JPH06339296A - モータの電気角検出方法及びインバータ - Google Patents

モータの電気角検出方法及びインバータ

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JPH06339296A
JPH06339296A JP5125837A JP12583793A JPH06339296A JP H06339296 A JPH06339296 A JP H06339296A JP 5125837 A JP5125837 A JP 5125837A JP 12583793 A JP12583793 A JP 12583793A JP H06339296 A JPH06339296 A JP H06339296A
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electrical angle
motor
range
magnetic pole
count value
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JP5125837A
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English (en)
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Yoshiharu Nishida
吉晴 西田
Nobuyuki Odera
信行 大寺
Toshiro Yamashita
俊郎 山下
Atsuo Tachikawa
篤夫 立川
Toru Takahashi
徹 高橋
Yuzo Takakado
祐三 高門
Kenji Inoue
堅治 井上
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Kobe Steel Ltd
Shinko Electric Co Ltd
Original Assignee
Kobe Steel Ltd
Shinko Electric Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】モータの電気角検出方法及びインバータに関
し、磁極位置検出信号又はパルス信号などにノイズが混
入した場合においても、ノイズによる電気角の誤差を最
小限に抑え、モータを滑らかに運転できるようにするこ
とを目的とする。 【構成】モータの回転軸の回転に応じて出力されるパル
ス信号のカウント値に基づいてモータの電気角θEの検
出を行う方法であって、モータの磁極位置を検出するた
めの複数の磁極位置検出器を設けておき、磁極位置検出
器の出力信号に基づいてモータの電気角範囲θRを検出
し、カウント値に基づく電気角θpnが電気角範囲θR
に入っていない場合に、カウント値に基づく電気角θp
nに対して電気角範囲θR内の値となるように補正を加
えた電気角θEを出力する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、誘導モータ又は同期モ
ータなど種々の交流モータの電気角検出方法及びその検
出方法を用いたインバータに関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、交流モータのトルク制御又は
速度制御のために、モータの電気角を検出し、検出した
電気角に基づいてトルク電流成分及び励磁電流成分をそ
れぞれ独立して制御するベクトル制御方式のインバータ
がしばしば用いられている。
【0003】そのようなインバータとして、例えば、モ
ータの回転子軸の角度位置(磁極位置又は磁束位置)を
検出する磁極位置検出器、モータの回転速度に比例した
周波数のパルス信号を発生するエンコーダ、及び、エン
コーダから出力されるパルス信号をカウントするととも
に磁極位置検出器からの出力信号に基づいて電気角の1
周期毎にリセットされるカウンタなどを有し、カウンタ
のカウント値に基づいて検出された電気角に応じてスイ
ッチング素子の導通タイミングを制御するようにしたイ
ンバータが提案されている(特開昭61ー26491
号)。
【0004】また、磁極位置検出器から出力される信号
に基づいて電気角の60°毎にオンオフする信号を検出
し、その信号の立ち上がり又は立ち下がりのエッジによ
り60°毎にカウンタをリセットすることによって、6
0°の範囲内における電気角をカウンタにより精密に検
出する方法が提案されている(特開平2ー159993
号)。
【0005】さらに、60°毎にカウンタをリセットす
るのではなく、電気角の1周期間内における位置に対応
するデータを60°毎にカウンタにロードし、カウンタ
のカウント値によって1周期間内の電気角を精密に検出
する方法が提案されている(特開平4ー46582
号)。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上述したいず
れのインバータの電気角検出方法においても、次のよう
な問題がある。すなわち、60°毎のエッジによってカ
ウンタのリセット又はロードが行われるため、磁極位置
検出信号にノイズが混入した場合に誤ったリセット又は
誤ったデータのロードが行われてしまい、次の磁極位置
検出信号のエッジによってカウンタのリセット又はロー
ドが行われるまでは正しいカウント値に復帰することが
できず、その間において電気角が最大で60°の誤差を
持ってしまうおそれがある。その結果、モータにトルク
リップルが生じて滑らかな運転を阻害するという問題が
あった。
【0007】また、エンコーダから出力されるパルス信
号にノイズが混入した場合においても、次の磁極位置検
出信号によってカウンタのリセットが行われるまではカ
ウント値に誤差が含まれることとなり、ノイズのパルス
数が多い場合には非常に大きな誤差を含んでしまう可能
性がある。
【0008】また、磁極位置検出器から出力される磁極
位置検出信号は、およそ60°毎の大雑把な位置を示す
不正確な信号であり、60°毎のエッジ近傍においてオ
ンオフを繰り返すという現象が頻繁に生起する。
【0009】したがって、従来のように、ただ単に磁極
位置検出信号によってカウンタのリセット又はロードを
行ったのでは、エッジ近傍においてカウンタを何度もリ
セットし又はロードすることとなり、カウント値が不連
続に変化してしまう。その結果、インバータの出力電圧
が脈動し、トルクリップルが生じてしまうこととなる。
これは誘導モータにおいて致命的な欠陥となる可能性が
ある。
【0010】本発明は、上述の問題に鑑み、磁極位置検
出信号又はパルス信号などにノイズが混入した場合にお
いても、ノイズによる電気角の誤差を最小限に抑え、モ
ータを滑らかに運転することのできる電気角検出方法及
びインバータを提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】請求項1の発明に係る方
法は、上述の課題を解決するため、モータの回転軸の回
転に応じて出力されるパルス信号のカウント値に基づい
て前記モータの電気角の検出を行う方法であって、前記
モータの磁極位置を検出するための磁極位置検出器を設
けておき、前記磁極位置検出器の出力信号に基づいて前
記モータの電気角範囲を検出し、前記カウント値に基づ
く電気角が前記電気角範囲に入っている場合に、前記カ
ウント値に基づく電気角を出力し、前記カウント値に基
づく電気角が前記電気角範囲に入っていない場合に、前
記カウント値に基づく電気角に対して前記電気角範囲内
の値となるように補正を加えた補正電気角を出力する、
ことを特徴とするモータの電気角検出方法である。
【0012】請求項2の発明に係る方法では、前記電気
角範囲は、前記磁極位置検出器の個数及び配置位置に基
づいて区分された範囲に対して、その上限及び下限に一
定の余裕範囲を加えた範囲に広げられている。
【0013】請求項3の発明に係る方法では、前記補正
電気角を前記電気角範囲の中央値とする。とを特徴とす
る請求項1又は請求項2記載のモータの電気角検出方
法。請求項4の発明に係る方法では、前記補正電気角
を、前記電気角範囲内の値であって前記カウント値に基
づく電気角に最も近い値とする。
【0014】請求項5の発明に係る方法は、前記モータ
の磁極位置を検出するための磁極位置検出器を設けてお
き、前記磁極位置検出器の出力信号に基づいて前記モー
タの電気角範囲を検出し、前記カウント値に基づく電気
角が前記電気角範囲の上限又は下限に達した場合に、前
記カウント値を増大又は減少させないようにして前記電
気角が前記電気角範囲内の値となるように補正する。
【0015】請求項6の発明に係る方法では、前記電気
角範囲は、前記磁極位置検出器の個数及び配置位置に基
づいて区分された範囲に対して、その上限及び下限に一
定の余裕範囲を加えた範囲に広げられている。
【0016】請求項7の発明に係る方法では、前記カウ
ント値に基づく電気角は、前記モータの電気角の単位周
期に対して出力されるパルス信号の個数に応じて正規化
されている。
【0017】請求項8の発明に係るインバータは、スイ
ッチング素子からなるインバータ部と、モータの回転軸
の回転に応じて出力されるパルス信号及び前記モータに
設けられた磁極位置検出器からの出力信号に基づいて前
記モータの電気角を検出するとともに、前記パルス信号
のカウント値に基づく電気角が磁極位置検出器からの出
力信号に基づく電気角範囲に入っていない場合に前記カ
ウント値に基づく電気角に対して前記電気角範囲内の値
となるように補正を行う電気角検出部と、前記電気角に
応じた三角関数値を出力する三角関数発生部と、前記モ
ータの相電流及び前記三角関数発生部からの三角関数値
に基づいてd軸電流成分及びq軸電流成分を演算する3
/2相変換部と、d軸電流指令Idc及びq軸電流指令
Iqcと前記3/2相変換部からのd軸電流成分及びq
軸電流成分とに基づいて、これらの偏差を零にするため
のd軸電圧指令及びq軸電圧指令を出力する電流制御部
と、前記電流制御部から出力されるd軸電圧指令及びq
軸電圧指令並びに前記三角関数発生部からの三角関数値
に基づいて各相の電圧指令を演算する2/3相変換部
と、を有して構成される。
【0018】請求項9の発明に係るインバータでは、前
記三角関数発生部は、テイラー展開によって三角関数値
を出力するテイラー展開級数演算器を有して構成され
る。
【0019】
【作用】モータの回転軸の回転に応じて出力されるパル
ス信号のカウント値に基づいて電気角が検出され、磁極
位置検出器の出力信号に基づいてモータの電気角範囲が
検出される。ノイズなどの影響によって電気角が電気角
範囲に入っていない場合には、電気角が補正される。
【0020】補正の方法として、例えば電気角を電気角
範囲の中央値とし、又は電気角範囲内の値であって電気
角に最も近い値とする。また、電気角範囲は、1周期を
区分した角度範囲に対して、その上限及び下限に一定の
余裕範囲を加えた範囲に広げられる。
【0021】また、2/3相変換又は3/2相変換に必
要な三角関数は、必要に応じてテイラー展開級数演算に
より求められる。
【0022】
【実施例】図1は本発明に係るインバータ1の回路を示
すブロック図である。モータMは3相誘導モータであ
る。モータMには、回転子軸の角度位置(磁極位置又は
磁束位置))に応じた磁極位置検出信号φu,φv,φ
wを出力する磁極位置検出器MP、及び回転速度に比例
した周波数のパルス信号S1(A相、B相、Z相)を発
生するエンコーダREが取り付けられている。
【0023】インバータ1は、インバータ部11、AD
変換部12、3/2相変換部13、2/3相変換部1
4、電流制御部15、電気角検出部16、磁極位置検出
部17、及び三角関数発生部18などから構成されてい
る。
【0024】インバータ部11は、サイリスタ又はMO
SFETなどのスイッチング素子を3相ブリッジ形に接
続したスイッチング回路などからなり、直流電力を交流
電力に変換してモータMに供給するとともに、電圧指令
値Vuc,Vvc,Vwcに基づいてモータMの各相
U,V,Wの電流を制御する。
【0025】AD変換部12は、変流器によって検出さ
れた各相U,Vの電流Iu,Ivをディジタル値に変換
する。3/2相変換部13は、AD変換部12からの相
電流Iu,Ivに基づいて、d軸電流成分(励磁電流成
分)Id及びq軸電流成分(トルク電流成分)Iqを演
算により算出する。なお、d軸電流成分Id及びq軸電
流成分Iqの演算に当たっては、三角関数発生部18か
らの三角関数を参照する。また、演算には相電流Iwが
必要であるが、これは他の相電流Iu,IvからIw=
−(Iu+Iv)として求める。
【0026】2/3相変換部14は、電流制御部15か
ら出力されるd軸電圧指令Vdc及びq軸電圧指令Vq
cに基づいて、各相U,V,Wの電圧指令Vuc,Vv
c,Vwcを演算により算出する。なお、演算に当たっ
ては三角関数発生部18からの三角関数を参照する。
【0027】電流制御部15は、他の制御装置などから
入力されたd軸電流指令Idc及びq軸電流指令Iqc
と、3/2相変換部13からのd軸電流成分Id及びq
軸電流成分Iqとに基づいて、これらの偏差を零にする
ためのd軸電圧指令Vdc及びq軸電圧指令Vqcを出
力する。
【0028】電気角検出部16は、エンコーダREから
出力されるパルス信号S1及び磁極位置検出器の磁極位
置検出信号φu,φv,φwに基づいて電気角θEを検
出する。電気角検出部16は、パルス信号S1をカウン
トし、そのカウント値に基づく電気角θpnを、磁極位
置検出信号φu,φv,φwにより検出される電気角範
囲θRによって監視し、電気角θpnが電気角範囲θR
に入っている場合には電気角θpnを電気角θEとして
出力し、電気角θpnが電気角範囲θRに入っていない
場合には電気角θpnに対して電気角範囲θR内の値と
なるように補正を加えた補正電気角を電気角θEとして
出力する。詳細は後述する。
【0029】磁極位置検出部17は、電気角検出部16
から出力される電気角θEに対してすべり角速度θsに
よる補正を加えた電気角θを出力する。電気角θは次の
(1)式で与えられる。
【0030】θ=(θs+s・θE)/s ……(1) 但し、s:ラプラス演算子 三角関数発生部18は、電気角θに対応するsin
(θ)及びcos(θ)の値を出力するものであり、電
気角θを入力とし、テイラー展開級数演算によって三角
関数値を出力するようになっている。展開に必要な係数
A1,A2…はメモリに記憶されている。
【0031】図2は電気角検出部16の第1実施例を示
すブロック図、図3は電気角検出部16による電気角θ
Eの検出動作を説明するための図である。図3におい
て、磁極位置検出信号φu,φv,φwは、それぞれ、
0、120°、240°において立ち上がり、180°
の区間がオンである矩形の信号である。これらの信号は
互いに120°ずつ位相がずれているため、オンオフの
組み合わせによって60°毎に6つに区分された電気角
範囲θr(θr1,θr2,…θr6)を検出すること
ができる。電気角範囲θrは、それぞれの上限rH及び
下限rLを用いて、θr=〔rL,rH〕と表される。
例えば、θr1=〔0,60〕、θr2=〔60,12
0〕、θr3=〔120,180〕である。
【0032】それぞれの電気角範囲θrに対して、その
上限及び下限に一定の余裕範囲(ウインドウ幅)dR
H,dRLが加算され、これが電気角範囲θRとして用
いられる。電気角範囲θRは、それぞれの上限RH及び
下限RLを用いて、θR=〔RL,RH〕=〔rL−d
RL,rH+dRH〕と表される。例えば、余裕範囲d
RH,dRLをともに10°とすると、θR1=〔−1
0,70〕、θR2=〔50,130〕、θR3=〔1
10,190〕である。
【0033】さて、電気角検出部16は、メモリ31、
ウインドウ回路32、メモリ33、比較器34、加減可
能なカウンタからなる位置検出器35、係数演算器3
6、及び補償器37からなっている。
【0034】メモリ31には、入力される磁極位置検出
信号φu,φv,φwのオンオフレベルに対応する電気
角範囲θrが記憶されており、メモリ33には余裕範囲
dRH,dRLが記憶されている。ウインドウ回路32
は、メモリ31から読み出された電気角範囲θrの上限
及び下限に余裕範囲dRH,dRLを加算し、電気角範
囲θRを出力する。
【0035】一方、パルス信号S1は位置検出器35に
よってカウントされ、そのカウント値が電気角θpとし
て出力される。なお、位置検出器35は、エンコーダR
Eから出力されるA相及びB相によって、モータMが正
転のときに加算され、逆転のときに減算される。また、
エンコーダREからのZ相によって、モータMの1回転
毎に零にリセットされる。
【0036】位置検出器35からの電気角θpは、係数
演算器36によって、エンコーダREの1回転当たりの
パルス数NeとモータMの極数2pとに基づく係数K1
(=360×p/Ne)を乗算することにより、正規化
された電気角θpnに変換される。これによって、回路
の設計及び調整の容易化が図られている。
【0037】比較器34は、係数演算器36から出力さ
れる電気角θpnと、ウインドウ回路32から出力され
る電気角範囲θRとを比較し、電気角θpnが電気角範
囲θR内に入っているか否かを判断する。入っていると
きには電気角θpnをそのまま出力し、入っていないと
きには補償器37により電気角範囲θRに入るように補
正を行った補正電気角θpnを出力する。
【0038】図4は比較器34及び補償器37による補
正処理を示すフローチャートである。図4において、ま
ず、電気角θpnに補正角Cを加算した値を変数Xに代
入する(#11)。なお、このフローチャートの初回の
実行時における補正角Cの初期値は零である。
【0039】変数Xの値が電気角範囲θRに入っている
か否かを判断する(#12,#13)。電気角範囲θR
に入っている場合には(#12及び#13でイエス)、
補正角Cを変更することなく、電気角θpnに補正角C
を加算した補正電気角(θpn+C)を電気角θEとし
て出力する(#14)。
【0040】電気角範囲θRに入っていない場合には
(#12又は#13でノー)、元の補正角Cに当該電気
角範囲θRの中央値〔(RH+RL)/2〕を加算し、
それから変数Xの値を減算した値〔C+(RH+RL)
/2−X〕を新しい補正角Cとし(#15)、ステップ
#14の処理を行う。なお、新しい補正角Cはメモリに
保持され、このフローチャートが次回に実行されるとき
に用いられる。
【0041】これらの処理によって、電気角θpnが電
気角範囲θRから出たときに、電気角θpnを電気角範
囲θRの中央値に補正するための処理がなされ、補正さ
れた電気角θEが出力される。
【0042】したがって、パルス信号S1にノイズが混
入して位置検出器35のカウント値に誤差が含まれた場
合に、このような補正を行うことによって、最大で±3
0°の誤差に収めることができ、モータMを滑らかに運
転することができる。
【0043】また、モータMの起動時においては、エン
コーダREからのパルス信号S1が出力されないので正
しい電気角θpnが検出されないが、上述の補正処理に
よると磁極位置検出器MPにより検出された電気角範囲
θRの中央値を電気角θEとすることになるので、起動
時の実際の状態に近い電気角θEで起動のための制御を
行うことができ、円滑な起動を行うことができる。
【0044】図5は比較器34及び補償器37による補
正処理の他の実施例を示すフローチャートである。図5
において、まず、電気角θpnに補正角Cを加算した値
を変数Xに代入する(#21)。
【0045】変数Xの値が電気角範囲θRに入っている
か否かを判断する(#22,#23)。電気角範囲θR
に入っている場合には(#22及び#23でイエス)、
補正角Cを変更することなく、電気角θpnに補正角C
を加算した補正電気角(θpn+C)を電気角θEとし
て出力する(#24)。
【0046】電気角範囲θRの下限RLよりも小さい場
合には(#22でノー)、元の補正角Cに当該電気角範
囲θRの下限RLを加算し、それから変数Xの値を減算
した値〔C+RL−X〕を新しい補正角Cとし(#2
5)、ステップ#24の処理を行う。
【0047】電気角範囲θRの上限RHよりも大きい場
合には(#23でノー)、元の補正角Cに当該電気角範
囲θRの上限RHを加算し、それから変数Xの値を減算
した値〔C+RH−X〕を新しい補正角Cとし(#2
6)、ステップ#24の処理を行う。
【0048】これらの処理によって、電気角θpnが電
気角範囲θRから出たときに、電気角θpnを電気角範
囲θR内の値であって電気角θpnに最も近い値(上限
RH又は下限RL)とするための補正がなされ、補正さ
れた電気角θEが出力される。
【0049】したがって、図4に示したフローチャート
の場合と同様に誤差を少なくしてモータMを滑らかに運
転することができるとともに、補正による電気角θEの
変化分が少ないので、補正によるトルクリップルをほと
んど生じない。
【0050】電気角検出部16においては、ウインドウ
回路32が設けられており、このウインドウ回路32に
よって、磁極位置検出器MPにより検出可能な電気角範
囲θrに対し、余裕範囲dRH,dRLの加算によって
広げられた電気角範囲θRとしているので、磁極位置検
出信号φu,φv,φwの不確かさを補い、磁極位置検
出信号φu,φv,φwの不確かさに起因して電気角θ
Eが不連続となることを防止し、インバータの出力電圧
の脈動及びトルクリップルの発生を防止することができ
る。したがって、インバータ1を誘導モータに適用して
それを滑らかに運転することができるとともに、誘導モ
ータと同期モータとに応じた切り換え制御の必要がな
く、余分な切り換え回路が不要である。
【0051】図6は電気角検出部16aの第2実施例を
示すブロック図、図7は電気角検出部16aにおける補
正処理の実施例を示すフローチャートである。なお、図
6において、図2と同一の機能を有する要素には同一の
符号を付して説明を省略し又は簡略化する。
【0052】比較器41は、係数演算器36から出力さ
れる電気角θpnとウインドウ回路32から出力される
電気角範囲θRとを比較し、電気角θpnが電気角範囲
θRの上限又は下限に達した場合に、位置検出器42の
加算動作又は減算動作を停止させ、電気角θpnが電気
角範囲θR内の値となるように補正を行う。
【0053】すなわち、図7のフローチャートに示すよ
うに、電気角θpnが電気角範囲θRに入っているか否
かを判断する(#31,#32)。電気角範囲θRに入
っている場合には電気角θpnを電気角θEとして出力
する。
【0054】電気角範囲θRに入っていない場合には
(#31又は#32でノー)、位置検出器42の加算又
は減算を禁止する(#33)。なお、電気角θpnが電
気角範囲θRの上限に達した場合には、位置検出器42
の加算は禁止するが、減算は禁止されない。また逆に下
限に達した場合には、位置検出器42の減算は禁止する
が加算は禁止されない。
【0055】図8は図1に示す三角関数発生部18の実
施例を示すブロック図である。三角関数発生部18は、
係数演算器51、テイラー展開級数演算器52、及びメ
モリ53からなる。
【0056】係数演算器51は、エンコーダREの1回
転当たりのパルス数NeとモータMの極数2pとに基づ
く係数K2を電気角θに乗算することによって、電気角
θを正規化する。正規化することによって、メモリ53
の係数の値やテーブルの内容などをモータM及びエンコ
ーダREの種類に係わりなく一定のものとすることがで
きる。したがって、回路の設計及び調整の容易化を図る
ことができる。但し、電気角θが既に正規化されている
場合にはここでの正規化はなくてもよい。
【0057】テイラー展開級数演算器52は、メモリ5
3に記憶された係数A1,A2…に基づいて、入力され
た電気角θに対応する三角関数値をテイラー展開級数演
算により求めて出力する。
【0058】このように、三角関数値をテイラー展開級
数演算器52により演算で求めるので、三角関数値をテ
ーブルに記憶させておく場合に比較してメモリ容量が大
幅に低減され、回路の簡略化が図られる。なお、図9に
示す他の実施例の三角関数発生部18aのように、三角
関数値を記憶した三角関数テーブル53を用いて求める
ことも可能である。
【0059】上述の実施例において、制御対象が同期モ
ータである場合には、磁極位置検出部17における電気
角θEに対するすべり角速度θsによる補正は不要であ
る。余裕範囲dRH,dRLをいずれも10°とした
が、その他の値又は互いに異なる値としてもよい。
【0060】上述の実施例において、位置検出器35は
エンコーダREのZ相信号によって1回転毎にリセット
するようにしたが、1/2回転毎又は他の適当な角度毎
にリセットしてもよい。また、リセットを行うのではな
く、電気角に応じたデータをロードしてもよい。インバ
ータ1の各部の機能又は処理は、ハード回路により、又
はハード回路に代えて又はそれとともに適切にプログラ
ムされたMPUなどによって実現可能である。その他、
インバータ1の各部又は全体の構成、フローチャートの
処理内容又は順序などは、本発明の主旨に沿って種々変
更することができる。
【0061】
【発明の効果】本発明によると、磁極位置検出信号又は
パルス信号などにノイズが混入した場合においても、ノ
イズによる電気角の誤差を最小限に抑え、モータを滑ら
かに運転することができる。
【0062】請求項2の発明によると、磁極位置検出信
号の不確かさに起因して電気角が不連続となることを防
止し、インバータの出力電圧の脈動及びトルクリップル
の発生を防止することができる。
【0063】請求項3の発明によると、電気角の誤差を
磁極位置検出器により検出される電気角範囲の半分以内
に収めることができる。また、モータの起動時におい
て、磁極位置検出器により検出された電気角範囲の中央
値を電気角とすることができ、起動時の実際の状態に近
い電気角で円滑な起動制御を行うことができる。
【0064】請求項4の発明によると、補正による電気
角の変化分が少ないので、補正によるトルクリップルが
ほとんど生じない。請求項7の発明によると、回路の設
計及び調整の容易化が図られる。
【0065】請求項9の発明によると、メモリ容量が大
幅に低減され、回路の簡略化が図られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るインバータの回路を示すブロック
図である。
【図2】電気角検出部の第1実施例を示すブロック図で
ある。
【図3】電気角検出部による電気角の検出動作を説明す
るための図である。
【図4】比較器及び補償器による補正処理を示すフロー
チャートである。
【図5】比較器及び補償器による補正処理の他の実施例
を示すフローチャートである。
【図6】電気角検出部の第2実施例を示すブロック図で
ある。
【図7】電気角検出部における補正処理の実施例を示す
フローチャートである。
【図8】三角関数発生部の実施例を示すブロック図であ
る。
【図9】三角関数発生部の他の実施例を示すブロック図
である。
【符号の説明】
1 インバータ 11 インバータ部 13 3/2相変換部 14 2/3相変換部 15 電流制御部 16 電気角検出部 18 三角関数発生部 θE 電気角(補正電気角) θpn 電気角(カウント値に基づく電気角) θR 電気角範囲 θr 電気角範囲(区分された範囲) dRH,dRL 余裕範囲 MP 磁極位置検出器 RE エンコーダ S1 パルス信号 M モータ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 H02P 5/41 302 M 9178−5H (72)発明者 山下 俊郎 兵庫県神戸市西区高塚台1丁目5番5号 株式会社神戸製鋼所神戸総合技術研究所内 (72)発明者 立川 篤夫 兵庫県神戸市中央区脇浜町1丁目3番18号 株式会社神戸製鋼所神戸本社内 (72)発明者 高橋 徹 兵庫県神戸市中央区脇浜町1丁目3番18号 株式会社神戸製鋼所神戸本社内 (72)発明者 高門 祐三 愛知県豊橋市三弥町字元屋敷150 神鋼電 機株式会社豊橋製作所内 (72)発明者 井上 堅治 三重県伊勢市竹ヶ鼻町100 神鋼電機株式 会社伊勢製作所内

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】モータの回転軸の回転に応じて出力される
    パルス信号のカウント値に基づいて前記モータの電気角
    の検出を行う方法であって、 前記モータの磁極位置を検出するための磁極位置検出器
    を設けておき、前記磁極位置検出器の出力信号に基づい
    て前記モータの電気角範囲を検出し、 前記カウント値に基づく電気角が前記電気角範囲に入っ
    ている場合に、前記カウント値に基づく電気角を出力
    し、 前記カウント値に基づく電気角が前記電気角範囲に入っ
    ていない場合に、前記カウント値に基づく電気角に対し
    て前記電気角範囲内の値となるように補正を加えた補正
    電気角を出力する、 ことを特徴とするモータの電気角検出方法。
  2. 【請求項2】前記電気角範囲は、前記磁極位置検出器の
    個数及び配置位置に基づいて区分された範囲に対して、
    その上限及び下限に一定の余裕範囲を加えた範囲に広げ
    られていることを特徴とする請求項1記載のモータの電
    気角検出方法。
  3. 【請求項3】前記補正電気角を前記電気角範囲の中央値
    とすることを特徴とする請求項1又は請求項2記載のモ
    ータの電気角検出方法。
  4. 【請求項4】前記補正電気角を、前記電気角範囲内の値
    であって前記カウント値に基づく電気角に最も近い値と
    することを特徴とする請求項1又は請求項2記載のモー
    タの電気角検出方法。
  5. 【請求項5】モータの回転軸の回転に応じて出力される
    パルス信号のカウント値に基づいて前記モータの電気角
    の検出を行う方法であって、 前記モータの磁極位置を検出するための磁極位置検出器
    を設けておき、前記磁極位置検出器の出力信号に基づい
    て前記モータの電気角範囲を検出し、 前記カウント値に基づく電気角が前記電気角範囲の上限
    又は下限に達した場合に、前記カウント値を増大又は減
    少させないようにして前記電気角が前記電気角範囲内の
    値となるように補正することを特徴とするモータの電気
    角検出方法。
  6. 【請求項6】前記電気角範囲は、前記磁極位置検出器の
    個数及び配置位置に基づいて区分された範囲に対して、
    その上限及び下限に一定の余裕範囲を加えた範囲に広げ
    られていることを特徴とする請求項5記載のモータの電
    気角検出方法。
  7. 【請求項7】前記カウント値に基づく電気角は、前記モ
    ータの電気角の単位周期に対して出力されるパルス信号
    の個数に応じて正規化されていることを特徴とする請求
    項1乃至請求項6のいずれかに記載のモータの電気角検
    出方法。
  8. 【請求項8】スイッチング素子からなるインバータ部
    と、 モータの回転軸の回転に応じて出力されるパルス信号及
    び前記モータに設けられた磁極位置検出器からの出力信
    号に基づいて前記モータの電気角を検出するとともに、
    前記パルス信号のカウント値に基づく電気角が磁極位置
    検出器からの出力信号に基づく電気角範囲に入っていな
    い場合に前記カウント値に基づく電気角に対して前記電
    気角範囲内の値となるように補正を行う電気角検出部
    と、 前記電気角に応じた三角関数値を出力する三角関数発生
    部と、 前記モータの相電流及び前記三角関数発生部からの三角
    関数値に基づいてd軸電流成分及びq軸電流成分を演算
    する3/2相変換部と、 d軸電流指令Idc及びq軸電流指令Iqcと前記3/
    2相変換部からのd軸電流成分及びq軸電流成分とに基
    づいて、これらの偏差を零にするためのd軸電圧指令及
    びq軸電圧指令を出力する電流制御部と、 前記電流制御部から出力されるd軸電圧指令及びq軸電
    圧指令並びに前記三角関数発生部からの三角関数値に基
    づいて各相の電圧指令を演算する2/3相変換部と、 を有してなることを特徴とするインバータ。
  9. 【請求項9】前記三角関数発生部は、テイラー展開によ
    って三角関数値を出力するテイラー展開級数演算器を有
    してなることを特徴とする請求項8記載のインバータ。
JP5125837A 1993-05-27 1993-05-27 モータの電気角検出方法及びインバータ Pending JPH06339296A (ja)

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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR970072637A (ko) * 1996-04-30 1997-11-07 유상부 엔코더 잡음에 의한 크레인 동작중지 방지를 위한 벡터 드라이버 구동방법
JP2006005915A (ja) * 2004-05-18 2006-01-05 Rohm Co Ltd 三角関数波生成回路、およびそれを用いたdtmf信号生成回路、音信号生成回路、ならびに通信装置
CN108426588A (zh) * 2017-02-14 2018-08-21 日本电产三协株式会社 旋转编码器及其绝对角度位置检测方法

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