JPH06339495A - 医療補助用伸縮性テープ - Google Patents

医療補助用伸縮性テープ

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JPH06339495A
JPH06339495A JP2592793A JP2592793A JPH06339495A JP H06339495 A JPH06339495 A JP H06339495A JP 2592793 A JP2592793 A JP 2592793A JP 2592793 A JP2592793 A JP 2592793A JP H06339495 A JPH06339495 A JP H06339495A
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Taiichiro Iwakura
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TATSUKU SYST KK
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 腱鞘炎や皮膚創傷面或は疾患部に使用し、そ
の回復の促進に寄与せんとするものである。 【構成】 伸縮性素材のテ−プを支持体とし、支持体を
或一定の長さだけ伸張し、その両面に粘着層を形成する
と共に、粘着層の片面には非接着処理面を設け、当該面
と、他の一方の粘着層の表面とにセパレ−タ−を施して
支持体を伸張したまま固定し、皮膚面に貼付した後非接
着面のセパレ−タ−を剥離することにより支持体伸張の
固定を解除可能にした構成を有する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は医療補助用伸縮性テ−プ
に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来この種テ−プは、図1に示すよう
に、不織布等の支持体(1)に粘着基剤又は用途に応じ
て消毒剤などを含有させた粘着基剤を塗布して粘着層
(2)を形成し、次いでセパレ−タ−(3)を重ねた構
造を有するもの、又図2に示すように不織布等の支持体
(1)に粘着層(2)を形成し、次いで消毒剤その他の
薬を塗布又は含有させた適宜大きさのガ−ゼ(6)を重
ねておいた構造のテ−プなど提供されている。又図3に
示すように、支持体(1)両面に粘着層(2)を形成
し、片面の粘着層(2)にセパレ−タ−(3)を施した
両面接着テ−プも存在する。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】従来の医療用補助テ−
プは、例えば皮膚面の創傷に使用する場合、創傷に薬を
塗りその上にガ−ゼを置き、このガ−ゼをテ−プで止め
るために使用するとか、又粘着基剤と一緒に薬用ガ−ゼ
が構成されたテ−プでも要するに薬用ガ−ゼを創傷面に
固定しておくのがその目的であり且つ効果であった。然
るに創傷面はいわゆる皮膚面であるから動きによって伸
縮し患部によっては皮膚面の伸びることが治療を妨げる
こともあり、又単に固定するのみでは自由な運動を妨げ
るだけで反って機能低下を来すので筋肉の伸び縮みを適
度にコントロ−ルする方が治療や予防に良い結果を来す
こともある。そこで本発明は、伸縮性を有する素材のテ
−プ自体を最初から或一定の長さだけ伸長しておきその
縮む作用を利用して伸筋の屈伸作用を補助し患部の治癒
力を向上させようとするものである。なお1〜2の例を
示して説明する。
【0004】例えば腱鞘炎であるが、腱は筋肉として骨
に付着している丈夫な繊維組織で、俗に“すじ”とも呼
ばれている。関節がなめらかに動くには関節とともにこ
の腱も円滑に動かなくてはならない。腱の動きをスム−
ズにするため、腱はその外側をストロ−のような鞘で包
まれており、この組織を“腱鞘”という。そしてここに
炎症が起きることが「腱鞘炎」である。腱鞘は手や肩、
足首など、関節のあるところに存在しているが、特に手
に多いため腱鞘炎もまた起きることが圧倒的に多い。特
に親指の関節は屈伸だけでなく内転や外転もでき、その
構造は複雑である。そのため手首の背側にある“伸筋腱
鞘”やつけ根の内側にある“屈筋腱鞘”の両方に腱鞘炎
が起こりやすい。腱鞘炎の症状として多いのは指のつ
け根の内側が腫れて押すと痛い。 力を入れて曲げると痛い,弾発現象,曲げたまま
伸びなくなる,伸ばしたまま曲げられなくなる等があ
る。腱鞘炎の原因はそのほとんどが関節の使い過ぎな
ど、機械的なストレスにある。その結果、腱や腱鞘に炎
症が生じ腱鞘内の容積が狭くなって腱のすべりが悪くな
り、摩擦による痛みが起こってくるのである。これを
「狭窄性腱鞘炎」と呼ぶ。機械的なストレスには大きく
分けて長期間同じ作業をする,急に慣れない作業を
するの二つがある。腱鞘炎の患者には家事労働で手を酷
使する主婦や指をよく使う職業のキ−パンチャ−やピア
ニストなどによく見られる。腱鞘炎の治療法には痛む部
分を使わないようにして安静を保ち、入浴時にお湯の中
で患部をゆっくりマッサ−ジする温熱療法も回復を助け
る。消炎鎮痛剤を内服したり塗布したりしても痛みがと
れない場合はは炎症を押えるための副腎皮質ステロイド
ホルモンを腱鞘の中にごく微量注射し、しばらく指の運
動を避ける方法をとるが薬害が激しいうえに指を動かさ
ないでいると、自然治癒力が弱まってしまう。症状が進
むと整形外科で手術を受けねばならないことになる。腱
鞘炎の従来の治療法では安静が第一であり消炎鎮痛剤の
使用でも完治することが少なく症状も長期化する傾向に
ある。又重症の場合は手術が必要で痛みを伴い、且つ手
を使う日常の作業に障害を来す時期が長期に及ぶ。そこ
で、この発明者は腱鞘炎の予防法の手段を研究するうち
に次のことが効果的であることを発見した。つまり、長
母指伸筋あるいは小指伸筋という筋肉の働きを助け、筋
肉の伸び縮みを適度にコントロ−ルすると痛みや、こわ
ばりが取れ腱鞘の炎症が消失することを見い出した。そ
こで発明者は筋肉の伸び縮みを適度にコントロ−ルする
には伸縮性テ−プを指の筋肉にそって貼付し、伸筋の作
用をテ−プ自体の縮む作用によって補助し、腱鞘炎を予
防し且つ日常生活を続けながら自然治癒力を向上させる
医療補助用伸縮性テ−プを提供するものなのである。
【0005】次に、例えば創傷など外傷性削皮創にあっ
ては、患部が皮膚面の伸長や収縮によってその速やかな
治癒が妨げられることが多いが、このような創傷面の広
がる作用を押えて治癒力を促進するテ−プの提供をも目
的とし、更にはこのテ−プを女性の美顔の手段である
「しわ伸ばし」テ−プとしても利用せんとするものであ
る。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は以上のような課
題を解決するため、織布又は不織布などの伸縮性を有す
るシ−ト状素材を支持体となし、当該支持体を縦方向に
一定の長さだけ伸張し、伸張した状態の支持体の両面に
粘着基剤を塗布して粘着層を形成すると共に片面の粘着
層の表面には非接着処理を施して非接着処理面を形成
し、当該処理面と他方の粘着層面には共にセパレ−タ−
を施し、テ−プ全体が一定の長さだけ伸張された状態を
呈し、貼付使用した時に収縮作用をなすように構成され
たことを特徴とするものである。支持体は織布又は不織
布等その材質を問うものではないが少なくとも縦方向即
ちテ−プの長さ方向に伸縮性を有するシ−ト状素材を使
用する。支持体の伸張度は適度でよいが、20%以内が
適当である。次に粘着基剤であるが、医療補助用テ−プ
に一般的に使用されている粘着剤は勿論のこと、当該テ
−プの用途に応じて水溶性高分子を主体としたもの、又
は非水性の感圧性粘着剤を使用してもよい。そして又粘
着基剤の中に抗炎症剤、殺菌消毒剤、褥瘡治療剤、保湿
剤等々外皮用薬剤を含有させたテ−プとして構成しても
よい。このような薬剤を含有させることはこの種従来の
医療補助用テ−プとしては一般的に行われてきたところ
であるが、本発明の特徴は、支持体を、伸縮性を有する
素材となし、当該支持体を一定の長さだけ伸張してその
両面に粘着基剤を塗布して粘着層を形成し、更にセパレ
−タ−で収縮を押え、即ち伸張した状態を固定してお
き、使用時にその収縮性を治療効果向上に利用したこと
が本発明構成上の特徴とするところである。
【0007】
【実施例】図4及び図5は本発明医療補助用伸縮性テ−
プの第1図実施例であるが、粘着基剤の中には抗炎症剤
が混入された腱鞘炎予防及び治療用のテ−プとして粘着
層(2)が構成されている。当該テ−プ即ち、伸縮性を
有する支持体(1)を一定の長さだけ伸張し、伸張した
状態でその両面に抗炎症剤を混入した粘着基剤を塗布し
て粘着層(2)(2)を形成し、片面の粘着層面に非接
着処理を施して非接着処理面(5)を形成する。この非
接面処理面(5)の上にセパレ−タ−(4)を施して支
持体(1)の収縮を止め支持体(1)を伸張した状態に
固定する。次に他面の粘着層(2)の表面にもセパレ−
タ−(3)を施す。然るときは支持体(1)が伸張され
た状態の医療補助用伸縮性テ−プが構成される。当該テ
−プを腱鞘炎の予防及び治療に使用するときは、図6に
示すように、腱鞘炎の最も起こりやすい又は発症してい
る親指(8)と小指(9)の各指に添って、セパレ−タ
−(3)を剥離して手甲側に貼付し、次いで反対面のセ
パレ−タ−(4)を剥離する。この際非接着処理面
(5)が形成されているからセパレ−タ−(4)の剥離
は容易である。然るときは、支持体(1)即ち該テ−プ
(13)全体が矢印(A)方向に収縮するように作用す
る。従って本発明のテ−プを貼付すると手の握りと開き
の運動が支持体(1)の伸縮性とも相まって自然に補助
されると共にトレ−ニングされることとなるから、腱鞘
炎の予防は勿論のことその治療にも効を奏する。なお本
実施例の場合、単なる予防用のテ−プとする場合は抗炎
症剤を混入しない粘着層(2)のものを使用してもよ
い。
【0008】
【実施例】図7乃至図10は第2実施例で、創傷治療用
の本発明テ−プ及びその作用を示すものであるが、支持
体(1)の両面に粘着層(2)(2)を設け、片面の粘
着層(2)上に滅菌済・消毒液付ガ−ゼ(6)が配置さ
れ、更に当該粘着層(2)と該ガ−ゼ(6)の上にセパ
レ−タ−(3)が施され、他の粘着層(2)の表面は非
接着処理がなされて非接着処理面(5)が形成され、そ
の表面上に特に支持体(1)の伸張を固定する作用をな
すセパレ−タ−(4)が設けられている。
【0009】上記の実施例は創傷治療補助伸縮性テ−プ
であるが、これを使用するときは、セパレ−タ−(3)
を剥離し、滅菌済み消毒液付きガ−ゼ(6)を創傷患部
(7)にあて貼付し、次いでセパレ−タ−(4)を剥離
すれば、非接着処理面(5)が形成されているからセパ
レ−タ−(4)は容易に剥離し、且つ支持体(1)の伸
張固定は解除され、支持体(1)は矢印(A′)方向に
収縮するので創傷面積が自ずと縮められ、又広げられる
ような力が作用しても縮められるように作用するから広
げられるようなことはなく、従って創傷治療の促進効果
が期待できる。
【0010】
【実施例】図11は実施例1の抗炎症剤を混入しない本
発明テ−プの実施例で且つ用途の実施例であるが、目尻
などの「しわ」をはさむようにしてテ−プを貼付しセパ
レ−タ−(4)を剥離すると、テ−プは縦方向即ち矢印
(A″)方向に収縮するから、「しわ」は引き伸ばされ
美顔用としても効を奏する。なお、この際粘着基剤の中
に保湿剤などを混合すると一層の効果が期待できる。
【0011】
【発明の効果】以上説明したように、本発明に係る医療
補助用伸縮性テ−プは、支持体に伸縮性素材を使用し、
この支持体を一定の長さまで伸張してその両面に粘着基
剤又は当該基剤に薬効成分を混入した粘着剤を塗布して
粘着層を形成し支持体を伸張した状態をセパレ−タ−で
保持した構成となし、人体皮膚面に貼付した際セパレ−
タ−を剥離して支持体を収縮可能としたので、支持体が
もとの長さまで収縮する作用をすると共に支持体それ自
体の伸縮性により筋肉の屈伸の補助・トレ−ニングに役
立ち腱鞘炎の予防や治療に効を奏し、又創傷面積を縮め
て治癒の促進に効を奏する等数多くの用途があり又その
効を奏するものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】この種従来テ−プの一例でその拡大断面説明図
である。
【図2】従来の創傷治療補助テ−プの一例でその拡大断
面説明図である。
【図3】従来の両面テ−プでその拡大断面説明図であ
る。
【図4】本願発明に係る医療補助用伸縮性テ−プの平面
説明図。
【図5】図4の拡大断面説明図である。
【図6】使用の実施例で腱鞘炎に使用した場合の説明
図。
【図7】本願発明に係る創傷治療補助伸縮テ−プの実施
例でその拡大断面説明図。
【図8】図7の平面説明図で、ガ−ゼ面のセペレ−タ−
を取り除いた状態を示す。
【図9】創傷患部を示す説明図。
【図10】創傷患部に図7に示す本願テ−プを貼付した
状態を示す説明図で、創傷患部の面積が縮小しているこ
とを示す。
【図11】図4、図5に示す本願テ−プを顔のしわのば
しに使用した状態を示す説明図。
【符号の説明】
1 支持体 2 粘着層 3 セパレ−タ− 4 セパレ−タ− 5 非接着処理面 6 滅菌済・消毒液付ガ−ゼ 7 創傷患部 8 親指 9 小指 10 腕 11 顔面皮膚部 12 顔面のしわ 13 本発明テ−プ 矢印A 伸筋に作用する方向 矢印A′ 創傷面に作用する方向 矢印A″ しわに作用する方向
【手続補正書】
【提出日】平成5年7月19日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正内容】
【書類名】 明細書
【発明の名称】 医療補助用伸縮性テープ
【特許請求の範囲】
【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は医療補助用伸縮性テープ
に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来この種テープは、図1に示すよう
に、不織布等の支持体(1)に粘着基剤又は用途に応じ
て消毒剤などを含有させた粘着基剤を塗布して粘着層
(2)を形成し、次いでセパレーター(3)を重ねた構
造を有するもの、又図2に示すように不織布等の支持体
(1)に粘着層(2)を形成し、次いで消毒剤その他の
薬を塗布又は含有させた適宜大きさのガーゼ(6)を重
ねておいた構造のテープなど提供されている。又図3に
示すように、支持体(1)両面に粘着層(2)を形成
し、片面の粘着層(2)にセパレーター(3)を施した
両面接着テープも存在する。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】従来の医療用補助テー
プは、例えば皮膚面の創傷に使用する場合、創傷に薬を
塗りその上にガーゼを置き、このガーゼをテープで止め
るために使用するとか、又粘着基剤と一緒に薬用ガーゼ
が構成されたテープでも要するに薬用ガーゼを創傷面に
固定しておくのがその目的であり且つ効果であった。然
るに創傷面はいわゆる皮膚面であるから動きによって伸
縮し患部によっては皮膚面の伸びることが治療を妨げる
こともあり、又単に固定するのみでは自由な運動を妨げ
るだけで反って機能低下を来すので筋肉の伸び縮みを適
度にコントロールする方が治療や予防に良い結果を来す
こともある。そこで本発明は、伸縮性を有する素材のテ
ープ自体を最初から或一定の長さだけ伸長しておきその
縮む作用を利用して伸筋の屈伸作用を補助し患部の治癒
力を向上させようとするものである。なお1〜2の例を
示して説明する。
【0004】例えば腱鞘炎であるが、腱は筋肉として骨
に付着している丈夫な繊維組織で、俗に“すじ”とも呼
ばれている。関節がなめらかに動くには関節とともにこ
の腱も円滑に動かなくてはならない。腱の動きをスムー
ズにするため、腱はその外側をストローのような鞘で包
まれており、この組織を“腱鞘”という。そしてここに
炎症が起きることが「腱鞘炎」である。腱鞘は手や肩、
足首など、関節のあるところに存在しているが、特に手
に多いため腱鞘炎もまた起きることが圧倒的に多い。特
に親指の関節は屈伸だけでなく内転や外転もでき、その
構造は複雑である。そのため手首の背側にある“伸筋腱
鞘”やつけ根の内側にある“屈筋腱鞘”の両方に腱鞘炎
が起こりやすい。腱鞘炎の症状として多いのは指のつ
け根の内側が腫れて押すと痛い。 力を入れて曲げると痛い,弾発現象,曲げたまま
伸びなくなる,伸ばしたまま曲げられなくなる等があ
る。腱鞘炎の原因はそのほとんどが関節の使い過ぎな
ど、機械的なストレスにある。その結果、腱や腱鞘に炎
症が生じ腱鞘内の容積が狭くなって腱のすべりが悪くな
り、摩擦による痛みが起こってくるのである。これを
「狭窄性腱鞘炎」と呼ぶ。機械的なストレスには大きく
分けて長期間同じ作業をする,急に慣れない作業を
するの二つがある。腱鞘炎の患者には家事労働で手を酷
使する主婦や指をよく使う職業のキーパンチャーやピア
ニストなどによく見られる。腱鞘炎の治療法には痛む部
分を使わないようにして安静を保ち、入浴時にお湯の中
で患部をゆっくりマッサージする温熱療法も回復を助け
る。消炎鎮痛剤を内服したり塗布したりしても痛みがと
れない場合はは炎症を押えるための副腎皮質ステロイド
ホルモンを腱鞘の中にごく微量注射し、しばらく指の運
動を避ける方法をとるが薬害が激しいうえに指を動かさ
ないでいると、自然治癒力が弱まってしまう。症状が進
むと整形外科で手術を受けねばならないことになる。腱
鞘炎の従来の治療法では安静が第一であり消炎鎮痛剤の
使用でも完治することが少なく症状も長期化する傾向に
ある。又重症の場合は手術が必要で痛みを伴い、且つ手
を使う日常の作業に障害を来す時期が長期に及ぶ。そこ
で、この発明者は腱鞘炎の予防法の手段を研究するうち
に次のことが効果的であることを発見した。つまり、長
母指伸筋あるいは小指伸筋という筋肉の働きを助け、筋
肉の伸び縮みを適度にコントロールすると痛みや、こわ
ばりが取れ腱鞘の炎症が消失することを見い出した。そ
こで発明者は筋肉の伸び縮みを適度にコントロールする
には伸縮性テープを指の筋肉にそって貼付し、伸筋の作
用をテープ自体の縮む作用によって補助し、腱鞘炎を予
防し且つ日常生活を続けながら自然治癒力を向上させる
医療補助用伸縮性テープを提供するものなのである。
【0005】次に、例えば創傷など外傷性削皮創にあっ
ては、患部が皮膚面の伸長や収縮によってその速やかな
治癒が妨げられることが多いが、このような創傷面の広
がる作用を押えて治癒力を促進するテープの提供をも目
的とし、更にはこのテープを女性の美顔の手段である
「しわ伸ばし」テープとしても利用せんとするものであ
る。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は以上のような課
題を解決するため、織布又は不織布などの伸縮性を有す
るシート状素材を支持体となし、当該支持体を縦方向に
一定の長さだけ伸張し、伸張した状態の支持体の両面に
粘着基剤を塗布して粘着層を形成すると共に片面の粘着
層の表面には非接着処理を施して非接着処理面を形成
し、当該処理面と他方の粘着層面には共にセパレーター
を施し、テープ全体が一定の長さだけ伸張された状態を
呈し、貼付使用した時に収縮作用をなすように構成され
たことを特徴とするものである。支持体は織布又は不織
布等その材質を問うものではないが少なくとも縦方向即
ちテープの長さ方向に伸縮性を有するシート状素材を使
用する。支持体の伸張度は適度でよいが、20%以内が
適当である。次に粘着基剤であるが、医療補助用テープ
に一般的に使用されている粘着剤は勿論のこと、当該テ
ープの用途に応じて水溶性高分子を主体としたもの、又
は非水性の感圧性粘着剤を使用してもよい。そして又粘
着基剤の中に抗炎症剤、殺菌消毒剤、褥瘡治療剤、保湿
剤等々外皮用薬剤を含有させたテープとして構成しても
よい。このような薬剤を含有させることはこの種従来の
医療補助用テープとしては一般的に行われてきたところ
であるが、本発明の特徴は、支持体を、伸縮性を有する
素材となし、当該支持体を一定の長さだけ伸張してその
両面に粘着基剤を塗布して粘着層を形成し、更にセパレ
ーターで収縮を押え、即ち伸張した状態を固定してお
き、使用時にその収縮性を治療効果向上に利用したこと
が本発明構成上の特徴とするところである。
【0007】
【実施例】図4及び図5は本発明医療補助用伸縮性テー
プの第1図実施例であるが、粘着基剤の中には抗炎症剤
が混入された腱鞘炎予防及び治療用のテープとして粘着
層(2)が構成されている。当該テープ即ち、伸縮性を
有する支持体(1)を一定の長さだけ伸張し、伸張した
状態でその両面に抗炎症剤を混入した粘着基剤を塗布し
て粘着層(2)(2)を形成し、片面の粘着層面に非接
着処理を施して非接着処理面(5)を形成する。この非
接面処理面(5)の上にセパレーター(4)を施して支
持体(1)の収縮を止め支持体(1)を伸張した状態に
固定する。次に他面の粘着層(2)の表面にもセパレー
ター(3)を施す。然るときは支持体(1)が伸張され
た状態の医療補助用伸縮性テープが構成される。当該テ
ープを腱鞘炎の予防及び治療に使用するときは、図6に
示すように、腱鞘炎の最も起こりやすい又は発症してい
る親指(8)と小指(9)の各指に添って、セパレータ
ー(3)を剥離して手甲側に貼付し、次いで反対面のセ
パレーター(4)を剥離する。この際非接着処理面
(5)が形成されているからセパレーター(4)の剥離
は容易である。然るときは、支持体(1)即ち該テープ
(13)全体が矢印(A)方向に収縮するように作用す
る。従って本発明のテープを貼付すると手の握りと開き
の運動が支持体(1)の伸縮性とも相まって自然に補助
されると共にトレーニングされることとなるから、腱鞘
炎の予防は勿論のことその治療にも効を奏する。なお本
実施例の場合、単なる予防用のテープとする場合は抗炎
症剤を混入しない粘着層(2)のものを使用してもよ
い。
【0008】
【実施例】図7乃至図10は第2実施例で、創傷治療用
の本発明テープ及びその作用を示すものであるが、支持
体(1)の両面に粘着層(2)(2)を設け,片面の粘
着層(2)上に滅菌済・消毒液付ガーゼ(6)が配置さ
れ、更に当該粘着層(2)と該ガーゼ(6)の上にセパ
レーター(3)が施され、他の粘着層(2)の表面は非
接着処理がなされて非接着処理面(5)が形成され、そ
の表面上に特に支持体(1)の伸張を固定する作用をな
すセパレーター(4)が設けられている。
【0009】上記の実施例は創傷治療補助伸縮性テープ
であるが、これを使用するときは、セパレーター(3)
を剥離し、滅菌済み消毒液付きガーゼ(6)を創傷患部
(7)にあて貼付し、次いでセパレーター(4)を剥離
すれば、非接着処理面(5)が形成されているからセパ
レーター(4)は容易に剥離し、且つ支持体(1)の伸
張固定は解除され、支持体(1)は矢印(A′)方向に
収縮するので創傷面積が自ずと縮められ、又広げられる
ような力が作用しても縮められるように作用するから広
げられるようなことはなく、従って創傷治療の促進効果
が期待できる。
【0010】
【実施例】図11は実施例1の抗炎症剤を混入しない本
発明テープの実施例で且つ用途の実施例であるが、目尻
などの「しわ」をはさむようにしてテープを貼付しセパ
レーター(4)を剥離すると、テープは縦方向即ち矢印
(A″)方向に収縮するから、「しわ」は引き伸ばされ
美顔用としても効を奏する。なお、この際粘着基剤の中
に保湿剤などを混合すると一層の効果が期待できる。
【0011】
【発明の効果】以上説明したように、本発明に係る医療
補助用伸縮性テープは、支持体に伸縮性素材を使用し、
この支持体を一定の長さまで伸張してその両面に粘着基
剤又は当該基剤に薬効成分を混入した粘着剤を塗布して
粘着層を形成し支持体を伸張した状態をセパレーターで
保持した構成となし、人体皮膚面に貼付した際セパレー
ターを剥離して支持体を収縮可能としたので、支持体が
もとの長さまで収縮する作用をすると共に支持体それ自
体の伸縮性により筋肉の屈伸の補助・トレーニングに役
立ち腱鞘炎の予防や治療に効を奏し、又創傷面積を縮め
て治癒の促進に効を奏する等数多くの用途があり又その
効を奏するものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】この種従来テープの一例でその拡大断面説明図
である。
【図2】従来の創傷治療補助テープの一例でその拡大断
面説明図である。
【図3】従来の両面テープでその拡大断面説明図であ
る。
【図4】本願発明に係る医療補助用伸縮性テープの平面
説明図。
【図5】図4の拡大断面説明図である。
【図6】使用の実施例で腱鞘炎に使用した場合の説明
図。
【図7】本願発明に係る創傷治療補助伸縮テープの実施
例でその拡大断面説明図。
【図8】図7の平面説明図で、ガーゼ面のセペレーター
を取り除いた状態を示す。
【図9】創傷患部を示す説明図。
【図10】創傷患部に図7に示す本願テープを貼付した
状態を示す説明図で、創傷患部の面積が縮小しているこ
とを示す。
【図11】図4、図5に示す本願テープを顔のしわのば
しに使用した状態を示す説明図。
【符号の説明】 1 支持体 2 粘着層 3 セパレーター 4 セパレーター 5 非接着処理面 6 滅菌済・消毒液付ガーゼ 7 創傷患部 8 親指 9 小指 10 腕 11 顔面皮膚部 12 顔面のしわ 13 本発明テープ 矢印A 伸筋に作用する方向 矢印A′ 創傷面に作用する方向 矢印A″ しわに作用する方向

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 伸縮性を有するシ−ト状素材を支持体と
    なし、当該支持体を一定の長さだけ縦方向に伸張し、伸
    張した状態の支持体両面に、粘着基剤を塗布して粘着層
    を形成すると共に、片面の粘着層の表面には非接着処理
    を施して非接着処理面を形成し、当該処理面と他方の粘
    着層面には共にセパレ−タ−を施し、テ−プ全体が一定
    の長さだけ伸張した状態で構成された構造の医療補助用
    伸縮性テ−プ。
  2. 【請求項2】 前記請求項1記載の医療補助用伸縮テ−
    プにおいて、皮膚貼布面側の粘着基剤内に抗炎症剤など
    外皮用薬剤又は保湿剤などを含有させてなる医療補助用
    伸縮性テ−プ。
  3. 【請求項3】 粘着基剤が、水溶性高分子を主材とした
    水含有のハップ剤又は非水性の感圧性粘着基剤からなる
    前記請求項1記載の医療補助用伸縮性テ−プ。
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