JPH06341512A - モータ付直交歯車減速機 - Google Patents

モータ付直交歯車減速機

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JPH06341512A
JPH06341512A JP13031993A JP13031993A JPH06341512A JP H06341512 A JPH06341512 A JP H06341512A JP 13031993 A JP13031993 A JP 13031993A JP 13031993 A JP13031993 A JP 13031993A JP H06341512 A JPH06341512 A JP H06341512A
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motor shaft
gear
bearing
shaft
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Seiji Minegishi
清次 峯岸
Katsumi Taki
克己 瀧
Tetsushi Isozaki
哲志 磯崎
Mitsuo Ogamoto
光夫 鋸本
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Sumitomo Heavy Industries Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 ユーザから要求される(低バックラッシタイ
プを含む)様々な態様のモータ付直交歯車減速機を容易
にシリーズ化できるようにする。 【構成】 ハイポイドピニオン104とハイポイドギヤ
105との噛合によって生じるモータ軸103の軸方向
分力を、該モータ軸103の回転方向に拘らず、このモ
ータ軸103を支持する一対の軸受113、122のう
ち歯車箱側の軸受113の部分のみで保持する。モータ
軸103と歯車箱側軸受113との軸方向の位置決めを
フランジ部127とカラー(位置決め部材)130とに
よって行い、軸受カバー(軸受固定板)128を介して
歯車箱側軸受113をモータの継カバー114に対して
固定する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、物流機器等の用途、特
にコンベア、無人走行台車等の用途、あるいは産業ロボ
ット等の用途に好適な、モータ付直交歯車減速機に関す
る。
【0002】
【従来の技術】近年、物流機器、特にコンベア等の市場
において、モータを備えると共にモータ軸と出力軸とが
直交したモータ付直交歯車減速機のニーズが高まってい
る。
【0003】「モータ付」が求められる理由は、以下の
通りである。
【0004】即ち、例えば複数のコンベアからなる物流
システム等においては、必要な部分のみを必要な時にの
み運転させるのが効率的である。この場合、1つ1つの
コンベアの駆動に独立性があった方が有利である。又、
搬送経路を変更するべく1つ1つのコンベアの配置を変
えたりすることもよく行われるが、この場合も1つ1つ
のコンベアの駆動が独立していた方が有利である。
【0005】一方、「直交歯車減速機」が求められる理
由は、以下の通りである。
【0006】即ち、一般にモータ付歯車減速機の最大寸
法(長手方向寸法)は、モータの軸方向となる。そのた
め、該歯車減速機を取付けた時のスペース性を向上させ
るには、この最大寸法の方向(モータ軸の方向)をコン
ベアと平行に配置するのが最良となる。ところが、コン
ベアの軸を駆動するには、当該歯車減速機の出力軸がこ
のコンベアの軸と平行でなければならない。従って、歯
車減速機の出力軸はモータ軸に対して直交させる必要が
ある。
【0007】本出願人は、既に特願昭62−28304
4(特公平2−53656)において、このような要求
を満足するモータ付直交歯車減速機を提案している。図
6、7にこの減速機を示す。
【0008】このモータ付直交歯車減速機では、1段目
がハイポイドピニオン4及びハイポイドギヤ5から成る
ハイポイドギヤセット20、2段目以降は平行軸歯車2
1の組合せで構成されている。
【0009】ハイポイドギヤセット20は、モータ軸3
の端部に一体に形成されたハイポイドピニオン4と、該
モータ軸3と軸心をe1だけずらして直交させた軸に取付
けられ、このハイポイドピニオン4と噛合するハイポイ
ドギヤ5とより成る。
【0010】又、平行軸歯車21は、ハイポイドギヤ5
と一体的且つ同軸に配置された2段目ピニオン7、該2
段目ピニオン7と噛合する2段目ギヤ8、該2段目ギヤ
8と一体的且つ同軸に配置された3段目ピニオン10、
該3段目ピニオン10と噛合する3段目ギヤ11、該3
段目ギヤ11と一体的に回転する出力軸12とから構成
されている。従って、この平行軸歯車21の組合せを変
えることにより減速比を変えることができる。
【0011】そのため、出力軸12及び歯車箱2の寸法
によって決まる相手機械への取合い寸法を市場の要請に
合せて小なるものから大なるものへ何種類かの大きさに
分けたサブシリーズ(このサブシリーズを以降「枠番」
と称する)を予め準備し、且つ、同一の枠番で何種類か
の減速比を予め系列化して全体をシリーズとして準備す
ることにより、多様なユーザへの対応を可能としてい
る。
【0012】モータ軸3はモータ継カバー14内の歯車
箱側軸受(モータ軸負荷側軸受)13と、反歯車箱側の
モータ継カバー23内の反歯車箱側軸受(モータ軸反負
荷側軸受)22との一対の軸受で軸支されている。
【0013】ところで、ハイポイドピニオン4とハイポ
イドギヤ5との噛合により生じる荷重はモータ軸3に作
用し、前記一対の軸受13、22により保持される。こ
こにおいて、ハイポイドギヤセット20による軸受荷重
は、2段目以降の平行軸歯車21による荷重がほとんど
半径方向荷重(ラジアル荷重)のみであるのと異なり、
モータ軸3の軸方向の分力(スラスト荷重)も大きく、
しかも、このスラスト荷重の荷重方向がモータ軸3の回
転方向に依存して逆転するという特徴がある。
【0014】図8に、従来公知のモータ構造におけるス
ラスト荷重の向きと保持の関係を簡略化して示す。
【0015】スラスト荷重は、ハイポイドピニオン4の
ねじれ方向によって異なるが、左ねじれの場合はモータ
の反歯車箱側から見て時計方向回転の場合にFA の向
き、即ちモータ軸3をモータ方向に押す荷重(これを便
宜上モータ方向スラスト荷重と称する)が発生し、反時
計方向回転の場合にはFB の向き、即ちモータ軸を歯車
箱方向に引張る荷重(これを便宜上歯車箱方向スラスト
荷重と称する)が発生する。ハイポイドピニオン4が右
ねじれの場合はこの逆になる。
【0016】モータ軸3に作用する荷重のうち、ラジア
ル荷重については軸受スパンの関係からほとんど歯車箱
側の軸受13により保持され、回転方向による差もほと
んど無視し得る。
【0017】しかしながら、スラスト荷重については回
転方向により保持する軸受が異なってくる。モータ方向
スラスト荷重FA は、反歯車箱側軸受22、反歯車箱側
のモータ継カバー23、及びモータ軸の段付部28によ
り主に保持される。この荷重方向における反歯車箱側軸
受22でのスラスト荷重とラジアル荷重の割合は公知例
において約10対1となり、ほとんどスラスト荷重とな
る。従って反歯車箱側軸受22は、かなり大きなスラス
ト荷重を保持し得る構造、あるいは大きさを必要とす
る。
【0018】一方、歯車箱方向スラスト荷重FB は、モ
ータ軸3の鍔部27、歯車箱側軸受13、及びモータ継
カバー14により保持される。この荷重方向における歯
車箱側軸受13でのスラスト荷重とラジアル荷重の割合
は公知例においては約1対1となる。
【0019】このようにスラスト荷重においては、これ
を保持する軸受が回転方向によって異なるというのが従
来の構造の特徴であった。
【0020】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このよ
うな従来のモータ付直交歯車減速機にあっては、近年の
生産システムの合理化に伴うモータ及びその使用方法の
多様化に十分対応できないという問題が顕著になってき
た。即ち、ユーザの幅広いニーズに応じることのでき
る減速機群からなるシリーズを安価にあるいは短い納期
で提供することが困難となり、又、特に近年ニーズの
高まってきた低バックラッシタイプのモータ付直交歯車
減速機をこうしたシリーズの中で提供していくことが困
難になってきたものである。
【0021】以下この事情を少し詳細に説明する。
【0022】この種の減速機の多用される物流システム
の分野においては、前述したように、複数のコンベアか
らなる物流システムの必要な部分のみを必要な時にのみ
運転させるのが効率的である。そのため1つ1つのコン
ベアの駆動に独立性を持たせるようになってきている。
【0023】ところが、ここでコンベア等に用いられる
モータ付直交歯車減速機は、相手機械(コンベア等)の
一部を構成しているにすぎず、更に、この相手機械等も
物流システム全体の一部を構成しているにすぎない。従
って、物流システム全体との関係において、モータ付直
交歯車減速機をよりコンパクトに収めると共に、最適な
モータとの組合せでコンベアの必要機能を満足させるこ
とが求められるようになってきている。
【0024】コンベアの機能としては、単に搬送物を移
動させる機能があれば十分なものと、例えば搬送物を識
別したり整理したりするために、搬送速度の制御や定位
置への停止制御が必要なものとが求められるようになっ
てきている(便宜上、前者を汎用コンベア、後者を制御
用コンベアと称する)。
【0025】一般に、汎用コンベア用としては、籠型誘
導電動機と歯車減速機の組合せが用いられ、制御用コン
ベア用としては、サーボモータと歯車減速機の組合せが
用いられる。そして、サーボモータと組合される減速機
は、角度バックラッシが少なく、定位置での停止制御に
向いた低角度バックラッシタイプの減速機が求められる
ようになってきている。
【0026】ここで、角度バックラッシとは、モータが
正転から逆転に移る際に生ずる遊びやガタのことを言
う。即ち、入力軸がどの程度逆転すれば出力軸がそれに
追随して逆転するかを示すものであり、一方の軸(低速
側又は高速側)を止めた状態で他方を動かすことのでき
る量(角度)とも定義し得るものである。
【0027】このような角度バックラッシの存在は、伝
動機構が正逆回転を伴う制御装置として使われる時には
当然に精度の低下を招き、又、伝動装置自体の純機械的
な耐久性の面から見ても、より大きな衝撃が生じ易くな
るため好ましくない。前述のモータ付直交歯車減速機
は、構造上比較的角度バックラッシを低減可能であると
言われているが、それでも今日の高いニーズから見て無
視し得ない角度バックラッシが存在する。
【0028】しかしながら、このような減速機側におい
て角度バックラッシを低減するという事情は、モータ側
から見ると、例えばサーボモータの応用例の1つに過ぎ
ず、1つの応用例に合せるためにモータの基本的な構成
を変更することは、コスト高と長納期化につながり好ま
しくない。即ち、モータ側から見れば歯車箱側が低バッ
クラッシタイプなのか汎用タイプなのかによって自身の
構成をその都度変更したくはないということになる。し
かしながら、従来はモータ側と無関係に低バックラッシ
タイプのモータ付直交歯車減速機を構成するのは極めて
困難であった。
【0029】これは、従来のモータ付直交歯車減速機で
は、その構造上角度バックラッシを低減すること自体が
困難であったこととも関係している。本発明の効果と関
連することなのでこれについて少し詳しく説明する。
【0030】この種の減速機では、減速機全体としての
コンパクト化を実現するために、ハイポイドピニオン4
がモータ軸3の先端に該モータ軸3と一体に形成され
る。即ち、モータ軸3はモータの中心軸としての機能の
他に、ハイポイドピニオンとしての機能を要求される。
そのため、これを支持する軸受13、22はそのハイポ
イドピニオンとしての荷重を保持すると共に、軸に作用
するスラスト荷重が大きい中にあって該ハイポイドピニ
オンの軸方向の組立精度を必要とし、しかも、ハイポイ
ドギヤセット20全体としての剛性をも有する必要があ
る。
【0031】しかしながら、モータ軸3はモータの中心
軸という機能から、もともとその全長がかなり長く、そ
のため上述したスラスト荷重の保持、組付精度の維持、
及び剛性の維持等をシリーズという思想の中で良好に実
現するのは至難であった。
【0032】例えば、図6〜図8に示した減速機を例に
とって説明すると、この1個の減速機「のみ」を考慮し
て上記課題を解消しようとした場合は、確かに、モータ
軸3の歯車箱側軸受13及び反歯車箱側軸受22を必要
とする負荷容量及び剛性に合せて選定し、軸受サイズを
それなりに大きくすれば足りる。
【0033】しかしながら、モータはモータフレーム2
4、固定子鉄心25、回転子鉄心26、反歯車箱側軸受
22等の基本部分の構成部品を共用しながら、反歯車箱
側カバー23より外側にブレーキユニットや回転検出器
ユニットが備えられるようにすることにより、ブレーキ
付モータや回転検出器付モータとしてもユーザのニーズ
に応じてシリーズ化しておかなければならない。
【0034】このようなモータ群としてのシリーズ化の
設計思想が存在している中で、ハイポイドギヤセットと
しての機能上の必要から、モータ軸の反歯車箱軸受22
の寸法を只単に大きくすると、ブレーキユニットや回転
検出器ユニットをそのまま使用したり、あるいは、不使
用としたりすることが難しくなり、シリーズ全体として
の無駄が多く発生してコスト面、重量面、納期面での対
応が非常に困難となり、場合によっては対応そのものが
できなくなることも有り得る。
【0035】一方、歯車伝動機構における低バックラッ
シ化の対応についても、従来の構造においては、種々の
問題が多々あった。
【0036】図7、図8を用いて説明すると、ハイポイ
ドピニオン4とハイポイドギヤ5の組立寸法MDの精度
は、基本的にはこの種のハイポイドギヤセットの加工機
械として一般に用いられる歯切り盤における加工時の基
準寸法によって決定される。当然のことながら、この寸
法MDを精度良く管理することにより、(焼付き等を起
こすことなく)ハイポイドギヤセットの隙間を小さくす
ることができ、バックラッシを低減できる。MD寸法を
精度良く管理するためには、歯車箱のA寸法の加工精度
と組立後におけるモータのB寸法の精度が必要である。
【0037】ところで、角度バックラッシの小さい歯車
減速機を必要とするサーボモータは、軽量化、熱放散
性、外観が美的である等の理由により、そのモータフレ
ーム24がアルミ押出材、あるいはアルミダイカスト材
で製作されることが多い。
【0038】一方において、一端にハイポイドピニオン
4を一体に形成しているモータ軸3は、ハイポイドピニ
オン部に高硬度が必要とされることから一般には浸炭焼
入れ、焼戻しされた合金鋼で製作される。この場合、モ
ータフレーム24の線膨脹係数はモータ軸3の線膨脹係
数の約2倍もあり、寒冷期における始動を確実にするた
めにはモータフレーム24の長さが150mm程度の小型
モータにおいても、図8における軸方向隙間σAを室温
において最低でも0.05mm程度は確保する必要があ
る。この結果、仮にこの隙間を最小限に設定したとして
も、モータの定常使用状態においては温度上昇に伴い軸
方向隙間σAは0.2〜0.3mm程度にまで拡大してし
まう。そのため、モータのB寸法は回転方向によって著
しく変化し、この隙間の変化分が角度バックラッシとな
ってしまい顕在化する。
【0039】即ち、従来公知のモータ構造においては、
(モータ軸がもともと長いために)モータフレーム24
をアルミ押出材、あるいはアルミダイカスト材のよう
に、モータ軸よりも線膨脹係数の大きな材質で製作する
ことは、角度バックラッシの低減を非常に難しくすると
いう問題を含んでいたものである。
【0040】本発明は、このような従来の問題に鑑みて
なされたものであって、物流システムの多様化に伴って
ユーザ側から要求される様々な態様のモータ付直交歯車
減速機群のシリーズを、低コストに、且つユーザにとっ
て使い易い態様で提供し、しかもこのシリーズ中に、
(材質等に依存することなく)角度バックラッシを低減
したグループを支障なく組み込むことのできるようなモ
ータ付直交歯車減速機を提供し、上記種々の課題の一度
に解決したものである。
【0041】
【課題を解決するための手段】本発明は、モータ軸が一
対の軸受で支持されたモータと、該モータ軸と直交して
配置された出力軸を有する歯車箱とを備え、且つ、該歯
車箱中に、前記モータ軸と一体的に形成されたハイポイ
ドピニオンと、前記モータ軸と軸心をずらせて直交させ
た軸に取付けられ前記ハイポイドピニオンと噛合するハ
イポイドギヤとからなるハイポイドギヤセットを内蔵し
たモータ付直交歯車減速機において、前記ハイポイドピ
ニオンとハイポイドギヤとの噛合によって生じるモータ
軸の軸方向分力を、該モータ軸の回転方向に拘らず、こ
のモータ軸を支持する前記一対の軸受のうち歯車箱側の
軸受部分のみで保持する構造としたことにより、上記課
題を解決したものである。
【0042】
【作用】本発明においては、モータ軸の回転方向に拘ら
ず、ハイポイドピニオンとハイポイドギヤとの噛合によ
って生じるモータ軸の軸方向分力(スラスト荷重)を、
全て歯車箱側の軸受部分のみで保持するように構成し
た。その結果、モータの反歯車箱側の軸受に関してはス
ラスト荷重に対する配慮をする必要がなくなり、従って
小型の軸受で足りるようになるため、これを全てのモー
タ付直交歯車減速機群について共用化することが容易と
なる。従って、この部分にブレーキシステムや回転検出
器等を支障なく組み込むことができるようになる。
【0043】又、モータ軸が長く、しかもその材質がモ
ータフレームの材質と異なっている場合であっても、そ
の線膨脹係数の違いを反歯車箱側で容易に吸収すること
ができるようになり、歯車箱側軸受〜歯車箱内のハイポ
イドギヤセットの組付寸法の精度(前記寸法MDの精
度)を飛躍的に向上させることができるようになる。
【0044】その結果、焼付き等を生じさせることなく
組付け時の各歯車間の隙間を低減することができるよう
になり、角度バックラッシの低い歯車箱を容易にサーボ
モータ等と組合せることができるようになる。
【0045】なお、この保持構造を具体的に実現するた
めには、例えば、前記モータ軸の歯車箱側軸受付近にフ
ランジ部を一体的に形成すると共に、該モータ軸の先端
付近に位置決め用のカラーを嵌め込み可能とし、このフ
ランジ部とカラーとによって前記歯車箱側軸受のモータ
軸に対する軸方向の位置決めをし、且つ、軸受固定板を
モータの回転子と歯車箱側軸受との間に配置すると共
に、これをモータの継カバーに対して固定可能とし、該
軸受固定板を介して前記歯車箱側軸受をモータの継カバ
ーに対して固定するように構成するとよい。
【0046】
【実施例】以下図面に基づいて本発明の実施例を詳細に
説明する。
【0047】図1は、本発明に係る構造を脚取付型のモ
ータ付直交歯車減速機に適用した実施例を示す。又、図
2は図1の歯車列の配置を示す軸方向断面図、図3は上
記実施例におけるモータ部分の詳細図である。
【0048】歯車箱102内には、モータ軸103の先
端に一体的に形成されているハイポイドピニオン10
4、該ハイポイドピニオン104と噛合するハイポイド
ギヤ105、このハイポイドギヤ105と一体的且つ同
軸に配置された2段目ピニオン107、該2段目ピニオ
ン107と噛合する2段目ギヤ108、該2段目ギヤ1
08と一体的に回転する出力軸112が配置されてい
る。
【0049】この歯車箱102内の基本的な構造は、図
6、図7において示した構造が3段の減速構造になって
いたのに対し、これを2段に省略しただけであり、基本
的な構成自体については従来の設計思想と特に異なるも
のはない。従って、詳細な説明は省略する。
【0050】以下、図3のモータ部分の拡大図を参照し
ながらこの実施例の本発明に係る部分を詳細に説明す
る。
【0051】モータ軸103の歯車箱側軸受113の付
近には、フランジ部127が一体に形成されている。
又、ハイポイドピニオン104は、モータ軸103に一
体に形成され、その歯車としての仕上寸法はこのフラン
ジ部127を基準にして加工及び管理されている。
【0052】モータ軸103には、歯車箱側軸受113
の位置決め用のカラー130が嵌め込み可能とされ、前
記フランジ部127の端面及びカラー130の端面の間
に歯車箱側軸受113が挾まれることによって、歯車箱
側軸受113のモータ軸103に対する軸方向の位置決
めが成されている。なお、カラー130は具体的にはモ
ータ軸103に焼嵌め等の方法により密嵌されている。
【0053】なお、図において符号119はオイルシー
ル、131は振切板である。この振切板131はオイル
シール119のシール機能を補強するものである。
【0054】又、止め輪132は、カラー130のモー
タ軸103に対する固定力を補強するものであり、場合
によっては無くともよい。
【0055】モータ軸103及び該モータ軸103に組
付けられた歯車箱側軸受113は、軸受カバー(軸受固
定板)128及び軸受カバー取付ボルト130とにより
モータ継カバー114に固定される。
【0056】又、モータフレーム124は軽量化し易
い、熱放散性が良い、外観が美的である等の理由でアル
ミ押出材、あるいはアルミダイカスト材で製作されてい
る。一方、モータ軸103はハイポイドピニオン部分の
硬度を確保するため浸炭焼入れ、焼戻しした合金鋼で製
作されている。
【0057】このモータフレーム124とモータ軸10
3との線膨脹係数の差により、特に寒冷期にモータ軸1
03がロックされるのを防ぐ隙間δAがモータ軸の反歯
車箱側のモータ継カバー123と反歯車箱側軸受122
との間に設けられている。これにより、モータフレーム
124とモータ軸103の材質が異なることに伴う線膨
脹係数の差を全く支障なく(角度バックラッシの増大を
誘うことなく)前記隙間δAで吸収することができるよ
うになる。
【0058】又、モータ軸103の回転方向の如何に拘
らず、ハイポイドギヤセットにより発生するモータ軸1
03の軸方向分力FA 、FB は、共に歯車箱側軸受11
3のみにより確実に保持されるため、モータ継カバー1
14の据付面116とハイポイドピニオン104の歯切
り時の基準面でもあるフランジ部127との寸法Bは、
歯車箱側軸受113の内部隙間の範囲内で常に一定に保
持されることになる。従って、反歯車箱側軸受122に
はスラスト荷重FA 、FB とも全く作用せず、このため
後述するように、この外側に例えばブレーキユニットや
その他の回転制御用の部材を設けるのに全く支障がない
ような小型の共用部品とすることができる。
【0059】前記寸法Bを一定にすることができるとい
うことは、ハイポイドギヤセットとしての(図7を用い
て説明した)MD寸法を精度良く管理できることを意味
する。この結果、ハイポイドピニオン104が回転する
ことにより隙間が詰まりすぎてしまう心配が無くなるた
め、該ハイポイドギヤセットの組付け時の隙間を必要最
小限に設定することが可能になる。これは、低バックラ
ッシタイプの歯車箱を容易に制作することができるとい
うだけでなく、このようにして制作された低バックラッ
シタイプの歯車箱と、特に低バックラッシ態様とはされ
ていない歯車箱とを、モータ側の構造とは無関係に選択
・組合せできることを意味し、シリーズ構成が飛躍的に
簡素化される。
【0060】なお、2段目以降の平行軸歯車に関して
は、ハイポイドギヤセットによりモータ軸の回転数が減
速されるため、各歯車間の隙間を小さくしても焼付きや
騒音の問題は比較的発生し難く、従って隙間がつめ易
い。即ち、低バックラッシタイプの歯車箱を製作できる
か否かは、ハイポイドギヤセットの部分においていかに
隙間を詰めることができるかにかかっていたのである
が、上記構造を採用することにより、この部分での隙間
減少を(焼付き等の恐れを生じさせることなく)容易に
実現できるようになったものである。
【0061】なお、図4には、図1〜図3に示した実施
例において、反歯車箱側のモータ継カバー123の外側
にブレーキユニット140を設けるようにしたものであ
り、これによってブレーキ付モータとした例が示されて
いる。
【0062】又、図5には、図1〜図3に示したモータ
をサーボモータに置き換えると共に、回転検出器付ブレ
ーキユニット255を取付けた場合の反歯車箱側軸受1
22付近の拡大図が示されている。
【0063】両図共、図示はされていないが、ハイポイ
ドギヤセット及び平行軸歯車減速機部分には低バックラ
ッシタイプの構造が採用されている。このように、反歯
車箱側軸受122がスラスト軸受をほとんど受ける必要
がなくなったため、これを小型化することができ、この
外側部分に種々の制御用ユニットを容易に取付けること
ができるようになったものである。
【0064】なお、図5において符号203はモータ
軸、223はモータ継カバー、250はブレーキユニッ
ト、251は回転検出器取付板、252は回転検出器、
253は回転検出器カバー、254は電動ファンであ
る。
【0065】
【発明の効果】以上説明した通り、本発明によれば、物
流システムの多様化に伴ってユーザ側から要求される様
々な態様のモータ付直交歯車減速機群のシリーズを、低
コストに、且つユーザにとって使い易い態様で提供し、
しかもこのシリーズ中に、(材質等に依存することな
く)角度バックラッシを低減したグループを支障なく
(コスト増や重量増を伴うことなく)組み込むことがで
きるようになるという優れた効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明が適用されたモータ付直交歯車減速機の
(歯車列を展開して示した)実施例を示す軸方向正断面
【図2】図1に示したモータ付直交歯車減速機の(歯車
列の配置を示す)軸方向平断面図
【図3】上記モータ付直交歯車減速機のモータ部分の拡
大図
【図4】図1のモータを反歯車箱側のモータ継カバーよ
り外側にブレーキユニットを備えたブレーキ付モータに
置き換えた例を示す軸方向正断面図
【図5】図1〜図3のモータをサーボモータとすると共
に、これに回転検出器付ブレーキユニットを取付けた例
を示す軸方向正断面図
【図6】従来のモータ付直交歯車減速機の(歯車列を展
開して示した)軸方向正断面図
【図7】図6のモータ付直交歯車減速機の軸方向平断面
【図8】図6、図7に示したモータ付直交歯車減速機の
モータ部分の拡大図
【符号の説明】
103…モータ軸 104…ハイポイドピニオン 105…ハイポイドギヤ 113…歯車箱側軸受 114…モータ継カバー 122…反歯車箱側軸受 123…モータ継カバー 124…モータフレーム 127…フランジ部 128…軸受カバー(軸受固定板) 130…カラー(位置決め材) 140…ブレーキユニット 225…回転検出器付ブレーキユニット
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 鋸本 光夫 愛知県大府市朝日町六丁目1番地 住友重 機械工業株式会社名古屋製造所内

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】モータ軸が一対の軸受で支持されたモータ
    と、該モータ軸と直交して配置された出力軸を有する歯
    車箱とを備え、且つ、該歯車箱中に、前記モータ軸と一
    体的に形成されたハイポイドピニオンと、前記モータ軸
    と軸心をずらせて直交させた軸に取付けられ前記ハイポ
    イドピニオンと噛合するハイポイドギヤとからなるハイ
    ポイドギヤセットを内蔵したモータ付直交歯車減速機に
    おいて、 前記ハイポイドピニオンとハイポイドギヤとの噛合によ
    って生じるモータ軸の軸方向分力を、該モータ軸の回転
    方向に拘らず、このモータ軸を支持する前記一対の軸受
    のうち歯車箱側の軸受部分のみで保持する構造としたこ
    とを特徴とするモータ付直交歯車減速機。
  2. 【請求項2】請求項1において、前記モータ軸の歯車箱
    側軸受付近にフランジ部を一体的に形成すると共に、該
    モータ軸の先端付近に位置決め用のカラーを嵌め込み可
    能とし、このフランジ部とカラーとによって前記歯車箱
    側軸受のモータ軸に対する軸方向の位置決めをし、且
    つ、 軸受固定板をモータの回転子と歯車箱側軸受との間に配
    置すると共に、これをモータの継カバーに対して固定可
    能とし、該軸受固定板を介して前記歯車箱側軸受をモー
    タの継カバーに対して固定したことを特徴とするモータ
    付直交歯車減速機。
  3. 【請求項3】請求項1において、前記モータのフレーム
    の材質を、前記モータ軸よりも線膨脹係数の大きな材質
    としたことを特徴とするモータ付直交歯車減速機。
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