JPH0633860U - 枚葉印刷機の排紙横寄せ装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 吸引車が横寄せ装置に接触して互いの部品が
破損することを防止する。 【構成】 吸引車１２は、紙１０の天地方向のサイズの
大小に合わせてＡＢ方向に移動調整可能となっている。
紙１０の幅方向を備える一対の横寄せ板２０は駆動ロッ
ド２１によって紙の幅に合わせてＣＤ方向に移動調整可
能となっている。そして、吸引車１２側には、接触を検
出するリミットスイッチ１８が取付けられ、横寄せ板２
０側には、検出レバー２３が取付けられている。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、枚葉印刷機において、排紙チェーンのくわえから解放されて落下積 載される紙の側端を揃える排紙横寄せ装置に関する。

【０００２】

【従来の技術】

枚葉印刷機の排紙部においては、印刷ユニットで印刷された紙は、排紙チェー ンの走行とともにその紙くわえ装置にくわえられて搬送され、搬送終端部におい て紙くわえ装置のくわえから解放されて紙積台上に落下積載される。そして、こ の紙積台の入口には、紙をエアーにより吸引し紙の搬送速度を減速して紙を天地 方向で揃える機能を有する吸引車が配設されている。この吸引車は、紙のサイズ によって天地方向に移動自在となっており、その移動は、モータを駆動源として 自動化されている。 また、落下した紙の先端を当接させる紙当てが配設され、この紙当てと吸引車 の間に紙の幅方向を揃えるために、幅方向に微動の揺動動作を行ない、かつ紙の 幅方向のサイズに応じて移動調整可能な一対の横寄せ装置が設けられている。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】

上述した従来の枚葉印刷機においては、横寄せ装置が紙の天地方向に対して一 旦設定されると固定状態となる構造を有しており、このため、サイズが最大の紙 に合わせて横寄せ装置を設定した場合、次にサイズの小さい紙を排紙するような 場合、横寄せ装置を設定し忘れて、吸引車が自動的にサイズの小さい紙に合わせ て紙の天地方向の中央側に移動すると、吸引車が横寄せ装置に衝突して、吸引車 と横寄せ装置との互いの部品が破損するといった問題が発生していた。

【０００４】 したがって、本考案は、上記したような従来の問題に鑑みてなされたものであ り、その目的とするところは、吸引車が横寄せ装置に接触して互いの部品が破損 することを防止した枚葉印刷機の排紙横寄せ装置を提供することにある。

【０００５】

【課題を解決するための手段】

この目的を達成するために、本考案に係る枚葉印刷機の排紙横寄せ装置は、排 紙横寄せ部材と吸引車とのどちらか一方に他方を検出する検出手段を設ける。

【０００６】

【作用】

本考案によれば、接触を検出する検出手段により吸引車の移動が停止して横寄 せ部材との接触が回避される。

【０００７】

【実施例】

以下、本考案の実施例を図に基づいて説明する。図１は本考案に係る枚葉印刷 機の排紙装置の構造を示し、（ａ）は正面図、（ｂ）は平面図、図２は同じく横 寄せ装置を示し、（ａ）は平面図、（ｂ）は正面図である。 これらの図において、符号１で示すものは、枚葉印刷機の排紙装置で、この排 紙装置１の左右のフレーム２に軸支されたスプロケット軸３ａ、４ａには、それ ぞれ左右一対づつのスプロケット３、４が軸着されている。これらのスプロケッ ト３、４と図示しない印刷装置側のスプロケットとの間には左右一対の排紙チェ ーン７が張架されている。左右の排紙チェーン７には、一定間隔を有する図示し ない周知の紙くわえ装置が設けられており、この紙くわえ装置によって印刷され た紙が搬送され、搬送終端部において紙は紙くわえ装置から解放される。

【０００８】 排紙チェーン７の搬送終端部下方には、上下に昇降自在な紙積台９が設けられ ており、この紙積台９上には、排紙チェーン７に設けられた図示しない紙くわえ 装置から解放された紙１０が積載される。１１は落下する紙１０の前端を当接さ せて揃える紙当て、１２は落下前の紙尻部をエアー孔１２ａからのエアーによっ て吸引し、紙１０の搬送されてきた速度を減速して紙１０の姿勢を安定させる吸 引車である。

【０００９】 この吸引車１２には、カバー１３が被せられており、軸１２ｂが摺動ブロック １５に横架されている。摺動ブロック１５には、シャフト１６が遊挿され、摺動 ブロック１５は、図示しない駆動手段によってシャフト１６に対してＡＢ方向に 摺動自在に移動できるようになっており、吸引車１２は紙１０の天地方向のサイ ズによって、自動的に、あるいは操作者の紙サイズの入力によって作動する図示 しない制御装置によって矢印ＡＢ方向に移動自在となっている。すなわち、サイ ズが小なる紙の場合には、矢印Ｂ方向に、またサイズが大なる紙の場合には、矢 印Ａ方向に移動して、紙のサイズに無関係に紙１０の姿勢を安定させている。

【００１０】 摺動ブロック１５の側面先端には、他の部材に接触すると動作する作動子１８ ａを有するリミットスイッチ１８が取付けられている。このリミットスイッチ１ ８のＣＤ方向の取付け位置は、後述する横寄せ板２０が最大幅の紙に対応して図 中矢印Ｃ方向に移動した位置に対応している。

【００１１】 ２０は、紙積台９に積載された紙１０の両側端に配設された正面視櫛歯状を呈 する一対の横寄せ板で、駆動ロッド２１の一端が取付板２２を介して固定されて いる。駆動ロッド２１は、図示しない駆動手段によって図中矢印ＣＤ方向に移動 自在に駆動され、したがって、横寄せ板２０もＣＤ方向に移動自在となっており 、紙１０の幅に合わせて横寄せ板２０間の間隔が調整自在となっている。また、 駆動ロッド２１はＣＤ方向に微動の揺動動作が行われるようになっており、横寄 せ板２０も同様に微動の揺動動作が行われ、これによって、紙１０の幅方向の揃 えが行われるようになっている。

【００１２】 この横寄せ板２０は、紙１０の天地方向のサイズに応じて、ＡＢ方向に移動さ せてその位置を固定することによって、ＡＢ方向の位置が設定される。さらに、 横寄せ板２０の先端には、駆動ロッド２１と平行に延在する検出用バー２３が取 付けられている。この検出用バー２３は、最小幅の紙１０を横寄せする位置、す なわち、図２（ａ）中実線で示した位置にあるときに、先端部が前記リミットス イッチ１８に対応するような長さを有している。

【００１３】 このような構成において、以下に動作を説明する。 幅方向のサイズが小で、かつ天地方向のサイズが大の紙に対応する場合には、 横寄せ板２０をＡ方向に移動させ固定して設定し、駆動ロッド２１をＤ方向に駆 動して図２（ａ）中、２０１で示す二点鎖線の位置となるようにして、横寄せ板 ２０間の間隔を狭める。吸引車１２は紙の天地方向のサイズに合わせて自動的に 矢印Ａ方向に移動する。排紙が終了して、次に、幅方向のサイズは同一で、天地 方向のサイズが小の紙を排紙しようとして、横寄せ板２０をＢ方向に設定し直す のを忘れた場合には、吸引車１２が紙のサイズに合わせて自動的にＢ方向に移動 して吸引車１２が横寄せ板２０に接触する前に、リミットスイッチ１８の作動子 １８ａが検出用バー２３の先端部に接触して動作する。

【００１４】 リミットスイッチ１８によって検出用バー２３との接触が検出されると、その 検出信号が図示しない警報手段、たとえばブザー等に送出され、ブザーを鳴動さ せることにより操作をしている者に、吸引車１２が横寄せ板２０に近接したこと を知らせる。同時に、検出信号は吸引車１２の駆動モータに送出されて、モータ を停止させ、吸引車１２が横寄せ板２０に接触して互いの部品が損傷するのを防 止する。

【００１５】 次に、幅方向のサイズが大で、かつ天地方向のサイズが大の紙に対応する場合 には、横寄せ板２０をＡ方向に移動させ固定してして設定し、駆動ロッド２１を Ｃ方向に駆動して図２（ａ）中２０２で示す二点鎖線の位置となるようして、横 寄せ板２０間の間隔を拡げる。吸引車１２は紙の天地方向のサイズに合わせて自 動的に矢印Ａ方向に移動する。この状態においても、検出用バー２３の根本部が リミットスイッチ１８に対応しているので、排紙が終了して、次に、幅方向のサ イズは同一で、天地方向のサイズが小の紙を排紙しようとして、横寄せ板２０を Ｂ方向に設定し直すの忘れ、吸引車１２が紙のサイズに合わせて自動的にＢ方向 に移動しても、吸引車１２が横寄せ板２０に接触する前に、リミットスイッチ１ ８の作動子１８ａが検出用バー２３に接触して動作するので、前述したのと同様 に、吸引車１２が横寄せ板２０に接触して互いの部品が損傷するのを防止する。

【００１６】 また、リミットスイッチ１８は、単に吸引車１２と横寄せ板２０との接触を回 避するためのものだけでなく、横寄せ板２０の天地方向の設定位置を紙のサイズ にあった適正な位置とする調整機能も併せもつ。すなわち、吸引車１２の位置を 制御する制御手段に、吸引車１２の位置以外に、あらかじめ横寄せ板２０の設定 位置も記憶させておき、この横寄せ板２０の設定位置に吸引車１２を移動させて リミットスイッチ１８の作動、非作動により、横寄せ板２０の適性位置を確認す ることが可能となる。

【００１７】 なお、本実施例では、吸引車１２側にリミットスイッチ１８を取付けたが、横 寄せ板２０側に取付けることもでき、適宜選択可能であることはいうまでのない ことである。また、リミットスイッチ１８も、近接スイッチや吸引車１２と横寄 せ板２０との距離を測定するセンサを設け、吸引車１２と横寄せ板２０とが近接 するとスイッチを動作させたり、両者がある設定距離に近づくとスイッチが動作 するようにしても良いことは勿論である。

【００１８】

【考案の効果】

以上説明したように、本考案によれば、排紙横寄せ部材と吸引車とのどちらか 一方に他方を検出する検出手段を設けたので、吸引車が排紙横寄せ部材に接触す る前に、これを検出することができ、このことを操作者に知らせることができる とともに、吸引車を停止させることがきるので、吸引車が排紙横寄せ部材に接触 して、互いの部品の損傷を防止できる。また、あらかじめ、吸引車の位置を制御 する制御手段に、横寄せ板の設定位置も記憶させておくことにより、横寄せ板の 天地方向の設定位置を紙のサイズにあった適正な位置とする調整、確認も可能と なる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案に係る枚葉印刷機の排紙装置を示し、
（ａ）は正面図、（ｂ）は平面図である。

【図２】本考案に係る枚葉印刷機の排紙横寄せ装置を示
し、（ａ）は平面図、（ｂ）は正面図である。

【符号の説明】

９ 紙積台 １０ 紙 １２ 吸引車 １８ リミットスイッチ ２０ 横寄せ板 ２１ 駆動ロッド ２３ 検出用バー

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 紙を吸引して減速し紙積台に落下させる
   吸引車と、落下した紙の幅方向の動きを規制して紙の幅
   方向を揃える排紙横寄せ部材とを備え、前記吸引車を紙
   の天地方向に移動自在とした枚葉印刷機において、排紙
   横寄せ部材と吸引車とのどちらか一方に他方を検出する
   検出手段を設けたことを特徴とする枚葉印刷機の排紙横
   寄せ装置。