JPH06340512A - 殺菌性ポリウレタン樹脂シートおよびその熱融着体 - Google Patents
殺菌性ポリウレタン樹脂シートおよびその熱融着体Info
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- JPH06340512A JPH06340512A JP5131770A JP13177093A JPH06340512A JP H06340512 A JPH06340512 A JP H06340512A JP 5131770 A JP5131770 A JP 5131770A JP 13177093 A JP13177093 A JP 13177093A JP H06340512 A JPH06340512 A JP H06340512A
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- resin sheet
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- B—PERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
- B29—WORKING OF PLASTICS; WORKING OF SUBSTANCES IN A PLASTIC STATE IN GENERAL
- B29C—SHAPING OR JOINING OF PLASTICS; SHAPING OF MATERIAL IN A PLASTIC STATE, NOT OTHERWISE PROVIDED FOR; AFTER-TREATMENT OF THE SHAPED PRODUCTS, e.g. REPAIRING
- B29C66/00—General aspects of processes or apparatus for joining preformed parts
- B29C66/70—General aspects of processes or apparatus for joining preformed parts characterised by the composition, physical properties or the structure of the material of the parts to be joined; Joining with non-plastics material
- B29C66/71—General aspects of processes or apparatus for joining preformed parts characterised by the composition, physical properties or the structure of the material of the parts to be joined; Joining with non-plastics material characterised by the composition of the plastics material of the parts to be joined
Abstract
(57)【要約】
【目的】 保存安定性のよいヨウ素による殺菌性を備え
た合成樹脂シートおよびその成形体の提供。 【構成】 ポリウレタン樹脂シート表面にヨウ素が０.
１〜０.００１重量％結合してなる殺菌性ポリウレタン
樹脂シートおよびその熱融着体。 【効果】 殺菌性、物性、外観、臭気等の良好な殺菌性
のポリウレタン樹脂シートが得られる。
た合成樹脂シートおよびその成形体の提供。 【構成】 ポリウレタン樹脂シート表面にヨウ素が０.
１〜０.００１重量％結合してなる殺菌性ポリウレタン
樹脂シートおよびその熱融着体。 【効果】 殺菌性、物性、外観、臭気等の良好な殺菌性
のポリウレタン樹脂シートが得られる。
Description
【０００１】
【産業上の利用分野】本発明は、殺菌効果を有するポリ
ウレタン樹脂のフィルムないしはシート(本明細書で
は、単に、シートと称する)および該シートが相互に重
ね合い、部分的に熱融着した熱融着体に関する。
ウレタン樹脂のフィルムないしはシート(本明細書で
は、単に、シートと称する)および該シートが相互に重
ね合い、部分的に熱融着した熱融着体に関する。
【０００２】
【従来の技術および課題】従来より、ヨウ素は、微生物
などに対して強い殺菌作用を示すことは、良く知られて
おり殺菌、消毒剤としての外用薬として広く用いられて
いる。また、抗生物質の多用により生じる耐性菌もヨウ
素は、持たず、ヨウ素の殺菌力は、極めて低濃度であっ
ても有効に作用する。しかし、殺菌力は強くても、持続
性が無く、保存安定性に留意する必要があった。そのた
め殺菌外用薬では、キャリアーとしてポリビニルピロリ
ドンなどのヨウ素結合能を有する水溶性ポリマーに結合
させて保存安定化されている。
などに対して強い殺菌作用を示すことは、良く知られて
おり殺菌、消毒剤としての外用薬として広く用いられて
いる。また、抗生物質の多用により生じる耐性菌もヨウ
素は、持たず、ヨウ素の殺菌力は、極めて低濃度であっ
ても有効に作用する。しかし、殺菌力は強くても、持続
性が無く、保存安定性に留意する必要があった。そのた
め殺菌外用薬では、キャリアーとしてポリビニルピロリ
ドンなどのヨウ素結合能を有する水溶性ポリマーに結合
させて保存安定化されている。
【０００３】また、従来より、無機系(銀や銅など)の抗
菌剤をゼオライトのような担体に保持させて微粉末状に
して、熱溶融した樹脂中に分散させてカビが発生しない
などの抗菌性を持たせたシートが各種の用途に提供され
ているが、積極的に殺菌するようなこともなく、しか
も、樹脂中に分散しているため表面が樹脂で覆われてい
る場合は、抗菌力を示さない。さらに、医療用などに用
いられるシートや手袋などは、殺菌剤で使用前に殺菌、
消毒して無菌状態で用いているが、そのもの自体が殺菌
力を持たないため、殺菌、消毒後に新たな有害菌などが
付着すると汚染させる可能性がある。そのためシート自
体やそれから熱融着等によって成形される製品自体に殺
菌効果を持たせることが要望されている。
菌剤をゼオライトのような担体に保持させて微粉末状に
して、熱溶融した樹脂中に分散させてカビが発生しない
などの抗菌性を持たせたシートが各種の用途に提供され
ているが、積極的に殺菌するようなこともなく、しか
も、樹脂中に分散しているため表面が樹脂で覆われてい
る場合は、抗菌力を示さない。さらに、医療用などに用
いられるシートや手袋などは、殺菌剤で使用前に殺菌、
消毒して無菌状態で用いているが、そのもの自体が殺菌
力を持たないため、殺菌、消毒後に新たな有害菌などが
付着すると汚染させる可能性がある。そのためシート自
体やそれから熱融着等によって成形される製品自体に殺
菌効果を持たせることが要望されている。
【０００４】本発明者らは、ヨウ素の特性に注目し、有
機高分子シートにヨウ素を結合させて殺菌性を付与でき
ないかと研究を重ねた。その結果、有機高分子材料の中
でポリウレタン樹脂が、用途も広く、かつ汎用性の高
い、しかもヨウ素を結合する可能性のある有機高分子材
料であり、熱融着性にすぐれ、殺菌性を有する袋体や医
療用手袋等として有用な熱融着体として有用であること
を見出した。
機高分子シートにヨウ素を結合させて殺菌性を付与でき
ないかと研究を重ねた。その結果、有機高分子材料の中
でポリウレタン樹脂が、用途も広く、かつ汎用性の高
い、しかもヨウ素を結合する可能性のある有機高分子材
料であり、熱融着性にすぐれ、殺菌性を有する袋体や医
療用手袋等として有用な熱融着体として有用であること
を見出した。
【０００５】なお、特公昭６０−１３３７号には、ヨウ
素結合能を有する有機高分子が開示されているがビニル
系、ポリアミド系、アクリル系などの繊維用途の樹脂が
主であり、汎用性の高いウレタン結合を有したポリウレ
タン樹脂に関する開示や示唆はない。また、有効ヨウ素
付着量が０.１重量％以上と規定されているが、０.１重
量％以上では、有機高分子の物性に与える影響や、外観
がヨウ素特有の褐色や特有の臭気を発し実用的でない。
素結合能を有する有機高分子が開示されているがビニル
系、ポリアミド系、アクリル系などの繊維用途の樹脂が
主であり、汎用性の高いウレタン結合を有したポリウレ
タン樹脂に関する開示や示唆はない。また、有効ヨウ素
付着量が０.１重量％以上と規定されているが、０.１重
量％以上では、有機高分子の物性に与える影響や、外観
がヨウ素特有の褐色や特有の臭気を発し実用的でない。
【０００６】
【課題を解決するための手段】本発明は、ポリウレタン
樹脂シート表面にヨウ素が０.００１〜０.１重量％結合
してなる殺菌性ポリウレタン樹脂シートを提供するもの
である。
樹脂シート表面にヨウ素が０.００１〜０.１重量％結合
してなる殺菌性ポリウレタン樹脂シートを提供するもの
である。
【０００７】また、本発明は、複数枚の該シートが積層
し、その一部が熱融着して融着部と非融着とを形成して
なる殺菌性ポリウレタン樹脂シート融着体を提供するも
のである。
し、その一部が熱融着して融着部と非融着とを形成して
なる殺菌性ポリウレタン樹脂シート融着体を提供するも
のである。
【０００８】さらに、該着体の一つの態様として、本発
明は、手首開口部を残してその周縁部が熱融着した手袋
状の該融着体を提供するものである。
明は、手首開口部を残してその周縁部が熱融着した手袋
状の該融着体を提供するものである。
【０００９】本発明で用いるポリウレタン樹脂は、特に
限定するものではなく、ウレタン結合(−ＮＨ・ＣＯ・
Ｏ−)を持つ高分子化合物いずれでもよく、これを主体
としたブロック共重合体、グラフト共重合体およびポリ
ウレタン樹脂を主体とするポリマーブレンドが包含され
る。好ましくは、柔軟性、反撥弾性に優れたものとして
ポリイソシアネートとポリオールの反応によって上記ウ
レタン結合を有する熱可塑性ポリウレタン樹脂に分類さ
れるものであり、特に分子内に部分架橋を有したものや
線状高分子タイプであり、特に柔軟性を有したセグメン
トと硬直したセグメントのブロック共重合体の鎖状分子
構造を有するものがゴム弾性を示すものなどが挙げら
れ、これらは常法により、例えば、厚さ１０〜３００μ
ｍのシート状に成形されたものが使用される。
限定するものではなく、ウレタン結合(−ＮＨ・ＣＯ・
Ｏ−)を持つ高分子化合物いずれでもよく、これを主体
としたブロック共重合体、グラフト共重合体およびポリ
ウレタン樹脂を主体とするポリマーブレンドが包含され
る。好ましくは、柔軟性、反撥弾性に優れたものとして
ポリイソシアネートとポリオールの反応によって上記ウ
レタン結合を有する熱可塑性ポリウレタン樹脂に分類さ
れるものであり、特に分子内に部分架橋を有したものや
線状高分子タイプであり、特に柔軟性を有したセグメン
トと硬直したセグメントのブロック共重合体の鎖状分子
構造を有するものがゴム弾性を示すものなどが挙げら
れ、これらは常法により、例えば、厚さ１０〜３００μ
ｍのシート状に成形されたものが使用される。
【００１０】本発明の殺菌性ポリウレタン樹脂シートに
おいては、該ポリウレタン樹脂シートの表面に０.００
１〜０.１重量％のヨウ素を結合させる。ヨウ素結合量
が０.１重量％を超えると、シート自体の物理的性質が
著しく変化し、外観上もヨウ素特有の褐色を呈しまた特
有の臭気を持つようになり、人体に触れた場合も皮膚の
着色やヨウ素の刺激によって肌荒れ等の問題がある。一
方、殺菌効果は０.１〜０.００１重量％の結合量でも充
分であり、ヨウ素が極微量であるが徐々に昇華し、この
ヨウ素によって殺菌力が発揮される。また、水が関与す
る条件下では、水中に溶解したヨウ素が殺菌効果を示
す。つまり、徐々にではあるがヨウ素が無くなるまでポ
リウレタン樹脂シートが殺菌力を示す。
おいては、該ポリウレタン樹脂シートの表面に０.００
１〜０.１重量％のヨウ素を結合させる。ヨウ素結合量
が０.１重量％を超えると、シート自体の物理的性質が
著しく変化し、外観上もヨウ素特有の褐色を呈しまた特
有の臭気を持つようになり、人体に触れた場合も皮膚の
着色やヨウ素の刺激によって肌荒れ等の問題がある。一
方、殺菌効果は０.１〜０.００１重量％の結合量でも充
分であり、ヨウ素が極微量であるが徐々に昇華し、この
ヨウ素によって殺菌力が発揮される。また、水が関与す
る条件下では、水中に溶解したヨウ素が殺菌効果を示
す。つまり、徐々にではあるがヨウ素が無くなるまでポ
リウレタン樹脂シートが殺菌力を示す。
【００１１】ヨウ素をポリウレタン樹脂シートに結合さ
せるには、該シートに、単体ヨウ素水溶液やエーテル、
エタノールなどの溶媒にヨウ素を溶かした溶液やこれに
水を配合して水溶液にしたものやポリビニルピロリドン
にヨウ素を結合させて安定化させた粉末を溶かした水溶
液やヨウ素をヨウ化カリウム水溶液に溶かした水溶液が
考えられ、特にヨウ素／ヨウ化カリウム水溶液を所望の
濃度に調整し、例えば１０〜４０℃に保たれた水溶液に
１分以上例えばシートを浸した後、余分なヨウ素を取る
ために洗浄を行いついで、赤外線ヒーターや温風によっ
て乾燥する。なお、ヨウ素の結合は、ヨウ素の結合して
いないポリウレタン樹脂シートを用いて下記のごとく熱
融着体を形成した後に、同様にして行うこともできる。
せるには、該シートに、単体ヨウ素水溶液やエーテル、
エタノールなどの溶媒にヨウ素を溶かした溶液やこれに
水を配合して水溶液にしたものやポリビニルピロリドン
にヨウ素を結合させて安定化させた粉末を溶かした水溶
液やヨウ素をヨウ化カリウム水溶液に溶かした水溶液が
考えられ、特にヨウ素／ヨウ化カリウム水溶液を所望の
濃度に調整し、例えば１０〜４０℃に保たれた水溶液に
１分以上例えばシートを浸した後、余分なヨウ素を取る
ために洗浄を行いついで、赤外線ヒーターや温風によっ
て乾燥する。なお、ヨウ素の結合は、ヨウ素の結合して
いないポリウレタン樹脂シートを用いて下記のごとく熱
融着体を形成した後に、同様にして行うこともできる。
【００１２】ポリウレタン樹脂にヨウ素が結合するの
は、水溶液中でイオン化したヨウ素がポリウレタン分子
中の窒素(Ｎ)および酸素(Ｏ)が弱く陽イオンに分極し、
そのために陰イオンとして存在するヨウ素が電気的に弱
くイオン結合しているためと考えられる。ポリウレタン
樹脂がポリマーであるため分極している電気力が弱く適
度な力で結合しているため、適度にヨウ素が離れ、ヨウ
素の持つ殺菌力が発揮できると考えられる。
は、水溶液中でイオン化したヨウ素がポリウレタン分子
中の窒素(Ｎ)および酸素(Ｏ)が弱く陽イオンに分極し、
そのために陰イオンとして存在するヨウ素が電気的に弱
くイオン結合しているためと考えられる。ポリウレタン
樹脂がポリマーであるため分極している電気力が弱く適
度な力で結合しているため、適度にヨウ素が離れ、ヨウ
素の持つ殺菌力が発揮できると考えられる。
【００１３】かくして得られたシートは、また、そのま
ま殺菌性シートとして病院内のベットの防水殺菌シート
や手術台のシート等に使用でき、また、袋状に加工する
熱接着（ヒートシール）のような常法に従い、複数枚、
通常、２枚の該シートを積層し、その一部、通常、周縁
部の一部を１５０〜３００℃、０.１〜２秒間熱融着し
て本発明の熱融着体とすることもできる。該熱融着体
は、一般に、袋体として消毒済の器具を入れる袋や病院
内で発生する汚物入れ等に使用できる。
ま殺菌性シートとして病院内のベットの防水殺菌シート
や手術台のシート等に使用でき、また、袋状に加工する
熱接着（ヒートシール）のような常法に従い、複数枚、
通常、２枚の該シートを積層し、その一部、通常、周縁
部の一部を１５０〜３００℃、０.１〜２秒間熱融着し
て本発明の熱融着体とすることもできる。該熱融着体
は、一般に、袋体として消毒済の器具を入れる袋や病院
内で発生する汚物入れ等に使用できる。
【００１４】特に、熱融着前、後または同時に手袋状に
裁断した熱融着体は、例えば、医療用の使捨て手袋等と
して有用である。現在、医療用として天然ゴム製の手袋
が用いられているが、殺菌性を有していないために人体
に害を及ぼす細菌等が付着したまま存在している場合が
多く、本発明の手袋はかかる天然ゴム製手袋の代替とし
ても使用でき、しかも、殺菌力を持った手袋となる。
裁断した熱融着体は、例えば、医療用の使捨て手袋等と
して有用である。現在、医療用として天然ゴム製の手袋
が用いられているが、殺菌性を有していないために人体
に害を及ぼす細菌等が付着したまま存在している場合が
多く、本発明の手袋はかかる天然ゴム製手袋の代替とし
ても使用でき、しかも、殺菌力を持った手袋となる。
【００１５】
【実施例】以下に、実施例を挙げて本発明をさらに具体
的に説明する。試験液は、化粧品原料基準(一般試験法)
ヨウ素試液(１Ｎ)を調製し、イオン交換水を用いて下記
に示す表１の各濃度に希釈した。
的に説明する。試験液は、化粧品原料基準(一般試験法)
ヨウ素試液(１Ｎ)を調製し、イオン交換水を用いて下記
に示す表１の各濃度に希釈した。
【００１６】
【表１】
【００１７】用いたポリウレタン樹脂は、エーテルタイ
プで未架橋の熱可塑性樹脂であり、これをインフレーシ
ョン成膜装置を用いてチューブ状に成形し巻取装置を用
いて紙巻に巻いたフィルム(厚さ３０μm)とした。この
チューブ状のフィルムを、熱板に手袋端面を有した手袋
成形機にて加工温度約２５０℃で成形した手袋を用い
た。この手袋の手の平部分を１０×１０cmに切断し２０
℃の各濃度のヨウ素試液に１０分間浸漬し、１０分間流
水中で洗浄し、３０℃で風乾し抗菌力(殺菌力)試験、物
性測定およびヨウ素付着量測定の検体とした。
プで未架橋の熱可塑性樹脂であり、これをインフレーシ
ョン成膜装置を用いてチューブ状に成形し巻取装置を用
いて紙巻に巻いたフィルム(厚さ３０μm)とした。この
チューブ状のフィルムを、熱板に手袋端面を有した手袋
成形機にて加工温度約２５０℃で成形した手袋を用い
た。この手袋の手の平部分を１０×１０cmに切断し２０
℃の各濃度のヨウ素試液に１０分間浸漬し、１０分間流
水中で洗浄し、３０℃で風乾し抗菌力(殺菌力)試験、物
性測定およびヨウ素付着量測定の検体とした。
【００１８】抗菌力(殺菌力)の試験として、イー・コリ
(Ｅ．coli)菌液(２.１×１０6／ml)10mlを試験管に入
れ、これにヨウ素処理を施したポリウレタンフィルム１
gを入れ、３７℃で１０分間振とうして、フィルムと菌
を接触させた。各検体の接触後の菌数を１００倍、１
０,０００倍に希釈し、菌の鑑別にはデスオキシコレー
ト寒天培地を用い、それを用いて希釈液１ml中のイー・
コリ(Ｅ．coli)群の菌数を混釈平板法で計測した。
(Ｅ．coli)菌液(２.１×１０6／ml)10mlを試験管に入
れ、これにヨウ素処理を施したポリウレタンフィルム１
gを入れ、３７℃で１０分間振とうして、フィルムと菌
を接触させた。各検体の接触後の菌数を１００倍、１
０,０００倍に希釈し、菌の鑑別にはデスオキシコレー
ト寒天培地を用い、それを用いて希釈液１ml中のイー・
コリ(Ｅ．coli)群の菌数を混釈平板法で計測した。
【００１９】物性測定法としては、引張試験機を用いて
行い試験片としてＪＩＳ１号ダンベル(平行部分の幅１
０mm、長さ４０mm)を作成し、チャック間距離４０mm、
引張速度２００mm／minで行った。ヨウ素結合量の測定
は、上記ポリウレタンフィルム１０×１０cmの各濃度の
ヨウ素試液に１０分間浸漬し、３０℃で風乾したものを
２５℃×３０％湿度×２４時間放置し試液に浸漬前のも
のとの重量差を求めかつブランクとして同一条件でイオ
ン交換水に浸漬したものの重量変化を求め検体の重量変
化からこれを差し引いて各濃度のヨウ素結合量を各フィ
ルム重量に対する結合量とした。結果を表２に示す。
行い試験片としてＪＩＳ１号ダンベル(平行部分の幅１
０mm、長さ４０mm)を作成し、チャック間距離４０mm、
引張速度２００mm／minで行った。ヨウ素結合量の測定
は、上記ポリウレタンフィルム１０×１０cmの各濃度の
ヨウ素試液に１０分間浸漬し、３０℃で風乾したものを
２５℃×３０％湿度×２４時間放置し試液に浸漬前のも
のとの重量差を求めかつブランクとして同一条件でイオ
ン交換水に浸漬したものの重量変化を求め検体の重量変
化からこれを差し引いて各濃度のヨウ素結合量を各フィ
ルム重量に対する結合量とした。結果を表２に示す。
【００２０】
【表２】
【００２１】表２の結果より、有効ヨウ素濃度が０.０
０１Ｎ以上でイー・コリ(Ｅ．coli)に対して殺菌効果を
示した。また、０.０００５Ｎの場合は、殺菌効果を示
さない。つまり、０.０００５Ｎの場合、ヨウ素の結合
量は、０.０００３重量％であり、０.００１重量％以下
は、効果を示さない。物性において引張強度、伸びは、
ヨウ素が結合すると向上する。これは、水分の付着によ
る影響も考えられる。しかし、１００％モジュラスが
０.０５Ｎ以上の場合高くなり、これはポリウレタン樹
脂が硬くなったことを示しており、ブランクとしてのポ
リウレタン樹脂フィルムと差が少ないのは、０.０２５
Ｎ以下のヨウ素液に浸した場合、つまり、ヨウ素結合量
０.１重量％以下の場合である。以上より、ヨウ素液濃
度０.０２５〜０.００１Ｎの範囲、すなわち、結合量が
０.１〜０.００１重量％が殺菌力、物性の面から有効で
ある。また、外観および臭気より、ゴールデンカラー
(黄金色)を呈し臭いもほとんど無い範囲として、有効ヨ
ウ素濃度０.０２５〜０.００１Ｎ、すなわち、ヨウ素結
合量０.１〜０.００１重量％が適している。しかも、物
性面でも、ヨウ素が０.１〜０.００１重量％結合するこ
とによって引張強度および伸びが向上したが、１００％
モジュラスは、ブランクと比べてほとんど同等であり、
ヨウ素が特定の範囲で結合するとフィルム自体は、強く
なってしかも伸びや柔軟性という、例えば、人体に直接
使用する手袋の使用感に与える影響が向上した。これ
は、ヨウ素付着による効果と推察される。
０１Ｎ以上でイー・コリ(Ｅ．coli)に対して殺菌効果を
示した。また、０.０００５Ｎの場合は、殺菌効果を示
さない。つまり、０.０００５Ｎの場合、ヨウ素の結合
量は、０.０００３重量％であり、０.００１重量％以下
は、効果を示さない。物性において引張強度、伸びは、
ヨウ素が結合すると向上する。これは、水分の付着によ
る影響も考えられる。しかし、１００％モジュラスが
０.０５Ｎ以上の場合高くなり、これはポリウレタン樹
脂が硬くなったことを示しており、ブランクとしてのポ
リウレタン樹脂フィルムと差が少ないのは、０.０２５
Ｎ以下のヨウ素液に浸した場合、つまり、ヨウ素結合量
０.１重量％以下の場合である。以上より、ヨウ素液濃
度０.０２５〜０.００１Ｎの範囲、すなわち、結合量が
０.１〜０.００１重量％が殺菌力、物性の面から有効で
ある。また、外観および臭気より、ゴールデンカラー
(黄金色)を呈し臭いもほとんど無い範囲として、有効ヨ
ウ素濃度０.０２５〜０.００１Ｎ、すなわち、ヨウ素結
合量０.１〜０.００１重量％が適している。しかも、物
性面でも、ヨウ素が０.１〜０.００１重量％結合するこ
とによって引張強度および伸びが向上したが、１００％
モジュラスは、ブランクと比べてほとんど同等であり、
ヨウ素が特定の範囲で結合するとフィルム自体は、強く
なってしかも伸びや柔軟性という、例えば、人体に直接
使用する手袋の使用感に与える影響が向上した。これ
は、ヨウ素付着による効果と推察される。
【００２２】
【発明の効果】本発明のヨウ素を付加させた殺菌性ポリ
ウレタン樹脂シートは、ヨウ素結合量０.００１〜０.１
重量％の範囲で殺菌性、物性、外観、臭気共にポリウレ
タン樹脂本来の用途に有効かつ実使用に耐えるものであ
り、かつ、熱融着加工して用いる袋状や手袋として使用
する場合も同様に有効である。
ウレタン樹脂シートは、ヨウ素結合量０.００１〜０.１
重量％の範囲で殺菌性、物性、外観、臭気共にポリウレ
タン樹脂本来の用途に有効かつ実使用に耐えるものであ
り、かつ、熱融着加工して用いる袋状や手袋として使用
する場合も同様に有効である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 ＦＩ 技術表示箇所 // Ｂ２９Ｋ 75:00 4Ｆ
Claims (4)
- 【請求項１】 ポリウレタン樹脂シート表面にヨウ素が
０.００１〜０.１重量％結合してなることを特徴とする
殺菌性ポリウレタン樹脂シート。 - 【請求項２】 複数枚の請求項１記載のシートが積層
し、その一部が熱融着されて融着部と非融着とが形成さ
れてなる殺菌性ポリウレタン樹脂シート融着体。 - 【請求項３】 ２枚のシートが積層し、その周縁の一部
が熱融着された袋状の請求項２記載の融着体。 - 【請求項４】 手首開口部を残してその周縁部が熱融着
した手袋状である請求項３記載の熱融着体。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP5131770A JPH06340512A (ja) | 1993-06-02 | 1993-06-02 | 殺菌性ポリウレタン樹脂シートおよびその熱融着体 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP5131770A JPH06340512A (ja) | 1993-06-02 | 1993-06-02 | 殺菌性ポリウレタン樹脂シートおよびその熱融着体 |
Publications (1)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH06340512A true JPH06340512A (ja) | 1994-12-13 |
Family
ID=15065759
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP5131770A Pending JPH06340512A (ja) | 1993-06-02 | 1993-06-02 | 殺菌性ポリウレタン樹脂シートおよびその熱融着体 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JPH06340512A (ja) |
Cited By (2)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| WO1996019921A1 (en) * | 1994-12-23 | 1996-07-04 | Commonwealth Scientific And Industrial Research Organisation | Iodine biocidal material |
| KR20010016717A (ko) * | 1999-08-02 | 2001-03-05 | 이용묵 | 놀이용구 글러브의 제조방법 및 그 글러브 |
Citations (6)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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1993
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