JPH06341454A - トルクリミッタ - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 正逆両方向回転に対して大きさの異なったト
ルクが伝達できるトルクリミッタにおいて、形状のコン
パクト化を図り、潤滑材の漏洩を防止する。 【構成】 外輪２に径方向の割れ目１０を設け、外輪２
の内周面に内輪１との間でくさび形空所１５を形成する
ポケット１２を設ける。各ポケット１２にローラ３と押
さえばね５を組込み、保持器４に設けた位置決め片１９
で割れ目１０内側の位置決め溝１３を塞ぐ。この構造で
は、外輪２の径変化により内輪１がくさび型空所１５の
幅広方向に回転するときの伝達トルクが小さく、逆方向
に回転するときの伝達トルクが大きくなる。また、位置
決め片１９によりグリースが位置決め溝１３に侵入せ
ず、割れ目１０からの洩れが防止される。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】この発明は、正逆両方向回転に対
して異なるトルクの伝達が行えるトルクリミッタに関す
るものである。

【０００２】

【従来の技術】複写機、ファクシミリ等の事務機器の蓋
や、洋式便器の蓋などの開閉機器においては、蓋を開け
るときスムーズに回転するよう小さなトルクでよいが、
蓋を閉めるときは、急に落下しないように蓋を保持でき
る大きなトルクが必要であり、正逆両方向回転に対して
異なるトルクを設定する必要がある。

【０００３】このような正逆両方向のトルクを制御でき
るようにしたトルクリミツタとして、本出願人が特願平
２−２９６２０２号（特開平４−１３１５２７号）によ
り提案したものがある。

【０００４】このトルクリミッタは、軸の回りに径方向
に積層する２つの外輪を嵌合させ、この各外輪の内周面
に設けた複数のポケットに、それぞれ回転方向に逆方向
に傾斜する傾斜面を形成し、この各ポケットに組込んだ
ローラをそれぞれ押えばねによって各傾斜面に喰い込ま
せる方向に押圧した構成としている。

【０００５】

【発明が解決しようとする課題】しかし、上記提案のト
ルクリミッタにおいては、必要とされるトルク値が増大
した場合に押さえばね力を大きくする必要があるが、こ
のばね力増大だけで対処するには限界があるため、トル
クリミッタのサイズアップを図る必要がある。そのため
にトルクリミッタの寸法が大きくなりすぎる欠点があ
る。

【０００６】また、構造が複雑であり、部品点数が多
く、組立が複雑であるため、コストが高くなるという欠
点もある。

【０００７】加えて、上記構造のトルクリミッタでは、
２つの外輪の間にグリース等の潤滑剤を充填し、ローラ
や外輪の動きを潤滑してトルク伝達を安定させる構造が
とられるが、潤滑剤がリミッタから必要量以上に外部に
漏洩すると、ローラ等の動きが悪くなり、円滑なトルク
伝達が行なえなくなる問題がある。

【０００８】そこで、この発明は、正逆両方向の回転に
対してそれぞれ異なった大きさのトルクを設定すること
ができ、コンパクトなサイズで大きなトルクを発生する
ことができると共に、潤滑剤の漏洩を最小限に防止でき
るトルクリミッタを提供することを目的とする。

【０００９】

【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めに、この発明は、円形の表面を有する内方部材の外側
に、円周方向に周面の１ケ所が分離した外輪を嵌合さ
せ、その外輪の分離位置とは異なる内周面に軸方向の複
数のポケットを、分離位置の内周面にその分離位置を軸
方向に挿通する位置決め溝をそれぞれ設け、上記各ポケ
ットの周面に円周方向の一方向に傾斜する傾斜面を形成
し、その傾斜面と上記内方部材の表面とにより形成され
るくさび形空所にローラを組込み、上記くさび形空所の
幅狭側のポケット内側面にローラの喰込防止壁を形成
し、くさび形空所の幅広側のポケット内側面に軸方向の
ばね収納部を形成し、上記外輪の端面側に、外輪と共回
りする保持器を配置し、この保持器に、上記各ばね収納
部に軸方向に挿入される保持片と、位置決め溝に挿入さ
れる位置決め片とを設け、上記保持片に保持した押さえ
ばねにより上記ローラをくさび形空所の幅狭側に押圧す
るように構成し、上記位置決め片の形状を、位置決め溝
を軸方向及び円周方向に塞ぐ大きさで形成し、上記外輪
と内方部材の間に潤滑材を充填した構造としたのであ
る。

【００１０】また、この発明の第２の手段は、上記の構
造において、外輪と保持器の外側を、一端に閉塞壁を有
するケーシングと、そのケーングの他端を塞ぐ押え蓋に
より覆い、この押え蓋の内側に、ケーシングと内方部材
間のすき間を遮閉するシール部材を設けた構造を採用し
たのである。

【００１１】

【作用】上記構造のトルクリミッタにおいて、ローラが
くさび形空所から外れる方向に内方部材を回転させた場
合、外輪側に作用する負荷がローラの回転抵抗より小さ
いときは内方部材に対して外輪は一体に回転するが、上
記の回転抵抗以上の負荷が外輪側に作用すると内方部材
は空転し、トルクリミッタとして機能する。

【００１２】逆に、くさび形空所にローラが食込む方向
に内方部材を回転させた場合ローラがくさび形空所に食
込んでロック状態となり、内方部材に対して外輪が一体
に回転する。外輪側に作用する負荷が増加すると、外輪
の分離位置が開放され、ローラの食込み量が増大する。
更に負荷が増大してローラが食込み防止壁に接触すると
ロック作用が喪失する。そのため、それ以上の負荷を支
えることができなくなり内方部材は空転し、トルクリミ
ッタとして機能する。

【００１３】また、上記のトルクリミッタにおいては、
外輪と内方部材の間に潤滑材を充填した場合、分離位置
の内側に潤滑材が侵入していると、運転中、外輪が分離
位置で開放と収縮を繰り返すことによりポンプ作用が生
じ、潤滑材が外部へ漏洩する現象が起こるが、上記の構
造では、保持器の位置決め片が分割位置内側の位置決め
溝に嵌入し、その溝を軸方向及び幅方向に塞ぐため、溝
への潤滑材の侵入が防止され、分離位置からの潤滑材の
漏洩が無くなる。

【００１４】一方、上記第２の手段では、トルクリミッ
タ内に充填した潤滑剤がケーシングと押え蓋から外部に
漏れ出そうとすると、シール部材がその動きを止め、潤
滑剤の漏洩を防止する。

【００１５】なお、上記のような作用は、内方部材側に
負荷をかけ、外輪を回転させるようにしても同様であ
る。

【００１６】

【実施例】図１及び図２に示すように、実施例のトルク
リミッタは、内輪１、外輪２、ローラ３、保持器４、押
えばね５、ケーシング６及び押え蓋７とにより構成され
る。

【００１７】内輪１は、鉄系焼結金属又は鋼製の円筒状
のものであり、その内部に挿通される軸８のピン９と係
合される係合凹部１１が一端に設けられる。

【００１８】外輪２は、鉄系焼結金属等の弾性を有する
素材で形成され、図２に示すように、内周面に、その軸
方向両端にわたるポケット１２が一定間隔をおいて多数
形成され、或る１つのポケット１２とこれに隣接したポ
ケット１２との間にこれらと平行に位置決め溝１３が形
成される。

【００１９】ポケット１２の底面は一方向にわずかに傾
斜した傾斜面１４をなし、その傾斜面１４と内輪１の表
面との間でくさび形空所１５が形成される。

【００２０】上記くさび形空所１５の幅広側の端部に
は、ばね収納部１６が形成され、また、くさび形空所１
５の幅狭側の端部がローラ３の食込み防止壁１７となっ
ている。

【００２１】また、前記の位置決め溝１３と対向した外
輪２の外周面の間には、半径方向の割れ目１０が形成さ
れ、この割れ目１０により外輪２の周面は円周方向に分
離されている。

【００２２】保持器４は、図３乃至図５に示すように、
環状部２０の内面において、内周面に沿ってポケット１
２の数と同数の嵌合凸部１８と、１個の位置決め片１９
を一定間隔で設けている。各嵌合凸部１８は、前述の外
輪２のポケット１２の一端部に嵌入され、外輪２と保持
器４との間でトルクを伝達する。

【００２３】一方、位置決め片１９は、前述した外輪２
の割れ目１０の内側に設けた位置決め溝１３に軸方向に
嵌入され、その位置決め片１９の長さは、位置決め溝１
３（外輪２）の軸方向長さと同一に形成されている。ま
た、位置決め片１９の幅は、位置決め溝１３の円周方向
の幅寸法と同じに形成され、位置決め片１９が嵌入した
状態で位置決め溝１３が軸方向及び円周方向に塞がれる
ようになっている。

【００２４】また、上記各々の嵌合凸部１８の一端部内
周面には、押さえばね５用の保持片２１が軸方向に突設
され、この保持片２１は、前述の外輪２のばね収納部１
６の内周面に沿って挿入されるようになっている。な
お、環状部２０の外面には一対の係合凸部２６が中心対
称の位置に設けられる。

【００２５】押えばね５はＳ字形に形成され、前記のば
ね収納部１６に収納され、保持片２１により内側から保
持される。この押えばね５は、ローラ３に押し当てら
れ、ローラ３をくさび形空所１５の幅狭側に押圧する。

【００２６】ケーシング６はプラスチック製であり、図
１に示すように外輪２及び保持器４の外周面を囲む円筒
部２２と、保持器４側の閉塞壁２３から成り、円筒部２
２は外輪２との間に間隙が存在し、外輪２の割れ目１０
が前述のように拡開しても、外輪２がその円筒部２２の
内周面と干渉することがないようにしている。

【００２７】また、前述の閉塞壁２３の内面には、中心
穴のまわりに内輪１の端部を受入れる嵌合凹部２４が形
成され、またその嵌合凹部２４の外側において中心対称
の位置に一対の係合凹部２５が形成される。この係合凹
部２５に前述の保持器４の係合凸部２６がそれぞれ嵌入
され、これにより保持器４とケーシング６間でトルクを
伝達する。また、閉塞壁２３の外面において、一対の係
合凸部２７が中心対称の位置に形成されている。

【００２８】押え蓋７は、図１に示すように、環状のも
のであり、内輪１の外周面に嵌められ、その外周面に形
成されたリブ２８がケーシング６の開放端側内周面の嵌
合溝２９に嵌着される。

【００２９】この実施例のトルクリミッタは上記のよう
な構造でなり、その組立ては、先ず外輪２の各ポケット
１２のばね収納部１６と位置決め溝１３に対して、保持
器４の各保持片２１と位置決め片１９を嵌入させる。こ
の場合、位置決め溝１３と位置決め片１９の位置を合せ
ることにより、各保持片２１は自然に各ばね収納部１６
に位置決めされるため、外輪２と保持器４を簡単に嵌合
させることができる。

【００３０】次に、外輪２の内側に内輪１を嵌合させ、
各ポケット１２にローラ３を組込むと共に、各ばね収納
部１６に嵌合した保持片２１に、押さえばね５を取付け
る。

【００３１】このように外輪２に各部品を組込むと、内
輪１と外輪２の間に潤滑材としてのグリースを充填す
る。この場合、外輪２の位置決め溝１３がその内部に嵌
入した位置決め片１９により塞がれているため、グリー
スが位置決め溝１３や割れ目１０に侵入せず、各ポケッ
ト１２や内外輪１、２間の嵌合部だけに充填される。

【００３２】その後、押え蓋７を取付けて外輪２の端面
を塞ぎ、組立てを完了する。

【００３３】上記のようにトルクリミッタを組立てた状
態で、内輪１に軸８を挿通し、その軸８のピン９を内輪
１の端部の係合凹部１１に係合させる。また、ケーシン
グ６の閉塞壁２３の外側において、軸８に挿通した歯車
３０等の他部品の内面に形成した係合凹部に、前述の係
合凸部２７を嵌める。

【００３４】この状態でいま、軸８及びこれに係合した
内輪１が図２の矢印Ａ方向に回転した場合、ローラ３の
回転抵抗以下の負荷が歯車３０を通じて外輪２に作用し
ているときは、各部材が一体に回転して歯車３０にトル
クが伝達されるが、歯車３０に作用する負荷が上記の回
転抵抗を超える大きさになると内輪１が空転する。

【００３５】この場合の空転トルクは、傾斜面１４のく
さび角度と、押さえばね５のばね力を調整することによ
り設定され、これにより適宜の大きさの伝達トルクを有
するトルクリミッタを構成する。

【００３６】また、軸８及び内輪１が矢印Ａと反対方向
に回転した場合、ローラ３がくさび形空所１５の幅狭部
側に移動してロックされ、そのロックにより、各部材が
一体に回転して歯車３０にトルクが伝達されるが、歯車
３０を通じて外輪２に作用する負荷が一定以上に大きく
なると、外輪２の割れ目１０が拡開されてローラ３の食
込み量が増大し、更に負荷が増大するとローラ３が食込
み防止壁１７に接触する。そうするとローラ３によるロ
ック作用が喪失するため、それ以上の負荷を支えること
ができず、内輪１は空転する。

【００３７】この場合、傾斜面１４のくさび角度、外輪
２の割れ目１０の開拡時の弾性変形のばね定数、及び食
込み防止壁１７の位置を調整することにより、空転トル
クを設定することができるので、トルクリミッタを構成
する。

【００３８】また、上記の構造においては、割れ目１０
内側の位置決め溝１３が位置決め片１９で塞がれ、グリ
ースが入り込んでいないため、上述したような運転中外
輪２の割れ目１０の開放と収縮が繰り返されてもポンプ
作用が生じず、割れ目１０からのグリースの漏洩が防止
される。

【００３９】例えば、回転数１５ｒｐｍで、回転方向を
２．５秒ごとに正逆方向に切換える断続運転を１０００
時間実施した場合、上記実施例の構造におけるグリース
の漏洩量は０．０１７ｇであった。これに対して、保持
器４から位置決め片１９を無くし、割れ目１０を径方向
に開放した状態でグリースを充填したものでは、上記と
同じ断続運転において０．０４１ｇのグリースの漏洩量
があり、実施例のものに対して２倍以上の漏洩があっ
た。

【００４０】図６は第２の実施例を示している。この例
では、前述した実施例のトルクリミッタにおいて、押え
蓋７の内側のケーシング６内周面に、そのケーシング６
と内輪１間のすき間を遮閉するシール部材３１を取付け
ている。

【００４１】このシール部材３１は、厚さ０．１mm程度
の薄厚の樹脂製フィルムで形成され、全体として小さな
力で変形する柔軟性がもたされている。また、内輪１と
接触するシール部材３１の内径面の寸法は、内輪１の外
径寸法よりもわずかに小さく形成され、ケーシング６に
シール部材３１の外径面を装着した場合、そのシール部
材３１の内径面が内輪１の表面に沿って弱く変形しなが
ら接触するようになっている。

【００４２】上記の構造においては、シール部材３１が
外輪２及び押え蓋７と内輪１との間のすき間を塞ぐた
め、グリースのトルクリミッタ外部への漏洩を防止する
ことができ、潤滑に必要なグリース量をトルクリミッタ
内部に安定して保持することができる。また、上記トル
クリミッタでは、内輪１とシール部材３１が常に接触し
た状態となるが、シール部材３１自体が柔軟であり、そ
の接触によるトルクはトルクリミッタの伝達トルクに比
べて無視できる程度に小さいので、リミッタのトルク伝
達性能にほとんど影響が生じない。

【００４３】上記シール部材３１の効果をみるため、図
６に示す実施例のトルクリミッタ（以下対策品とする）
と、特願平２−２９６２０２号で提案されたトルクリミ
ッタ（以下従来品とする）を用いて耐久試験を行ない、
グリース洩れを比較した。

【００４４】耐久試験の条件は、回転数６５ｒｐｍで、
トルク伝達側に２秒間回転した後、０．２秒間回転を止
めるという一方向断続運転を、４００時間実施した。

【００４５】試験は、対策品と従来品共それぞれ３個の
サンプルを準備し、その各サンプルに対して耐久試験を
行ない、各サンプルのグリース洩れ量の平均値を検出し
た。

【００４６】試験の結果、従来品は平均０．０７９ｇの
グリース洩れがあったのに対して、対策品は平均して
０．０２６ｇにとどまり、グリース洩れ量を３分の１以
下に減少できた。

【００４７】なお、以上の各実施例では内方部材として
内輪１を軸８を示したが、内輪１を省略して、軸８のみ
を外輪２の内周面に挿入し、軸８の外周面と傾斜面１４
との間でくさび形空所１５を構成するようにしてもよ
い。

【００４８】

【発明の効果】以上のように、この発明のトルクリミッ
タは、それ単体で正逆の回転に対してそれぞれ異なる伝
達トルクを設定でき、更に従来のトルクリミッタに比
べ、コンパクトなサイズで大きな伝達トルクを発生させ
ることができる。

【００４９】また、従来のトルクリミッタに比べ、構造
が簡単であり部品点数が少なく、組立が容易であるた
め、コストの低減を図ることができる。

【００５０】さらに、外輪の分離位置の内側を保持器に
設けた位置決め片で塞ぎ、その分離位置に潤滑材が入り
込まないようにしたので、外輪の分割位置で開放と収縮
が繰り返されてもポンプ作用がなくなって潤滑材の漏洩
を防止することができ、安定したリミッタ性能を長期間
にわたって維持できる利点がある。

【００５１】また、この発明の第２の手段を採用する
と、ケーシングと押え蓋及びシール部材により潤滑材の
漏れ出しを防止できるので、トルクリミッタ内部の潤滑
状態を良好に保持することができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】実施例の縦断側面図

【図２】図１のII−II線の拡大断面図

【図３】同上の保持器の斜視図

【図４】保持器の縦断側面図

【図５】図４のＶ−Ｖ線の断面図

【図６】第２の実施例を示す縦断側面図

【符号の説明】

１ 内輪 ２ 外輪 ３ ローラ ４ 保持器 ５ 押えばね ８ 軸 １０ 割れ目 １２ ポケット １３ 位置決め溝 １４ 傾斜面 １５ くさび形空所 １６ ばね収納部 １７ 喰込み防止壁 １９ 位置決め片 ２１ 保持片 ３１ シール部材

Claims (2)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 円形の表面を有する内方部材の外側に、
   円周方向に周面の１ケ所が分離した外輪を嵌合させ、そ
   の外輪の分離位置とは異なる内周面に軸方向の複数のポ
   ケットを、分離位置の内周面にその分離位置を軸方向に
   挿通する位置決め溝をそれぞれ設け、上記各ポケットの
   周面に円周方向の一方向に傾斜する傾斜面を形成し、そ
   の傾斜面と上記内方部材の表面とにより形成されるくさ
   び形空所にローラを組込み、上記くさび形空所の幅狭側
   のポケット内側面にローラの喰込防止壁を形成し、くさ
   び形空所の幅広側のポケット内側面に軸方向のばね収納
   部を形成し、上記外輪の端面側に、外輪と共回りする保
   持器を配置し、この保持器に、上記各ばね収納部に軸方
   向に挿入される保持片と、位置決め溝に挿入される位置
   決め片とを設け、上記保持片に保持した押さえばねによ
   りローラをくさび形空所の幅狭側に押圧するように構成
   し、上記位置決め片の形状を、位置決め溝を軸方向及び
   円周方向に塞ぐ大きさで形成し、上記外輪と内方部材の
   間に潤滑材を充填して成るトルクリミッタ。
2. 【請求項２】 上記外輪と保持器の外側を、一端に閉塞
   壁を有するケーシングと、そのケーングの他端を塞ぐ押
   え蓋により覆い、この押え蓋の内側に、ケーシングと内
   方部材間のすき間を遮閉するシール部材を設けた請求項
   １に記載のトルクリミッタ。