JP3179537B2 - 光電面および光電子増倍管 - Google Patents
光電面および光電子増倍管Info
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- JP3179537B2 JP3179537B2 JP30322691A JP30322691A JP3179537B2 JP 3179537 B2 JP3179537 B2 JP 3179537B2 JP 30322691 A JP30322691 A JP 30322691A JP 30322691 A JP30322691 A JP 30322691A JP 3179537 B2 JP3179537 B2 JP 3179537B2
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- Common Detailed Techniques For Electron Tubes Or Discharge Tubes (AREA)
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は光電面および光電子増倍
管に関する。
管に関する。
【0002】
【従来の技術】バイアルカリ光電面としては、従来から
特公昭47−8253号および特開昭55−32397
号のものが知られている。前者は赤感度の増大を目的と
して、基板上に酸化マンガン(MnO2 )層および光電
子放出材料層を形成しており、この光電子放出材料層と
しては、アンチモン(Sb)、カリウム(K)およびセ
シウム(Cs)の層や、アンチモン、ルビジウム(R
b)およびセシウムの層が例示されている。また、後者
ではアンチモン、ルビジウムおよびセシウムの層が例示
されている。
特公昭47−8253号および特開昭55−32397
号のものが知られている。前者は赤感度の増大を目的と
して、基板上に酸化マンガン(MnO2 )層および光電
子放出材料層を形成しており、この光電子放出材料層と
しては、アンチモン(Sb)、カリウム(K)およびセ
シウム(Cs)の層や、アンチモン、ルビジウム(R
b)およびセシウムの層が例示されている。また、後者
ではアンチモン、ルビジウムおよびセシウムの層が例示
されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上記の従来例
では、いずれも赤感度の向上は見られるものの、暗電流
(Idb)が大きく、その用途が制限されていた。この
ため、例えばガンマカメラなどの性能を十分に発揮させ
得ない欠点があった。そこで本発明は、カソード感度S
kにおいて実用レベルの性能を維持しつつ、暗電流Id
bを大幅に低減させることのできる光電面および光電子
増倍管を提供することを目的とする。
では、いずれも赤感度の向上は見られるものの、暗電流
(Idb)が大きく、その用途が制限されていた。この
ため、例えばガンマカメラなどの性能を十分に発揮させ
得ない欠点があった。そこで本発明は、カソード感度S
kにおいて実用レベルの性能を維持しつつ、暗電流Id
bを大幅に低減させることのできる光電面および光電子
増倍管を提供することを目的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明に係る光電面は、
基板上に光電子放出材料層が形成され、前記光電子放出
材料層の構成元素はカリウム、セシウム、ルビジウム、
およびアンチモンを含み、前記光電子放出材料層をK2
Cs1-XRbXSbとして表記した場合のxは0.05〜
0.5であることを特徴とする。この場合、xが0.0
5以下では暗電流Idbが大きく、0.5以上ではカソ
ード感度Skの低下が大きくなる。本発明に係る光電面
は、セシウムに対するルビジウムの比が0.03を越え
ることを特徴とする。Rb/Cs比が0.03を越える
と暗電流は大幅に低減する。これに対し、カソード感度
については、僅かな低下は見られるものの、実用的には
十分に高いレベルを維持する。本発明に係る光電面は、
基板と光電子放出材料層の間に、酸化マンガンの中間層
が介在されている。本発明に係る光電面は、光電子放出
材料層が、アンチモンを主な構成元素とする基板側の第
1層と、カリウム、セシウムおよびルビジウムを主な構
成元素とする第2層とを有している。
基板上に光電子放出材料層が形成され、前記光電子放出
材料層の構成元素はカリウム、セシウム、ルビジウム、
およびアンチモンを含み、前記光電子放出材料層をK2
Cs1-XRbXSbとして表記した場合のxは0.05〜
0.5であることを特徴とする。この場合、xが0.0
5以下では暗電流Idbが大きく、0.5以上ではカソ
ード感度Skの低下が大きくなる。本発明に係る光電面
は、セシウムに対するルビジウムの比が0.03を越え
ることを特徴とする。Rb/Cs比が0.03を越える
と暗電流は大幅に低減する。これに対し、カソード感度
については、僅かな低下は見られるものの、実用的には
十分に高いレベルを維持する。本発明に係る光電面は、
基板と光電子放出材料層の間に、酸化マンガンの中間層
が介在されている。本発明に係る光電面は、光電子放出
材料層が、アンチモンを主な構成元素とする基板側の第
1層と、カリウム、セシウムおよびルビジウムを主な構
成元素とする第2層とを有している。
【0005】また、本発明に係る光電子増倍管は、真空
容器の内部に、上記の光電面と、この光電面から放出さ
れた光電子を増倍する電子増倍部と、増倍電子を捕集す
るアノードとを備えることを特徴とする。
容器の内部に、上記の光電面と、この光電面から放出さ
れた光電子を増倍する電子増倍部と、増倍電子を捕集す
るアノードとを備えることを特徴とする。
【0006】
【作用】本発明の如く、アンチモン、カリウムおよびセ
シウムの光電子放出材料層にルビジウムを添加すると、
カソード感度Skの低下を押さえながら、暗電流Idb
を大幅に低減させ得る。
シウムの光電子放出材料層にルビジウムを添加すると、
カソード感度Skの低下を押さえながら、暗電流Idb
を大幅に低減させ得る。
【0007】
【実施例】以下、添付図面により実施例の光電面および
光電子増倍管を説明する。図1(a)は光電面の断面図
であり、同図(b)は光電子増倍管の断面図である。
光電子増倍管を説明する。図1(a)は光電面の断面図
であり、同図(b)は光電子増倍管の断面図である。
【0008】同図(a)の通り、ガラスなどの基板1上
にはMnO2 すなわち酸化マンガン層2が形成され、こ
の上面にバイアルカリ光電面すなわち光電子放出材料層
3が形成されている。この光電子放出材料層3は、酸化
マンガン層2上にアンチモンの第1層31を堆積し、こ
の上にカリウム、セシウムおよびルビジウムの第2層3
2を堆積して活性化することで形成される。
にはMnO2 すなわち酸化マンガン層2が形成され、こ
の上面にバイアルカリ光電面すなわち光電子放出材料層
3が形成されている。この光電子放出材料層3は、酸化
マンガン層2上にアンチモンの第1層31を堆積し、こ
の上にカリウム、セシウムおよびルビジウムの第2層3
2を堆積して活性化することで形成される。
【0009】同図(b)の通り、透過型の光電子増倍管
においては、光電子放出材料層3は真空容器10の受光
面板11の内面に形成される。そして、真空容器10の
内部にはダイノード12が複数段設けられ、底部にはア
ノード13および外部端子14が設けられている。
においては、光電子放出材料層3は真空容器10の受光
面板11の内面に形成される。そして、真空容器10の
内部にはダイノード12が複数段設けられ、底部にはア
ノード13および外部端子14が設けられている。
【0010】このような構造において、信号光が入射さ
れると光電面から光電子が放出され、電界によって第1
段のダイノード121 に衝突される。そして、ダイノー
ド121 から放出された二次電子は、第2段のダイノー
ド122 に衝突されてさらに二次電子を放出し、以下こ
れを繰り返して増倍された電子はアノード13に捕集さ
れる。
れると光電面から光電子が放出され、電界によって第1
段のダイノード121 に衝突される。そして、ダイノー
ド121 から放出された二次電子は、第2段のダイノー
ド122 に衝突されてさらに二次電子を放出し、以下こ
れを繰り返して増倍された電子はアノード13に捕集さ
れる。
【0011】前述のように、上記のようなバイアルカリ
光電面においては、従来からカリウム、セシウムおよび
アンチモンが用いられてきたが、本発明の光電面は、こ
れにルビジウムを添加したことを特徴とする。すなわ
ち、基板1上に酸化マンガン層2を形成し、次いでアン
チモン層を堆積した後に、カリウムおよびセシウムを真
空容器10内に導入して活性化するに当たり、ルビジウ
ムを添加している。その添加割合は、バイアルカリ光電
面をK2 Cs1-X RbX Sbで表現したときには、x=
0.05〜0.5程度であり、xが0.05以下では暗
電流Idbが大きく、0.5以上ではカソード感度Sk
の低下が大きくなってしまう。
光電面においては、従来からカリウム、セシウムおよび
アンチモンが用いられてきたが、本発明の光電面は、こ
れにルビジウムを添加したことを特徴とする。すなわ
ち、基板1上に酸化マンガン層2を形成し、次いでアン
チモン層を堆積した後に、カリウムおよびセシウムを真
空容器10内に導入して活性化するに当たり、ルビジウ
ムを添加している。その添加割合は、バイアルカリ光電
面をK2 Cs1-X RbX Sbで表現したときには、x=
0.05〜0.5程度であり、xが0.05以下では暗
電流Idbが大きく、0.5以上ではカソード感度Sk
の低下が大きくなってしまう。
【0012】図2はその実測値を示している。光電面の
形成は、アンチモンを堆積してカリウムを導入した後
に、ルビジウムと同時にセシウムを導入して活性化する
手法によった。そして、セシウムに対するルビジウムの
比(Rb/Cs比)を、0/20,0.2/20,0.
6/20,1/20,2/20,3/20,5/20,
10/20,20/20,30/20および40/20
に変化させた。また、サンプルについては、それぞれの
Rb/Cs比について7〜5本とした。
形成は、アンチモンを堆積してカリウムを導入した後
に、ルビジウムと同時にセシウムを導入して活性化する
手法によった。そして、セシウムに対するルビジウムの
比(Rb/Cs比)を、0/20,0.2/20,0.
6/20,1/20,2/20,3/20,5/20,
10/20,20/20,30/20および40/20
に変化させた。また、サンプルについては、それぞれの
Rb/Cs比について7〜5本とした。
【0013】図2から明らかなように、Rb/Cs比が
0.03を越えると暗電流Idbは大幅に低減してい
る。これに対し、カソード感度Skについては、僅かな
低下は見られるものの、実用的には十分に高いレベルを
維持している。
0.03を越えると暗電流Idbは大幅に低減してい
る。これに対し、カソード感度Skについては、僅かな
低下は見られるものの、実用的には十分に高いレベルを
維持している。
【0014】なお、本発明においては酸化マンガン上に
アンチモン層が形成され、その上にカリウム、セシウム
およびルビジウムの混合層が形成されているものと一
応、推測されるが、これらの層は極めて薄く、またカリ
ウムなどは活性であるので、カリウム、セシウムおよび
ルビジウムがアンチモン層と混ざり合い、あるいは酸化
マンガンにこれら光電子放出材料が添加されていること
も考えられる。
アンチモン層が形成され、その上にカリウム、セシウム
およびルビジウムの混合層が形成されているものと一
応、推測されるが、これらの層は極めて薄く、またカリ
ウムなどは活性であるので、カリウム、セシウムおよび
ルビジウムがアンチモン層と混ざり合い、あるいは酸化
マンガンにこれら光電子放出材料が添加されていること
も考えられる。
【0015】バイアルカリ光電面おいて、赤感度向上の
ためにルビジウムを添加した例は従来からあるが、その
暗電流Idbの低減作用はまったく着目されていなかっ
た。本発明は、アンチモン、カリウムおよびセシウムか
らなる光電面において、ルビジウムを添加することで優
れた効果を達成したものであり、極微弱光を超高感度で
検出する科学、技術分野において、その利用価値が極め
て高い。
ためにルビジウムを添加した例は従来からあるが、その
暗電流Idbの低減作用はまったく着目されていなかっ
た。本発明は、アンチモン、カリウムおよびセシウムか
らなる光電面において、ルビジウムを添加することで優
れた効果を達成したものであり、極微弱光を超高感度で
検出する科学、技術分野において、その利用価値が極め
て高い。
【0016】
【発明の効果】以上の通り、本発明の光電面は、アンチ
モン、カリウムおよびセシウムの光電子放出材料層にル
ビジウムを添加している。これにより、カソード感度S
kの低下を押さえながら、暗電流Idbを大幅に低減さ
せることが可能となった。
モン、カリウムおよびセシウムの光電子放出材料層にル
ビジウムを添加している。これにより、カソード感度S
kの低下を押さえながら、暗電流Idbを大幅に低減さ
せることが可能となった。
【図1】光電面および光電子増倍管の断面図である。
【図2】暗電流Idbとカソード感度Skの実測値を示
す図である。
す図である。
1…基板、2…酸化マンガン層、3…光電子放出材料
層、10…真空容器 11…受光面板、12…ダイノード、13…アノード。
層、10…真空容器 11…受光面板、12…ダイノード、13…アノード。
Claims (5)
- 【請求項1】 基板上に光電子放出材料層が形成され、
前記光電子放出材料層の構成元素はカリウム、セシウ
ム、ルビジウム、およびアンチモンを含み、前記光電子
放出材料層をK2Cs1-XRbXSbとして表記した場合
のxは0.05〜0.5であることを特徴とする光電
面。 - 【請求項2】 セシウムに対するルビジウムの比が0.
03を越えることを特徴とする請求項1に記載の光電
面。 - 【請求項3】 前記基板と前記光電子放出材料層の間
に、酸化マンガンの中間層が介在されている請求項1又
は2に記載の光電面。 - 【請求項4】 前記光電子放出材料層が、アンチモンを
主な構成元素とする前記基板側の第1層と、カリウム、
セシウムおよびルビジウムを主な構成元素とする第2層
とを有している請求項1乃至3のいずれか1項に記載の
光電面。 - 【請求項5】 真空容器の内部に、請求項1乃至4のい
ずれか1項に記載の光電面と、この光電面から放出され
た光電子を増倍する電子増倍部と、増倍電子を捕集する
アノードとを備えることを特徴とする光電子増倍管。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP30322691A JP3179537B2 (ja) | 1991-11-19 | 1991-11-19 | 光電面および光電子増倍管 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP30322691A JP3179537B2 (ja) | 1991-11-19 | 1991-11-19 | 光電面および光電子増倍管 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH05144409A JPH05144409A (ja) | 1993-06-11 |
JP3179537B2 true JP3179537B2 (ja) | 2001-06-25 |
Family
ID=17918401
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP30322691A Expired - Fee Related JP3179537B2 (ja) | 1991-11-19 | 1991-11-19 | 光電面および光電子増倍管 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3179537B2 (ja) |
Families Citing this family (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP5308078B2 (ja) | 2008-06-13 | 2013-10-09 | 浜松ホトニクス株式会社 | 光電陰極 |
JP5955713B2 (ja) * | 2012-09-18 | 2016-07-20 | 浜松ホトニクス株式会社 | 光電陰極 |
JP2014044960A (ja) * | 2013-11-05 | 2014-03-13 | Hamamatsu Photonics Kk | 光電陰極 |
-
1991
- 1991-11-19 JP JP30322691A patent/JP3179537B2/ja not_active Expired - Fee Related
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Publication number | Publication date |
---|---|
JPH05144409A (ja) | 1993-06-11 |
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
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R350 | Written notification of registration of transfer |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350 |
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