JPH06342626A - 反射型アルカリテルル光電面および光電子増倍管 - Google Patents
反射型アルカリテルル光電面および光電子増倍管Info
- Publication number
- JPH06342626A JPH06342626A JP13057793A JP13057793A JPH06342626A JP H06342626 A JPH06342626 A JP H06342626A JP 13057793 A JP13057793 A JP 13057793A JP 13057793 A JP13057793 A JP 13057793A JP H06342626 A JPH06342626 A JP H06342626A
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- JP
- Japan
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- tellurium
- photocathode
- reflection type
- tellirium
- alkali
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- Pending
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Abstract
(57)【要約】
【目的】 放射感度および量子効率の優れた反射型アル
カリテルル光電面を提供する。 【構成】 本発明に係る反射型アルカリテルル光電面
は、下地基板上に直接Teの薄層が堆積されて、アルカ
リ金属により活性化されている。ここでテルル薄層は1
00μg/cm2 以下に堆積されており、このような反
射型光電面は光電子増倍管に適用されうる。
カリテルル光電面を提供する。 【構成】 本発明に係る反射型アルカリテルル光電面
は、下地基板上に直接Teの薄層が堆積されて、アルカ
リ金属により活性化されている。ここでテルル薄層は1
00μg/cm2 以下に堆積されており、このような反
射型光電面は光電子増倍管に適用されうる。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は反射型アルカリテルル光
電面および光電子増倍管に関するものである。
電面および光電子増倍管に関するものである。
【0002】
【従来の技術】ニッケル(Ni)を基板とする反射型ア
ルカリテルル光電面が知られている。この光電面では、
Ni基板の上にテルル(Te)を堆積して、さらにセシ
ウム(Cs)のアルカリ金属で活性化している。ここ
で、Teの付着重量は一般に200μg/cm2 以上で
ある。
ルカリテルル光電面が知られている。この光電面では、
Ni基板の上にテルル(Te)を堆積して、さらにセシ
ウム(Cs)のアルカリ金属で活性化している。ここ
で、Teの付着重量は一般に200μg/cm2 以上で
ある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】上記のような、従来の
反射型アルカリテルル光電面では、いずれも量子効率は
254nmで19%程度であった。
反射型アルカリテルル光電面では、いずれも量子効率は
254nmで19%程度であった。
【0004】ところで、光電子増倍管は微弱光の計測分
野において用いられ、この性能は特に被検出光がホトン
(光子)としてカウント(計数)される程度の極限領域
において発揮されるため、たとえ数%であっても感度向
上が重要である。
野において用いられ、この性能は特に被検出光がホトン
(光子)としてカウント(計数)される程度の極限領域
において発揮されるため、たとえ数%であっても感度向
上が重要である。
【0005】本発明者らは、かかる事情に鑑みて研究を
行った結果、Teの付着重量をコントロールすることに
より、良好な反射型アルカリテルル光電面を実現できる
ことを見出した。
行った結果、Teの付着重量をコントロールすることに
より、良好な反射型アルカリテルル光電面を実現できる
ことを見出した。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明に係る反射型アル
カリテルル光電面は、下地基板上にテルルの薄層が堆積
されて、アルカリ金属により活性化されているものにお
いて、テルルの薄層が100μg/cm2 以下に堆積さ
れてアルカリ金属により活性化されていることを特徴と
し、この反射型アルカリテルル光電面は光電子増倍管に
適用され得る。
カリテルル光電面は、下地基板上にテルルの薄層が堆積
されて、アルカリ金属により活性化されているものにお
いて、テルルの薄層が100μg/cm2 以下に堆積さ
れてアルカリ金属により活性化されていることを特徴と
し、この反射型アルカリテルル光電面は光電子増倍管に
適用され得る。
【0007】
【作用】本発明に係る反射型アルカリテルル光電面は、
アルカリ金属で活性化させられるTeの薄層を十分に薄
く堆積したものであり、これは従来の反射型光電面に対
する発想を転換させたものである。すなわち、Te層を
薄くするならば、特に、Te層を100μg/cm2 以
下とした場合には、十分に優れた結果が得られる。
アルカリ金属で活性化させられるTeの薄層を十分に薄
く堆積したものであり、これは従来の反射型光電面に対
する発想を転換させたものである。すなわち、Te層を
薄くするならば、特に、Te層を100μg/cm2 以
下とした場合には、十分に優れた結果が得られる。
【0008】ここにおいて、Te層は40〜100μg
/cm2 とすることが望ましく、またTe層と直接に接
する下地基板としては、例えばNi,Al,ステンレス
が望ましく、アルカリ金属はK,Cs,Rbが適する
が、いずれにせよ結果として、高感度の反射型アルカリ
テルル光電面が高い歩留りで実現可能となった。
/cm2 とすることが望ましく、またTe層と直接に接
する下地基板としては、例えばNi,Al,ステンレス
が望ましく、アルカリ金属はK,Cs,Rbが適する
が、いずれにせよ結果として、高感度の反射型アルカリ
テルル光電面が高い歩留りで実現可能となった。
【0009】
【実施例】以下、本発明を更に詳細に説明する。本発明
に係る反射型アルカリテルル光電面は、Ni等の下地基
板を有し、この上には、セシウム(Cs),カリウム
(K)及びルビジウム(Rb)のアルカリ金属で活性化
されたTeを含む光感応層が形成されている。ここで、
Teの付着重量は100μg/cm2 以下である。
に係る反射型アルカリテルル光電面は、Ni等の下地基
板を有し、この上には、セシウム(Cs),カリウム
(K)及びルビジウム(Rb)のアルカリ金属で活性化
されたTeを含む光感応層が形成されている。ここで、
Teの付着重量は100μg/cm2 以下である。
【0010】このような反射型アルカリテルル光電面を
有する光電子増倍管は、次のように作製される。まず、
真空容器が用意されて、反射型アルカリテルル光電面の
形成部位にTe蒸着を直接に行なう。このとき、Teは
100μg/cm2 程度以下の薄い膜あるいはポーラス
状の膜とする。
有する光電子増倍管は、次のように作製される。まず、
真空容器が用意されて、反射型アルカリテルル光電面の
形成部位にTe蒸着を直接に行なう。このとき、Teは
100μg/cm2 程度以下の薄い膜あるいはポーラス
状の膜とする。
【0011】しかる後、CsおよびKあるいはRbのア
ルカリ金属を導入し、活性化を行なって焼成をする。な
お、活性化や焼成の温度条件および時間等においては、
それぞれ公知のように適宜設定される。ちなみに、温度
については140〜220℃の範囲において選択され
る。
ルカリ金属を導入し、活性化を行なって焼成をする。な
お、活性化や焼成の温度条件および時間等においては、
それぞれ公知のように適宜設定される。ちなみに、温度
については140〜220℃の範囲において選択され
る。
【0012】光電子増倍管を構成する他の要素、例えば
ダイノードやマイクロチャンネルプレート、アノード電
極等の組み付け手順については、従来と異なる点はな
い。そして、上記の反射型アルカリテルル光電面の形成
および部品の組み付けが終了すると、真空容器が封じ切
られて光電子増倍管が完成する。
ダイノードやマイクロチャンネルプレート、アノード電
極等の組み付け手順については、従来と異なる点はな
い。そして、上記の反射型アルカリテルル光電面の形成
および部品の組み付けが終了すると、真空容器が封じ切
られて光電子増倍管が完成する。
【0013】次に、具体的な試作例を説明する。試作に
おいては、下地基板を表面酸化(弱酸化)したNi板と
し、その表面を清浄してTe層を堆積させた。
おいては、下地基板を表面酸化(弱酸化)したNi板と
し、その表面を清浄してTe層を堆積させた。
【0014】ここで、Te層の厚さ(付着重量)につい
ては、試作例では、30〜200μg/cm2 の範囲に
おいて、4点に設定した。その後、Csを導入して活性
化し、アルカリテルル(Cs−Te)光電面を得た。な
お、各々の設定値において、試作本数は各5本(全体で
20本)とした。
ては、試作例では、30〜200μg/cm2 の範囲に
おいて、4点に設定した。その後、Csを導入して活性
化し、アルカリテルル(Cs−Te)光電面を得た。な
お、各々の設定値において、試作本数は各5本(全体で
20本)とした。
【0015】上記の試作例では、感度特性として図1が
得られた。Teの付着重量が100μg/cm2 以上で
は量子効率が20%以下となって、100μg/cm2
以下においては、量子効率は20%以上に到達してい
る。
得られた。Teの付着重量が100μg/cm2 以上で
は量子効率が20%以下となって、100μg/cm2
以下においては、量子効率は20%以上に到達してい
る。
【0016】図1から明らかなように、Teを75μg
/cm2 程度とすることで、特に大幅な感度向上が達成
される。試作においては、波長254nmにおける平均
値で量子効率25%を記録し、感度は安定して実現でき
た。Teの付着重量が75μg/cm2 のときの、最も
良好な試作品の量子効率および放射感度の温度依存性を
図2に示す。300nm以下の波長域で良好な特性が得
られた。
/cm2 程度とすることで、特に大幅な感度向上が達成
される。試作においては、波長254nmにおける平均
値で量子効率25%を記録し、感度は安定して実現でき
た。Teの付着重量が75μg/cm2 のときの、最も
良好な試作品の量子効率および放射感度の温度依存性を
図2に示す。300nm以下の波長域で良好な特性が得
られた。
【0017】本発明については、下地基板としてニッケ
ル,ステンレス,アルミニウムなどの基板を採用し、ア
ルカリ金属としてカリウム,セシウム,ルビジウムなど
を採用することができる。
ル,ステンレス,アルミニウムなどの基板を採用し、ア
ルカリ金属としてカリウム,セシウム,ルビジウムなど
を採用することができる。
【0018】
【発明の効果】本発明に係る反射型アルカリテルル光電
面は、Te薄層を100μg/cm2以下としたもので
あり、結果として、高感度の反射型アルカリテルル光電
面が高い歩留りで実現可能となった。
面は、Te薄層を100μg/cm2以下としたもので
あり、結果として、高感度の反射型アルカリテルル光電
面が高い歩留りで実現可能となった。
【図1】試作例の感度特性を示す図である。
【図2】試作例の分光感度特性を示す図である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 澤井 利彦 静岡県浜松市市野町1126番地の1 浜松ホ トニクス株式会社内
Claims (3)
- 【請求項1】 下地基板上にテルルとアルカリ金属を含
んで形成された反射型アルカリテルル光電面において、 前記テルルは付着重量が100μg/cm2 以下の薄層
をなしていることを特徴とする反射型アルカリテルル光
電面。 - 【請求項2】 前記テルルの付着重量が40μg/cm
2 以上である請求項1記載の反射型アルカリテルル光電
面。 - 【請求項3】 真空容器の内部に、請求項1記載の反射
型アルカリテルル光電面と、この反射型アルカリテルル
光電面から放出された光電子を増倍する電子増倍手段
と、増倍された電子が入射されるアノードとを備えるこ
とを特徴とする光電子増倍管。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP13057793A JPH06342626A (ja) | 1993-06-01 | 1993-06-01 | 反射型アルカリテルル光電面および光電子増倍管 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP13057793A JPH06342626A (ja) | 1993-06-01 | 1993-06-01 | 反射型アルカリテルル光電面および光電子増倍管 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH06342626A true JPH06342626A (ja) | 1994-12-13 |
Family
ID=15037557
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP13057793A Pending JPH06342626A (ja) | 1993-06-01 | 1993-06-01 | 反射型アルカリテルル光電面および光電子増倍管 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH06342626A (ja) |
-
1993
- 1993-06-01 JP JP13057793A patent/JPH06342626A/ja active Pending
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