JPH06339530A - 単一管腔型ワイヤ装架式ｉａｂカテーテル - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【構成】 中に取込んだガイドワイヤを用いて配置を行
う動脈内バルーンカテーテルであって、ガイドスリーブ
を別に設けるか又はバルーンメンブレン自体を包み込む
ことによって形成する短い内部もしくは外部管腔からな
るガイド構造を有する。上記ガイドスリーブはバルーン
メンブレンの表面上又は内部に設けるか、あるいはバル
ーン先端又はカテーテルチューブに装着することがで
き、これを着脱可能としてもよい。 【効果】 構造をコンパクトにすることができる。末端
灌流を増大し、容易に挿入及び配置を行うことができ
る。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】本発明は、大動脈内バルーンポンピング
（ＩＡＢＰ）を行なうのに使用する大動脈内（ＩＡＢ）
バルーンカテーテルに関する。さらに詳細にいうと単一
の管腔を有するものでありながらガイドワイヤを内在さ
せて用いることができる新規の大動脈内バルーンカテー
テルに関するものである。

【０００２】命に関わる心臓の障害は、患者の心臓が血
液を送り出す能力を低下させる可能性がある。弱った状
態ではあっても心臓が拍動を続けている場合は、心臓に
対する負荷を低減してやることが、心臓には望ましいこ
とである。弱った心臓を助ける方法でよく行なわれるも
のとして、大動脈内バルーンポンピング（ＩＡＢＰ）が
ある。ＩＡＢＰは患者の大動脈内に設置した非膨張性の
バルーン（ＩＡＢ）を用いて行なわれる。バルーンはバ
ルーン内に流体を満たすことにより調節しながら膨張さ
せることができ、流体を除くことによりしぼませること
ができる。流体の交換はカテーテルを通じてバルーンか
ら患者の体外へ流出させることにより行なう。

【０００３】多くの場合、特に動脈硬化の患者や、ＩＡ
Ｂを通すべき血管が曲がりくねっている患者にＩＡＢを
用いる場合には、ＩＡＢを設置するべき場所まで細いフ
レキシブルなガイドワイヤをまず通して通り道をつける
ことがある（下行大動脈などへ）。いったんガイドワイ
ヤがうまく設置されるとＩＡＢを適切な場所に導く通路
として役立つ。カテーテルがガイドワイヤと共働するよ
うにデザインされるべきことはもちろんである。

【０００４】これまで知られているガイドワイヤととも
に用いるＩＡＢカテーテルは、フレキシブルなガイドワ
イヤが通過する第２の管腔（lumen ）を有するように設
計されており、通常二重管腔（dual lumen）カテーテル
と呼ばれている。二重管腔カテーテルの例としては、米
国特許第４,２６１,３３９号（Ｈanson et al.）に開示
されているものがある。典型的には第２の管腔はＩＡＢ
バルーンの反対側の末端の開口部と連絡している。第２
の管腔とガイドワイヤは相互に長さに沿った動きをする
ような寸法になっている。この型のＩＡＢを設置するに
は、ここに記すまでもない公知の医学的方法を用いてガ
イドワイヤを患者に挿入し大動脈にそって進める。ガイ
ドワイヤの長さは患者の体外にまで伸びる長さが必要で
ある。医学的措置に先立ち、またはその最中に、体外に
出るガイドワイヤの先端をバルーンの遠位端にある開口
部を通してガイドワイヤ用管腔に挿入する。それからＩ
ＡＢをガイドワイヤにそって進め、穿孔に設置した挿入
用シースからまたはシースなしであらかじめ広げた穿孔
から患者の体内に挿入していく。ＩＡＢはガイドワイヤ
に従って下行大動脈に達するまで動脈系を進んでいく。
外科医が動脈系（通常は大腿動脈）に達するために用い
る穿孔は、患者の鼠径部に設けられるのが普通である。

【０００５】カテーテル管は、流体をバルーン中に流す
ための管腔を少なくとも１つは有するようにデザインさ
れる。バルーンを膨らましたのち、管腔を通じて流体を
除去してしぼませる。バルーンは非伸張性である。バル
ーンは定期的に患者自身の心臓の鼓動に同調させて膨ら
ませ、血液の流速を増加させる。バルーンは拍動の後拍
として同期させないのが理想的である。そうすると心臓
に対する負荷を顕著に低下させることができる。まえに
述べたように、ＩＡＢを動脈系を通して大動脈に入れる
ために軸にそった力が加えられる。大動脈への経路はか
なり曲がりくねっているため、相当の負荷をかける必要
があることがある。カテーテルがこの負荷を支えるほど
に硬くないと曲がってしまうことがある。曲がってしま
ったカテーテルは取り替えなければならず、これは時間
のかかる操作であるので、曲がりをおこさないことが重
要である。

【０００６】ＩＡＢは動脈システムを通るため、血行障
害を最小にすることが望ましい。末梢血流を増加させ、
外傷をすくなくするため挿入シースを用いてＩＡＢを挿
入する場合、ＩＡＢを患者に挿入するための挿入シース
のサイズを最小にすることが望ましい。しぼんだ状態の
ＩＡＢでもかなりかさばるので、萎んだカテーテルの断
面積がカテーテルの断面積とほぼ等しくなるようにしぼ
んだカテーテルのサイズを小さくするために多大の努力
が払われてきた。これにより必要な動脈穿孔のサイズ、
穿孔シースを用いる場合には穿孔シースのサイズを小さ
くすることができる。

【０００７】しぼんだＩＡＢバルーンのサイズは、しぼ
んだバルーンをねじるか、包み込むことによって、カテ
ーテルチューブに対するサイズを小さくすることができ
る。Hanson 及び Wolvekに対する米国特許第４，２６
１，３３９号およびSchiffに対する米国特許第４，５７
６，１４２号には異なる包み込みの方法が示されてい
る。しぼんだバルーンの断面積がカテーテルチューブの
断面積とほぼ同じにまで小さくすることができれば、し
ぼんだバルーンのサイズをさらに小さくすることは意味
がない。バルーンのすぐ後に続くバルーンより大きいカ
テーテルが、大きいバルーンと同じ問題を引き起こすか
らである。カテーテルの直径も、ガイドワイヤとそのた
めの管腔を除くことによって小さくすることができる。
特にガイドワイヤのための管腔がＩＡＢカテーテルチュ
ーブのサイズを増大させている。

【０００８】本来的に血管が細くかつ／または曲がりく
ねっている女性や日本人のような患者、あるいは動脈硬
化疾患のために二重管腔ＩＡＢが適さない患者にたいし
ては単一管腔ＩＡＢを使用する必要がある。単一管腔の
ＩＡＢは先にも述べたように二重管腔のＩＡＢよりも断
面を小さくすることができる。しかしながら、これら単
一管腔ＩＡＢは内在するガイドワイヤに支えられていな
いため、動脈硬化疾患の進行した患者に見られるひどく
曲がりくねった血管を進んでいくのは難しい。カテーテ
ルのサイズを小さくするのには限界がある。なぜなら
ば、ＩＡＢが患者の心拍数に応じて確実に膨張し収縮す
るために最低限必要な流体を流す必要があるからであ
る。

【０００９】本発明の一の態様は、バルーン室を有する
膨張可能なバルーンメンブレン、バルーン室と流体連通
するカテーテル管腔を有するカテーテルチューブ、及び
ガイドワイヤが通過可能な管腔を有するガイドスリーブ
を含んでなる動脈内バルーンカテーテルである。ガイド
スリーブはバルーンの遠位端に向かってバルーンメンブ
レンを通過し、バルーンメンブレンの近位端及び遠位端
はいずれもガイドスリーブの対応する部位に流密的に
（流体が漏洩しないような方法で）装着される。

【００１０】本発明の別の態様は、膨張可能なバルーン
メンブレン、カテーテル管腔を有するカテーテルチュー
ブ、及びガイドワイヤ管腔を有するガイドスリーブを含
んでなる動脈内バルーンカテーテルである。ガイドスリ
ーブはバルーンメンブレンを貫通せずにバルーンメンブ
レンの外表面に装着される。

【００１１】本発明のさらに別の態様は、膨張可能なバ
ルーンメンブレン、バルーン室と流体連通するカテーテ
ル管腔を有するカテーテルチューブ、及びガイドワイヤ
管腔を含んでなる管状案内チップ部材である。チップ部
材はそれぞれガイドワイヤ管腔と通じている近位開口及
び遠位開口を有し、チップ部材の近位端はバルーンメン
ブレンの遠位端に装着され、流体がバルーン室からガイ
ドワイヤ管腔に漏出できないようになっている。

【００１２】本発明のさらに別の態様は、円筒形の内部
領域を有するシールドカラー、内部領域内に滑動可能に
受容されてシールドカラーを往復的に出入可能な管状案
内部材、及びシールドカラー又は管状案内部材のいずれ
かに装着された制止部材を含んでなるカテーテル用格納
式案内チップである。制止部材は管状案内部材のシール
ドカラー内への動きを制限する。格納式案内チップはＩ
ＡＢの寸法を縮小することを可能にする。

【００１３】さらに、本発明は、膨張可能なバルーンメ
ンブレン、バルーン室と流体連通するカテーテル管腔を
有するカテーテルチューブ、及び格納式案内チップを含
んでなる動脈内バルーンカテーテルにも及ぶ。この案内
チップは円筒形の内部領域をもつシールドカラーを有す
る。また、内部領域内に滑動可能に受容されてシールド
カラーを往復的に出入可能な管状案内部材も設けられ
る。制止部材はシールドカラー又は管状案内部材のいず
れかに装着され、管状案内部材のシールドカラー内への
動きを制限する。格納式案内チップはバルーンメンブレ
ンの遠位端に装着され、案内部材及びシールドカラーは
案内部材の位置に拘らずバルーン室がその外部環境と流
体連通しないような寸法になっている。この格納式チッ
プはＩＡＢの寸法を縮小するのに役立つ。

【００１４】本発明のさらに別の態様は、バルーンメン
ブレン、管腔を有しバルーンメンブレンの近位端が流密
的に装着されたカテーテルチューブ、及びガイドワイヤ
管腔を有するガイドスリーブを含んでなる動脈内バルー
ンカテーテルに関する。ガイドスリーブはカテーテルチ
ューブに弛緩可能に装着され、ガイドスリーブはカテー
テルから外して取り去ることができる。

【００１５】また、本発明は、バルーンメンブレン、管
腔を有しバルーンメンブレンの近位端が流密的に装着さ
れたカテーテルチューブ、バルーンメンブレンの遠位端
に装着された第１の案内部材、及びバルーンの近位端又
はカテーテルチューブのバルーンメンブレン近位端に隣
接する部位のいずれかに装備された第２の案内部材を含
んでなる動脈内バルーンカテーテルにも及ぶ。

【００１６】さらに、本発明は、バルーンメンブレン、
管腔を有しバルーンメンブレンの近位端が流密的に装着
されたカテーテルチューブ、並びに近位開口、遠位開口
及び近位開口−遠位開口間に通じガイドワイヤに適合し
たガイドワイヤ管腔を有する圧潰可能な内部ガイドスリ
ーブを含んでなる動脈内バルーンに及ぶ。遠位開口はバ
ルーンメンブレンの遠位端に配され、内部チューブの近
位開口はカテーテルチューブの管腔内に配される。封止
手段がガイドワイヤをガイドスリーブから取り去った時
の流体のガイドワイヤ管腔通過を防止する。

【００１７】加えて、本発明は、管腔を有するカテーテ
ルチューブ、及びバルーンメンブレンを含んでなる単一
管腔型ワイヤ装架式動脈内バルーンにも関する。バルー
ンメンブレンの近位端はカテーテルチューブに流密的に
装着され、バルーンメンブレンはバルーン軸にほぼ平行
な開通路を形成するようになされる。ガイドワイヤはこ
の開通路を通して挿入することができる。

【００１８】本発明のさらに別の態様は、バルーンメン
ブレンを有する動脈内バルーンカテーテルを用意し、バ
ルーンメンブレンがガイドワイヤに適合した開通路を形
成するようになすことにより、動脈内バルーンカテーテ
ルを案内する方法である。開通路でガイドワイヤを取り
巻くことにより、開通路でガイドワイヤを取り巻きなが
らバルーンカテーテルを進行させることができる。

【００１９】以下において、本発明を図面に基づいて説
明する。図面において、同一の符号は同一の部材を示
す。なお、図面は本発明を例示するものであり、本発明
を制限するものではないと理解しなくてはならない。

【００２０】ここに述べる該装置はみな医療処置にて用
いられるので、体内に置かれたときトロンボゲン的応答
を誘発することを避けるに十分不活性である材料からそ
のような装置は作成されるべきである、ということが必
須である。人体内にて見られる条件に抵抗できる材料が
用いられるべきである、ということも又重要である。最
後に、本発明に従って作成される装置は、医療装置のた
めの許容された滅菌手段の少なくとも一つそして好まし
くはいずれを用いても滅菌され得なければならない。

【００２１】好ましい材料は、ステンレススチール、及
びプラスチック、特にポリウレタン、ポリエステル、テ
フロン（登録商標）（ポリテトラフルオロエチレン）及
びポリエチレンを含む。

【００２２】本発明は、ＩＡＢ特徴、キンク抵抗及び高
押し出し性の改良は最小の可能なカテーテルプロフィー
ル及び最も可撓性であるカテーテルボディから合わされ
なければならないという発明者の観察に従って開発され
た。

【００２３】図１−図２ｂに描かれているように、本発
明の一態様はカテーテルチューブ３がシングルルーメン
５のみを有するＩＡＢ１を含んでおり、同時にバルーン
７自身がチャンバー９及びルーメン１１を有している。
典型的には、標準設計としては膨張したバルーンは４０
ｃｃポリウレタンバルーン１３である。ポリウレタンは
バルーン膜としてよく働くと見いだされたけれども、当
業者なら数多くの他の材料が代りに使用できるというこ
とを理解するだろう。

【００２４】カテーテルチューブ３からのガイドワイヤ
ルーメンを排除することの一つの利点は、カテーテルチ
ューブの直径を減らすことができるということである。
先に示したように、より小さい直径のカテーテルチュー
ブは遠位の脈管構造への血流のためのいっそうの室を許
容するので、これは大いに要求され得ることである。加
えて、より小さいカテーテルチューブはより小さいイン
トロデューサーシースを通り抜けることができるし、或
いはもしシースが用いられないならばより小さい予め横
に広がった穿刺（すなわち大腿部の動脈穿刺）を通して
通り抜けることができる。従って、本発明は部分的に小
直径シングルルーメンＩＡＢカテーテルを提供すること
に触れている。

【００２５】バルーン膜によって定義されたバルーンチ
ャンバー９はカテーテルチューブルーメン５と連通して
いる。バルーン膜７はカテーテルチューブ３に耐流体仕
様にて付着している。可撓性内部ガイドスリーブ１５は
チャンバー９を通り抜けておりこのスリーブの内部はル
ーメン１１が与えられており、それを抜けてガイドワイ
ヤが通り抜けることができる。スリーブは約１５０ｃｍ
長且つ０．４７ｍｍ（０．１８インチ）若しくは０．７
６ｍｍ（０．３０インチ）直径のテフロン（登録商標）
被覆されたステンレススチールからできているガイドワ
イヤと共に用いられる。勿論、他のサイズのワイヤも用
いることができる。バルーン操縦性を改善するために、
そして動脈への損傷を防御するために、ガイドワイヤ
（不図示）は「Ｊ」字若しくは豚の尾（らせんうず巻
き）のような形状である伸長された可撓性チップを有す
ることができる。当業者は入手可能な種々のガイドワイ
ヤ構造物を知っているであろう。カテーテルチップ１７
はガイドワイヤ上にそれが乗ることを許容するルーメン
１９を有している。この第二ルーメンの流体の完全は裂
傷、涙若しくは着衣によって汚損されないということが
避けて通れないので、このガイドスリーブ１５は好まし
くは約２０．３２ｃｍ（８インチ）長、０．５８４ｍｍ
（０．０２３インチ）ＩＤ、１．１４ｍｍ（０．０４５
インチ）ＯＤポリウレタン材料である前部分１５ａで作
られる。ガイドスリーブ１５の第二部分１５ｂはカテー
テルルーメン５内を通りサイドチャンネル２３に誘導さ
れる。チャンネル２３はその外部環境への隣接遠位にて
開口している。ガイドスリーブ１５の第一部分１５ａは
バルーンの遠位チップ１７に接続している。バルーン１
３のチップ１７は、ルーメン１１と連通していて且つガ
イドワイヤがそれを通り抜けることができるルーメン１
９を有しており、ラジオ−不伝導性マーカー２１を伴っ
た、ポリウレタン製の、標準９．５Ｆｒ．チップであ
る。勿論、他の寸法及び材料もこの部分に用いることが
でき、そしてシングルピースガイドスリーブを用いるこ
とができる。

【００２６】ＩＡＢに取り付けられたカテーテルは好ま
しくは約５３．３４ｃｍ（２１インチ）長、内径０．１
８３ｃｍ（０．０７２インチ）、外形０．２５７ｃｍ
（０．１０１インチ）のポリウレタンである。

【００２７】カテーテルチューブ３がバルーン膜７に出
会う箇所は二つの材料間の強力な耐流体接合を保証する
ように注意深く調製される。同様に、可撓性チップ１７
及びバルーン膜７は耐流体仕様で取り付けられる。これ
らの接合の両方ともが熱接合、高周波溶接、溶剤接合、
圧力接合、超音波結合、或いは接着剤などの当業者に周
知の技術を用いて為されることができる。

【００２８】ＩＡＢをふくらませるために、作用流体、
典型的には二酸化炭素若しくはヘリウムガスはカテーテ
ルチューブルーメン５を経てバルーンチャンバー９の中
へ及び外から、と往復する。患者の体内に流体が洩れる
のを防ぐために、バルーン膜７とカテーテルチューブ３
との間及びバルーン膜とチップ１７との間の接合は耐流
体性でなければならない。

【００２９】ＩＡＢ遠位チップ１７は挿入の間のＩＡＢ
１を助け案内するために構成されることができる。チッ
プ１７は、内部ガイドスリーブ１５をバルーン膜７を越
えて突き出るように十分長く作成することによって、そ
して挿入を容易にするために内部ガイドスリーブのチッ
プを滑らかにすることによって形成されることができ
る。或いは、バルーン膜及び内部ガイドスリーブが共に
耐流体の方法で付いている分かれたチップ部品を供給す
ることによって形成されることができる。勿論、これら
のチップ構成は両方ともガイドワイヤの通過を許容する
ように好適に大きさを設定され又配置されたルーメン１
９を有していなければならない。

【００３０】図３及び図４に示したように、本発明の他
の態様ではバルーン膜７の外部に、若しくは外部ガイド
構造体を形成するようにカテーテル上の幾つかの他の箇
所に取り付けられた外部ガイドスリーブ２５を用いてい
る。ガイドスリーブ２５は好適にはバルーン膜の集積部
分である。しかし、装置に後から付ける分離構造体とし
てもまた形成されることもできる。ガイドスリーブの内
部ルーメン２７はガイドワイヤの通過を許容するように
大きさを設定される。ガイドスリーブは、用いることが
できる最も大きいガイドワイヤに適用するようにそして
それを通してそのガイドワイヤの除去をも許容するよう
に大きさを設定しなければならない。勿論、ルーメンは
バルーンよりも短くも長くもでき、超音波接合のような
他の付着方法を用いることができる。

【００３１】硬直化ワイヤ２９は、ＩＡＢを前進させる
べく医師によって用いられたカテーテルチューブ３の軸
方向の力をカテーテルチューブ３からチップ１７に移す
ために設けられる。

【００３２】図５−図７は上述の外部ガイドスリーブ態
様における一変形である、本発明の一態様を示したもの
である。この態様においては、バルーン膜の側部に沿っ
て走るガイドスリーブを供給するよりもむしろ、ガイド
構造体３１がバルーンの遠位チップに供給される。

【００３３】とりわけ、ガイド構造体３１はＩＡＢバル
ーン１の遠位末端に供給される。このガイド構造体３１
はおよそ２．０３２乃至２．５４ｃｍ（０．８乃至１．
０インチ）の長さである（勿論、他の長さも用いられ
る）。そしてチップ１７に取り付けられる。熱接合のよ
うな何らかの好適な技術がガイド構造体３１とチップ部
材１７とを接続するために用いることができる。ガイド
構造体とチップを結合する単位要素を供給することも可
能である。この単位要素はバルーン７に取り付けられそ
の結果ガイドチップ部材はバルーンの集積部分を形成す
る。

【００３４】如何に形成されるかにかかわらず、ガイド
構造体３１は、チップ１７に出会う（或いは成る）場所
の近傍で前開口部３５からガイド構造体の遠位末端の方
へ配列された後開口部３７へと続くガイド性ルーメン３
３を有する。ガイドワイヤを前開口部３５から後開口部
３７へ導くのを助ける傾斜表面３９をガイド構造体３９
の内部が有しているということは図６において見られよ
う。若し求められるならば、この傾斜表面は省略するこ
とができる。ＩＡＢが適当に配置されるや、特に実質的
な期間の間患者内でＩＡＢが除かれるとき、ＩＡＢから
ガイドワイヤを引き揚げることが望ましいことから、前
及び後開口部３５、３７そしてガイドルーメン３３は十
分に大きくそのためガイドワイヤが除かれる時、何らか
の拡張されたガイドチップ部分を含むガイドワイヤが制
限されること無しにそこを通り抜けることができる、と
いうことが理解される。本ＩＡＢ構造体は他の点では先
に述べたそれに類似しており、硬直化ワイヤ２９を含ん
でいる。

【００３５】図８−図１０に示したように、このガイド
構造体の更なる改良において、ＩＡＢ１は、形状記憶性
を有する可撓性材料から作成されたチューブであるガイ
ド構造体３１を与えられている。好ましくは、そのよう
なチューブは邂逅した条件によって述べられながら用い
られる特定の長さと共に、約０．５ｃｍ乃至８ｃｍ長特
別の長さであることができる。これらの大きさは本発明
を実践する最も良い方法の一つの例として示されるもの
と理解しなければならない。そして本発明はこれらのサ
イズの装置に限定されるものではない。

【００３６】本装置の制作の間には、ガイド構造体３１
はらせん曲線形状を帯びさせられそして「記憶」させら
れているので、もし強いていない状態ならばそれはそれ
自身でらせん状になる。ガイド構造体がらせん形になる
範囲は変動し得るが、豚の尾のように数回らせんに巻く
のが好ましいであろう。らせん形は適当に小さい空間内
に含まれるべく適当に長いガイド構造体を許容するから
望ましいのである。

【００３７】使用前（すなわち、ＩＡＢ装填前）若しく
は使用中、ガイド構造体は内在するガイドワイヤ（この
ガイドワイヤは既に患者の体内に位置している）の遠位
末端上をすべりそれから患者の体内に入る。ワイヤはル
ーメン３３に沿って前開口部３５を通り抜け、そして後
開口部３７を経て出る。再び、傾斜表面３９はワイヤが
後開口部３７を通って出るのを助けるためにワイヤを供
給されることができる。もし望まれるならば、この構造
は省略することができる。再び、前及び後開口部３５及
び３７そしてルーメン３３はガイドワイヤそしてそれを
通るガイドワイヤチップ構造体の撤収を許容するために
好適に大きさを設定される。ガイドワイヤによって供給
される追加の支持体は「豚の尾」をまっすぐにしそして
ガイドワイヤを動脈樹に通す。

【００３８】本発明の別の態様は、図１１Ａ、１１Ｂ及
び１１Ｃに示すように、ガイド体或いはガイド線管腔４
５をそれぞれ有する本体４１、４３を提供することであ
る。

【００３９】図１１Ａ乃至１１Ｃに示すように、バルー
ン膜７は先端部１７に結合し、先端部１７は前部ガイド
体４１に結合している。しかしながら、先端部及びガイ
ド体は一体化した部品としても形成することができる。
同様に、バルーン膜７及びカテーテルチューブ３はそれ
ぞれ後部ガイド体４３に結合している。図１１Ａに示す
ように、後部ガイド体４３はカテーテルチューブ腔３が
バルーン室９に通じるような流体腔４７を含んでいる。
ガイド線が患者から取り去られるならば、ガイド線がそ
れを通過するようにガイド線管腔４５を必要な大きさに
すべきである。

【００４０】更に、芯線２９は先端部１７へ軸力を伝達
するに使用される。この芯線２９は前部及び後部ガイド
体４１及び４３に結合し、いずれかの適当な方法でこれ
らの本体に結合させることができる。

【００４１】これに関し、先端部１７は多くの方法で形
成できることが理解されるであろう、また主要な関心事
はその形はバルーンの配置を入り組んだものとしないこ
とである。例えば、この先端部は、ガイド線管腔４５が
バルーンの中心軸からはずれるように、そして先端部１
７の末端部がおおよそバルーンの中心軸に戻って曲がる
ようにカーブあるいは曲がることができる。また、先端
部１７の末端部は戻って曲がらせなくてもよい。

【００４２】もしガイド体がＩＡＢの一点に与えられる
ならば、この本体はＩＡＢの末端部分にあるのが好まし
い。なぜならば挿入過程に渡りＩＡＢをより良く導くか
らである。末端ガイドスリーブを有するＩＡＢはすでに
述べた。

【００４３】これらのガイド線本体を形成する方法は重
要なことではなく、ここで述べた態様は機械化あるいは
成形化プラスチックから製造できる。またそれらはカテ
ーテルバルーンあるいはカテーテルチューブに結合する
適当な構成品の分離チューブを与えることにより製造で
きる。更に、ガイド線本体はバルーンの先端部に一体化
して形成できる。同様に、ガイド線本体はカラーがカテ
ーテルの外側に結合することにより隣接バルーン結合点
に与えることができる。このカラーは移動できないよう
に、バルーンがカテーテルチューブと接し、結合する点
に隣接する所でカテーテルチューブに付着している。

【００４４】本願発明の前記したそれぞれの態様におい
て、ガイドスリーブは本願発明の範囲から逸脱すること
なく長くあるいは短くすることができることは理解され
るであろう。例えば、図３に対応する態様において、ガ
イドスリーブは短くすることができ、あるいはバルーン
に沿って中間の位置に結合させることができる。

【００４５】別の先端部構造１７ａを図１２及び１３に
示す。耐液方法でバルーン膜に結合された先端部はガイ
ド線がそれを通って通過されるようなガイド線管腔４９
を有している。この管腔４９は直線状であり、図１２に
示すようにバルーン軸に平行でなく、あるいは図１３に
示すように曲がっている。バルーン軸に平行であっても
良い。この管腔は、それを通って挿入されるガイド線が
よじれずバルーンに触れずに通過しながら先端部構造の
隣接側から通過できるように配向している。

【００４６】前述のいずれかの態様において、芯線は、
カテーテルの直径を約１／２Ｆｒまで増加させるが、カ
テーテル間に留まるように伸延できることは理解される
であろう。

【００４７】ガイド先端部構造を有するＩＡＢが大動脈
中に配置されるとガイド先端部は目的を達する。従っ
て、本発明者は引込式のガイド先端部構造５１を有する
本願発明の改良を提供する。配置される間、この先端部
はＩＡＢが左鎖骨下動脈に入り込む可能性を減少させ
る、すなわちその先端部は引き込まれＩＡＢのサイズを
減少させる。

【００４８】この引込式ガイド先端部５１を図１４及び
１５に示す。引込式ガイド先端部５１は伸長した可動性
先端部５３で表され、その装置の前にガイド線上に配置
される。引込式先端部品５１は単一管腔ＩＡＢカテーテ
ル１中に配置される。可動性先端部５３は管状でありそ
の先端部にフランジ５５を有している。可動性先端部５
３はガイド線管腔５９に通じている開口末端部５７を有
している。可動性先端部５３はスライドカラー６１中に
保持され、隣接方向で先端部が軸方向へ移動するような
先端部を有している。バルーン膜７は接着剤結合あるい
は融合の如きいずれかの適当な技術を使用してスライド
カラー６１に結合される。

【００４９】側面口６３は、ガイド線が引込式先端部の
末端部分５７中の開口部を通過できるように、ガイド線
管腔５９の間に留まるように、そして側面口６３から出
るように、可動性先端部５３の側面に与えられている。
可動性先端部５３は、ガイド線がそこを通って通過する
ように十分伸びた場合でさえも、過度の移動がなく先端
部をしっかりと保持するように、そしてバルーン室９
中、またはそこから液体の漏れを防ぐように先端部５３
をスライドカラー６１中に留めることを補償するに十分
な長さである。

【００５０】バルーン室９の液体が引込式先端部構造に
おいて血液あるいは引っ張り線覆い６９中に漏れること
を防ぐために、先端部が伸延しあるいは引き込まれた場
合密封リング６５をグローブ６７中に取りつけることが
できる。他に、スライドカラー６１内に十分引き込まれ
た場合先端部５３の背面がスライドカラーの構造に対し
て、それらの間での漏れを防ぐようにはめ合わせるため
に、先端部５３を必要な大きさにすることができる。

【００５１】同様に、先端部５３の末端部でのフランジ
５５はチューブがスライドカラー６１内にかなり離れて
引っ張られることを防いでいる。

【００５２】直径０．０１０”の薄い引っ張り線７０
は、バルーン室に沿ってＩＡＢカテーテル１（不図示）
の隣接末端部の方へ覆い６９の中を走っていて、いずれ
かの適当な方法で先端部７１の隣接末端部に付着してい
る。適当な長さ、たぶん１フィートのこの線７０はカテ
ーテルチューブの隣接末端部からはみ出ており、引っ張
りハンドル（不図示）に結合している。

【００５３】この装置は前記したフレキシブルなガイド
先端部構造を有する本発明の態様と同様な方法で患者に
挿入される。ＩＡＢＰは他のＩＡＢ装置の場合と同様に
遂行することができる。

【００５４】ＩＡＢがガイド線の上で先導された後に、
ガイド線は患者から撤回することができる。ガイド線管
腔５９はガイド線の取りはずしの間拡大された先端ガイ
ド構造を含むガイド線の全ての部分が通過できるように
必要な大きさにする。次に、可動性先端部５３は、医師
が引っ張り線７０に結合したハンドル（不図示）を引い
た場合ＩＡＢバルーン室９に引かれる。もちろん、先端
部５３を引き込むに必要とされる力はカテーテルチュー
ブあるいはバルーンが縮小したりあるいは引っ張り線７
０が破壊するような大きなものであってはならない。

【００５５】先端部５３は引き込みが容易である２つの
方法で作成される。前記したように、先端部の末端部は
スライドカラー６１の末端部の肩部５６にかみ合うフラ
ンジ５５を有している。先端部５３の円形部分はスライ
ドカラー６１からはみ出ており、もちろん、スライドカ
ラーはこの先端部以上あるいは同等に伸延する大きさに
することができる。更に、フランジ５５及び肩部５６が
かみ合うと引っ張り線７０に沿って働く張力はバルーン
の末端部に伝達され、バルーンは後方に引かれる。フラ
ンジ５５は先端ガイド５３がバルーン室９にかなり離れ
て引かれることを防いでいる。

【００５６】第二に、小さな密封リング６５は可動性先
端部５３を形成する管状部材の外装からはみ出ている。
先端部５３が引っ張り線７０により働く力によってスラ
イドカラー６１へ引かれると、これらの密封リング６５
はスライドし、スライドカラー６１の内装内の適当な大
きさのグループ６７とかみ合う。このことは気体が血液
に入り込むことを防いでいる。これらの密封リング６５
は省くことができるが、装置をより安全にする。

【００５７】先端部５３がスライドカラー６１へ引かれ
た場合、先端部の隣接末端部が接触し、覆い６９及び／
または肩部表面を密封するように、バルーン室９の液体
が覆い６９内に流れるあるいはバルーンから流れ出るこ
とを防ぐ引込式先端ガイド構造をデザインすることも可
能である。

【００５８】代りに、ＩＡＢバルーンはつぶれ可能なガ
イドスリーブを用いて設計できる。ガイドワイヤがない
ときは、このつぶれ可能なガイドスリーブをつぶし、そ
のようにして従来のスリーブより少ない管腔５からのガ
ス流れを妨害する。

【００５９】例えば、図１６及び１７に示されるよう
に、つぶれ可能なガイドスリーブ７３はガイド先端部１
７とバルーン７の近位端との間を走っている。ガイド先
端部１７は、バルーン膜１３とつぶれ可能なガイドスリ
ーブ７３の両方に液密状に取り付けられている。ガイド
先端部１７は、その管腔１９がつぶれ可能なガイドスリ
ーブの管腔に連絡できるように取り付けられている。

【００６０】バルーン膜７の近位端は、カテーテル管３
に液密状に取り付けられている。これにより、液体はカ
テーテル管腔５からバルーン室９に通る。つぶれ可能な
ガイドスリーブ７３の近位端はカテーテル管腔５の側壁
を介して存在し、カテーテル管３の内壁に取り付けられ
ている。ガイドスリーブの近位端は開いていて、カテー
テル管壁５中の穴７７を介してカテーテル管３の外側の
環境と連絡している。スリットバルブ７５はこの穴７７
に取り付けられている。スリットバルブ７５は、つぶれ
可能なガイドスリーブ７３またはカテーテル管５のいず
れかと一体化された部分であることができるか、または
分離形成された構造であることができる。このように、
図示してないガイドワイヤは、つぶれ可能なガイドスリ
ーブ７３を介してガイド先端部管腔１９内に入り、そし
てスリットバルブ７５とカテーテル管穴７７を介して出
すことができる。

【００６１】一度、このＩＡＢが適切に配置されると、
図に示していないガイドワイヤは引き抜かれる。再び、
ガイドスリーブは、何らかの増強された柔軟性先端部構
造を含むガイドワイヤのすべてがガイドスリーブを通り
抜けできるように、大きさを決定することができる。

【００６２】正の圧力がバルーン室９内側に加わると
き、これによりカテーテル管３がバルーンの遠位端と会
う領域付近のつぶれ可能なガイドスリーブ７３の部分で
少なくともつぶれが起きる。スリーブ７３のこの部分
は、通常カテーテル管腔５とバルーン室９との間のガス
流れを妨害する。これは、その部分が中に配置されてい
て、管腔５からの液体流れに有効な断面積を減少させる
からである。しかしながら、スリーブのこの部分がつぶ
れるとき、カテーテル管腔５の有効面積は増加し、そし
てガス流れは改良される。スリットバルブ７５は、つぶ
れ可能な管腔７３からの血液流れを防止しながら閉じ
る。血液がつぶれ可能な管腔７３の近位端中で蓄積され
凝固されることを防止するのが好ましい。これは、この
ような凝固が管腔のつぶれを防止し、そして実際に管腔
５からのガス流れを妨害するからである。しかしなが
ら、つぶれ可能な管腔の遠位端での凝固は許される。こ
れは、ガス流れを妨害しないからである。

【００６３】スリーブ７３全体をつぶれるように、また
はスリーブの近位端及び遠位端の両方をつぶれるように
設計することも可能である。

【００６４】図に示してない補剛部材をまた取り付け
て、医者によって加えられた軸方向の力をカテーテル管
３に沿って伝え、カテーテル管３からバルーンの先端部
１７までのＩＡＢに進める。この補剛部材は、バルーン
室９に置くことができ、バルーン膜７中に埋め込んで
も、またその他どこでもよいが、ただし、十分な力が伝
えられバルーンに進めることができることが必要であ
る。

【００６５】図１６に描かれた実施態様において、つぶ
れ可能なガイドスリーブ７３は、バルーン内をバルーン
の遠位先端部１７からカテーテル管３に向かって、バル
ーン膜７がカテーテル壁３に取り付けられている場所に
近位の位置へと走っている。ガイドスリーブ７３は両端
部で開口しているので、ＩＡＢはガイドワイヤにわたっ
てすべることができ、該ワイヤは先端部１７中の先端部
管腔１９を通って、カテーテル管穴７７及びスリットバ
ルブ７５から現れる。

【００６６】ガイドワイヤの除去において一層より良い
シールを与えるために、スリットバルブ７５の葉状片
（リーフ）および／またはつぶれ可能なスリーブの内部
をコラーゲンのような凝固誘発性材料で被覆することが
できる。スリットバルブが開き、ガイドワイヤを入れら
れるので先端部管腔１９及びスリットバルブ７５を介し
てガイドワイヤを通すことにより、このＩＡＢをガイド
ワイヤに沿って容易に進められ、そして使用の位置に進
めることができる。ガイドワイヤをＩＡＢから除去した
いときは、小銭入れ状バルブを閉じ、つぶれ可能なガイ
ドスリーブ７３中に存在する少量の血液は、凝固誘発性
材料のため、バルブをより良くシールするように凝固さ
れる。

【００６７】スリットバルブを使用する代りに、ガイド
スリーブ内に凝固誘発性材料を、ワイヤを引き抜くとき
スリーブ管腔が凝固によりシールされるように、与える
ことができる。もちろん、これは血液中の血塊を導かな
いような方法で行なわなければならない。

【００６８】すぼめたバルーン膜自体を使用してガイド
ワイヤ管腔を形成することも可能である。このことは、
ガイドスリーブをなくすことによりすぼめたバルーンの
大きさを減らすことができるので、特に有利である。

【００６９】図１８Ａ及び１８Ｂに示されるように、す
ぼめたバルーン膜７を種々の方法でガイドワイヤに巻き
付けできる。図１８Ａに示されるパターンにおいては、
バルーン膜７は多くの小ひだ（subfold）７９を与え、
それらが他の一つの小ひだのまわりに巻き付き、そして
ガイドワイヤ８１及び補剛ワイヤ８３を囲む。図１８Ｂ
に示されるパターンにおいては、バルーン部材７はしぼ
み、平坦化し、ガイドワイヤ８１及び補剛ワイヤ８３の
まわりにゆるやかなうず巻き状に巻かれたフラップ（fl
ap）を与える。もちろん、本発明の主旨からそれること
のない他の巻き配置も採用できる。

【００７０】図１８Ａまたは１８Ｂに示された本発明の
実施態様に従って設計されたＩＡＢカテーテルにおいて
は、挿入前にバルーン膜７がガイドワイヤ８１を囲むよ
うにバルーンが巻き付けられる。これらの巻き付けは、
バルーンをアニールすることにより確実に維持できる。
次に、この装置は知られた医療操作を使用して患者に挿
入される。バルーンが脈管を通って進むとき、巻き付け
られたバルーン膜７は、ＩＡＢがガイドワイヤの次に來
ることを確実にする。一度、バルーンが患者の大動脈中
に適切に置かれると、バルーンをふくらませることがで
き、そしてバルーンがいっぱいになるにつれ、バルーン
は巻きとかれ、もはやガイドワイヤ８１を取り囲まない
（バルーンは内部にある補剛ワイヤ８３を取り囲み続け
る）。ガイドワイヤ８１は、今患者から引き抜かれるこ
とができる。

【００７１】患者からＩＡＢを除去するには、バルーン
室９をまず排気し、できる限りバルーンを小さくする。
次に、装置を従来の方法で患者から回収する。

【００７２】図１９及び２０に示すように、双及び単一
管腔ＩＡＢの両方の利点を有する装置は、図に示さない
ガイドワイヤにわたって通すことができる脱離可能なガ
イドスリーブ１１９を有するＩＡＢ装置を提供すること
により達成できる。このようなガイドスリーブ１１９
は、バルーン挿入中に該ガイドスリーブが内在するガイ
ドワイヤに従って装置が患者の大動脈に向かうことを補
助する形態で、カテーテル管３に脱離可能なように固定
されている。一度、大動脈に置かれると、ガイドスリー
ブ１１９はＩＡＢから脱離され、患者から除去できる。

【００７３】この実施態様において、脱離可能なガイド
スリーブ１１９は、数個の低せん断力ボンド（bond）１
１７でバルーン１３の近位端に近位のカテーテル管３の
領域に継ぎ合わされている。さらに、ガイドスリーブ１
１９は、バルーン１３の遠位先端部にまで伸ばすことが
できるが、その必要はない。次に、バルーンは、カテー
テル管３及び、もしこのガイドスリーブ１１９がバルー
ンまで伸びているならば、ガイドスリーブ１１９または
ガイドワイヤ自体のいずれかのまわりに巻き付けられて
いる。

【００７４】本発明のこの実施態様を使用するには、ま
ずガイドワイヤを患者の大動脈中に置き、そして次にガ
イドワイヤをガイドスリーブ１１９に通す。今、組み合
わせたもの全体をガイドワイヤに沿ってすべらせ、大動
脈に向かってガイドワイヤの後に続かせる。一度、ＩＡ
Ｂが適切に置かれると、ガイドスリーブ１１９は脱離で
き、そして患者から回収できる。回収は種々の方法によ
り達成できる。例えば、もしガイドスリーブ１１９が人
体外側にカテーテル管３と一緒に走っているならば、患
者からのびているガイドスリーブの長さ方向に引くこと
により、張力を加えこれらボンドをこわすことができ
る。

【００７５】代りに、ガイドワイヤ自体を使用して適当
な力を加えることにより、低せん断力ボンドをこわすこ
とができる。ガイドスリーブ１１９の管腔より大きい遠
位端を有するガイドワイヤを備えることにより、ガイド
ワイヤに加えられた力をガイドスリーブ１１９に伝え、
低せん断力ボンド１１７をこわす。このような増大した
ガイドワイヤ遠位端は、先細にすることができ、動脈を
通過するのを容易にすることができる。この実施態様の
さらなる利点は、ガイドワイヤスリーブがこわれずに、
ガイドワイヤ上に残って、そして人体中に置き去りにさ
れないことである。

【００７６】関連の従来技術の記載中で前述したよう
に、バルーン内側にガイドワイヤ管腔を有しないＩＡＢ
は、補剛ワイヤまたは細い針金（stylet）を必要とす
る。この特徴は大動脈中にバルーンを置くことが必要で
ある。もし、このワイヤが十分に小さく、すなわち０．
０１８”（インチ）に作られているならば、そのような
細い針金のまわりに巻かれたバルーンは、従来の設計よ
り非常により小さくなる。

【００７７】この方法で設計されたＩＡＢカテーテルは
カテーテル管、バルーン膜、先端部構造及び補剛ワイヤ
を有する。バルーン膜は従来の方法でカテーテル管及び
先端部構造に取り付けできる。なめらかなカテーテル外
形を維持し、挿入を容易にするために、補剛ワイヤをカ
テーテル管の外壁よりむしろ好ましくは内壁に固定でき
る。これは、溶接、接着または部品の機械的固定により
なされうる。代りに、補剛管を実際にカテーテル管また
は先端部構造のいずれかまたは両方に埋め込むことがで
きる。

【００７８】議論してきた種々のガイド構造が、多くの
配置のカテーテル、たとえば真球でないバルーンまたは
多重バルーンを有するものに使用できる。

【００７９】当業者は、材料及び構造における多くの変
形が本発明の精神及び特許請求の範囲からはずれること
なく行なえることを理解するであろう。したがって、本
発明は明細書に記載された実施態様に限定されるものと
して解釈されずに、むしろ特許請求の範囲内に入るすべ
ての装置にまで拡大する。

【図面の簡単な説明】

【図１】ガイドスリーブがバルーンを通過しているモノ
レールＩＡＢの側断面図である。

【図２】Ａは図１のデバイスのＡ−Ａ’における前断面
図である。Ｂは図１のデバイスのＢ−Ｂ’における前断
面図である。

【図３】ガイドスリーブがバルーン室の外部に付設され
ているモノレールＩＡＢの側断面図である。

【図４】図３のデバイスのＡ−Ａ’における前断面図で
ある。

【図５】まっすぐなガイドチップを有するＩＡＢバルー
ンの上断面図である。

【図６】図５に示したデバイスのＡ−Ａ’における側断
面図である。

【図７】図６に示したデバイスをＢ−Ｂ’における前断
面図である。

【図８】豚尾状ガイドチップを有するＩＡＢの上断面図
である。

【図９】図８に示したデバイスのＡ−Ａ’における側断
面図である。

【図１０】図８に示したデバイスのＢ−Ｂ’における前
断面図である。

【図１１】Ａはバルーンチップと近位バルーンアタッチ
メントに合体させたガイドスリーブを有するＩＡＢの側
断面図である。ＢはＡに示したデバイスのＡ−Ａ’にお
ける前断面図である。ＣはＡに示したデバイスのＢ−
Ｂ’における前断面図である。

【図１２】斜めのガイドワイヤ管腔を有するＩＡＢバル
ーンチップの側断面図である。

【図１３】カーブしたガイドワイヤ管腔を有するＩＡＢ
バルーンチップの側断面図である。

【図１４】引き込み可能なＩＡＢガイドワイヤチップの
伸長状態での側断面図である。

【図１５】引き込み可能なＩＡＢガイドワイヤチップの
引き込み状態での側断面図である。

【図１６】つぶすことができるガイドスリーブを有する
ＩＡＢの側断面図である。

【図１７】つぶすことができるガイドスリーブと共に用
いられるスリットバルブの接近側面図である。

【図１８】Ａは単一管腔装架式ＩＡＢのためのバルーン
ラッピング構造のひとつの側断面図である。Ｂは単一管
腔装架式ＩＡＢのためのバルーンラッピング構造のひと
つの側断面図である。

【図１９】取り外しができる管腔を有するＩＡＢの側断
面図である。

【図２０】取り外しができる管腔を有するＩＡＢの前断
面図である。

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 ロバート ビー．ショック アメリカ合衆国．07871 ニュージャーシ イ，スパルタ，ヒドン グレン ドライヴ 34 (72)発明者 ジョン ジェー．ルーカス アメリカ合衆国．07871 ニュージャーシ イ，スパルタ，ワレン ロード 89 (72)発明者 ウォルター カイザー アメリカ合衆国．07446 ニュージャーシ イ，ラムゼイ，オーチャード プレイス 154

Claims (8)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 バルーン室と近位端及び遠位端とを有す
   る膨張可能なバルーンメンブレン、カテーテル管腔を有
   するカテーテルチューブ、及びガイドワイヤ管腔を有す
   るガイドスリーブからなり、該ガイドスリーブが該バル
   ーンメンブレンを貫通せずに該バルーンメンブレンの外
   表面に装着されていることを特徴とする動脈内バルーン
   カテーテル。
2. 【請求項２】 円筒形の内部領域と近位端及び遠位端と
   を有するシールドカラー、近位端及び遠位端を有し該内
   部領域内に滑動可能に受容されて該シールドカラーを往
   復的に出入可能な管状案内部材、及び該管状案内部材の
   該シールドカラー内への動きを制限する制止手段からな
   ることを特徴とするカテーテル用格納式案内チップ。
3. 【請求項３】 バルーン室と近位端及び遠位端とを有す
   る膨張可能なバルーンメンブレン；カテーテル管腔と近
   位端及び遠位端とを有し該バルーン室と流体連通してい
   るカテーテルチューブ；並びに円筒形の内部領域と近位
   端及び遠位端とを有するシールドカラー、近位端及び遠
   位端を有し該内部領域内に滑動可能に受容されて該シー
   ルドカラーを往復的に出入可能な管状案内部材、及び該
   管状案内部材の該シールドカラー内への動きを制限する
   制止手段からなる格納式案内チップを含んでなり、該格
   納式案内チップは該バルーンメンブレンの遠位端に配さ
   れ、該案内部材及び該シールドカラーは該案内部材の位
   置に拘らず該バルーン室がその外部環境と流体連通しな
   いような寸法になっていることを特徴とする動脈内バル
   ーンカテーテル。
4. 【請求項４】 バルーン室と近位端及び遠位端とを有す
   るバルーンメンブレン、管腔と近位端及び遠位端とを有
   し該バルーンメンブレンの近位端が流密的に装着されて
   いるカテーテルチューブ、及びガイドワイヤ管腔を有し
   該カテーテルチューブに弛緩可能に装着されたガイドス
   リーブからなり、該ガイドスリーブを該カテーテルチュ
   ーブから外して取り去ることができることを特徴とする
   動脈内バルーンカテーテル。
5. 【請求項５】 バルーン室と近位端及び遠位端とを有す
   るバルーンメンブレン；カテーテルチューブ壁で規定さ
   れた管腔と近位端及び遠位端とを有し該バルーンメンブ
   レンの近位端が流密的に装着されているカテーテルチュ
   ーブ；該カテーテルチューブの管腔内に配された近位開
   口、該バルーンメンブレンの遠位端又はその近くに配さ
   れた遠位開口、及び該近位開口−遠位開口間に通じガイ
   ドワイヤに適合したガイドワイヤ管腔を有する圧潰可能
   な内部ガイドスリーブ；並びに該近位開口を封止する封
   止手段からなる動脈内バルーン。
6. 【請求項６】 該封止手段がスリットバルブである請求
   項５記載の動脈内バルーン。
7. 【請求項７】 管腔と近位端及び遠位端とを有するカテ
   ーテルチューブ、該カテーテルチューブに流密的に装着
   された近位端を有し圧潰可能なバルーン室を規定する非
   伸張性のバルーンメンブレン、及び該バルーン室内に設
   けられたバルーン支持手段からなり、該バルーンメンブ
   レンは該バルーン室が潰れたときに該バルーン支持手段
   にほぼ平行な開通路を形成するように包まれ、ガイドワ
   イヤが該開通路を通して挿入可能である単一管腔型ワイ
   ヤ装架式動脈内バルーン。
8. 【請求項８】 バルーンメンブレンを有する動脈内バル
   ーンカテーテルを用意し、該バルーンメンブレンを包ん
   でガイドワイヤに適合した開通路を形成し、該開通路で
   ガイドワイヤを取り巻き、該開通路で該ガイドワイヤを
   取り巻きながら該バルーンカテーテルを進行させること
   からなる、動脈内バルーンカテーテルの案内方法。