JPH05113304A - 静電容量型測長器 - Google Patents

静電容量型測長器

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JPH05113304A
JPH05113304A JP30251891A JP30251891A JPH05113304A JP H05113304 A JPH05113304 A JP H05113304A JP 30251891 A JP30251891 A JP 30251891A JP 30251891 A JP30251891 A JP 30251891A JP H05113304 A JPH05113304 A JP H05113304A
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JP
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electrode
measurement
voltage
square wave
core
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Application number
JP30251891A
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English (en)
Inventor
Atsushi Kanayama
淳 金山
Akio Fujita
暁夫 藤田
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Kawaguchiko Seimitsu KK
Original Assignee
Kawaguchiko Seimitsu KK
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Publication date
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  • Measurement Of Length, Angles, Or The Like Using Electric Or Magnetic Means (AREA)
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 この発明は、静電容量型測長器の測定範囲を
分割して測定精度の向上と測定感度の向上を図る。 【構成】 測定リング電極Aとこれと中心軸を一致させ
且つ軸に沿ってスラスト方向に変位可能に装架した測定
コア電極Bとを設ける。また、補正リング電極とこれと
中心軸を一致させた補正コア電極、及び基準リング電極
とこれと中心軸を一致させた基準コア電極を有し、これ
らが補正キャパシタ群及び基準キャパシタ群を形成す
る。別に設けた電子装置により各コア電極に発生する帰
還電圧Emが零となるように測定及び補正リング電極に
基準及び補正方形波電圧E2、E3をそれぞれ印加す
る。測定コア電極の変位量をその変位に正比例する電圧
E3から求め、電気信号に変換する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は機械的な変位量を静電
容量の変化量として電機信号に変換する測長器に関し、
特に測定範囲を分割して各分割点で補正を行ない測定精
度、及び測定感度の向上を図ると共に電極間の誘電体の
誘導率の変動の影響を可及的に減ずるようになした静電
容量型測長器に係る。
【0002】
【従来の技術】従来この種の静電容量型測長器としては
図13に示すような構造を有するものがあり、この測長
器の要部は円筒状の測定電極1と基準電極2と、この電
極1、2内に同心状に配置された円柱状の共通のコア電
極3と、電極1とコア電極3との間を中心軸に沿って移
動する円筒状のスクリーン4とから構成されている。こ
の電極1、2にはそれぞれ基準方形波電圧Vrと測定方
形波電圧Vmが印加されている。この電圧Vr、Vmは
同一周波数で位相差180度(逆相)の方形波電圧であ
り、電圧Vrは一定で電圧Vmは可変である。このよう
な構成の測長器の検出部において、電極1とコア電極3
との間には測定キャパシタCm(キャパシタンスCm)が
形成され、電極2とコア電極3との間には基準キャパシ
タCr(キャパシタンスCr) が形成される。この測長器
はスクリーン4が変位して測定キャパシタCmのキャパ
シタンスCmが変化すると、コア電極3に誘導されるAC
電圧が零となるように電子装置により測定方形波電圧V
mが変化される。即ちこれは測定キャパシタCmに基準
方形波電圧Vrを印加することによりコア電極3に発生
する電流irと、基準キャパシタCrに測定方形波電圧
Vmを印加することによりコア電極3に発生する電流i
mとの和が零となるように測定方形波電圧Vmを変化さ
せることである。
【0003】上記した関係から(1)式が成り立ち、
(1)式において電圧Vm、Vrはその位相差が180
度(逆相)であるため異符号となりVr=−Vr’と表
すると(2)式となる。 CmVr+CrVm=0、Vm=−VrCm/Cr …(1) Vm=Vr’Cm/Cr …(2) (2)式において、比例定数Vr’/Crは正となり測定
キャパシタCmのキャパシタンスCmと測定方形波電圧V
mとの関係はキャパシタンスCmが増加すると電圧Vmも
増加し、またキャパシタンスCmが減少すると電圧Vmが
減少する。図13において、スクリーン4を電極1内に
差し込むよう移動(図中右方向に移動)させたときの変
位Xを正とするとき測定キャパシタCmのキャパシタン
スCmは(3)式で表される。尚、C0はスクリーン4が基
準位置(X=0)にあるときの測定キャパシタCmのキ
ャパシタンスを表すものであり、bは正の比例定数であ
る。ここで測定方形波電圧Vmは(2)、(3)式よ
り、変位Xの一次式として(4)式の如く表すことがで
きる。 Cm=C0(1−bX)、Cm=−bC0X+C0 …(3) Vm=−(Vr’bC0X/Cr)+(Vr’C0/Cr) …(4) (4)式に示すように比例定数−Vr’bC0/Crは必ず
負の値となり、これにより図14に示すとおり変位Xが
増加すると測定方形波電圧Vmは減少し、変位Xが減少
すると、その電圧Vmは増加することになる。このよう
にスクリーン4の変位Xを電極1内に差し込む方向を正
とすると、変位Xと測定方形波電圧Vmの増加、減少の
関係は逆になり、変位Xと電圧Vmは線形の関係にはあ
るが比例関係にはないことになる。
【0004】一般にスクリーン4にはスピンドルが直結
されており、このスピンドルが押し込まれる方向、即ち
スクリーン4が電極1内に差し込まれる方向を正の値と
して表示し、従って上述したような変位Xと測定方形波
電圧Vmとの関係において、この電圧Vmを電圧計等で
計測して変位Xを表示する場合、電圧Vmと変位Xとの
線形の関係を保ちながらその比例定数が正となるように
電圧Vmを更に変換することが必要となり、この変換に
は高度の演算処理のできる電子回路の付加が絶対必要で
あった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】上記したように、従来
の静電容量型測長器において実際に測定方形波電圧Vm
を利用して変位Xを表示するには高度の演算処理のでき
る電子回路の付加が必要であり、このような電子回路の
付加はコストアップにつながると共に回路の安全性及び
温度特性を低下させる要因ともなり、またそのような従
来の測長器における測定基点の調整は電子装置のみでし
か行なうことができず、同一電子装置を使用して複数の
測長器を構成した場合には測定基点を各測長器の検出部
にそれぞれ合わせることが必要であった。
【0006】本発明は上記従来例における変換に必要な
電子回路を用いることなく直接に方形波電圧を利用して
変位Xを表示可能にして更に、測定基点を検出部内で調
整可能とし、これによりコストダウンを図り、また温度
特性及び安定性を向上させ、加えて測定範囲を分割して
各分割点での精度の補正が行なえるように構成して、主
要部品に極端な寸法精度を求めることなく、測定精度の
向上を図ると共に、この分割の切替点を設けたことで測
定範囲の分割数をnとすると実にn倍の感度の向上が、
切替点を設けられない場合に比して理論上可能である、
上記特徴を有する静電容量型測長器を得ることを、その
課題とするものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】この発明に係る静電容量
型測長器は、測定リング電極Aとこれと中心軸を一致さ
せた測定コア電極Bが該軸に沿ってスラスト方向に変位
可能に装架し、ほかに、補正リング電極とこれと中心軸
を一致させた補正コア電極、及び基準リング電極とこれ
と中心軸を一致させた基準コア電極を容し、これらが補
正キャパシタ群及び基準キャパシタ群を形成して、別に
設けた電子装置により各コア電極に発生する帰還電圧E
mが零となるように前記測定リング電極に基準方形波電
圧E1、補正リング電極に補正方形波電圧E2、基準リ
ング電極に測定方形波電圧E3を印加して、前記測定コ
ア電極のスラスト方向での変位量を電気信号に変換し、
且つ分割して測定すべく構成したものである。
【0008】
【実施例】以下図面と共に本発明の実施例を説明する。
図1は本発明の測長器に係る検出部の主要部品の構成と
配置を示すもので、検出器のハウジング内に測定リング
電極Aとこれと中心軸を一致させた測定コア電極Bがそ
の一端側にスピンドル12を設けられ、軸受け13を介
して該スピンドル12に該測定リング電極A内を中心軸
に沿ってスラスト方向に変位可能に装架されている。
尚、測定コア電極Bはバネ15により端子16と電気的
に接続されている。一方、電子装置のハウジング内に補
正キャパシタ群と基準キャパシタ群が内蔵されており、
補正キャパシタ群(実施例は5個の補正キャパシタより
構成されている)は5個の補正リング電極F1〜F5と
これと中心軸を一致させた5個の補正コア電極G1〜G
5からなり、基準キャパシタ群は同じく5個の基準リン
グ電極H1〜H5とこれと中心軸を一致させた5個の基
準コア電極I1〜I5からなっている。
【0009】両コア電極(G1〜G5、I1〜I5)は
電気的に結線されており、同じハウジング内に配置され
た電子装置に帰還電圧Emを帰還する。また補正リング
電極(F1〜F5)には補正方形波電圧E2が切替可能
に、また基準リング電極(H1〜H5)には測定方形波
電圧E3がそれぞれに切替可能に電子装置により印加さ
れている。前記測定リング電極Aには上記電子装置によ
り基準方形波電圧E1が印加され、また測定コア電極B
は端子16、ばね15を介して補正コア電極、基準コア
電極と電気的に結線されている。尚、両ハウジング間の
結線部分はシールド21、24により電気的にシールさ
れている。補正キャパシタ及び基準キャパシタの各リン
グ電極は円筒状であり、各コア電極は円柱状で両電極は
中心軸を一致させており、それぞれの電圧を印加されキ
ャパシタを形成している。補正キャパシタ群の補正リン
グ電極(F1〜F5)にはそれぞれ調整ネジ(51〜5
5)が設けられ、補正キャパシタ(CF1〜CF5) のキャ
パシタンス(CF1 〜CF5)の微調整が可能に、同じく基準
キャパシタ群の基準リング電極(H1〜H5)にもそれ
ぞれ調整ネジ(71〜75)が設けられ、基準キャパシ
タ(CH1〜CH5) のキャパシタンス(CH1 〜CH5)の微調
整が可能になっている。
【0010】図2は図1に示した検出部の電子装置側に
内蔵された主要部品の変更された構成を示し、この場合
補正リング電極(F1〜F5)は絶縁部材(61〜6
4)にそれぞれ隔離されるも一体的に形成され、そのリ
ング内に中心軸を一致させた円柱状で長尺なコア電極G
が該リングを貫通して挿入されており、その一端側に基
準リング電極H0が該コア電極Gと中心軸を一致させ設
けられている。両リング電極とコア電極Gとの間にそれ
ぞれのキャパシタを形成していることやキャパシタンス
の微調整がなし得ること、電子装置によりそれぞれの電
圧が与えられていることは図1の場合と同様である。
尚、基準リング電極H0はキャパシタCH0、キャパシタ
ンスCH0 、調整ネジ70の符号が与えられている。
【0011】図3は図1に示した検出部の主要部品を検
出器側に全て内蔵した場合を他例として示すもので、補
正キャパシタ群と基準キャパシタ群はシリーズに連結し
て配置されている。この場合各部品は図1と同一の構造
であり、内部における結線も同様であるが、ハウジング
外との結線、即ち電子装置との結線が追加されシールど
22、23により電気的にシールされている。
【0012】図4は図3に示した検出部の主要部品を検
出器部に全て内蔵することに加えてその主要部品の変更
された構成を示し、この場合補正キャパシタ群と基準キ
ャパシタ群の構造を図2に示したものと同一の構造にし
て配置して結線しており、検出部の機能として前記の実
施例と実質的に同一視できる。
【0013】図1に戻って、測定リング電極Aと測定コ
ア電極Bとの間にはそれぞれの電圧が与えられ測定キャ
パシタCA を形成し、該測定コア電極Bの一端側に絶縁
材14を介して設けられるスピンドル12を上記測定リ
ング電極A内に押し込む方向に移動させると測定コア電
極の端末部Sが変位して上記測定キャパシタCA のキャ
パシタンスCAも変化する。このときスピンドル12が押
し込まれる方向(測定コア電極Bが測定リング電極Aか
ら抜け出る方向)を正とし、即ちキャパシタCA のキャ
パシタンスCAが減少する方向を正としている。このキャ
パシタンスCAの変化量を処理して上記端末Sの変位Xを
測長器の表示値yとしているが該端末部Sの変位による
測定範囲を実施例では5分割して5個の切替点を設けて
なる。
【0014】図5の5.1〜5.6に示すように、測定
範囲中に測定コア電極の移動位置に対応した切替点が等
間隔に設けられ、測定始点q0、切替点q1、q2…q
5、(qn-1)、の位置は測定コア電極Bを正確に変位さ
せ、その時の測定方形波電極E3(基準リング電極に印
加されている)が零となるように各補正キャパシタ(C
F1〜CF5) を調整して予め等間隔Pに設定されている。
測定リング電極Aには基準方形波電圧E1が印加されて
おり、測定始点q0から第1の切替点q1直前までは第
1から第5までの5個の補正キャパシタCF1〜CF5の補
正リング電極F1〜F5に補正方形波電圧E2が印加さ
れ、第1の基準キャパシタCH1の基準リング電極H1に
測定方形波電圧E3が印加されている。また、一般に補
正リング電極Fnがn個設けられている場合、第uの切
替点quから第u+1の切替点qu+1 直前までは第u+
1から第nまでのn−u個の補正キャパシタCFu+1〜C
Fnの補正リング電極Fu+1 〜Fnに補正方形波電圧E2
が印加され、第vの基準キャパシタCHvの基準リング電
極に測定方形波電圧E3が印加される。また、第n−1
の切替点qn-1 から測定終点qnまでは第nの補正キャ
パシタCFnの補正リング電極に補正方形波電圧E2が印
加され、第kの基準キャパシタCHkの基準リング電極に
測定方形波電圧E3が印加される(uは1からn−2間
での正の整数で、kは1以上n以下の正の整数で、vは
1からkまでの正の整数である)。尚、補正方形波電圧
E2の印加されていない他の補正リング電極、及び測定
方形波電圧E3の印加されていない他の基準リング電極
はそれぞれ電気的に接地されている。また、測定リング
電極A、補正リング電極(F1〜F5)及び基準リング
電極(H1〜H5)にそれぞれ印加される基準方形波電
圧E1、補正方形波電圧E2及び測定方形波電圧E3に
ついて、この基準方形波電圧E1は常に一定でありまた
補正方形波電圧E2は電圧E1の周波数と同一周波数を
有し位相差が180度となる逆相の電圧に設定されてお
り、これも常に一定に保たれている。測定方形波電圧E
3は電圧E1と同一周波数で同相の電圧であるが可変で
あり上記各電圧と共に後述する電子装置により供給され
ている。この測定方形波電圧E3の可変はそれぞれのキ
ャパシタが有しているコア電極に誘導される帰還電圧E
mが零になるように上記電子装置により可変される。更
に測定コア電極Bの変位Xが零の時、即ち端末部Sが測
定始点q0にある時の測定キャパシタCA のキャパシタ
ンスをC0として、
【数4】 となるように予め補正方形波電圧E2とキャパシタンス
【数5】 のいずれか一方または両方が調整されている。また、第
uの切替点qu においては、
【数6】 となるように補正方形波電圧E2とキャパシタンス
【数7】 のいずれか一方または両方が調整される。さらに、第n
−1の切替点qn-1においては、CFn |E2|=Cn-1|
E1|となるように補正方形波電圧E2とキャパシタン
スCFn が調整される。
【0015】次に、数式を交えて実施例の静電容量型測
長器の検出部における変位Xと測定方形波電圧E3との
関係を説明する。尚、この説明中では部品名等を省略し
て符号のみを用いて表すことがある。基本的に図1、図
5により、測定範囲を5分割して示すと、測定コア電極
Bの端末部Sが測定始点q0より第1の切替点q1まで
変位するときの測定は、測定リング電極A、第1から第
5の補正リング電極F1〜F5、及び第1の基準リング
電極H1のそれぞれの方形波電圧、E1、E2及びE3
が印加され(その他の基準リング電極には電圧の印加は
なく電気的に接地されている)、スピンドル12が押し
込まれ、これと一体的である測定コア電極Bの端末部S
は測定始点q0より移動すると測定キャパシタCAのキ
ャパシタンスCAが変化する。この時電子装置が働き、各
コア電極に誘導されるAC電圧が零となるようにE3が
変化される。即ち、CA に流れる電流iA 、CF1〜CF5
にながれる電流iF1〜iF5、CH1に流れる電流iH1とす
れば次式が満足するようE3は変化させられる。
【数8】 CA 、CF1〜CF5、CH1のキャパシタンスをCA、CF1 〜
CF5 、CH1 とすると(5)式はつぎのように表せる。
【数9】 従ってE3は次式のようになる。
【数10】 E3とE1は同相の方形波電圧で、E3とE2は逆相の
方形波電圧であり、E2’=−E2と置き換えると
(6)式は次のようになる。
【数11】 スピンドル12が押し込まれる方向(測定コア電極Bが
測定リング電極Aから抜け出る方向)を正として変位X
1を表し、X1=0のCA のキャパシタンスをC0とする
とCAは次式で表せる。 CA=C0(1−a1X1) …(8) ここでa1は、測定リング電極Aと測定コア電極Bのキ
ャパシタンスを形成する部分の幾何学的寸法によって定
まる正の値である。(7)式に(8)式を代入して、
【数12】 と表せ、
【数13】 と置くと、(9)式は次のように変形される。 E3=α1+β1 …(11)
【数14】 即ち、
【数15】 となるよう予め調整されているのでβ1=0となり、E
3は次式で表すことができる。 E3=α1X1=C0E1a1X1/CH1 …(12) 比例定数α1は正の値であり、E3とX1の関係は次の
ように言い表せる。X1が増加すると、E3はX1に正
比例して増加し、X1が減少すると、E3はX1に正比
例して減少する。またX1=0の時、E3=0となる。
尚、予めα1が基準値α0と等しくなるよう基準キャパ
シタCH1のキャパシタンスCH1を調整してあるので、
(12)式は、 E3=α0X0 …(13) と表すことができる。E3は電子装置によりγ倍(1/
α0倍)され、測長器は表示値γE3、即ち「X1」を
表示する。尚、表示値と端末部Sの変位との関係は図6
に示す。
【数16】 の時は、β1は零でない定数となりE3はβ1増加し、
長さ表示値は見掛け上、X1=0の点がγβ1、即ちβ
1/α0だけマイナス側に移動する。
【0016】
【数17】 の関係は、
【数18】 またはE2を、或いはその両者を調整して保たれても良
いが補正キャパシタ群、基準キャパシタ群を検出部側に
内蔵して検出部に互換性をもたせる場合は、
【数19】 を調整して保たれることが必要でその調整は調整ネジ5
1により行なわれる。一般にE2の調整には温度特性の
良好なポテンショメータなどの電気部品が用いられる
が、温度特性良好なることを非常に要求される場合は、
ポテンショメータ等の電気部品なしが好ましい。実施例
では補正キャパシタを設けたからじようき電気部品なし
で、X1=0の点の調整を可能にしている。また、α1
=α0の関係は基準キャパシタCH1の基準リング電極H
1の調整ネジ71によりキャパシタンスCH1 を調整して
行なわれる。尚、E3はC0/CH1 、
【数20】 というキャパシタンスの比で構成されるので、CA1、C
F1〜CF5、CH1が同一誘電体で構成されていれば誘電体
の影響を全く受けることがない。端末部Sが切替点q1
に達すると電子装置に内蔵されたカウンタ(図示省略)
が1カウント分カウントアップして、このカウント値は
電子装置によりδ倍され、測長値に換算されて測長器は
「δ」を表示する。この時同時に、基準方形波電圧E1
と同一周波数で逆相の補正方形波電圧E2が第1の補正
リング電極F1から解除され、第2から第5の補正リン
グ電極F2〜F5に印加される状態となり、更に基準方
形波電圧E1と同一周波数で同相の測定方形波電圧E3
が第1の基準リング電極H1から第2の基準リング電極
H2に切り替えて印加される。尚、基準方形波電圧E2
は測定リング電極Aに印加されたまま保たれ、上記、電
圧の印加のない補正キャパシタ、基準キャパシタは電気
的に接地される。
【0017】測定コア電極Bの端末部Sが切替点q1よ
りq2に向かって移動すると、上述したq0よりq1に
向かうときと同様に、測定キャパシタCA のキャパシタ
ンスCAが変化する。この時電子装置が働き各コア電極に
誘電されるAC電圧が零となるように、E3が変化され
る。即ち、CA 、CF2〜CF5、CH2に流れる電流をiA
、iF2〜iF5、iH2とすれば、次式が満足するように
E3は変化させられる。
【数21】 CA 、CF2〜CF5、CH2のキャパシタンスをCA、CF2 〜
CF5 、CH2 とすると(14)式は、
【数22】 と表せ、従ってE3は次式のようになる。
【数23】 q0よりq1への移動の時と同様に、E2’=−E2と
置き換えると(15)式は次のようになる。
【数24】 切替点q1から端末部Sの変位をX2とし、変位X2の
正の方向をq0よりq1と同じ方向として切替点q1
(X2=0の点)のCA のキャパシタンスをC1とすると
CAは次式で表すことができる。 CA=C1(1−a2X2) …(17) ここでa2は(8)式のa1と同様、正の値である。
(16)式に(17)式を代入し、q0よりq1と同様
【数25】 と置くと(17)式は次のようになる。 E3=α2X2+β2 …(19)
【数26】 となるよう予め調整されており、β2=0となり、E3
は前述同様次式で表せる。 E3=α2X2=C1E1a2X2/CH2 …(20) 比例定数α2は正の値であり、E3とX2の関係は(1
2)式の時のX1をX2に読み替えて、同様のことが言
える。尚、α2が基準値のα0と等しくなるようCH2 が
調整されるので、E3=α0X2 …(21)として表
すことができる。そして測長器は、表示値γE3+δ、
即ち「X2+δ」を表示する。
【数27】 の関係は前述に準じて、CF2の調整ネジ52を調整し
て、キャパシタンス
【数28】 を調整することで保たれ、α2=α0の関係も同じく基
準リング電極H2の調整ネジ72によりCH2 を調整して
行なわれる。またこの時もCA 、CF2〜CF5、CH2が同
一誘電体で構成され、誘電率の影響を受けることは全く
ない。端末部Sが切替点q2に達すると、これも前述に
準じて、カウンタが更に1カウント分カウントアップさ
れ測長器は表示値「2δ」を表示する。これと同時にE
2が第2の補正リング電極F2から解除され、補正リン
グ電極F3〜F5に印加され、E3が第3の基準リング
電極H3に切り替えられて印加される。
【0018】端末部Sが更に切替点q2よりq3に向か
って移動すると、切替点q0よりq1、q1よりq2の
時と同様にCA のキャパシタンスCAが更に変化する。こ
の時も電子装置が働き各コア電極に誘導されるAC電圧
が零となるよう、E3が変化される。そして切替点q2
からの変位をX3と表し、変位X3の方向を切替点q0
よりq1と同じ方向として切替点q2(X3=0の点)
のCA のキャパシタンスをC2と表し、そしてCF3〜CF5
のキャパシタンス
【数29】 が、
【数30】 となるよう補正キャパシタCF3の調整ネジ53により予
め調整してあれば、E3は次式で表され、 E3=α3X3 …(22) ここで、 α3=C2E1a3X3/CH3 …(23) であり、a3は前述のa1、a2と同様正の値である。
また、α3=α0となるようCH3のキャパシタンスCH3
は調整ネジ73により調整されており、そして測長器は
表示値γE3+2δ、即ち「X3+2δ」を表示する。
切替点q3以後も前述同様に変位Xに比例した方形波電
圧E3が得られ、測長器は、切替点q3では表示値「3
δ」を、q4では「4δ」が表示され、q3よりq4、
q4よりq5(実施例では測定終点)では「X4+3
δ」、「X5+4δ」が表示される。また、端末部Sが
上記の逆方向、即ち測定コア電極Bが測定リング電極A
より挿入される方向に移動するときは、各切替点でカウ
ンタが1カウント毎ダウンし、同時に各電極への印加も
切り替えられながら測定始点に戻って行く。尚、実施例
では上記の切替点を4個としたが、これの増減は設計上
の目的用途に応じて自由に設定されるものである。
【0019】ここで、補正キャパシタ群、基準キャパシ
タ群の各リング電極に付属しているキャパシタの調整ネ
ジ(51〜55、71〜75)の調整の手順を説明す
る。測定始点q0、及び各切替点の位置は端末部Sを正
確に変位させることによって得、それ等の各位置q0〜
q4は正確に等間隔のピッチPで決められ、これらの位
置で上記キャパシタの調整はなされる。まず端末部Sを
測定始点q0より正確に4P変位させ(切替点q4に正
確に変位させ)、補正方形波電圧E2が補正キャパシタ
CF5に、測定方形波電圧E3が基準キャパシタCH5に印
加されるようにし、この位置で測長器の表示値が「4
δ」となるように(即ちE3=0となるように)補正キ
ャパシタCF5を調整ネジ55により調整し、切替点q4
より測定終点q5の方向に端末部Sを測定終点q5直前
までP5変位させ測長器の表示値が「4δ+P5」とな
るように基準キャパシタCH5を調整ネジ75で調整す
る。次に、測定コア電極の端末部Sを測定始点q0より
正確に3ピッチ変位させ(切替点q3に変位)、E2が
補正キャパシタCF4、CF5に、E3が基準キャパシタC
H4に印加されるようにして、表示値が「3δ」となるよ
うに(E3=0となるように)補正キャパシタCF4を調
整ネジ54で調整し、端末部Sを切替点q3よりq4の
方向にピッチPより僅かに少ない寸法P4変位させ、表
示値が「3δ+P4」となるように基準キャパシタCH4
を調整ネジ74で調整する。次に、同様にして、端末部
Sを測定始点q0より2P(切替点q2に)変位させ、
E2が補正キャパシタCF3〜CF5に、E3が基準キャパ
シタCH3に印加されるようにして、表示値が「2δ」
(E3=0)になるように補正キャパシタCF3を調整ネ
ジ53で調整し、端末部Sを切替点q2よりq3の方向
にピッチPより僅かに少ない寸法P3変位させ、表示値
が「2δ+P3」となるように基準キャパシタCH3を調
整ネジ73で調整する。更に、端末部Sを測定始点q0
よりP(切替点q1に)変位させ、E2が補正キャパシ
タCF2〜CF5に、E3が基準キャパシタCH2に印加され
るようにして、表示値が「δ」(E3=0)になるよう
に補正キャパシタCF2を調整ネジ52で調整し、端末部
Sを切替点q1よりq2の方向にピッチPより僅かに少
ない寸法P2変位させ、表示値が「δ+P2」となるよ
うに基準キャパシタCH2を調整ネジ72で調整する。そ
して、最後に、端末部Sを測定始点q0に正確に変位さ
せ、E2が補正キャパシタCF1〜CF5に、E3が基準キ
ャパシタCH1に印加されるようにして、表示値が「零」
(E3=0)になるように補正キャパシタCF1を調整ネ
ジ51で調整し、端末部Sを切替点q0よりq1の方向
にピッチPより僅かに少ない寸法P1変位させ、表示値
が「P1」となるように基準キャパシタCH1を調整ネジ
71で調整する。この一連の手順を経て検出部の調整は
終了する。
【0020】上記に説明したように、測定範囲を分割し
て、この分割数をnとすると分割のない場合に比較し
て、単位測定長さ当たりの基準方形波電圧E1がn倍と
なり、理論的にはn倍の測定感度の向上が図れ、また各
キャパシタを構成するリング電極とコア電極の中心軸は
一致するようなしてあり、このため衝撃などにより互い
の中心軸が僅かに動き、ズレが生じたとしてもその影響
は中心軸同志がが一致していない構成のものに比し、皆
無に近い。更に、測定キャパシタCA を含めて各キャパ
シタのリング電極及びコア電極の材料を同一にすれば、
各部品類の熱膨張も同一となり、温度変化の向上も図れ
るのである。加えて、特に図3、図4に示したように、
検出部側に補正キャパシタ群及び基準キャパシタ群を内
蔵した時、キャパシタ群のキャパシタンスの調整が検出
部側で可能であり、従って複数個の、検出部における基
準値α0の一致、X1=0点の調整がなし得、各検出部
の測定原点までも一致させて互換性を持たせることがで
きる。このほか、測定リング電極Aと測定コア電極Bの
円筒度、真円度等の幾何学的寸法精度が良好であるとき
は基準キャパシタ群の数は分割数より減じて少なくとも
1個にすることができる(図2、図4)からこれのコス
トダウンも図れる。この場合でもそれぞれの切替点間で
は、決まった基準キャパシタが対応して使用される。ま
た各補正、基準の両コア電極群を一体化すること、更に
その両電極を一体化することで電極間の電気接続をなく
し、しかもコストダウンが図れる(図2、図4)。用い
られる測定コア電極Bは円柱状でスピンドル12の中心
軸と一致して絶縁部材14を介して固定されており、こ
の中心軸は測定リング電極Aの中心とも一致しているた
め、スピンドル12とその軸受13に生ずるラジアル方
向のガタの影響を僅少にして、更に該軸受13にボール
リテーナを採用して予圧状態としておけば上記スピンド
ル12のガタを皆無とすることができて、このガタの影
響をなくすことができる。
【0021】図1、図3に示すような補正キャパシタ群
と基準キャパシタ群の如く、各個にコア電極を独立に有
して構成される場合、図7に示すような構造の部品と代
えて構成することができる。即ち、リング電極81、コ
ア電極82、絶縁部材83よりなり、リング電極81の
一端側に雌ネジが設けられている絶縁部材83が固着さ
れ、その雌ネジにはコア電極82の雄ネジ部が螺合され
ており、キャパシタンスの調整はこのコア電極82を回
転して微調整される。尚、この場合も両電極(81、8
3)の中心軸は一致している。
【0022】次いで、検出部に必要電圧を供給する電子
装置の実施例を説明する。図8において、発振器30は
水晶式でもCR式でも良いが、水晶式の場合一般に高周
波であるため、分周器(図示省略)を用いて所望の周波
数とする。基準方形波電圧E1はDC電圧Erと接地レ
ベルとの間を発振器30の出力電圧EOSC で制御される
電子スイッチ31で切り替えられることで得ており、補
正方形波電圧E2はDC電圧−Erを同じくEOSC で制
御される電子スイッチ32の切り替えにより得られてい
る(E1、E2の位相は図9に示してある)。回路中に
示すE4は、帰還電圧EmまたはEm’を入力増幅器3
3により増幅したAC電圧であり、EOSC の半周期毎に
復調器34により復調され差動積分器35に送られる。
復調された信号が零と異なると差動積分器35の出力D
C電圧E0は、復調された電圧の振幅及び極性の関数と
して該差動積分器35への入力が零に達するまで変化す
る。測定方形波電圧E3は、E0と一定電圧(実施例で
は接地レベル)との間をE0SC で電子スイッチ36を切
り替えることで得られ、E0と同様にこのE3も差動積
分器35への入力が零に達するまで変化する(このE3
は前述の通り、各切替点の間で端末部Sの変位に比
例)。電圧E4は好ましくない結合や時間遅延により過
渡状態が特に方形波の切替点の側面で発生し、ある時間
後減衰して消滅する(図9、t11〜t13、t21〜
t23)。この過渡状態は電圧E0、E3の安定性を低
下させ、ひいては測定器の指示にも影響し、安定度を極
めて求められる測長器においては充分配慮する必要があ
る。
【0023】図10は上記過渡状態を除くために入力増
幅器33と復調器34との間に過渡抑制器39を介入さ
せた場合を示し、図11はこの回路における各電圧の位
相と波形を示すものである。基準方形波電圧E1、補正
方形波電圧E2は、発振器30の出力電圧E0SC により
時間遅延回路37、分周回路38を経て制御される電子
スイッチ31、32により得ている(図8と略同様
に)。過渡抑制器39は最も簡単な場合、電子スイッチ
で発振器のクロック信号の1周期毎に過渡状態でない部
分のみを通過させるようになされており、この実施例に
おいても、EOSC に応答して電圧E4を継断する電子ス
イッチにより構成され、過渡状態のない部分(t01〜
t02、t11〜t12・・・)のみを通過させ、この
信号を復調器34に入力して、EOSC の1周期毎(t
0、t2・・・、及びt1、t3・・・毎)に復調し差
動積分器35に入力するようなしてあり、この間に過渡
状態は除かれ、従って、電圧E3は電圧E4の過渡状態
の影響を全く受けることはない。即ち、E0SC を所定時
間遅延した信号に応答して各電子スイッチが状態を切り
替えるよう設定されており、これら電子スイッチから出
力される方形波電圧E1、E2、E3の発生タイミング
と該電圧E0SC との発生タイミングは遅延した分だけズ
レることになり、この発生タイミングのズレの範囲内に
電圧E4の過渡状態が収まるように設定すれば、その状
態の発生している間だけ過渡抑制器39をオフにするこ
とができ、このことは電圧E4より過渡状態が除かれた
ことになるのである。
【0024】このほか、各コア電極に誘導される帰還電
圧Emは各方形波電圧E1、E2、E3の干渉を受けな
いよう、また各方形波電圧同志も互いに干渉することの
ないように処置することが必要であり、電子装置及び検
出部の両ハウジング間の接続はその結線の全てをシール
ドするが該結線が多数であるときは、これの簡略化が望
まれる。図12は、この簡略化に対する実施例を示すも
ので、インピーダンス変成器26と放電用抵抗27を回
路中に設けることで達せられる。即ち各コア電極にイン
ピーダンス変成器26の入力側と放電用抵抗27の一方
を接続し、該放電用抵抗27の他方を接地して、該イン
ピーダンス変成器26の出力側は電子装置の入力増幅器
33に接続する(この場合、入力増幅器33は電流電圧
変換回路のような入力インピーダンスの小さな回路構成
とすることが必要である)。これにより検出器側に設け
られたインピーダンス変成器26と電子装置側にある入
力増幅器33との間のインピーダンスを小さくして、シ
ールドの簡略化をすることができる。このため格別の高
感度、高精度を要求されない一般の測定器では前記結線
をまとめてシールドすることが可能となる。但し、上記
格別の要求がある場合は結線の一本ずつをシールドする
ことが望ましい。
【0025】
【発明の効果】本発明によれば測定コア電極の変位量X
は、測定コア電極が測定リング電極から抜け出る方向を
正とすると、この変位Xに正比例すると共に比例定数が
正となる測定方形波電圧E3から検出することができ
る。従って従来例のような高度の演算処理のできる電子
回路等の電子回路の必要がなくなり、このような電子回
路による安定度への影響や温度特性の影響を排除するこ
とができて、安定性及び温度性能を向上し、更にコスト
ダウンを図ることもできる。また、補正キャパシタとそ
のキャパシタンス調整用の調整ネジを設けたことにより
検出部の零点調整をポテンショメータ等の電気部品なし
で行なうことが可能となり、この電気部品の安定度への
影響や温度特性の影響を排除することができ、安定性及
び温度特性の向上を図ることができる。また、検出部を
移動することなく検出部側で零点調整することができる
ため、機械類に取り付けて使用する場合、一般に機械側
に設けられる微動の零点調整装置を不要とすることがで
きる。このため1つの電子装置に多数の検出部を切り替
え使用する場合に極めて有効である。更に、基準キャパ
シタと補正キャパシタにキャパシタンス調整用の調整ネ
ジを設けたことにより、異なる検出部を共通の電子装置
に、測定原点等の校正をすることなしに接続することが
できる。特に、検出部の測定範囲中に切替点を設けたこ
とにより、測定範囲が分割され各切替点での精度の補正
が可能となり、測定リング電極、測定コア電極の円筒度
又は真円度等の寸法精度について、極端に拘ることなく
測定精度の向上が図れる。加えて、同じく測定範囲中に
切替点を設けたことにより測定範囲が分割され、この分
割数をnとすると、切替点なしの場合と比較して理論的
にn倍の感度の向上が図れる。また、前記測定方形波電
圧E3はキャパシタンスの比で構成されており、全ての
キャパシタの誘電体を同一とすることにより誘電体の影
響を全く受けることがない。更に、各リング電極及びコ
ア電極の材料を同一とすることにより、検出部の温度性
能の向上を図ることができる。また、各リング電極と各
コア電極の中心軸を一致させているので、中心軸同志の
距離が変化したとしても測定電圧への影響を極めて小さ
くすることができる。このほか、電子装置内に過渡抑制
器を設けたことにより過渡状態のない信号から必要電圧
を合成することができて、測長器の安定度を更に向上さ
せることができる。また、検出部内にインピーダンス変
成器と放電用抵抗を設けることでハウジング外への接続
線をまとめてシールドすることが可能である。更に、ス
ピンドルの軸受にボールリテーナを用いて予圧状態にし
ておくことにより、スピンドルのガタの影響をなくすこ
とができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の静電容量型測長器に係る検出部の主要
部品の構成と配置の一例を示す断面図である。
【図2】図1に示す静電容量型測長器における検出部の
変更された主要部品の構成を示す断面図である。
【図3】図1における検出部の主要部品の構成と配置に
ついて他例を示す断面図である。
【図4】図3における検出部の変更された主要部品の構
成と配置を示す断面図である。
【図5】検出部の測定コア電極の端末部Sの変位と各切
替点との関係を各段階について示す断面図である。
【図6】図5の各切替点における端末部Sの変位と当該
測長器の表示値yとの関係を示す図である。
【図7】本発明における検出部の主要部品のその他の構
造を示す断面図である。
【図8】本発明の静電容量型測長器の電子装置の要部を
示す回路図である。
【図9】図8における出力電圧の位相関係を示すタイミ
ング図である。
【図10】本発明の静電容量型測長器の過渡抑制器を設
けた電子装置の要部を示す回路図である。
【図11】図10における出力電圧の位相関係を示すタ
イミング図である。
【図12】本発明の静電容量型測長器に係る検出部に設
けられるインピーダンス変成器と放電用抵抗を示す回路
図である。
【図13】従来の静電容量型測長器に係る検出部の主要
部品の構成と配置を示す断面図である。
【図14】図13における検出部の測定方形波電圧Vm
とスクリーンの変位Xとの関係を示す図である。
【符号の説明】
1 測定電極 2 基準電極 3 コア電極 4 スクリーン 12 スピンドル 13 軸受 14 絶縁部材 15 バネ 16 端子 21〜24 シールド 26 インピーダンス変成器 27 放電用抵抗 30 発振器 31、32、36 電子スイッチ 33 入力増幅器 34 復調器 35 差動積分器 39 過渡抑制器 51〜55、70〜75 調整ネジ 61〜64、83 絶縁部材 81 リング電極 82 コア電極 A 測定リング電極 B 測定コア電極 CA 、Cm 測定キャパシタ CF1〜CF5 補正キャパシタ CH1〜CH5、CH0、Cr 基準キャパシタ CA、CF1 〜CF5 、CH1 〜CH5 、CH0 キャパシタンス E1 基準方形波電圧 E2 補正方形波電圧 E3 測定方形波電圧 Em、Em’ 帰還電圧 EOSC 発振器の出力電圧 F1〜F5 補正リング電極 G1〜G5 補正コア電極 H1〜H5、H0 基準リング電極 I1〜I5 基準コア電極

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 円筒状の測定リング電極Aと、この電極
    A内の中心線上を可動する円柱状の測定コア電極Bと、
    この電極Bと電気的に接続され、一定間隔をもって併列
    配置された円筒状の複数の補正リング電極Fn(n は正の
    整数)及び基準リング電極Hk(k は1以上n 以下の正の
    整数) と、この補正リング電極Fn 及び基準リング電極
    Hk の内周に同心状に設けられた前記補正リング電極F
    n 及び基準リング電極Hk の数に対応する数以下の数の
    補正コア電極Gn 及び基準コア電極Ik とを有し、前記
    測定リング電極A内位置には、前記測定コア電極Bの移
    動位置に対応した複数の切替点qn-1 を予め設定された
    等間隔Pで設け、前記測定コア電極Bの先端が前記複数
    の切替点qn-1 のそれぞれに達した時点で、その切替点
    位置に対して、一定の基準方形波電圧(E1)が印加さ
    れる測定リング電極Aと、前記基準方形波電圧(E1)
    と同一周波数で逆相の補正方形波電圧(E2)が対応す
    る各切替点qn-1以後の全てに印加される補正リング電極
    Fn と、基準方形波電圧(E1)と同一周波数で同相の
    測定方形波電圧(E3)が印加される基準リング電極H
    k とへの給電の組合せを選択的に行なうようにし、補正
    方形波電圧(E2)と、補正リング電極Fn と補正コア
    電極Gn より形成される補正キャパシタCFnのキャパシ
    タンス 【数1】 のいずれか一方又は両方を調整することにより、前記切
    替点qn-1に到達した時点の測定キャパシタCA のキャパ
    シタンスCAと基準方形波電圧(E1)の絶対値(|E1
    |)との積(CA|E1|)が補正キャパシタCFnのキャ
    パシタンス 【数2】 と補正方形波電圧(E2)の絶対値(|E2|)との積 【数3】 に等しくなるように設定し、帰還電圧(Em)の過渡状
    態を取り除く過渡抑制器と、その出力信号を復調する復
    調器と、復調された信号が零でないときにこの信号が零
    になるまでその信号の振幅及び極性の関数として変化す
    る測定DC電圧E0を出力する差動積分器とを備えた電
    子装置により、前記測定コア電極Bの変位により測定リ
    ング電極Aと測定コア電極Bにより形成される測定キャ
    パシタCAのキャパシタンスCAが変化すると、測定コア
    電極B、補正コア電極Gn 及び基準コア電極Ik に誘導
    される帰還電圧(Em)が零となるように、電子装置に
    より、一定のDC電圧と可変のDC電圧(E0)との間
    を交互に切り替えることによって測定方形波電圧(E
    3)を変化させることを特徴とする静電容量型測長器。
  2. 【請求項2】 インピーダンス変成器の入力側と放電用
    抵抗の一方側を前記基準コア電極または補正コア電極に
    接続し、インピーダンス変成器の出力側を前記電子装置
    に接続し、放電用抵抗の他方側を接地したことを特徴と
    する請求項1記載の静電容量型測長器。
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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US4840684A (en) * 1983-05-06 1989-06-20 Sumitomo Special Metals Co, Ltd. Isotropic permanent magnets and process for producing same
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KR100687650B1 (ko) * 2005-06-20 2007-02-27 부산대학교 산학협력단 나노미터 스케일의 측정 및 가공을 위한 센서 장치
JP2010096540A (ja) * 2008-10-14 2010-04-30 Asahi Kasei Electronics Co Ltd 位置検出装置及びその位置検出装置を用いた電子機器

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