JPH06337006A - 流体圧シリンダのクッション装置 - Google Patents

流体圧シリンダのクッション装置

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JPH06337006A
JPH06337006A JP1823994A JP1823994A JPH06337006A JP H06337006 A JPH06337006 A JP H06337006A JP 1823994 A JP1823994 A JP 1823994A JP 1823994 A JP1823994 A JP 1823994A JP H06337006 A JPH06337006 A JP H06337006A
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JP
Japan
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cushion
plunger
cylinder
fluid
piston
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JP1823994A
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Kazuo Kuroshima
一雄 黒島
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Nabco Ltd
Original Assignee
Nabco Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 主として流体圧作動式エレベータの駆動源と
して使用される流体圧シリンダにおいて、建造物への取
付性や施工性の向上を図ると共に、流体給排用の配管構
造並びに配管工事の簡素化や配管の短尺化を図る。 【構成】 シリンダ体2の上端部にリングシリンダ15を
取り付け、このリングシリンダ15の内孔16にプランジャ
4が貫通するクッションピストン17を上下動可能に挿入
し、このクッションピストン17をバネ19により下方に付
勢し、プランジャ4の下端部にクッションピストン17に
当接可能な鍔部14を形成し、リングシリンダ15の上端部
にクッションピストン17の上動を規制するストッパ18を
固定し、このストッパ18とクッションピストン17との間
にクッション室22を形成し、リングシリンダ15にプラン
ジャ4が上端部まで上動した時点でクッション室22の流
体を絞り25を介して圧力室6に流出させる流体制御通路
23a,23b,23c を形成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、流体圧シリンダのクッ
ション装置に係り、詳しくは、流体圧シリンダのプラン
ジャが往動側の端部位置に達した時点でその移動を減衰
させてクッション作用(緩衝作用)を行わせるための技
術に関する。
【0002】
【従来の技術】近年においては、油圧シリンダ等の流体
圧シリンダの作動に関して、そのシリンダ体に挿入され
ているプランジャが流体圧の作用により往動側の端部位
置に達した時点でその移動速度を減衰させて停止時にお
ける衝撃を緩和させる必要性が生じるに至っている。
【0003】このような要請の顕著な例として、油圧作
動式エレベータの昇降用駆動源として使用される油圧シ
リンダが挙げられる。この種の油圧シリンダは、そのシ
リンダ体を床面等に立設固定し、油圧の作用によりプラ
ンジャを上下動させてエレベータを昇降させるものであ
り、エレベータが上昇して上動端に達した場合にはその
急停止による衝撃を適度に回避せねばならない。
【0004】このため従来においては、建造物の天井に
バネ(電車のクッションバネ程度の大きさのバネ)を取
付け、このバネの緩衝作用によりエレベータの上動端停
止時における衝撃を緩和させるといった手法が採用され
ていた。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記例
示のようにバネを用いて緩衝作用を行わせる手法によれ
ば、バネの重量が大きいために天井への施工が困難にな
ると共に、天井にこのバネの重量に耐え得る強度を持た
せねばならなくなり、このためエレベータの設置箇所周
辺における天井の構造に別途設計変更等を加える必要性
が生じ、建造物側の設計施工に大きな負担を強いられる
ことになる。
【0006】尚、このような問題に対処するため、本出
願人は、油圧シリンダ側にクッション機能を持たせるこ
とを提案するに至った。これに対応する従来例として
は、例えば実開昭64-24706号公報に開示された油圧シリ
ンダを挙げることができる。この油圧シリンダは、図6
に示すように、シリンダ体53の内孔54に小径のピストン
ロッド55を有するピストン56を摺動自在に嵌合して、こ
のピストン56により前記内孔54をロッド側室54a と反ロ
ッド側室54b とに区画すると共に、前記シリンダ体53の
ピストンロッド往動側(突出動側)の端部に筒状のスペ
ーサ57を固定し、このスペーサ57内に中空のスプール58
を往復動可能に挿入し、このスプール58をバネ59により
ピストンロッド復動側(後退動側)に付勢したものであ
る。
【0007】しかしながら、上記公報に開示の油圧シリ
ンダは、シリンダ体53の内孔54がピストン56によりロッ
ド側室54a と反ロッド側室54b とに完全に区画されてい
る関係上、油圧源Aから反ロッド側室54b つまり圧力室
に対してのみ駆動用の作動油を給排させる配管60と、タ
ンクTからロッド側室54a に対してのみクッション用の
作動油を給排させる配管61が必要になり、配管構造や配
管工事の煩雑化を招くことになる。
【0008】加えて、この油圧シリンダを上下方向に立
設配置した場合には、ロッド側室54a の配管61をシリン
ダ体53の上端部に接続せねばならず、しかもタンクTを
この上端部近傍に配置することはその取付箇所や施工に
支障を来すことに起因して、タンクTを下方の床面等に
設置するのが通例であることに鑑みれば、シリンダ体53
の上端部からタンクTに至る長尺な配管61が必要にな
り、このため配管61に大きな振動が生じる等の不具合を
招く。このような問題は、上記例示のエレベータ用の油
圧シリンダにおいては、シリンダ体の全長が極めて長尺
(例えば10数メートル) であるため、一層顕著になる。
【0009】本発明は、上記事情に鑑みてなされたもの
であり、建造物等への取付性や施工性に優れ、しかも流
体給排用の配管構造及び配管工事の簡素化や配管の短尺
化を図ることが可能な流体圧シリンダのクッション装置
を提供することを技術的課題とするものである。
【0010】
【課題を解決するための手段】請求項1記載の流体圧シ
リンダのクッション装置の特徴は、シリンダ体と、この
シリンダ体の内孔に往復動可能に挿入されたプランジャ
とを有し、前記シリンダ体の内孔に形成される圧力室に
対して流体を給排することにより前記プランジャを駆動
させるように構成した流体圧シリンダのクッション装置
において、前記シリンダ体におけるプランジャ往動側の
端部に取付けられたリングシリンダと、このリングシリ
ンダの内孔に往復動可能に挿入されて前記プランジャの
外周面側に配置され且つバネ手段によりプランジャ復動
側に付勢されたクッションピストンと、前記プランジャ
の復動側の端部に形成されてその往動時に前記クッショ
ンピストンに当接可能とされた鍔部と、前記リングシリ
ンダに対して固定状態とされて前記クッションピストン
の往動を規制するストッパと、前記リングシリンダの内
孔とプランジャの外周面とクッションピストンとストッ
パとの間に形成されるクッション室と、前記プランジャ
の鍔部がクッションピストンに当接して往動する時に前
記クッション室の流体を絞りを介して圧力室に流出させ
る流体制御通路とを備えたところにある。
【0011】請求項2記載の流体圧シリンダのクッショ
ン装置の特徴は、シリンダ体と、このシリンダ体の内孔
に往復動可能に挿入されたプランジャとを有し、前記シ
リンダ体の内孔に形成される圧力室に対して流体を給排
することにより前記プランジャを駆動させるように構成
した流体圧シリンダのクッション装置において、前記シ
リンダ体におけるプランジャ往動側の端部に取付けられ
たリングシリンダと、このリングシリンダの内孔に往復
動可能に挿入されて前記プランジャの外周面側に配置さ
れ且つバネ手段によりプランジャ復動側に付勢されたク
ッションピストンと、前記プランジャの復動側の端部に
形成されてその往動時に前記クッションピストンに当接
可能とされた鍔部と、前記リングシリンダに対して固定
状態とされて前記クッションピストンの往動を規制する
ストッパと、前記リングシリンダの内孔とプランジャの
外周面とクッションピストンとストッパとの間に形成さ
れるクッション室と、前記プランジャの鍔部がクッショ
ンピストンに当接して往動する時に前記クッション室の
流体を圧力室に流出させる流出通路と、該流出通路に設
けられ前記圧力室の圧力を設定値に保持するリリーフ弁
とを備えたところにある。
【0012】
【作用】請求項1記載の流体圧シリンダのクッション装
置のによると、シリンダ体の内孔の圧力室に流体が供給
されることによりプランジャが往動(突出動)して往動
側の端部に達した場合には、当該端部のリングシリンダ
に挿入されているクッションピストンにプランジャの鍔
部が当接し、この後はプランジャがクッションピストン
と共に往動する。そして、このようにクッションピスト
ンが往動した場合には、クッションピストンとストッパ
との間の隙間ひいてはクッション室が狭くなり、これに
伴って流体がクッション室から流体制御通路を経て圧力
室に流出するが、この流体制御通路には絞りが設けられ
ているので、この絞りの作用による流体反力が、クッシ
ョン室を狭めようとしているクッションピストン及びこ
れに当接しているプランジャに作用し、この往動側の端
部において所望のクッション作用(衝撃緩和作用)が得
られる。
【0013】この場合、プランジャが往動側の端部に達
した時には、このプランジャの復動側(後退動側)の端
面と前記クッション室との間の離間寸法は極めて短くな
っており、これに伴ってプランジャの復動側の端面に流
体圧を作用させている圧力室と前記クッション室との間
の離間寸法も極めて短くなるものであるため、この両者
を連通させる前記流体制御通路は極めて短いもので済む
と共に、この流体制御通路用の配管を流体圧シリンダの
外部のタンクに接続させるといった事が不要になり、従
って流体圧シリンダの外方に存在する配管は、圧力室に
対して作動流体を給排するための配管のみとなる。
【0014】そして、上記のクッション作用によりプラ
ンジャの往動速度が減衰された後、クッションピストン
がストッパに当接することによりプランジャの往動が衝
撃を生じることなく阻止され、またこのような状態の下
で、前記圧力室から流体が排出された場合には、プラン
ジャが復動すると共に、クッションピストンもバネ部材
の付勢力により復動し、これによりクッション室が拡が
って前記圧力室の流体はクッション室内に逆流する。こ
の場合における流体のクッション室内への逆流は、プラ
ンジャの復動に伴って前記圧力室内の流体に作用する正
圧と、クッション室の拡がりによって発生する負圧との
いずれか一方または双方の作用によって行われる。
【0015】請求項2記載の流体圧シリンダのクッショ
ン装置は、請求項1記載の流体圧シリンダのクッション
装置と略同様の作用を奏するものであるため、異なる点
についてのみ説明し、その他を省略する。
【0016】すなわち、当該流体圧シリンダのクッショ
ン装置によると、シリンダ体の内孔の圧力室に流体が供
給されることによりプランジャが往動(突出動)して往
動側の端部に達した場合には、前述のようにクッション
室の容積が減少する。これによって流体がクッション室
内の圧力が上昇し、この圧力によりクッション室の容積
を減少しようとしているクッションピストン及びこれに
当接しているプランジャを復動方向へ押し戻そうとする
反力が発生する。そして、クッション室内の圧力がリリ
ーフ弁の設定値以上になると、クッション室から流体が
圧力室へ流出してクッション室内の圧力が設定値以下に
なり、更にプランジャが上昇してクッション室の容積が
減少すると、再びクッション室の圧力が上昇することに
なって、クッションピストン及びプランジャを復動方向
へ押し戻そうとする反力が発生する。
【0017】以上の動作をプランジャの上昇に伴って連
続的に繰り返すことにより、往動側の端部において所望
のクッション作用が得られる。また、リリーフ弁はバネ
等で付勢された弁により流路を開閉するものであるた
め、流体の粘性等の物理的変化によって動作が大きく影
響されることがない。また、リングシリンダに流体を導
通する導通経路等を形成加工し、更に絞り弁等を内蔵す
る等の煩雑な加工が必要がなく、製造が容易である。
【0018】
【実施例】以下、本発明に係る流体圧シリンダのクッシ
ョン装置の第1の実施例を、図1乃至図4に基づいて説
明する。尚、この実施例は、油圧シリンダのクッション
装置に本発明を適用したものである。
【0019】図1に示すように、油圧シリンダ1は、シ
リンダ体2の内孔3にプランジャ4を上下動可能(往復
動可能)に挿入すると共に、このシリンダ体2の下端部
に作動油給排手段5を接続したものである。この作動油
給排手段5は、シリンダ体2の内孔3に形成される圧力
室6とタンク7との間に介設されるものであって、駆動
源であるポンプ8や、配管9内における作動油供給用及
び排出用通路を適宜切り換えて前記プランジャ4の移動
方向変換を行う図外の切換弁等を有する。
【0020】前記プランジャ4の外周面10とシリンダ体
2の内孔3周面との間には隙間が設けられており、従っ
て、プランジャ4の外周面10とシリンダ体2の内孔3周
面との間、及びプランジャ4の下端面12とシリンダ体2
の内孔3底面との間が、前記圧力室6とされており、実
質的にはプランジャ4の下端面12に作用する油圧により
プランジャ4が駆動されるものである。
【0021】前記シリンダ体2の上端部(プランジャ往
動側の端部)には、クッション装置13が装備されている
と共に、プランジャ4の下端部(プランジャ復動側の端
部)には、その外周面10よりも大径の鍔部14が形成され
ており、この鍔部14が前記クッション装置13を連係作動
させる構成である。
【0022】図2に示すように、前記クッション装置13
は、シリンダ体2の上端部に固定されたリングシリンダ
15と、このリングシリンダ15の内孔16に上下動可能 (往
復動可能) に挿入されたリング状のクッションピストン
17と、このクッションピストン17の上動を規制するスト
ッパ18と、前記クッションピストン17とストッパ18との
間に介設されてクッションピストン17を下方に付勢する
バネ19とを有する。前記ストッパ18は、リングシリンダ
15と上端シリンダ20との間に介設された状態でこの両者
を締結するボルト21…21を用いて固定されている。
【0023】前記プランジャ4下端部における鍔部14の
上面14a は、クッションピストン17の下端面17a に当接
可能とされていると共に、このクッションピストン17の
上面部17b と、ストッパ18の下面部18b と、プランジャ
4の外周面10と、リングシリンダ15の内孔16とにより、
クッション室22が形成されており、このクッション室22
には作動油が充満されている。
【0024】前記リングシリンダ15の肉部には、前記ク
ッション室22から圧力室6に通じる流体制御通路23a,23
b,23c が穿設されており、この流体制御通路の下端開口
部23x は、図示のようにプランジャ4の鍔部14とクッシ
ョンピストン17とが当接していない状態の下では、クッ
ションピストン17により閉鎖されている。更に、前記リ
ングシリンダ15の肉部には、可変絞り機構24が配設され
ており、この可変絞り機構24は、ねじ棒25の先端の絞り
26を流体制御通路23a,23b 内に突出させたものであっ
て、ねじ棒25の回転操作に伴って絞り26の突出寸法を変
化させることにより、作動油の通過流量を変化させるも
のである。
【0025】前記上端シリンダ20, ストッパ18, 及びク
ッションピストン17のそれぞれの内孔20w,18w,17w と、
プランジャ4の外周面10との間には僅かな隙間が形成さ
れており、従ってプランジャ4は、前記ストッパ18の内
周側に取付けられた軸受28のみにより支持されている。
【0026】尚、この実施例においては、前記リングシ
リンダ15の肉部に、クッション室22と流体制御通路23b
とを連通する複数(図例では三本)の補助流体制御通路
29…29が穿設されており、クッションピストン17の上動
に伴ってこれらの補助流体制御通路29…29が順次閉鎖さ
れていくように配慮がなされている。また、前記ストッ
パ18の上端面と、上端シリンダ20に取付けられたシール
部材30との間には、補助油室31が形成され、且つ前記ス
トッパ18には、この補助油室31と前記クッション室22と
を連通するバイパス通路32が穿設されており、従ってプ
ランジャ4が上動する際にその外周面10に付着している
作動油は、前記補助油室31に流入すると同時にこの補助
油室31からバイパス通路32を経てクッション室22に流入
するようになっている。
【0027】以上の構成からなる油圧シリンダ1の使用
態様は、この実施例においては以下に示す通りである。
即ち、図3に示すように、この油圧シリンダ1は、油圧
作動式エレベータ40の昇降用駆動源として使用されるも
のであり、建造物の床面41にシリンダ体2を上下方向に
立設固定すると共に、プランジャ4の先端に滑車42を回
動可能に連結し、一端が建造物側 (床面41等) に連結さ
れ且つ他端がエレベータ40の箱体体43に連結されたワイ
ヤ等の可撓性条体44を前記滑車42に巻き掛けたものであ
る。そして、プランジャ4が上下動することにより、エ
レベータ40の箱体43はレール部材45,45 に沿って昇降す
るものである。
【0028】次に、上記実施例の作用を説明する。先
ず、シリンダ体2の下端に装備されている作動油給排手
段5の動作により圧力室6に作動油が供給された場合に
は、プランジャ4が上動してその上動端近傍に達した時
点で、図4(a)に示すようにプランジャ4下端部の鍔
部14がクッションピストン17に当接し、この後はプラン
ジャ4がクッションピストン17と共に上動する。
【0029】このようにクッションピストン17が上動す
ることにより、図4(b)に示すように流体制御通路の
下端開口部23x が開放されてクッション室22と圧力室6
とが流体制御通路23a,23b,23c を介して連通状態になる
と共に、クッション室22が狭くなり、これに伴って作動
油がクッション室22から流体制御通路23a,23b,23c を経
て圧力室6に流出する。この場合、流体制御通路23a,23
b に突出している絞り26の作用による流体反力が、クッ
ションピストン17及びプランジャ4に作用して、所望の
クッション作用が行われる。
【0030】そして、上記のクッション作用によりプラ
ンジャ4の上動速度が減衰された後は、図4(c)に示
すようにクッションピストン17がストッパ18に当接する
ことにより、プランジャ4は衝撃を生じることなく停止
する。この場合のクッション作用の大小の調整は、可変
絞り機構24のねじ棒25を回転操作することにより行われ
る。尚、プランジャ4の鍔部14がクッションピストン17
に当接してから、このクッションピストン17がストッパ
18に当接するまでの間においては、複数本の補助流体制
御通路29…29が順次クッションピストン17により閉鎖さ
れて、前記流体反力が段階的に増大することになるの
で、プランジャ4の上動速度は段階的に減衰されていく
ことになる。
【0031】この後、作動油給排手段5の動作により前
記圧力室6から作動油が排出された場合には、プランジ
ャ4が下動すると共にクッションピストン17もバネ19の
付勢力により下動し、クッションピストン17が下動端に
達した時点でプランジャ4の鍔部14がクッションピスト
ン17から離反して、プランジャ4のみが下動する。この
時、圧力室6にはプランジャ4の下動に伴う正圧が発生
すると同時に、クッション室22には拡がりによる負圧が
発生するので、圧力室6の作動流体は、クッションピス
トン17の内孔17w とプランジャ4の外周面10との間の隙
間を通過してクッション室22に逆流する。そして、プラ
ンジャ4が下動端に達した時点で、昇降動作が完了す
る。
【0032】前記プランジャ4は、リングシリンダ15の
上方のストッパ18に取付けられた軸受28に摺接してお
り、この摺接箇所のみがプランジャ4の支持点となる
が、このような構成としたことにより、プランジャ4に
揺れが生じても、このプランジャ4の鍔部14とクッショ
ンピストン17とが当接してさえいれば、クッションピス
トン17の上動により良好にクッション作用が得られるこ
とになり、従ってプランジャ4の揺れがクッション性能
に悪影響を及ぼすことはない。
【0033】また、上記実施例におけるプランジャ4下
端部の鍔部14と、シリンダ体2の内孔3との間には隙間
が設けられているため、プランジャ4の上動時における
直進性が損なわれるのではないかという疑義を生じるお
それがあるが、図3に示すように、油圧作動式エレベー
タ40の駆動源として使用する場合には、プランジャ4の
移動が、エレベータ40の箱体43のレール部材45,45 に沿
う直進移動に連係拘束されることになるので、プランジ
ャ4の直進性が極度に損なわれることはない。そして、
プランジャ4の更なる良好な直進性を確保するには、プ
ランジャ4先端の滑車42の回動支軸49を上下方向に直線
状に案内する案内レール等を別途取付ければ良いことに
なり、プランジャ4の直進性が問題になることはない。
【0034】以上のように上記実施例によれば、シリン
ダ体2の上端部に配設されたクッション装置13に対して
配管を接続する必要がなくなり、従って必要な配管は、
作動油給排手段5からシリンダ体2の圧力室6に接続す
るための配管のみとなり、しかも、上記のエレベータ40
に使用する場合にはシリンダ体2の下端にのみ配管を接
続するだけで済むことになり、配管の短尺化や配管工事
の容易化が図られる。
【0035】尚、上記実施例においては、プランジャ4
が上動する際にその外周面10に付着している作動油が、
前記補助油室31に流入するだけでなく、この補助油室31
からバイパス通路32を経てクッション室22に逃げるよう
になっているので、シール部材30に限界を超える高圧の
油圧が作用することによるシール部材30の損傷が効果的
に防止される。
【0036】次に、本発明に係る流体圧シリンダのクッ
ション装置の第2の実施例を、図5に基づいて説明す
る。該実施例において、前述した第1の実施例と同様の
構成については同一符号を付して説明を省略する。
【0037】すなわち、第2の実施例の流体圧シリンダ
のクッション装置が、第1の実施例と異なる点は、クッ
ション室22側に開口した排出口50aおよび圧力室22側に
開口した流入口50bを有するリングシリンダ50と、前記
排出口50aおよび流入口50bを連通し前記クッション室
22の流体を圧力室6に流出させる流出通路51と、該流出
通路51の途中に設けられ前記圧力室6の圧力を設定値に
保持するリリーフ弁52とを備えたことである。
【0038】該実施例に係る流体圧シリンダのクッショ
ン装置によると、シリンダ体2の内孔の圧力室6に流体
が供給されることによりプランジャ4が往動して往動側
の端部に達した場合には、当該端部のリングシリンダ50
に挿入されているクッションピストン17にプランジャ4
の鍔部14が当接し、この後はプランジャ4がクッション
ピストン17と共に往動する。そして、このようにクッシ
ョンピストン17が往動した場合には、クッションピスト
ン17とストッパ18との間の隙間ひいてはクッション室22
の容積が減少する。
【0039】これによってクッション室22内の圧力が上
昇し、この圧力によりクッション室22の容積を減少しよ
うとしているクッションピストン17及びこれに当接して
いるプランジャ14を復動方向へ押し戻そうとする反力が
発生する。そして、クッション室22内の圧力が排出口50
aおよび流出通路51を経てリリーフ弁52へ達する。この
状態で、クッション室22内の圧力がリリーフ弁52の設定
値以上になると、クッション室22から流体がリリーフ弁
52を通過し、該リリーフ弁52の先方の流出通路51および
流入口5bを経て圧力室6へ流出し、クッション室22内
の圧力が設定値以下になる。更に、プランジャ4が上昇
してクッション室22の容積が減少すると、再びクッショ
ン室22の圧力が上昇することになって、クッションピス
トン17及びプランジャ4を復動方向へ押し戻そうとする
反力が発生する。
【0040】以上の動作をプランジャ4の上昇に伴って
連続的に繰り返すことにより、往動側の端部において所
望のクッション作用が得られる。また、リリーフ弁52
は、バネ等で付勢された弁(図示せず)により流路を開
閉するものであり、流体の粘性等の物理的性質の変化に
よって動作が大きく影響されることがないため、気温変
化により流体の粘性が増減しても常に所望のクッション
作用が得られる。
【0041】従って、例えばエレベータ等を駆動するた
めにシリンダ体2を縦姿勢に設置した場合でも、気温の
変化による流体の粘性の増減に応じて、作業員がシリン
ダ体2の上端部へ登り、絞り弁等を絞ったり広げたりす
る等の手間が不要となり、保守整備が容易に行える。ま
た、リングシリンダ50に流体を導通する導通経路等を形
成加工し、更にリングシリンダ50に絞り弁等を内蔵する
等の加工が不要であるため、構造が簡単で生産性に優れ
ている。
【0042】
【発明の効果】以上のように本発明に係る流体圧シリン
ダのクッション装置によれば、シリンダ体に挿入されて
いるプランジャが往動して往動側の端部に達した場合に
は、当該端部のリングシリンダに挿入されているクッシ
ョンピストンにプランジャの鍔部が当接してこの両者が
共に往動することにより、クッション室が狭くなってこ
のクッション室内の作動流体が絞りを有する流体制御通
路を経て圧力室に流出することになり、この時の絞りの
作用による流体反力がクッションピストン及びプランジ
ャに作用して、所望のクッション作用が得られる。従っ
て、クッション装置に設けられる通路としては、シリン
ダ体の往動側の端部のリングシリンダ内からシリンダ体
内の同端部近傍に至る短尺の前記流体制御通路だけで済
むことになり、この流体制御通路用の配管を流体圧シリ
ンダの外部のタンクに接続させるといった事が不要にな
る。この結果、流体圧シリンダの外方に存在する配管
は、圧力室に対して作動流体を給排するための配管のみ
となり、配管構造の簡素化や配管工事の容易化が図られ
ることになる。
【0043】更に、この流体圧シリンダを流体圧作動式
エレベータに使用すれば、従来のように重量の大きいバ
ネを建造物の天井に取付ける必要がなくなり、施工が容
易になり且つ建造物側における設計変更等が不要になる
と共に、配管はシリンダ体の下端に接続するだけで済む
ことになって、配管に生じる振動等が大幅に低減される
ことになる。
【0044】請求項2記載の流体圧シリンダのクッショ
ン装置によれば、前述のようにクッション室の容積が減
少すると、これによって流体がクッション室内の圧力が
上昇し、この圧力によりクッション室の容積を減少しよ
うとしているクッションピストン及びこれに当接してい
るプランジャを復動方向へ押し戻そうとする反力が発生
する。そして、クッション室内の圧力がリリーフ弁の設
定値以上になると、クッション室から流体が圧力室へ流
出してクッション室内の圧力が設定値以下になり、更に
プランジャが上昇してクッション室の容積が減少する
と、再びクッション室の圧力が上昇することになって、
クッションピストン及びプランジャを復動方向へ押し戻
そうとする反力が発生する。
【0045】以上の動作をプランジャの上昇に伴って連
続的に繰り返すことにより、往動側の端部において所望
のクッション作用が得られる。また、リリーフ弁はバネ
等で付勢された弁により流路を開閉するものであるた
め、流体の粘性等の物理的変化によって動作が大きく影
響されることがない。また、リングシリンダに流体を導
通する導通経路等を形成加工し、更に絞り弁等を内蔵す
る等の煩雑な加工が必要がなく、製造が容易である。
【0046】従って、例えばエレベータ等を駆動するた
めにシリンダ体を縦姿勢に設置した場合でも、気温の変
化による流体の粘性の増減に応じて、作業員がシリンダ
体の上端部へ登り、絞り弁等を絞ったり広げたりする等
の手間が不要となり、保守整備が容易に行える。また、
リングシリンダに流体を導通する導通経路等を形成加工
し、更にリングシリンダに絞り弁等を内蔵する等の加工
が不要であるため、構造が簡単で生産性に優れている。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施例の全体構造を示す半縦断
正面図である。
【図2】上記実施例の要部を示す拡大縦断正面図であ
る。
【図3】上記実施例に係る流体圧シリンダの一使用状態
を示す概略正面図である。
【図4】上記実施例の作用をそれぞれ示す要部縦断正面
図である。
【図5】本発明の第2の実施例の要部を示す拡大縦断正
面図である。
【図6】従来例を示す縦断正面図である。
【符号の説明】
1 流体圧シリンダ 2 シリンダ体 3 シリンダ体の内孔 4 プランジャ 6 圧力室 13 クッション装置 14 鍔部 15 リングシリンダ 16 リングシリンダの内孔 17 クッションピストン 18 ストッパ 19 バネ手段 22 クッション室 23a 流体制御通路 23b 流体制御通路 23c 流体制御通路 25 絞り

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 シリンダ体と、このシリンダ体の内孔に
    往復動可能に挿入されたプランジャとを有し、前記シリ
    ンダ体の内孔に形成される圧力室に対して流体を給排す
    ることにより前記プランジャを駆動させるように構成し
    た流体圧シリンダのクッション装置において、 前記シリンダ体におけるプランジャ往動側の端部に取付
    けられたリングシリンダと、このリングシリンダの内孔
    に往復動可能に挿入されて前記プランジャの外周面側に
    配置され且つバネ手段によりプランジャ復動側に付勢さ
    れたクッションピストンと、前記プランジャの復動側の
    端部に形成されてその往動時に前記クッションピストン
    に当接可能とされた鍔部と、前記リングシリンダに対し
    て固定状態とされて前記クッションピストンの往動を規
    制するストッパと、前記リングシリンダの内孔とプラン
    ジャの外周面とクッションピストンとストッパとの間に
    形成されるクッション室と、前記プランジャの鍔部がク
    ッションピストンに当接して往動する時に前記クッショ
    ン室の流体を絞りを介して圧力室に流出させる流体制御
    通路とを備えたことを特徴とする流体圧シリンダのクッ
    ション装置。
  2. 【請求項2】 シリンダ体と、このシリンダ体の内孔に
    往復動可能に挿入されたプランジャとを有し、前記シリ
    ンダ体の内孔に形成される圧力室に対して流体を給排す
    ることにより前記プランジャを駆動させるように構成し
    た流体圧シリンダのクッション装置において、 前記シリンダ体におけるプランジャ往動側の端部に取付
    けられたリングシリンダと、このリングシリンダの内孔
    に往復動可能に挿入されて前記プランジャの外周面側に
    配置され且つバネ手段によりプランジャ復動側に付勢さ
    れたクッションピストンと、前記プランジャの復動側の
    端部に形成されてその往動時に前記クッションピストン
    に当接可能とされた鍔部と、前記リングシリンダに対し
    て固定状態とされて前記クッションピストンの往動を規
    制するストッパと、前記リングシリンダの内孔とプラン
    ジャの外周面とクッションピストンとストッパとの間に
    形成されるクッション室と、前記プランジャの鍔部がク
    ッションピストンに当接して往動する時に前記クッショ
    ン室の流体を圧力室に流出させる流出通路と、該流出通
    路に設けられ前記圧力室の圧力を設定値に保持するリリ
    ーフ弁とを備えたことを特徴とする流体圧シリンダのク
    ッション装置。
JP1823994A 1993-04-01 1994-02-15 流体圧シリンダのクッション装置 Pending JPH06337006A (ja)

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JP5-100188 1993-04-01
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN107747573A (zh) * 2017-09-26 2018-03-02 铜陵汇宇实业有限公司 一种伸缩保护系统

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CN107747573A (zh) * 2017-09-26 2018-03-02 铜陵汇宇实业有限公司 一种伸缩保护系统

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