JPH06340080A - インクジェット記録装置 - Google Patents

インクジェット記録装置

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Publication number
JPH06340080A
JPH06340080A JP13074793A JP13074793A JPH06340080A JP H06340080 A JPH06340080 A JP H06340080A JP 13074793 A JP13074793 A JP 13074793A JP 13074793 A JP13074793 A JP 13074793A JP H06340080 A JPH06340080 A JP H06340080A
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JP
Japan
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temperature
cap
ink jet
head
ink
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JP13074793A
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English (en)
Inventor
Masayoshi Tachihara
昌義 立原
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Original Assignee
Canon Inc
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 装置を大型化、高コスト化せずに長時間休止
直後でも高品質印字をさせる。 【構成】 印字休止時にインクジェットヘッド1に接す
るキャップ30内にニクロム線ヒーター30−3が設け
られていて、直流電源32より電力が供給される。キャ
ップ30内の空間30−5の温度が上昇し、インクジェ
ットヘッド1の吐出口面21の温度より高くなり、記録
液の揮発成分の過飽和が保たれ、吐出口15および液室
12内の記録液の粘度上昇を防止する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は液滴を吐出するためのエ
ネルギー発生手段、液流路および前記液滴を吐出する吐
出口を備えるインクジェットヘッドにより印字を行なう
とともに、印字休止時に前記吐出口を密閉するキャップ
を備えるインクジェット記録装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、この種のインクジェット記録ヘッ
ドは、印字休止時に、記録液のうち揮発成分が吐出口そ
の他より蒸発し記録液の物性値が変化する。例えば水と
グリセリンを主成分とするインクでは、記録液のうち水
分量が減少することにより記録液の粘度が上昇する。記
録液を沸騰させて吐出する為のエネルギー発生手段とし
て発熱抵抗体を用いるいわゆるバブルジェットヘッドに
おいては、前記粘度が上昇するほかに、記録液が沸騰し
た時の気泡の圧力も通常記録時に比べて低下する。これ
らの理由により印字休止直後の動作の際記録液滴が吐出
せずに記録不可能になるか、吐出したとしても正常な方
向に吐出しないため被記録材の所定の位置に液滴が到達
しない等の問題が生じやすい。
【0003】このため、長時間印字を休止するときは吐
出口を密閉し、吐出口からのインク中水分蒸発を防止す
る密閉手段が周知である。しかしながら、例えば数日以
上の長期間未使用状態が続く場合には、前記密閉手段の
みでは、ヘッド内の水分蒸発を防ぐのは困難であり、使
用再開時に前述の問題を生じやすい。そのため、長期間
未使用の後使用再開時には、ポンプ等によりヘッド内の
インクを吸い出し、タンクから新規インクを引いて来る
回復手段が用いられている。
【0004】また、記録休止後の再開時直前に、ヘッド
を加熱し、ヘッド内のインクの温度を上昇させ、インク
粘度を低下させて、吐出を正常に行わせる予備加熱手段
も用いられている。更には、休止後再開時に、ヘッドの
ホームポジションにおいて予備的に吐出を行わせる予備
吐出手段も用いられており、以上の各解決手段の複数手
段を組み合わせて用いられることもある。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】上述した従来の解決手
段は、ポンプ等を用いてヘッド内の記録液を吸い出す回
復手段は、ポンプ自体の他に廃インクタンク、およびこ
れらを制御する手段が必要であり、装置自体の大型化、
高コスト化の要因となり、さらに、記録液を大量に消費
するので、結果的にランニングコストの上昇を招く欠点
がある。また、予備加熱手段および予備吐出手段にはそ
れぞれ制御手段が必要で、このための回路または/およ
びソフトウェアが必要となり装置の高コスト化要因とな
るという欠点がある。
【0006】本発明の目的は、装置を大型化、または高
コスト化することなく、長時間の休止直後にも安定した
液滴吐出による記録が行えるインクジェット記録装置を
提供することである。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明のインクジェット
記録装置は、印字休止時に前記キャップの温度をインク
ジェットヘッドの吐出口の温度より高く保つ手段を有す
る。
【0008】前記印字休止時に前記キャップの温度を前
記インクジェットヘッドの吐出口の温度より高く保つ手
段は前記キャップの温度を上昇させる手段を有するもの
を含む。
【0009】前記印字休止時に前記キャップの温度を前
記インクジェットヘッドの吐出口の温度より高く保つ手
段は前記吐出口の温度を降下させる手段を有するものを
含む。
【0010】前記インクジェットヘッドは吐出口近傍に
熱伝導性の部材を有するものを含む。
【0011】前記インクジェットヘッドは、インク吐出
用の熱エネルギーを発生するための電気熱変換体を備え
ているものを含む。
【0012】前記インクジェットヘッドは、前記電気熱
変換体によって印加される熱エネルギーにより、インク
に生ずる膜沸騰を利用して吐出口よりインクを吐出させ
るものを含む。
【0013】
【作用】キャップ温度が印字休止時にヘッド温度よりも
高く保たれるので、長時間印字休止直後に記録液の粘度
が上っておらず、装置を大型化したり、高コスト化せず
に、高品質の記録ができる。
【0014】
【実施例】次に、本発明の実施例について図面を参照し
て説明する。
【0015】図1は本発明のインクジェット記録装置の
第1実施例のインクジェットヘッド(以下単にヘッドと
称する)部の斜視図、図2は図1の記録休止時の状態を
示す図で、(a)は図1の液流路11を通るAA線断面
図、(b)は図1の供給口12′の中心を通るBB線断
面図、図3は図2の空間30−5における温度分布を示
すグラフ、図4は図1のインクジェット記録装置の主要
部の斜視図である。
【0016】一般に、記録液の揮発成分を溶質として開
口面における重量濃度をCとしたとき、吐出口から外気
への蒸発量(単位時間・単位開口面積当りの体積)q
は、 q=R(C−Ceq) で近似できる。ここで、Ceqは平衡濃度であって、吐出
口近傍の空気の湿度に依存し、この空気の湿度が高い程
大きな値となる。Rは、蒸発係数とよばれ、蒸発のしや
すさを表す係数であり、溶媒の種類、吐出口の温度に依
存し、開口面の温度が高くなると大きくなる。
【0017】したがって、Ceqを大きくするかRを小さ
くすれば、吐出口からの水分蒸発速度を下げることがで
きる。揮発成分(例えば水)の飽和蒸気圧は温度と共に
上昇するので、キャップ温度をヘッド温度以上にするこ
とにより、キャップ温度とヘッド温度が等しい場合より
多くの揮発成分をキャップ内に収容できる。したがって
ヘッド温度における平衡濃度Ceqを実質的に高くすれば
蒸気速度が下り、過飽和を実現することができる。
【0018】また、ヘッド温度はキャップ温度以下にす
ることにより蒸発係数Rは低く保てる。現象としては、
一旦吐出口から蒸発した揮発成分が吐出口付近に結露し
水分蒸発が高いCeq値で平衡する。結露した際蒸発潜熱
がヘッドに残り、続いて結露しづらい状態になるのを防
ぐには、吐出口面付近に熱伝導性の良い部材を用い、潜
熱をヘッド内部に拡散してやれば良い。
【0019】キャップ温度をヘッド温度より高くする手
段としてはキャップを加熱すること、または、ヘッドを
冷却すること、あるいはそれら両方が考えられる。ま
た、吐出口近傍に例えば金属などの熱伝導部材を配置す
れば、キャップ内水蒸気が吐出口付近に凝縮した時の潜
熱を凝縮位置から逃がすので、吐出口付近の温度を容易
に低く保つことが期待できる。
【0020】図1,2はこのインクジェット記録装置の
ヘッド部を示している。ヘッド1は液流路11内に配置
された不図示の発熱抵抗体による熱エネルギーの作用に
よって記録液(不図示)を吐出口15から吐出する。複
数の液流路11は液室12に連通しており、供給口1
2′から供給チューブ14を通して不図示のタンクから
の記録液の供給を受ける。液室12はガラス製の天板1
3を掘り込んで形成されている。液室12、液流路1
1、発熱抵抗体はSi基板16上に接着されている。発
熱抵抗体への電力の供給は、記録装置本体からフレキシ
ブルケーブル19、プリント基板18、ワイヤボンディ
ング部17およびSi基板16上のAl配線(不図示)
を通してなされる。これら液流路11、天板13、ワイ
ヤボンディング部17、およびフレキシブルケーブル1
9はすべてSi基板16を介してAl製の板20に接着
されていて、ヘッド1に残留した熱はこの板20を通し
て外気に放出される。キャップ30は、プラスチック製
のわく30−2の前端にゴム製のフレーム30−1を付
けた構造で、吐出口面21との密着性を上げており、印
字時は、ヘッド1から外されるようになっている。キャ
ップ30内にはニクロム線ヒーター30−3が吐出口1
5と反対面に配置されており、キャップのわく30−2
に穴をあけて設けられた電極30−4とリード線31を
通して、直流電源32から電力が供給される。ニクロム
線ヒーター30−3はキャップ30本体から離れて配置
されていて、加熱エネルギーがキャップ30外に逃げる
のを防いでいる。キャップ30と吐出口面21で囲まれ
る空間30−5の体積は約0.7cm3 であり、ニクロ
ム線ヒーター30−3には8mWの電力が供給される。
これによりキャップ内空間30−5の温度は0.8℃上
昇した。
【0021】このように、キャップ30とヘッド1との
温度差は、極く僅かで良く、温度差を大きくするとヘッ
ド1自体の温度上昇も大きくなって、揮発成分が漏れや
すくなる等の逆効果を生ずるとともに、消費電力を無用
に増すこととなる。吐出口面21にはAl製の板20が
隣接しており、キャップ内温度が上昇してもヘッドの温
度の上昇は1℃以内におさえられている。
【0022】インクジェット記録装置が印字休止状態に
なると、キャップ30の先端ゴム部30−1がヘッド1
の吐出口面21に密着して、吐出口面21が外気からし
ゃ断される。それと共にキャップ内ニクロム線ヒーター
30−3が加熱される。キャップ内温度が上昇し飽和蒸
気圧も上昇するので、加熱を行なわない時に比べて揮発
成分収容量が多くなる。
【0023】また、同空間30−5内温度分布は実測の
結果、図3に示すように、吐出口面21付近で温度が急
激に上昇する分布となっている。したがって吐出口近傍
で揮発成分が過飽和ぎみとなるので、ある程度蒸発がす
すむと逆に結露するか、それ以上蒸発が進行しなくな
る。このようにして長時間の印字休止中でも液流路11
内の記録液の揮発成分減少はほとんどみられない。
【0024】直流電源32は、長期間の印字休止の際記
録装置の主電源がしゃ断されていることが予想されるの
で、バッテリーが使用されるが、印字中に自動的に再充
電が行なわれる充電池が望ましい。
【0025】図4は本実施例のインクジェット記録装置
の主要部を示している。記録紙204は、プラテン20
3が矢印方向に回転することによって主走査方向201
に直角な副走査方向に移動する。キャリッジ202が主
走査方向201に沿って設けられたガイドレール205
上を移動することによってヘッド1から吐出された記録
液が記録紙204上に到達し、そこに画像が形成され
る。キャップ30は、印字時キャリッジ202のホーム
ポジションで待機し、印字休止時にヘッド1がホームポ
ジションに戻るとa方向に移動し吐出口が外気からしゃ
断されるようになっている。
【0026】本実施例で用いたインクは、重量比率で、
水6、ジ・エチレン・グリコール3、Nメチル2ピロリ
ドン1の割合であった。この他に水以外の揮発成分エタ
ノール、メタノール、ブタノール等を含んだインクであ
っても装置の構成を全く変えることなく目的を達成でき
る。
【0027】本実施例のインクジェット記録装置は、印
字休止時にキャップ温度が吐出口温度より高く保たれる
ので吐出口が開口するキャップ内空間の揮発成分が過飽
和となって、記録液の粘度が上昇せず、長時間休止直後
でも高品位の記録ができる。
【0028】図5(a)は本発明のインクジェット記録
装置の第2実施例のヘッド部の断面図、同図(b)は
(a)のCC線断面図である。
【0029】このインクジェット記録装置は記録休止時
にヘッド2の吐出口44をキャップ53が覆うようにな
っている。ヘッド2はインクタンク容器51とSi基板
42とでインク部46を囲うように構成され、Si基板
42上には隔壁47を介してニッケル製のオリフィスプ
レート41が固着されている。オリフィスプレート41
には円形の吐出口44がレーザ加工によって形成されて
いる。吐出口44は図(a)の紙面に垂直方向に24個
配列されている。Si基板42上の吐出口44の直下に
発熱抵抗体43が形成され、発熱抵抗体43には、電極
48、TAB部49、フレキシブルケーブル50および
端子52を通じて本体電力供給部(不図示)から電力が
供給される。Si基板42には液流路44′に通ずる間
隙があって、この間隙にフィルター45が設けられてい
る。液流路44′はインク部46のインクを吐出口44
に導く。隔壁47は液流路44′を互いに隣接する液流
路44′から隔てている。オリフィスプレート41には
冷却側金属体54−2を接してペルチェ素子54が固着
されている。ペルチェ素子54の加熱側金属体54−1
と冷却側金属体54−2には直流電源55からのリード
線56が接続されていて、印字休止時に電力が供給さ
れ、オリフィスプレート41を冷却する。キャップ53
はゴム製であって、印字休止時にはオリフィスプレート
41上に接して吐出口44が開口する空間を覆う。
【0030】このインクジェット記録装置は印字休止時
にキャップ53がヘッド2に接し、また、ペルチェ素子
54に電力が供給され、オリフィスプレート41の温度
を降下させ、キャップ温度がヘッド温度より高く保たれ
る。
【0031】この実施例ではオリフィスプレート41を
ニッケルにより製造しているが、この他熱伝導性の良い
金属を使用することで吐出口面の温度低下の効率を良く
することができる。また、仮に水分等が蒸発しても、キ
ャップ53内の温度が上ると、吐出口面すなわちオリフ
ィスプレート41に水分が結露して吐出口44を通して
液流路44′内に戻る。
【0032】記録液として水85%、ジエチレングリコ
ール15%に染料を加えたものを使用した例において、
水分蒸発は進行しにくく好成績が確認された。
【0033】本実施例のインクジェット記録装置は印字
休止時にヘッド温度が低下してキャップ温度がヘッド温
度より高く保たれるので第1実施例と同様に、長時間印
字休止直後であっても高品質の記録ができる。
【0034】図6は本発明のインクジェット記録装置の
第3実施例のヘッド部の横断面図である。
【0035】このインクジェット記録装置では図1のヘ
ッド1と同じヘッド3にペルチェ素子101が固着され
ている。ペルチェ素子101の冷却側金属体101−1
はヘッド3のAl製の板120に接しており、冷却側金
属体101−1と加熱側金属体101−2にはリード線
156を介して直流電源155より電力が供給される。
ペルチェ素子101の加熱側金属体101−2にはブロ
ック102が固着されている。ブロック102はAl製
であって外面にウレタン製の被覆102′が貼られてい
て、熱が外気へ漏れるのを防いでいる。また、ブロック
102にはヒートパイプ104が挿入される穴が明いて
いる。ヒートパイプ104は記録休止時に一端がブロッ
ク102の穴に挿入されるようになっており、中央部で
鉛直線方向105に曲げられた先の直線部は、ヘッド3
に接するキャップ103に達し、キャップ背面103−
2に接して固着されている。キャップ背面103−2は
銅板であってヒートパイプ104との熱抵抗を下げてい
る。キャップ103の側面103−1はゴム製であって
熱が外気に逃げないようにされている。また、キャップ
背面103−2のヒートパイプ104に接していない部
分には、熱が逃げないようにゴム(不図示)が貼られて
いる。ペルチェ素子101が作動して加熱側金属体10
1−2が昇温すると、ブロック102も昇温し、ヒート
パイプ104内の水が気化して上昇し、キャップ103
内で凝縮するのでキャップ温度が上昇する。キャップ1
03内で凝縮した水はヒートパイプ104内を降下して
元の状態に戻る。
【0036】このインクジェット記録装置では印字休止
時にペルチェ素子101が作動して板120を介してヘ
ッド3の吐出口面121を冷却するとともに、ヒートパ
イプ104内の媒体(水)を介してキャップ103を昇
温させる。
【0037】この実施例では記録が再開される時は、キ
ャップ103とヒートキャップ104の一体になった部
分が、ヘッド3とブロック102から離れるようになっ
ているが、キャップ103、ヒートキャップ104およ
びブロック102の3者が一体となったものがヘッド3
およびペルチェ素子101から離れる構造とすることも
できる。
【0038】本実施例のインクジェット記録装置はキャ
ップ温度を上昇させるとともにヘッド温度を低下させる
ので、長時間印字休止直後の高品位印字を、第1および
第2実施例よりも効果的に実現している。
【0039】以上述べた実施例はヒーターまたはペルチ
ェ素子を使用しているが、このほか、記録装置の排熱を
用いてキャップ温度を上昇させることが可能で、具体的
には排熱ダクトをキャップ近傍を通すことで実現でき
る。この方法はコンピュータやワードプロセッサ等の装
置に組込まれた印字装置のように、印字装置が休止して
いても本体装置が使用中であることの多い構成において
特に有効である。
【0040】また、各実施例における記録ヘッドはイン
クジェット記録方式の中でも熱エネルギーを利用して飛
翔的液滴を形成し、記録を行うインクジェット方式の記
録ヘッドであって、その代表的な構成や原理について
は、例えば、米国特許第4723129号明細書、同第
4740796号明細書に開示されている基本的な原理
を用いて行うものが好ましい。この方式はいわゆるオン
デマンド型、コンティニュアス型のいずれにも適用可能
であるが、特に、オンデマンド型の場合には、液体(イ
ンク)が保持されているシートや液路に対応して配置さ
れている電気熱変換体に、記録情報に対応していて核沸
騰を越える急速な温度上昇を与える少なくとも一つの駆
動信号を印加することによって、電気熱変換体に熱エネ
ルギーを発生せしめ、記録ヘッドの熱作用面に膜沸騰を
生じさせて、結果的にこの駆動信号に一対一で対応した
液体(インク)内の気泡を形成できるので有効である。
この気泡の成長、収縮により吐出用開口を介して液体
(インク)を吐出させて、少なくとも一つの滴を形成す
る。この駆動信号をパルス形状とすると、即時適切に気
泡の成長収縮が行われるので、特に応答性に優れた液体
(インク)の吐出が達成でき、より好ましい。
【0041】このパルス形状の駆動信号としては、米国
特許第4463359号明細書、同第4345262号
明細書に記載されているようなものが適している。な
お、上記熱作用面の温度上昇率に関する発明の米国特許
第4313124号明細書に記載されている条件を採用
すると、さらに優れた記録を行うことができる。
【0042】記録ヘッドの構成としては、上述の各明細
書に開示されているような吐出口、液路、電気熱変換体
の組み合わせ構成(直線状液流路または直角液流路)の
他に、熱作用部が屈曲する領域に配置されている構成を
開示する米国特許第4558333号明細書、米国特許
第4459600号明細書を用いた構成も含まれるもの
である。
【0043】また、複数の電気熱変換体に対して、共通
するスリットを電気熱変換体の吐出部とする構成を開示
する特開昭59−123670号公報や熱エネルギーの
圧力波を吸収する開孔を吐出部に対応させる構成を開示
する特開昭59−138461号公報に基づいた構成と
してもよい。
【0044】さらに、記録装置が記録できる最大記録媒
体の幅に対応した長さを有するフルラインタイプの記録
ヘッドとしては、上述した明細書に開示されているよう
な複数記録ヘッドの組み合わせによってその長さを満た
す構成や、一体的に形成された1個の記録ヘッドとして
の構成のいずれでもよい。
【0045】加えて、装置本体に装着されることで、装
置本体との電気的な接続や装置本体からのインクの供給
が可能になる交換自在のチップタイプの記録ヘッド、あ
るいは記録ヘッド自体に一体的にインクタンクが設けら
れたカートリッジタイプの記録ヘッドとしても用いた場
合にも含まれる。
【0046】また、記録装置の構成として設けられる、
記録ヘッドに対しての回復手段、予備的な補助手段等を
付加することは効果を一層安定できるので好ましいもの
である。これらを具体的に挙げれば、記録ヘッドに対し
てのキャッピング手段、クリーニング手段、加圧あるい
は吸引手段、電気熱変換体あるいはこれとは別の加熱素
子あるいはこれらの組み合わせによる予備加熱手段、記
録とは別の吐出を行う予備吐出モードを行うことも安定
した記録を行うために有効である。
【0047】さらに、記録装置の記録モードとしては黒
色等の主流色のみを記録モードだけではなく、記録ヘッ
ドを一体的に構成するか複数個を組み合わせによってで
もよいが、異なる色の複色カラー、または混色によるフ
ルカラーの少なくとも一つを備えた装置にも使用され
る。
【0048】インクは液体に限らず、室温やそれ以下で
固化するインクであって、室温で軟化するもの、もしく
は液体であるもの、あるいは上述のインクジェット方式
ではインク自体を30℃以上70℃以下の範囲内で温度
調整を行ってインクの粘性を安定吐出範囲にあるように
温度制御するものが一般的であるから、使用記録信号付
与時にインクが液状をなすものであればよい。
【0049】加えて、積極的に熱エネルギーによる昇温
をインクの固形状態から液体状態への状態変化のエネル
ギーとして使用せしめることで防止するか、またはイン
クの蒸発防止を目的として放置状態で固化するインクを
用いるかして、いずれにしても熱エネルギーの記録信号
に応じた付与によってインクが液化し、液状インクとし
て吐出するものや、記録媒体に到達する時点では既に固
化し始めるもの等のような、熱エネルギーによって初め
て液化する性質のインクの使用も本発明には適用可能で
ある。このような場合インクは、特開昭54−5684
7号公報あるいは特開昭60−71260号公報に記載
されるような、多孔質シート凹部または貫通孔に液状ま
たは固形物として保持された状態で、電気熱変換体に対
して対向するような形態としてもよい。
【0050】また、前述の実施例ではバブルジェットヘ
ッドについて記載しているが、ピエゾ素子を用いて記録
液を吐出するタイプのインクジェットヘッドにも適用で
きることはいうまでもない。
【0051】
【発明の効果】以上説明したように本発明は、印字休止
時にキャップの温度をヘッドの吐出口の温度より高く保
つことにより、キャップ内空間に記録液揮発成分が過飽
和となって、記録液の粘度が上昇しないので、装置を複
雑にして大型化したり、高コスト化することなく、長時
間印字休止直後であっても高品位の記録ができるという
効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のインクジェット記録装置の第1実施例
のヘッド部の斜視図である。
【図2】図1の記録休止時の状態を示す断面図であっ
て、(a)は図1の液流路11を通るAA線断面図、
(b)は図1の供給口12′の中心を通るBB線断面図
である。
【図3】図2の空間30−5における温度分布を示すグ
ラフである。
【図4】図1のインクジェット記録装置の主要部の斜視
図である。
【図5】(a)は本発明のインクジェット記録装置の第
2実施例のヘッド部の断面図、(b)は(a)のCC線
断面図である。
【図6】本発明のインクジェット記録装置の第3実施例
のヘッド部の断面図である。
【符号の説明】
1,2,3 インクジェットヘッド 11,44′ 液流路 12 液室 12′ 供給口 13 天板 14 供給チューブ 15,44 吐出口 16,42 Si基板 17 ワイヤボンディング部 18 プリント基板 19,50 フレキシブルケーブル 20,120 板 21,121 吐出口面 30,53,103 キャップ 30−1 フレーム 30−2 わく 30−3 ニクロム線ヒータ 30−4,48 電極 30−5 空間 31,56,156 リード線 32,55,155 直流電源 41 オリフィスプレート 43 発熱抵抗体 45 フィルタ 46 インク部 47 隔壁 49 TAB部 51 インクタンク容器 52 端子 54 ペルチェ素子 54−1,101−2 加熱側金属体 54−2,101−1 冷却側金属体 102 ブロック 102′ 被覆 103−1 キャップ側面 103−2 キャップ背面 104 ヒートパイプ

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 液滴を吐出するためのエネルギー発生手
    段、液流路および前記液滴を吐出する吐出口を備えるイ
    ンクジェットヘッドにより印字を行なうとともに、印字
    休止時に前記吐出口を密閉するキャップを備えるインク
    ジェット記録装置において、 印字休止時に前記キャップの温度を前記インクジェット
    ヘッドの吐出口の温度より高く保つ手段を有することを
    特徴とするインクジェット記録装置。
  2. 【請求項2】 前記印字休止時に前記キャップの温度を
    前記インクジェットヘッドの吐出口の温度より高く保つ
    手段は前記キャップの温度を上昇させる手段を有するこ
    とを特徴とする請求項1に記載のインクジェット記録装
    置。
  3. 【請求項3】 前記印字休止時に前記キャップの温度を
    前記インクジェットヘッドの吐出口の温度より高く保つ
    手段は前記吐出口の温度を降下させる手段を有すること
    を特徴とする請求項1に記載のインクジェット記録装
    置。
  4. 【請求項4】 前記インクジェットヘッドは吐出口近傍
    に熱伝導性の部材を有することを特徴とする請求項2ま
    たは3に記載のインクジェット記録装置。
  5. 【請求項5】 前記インクジェットヘッドは、インク吐
    出用の熱エネルギーを発生するための電気熱変換体を備
    えていることを特徴とする請求項1ないし4のいずれか
    一項に記載のインクジェット記録装置。
  6. 【請求項6】 前記インクジェットヘッドは、前記電気
    熱変換体によって印加される熱エネルギーにより、イン
    クに生ずる膜沸騰を利用して吐出口よりインクを吐出さ
    せることを特徴とする請求項5に記載のインクジェット
    記録装置。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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