JPH0633904U - 生理用ショーツ - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 生理用ナプキンの位置ずれやそれに原因する
漏れ等を適切に防止することができると共に、使用時に
おける蒸れ等の不快感等も解消できて、快適且つ便利な
使用が図れる生理用ショーツを提供する。 【構成】 ショーツ本体１の内面側所定部位に生理用ナ
プキン２が一体的に備えられた構成である。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、女性用下着としての生理用ショーツ（サニタリーショーツ）に関す る。

【０００２】

【従来の技術】

従来の生理用ショーツは、何れのものも生理用ショーツとは別に準備された生 理用ナプキンをその内面側に両面接着テープ等で貼着させる等して使用させるよ うに構成されていたに過ぎないものであった。 そして、このような従来の生理用ショーツでは、その使用時に生理用ナプキン の位置ずれが生じないように、その材質として伸縮性に富む合成繊維等を使用す る等してショーツが出来る限り使用者の身体に密着するように配慮されていた。 また、従来では、生理用ナプキンの位置ずれ等に原因する外部への漏れ等を防止 する等の観点から、ショーツの比較的な広範囲な部位に防水布を使用する等して 全体の防水性も高めるように構成されていたのが実情であった。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】

しかしながら、上記従来の生理用ショーツでは、生理用ショーツとは別個に準 備された生理用ナプキンを接着テープ等を利用して装着使用させるものであるた め、使用時における生理用ナプキンの位置ずれを完全に解消させることは困難で あった。 また、従来のものでは、その全体が防水性を具備するように構成されているた め、通気性が悪く、蒸れ等を生じ易い等の理由により、その着用に際しては不快 感が伴う如き難点もあった。 更に、従来のものでは、生理用ショーツとは別に生理用ナプキンを準備する必 要があるため、旅行等を行う際にはそれらの荷物が嵩張り不便である他、生理用 ショーツの使用後にあっては洗濯を行って繰り返し使用するものであるため、そ の手間も面倒となる等の難点もあった。 尚、従来では、ショーツの洗濯の手間を省くことができるものとして、紙製の 使い捨てショーツも開発されているが、この従来の紙製ショーツでは、やはり生 理用ナプキンの位置ずれ等を図ることができないばかりか、生理用ナプキンが位 置ずれした場合の漏れ防止効果等は期待できず、生理用ショーツとしては到底使 用できるものではない。

【０００４】 本考案は上記の点に鑑みて提案されたもので、生理用ナプキンの位置ずれやそ れに原因する漏れ等を適切に防止することができると共に、使用時における蒸れ 等の不快感等も解消できて、快適且つ便利な使用が図れる生理用ショーツを提供 することを、その目的としている。

【０００５】

【課題を解決するための手段】

本考案は、生理用ショーツに対して生理用ナプキンを一体化させることにより 生理用ナプキンの位置ずれを解消し、かかる生理用ショーツを使い捨てにすると いう全く新規な発想の下に考案されたものである。 即ち、請求項１に記載の本考案に係る生理用ショーツは、ショーツ本体の内面 側所定部位に生理用ナプキンが一体的に備えられた構成である。

【０００６】 上記請求項１の構成におけるショーツ本体としては、請求項２に記載の通り、 紙製のものが適用できる。 また、請求項１の構成における生理用ナプキンの具体例としては、請求項３に 記載の通り、ショーツ本体の内面側に接着剤による接着又は逢着により固定して 設けられたものが適用される。 生理用ナプキンの他の態様としては、請求項４に記載の通り、その表面部を天 然繊維素材で形成されたものも適用可能である。

【０００７】 更に、請求項５に記載の本考案に係る生理用ショーツは、上記請求項１の構成 において、ショーツ本体の前面部と両側面部との相互間が分断されていると共に 、該ショーツ本体の分断された前面部と両側面部との少なくとも何れか一方には 、該前面部を両側面部に対して着脱自在とするための接続手段が設けられた構成 である。

【０００８】

【作用】

上記構成を特徴とする請求項１に記載の本考案に係る生理用ショーツにおいて は、ショーツ本体に対して生理用ナプキンが一体的に備えられていることにより 、生理用ショーツとは別に生理用ナプキンを準備する必要がないことは勿論のこ と、その着用使用時に生理用ナプキンが不当な位置ずれするようなことはなく、 またかかる位置ずれに原因する漏れも生じないこととなる。 また、かかる生理用ナプキンの位置ずれに原因する漏れの解消により、ショー ツ本体の全体に防水性等を具備させる必要がなく、ショーツ本体の材質として通 気性が優れたものを適用でき、着用時における不快性を減少させることができる 。

【０００９】 請求項２に記載の本考案に係る生理用ショーツにおいては、ショーツ本体が紙 製であることにより、その製造コストを非常に安価にでき、使い捨てに好適とな る。

【００１０】 請求項５に記載の本考案に係る生理用ショーツにおいては、ショーツ本体の前 面部を両側面部から離脱させてショーツ本体の前面部を開放させることができる から、生理用ショーツの着用及びその脱衣に際しては、ショーツ本体に両脚を通 す必要がなくなる。 即ち、ショーツ本体の前面部を開放させた状態でショーツ本体を腰部の後側（ 臀部側）にあてがい、その後ショーツ本体の前面部を両側面部に対して元の通り に接着させれば、ショーツ本体に両脚を通すことなくその着用が行える。 従って、病気又は怪我等により床上に仰臥したままの者であっても、生理用シ ョーツの脱着衣が容易に行えることとなる。

【００１１】

【実施例】 以下、本考案の一実施例について図面を参照して説明する。 図１は本考案に係る生理用ショーツＳの正面図、図２は図１のＸ−Ｘ線断面図 である。 この生理用ショーツＳは、紙製のショーツ本体１の内面側の一部に、生理用ナ プキン２が一体的に固定して設けられて構成されている。 ここで、ショーツ本体１の材質としては通気性を具備すると共に、吸汗性に優 れ且つ多少の吸汗や吸水等によっては容易に破れ等を生じ難い紙素材が適用され ている。尚、ショーツ本体１は、一重の紙繊維で形成されるに限らず、二重又は 三重以上で紙繊維が積層された素材で形成されていてもよい。また、ショーツ本 体１の表面には、要望に応じ適当な模様を印刷することが可能であるが、かかる 印刷は紙への印刷であるから、非常に容易である。 更に、ショーツ本体１は、好ましくは所望の立体形状となるように立体裁断さ れて形成され、その上端縁部１ａにはウエストギャザーが、更に二つの脚挿通用 の孔部１ｂ、１ｂの周縁部１ｃ、１ｃにはサイドガードとして機能するギャザー が施されている。また、生理用ナプキン２が設けられる股幅部１ｄは幅広状に形 成されている。

【００１２】 ショーツ本体１は、二つの脚挿通用の孔部１ｂ、１ｂの上端からその上方のシ ョーツ本体１の上端縁部１ａに亘って分断され、ショーツ本体１の前面部１０と 両側面部１１、１１とは、図３に示すように互いに離反できるように形成されて いる。 尚、両側面部１１、１１の各端縁部には、リボン状等の所望形状に形成された 接着用テープ３、３が設けられているが、これらの接着用テープ３、３はショー ツ本体１の前面部１０を両側面部１１、１１に対して接着させて、ショーツ本体 １を通常のショーツと同様なループ状に形成維持させるためのものである。接着 用テープ３、３が接着される前面部１０の両端側表面部１０ａ、１０ａには、接 着用テープ３、３との複数回に亙る着脱を可能とするための処理、例えばシリコ ン処理等が施されている。

【００１３】 生理用ナプキン２は、ショーツ本体１の前面部１０の内面側から後部側の内面 側の一定範囲に亘って設けられている。 この生理用ナプキン２としては従来既存のものをそのまま適用することが可能 であるが、その具体例としては、例えば図４に示すように、天然繊維で構成され たドライメッシュ（登録商標）の生地２ａ、防臭素材２ｂ、防水繊維２ｃ、薄く プレスされた綿生地２ｄ、漏れ防止用の化学繊維生地２ｅ等から構成されたもの が適用される。最表面部のドライメッシュ生地２ａが天然繊維で構成されている のは、この部位が直接使用者の皮膚に接触するため、肌荒れ、かぶれ等の防止に 好ましいからである。 尚、かかる生理用ナプキン２は、ショーツ本体１を構成する紙素材に対し、そ の全面又は略全面が接着剤等を対して接着され、又は縫着させる等して固定され て、ショーツ本体１に対して一体的に設けられている。

【００１４】 次に、上記構成の生理用ショーツＳの使用例、作用について説明する。 先ず、その着用に際しては、通常のショーツと同様に二つの脚挿通用の孔部１ ｂ、１ｂに両脚を挿通させて着用してもよいが、図３に示すように、ショーツ本 体１の前面部１０を両側面部１１、１１から離反させてもよい。 かかる図３に示すような態様にすれば、脚挿通用の孔部１ｂ、１ｂに両脚を挿 通させる必要がなく、病気や怪我で仰臥したままの者であっても、おむつと同様 な方法で生理用ショーツＳを身にまとい、その後接着用テープ３、３を利用して 前面部１０を元通りに両側面部１１、１１に対して接着させれば、容易に着用す ることができる。

【００１５】 次いで、その着用時にあっては、生理用ナプキン２がショーツ本体１に対して 一体的に設けられ固定されているから、激しい運動等を行っても不用意に位置ず れを生じるようなことはなく、安心した使用が行える。 また、ショーツ本体１は通気性を備えた紙製であるから、蒸れ等を生じるよう な不快感もない。 そして、上記使用後にあっては、生理用ショーツＳをそのまま破棄すればよい 。生理用ナプキン２のみを個別に処理する手間が不要であり、その廃棄処理は容 易である。 また、生理用ショーツＳを構成するショーツ本体１は安価な紙製であるから、 生理用ショーツＳの製造、販売コストは廉価にでき、使い捨てを行っても使用者 の経済的負担は小さく、経済的である。

【００１６】 尚、上記実施例では、ショーツ本体１を紙製とした場合について説明したが（ 請求項２に対応）、請求項１に記載の本考案は決してこれに限定されない。製造 コスト等の経済性では紙製にすることが好ましいが、ショーツ本体１を例えば布 製にしても何ら構わない。 また、上記実施例では、ショーツ本体１の前面部１０が両側面部１１、１１に 対して着脱できるように構成した場合を一例として説明したが（請求項４に対応 ）、請求項１に記載の本考案ではやはりかかる構成は必須要件ではない。 例えば図５、図６に示すように、一般のショーツと同様に前面部１０が開放し ないタイプの構造にしても何ら構わない。 また、生理用ショーツとしては、臀部に相当する部位を広面積にすることが好 ましいが、必ずしもこれに限定されず、例えば図７、図８に示すようにショーツ 本体１の後側を細幅とし、ファッション性を高めてもよい。 尚、図５乃至図８に示す符号部位は、図１乃至図４で示した同一符号部位と同 一箇所を示している。

【００１７】

【考案の効果】

以上の説明から理解されるように、請求項１乃至５に記載の本考案に係る生理 用ショーツによれば、ショーツ本体に生理用ナプキンが一体的に備えられている ために、生理用ナプキンを別途準備する手間が不要となるばかりか、使用中に生 理用ナプキンが不当に位置ずれするようなことを確実に防止することができて、 不当な漏れ等を解消させることができるという格別な効果が得られる。 しかも、従来とは異なり、ショーツ本体に通気性を具備させることができるか ら、使用時における不快感も無くすることができて、快適な使用が行えるという 効果も得られる。

【００１８】 特に、請求項２によれば、ショーツ本体を製造コストを安価にできる紙製とし たために、生理用ショーツを使い捨てにする場合における経済性に優れる利点が 得られる。 尚、かかる使い捨てにより、使用終了後の処理も容易となり、その取扱いが衛 生的で且つ非常に便利となる利点も得られる。

【００１９】 また、請求項５に記載の本考案によれば、生理用ショーツに両脚を通す必要が なく、病気等によって寝たきりの者であっても容易な脱着衣が行え、一層便利で ある。 また、請求項４に記載の本考案によれば、使用者の肌に直接接触する部分が天 然繊維で構成されていることにより、肌荒れやかぶれ等をも適切に抑制でき、一 層快適な使用が行える利点が得られる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案に係る生理用ショーツの一例を示す正面
図。

【図２】図１のＸ−Ｘ線断面図。

【図３】図１に示す生理用ショーツの前面部を両側面部
から離脱させた状態の斜視図。

【図４】図１に示す生理用ショーツに使用されている生
理用ナプキンの一例を示す拡大断面図。

【図５】本考案に係る生理用ショーツの他の例を示す正
面図。

【図６】図５に示す生理用ショーツの背面図。

【図７】本考案に係る生理用ショーツの他の例を示す正
面図。

【図８】図７に示す生理用ショーツの背面図。

【符号の説明】

１ ショーツ本体 ２ 生理用ナプキン ３ 接着用テープ １０ 前面部 １１ 両側面部 Ｓ 生理用ショーツ

Claims (5)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】ショーツ本体の内面側所定部位に生理用ナ
   プキンが一体的に備えられていることを特徴とする生理
   用ショーツ。
2. 【請求項２】請求項１において、前記ショーツ本体が紙
   製である生理用ショーツ。
3. 【請求項３】請求項１又は２において、前記生理用ナプ
   キンが、ショーツ本体の内面側に接着剤による接着又は
   逢着により固定して設けられたものである生理用ショー
   ツ。
4. 【請求項４】請求項１乃至３の何れかにおいて、前記生
   理用ナプキンが、その表面部を天然繊維素材で形成され
   たものである生理用ショーツ。
5. 【請求項５】請求項１乃至４の何れかの請求項におい
   て、ショーツ本体の前面部と両側面部との相互間が分断
   されていると共に、該ショーツ本体の分断された前面部
   と両側面部との少なくとも何れか一方には、該前面部を
   両側面部に対して着脱自在とするための接続手段が設け
   られていることを特徴とする生理用ショーツ。