JP2009519102A - 過酸化物処理した抗菌物質 - Google Patents

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Abstract

【課題】 酸化性の抗菌処理方法およびその処理がなされた製品を提供する。
【解決手段】 処理方法は、一部に、電荷部分が付着されるための基材と、前記基材の表面の少なくとも1部分上に存在する安定化された過酸化物との調整を含む。前記荷電部分の電荷と反対の電荷を実質的に有するバクテリアのような微生物が前記処理された基材の表面に近接すると、前記基材の前記過酸化物分子は活性化されて放出され、前記微生物を死滅させる。
【選択図】 図1

Description

本発明は、広範囲の微生物を迅速に殺すとともに、人間や他の哺乳類に毒性を与える環境物質を含まない抗菌性剤によって処理された製品に関するものである。特に、製品は、安定化した過酸化物またはそれらの混合物を、保護用物品または清掃用物品の表面の少なくとも一部に含む。過酸化物は湿気の存在下で活性化され、用品の表面近傍に存在する微生物を殺す酸素ラジカルを発生させる。
近年、院内感染の蔓延が、患者と医療従事者の双方にとって深刻な問題となっている。院内感染は、病院や長期ケア施設等の医療施設で発生する。一般に、病院内の病原体は、伝染力が強力である、かつ標準的な抗生物質に対して耐性を有する。そのため、院内感染は、外部での市中感染よりも深刻かつ危険である。米国では、毎年約2〜10万人が院内感染で死亡している。米国の入院患者(1年あたり約200万人)の約5〜19%は、臨床的に明らかな院内感染に罹患する。これらの院内感染(hospital-acquired infection:HAI)は、通常は、患者の病気や怪我の診断又は治療に用いられる手順又は治療方法に関係している。
院内感染の作用機序は、他の感染症と同様に、ホスト、作用物、及び環境因子に依存する。ホストの危険因子は、年齢、栄養状態、及び共存疾患である。院内感染は、微生物固有の病原性、並びに、施設内での病原菌のコロニー形成及び生存能力の影響を受ける。診察手順、医療機器、医療及び外科治療が、病院環境における危険因子である。院内感染は、細菌、ウイルス、菌類又は寄生虫が原因で発生する。これらの微生物は、患者の体内にすでに存在する、又は、周囲環境、汚染された医療機器、医療従事者若しくは他の患者から伝播する。関連する病原体に応じて、感染は、身体の全ての部分で開始される。局所感染は、身体の特定部位に限定され、局所症状を有する。
今日の健康管理環境では、院内感染との戦いにはまだ勝利していない。院内感染防止プログラム、及び、患者を治療する際の医療従事者側の適切な予防処置に対する誠実な努力によって、感染を約25〜33%防止することができるが、依然として多数の感染が発生している。現在の方法は、十分ではない。予防措置(手洗いや、手袋、フェイス・マスク、カバーガウンの着用)の実施にもかかわらず、主に接触伝播によって、HAIは依然として発生している。つまり、病原体で汚染された表面(例えば、手、衣類及び/又は医療機器)と接触した者は、依然として、ある表面から他の表面へと、すぐさまに又は最初の接触から短時間で病原体を伝播させることができる。研究者は、微生物に関連する問題に対処するのに、様々な方法を用いてきた。病院及び他の医療施設では、消毒剤及び殺菌剤が、様々な局所的及び硬質表面の用途に広く使用されている。特に、これらは、感染防止実施の本質的な部分であり、院内感染防止を助ける。しかし、現在入手可能な従来の抗微生物物質は、抗微生物物質が塗布された基材上での病原体の殺滅及び固定化には、あまり効果的ではない。
抗微生物物質が殺生物剤に対して耐性を有するという問題は、望ましくない細菌及び菌類の複合体の管理をもたらした。消毒剤及び殺菌剤製品の広範な使用は、微生物の薬剤耐性(特に、抗生物質に対する交差耐性)の発達に関する懸念を助長する。これらの製品には、様々な活性化学物質(又は「殺生物剤」)が含有されているが、その多くは、消毒、殺菌、保存のために数百年にもわたり使用されてきた。それにもかかわらず、これらの活性物質の作用機序については、抗生物質よりも、あまり詳しく知られていない。一般に、殺生物剤は、抗生物質よりも幅広い活性を有している。また、抗生物質が特定の細胞内標的を持つ傾向があるのに対して、殺生物剤は複数の標的を持ち得る。消毒剤及び殺菌剤製品の広範な使用は、微生物の薬剤耐性(特に、抗生物質に対する交差耐性)の発達に関する懸念を助長する。この総説は、微生物の消毒剤及び殺菌剤に対しての薬剤耐性の作用形態及び作用機序について知られていることを考察し、現在の臨床環境の知識に関連させることを可能な限り試みる。
抗生物質は、必要な場合にのみ使用する。抗生物質の使用は、真菌生物カンジダ菌による感染にとって好都合な状況を作り出す。また、抗生物質の乱用は、抗生物質に耐性を有する細菌を発生させる原因となる。さらに、抗微生物物質又は抗生物質の乱用及び浸出は、生体内での生物濃縮を引き起こし、哺乳類細胞に対して細胞傷害性を引き起こす。
患者及び医療従事者の双方をより良く保護するために、即効性、高効率、抗微生物性(抗ウイルス性を含む)を有する保護用物品(例えば、衣類、手袋及び他の被覆物品)が、幅広い抗微生物保護のために、様々な用途に求められている。産業界は、場所間及び患者間における病原体の接触伝播を管理又は防止することができる抗微生物物質を求めている。従来の抗微生物物質では、抗生物質が細菌に摂取されたときに、前記細菌を殺滅する。この従来の抗微生物物質において生じる耐性の問題について考えると、接触したときに実質的に殺滅し、それが塗布された基材からの浸出が無い又は最小限である抗微生物物質は、当該分野の作業者にとっては好ましい。したがって、病原体の断続的な生存又は成長のための媒体でさえも提供しない、かつ、抗微生物性物質が塗布される基材と安定的に結合する物質を開発することが重要である。さらに、抗微生物性の保護用物品の製造コストは比較的安価にすべきである。
本発明は、抗菌のために使用される安定化された過酸化物化合物を少なくとも部分的に含む外部表面、または外部表面に結合した安定化された過酸化物化合物の層を有する保護または洗浄用物品に関連する。保護または洗浄用物品は、物品の特定の形態および使用に応じて、様々な高分子に基づく材料から形成され得る。例えば物品は、天然または合成の高分子ラテックスフィルム、天然セルロース繊維、または可撓性の不織布(例えば、スパンボンド、メルトブローン、またはそれらを積層させたもの(例えば、SMS))から部分的に構成された基材を有し得る。ラテックスフィルムおよび不織布の両方は、弾性を有し得る。不織布は、機械方向(MD)またはそれと交差する方向(CD)の弾性特性を有し得る。医療または感染防止のための使用の範囲で、例えば、ラテックスフィルムは手袋のような保護用物品の一部であり、不織布はフェイス・マスクおよびカバーガウンとして使用されている。家庭や清掃用での使用では、弾性を有するラテックスフィルムおよび不織布材料は、多くの製品の中に使用されている。例えば、清掃用ワイパは汚れを取り去り、そして捕集する。また、手袋は汚れとの接触から使用者の手を保護する。物品の表面上に化合物を放出する過酸化物の存在は、洗浄および抗菌特性を大きく強化することができる。
[第A節]
殺生物剤の抗菌効果および効能は、化学的、物理的および環境的因子等に強く影響を受ける。これらの因子の内でより重要な因子は、活性化剤の組成および濃度、温度、pH、曝露期間、生理的状態、対象微生物の個体数、およびイオンおよび有機物の存在である。また、殺菌されるべき基材の物理的および化学的特性が重要である。基材は微生物と相互作用するためである。
生殖または代謝活動を制御することによる微生物の不活性化または殺菌は、通常瞬間的に行われるものではない。多くの場合、抗菌剤の濃度が高いほど微生物の不活性化速度は速くなり、殺菌剤または殺生物剤への微生物の曝露期間が長いほど抗菌効果が増加する。
近年では、物品または基材表面から浸出しない即効性の抗菌処理が望まれている。抗菌処理の活性化剤は、人間の皮膚に有害でなく、かつ耐性菌を繁殖させる可能性がある毒性の残渣をもたらさないようにすべきである。抗菌組成の活性剤は、周囲の微環境に放出された場合に、主に酸素と水との良性の成分に分解され、人間の皮膚または哺乳類の生理系に対して毒性を与えない。
現在、殺生物剤は、1)毒性有機薬品、2)界面活性化合物、3)金属または金属性分子、4)酸化抗菌剤の4つのクラスに分類することができる。毒性有機薬品は、例えばチアゾール、チオシアン酸塩、イソチアゾリン、シアノブタン、ジチアカルバミン酸塩、チオン、トリクロサン、およびブロモ化合物あり、使用者の人間に有害であるというよりもむしろ局所環境に残留毒物をもたらす。同じく、金属化合物は一般的に遅効性、かつ環境持続性があり、毒性がある。界面活性剤は細菌細胞膜を破壊し得るが、比較的遅効性であり、必ずしも効果範囲が広くなく、かつ持続性があるとは限らない。他方、酸化剤は効果範囲が広く、即効性の殺菌効果を有する。従来の酸化製剤の欠点は、比較的短い曝露期間にある。酸化抗菌剤は、即効性かつ広い殺生物範囲を有するハロゲン、ハロゲン含有高分子、二酸化塩素、過酸化水素およびオゾンのような化合物を含む。
本発明は、バクテリア、菌類およびウイルスのような逆の電荷に荷電された微生物に、直ちに作用する荷電された表面を有する基材について記載する。当該基材は、安定化された過酸化物を少なくとも一部または層として含む。例えば、カチオン性分子は負に荷電された微生物に作用し、繋ぎとめる(結合する)。また、基材表面上には、たくさんの安定化された酸化化合物が配置されている。これらは液体水または水蒸気といった自由水分の存在下で活性化され、酸化化合物は表面から放出される。最も好適な殺生物剤の一つとして示すように、酸化化合物は効果的な即効性の抗菌作用および広い有効範囲を提供するともに、抗菌耐性を促進する可能性が低い。過酸化水素のような酸化化合物は、外傷や縫合した後の手術部位の洗浄に使用されている。過酸化物の作用は嫌気性細菌に対して最も優れている。また、過酸化水素は殺ウイルス能を有する。
本発明は、処理表面上への毒物の積層を可能にする簡潔かつ的確なメカニズムを提供する。図1は、本発明の1つの方法について示すものであり、吸着された微生物を死滅させる過程を示す一連の概略図である。実施形態では、図1Aに示すように、手袋が汚染された表面または皮膚と接触し、汚染微生物が手袋の表面に移動する。図1Bは手袋の表面の拡大図であり、微生物が手袋基材と接触する。微生物は、一般的にそれらの細胞周囲を水分に囲まれた環境下で存在する。実施形態に示すように、負に荷電された微生物は手袋の表面のカチオン性部分に引き寄せられる。他の実施形態では、負に荷電された表面部分が正に荷電された微生物と適合し得るようにしてもよい。安定化された過酸化分子が手袋基材の表面上に配置されている。図1Cおよび図1Dに示すように、微生物がカチオン性部分に接触すると、微生物の周囲を囲む水分は、手袋表面に引き寄せられ、手袋表面と相互作用し、過酸化物を活性化させるとともに表面から放出(離脱)させる。図1Eに示すように、放出された過酸化物の酸化作用は基材に接触した微生物を死滅させる。図1Fに示すように、このシステムにより発生した過剰な過酸化水素は、問題を引き起こすことなく、無害の水および酸素分子に分解し、基材の微環境から消散する。
図2は、基材表面の微生物の相互作用を示す一連の概略図である。微生物は、水といった液状媒質の内部や、その外表面または細胞膜の周囲を水分に囲まれた状態や生物的に囲まれた状態で存在し得る。図は、微生物と基材表面との相対的距離と、微生物が基材に近づくにつれて、物理的または化学的事象が相違することを示している。最上段の図では、微生物は基材から50nm以上離れており、両者間の相互作用は最も小さい。微生物が約25nm以内に接近するにつれて、基材と微生物との間に相互作用する荷電が現れ始める。基材からの距離が約10nmまたは5nm以下である比較的接近した位置では、表面と微生物との間の3つの大きな相互作用が増強、または発生し始める。それらの相互作用は、一般的に静電相互作用、疎水相互作用、またはリガンド相互作用を含む(Habash, M.およびG. Reid著、「細菌細胞膜(Microbial Biofilms)」、Their Development and Significance for Medical Device-Related Infections、臨床薬理学(J. Clinical Pharmacology)、1999年、第39巻、p887−898、)。過酸化物を効果的に放出することができる被覆された基材表面周囲の雰囲気の範囲は、表面から約100nm以内の範囲であり、より典型的には50nm以内である。望ましくは、過酸化物の微小雰囲気は、表面から操作上約20−25nmであり、最適には約5−10nmである。
ほとんどの生物は、実質上負電荷を有し、正に荷電された生体膜に引き寄せられる。カチオン性化合物のような荷電部分は、基材表面に電荷を与え、荷電された微生物を過酸化物処理された基材表面近傍まで引き寄せる。本発明に係る物品に含まれるカチオン性化合物は、保護用物品の表面に接触する汚染物および他の土や無機粒子と静電相互作用し、使用者の皮膚から隔離されるべき汚染物を繋ぎとめる。ここで使用するように、「汚染物」の語は、グラム陰性とグラム陽性のバクテリア、菌類および菌類の胞子、酵母菌、かびおよびかび胞子、原生動物およびウイルスを含む。
過酸化水素は多岐にわたる酸化剤であり、外傷の洗浄に多く使用される。過酸化物が微小環境内に潜在的に有害な有機合成物分子または微生物に対して十分な量放出されたとき、過酸化物は合成物およびまたは表面の脂質、タンパク質または炭水化物を酸化する。一般的に、細胞膜またはウイルスのカプシドは、上記の3要素の少なくとも一つを含むため、強い酸化が微生物の本来の機能を破壊し、細胞膜を変性させ、細胞の代謝反応が実施されないようにする。または、ウイルスを破裂させ、その遺伝物質を放出させて機能を破壊する。結果として生じる酸素および水蒸気は無害である。そのため、この物品により環境中に残存する毒物の問題を解決することができる。過酸化物の働きは、嫌気性バクテリアに対しても強く作用する。
安定化された過酸化物は、装置表面の消毒に使用されるヨードフォアまたは第4級アンモニウム化合物と溶液中で混合される。安定化された過酸化物は、エンベロープを有するウイルスおよびエンベロープを有しないウイルスの両方、植物性バクテリア、菌類および細菌胞子のような幅広い病原菌に対して効果的である。過酸化物含有のトゥースジェルまたは歯磨き粉に見られる製剤と同様に、過酸化物含有塩または合成物は、過酸化物が早期に放出されるのを防ぐための安定化剤とともに混合され得る。過酸化物は十分な湿気の存在下でのみ反応することが好ましい。
過酸化水素源は、過ホウ酸塩化合物、過炭酸塩化合物、過リン酸塩化合物およびまたはそれらの混合物を含む群から選択され得る。実施形態では、安定化された過酸化物含有化合物は炭化水素混合物または塩の形態であってよい。例えば、参照することにより本明細書に組み込まれたものとする特許文献(米国特許6,887,496号明細書)に詳細が記載されているように、例えば、酸素生成化合物は、例えば結晶物質の内部で結晶化された炭水化物−過酸化水素錯体を含む。好ましくは、酸素生成化合物は、マンニトール−過酸化水素またはソルビトール−過酸化水素のような糖アルコール−過酸化水素混合物から構成される結晶性化合物である。シクロデキストリンのような多糖は、有機過酸化物のキャリアとして機能する。シクロデキストリンホストにより特に有機型の過酸化物分子または化合物を安定的に内部に保持したゲスト−ホスト複合体は、一般的にホストの空洞の内部に配置されるとともに、細菌と反応するべく外側へと延出した疎水性部位を有する。
過酸化物とキャリア分子との間の静電気力、水素結合、極性、無極性またはファンデルワールス力といった引力は調整されており、過酸化物の周囲環境への放出または周囲環境との相互作用の反応速度が制御されている。代わりに、キャリアを設計することにより、過酸化物部分が外部環境に曝露される範囲や程度を制御してもよい。シクロデキストリンのようなキャリアは、過酸化物部分の一部または全部を包むことができる。代わりに、リガンドまたはキレートメカニズムを利用して、活性過酸化物の放出のトリガーとなりうる過酸化物部分の水素または有機分子環境への曝露を制御してもよい。
水溶性高分子は過酸化物塩のキャリアとして使用することができる。過酸化物化合物を生成するために使用されうる他の物質のいくつかは塩として供給され、例えば過酸化尿素(尿素過酸化水素、CHO・7H、過酸化カルバミドを参照、U.S. OTC Drug Ingredients in Volume 1, Introduction, Part Aの「Regulatory and Ingredient Use Information」の項を参照)、安定化されたアミド(塩を含む。アルカノールアミドおよびアルコキシル化されたアミドを含まない。)、過炭酸ナトリウム(CH・3/2H・2Na)、過酸化カルシウム(CaO)酸化剤、PVP−過酸化水素水、ポリビニルピロリドンおよび過酸化水素の複合体((CNO)・1/2H)、または過酸化水素(H)とともに合成された2−ピロリドン−1−エチル−ホモポリマー(2:1)を含む。エチル・ヒドロキシエチルセルロースは、過酸化水素または他の過酸化物のキャリアとして使用することができる。
被覆された基材が水または他の液体に曝されたときに、過酸化物の大部分が活性化され放出されることを防止するべく、安定化剤は組み合わされることが想定される。例えば、安定化剤またはキャリア分子は、放射線グラフティングにより基材に共有結合されており、共有結合により結合されたキャリアの上に過酸化物部分が付着されている。基材上での放射線による疎水性モノマーのグラフト重合により、過酸化物のホストとして機能しうるグラフトされたヒドロゲルが形成される。当該ヒドロゲルは、参照することにより本明細書に組み込まれる特許文献(米国特許6,387,379号明細書)に記載された方法により行われる。そして、ヒドロゲル−過酸化物複合体が形成される。ヒドロゲルは、架橋されて凝集性の網目構造を形成する疎水性ポリマーであり、水中で膨張するが、水中で容易に分解しない。例えば、N−ビニルピロリドン(NVP)のような疎水性モノマーが使用される。他には、当該特許文献(米国特許6,387,379号明細書)に記載された疎水性モノマーが使用される。放射線源としては、紫外線(UV)、ガンマ線または電子ビームが使用される。
組成例(表1)は、過酸化尿素のような第4級アミン化合物(QACs)と、過酸化尿素、過酸化カルシウム、過炭酸ナトリウム、過酸化マンニトールおよびまたは過酸化ソルビトールといった安定化された過酸化物を含む。過酸化尿素は、過酸化カルバミドとして知られており、一般に歯磨き粉やその他歯の漂白剤に含有されている。約10%の過酸化カルバミドを含む製剤は、約3.3%の過酸化水素を含む他の製剤と同程度の活性剤として機能する。処理された基材上に存在する安定化された過酸化物の量は、約20重量%まで可能であるが、一般的には約10から12または15重量%の間である。望ましくは、表面上の活性過酸化物の量は約7または8%であり、より好ましくは約4または5%である。
Figure 2009519102
実施形態では、炭水化物−過酸化水素の混合物の錯体は、一連の酸素損傷を発生させるのに十分な量が基材の内部または表面に導入され、処理された基材の表面上または近傍に存在する細菌の代謝を妨害する。混合物は、活性化によって酸素を生成し、酸素は基材表面上または近傍のバクテリアに対して最終電子受容体として作用する。その結果、バクテリアは死滅するか、またはバクテリアによる毒性または不安定な有機化合物の生成が減少または無毒化される。
微小環境の即効性の酸化は、人間、哺乳類または他の肉眼で見える生物に対して無毒または良性であるが、ほとんどの微生物に対しては致命的となる。濃縮された過酸化物の放出は、微生物の触媒(過酸化水素を分解する酵素)を使用する通常の能力を上回っており、微生物は酸化剤から自分自身を保護することができない。活性酸素の急速かつ圧倒的な作用により、脂質、膜脂質および膜タンパクを含む有機構造体は、細胞自身の修復能力または許容範囲を越えて、酸化され分解される。これにより、微生物細胞は死滅する。急速な酸化により、ウイルスのウイルスタンパクコートでさえも取り返しがつかないほどに損傷を受け、結果として分子は不活性化されるか、またはウイルスが死滅される。
本発明の過酸化物コーティングは、回復可能なバクテリアが生じないように酸化または有機物を溶解させることによって、幅広い効果を発揮し、約15分以内の所定のサンプルにおいて約90%のバクテリアが急速に死滅させることができる。好ましくは、酸化により、約10分以内に95%以上の微生物を死滅させることができ、より好ましくは接触してから約5分以内に約95%を死滅させることができる。
製剤は基材に塗布され、または基材表面内に組み込まれ得る。過酸化物はエラストマ−をベースとする高分子または不織材料に様々な処理により塗布される。塗布方法には、熱間スプレーコーティング、バス内でのディップ−スクイ−ズ方式(dip and squeeze)、スプレー、またはグラビアまたはメイヤーロッド法が使用され、空気乾燥により基材表面に製剤が付加される。好ましくは、基材は抗菌性かつカチオン性の安定化された過酸化物の単一層により均一にコーティングされている。基材は、例えば弾力性の高分子、オレフィン、天然および合成繊維のシート、およびラミネート材を含む様々な物質から形成され、膜状または幾何学的な固体状の形態に形成される。
過酸化物が時期尚早に活性化されることを確実に防ぐため、複数の保護用物品または清掃用物品はバッグまたは瓶のような気密状態の乾燥した箱内に保持され、箱内には湿度を低く維持するための乾燥剤を含むことが好ましい。
過酸化物を含むコーティングは、病院/ヘルスケア、食品調理、工業、研究所、または家庭で見られる多くの物品に適用される。これらの物品は、手袋、カバーガウンまたは清掃基材またはワイパを含む。しかし、これらの皮膚と接触する側の表面、またはおむつのような吸収性パーソナルケア製品の材料にはおそらく適さない。
これまで、手袋は手袋から周囲の環境表面への微生物の移動を制限するべく改良されてきた。本技術は第4級アンモニウム化合物(QAC)を手袋基材の外部側表面にコーティングし、静電気的な荷電メカニズムにより微生物を吸着する。この作用方式は、生物または微生物の細胞表面に荷電した正味として負の電荷を利用し、負電荷は基材上のQACのカチオン性電荷に引力を受ける。本技術は、カチオン性化合物を染み込ませたワイパおよび他の物品を使用する際に、皮膚から取り除く微生物を増加させるために効果的である。
ヘルスケアおよび病院の環境下では、患者に接するおそれがある多くの器具、装置および他の物品の汚染または適切でない取扱いは、感染の経路となり得る。即効性の抗菌剤またはコーティングを天然および合成高分子のラテックス手袋に付加することは、臨床医と患者との間での相互汚染を制御することにおいて重要な改良となり得る。実施形態では、これらの試験用手袋、作業用手袋、または衣類物品は、人間の皮膚と相対して、または近接して着用されるが、過酸化物がコーティングされる表面は通常外面であり、着用者の皮膚から隔離されている。図3は、一般的な手袋10を示したものであり、安定化された過酸化物14により処理されうる表面12を備え、活性化されたときに、手袋の表面周囲または近傍の微小雰囲気を酸化し、表面に接触または近傍に存在する微生物を死滅させる。
炭水化物−過酸化水素またはヒドロゲル−過酸化水素錯体を微生物の量を減少させるために使用した実施形態では、物品の調整プロセスとして、炭水化物またはヒドロゲルと過酸化水素の混合と、混合物内から溶媒を取り除くための混合物の凍結乾燥と、固体粒子の生成とを含む(「A Guide to Freeze Drying for the Laboratory」 LABCONCO, Kansas City, Mo., 2004、(www.labconco.com)参照)。過酸化物は一般的に熱に敏感であるため、化合物を非活性化することができる凍結乾燥プロセスが望ましい。溶液内の混合物の温度は、水の凍結温度より低下させられ(一般的に約−25〜30℃)、水が昇華する。
代わりに、アルコール−過酸化水素混合物(例えば、マンニトール−過酸化物化合物)といった他の過酸化物のいくつかでは、過酸化物を生成するために水を除去するべく、熱間または加熱方法が用いられ得る。このプロセスは、糖およびアルコール混合物を安定化することができる。混合物は少なくとも約90℃で少なくとも約4.5時間加熱され、水を蒸発させる。望ましくは、混合物は約97℃で約7時間加熱される。最終的に、生成された固体粒子が物品内に組み込まれる。数回数の繰り返しにおいて、物質は約100〜110℃で約4.5時間加熱される(S. Tanatar、「Double Compounds of Hydrogen Peroxide with Organic Substances」、JOURNAL OF THE RUSSIAN PHYSICAL CHEMICAL SOCIETY、1909年、第40巻、p.376参照)。
凍結乾燥プロセスは最終生成物の収率が高い。加熱法の収率は所望の過酸化物の種類に依存する。
過酸化尿素組成に対しては、加熱過程は必要ない。過酸化物の乾燥サンプルの含有水和物は、約2〜5重量%以下にすべきである。乾燥過酸化物は粒子化され、平均粒子径が約5nm以下の粉体となる。過酸化物粒子の塊は、約15〜20nm以下となる。
基材を酸化性化合物で処理するプロセスは、過酸化物含有化合物の提供と、基材の表面上に塗布または基材の内部への組み込みとを含み、過酸化物含有化合物は基材の表面または内部に設けられる。過酸化物が基材の内部に生成させる場合は、過酸化物と相互作用し、活性化するために十分な水分が基材内部に浸透することができる場合に限られる。過酸化物のその場での形成は、上述した凍結乾燥方法または加熱方法によって行われる。方法の選択は、過酸化物含有化合物の型または性質およびまたは基材の物理的性質または特性に基づいて決定される。
過酸化物部位が時期尚早に不活性化されることを防ぎ、また周囲の環境と反応することを防ぐために、過酸化物を塗布する間には処理される基材の熱への曝露を最小にすることが望ましい。過酸化物のキャリアまたはホストを含む第1層または被膜を塗布することができる。この被膜には、他の種類または型の抗微生物剤を含み得る。第1層の乾燥に続いて、過酸化物が第1層上に塗布され、最小限の乾燥によりキャリアと組み合わせされる。ここでの塗布は、スプレーコーティングやロール塗布を含む様々な手法により実施することができる。他の実施形態では、第2過酸化物層は、乾燥する必要がなく、CaOや無水有機過酸化物のような水を含まない粉末を使用することができる。他の例では、第1層を塗布した後に、プリント画像を作成するインクと同じように、過酸化物溶液の微小な液滴を局部的な範囲やパターンに塗布するために、バルブジェット、デジタルまたはピエゾ電子装置のようなプリントプロセスを使用することができる。
過酸化物は、直接的にまたは処理された基材表面上で組み合わされる。他の実施形態では、本発明に係る製品は、過酸化物を充填または保持することができる繊維、フィラメント、ビーズまたは他の形態のような分解可能な中空構造の基材の外部表面または活性表面の一部として使用されることが想定される。多量の水分源または生物または微生物の分泌物の存在が、中空構造を破壊するトリガーとなる。基材が一度このようなトリガーと接触すると、包み込む中空構造の分解が始まり、持続的かつ限定的に、または急速かつ爆発的に内部の過酸化物が放出され、近接する微生物を死滅させる。
[第B節]
本発明の抗微生物組成により、様々な異なる種類の基材を処理またはコーティングすることができる。ある実施形態では、基材材料は、例えば、天然ゴムまたは合成高分子ラテックス、軟質性および硬質性プラスチックといった弾性を有する膜、フィルムまたは発泡体や、医療用装置およびまたは手術用機器または病院施設に見られるような金属、ガラス、またはセラミックスの表面を含む。他の実施形態では、基材物質は織布または不織布が選択される。織布は、天然繊維(例えば、セルロース、綿、麻)または天然および合成繊維の混合物(例えば、熱可塑性樹脂、ポリオレフィン、ポリエステル、ナイロン、アラミド、ポリアクリル酸)から製造されてもよい。幅広い種類の弾性または非弾性の熱可塑性高分子が不織布基材を構成するために使用され得る。熱可塑性高分子は、以下に限定されるわけではないが、例えばポリアミド、ポリエステル、ポリプロピレン、ポリスチレン、エチレンおよびプロピレンの共重合体、ポリ酪酸とポリグリコール酸ポリマーとそれらの共重合体、ポリブチレン、スチレンブロックコポリマー、好ましくは密度が0.9g/cm以下のメタロセン触媒によるポリオレフィン、他の種類のポリオレフィンであり、様々な型の弾性または非弾性繊維、フィラメント、フィルムまたはシート、またはそれらの組み合わせおよびそれらの積層物が、使用される。
不織布または積層物は、本発明の組成物および方法により処理され、物理的または機械的特性を維持したまま、基材の所定の部位に広範囲の抗菌性および荷電防止特性が付加される。また、処理組成の成分が別のステップまたは一つの組み合わされたステップにおいて塗布される。本発明の成分の一般的な塗布による処理方法および不織布材料の抗菌表面処理は、抗菌性能を改良するために複数の成分を組み合わせるだけでなく、蓄積された静電気を消散させることができる荷電防止剤や皮膚軟化剤のようなスキンケア剤といった他の成分を組み合わせることができる。
本発明に係る抗菌組成の実施形態は、手袋、フェイス・マスク、手術用または医療用ガウン、ドレープ、靴カバーといった保護用物品を含む。説明のために、本発明の有益な性質をフェイス・マスクとして具体化した。フェイス・マスクは、1またはそれ以上の抗菌剤および共に作用する薬剤を含み、付着した汚れの存在下および不存在下の両方において、製品の表面上の微生物の広範な成長を迅速に抑制し、かつ制御する。微生物を迅速に死滅させ、または抑制する抗菌コーティングは、製品全体というよりはむしろマスク正面の不織布の外表面上に選択的に配置される。抗菌剤は、液体の存在下においてマスクの表面より浸出せず、およびまたは粒子に戻ることはない。抗菌剤が粒子に戻ると、使用時にマスクより流れ落ち、吸い込み試験により測定されるように使用者により吸い込まれる可能性がある。フェイス・マスクに組み合わされる例示的なフェイス・マスクおよび形態は、例えば、特許文献(米国特許4,802,473号明細書、米国特許4,969,457号明細書、米国特許5,322,061号明細書、米国特許5,383,450号明細書、米国特許5,553,608号明細書、米国特許5,020,533号明細書、および米国特許5,813,398号明細書)に記載されている。以上の特許公報の全ての内容は、参照することにより本明細書に組み込まれるものとする。
抗菌組成は、不織布フィラメントまたは繊維が形成された後に、それらの外表面に塗布されてよい。望ましくは、均一なコーティングが基材表面上に塗布される。均一なコーティングとは、基材表面上の一部分で凝集しないだけでなく、処理された基材表面の全体にわたって比較的均一または平坦である抗菌剤の単一層をいう。
本発明に係る抗菌剤コーティングを用いて処理された不織布は、複数のプロセスによって製造される。説明としての例では、抗菌処理された基材を準備するための方法は、高分子基材を提供する過程と、基材に安定化された過酸化物分子を塗布する過程とを含む。実施形態では、いわゆる「ディップ−スクイーズ法」または「パディング法(padding)」といった従来の飽和プロセス(saturation process)により、抗菌組成は基材物質に塗布される。ディップ−スクイーズ法またはパディング法による処理は、両面およびまたは基材の塊の全体を抗菌組成でコーティングしうる。
本発明に係る製品は、菌類、酵母菌、かび、原生動物、ウイルス、よごれ、および他の基材を含む多くの汚染物を高効率に繋ぎとめるカチオン性化合物を担持する基材を含む。微生物は、基材の静電荷と静電相互作用して固定される。本発明に係る製品の内部または表面に含浸されたカチオン性化合物は、微生物を死滅させ、または成長を阻害する必要はないが、正−負または負−正の静電相互作用を介して主に負に荷電した微生物または他の汚染物を傷表面から移動させ、繋ぎとめる。本発明の製品は、高効率かつ安全に皮膚を洗浄するための抗菌性、殺菌性または静菌性の成分を必要としない点に利点がある。本発明に係る製品が皮膚の創傷の内部または周囲で使用されるときには、微生物は単に死滅され創傷内に残るのでなく、カチオン性化合物または製品の繊維表面と結合し、皮膚から取り除かれる。
特定の理論を用いなくても、皮膚または創傷の表面上または近傍におけるカチオン性化合物を含む製品と微生物およびまたは汚染物との引力が、微生物およびまたは汚染物を皮膚に引く力を超えて増加することによって、製品に付加されたカチオン性種に汚染物が結合し、除去され、皮膚の浄化が大きく強化されるように見える。カチオン性化合物は微生物およびまたは汚染物の負電荷の全てと相互作用し、静電相互作用を介して皮膚から微生物およびまたは汚染物を分離させるように見える。カチオン性化合物と微生物およびまたは汚染物との間の相互作用力は、微生物およびまたは汚染物を皮膚の上または近傍に維持しようとする付着による結合力よりも強いように見える。付着による結合力は、疎水性相互作用、静電相互作用およびリガンド相互作用を含む。微生物およびまたは汚染物は皮膚から解離され、荷電修飾された製品に結合するため、容易かつ効率的に製品によって持ち去られる。本発明は、汚染物が単に皮膚からまたは創傷から除去されるだけでなく、カチオン性化合物を含む基材との相互作用を介して表面から取り除かれるため、従来の製品に対して大きな利点がある。適量のカチオン性化合物が本発明に係る製品に付加されることにより、疎水性相互作用、静電相互作用、およびリガンド相互作用のような汚染物を皮膚表面に結合させる力より、カチオン種への引力が大きくなる。
本発明によれば、洗浄製品または基材によって、例えばカンジダアルビカンスのような微生物や汚れが効率よく捕集され、哺乳類の皮膚または基材表面から取り除かれる。基材または洗浄製品は、例えば製品の全電荷密度を変更するべく適切な有効電荷密度またはアニオン交換容量を有するオクタデシルジメチルトリメトキシシリルプロピルアンモニウム塩化物のようなカチオン性化合物を十分な量有する。約0.1マイクロ当量/g〜約8000マイクロ当量/gまたはそれ以上の有効電荷密度を有する十分な量のカチオン性化合物を含む基材は、基材表面が電気的に変更され、本明細書で定義される正電荷指数において、少なくとも約35正電荷単位、より一般的には約50またはそれ以上、好ましくは52〜250または300の正電荷単位を製品が有するようになることがわかっている。このような正電荷指数では、多くの種類の微生物および汚れが、皮膚表面から静電気的に除去され、捕集され取り除かれる。
本発明に係るカチオン性化合物を含む製品は、皮膚および創傷の内部および周囲への使用に対して安全である。微生物は破裂する危険性がないように創傷表面から除去され、微生物から創傷内に導入される副生成物の危険性は最小化され、または取り除かれる。いくつかの望ましい実施形態では、基材は皮膚上に存在する汚染物と結合することが可能なカチオン性化合物を保持する。より好ましくは、カチオン性化合物は約50または1000マイクロ当量/g〜約8000マイクロ当量/gの有効電荷密度を有し、製品の正電荷指数は少なくとも52である。基材は、織布または不織布と、皮膚表面上に存在する汚染物と結合可能なカチオン性化合物とを含む製品となることができる。
ここで記載したカチオン性化合物は、様々な方法によって、基材または製品の内部または表面に組み込まれる。本発明に係るある実施形態では、基材を製造するプロセスにおいて、洗浄製品の基礎をなす基材を含む繊維にカチオン性化合物は含浸させられる。ここで言及する「パルプ繊維」または「セルロース繊維」は、本発明の範囲内で木材パルプ繊維、合成および高分子型繊維を含む本範明に係る洗浄製品の基材に適した様々な型の繊維を含むと認識すべきである。カチオン性化合物の組み込みのために適した基材は、例えばセルロース性材料、コフォーム材料(coform materials)、織布、不織布、スパンボンド布、メルトブローン布、編地、ウェットレイド布、ニードルパンチ織布、またはこれらの組み合わせを含む。
本発明に係る洗浄製品の全有効正電荷密度を増加させるための使用に適したカチオン性化合物の例は、商標名「Bufloc 535」(Buckman Laboratories International、メンフィス、テネシー州)、商標名「Nalco 7607」(ONDEO NALCO Company、ネーパービル、イリノイ州)、商標名「Reten 201」(Hercules Inc、ウィルミントン、デラウェア州)、商標名「Cypro 515」(CIBA Speciality Chemicals、サフォーク、バージニア)、商標名「Bufloc 5554」(Buckman Laboratories International、メンフィス、テネシー州)、および商標名「Busperse 5030」(Buckman Laboratories International、メンフィス、テネシー州)のような第4級アンモニウムを含む高分子化合物、カチオン性高分子、無機カチオン種、カチオン性の生体高分子、修飾キトサン、オクタデシルジメチルトリメトキシシリルプロピルアンモニウム塩化物、オクタデシルジメトキシトリメトキシシリルプロピルアンモニウム塩化物、ポリアクリルアミド、塩化ジアリルメチルアンモニウム、エピクロロヒドリンアミン、カチオン性リポソーム、加工でんぷん、1−メチル−2−ノアオレイル−3−オレイルアミドエチルイミダゾリンメチル硫酸塩(1 -methyl-2-Noroleyl-3- oleyl-amidoethyl imidazoline methylsulfate)、1−メチル−2−ノアオレイル−3−オレイルアミドエチルイミダゾリンエチル硫酸塩、トリメチルシリアモジメチコン、アモジメチコン、ポリクオタニウム2、ポリクオタニウム4、ポリクオタニウム5、ポリクオタニウム7、ポリクオタニウム8、ポリクオタニウム9、ポリクオタニウム10、ポリクオタニウム11、ポリクオタニウム12、ポリクオタニウム13、ポリクオタニウム14、ポリクオタニウム15、ポリクオタニウム16、ポリクオタニウム17、ポリクオタニウム18、ポリクオタニウム19、ポリクオタニウム20、ポリクオタニウム22、ポリクオタニウム24、ポリクオタニウム27、ポリクオタニウム28、ポリクオタニウム29、ポリクオタニウム30、ポリクオタニウム32、ポリクオタニウム33、ポリクオタニウム34、ポリクオタニウム35、ポリクオタニウム36、ポリクオタニウム37、ポリクオタニウム39、ポリシリコン−1、ポリシリコン−2、およびそれらの混合物および組み合わせを含む。特に、好ましい化合物は、第4級化合物、高分子電解質、オクタデシルジメトキシシリルプロピルアンモニウム塩化物、1−メチル−2−ノアオレイル−3−オレイルアミドエチルイミダゾリンメチル硫酸塩、1−メチル−2−ノアオレイル−3−オレイルアミドエチルイミダゾリンエチル硫酸塩を含む。本発明に関連して、最終製品の全有効正電荷密度を大きく増加させるために、パルプ製造工程において一般的に使用される他のカチオン性化合物もまた利用することができることを、当業者であれば認識するであろう。
本発明に係る製品に組み込まれるカチオン性化合物は、実質的にカチオン電荷を有する。カチオン性電荷は、ときどきアニオン交換体と言われることがある。一般的に、本発明に係る製品は、十分な正電荷を有するカチオン性化合物を含み、微生物およびまたは汚染物と皮膚との静電相互作用を介して製品の洗浄特性を改良する。ある化合物の「カチオン性電荷」の量は、実質的に変更することが可能であり、いくつかの異なる装置を使用して測定することができる。アニオン交換体は、グラム当たりのマイクロ当量またはグラム当たりのミリ当量として測定される、またはアニオン交換体が結合する所定の化合物またはタンパク質の量として測定される「容量(capacity)」として表される。静電荷量を表すための他の方法として、単位面積当たりのマイクロまたはミリ当量がある。当業者であれば、本発明において使用されるアニオン交換体の適量を計算するために、交換容量の単位をある形式から他の形式へと変更することが可能であることを認識することができるであろう。
本発明では、製品の全有効カチオン性電荷密度を増加させるために使用される化学添加物は、カチオン性電荷を有している。本発明の使用に適したカチオン性化合物は、一般的に約0.1マイクロ当量/g〜約8000マイクロ当量/gの有効電荷密度を有し、より好ましくは約100マイクロ当量/g〜約8000マイクロ当量/gであり、更に好ましくは約500マイクロ当量/g〜約8000マイクロ当量/gであり、最も好ましくは約1000マイクロ当量/g〜約8000マイクロ当量/gである。約8000マイクロ当量/g以上の有効電荷密度は、本発明に係る洗浄製品に使用することができるが、このように高い電荷密度は本発明の利益を実現するために通常要求されず、製品特性の低下を引き起こすかもしれない。カチオン性物質の有効電荷密度が増加するにつれて、パルプ製造工程に添加が必要となるカチオン性物質の量は一般的に減少する。本発明の目的を十分に達成するために、上述した有効電荷密度を有するカチオン性物質は一般的に、約0.01%(基材の重量当たり)〜約25%(基材の重量当たり)、好ましくは約0.01%(基材の重量当たり)〜約10%(基材の重量当たり)であれば、製品の全カチオン性電荷を増加させるために十分である。パルプ製造工程への導入のために要求されるカチオン性物質の実際の量は、例えば、パルプ繊維環境における他の添加物の存在に起因するパルプ繊維の立体障害の程度、パルプ繊維上の電荷の近づきやすさ、アニオン部位に対するカチオン性物質の競争反応、パルプ繊維内への多層吸収の可能性、および溶液からのアニオン性物質の析出能といった多くの他の因子に影響される。
特定の理論に結び付けることなく、本発明の使用に適したカチオン性分子(「軟化材」または「分離剤」と呼ばれることもある)は、第4級窒素によるカチオン電荷を有している。皮膚の洗浄製品の製造過程において、このカチオン性電荷は、一般的に本来はアニオン性である繊維表面にカチオン性分子を引き込むために使用され得る。本発明の使用に適したカチオン性化合物は、分子を実質的に非水溶性にするために、分子に疎水性を与える疎水性側鎖を有し得る。カチオン性化合物は、実際にはカチオン性化合物分子のミセルとして溶液内に存在し、疎水性の尾部はミセルの内部側に存在し、カチオン性電荷は水相に曝されていると考えられる。ミセル塊が繊維の表面に吸着されたときに、1つ以上の分子が表面上に存在するようになり、カチオン性電荷が過剰となった部分が繊維上に形成される。一度乾燥されると、これらのカチオン性分子はカウンターイオンと結びつき(カウンターイオンが存在せず、安定したカチオン性電荷を生成し得る状態も可能であるが)、実質的に中立な電荷を形成する。処理された基材が尿や糞のような水媒体と接触したときに、カウンターイオンは自由になって解離し、繊維のカチオン性分子が吸着された部位はカチオン性に荷電する。基材表面のカチオン性電荷は、一般的にウイルス性微生物およびまたは汚染物を引き寄せ、保持することができる。
[第C節]
基材の正電荷指数を決定するための正電荷指数分析
下地材や織布、不織布といった基材上に与えられた正電荷の量は、本発明に関しては、例えばアニオン性色素結合分析を含む正電荷指数分析を使用して測定され得る。正電荷指数分析は、アルカリ性物質のための生体染料であるエオシンYを使用する。エオシンYの代わりに、エオシンBが任意で使用されてもよい。正電荷指数分析は、以下のように実施される。
ステップ1:評価する基材から2つの約2cm四方の小片を切り取る。第1の小片は、上述したエオシンYで染色し、光学的に評価する。第2の小片は、第1の小片を染色する方法と一部異なる染色方法で染色される。第2の小片は、以下の第5および第6のステップを除き、第1の小片に実施されるステップと同様のステップが実施され、エオシンYで染色されない。
ステップ2:真空源が取り付けられたブフナー漏斗にろ紙を取り付ける。ろ紙は、例えばワットマン社製定性分析用#4(125ミリメータ)か、または同等のものである。
ステップ3:真空引きを開始し、脱イオン水でろ紙を洗浄する。
ステップ4:ろ紙を乾燥させる。
ステップ5:乾燥したろ紙の上に試験用基材を置き、基材に脱イオン水で調整した0.5%(重量/体積)エオシンY溶液0.75mLを染み込ませる。
ステップ6:試験用基材をエオシンY溶液に2分間浸し、その後、基材を乾燥したろ紙で覆う。
ステップ7:ろ紙を介して、試験用基材を脱イオン水で3分間洗浄する。
ステップ8:試験用基材を取り除き、乾燥したろ紙上に置いて完全に乾燥させる。
ステップ9:ミノルタ社製CM−508分光光度計または同等の装置を使用して、乾燥した試験用基材のCIELAB色空間を測定する。分光光度計は、CIELAB色空間を測定するべく次のパラメータに設定される。目標状態:CREEMM、色モデル:L*a*b*、観測角度:10°、初期光源:D65。分光光度計製造業者によって供給された標準白板を装置の校正に使用する。
ステップ10:比較のために染色していない試験用基材を使用して、エオシンYに染色された試験用基材のDE*ab値を計算する。DE*ab値は、正電荷指数と等しい値である。正電荷指数が高くなるにつれて、基材上の正電荷は大きくなる。CIE表色系値は次のように説明される。
L*=明度(0〜100の値)
a*=赤−緑方向の色度座標
b*=黄−青方向の色度座標
C=彩度=[(a*)2+(b*)2]1/2
H=色相角=arctan(b*/a*)
E=色差=[(L*)2+(a*)2+(b*)2]1/2
DL*=L*(Eosin染色基材)-L*(非染色基材)
Da*=a*(Eosin染色基材)-a*(非染色基材)
Db*=b*(Eosin染色基材)-b*(非染色基材)
DE*ab=[(DL*)2+(Da*)2+(Db*)2]1/2
本発明において最終製品の全有効カチオン性電荷密度を増加させるために有用なカチオン性化合物は、容易に様々な製品に取り込まれ得る。ここで使用されるように、「カチオン性化合物」の語は、湿潤状態において洗浄製品を含む繊維の全カチオン性電荷を増加させる様々な化合物または成分を意味する。好ましくは、本発明において最終製品の全有効カチオン性電荷密度を増加させるために使用されるカチオン性化合物は、パルプ繊維や製造過程において利用される添加物と競合しない(対立しない)。また、本発明に従ってパルプに付加される付加的なカチオン性化合物は、実質的に生成される修飾製品の強度および品位の全てに悪影響を与えるものではない。
[第D節−実施例]
材料の抗菌コーティング
バイオダインB(Biodyne B、商標名)の膜(孔径0.45μm、10mmディスク、ポール社(Pall Corporation)、イーストヒルズ(East Hills)、ニューヨーク州)を、50%(w/v)の過酸化尿素水溶液100μLによりコーティングした。コーティングされた膜は、室温で一晩乾燥させた。78.5mmまたは0.64mg/mm当たり50mg過酸化尿素が付加された。
バイオダインB膜の説明
細孔表面には、第4級アンモニウム基が高密度に密集している。これにより、広範なpH幅を超えて正の表面電荷が形成されている。正電荷は負に荷電した分子との強いイオン結合を促進する。
微生物的な挑戦的実験
6x10CFU/mLの肺炎桿菌ATCC4352懸濁液(リン酸緩衝生理食塩水(pH7.4))約100μLをバイオダインB膜上に加え、25℃で15分間インキュベートした。曝されたバイオダインB膜を25mLのLetheen培地内に置き、ボルテックス(20秒間)およびオービタルシェイカーによる攪拌(10分間)によって抽出した。サンプルの平板化は、トリプチケースソイ寒天上にスパイラルプレーター(WASP、微生物学協会)を用いて行った。計数はデジタル画像化システム(ProtoCOL、微生物学協会)を用いて行った。5つの複製を作成した。log10減少値を決定するために、コーティングされたバイオダインB膜とコーティングされていないバイオダインB膜とを比較した。
Figure 2009519102
複製2−4においては、大きな、または検知可能な集団は、荷電したバイオダインB膜にはみられなかった。
0.64mg/mmの過酸化尿素が付加された正電荷膜は、25℃で15分間の間に微生物の生存率を3log10以上減少させた。適切な効果が生じるように、過酸化尿素は正電荷が修飾された基材に、0.01〜1mg/mm2の濃度範囲で加えられ得る。代替の過酸化物種は、過酸化カルシウム、過炭酸ナトリウムおよびズルシトール、アラビトール、アドニトール、マンニトール、ソルビトール、キシリトール、ラクチトール、マルチトール、ジチオエリスリトール、グリセロール、ガラクチトール、エリストール、イノシトール、リビトール、および水素化でんぷん加水分解物を炭水化物部分として含む炭水化物と過酸化物との混合物がある。正電荷分子の種類および添加量は、次の特許公報に記載された範囲から予想することができる(例えば、米国特許出願公開第20040151919号明細書、米国特許出願公開第20040009141号明細書、米国特許出願公開第20040009210号明細書、および米国特許出願公開第20050137540)。これらは参照することにより本明細書に組み込まれるものとする)。この種の処理は、織布、不織布およびまたは成形された高分子に適用可能である。ある製品は、手袋、ガウン、マスク、ドレープ、ワイパ、おむつ、エアフィルタおよびその他を形成するために使用される。
本発明を一般的に、および例示目的で詳細に記載した。当業者であれば、本発明はここで開示した特定の実施形態に限定されないことを理解するであろう。請求項に規定された本発明の範囲から逸脱することなく、修飾および変更を行うことが可能である。また、現在すでに知られている、または今後知られ得る均等な構成要素を含む均等物が本発明の範囲内で用いられ得る。よって、変更が本発明の範囲から逸脱することがなければ、変更は本発明に含まれると解釈されるべきである。
本発明に係る抗菌メカニズムを示す一連の概略図である。 微生物と基材表面の間の相互作用を示す一連の概略説明図である。 本発明の実施形態に係る抗菌処理が行われた手袋を示す図である。

Claims (24)

  1. 抗菌処理方法であって、
    荷電部分が付着した基材と、前記基材の少なくとも一部分上に存在する安定化された過酸化物とを準備し、
    前記過酸化物が前記基材の表面に近接して存在する微生物に関連した生物由来または微生物由来の分泌物または水分源に接触したときに、過酸化物ガスを放出するべく前記安定化された過酸化物を活性化することによって、前記基材表面近傍の酸化性の微小環境を発生させる
    ことを含むことを特徴とする。
  2. 微生物の接触伝達を最小化するための保護用物品または洗浄用物品であって、
    荷電部分により部分的に被覆された基材表面と、
    前記基材表面上に配置された安定化された過酸化物と
    を含み、
    前記過酸化物が、水分を担持した前記基材の周囲の微小雰囲気と反応したときに、前記安定化された過酸化物分子は前記基材表面から過酸化物ガスを放出するように適合されていることを特徴とする。
  3. 請求項1または請求項2に記載された発明であって、
    前記電荷部分は、カチオン性であることを特徴とする発明。
  4. 請求項1に記載された発明であって、
    前記基材の有効電荷密度は、少なくと約0.1マイクロ当量/グラムであることを特徴とする発明。
  5. 請求項1または請求項2に記載された発明であって、
    前記基材の有効電荷密度は、約8000マイクロ当量/グラム以下であることを特徴とする発明。
  6. 請求項1または請求項2に記載された発明であって、
    前記基材の表面は、約35以上の正電荷指標を有するように電気的に改変されていることを特徴とする発明。
  7. 請求項1または請求項2に記載された発明であって、
    前記安定化された過酸化物は、基材の約20重量%以下の量が存在していることを特徴とする発明。
  8. 請求項7に記載された発明であって、
    前記安定化された過酸化物は、約4〜15重量%の量が前記基材上に存在していることを特徴とする発明。
  9. 請求項1または請求項2に記載された発明であって、
    前記安定化された過酸化物は、
    a)前記基材表面に直接的に結合されているか、
    b)分解可能な中空構造内に存在しているか、
    c)粒子の塊内に含まれているか、
    またはa)、b)、c)の組み合わせであることを特徴する発明。
  10. 請求項9に記載された発明であって、
    前記粒子は、平均粒子サイズが約5nmまたはそれ以下であることを特徴とする発明。
  11. 請求項1または請求項2に記載された発明であって、
    前記処理された基材は、サンプル表面上の微生物を最初に接触してから15分以内に90%死滅させることを特徴とする発明。
  12. 請求項11に記載された発明であって、
    前記処理された基材は、サンプル表面上の微生物を最初に接触してから10分以内に95%死滅させることを特徴とする発明。
  13. 請求項1に記載された処理方法であって、
    前記微生物は、前記荷電部分に対して反対の電荷を有することを特徴とする処理方法。
  14. 請求項2に記載された物品であって、
    前記物品は、天然または合成のラテックスフィルムから一部分が形成された本体を有することを特徴とする物品。
  15. 請求項15に記載された物品であって、
    前記ラテックスフィルムは、弾性を有することを特徴とする物品。
  16. 請求項2に記載された物品であって、
    前記物品は、不織布基材から一部分が形成された本体を有することを特徴とする物品。
  17. 請求項2に記載された物品であって、
    前記物品は、セルロースに基づく材料から一部分が形成された本体を有することを特徴とする物品。
  18. 請求項2に記載された物品であって、
    前記基材の外部または活性表面の部分は、前記過酸化物が充填された分解可能な中空構造を有し、水分源または特定の生物または微生物の分泌物に前記基材が接触したときに、前記中空構造から前記過酸化物を放出することを特徴とする物品。
  19. 請求項18に記載された物品であって、
    前記中空構造は、内部の過酸化物を前記基材表面に、持続的かつ限定的に放出することを特徴とする物品。
  20. 請求項18に記載された物品であって、
    前記中空構造は、内部の過酸化物を前記基材表面に、急速かつ爆発的に放出することを特徴とする物品。
  21. 請求項2に記載された物品であって、
    前記保護用物品は、手袋、フェイス・マスクまたはカバー衣類であることを特徴とする物品。
  22. 請求項2に記載された物品であって、
    前記洗浄物品は、ワイパシートまたはパッドであることを特徴とする物品。
  23. 基材を酸化化合物で処理する方法であって、
    過酸化物含有化合物を準備し、
    前記過酸化物含有化合物を前記基材の表面に塗布または組み込み、
    前記過酸化物含有化合物は、前記基材の内部または表面のその場で発生させられることを特徴とする方法。
  24. 請求項23に記載された方法であって、
    前記過酸化物含有化合物は、前記過酸化物含有化合物および前記基材の種類または性質に基づいて、凍結乾燥法または加熱方法によって発生させられることを特徴とする方法。
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