値である。(1
7)式に(18)式を代入し、q0 〜q1 と同様に、 α2 =c1112/cH2 ,β2 =(c111−cF22 )/cH2 ・・・・・(19) とおくと、(18)式は次のようになる。 E3 =α22 +β2 ・・・・・(20) E2 又はcF2がcF2|E2 |=c1 |E1 |、即ち、c
F22 =c111となるようにあらかじめ調整されてい
るので、β2 =0となり、E3 はq0 〜q1 と同様な次
式で表わすことができる。 E3 =α22 =c11122 /cH2 ・・・・・(21) 比例定数α2 は正の値であるので、E3 とx2 の関係
は、次のように言い表わすことができる。x2 が増加す
ると、E3 はx2 に正比例して増加し、x2 が減少する
と、E3はx2 に正比例して減少する。また、x2 =0
のとき、E3 =0となる。なお、あらかじめα2 は基準
値α0 と等しくなるように基準キャパシタCH2のキャパ
シタンスcH2の調整により調整されているので、(2
1)式は、 E3 =α02 ・・・・・(22) と表わすことができる。
【0018】そして測長器は、表示値γE3 +δ、即ち
『x2 +δ』を表示する。cF2|E2 |=c1 |E1
の関係は、cF2を調整することによって保たれ、cF2
補正キャパシタCF2の調整ネジ52により調整されてい
る。α2 の調整は基準キャパシタCH2の基準リング電極
2 の調整ネジ72でキャパシタンスcH2を調整するこ
とにより行われる。(21)式において、E3 はc1
H2,cF2/cH2というキャパシタンスの比で構成され
ているので、CA ,CF2,CH2が同一誘電体で構成され
ていれば、誘電率の影響は全く受けない。
【0019】測定コア電極Bの端末部Sが切替点q2
達すると電子装置に内蔵された(図示せず)カウンタが
さらに1カウント、カウントアップされ、測長器は表示
値『2δ』を表示する。これと同時に、基準方形波電圧
1 と同一周波数で逆相の補正方形波電圧E2が、第2
の補正リング電極F2 から第3の補正リング電極F3
切替えて印加され、さらに基準方形波電圧E1 と同一周
波数で逆相の測定方形波電圧E3 が、第2の基準リング
電極H2 から第3の基準リング電極H3 に切替えて印加
される。E2 またはE3 の印加されていない補正リング
電極及び基準リング電極は電気的に接地されている。な
お、基準方形波電圧E1 は測定リング電極Aに印加され
たまま保たれる。
【0020】測定コア電極Bの端末部Sの先端が切替点
2 よりq3 に向かって移動すると、切替点q1 〜q2
のときと同様に、測定キャパシタCA のキャパシタンス
Aが変化する。このとき電子装置が働き、コア電極
(測定コア電極、補正コア電極、及び基準コア電極)に
誘導されるAC電圧が零となるように、測定方形波電圧
3 が変化させられる。そして、切替点q1 〜q2 のと
きと同様に、切替点q2からの変位をx3 と表わし、変
位x3 の方向を切替点q0 〜q1 と同じ方向とし、切替
点q2 (x3 =0の点)の測定キャパシタCA のキャパ
シタンスをc2 と表わし、そして補正キャパシタCF3
キャパシタンスcF3がcF3|E2 |=c2|E1 |とな
るように補正キャパシタCF3の調整ネジ53によりあら
かじめ調整されていれば、測定方形波電圧E3 は切替点
1 〜q2 と同様に次式で表わされる。 E3 =α33 ・・・・・(23) ここで、 α3 =c21133 /cH3 ・・・・・(24) であり、a3 は測定始点q2 と切替点q3 の間で測定リ
ング電極Aと測定コア電極Bのキャパシタを形成する部
分の幾何学的寸法によって定まる正の値である。切替点
1 〜q2 と同様にα3 =α0 となるように基準キャパ
シタCH3のキャパシタンスcH3は調整ネジ73によりあ
らかじめ調整されている。そして、測長器は表示値γE
3 +2δ、即ち『x3 +2δ』を表示する。
【0021】切替点q3 以後も同様にして、変位に比例
した(比例定数α0 の)測定方形波電圧E3 が得られ
る。切替点q3 以後、測長器は切替点q3 ,q4 では、
表示値『3δ』,『4δ』を表示し、q3 〜q4 ,q4
〜q5 (q5 は測定終点)では、表示値『x4 +3
δ』,『x5 +4δ』を表示する。切替点の数は実施例
では4であるがこの数以上でもこの数以下でも差し支え
ない。
【0022】スピンドル12が検出器から抜け出る方
向、即ち測定コア電極の端末部Sが測定キャパシタから
抜け出る方向に移動するとき、各切替点ではカウンタが
1つカウントダウンされ、それと同時に補正方形波電圧
2 、測定方形波電圧E3 は測定コア電極が差し込まれ
る方向のとき各切替点間で印加されたのと同じ補正リン
グ電極、基準リング電極に印加される。そして測定コア
電極の端末部Sが同一位置にあれば測定コア電極Bが差
し込まれた場合と同じ表示値を示す。測定始点q0 、切
替点q1 ,q2 ,q3 ,q4 の位置は測定コア電極Bの
端末部Sを正確に変位させることによって得ており、こ
れらの位置で補正キャパシタが調整される。q0 ,q
1 ,q2 ,q3 ,q4 の間隔は正確に等間隔ピッチPで
ある。
【0023】基準キャパシタ、補正キャパシタの調整は
次の手順で行う。まず、測定コア電極Bの端末部Sを測
定始点q0 に正確に変位させ、補正方形波電圧E2 が補
正キャパシタCF1に、測定方形波電圧E3 が基準キャパ
シタCH1に印加されるようにして、この位置で測長器の
表示値が零となるように、すなわち測定方形波電圧E3
が零となるように補正キャパシタCF1を調整ネジ51に
より調整し、そして測定始点q0 より切替点q1 の方向
に測定コア電極の端末部SをピッチPよりわずかに少な
い寸法P1 変位させ、測長器の表示値が『P1 』となる
ように基準キャパシタCH1を調整ネジ71により調整す
る。次に、測定コア電極Bの端末部Sを測定始点q0
らピッチP正確に変位させ(切替点q1 に正確に変位さ
せ)、補正方形波電圧E2 が補正キャパシタCF2に、測
定方形波電圧E3 が基準キャパシタCH2に印加されるよ
うにして、この位置で測長器の表示値が『δ』となるよ
うに、すなわち測定方形波電圧E3 が零となるように補
正キャパシタCF2を調整ネジ52により調整し、そして
測定コア電極Bの端末部Sを切替点q1 よりq2 の方向
にピッチPよりわずかに少ない寸法P2 変位させ、測長
器の表示値が『δ+P4 』となるように基準キャパシタ
H2を調整ネジ72により調整する。
【0024】次に、測定コア電極Bの端末部Sを切替点
1 からピッチP正確に変位させ(切替点q2 に正確に
変位させ)、補正方形波電圧E2 が補正キャパシタCF3
に、測定方形波電圧E3 が基準キャパシタCH3に印加さ
れるようにして、この位置で測長器の表示値が『2δ』
となるように、すなわち測定方形波電圧E3 が零となる
ように補正キャパシタCF3を調整ネジ53により調整
し、そして測定コア電極Bの端末部Sを切替点q2 より
3 の方向にピッチPよりわずかに少ない寸法P3 変位
させ、測長器の表示値が『2δ+P3 』となるように基
準キャパシタCH3を調整ネジ73により調整する。さら
に、測定コア電極Bの端末部Sを切替点q2 からピッチ
P正確に変位させ(切替点q3 に正確に変位させ)、補
正方形波電圧E2 が補正キャパシタCF4に、測定方形波
電圧E3 が基準キャパシタCH4に印加されるようにし
て、この位置で測長器の表示値が『3δ』となるよう
に、すなわち測定方形波電圧E3 が零となるように補正
キャパシタCF4を調整ネジ54により調整し、そして測
定コア電極Bの端末部Sを切替点q3 よりq4 の方向に
ピッチPよりわずかに少ない寸法P4 変位させ、測長器
の表示値が『3δ+P4 』となるように基準キャパシタ
H4を調整ネジ74により調整する。
【0025】そして最後に、測定コア電極Bの端末部S
を切替点q3 からピッチP正確に変位させ(切替点q4
に正確に変位させ)、補正方形波電圧E2 が補正キャパ
シタCF5に、測定方形波電圧E3 が基準キャパシタCH5
に印加されるようにして、この位置で測長器の表示値が
『4δ』となるように、すなわち測定方形波電圧E3
零となるように補正キャパシタCF5を調整ネジ55によ
り調整し、そして測定コア電極Bの端末部Sを切替点q
4 より測定終点q5 の方向に測定終点q5 直前までP5
変位させ、測長器の表示値が『4δ+P5 』となるよう
に基準キャパシタCH5を調整ネジ75により調整する。
【0026】実施例2.図5は補正キャパシタCF1〜C
F5及び基準キャパシタCH1〜CH5を検出器内に設けた場
合の実施例であり、図1と対応する部分には同一符号が
付されている。22はシールドを示す。
【0027】実施例3.図6は電子装置内において、補
正キャパシタCF1〜CF5を絶縁材61〜64を介して一
体化すると共に、1個の基準キャパシタCH0設け、それ
らに共通のコア電極Gを設けたものである。70は調整
ネジである。
【0028】実施例4.図7は図6のキャパシタの構造
を検出器に設けた場合を示す。
【0029】実施例5.図8は上記実施例1〜4とは異
なる補正キャパシタ、基準キャパシタの実施例であり、
リング電極81、コア電極82、絶縁部材83より構成
されている。リング電極81には絶縁部材83が固着さ
れていて、絶縁部材83には雌ネジが設けられており、
この雌ネジにはコア電極の雄ネジ部が嵌合され、キャパ
シタンスの調整はコア電極を回転させることにより行わ
れる。リング電極とコア電極の中心軸はほぼ一致してい
る。
【0030】以上説明した実施例1〜5によれば、測定
範囲の分割数をnとすると、測定範囲を分割しない場合
に比較し、単位測定長さ当たりの基準方形波電圧E1
n倍となり、測定方形波電圧E3 も単位測定長さ当たり
n倍となるため、n倍の測定感度の向上がはかれる。各
キャパシタを構成するリング電極とコア電極の中心軸は
ほぼ一致している。このため衝撃などにより、リング電
極、コア電極の中心軸が僅かに動き、中心軸同志の距離
が僅かに変化しても、測定方形波電圧E3 にはほとんど
影響を与えない(中心軸同志が一致している場合は、中
心軸同志がズレている場合よりも、中心軸同志のズレ量
の影響は小さい)。測定コア電極は略円筒状で、スピン
ドルの中心軸にほぼ一致して絶縁部材を介してスピンド
ルに固定されており、この中心軸は測定リング電極の中
心軸とも一致している。さらに、スピンドルの変位方向
はこの中心軸と一致しているため、スピンドルとスピン
ドルの軸受に生じるラジアル方向のガタの影響をほとん
ど無くすことができる。さらに、スピンドルの軸受け
に、ボールリテーナを用い、予圧状態としておけば、ス
ピンドルのガタを零とすることができ、スピンドルのガ
タの影響を全く無くすことができる。
【0031】測定リング電極と測定コア電極の円筒度、
真円度等の幾何学的寸法精度が良好なる場合は、基準キ
ャパシタの数は、共用使用することにより分割数よりも
少なくすることができ、基準キャパシタの数を減らすこ
とによるコストダウンがはかれる。当然この場合でもそ
れぞれの切替点間では決まった基準キャパシタが対応し
て使用される。図6及び図7の実施例3,4は基準キャ
パシタCH0を1個としたものである。このように、各コ
ア電極を一体化することにより、コア電極の数が減るこ
とによるコストダウンがはかれると共に、コア電極間の
接続を無くすことによるコストダウンもはかれる。キャ
パシタCA ,CF1,CF2,CF3,・・・、CH1,CH2
H3,・・・のリング電極及びコア電極の材質を同一と
することにより、上記部品の熱膨張も同一となり、温度
変化によるキャパシタンスのアンバランスを防止でき、
測長器の温度性能の向上がはかれる。
【0032】図5,図7のように、検出器内に補正キャ
パシタ、基準キャパシタを設けた場合は、各基準キャパ
シタのキャパシタンスの調整が調整ネジにより検出器内
で可能となり、各検出器のα0 を一致させることがで
き、さらに補正キャパシタCF1のキャパシタンスcF1
調整が調整ネジにより検出器内で可能となるため、検出
器全体を移動することなく、検出器側でx1 =0の点の
調整が可能となり、どの検出器も測定原点までをも一致
させて互換性をもたせることができる。
【0033】次に、各電圧E1 〜E3 ,Em 等を得るた
めの電圧発生回路の実施例を図9〜図12について説明
する。図9において、発振器30は水晶式でもCR式で
もよく、水晶式の場合、一般に高周波となるため、分周
器(図示せず)を用いて希望の周波数とする。基準方形
波電圧E1 はDC電圧Er と接地レベルとの間を発振器
の出力電圧E0SC で制御される電子スイッチ31で切り
替えることによって得ていて、補正方形波電圧E2 はD
C電圧−Er と接地レベルとの間をE0SC で制御される
電子スイッチ32で切り替えることによって得ている
(E1 ,E2 の位相関係は図10参照)。DC電圧−E
r はこれと異なるDC電圧でもよい。E4 は、帰還電圧
m 又はEm1を入力増幅器により増幅したAC電圧であ
る。図10のように、E4 はE0SC の半周期ごと
(t11,t12,t13及びt21,t22,t23・・・ごと)
に復調され、差動積分器に入力される。復調された信号
が零と異なると、差動積分器の出力DC電圧E0 は、復
調された電圧の振幅及び極性の関数として差動積分器へ
の入力が零に達するまで変化する。
【0034】測定方形波電圧E3 は、E0 と一定電圧
(図9の実施例では接地レベル)との間をE0SC で電子
スイッチを切り替えることにより得られる。したがっ
て、E0と同様にE3 も差動積分器への入力が零に達す
るまで変化する。このようにして得られたE3 は、前述
したように各切替点の間で測定コア電極Bの端末部Sの
変位に比例する。E4 には望ましくない結合及び時間遅
延により過渡状態が現れ、この過渡状態は方形波の切り
替え点(側面)で発生し、ある時間の後、減衰する。こ
の過渡状態は出力DC電圧E0 の安定性を低下させて測
定方形波電圧E3 の安定性を低下させ、そして測長器の
指示の安定度を低下させる。このため安定度を非常に必
要とする測長器では過渡状態の影響を無くす配慮が必要
である。この過渡状態は入力増幅器と復調器の間に過渡
抑制器を設けることにより、取り除くことができ安定度
の良いE3 を得ることができる。
【0035】図11は過渡抑制器を設けた場合の実施例
で、この実施例のE0SC ,E1 ,E2 ,E3 ,E4 のタ
イミングは図3に示されている。図11において、発振
器30は水晶式でもCR式でもよく、一般に水晶式の場
合高周波となるため、分周器(図示せず)を用いて希望
の周波数とする。E1 はDC電圧Er と接地レベルとの
間をE0SC 、時間遅延回路37、及び周波数を1/2に
する周波数分周回路38で制御される電子スイッチ31
により切り替えることによって得ている。E2はDC電
圧−Er と接地レベルとの間をE0SC 、時間遅延回路3
7及び周波数を1/2にする周波数分周回路38で制御
される電子スイッチ32により得ている。DC電圧−E
r はこれと異なるDC電圧でもよい。過渡抑制器は、最
も簡単な場合、電子スイッチで、発振器のクロック信号
0S C の1周期ごとに、過渡状態でない部分(t01〜t
02,t11〜t12,t21〜t22,・・・)のみを通過させ
る。この過渡状態のない信号が復調器に入力され、E0S
C の1周期ごと(t0 ,t2 ,t4 ,・・・及びt1
3 ,t5 ,・・・ごと)に復調され、差動積分器に入
力される。復調された信号が零と異なると、差動積分器
の出力DC電圧E0 は、復調された電圧の振幅及び極性
の関数として差動積分器への入力が零に達するまで変化
する。E3 は、E0 と一定電圧(図11の実施例では接
地レベル)との間をE0SC 、時間遅延回路37、及び周
波数を1/2にする周波数分周回路38で制御される電
子スイッチ36により得られる。したがって、E0 と同
様にE3 も差動積分器への入力が零に達するまで変化す
る。このようにして得られたE3 は、各切替点の間で測
定コア電極Bの端末部Sの変位に比例し、かつE4 の過
渡状態の影響は全く受けない。基本的には、コア電極に
誘導される帰還電圧Em は、励起用方形波電圧E1 ,E
2 ,E3 の影響を受けないようにする必要があり、また
1 ,E2 ,E3 も互いに影響しあわないようにする必
要がある。そのため、検出器と電子装置を結ぶ線は、実
施例ではシールドされている。
【0036】検出器内に補正キャパシタ、基準キャパシ
タを配した場合、帰還電圧Em の導かれる線のシールド
の簡略化は、次に述べる方法で可能である。検出器内に
おいて、コア電極(測定コア電極又は補正コア電極又は
基準コア電極)にインピーダンス変成器の入力側と放電
用抵抗の一方側を接続し、放電用抵抗のもう一方側は接
地し、インピーダンス変成器の出力側は電子装置の入力
増幅器に接続する(入力増幅器は、電流電圧変換回路の
ような入力インピーダンスの小さな回路構成とすること
が当然必要である)。これにより、インピーダンス変成
器と入力増幅器の間のインピーダンスを小さくすること
ができ、シールドを簡略化でき、高感度、高精度を要求
されない場合は、E1 ,E2 ,E3 ,Em1の導かれる線
を1本ずつでなくまとめてシールドすることで置き換え
ることも可能となる。しかし、高感度、高精度を要求さ
れる場合には、E1 ,E2 ,E3 ,Em1の導かれる線の
1本ずつのシールドを併用することにより、より安定し
たものとすることができる。
【0037】図12は、検出器内にインピーダンス変成
器26とキャパシタンスの放電用抵抗27を付加した場
合の実施例を示す。インピーダンス変成器26の入力側
と放電用抵抗27の一方側を測定コア電極又は補正コア
電極又は基準コア電極に接続し、インピーダンス変成器
26の出力側を電子装置に接続し、放電用抵抗27のも
う一方側を接地する。
【0038】
【発明の効果】測定コア電極の一部周面をシールドして
測定リング電極に移動可能に挿通すると共に、補正コア
電極、基準コア電極とそれぞれ異なる容量を形成する複
数の補正リング電極を同軸的に設け、測定リング電極、
基準リング電極及び補正リング電極に同一電位のコア電
極を挿通する構成としたので、次の効果が得られる。 (1)スピンドル(測定コア電極)の変位量は、スピン
ドルが検出器内に押し込まれる方向(測定コア電極が測
定キャパシタに差し込まれる方向)を正とすると、測定
方形波電圧E3 に正比例し、比例定数は正の値となり、
従来例(E3 とスクリーンの変位は線形の関係にはある
が正比例せず、比例定数は負である)に必要となる演算
回路等の電子回路を不要としている。このような電子回
路がなくなることにより、この回路の安定度の影響、及
び温度特性の影響が排除でき、測長器の安定度及び温度
性能が向上する。また、コストダウンともなる。 (2)補正キャパシタと、補正キャパシタのキャパシタ
ンス調整用の調整ネジを設けることにより、検出器の零
点調整がポテンショメータ等の電気部品なしでも行うこ
とが可能となり、ポテンショメータ等の電気部品の安定
度及び温度特性の影響が排除でき、測長器の安定度及び
温度性能の向上がはかれる。 (3)検出器内に補正キャパシタ、基準キャパシタを設
けた場合、基準キャパシタと補正キャパシタに、キャパ
シタンス調整用の調整ネジをそれぞれ設けることによ
り、異なる検出器を共通の電子装置に、測定原点までを
も一致させて、校正し直すことなく接続することが可能
となった(検出器全体を移動することなく、検出器側で
零点調整ができるため、機械類に取り付けて使用する場
合の機械側に設けられる微動の零点調整装置を不要とす
ると共に、1つの電子装置に多数の検出器を切り替え使
用することを可能とした)。
【0039】(4)測定方形波電圧E3 は、キャパシタ
ンスの比で構成されるため、3個のキャパシタの誘電体
を同一とすれば、誘電率の影響を全く受けない。誘電率
の変化に起因する校正又は補正が不要となる。 (5)測定範囲中に切替点を設けることにより測定範囲
が分割され、各切替点での精度の補正が可能となり、測
定リング電極、測定コア電極の円筒度、真円度等の寸法
精度の向上なしに測定精度の向上がはかれる。 (6)測定範囲中に切替点を設けることにより測定範囲
が分割され、この分割数をnとすると、切替点を設けな
かった場合に比較してn倍の感度の向上がはかれる。 (7)測定リング電極、測定コア電極、スピンドルの中
心軸をほぼ一致させ、さらに各補正キャパシタ、各基準
キャパシタのリング電極とコア電極の中心軸をほぼ一致
させることにより、リング電極とコア電極の中心軸同志
の距離が僅かに変化しても、測定方形波電圧への影響を
非常に小さくできる(中心軸同志の距離の変化量が同じ
でも、初期の中心軸のズレが大きいほど影響は大き
い)。 (8)スピンドルの軸受けに、ボールリテーナを用い、
予圧状態としておけば、スピンドルのガタを零とするこ
とができ、スピンドルのガタの影響を無くすことができ
る。
【0040】(9)キャパシタCA ,CF1,CF2
F3,・・・、CH1,CH2,CH3,・・・のリング電極
及びコア電極の材質を同一とすることにより、上記部品
の熱膨張も同一となり、温度変化によるキャパシタンス
のアンバランスを防止でき、検出器の温度性能の向上が
はかれる。 (10)入力増幅器と復調器の間に過渡抑制器を設ける
ことにより、過渡状態のない信号が復調器に入力でき、
0 ,E3 の安定度が向上し、測長器の安定度が向上す
る。 (11)検出器内に基準キャパシタ、補正キャパシタを
設けた場合、検出器内にインピーダンス変成器と放電用
抵抗を設けることにより、高感度、高精度を要求されな
い場合は、E1 ,E2 ,E3 ,Em1の導かれる線を1本
ずつでなく、まとめてシールドすることで置き換えるこ
とができる。高精度、高感度を要求される場合は、1本
ずつのシールドも併用することにより、より安定したも
のとすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の実施例1を示す構成図である。
【図2】動作を示す構成図である。
【図3】動作を示すタイミングチャートである。
【図4】測長器の表示値と切替点との関係を示す特性図
である。
【図5】この発明の実施例2を示す構成図である。
【図6】この発明の実施例3を示す構成図である。
【図7】この発明の実施例4を示す構成図である。
【図8】この発明の実施例5を示す構成図である。
【図9】電圧発生回路の実施例を示す構成図である。
【図10】同回路の動作を示すタイミングチャートであ
る。
【図11】同回路の他の実施例を示す構成図である。
【図12】検出器に設けられる回路の実施例を示す構成
図である。
【図13】従来の静電容量型測長器を示す構成図であ
る。
【図14】動作を示す特性図である。
【符号の説明】
A 測定リング電極 B 測定コア電極 F1 〜F5 補正リング電極 H1 〜H5 基準リング電極 G1 〜G5 補正コア電極 I1 〜I5 基準コア電極 G コア電極 17 絶縁部材 18 シールドリング 81 リング電極 82 コア電極

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 測定リング電極と、上記測定リング電極
    内で軸方向に移動可能に配された測定コア電極と、上記
    測定コア電極の一部周面に絶縁部材を介して設けたシー
    ルドリングと、同軸的に配され補正コア電極、基準コア
    電極とそれぞれ異なる容量を形成する複数の補正リング
    電極と、基準リング電極と、上記補正リング電極及び基
    準リング電極内にそれぞれ挿通され上記測定コア電極と
    共に同一電位に接続されるコア電極とを備えた静電容量
    型測長器。
JP20703392A 1992-07-13 1992-07-13 静電容量型測長器 Pending JPH0634304A (ja)

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