JPH0633559A - 開閉屋根の構造 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】換気、断熱、暖房を効率良く行なえるようにす
る。 【構成】屋根部１に設けられた開口部２に不透明で断熱
性を有する開閉自在な屋根パネル体３を設置する。屋根
パネル体３の下方に透光性を有すると共に一部が固定部
４とされた採光窓５を開閉自在に設ける。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、建物の屋根部が開閉す
ることにより屋内の換気や採光を行なうことができる開
閉屋根の構造に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】従来、建物の屋根部の一部を開閉させる
ことができるものとして種々のものが提供されており、
例えば、実開昭５７−５４５３４号公報、特開昭６３−
１５６１５４号公報、特開平３−２４４７４４号公報、
特開平４−１６６３９号公報に示されるようなものがあ
る。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】そして、上記のものに
あっては、いずれのものにあっても、屋根部に設けられ
た屋根パネル体をスライド移動させることによって屋根
部の一部を開口させ、これによって屋内の換気を促進し
たり、開口より屋内に日射を採り入れて採光することで
暖房効果を得ている。

【０００４】ところで、夏期においては日差しをさえぎ
り、且つ屋根部を開口させ、換気を図るようにし、冬季
は日中に日射のみを屋内に採り入れるようにし、さら
に、夜間は放射冷却防止を図って断熱することが望まし
い。特に冬季に屋内の暖房を行なうような場合には屋根
部に形成される開口を閉じた状態として採光のみを行な
うようにすることが望ましい。しかしながら、上述のよ
うな従来例にあっては、いずれのものにおいても、屋根
パネル体をスライド移動させて屋根部の一部を開口さ
せ、これによって換気または採光を行なうようになって
いるために採光を行なう場合には換気も行なわれること
となり、効率良く暖房と換気を行なうことができないと
いう問題があった。

【０００５】本発明は上記問題点の解決を目的とするも
のであり、換気、断熱、暖房を効率良く行なうことがで
きる開閉屋根の構造を提供しようとするものである。

【０００６】

【課題を解決するための手段】本発明では、上記目的を
達成するために、屋根部１に設けられた開口部２に不透
明で断熱性を有する開閉自在な屋根パネル体３を設置
し、屋根パネル体３の下方に透光性を有すると共に一部
が固定部４とされた採光窓５を開閉自在に設けたもので
ある。

【０００７】

【作用】しかして、屋根パネル体３と採光窓５とをそれ
ぞれ開閉することで屋内の換気、断熱、暖房を行なうこ
とができる。そして、屋根パネル体３と採光窓５とを閉
じた状態とすることで屋根部１の開口部２を閉じた状態
とすることができ、日射が屋内に侵入するのを防止する
と共に屋内の熱が屋外に逃げるのを防止して断熱を行な
うことができる。また、屋根パネル体３と採光窓５とを
開けて屋根部１の開口部２を屋外に連通させることで屋
内の空気を屋外に流出させることができると共に屋外の
空気を屋内に流入させることができ、屋内の換気を行な
うことができる。さらに、屋根パネル体３のみを開いて
採光窓５を閉じた状態とすることで屋内の空気が屋外に
流出するのを防止しながら透光性を有する採光窓５より
日射を屋内に採り入れることができ、採光によって屋内
を暖房することができる。また、換気時に雨が降りだし
た場合には屋根パネル体３と採光窓５とを閉じるもので
あるが、採光窓５の一部に固定部が設けられており、こ
れによって採光窓５は屋根パネル体３よりも開閉時の移
動寸法が小さいものとなっており、屋根パネル体３と採
光窓５とを開いて換気しているような場合に雨が降って
きても採光窓５を屋根パネル体３よりもいち早く閉じる
ことができ、屋内に雨が降り注ぐのを防止することがで
きる。

【０００８】

【実施例】以下、本発明を図示された実施例に基づいて
詳述する。開閉屋根は、建物イの屋根部１に設けられた
開口部２に屋根パネル体３と採光窓５とをそれぞれ開閉
自在に設置して構成されている。開口部２は図１、図４
に示されるように屋根パネル６の下方に天井板７を設置
して構成される屋根部１の一部に枠体８を設置して構成
されている。枠体８の上部外面には採光窓支持レール９
が突設されており、この採光窓支持レール９に採光窓５
が走行自在に取付けられている。

【０００９】採光窓５の外方には採光窓５を覆うように
上端に断面コ字状の屋根パネル体支持レール１０を備え
た支持架台１１が設けられており、図５に示されるよう
に屋根パネル体支持レール１０に屋根パネル体３が走行
自在に取付けられている。ここで、支持架台１１の下部
は枠体８と近接して設置される屋根材１２に固定されて
おり、この屋根材１２と屋根パネル６との間には水切り
材１３が設けられている。

【００１０】不透明で断熱性を有する屋根パネル体３は
発泡ウレタンまたはグラスウール等の断熱材３ａをアル
ミニウムまたはステンレス金属板等の枠体３ｂ内に充填
配置して構成されている。ここで、表面材としては屋根
瓦であってもよい。採光窓５はアルミニウム枠のような
金属枠５ａに透光性を有するガラス透明板またはプラス
チック透明板等の透光板５ｂをはめ込んで構成されてお
り、開口部２内において二分割された状態で配置されて
いる。つまり、採光窓５の一部は固定部４として固定さ
れた状態で開口部２内に配置されており、採光窓５を開
いた場合の開口面積は屋根パネル体３を開いて形成され
る開口面関よりも小さいものとなっている。

【００１１】屋根パネル体支持レール１０内に挿合され
ることとなる屋根パネル体３の端部には複数のガイドロ
ーラ１４が設けられており、一方の屋根パネル体支持レ
ール１０内に配された駆動装置１５の駆動によって屋根
パネル体３がガイドローラ１４を介して屋根パネル体支
持レール１０に沿って走行移動するようになっている。
屋根パネル体３を移動させる駆動装置１５は、図３に示
されるようにモータ１５ａと、モータ１５ａの回転にて
回転駆動されるプーリー１５ｂと、プーリー１５ｂに連
結固定された外面に螺子部１５ｃを有する駆動シャフト
１５ｄと、駆動シャフト１５ｄに螺着されたナット１５
ｅとで主体が構成されている。ナット１５ｅの下部には
屋根パネル体３の側端面より突設された固定具１６が連
結固定されており、モータ１５ａの駆動によって駆動シ
ャフト１５ｄが回転して駆動シャフト１５ｄに沿ってナ
ット１５ｅが移動するとナット１５ｅの移動に伴って屋
根パネル体３が開閉移動させられるようになっている。

【００１２】採光窓５の金属枠５ａには採光窓支持レー
ル９に係合される係止部１７が設けられており、係止部
１７と採光窓支持レール９との間にはガイドローラ１８
が設けられている。１９は水密性及び気密性を確保する
ためのシール材である。採光窓支持レール９に沿って移
動する採光窓５は枠体８の内側に設置された駆動装置２
０にて移動させられるようになっている。この駆動装置
２０は図２、図４に示されるようにモータ２１と、モー
タ２１にて駆動されるプーリー２２と、プーリー２２の
回転にて移動するワイヤーやチェーン等の紐状体２３と
で構成されている。モータ２１の駆動にて回転させられ
るプーリー２２はモータ２１と直結された第１のプーリ
２２ａと、紐状体２３を介して第１のプーリー２２ａに
連結された第２のプーリー２２ｂと、紐状体２３を介し
て第２のプーリー２２ｂに連結された第３のプーリー２
２ｃとで構成されており、モータ２１が駆動すると紐状
体２３によって各プーリー２２がそれぞれ連動して回転
駆動するようになっている。モータ２１と第１のプーリ
ー２２ａと第２のプーリー２２ｂとは固定部４となって
いる採光窓５の端部に配された駆動部ボックス２４内に
収納配置されている。第２のプーリー２２ｂと第３のプ
ーリー２２ｃとの間に設けられる紐状体２３には図２に
示されるように連結片２５が設けられており、連結片２
５の先端は採光窓５に連結固定されている。そして、モ
ータ２１によって各プーリー２２が回転駆動されると各
プーリー２２の回転によって紐状体２３が移動し、紐状
体２３と共に連結片２５が移動し、この連結片２５の移
動によって採光窓５が開閉移動させられるようになって
いる。

【００１３】しかして、屋根パネル体３と採光窓５とを
それぞれ開閉することで屋内の換気、断熱、暖房を行な
うことができるようになっており、屋根パネル体３と採
光窓５とを閉じた状態とすることで屋根部１の開口部２
を閉じた状態とすることができ、日射が屋内に侵入する
のを防止すると共に屋内の熱が屋外に逃げるのを防止し
て断熱を行なうことができ、また、屋根パネル体３と採
光窓５とを開けて屋根部１の開口部２を屋外に連通させ
ることで屋内の空気を屋外に流出させることができると
共に屋外の空気を屋内に流入させることができ、屋内の
換気を行なうことができるようになっている。さらに、
屋根パネル体３のみを開いて採光窓５を閉じた状態とす
ることで屋内の空気が屋外に流出するのを防止しながら
透光性を有する採光窓５より日射を屋内に採り入れるこ
とができ、採光によって屋内を暖房することができる。
そして、換気時に雨が降りだした場合には屋根パネル体
３と採光窓５とを閉じるものであるが、採光窓５の一部
に固定部４が設けられており、これによって採光窓５は
屋根パネル体３よりも開閉時の移動寸法が小さいものと
なっており、屋根パネル体３と採光窓５とを開いて換気
しているような場合に雨が降ってきても採光窓５を屋根
パネル体３よりもいち早く閉じることができ、屋内に雨
が降り注ぐのを防止することができるようになってい
る。

【００１４】図６、図７は採光窓５の他の実施例を示す
ものであり、このものにあっては、一対の採光窓５の対
向する端部に折れ曲がり自在な連結部３０が設けられて
おり、この連結部３０を介して図６に示されるように採
光窓５が折り畳まれることで開口部２が開口されるよう
になっている。３１は連結部３０に設けられた雨浸入防
止用水切り片である。ここで、採光窓５は風圧等の問題
から図６に示されるように約半分程度しか開かないよう
になっており、これによって片側半分は開くことのない
固定部４となっている。

【００１５】

【発明の効果】本発明は上述のように、屋根部に設けら
れた開口部に不透明で断熱性を有する開閉自在な屋根パ
ネル体を設置し、屋根パネル体の下方に透光性を有する
と共に一部が固定部とされた採光窓を開閉自在に設けて
あるので、屋根パネル体及び採光窓を閉じた状態とする
ことで断熱を図ることができ、屋根パネル体及び採光窓
を開くことで屋根部の一部を開口させて屋内の換気を促
進することができる。また、屋根パネル体のみを開いて
透光性を有する採光窓を閉じた状態とすることで屋内の
空気の流出を防止しながら屋内に採光することができ、
効率良く断熱、換気、暖房を行なうことができるもので
ある。さらに、採光窓の一部には固定部が形成されてお
り、これによって採光窓は屋根パネル体よりも開閉時の
移動寸法が小さいものとなっており、屋根パネル体と採
光窓とを開いて換気しているような場合に、雨が降って
きても採光窓を屋根パネル体よりもいち早く閉じること
ができ、屋内に雨が降り注ぐのを防止することができる
ものである。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の一実施例を示す断面図であり、図５に
おけるＡ−Ａ線断面図である。

【図２】同上の採光窓を駆動する駆動装置の構成を説明
する説明図である。

【図３】同上の屋根パネル体を駆動する駆動装置の構成
を説明する説明図である。

【図４】同上の屋根パネル体と採光窓の配置状態を示す
断面図であり、図５におけるＢ−Ｂ線断面図である。

【図５】同上の屋根パネル体の設置状態を示す建物の斜
視図である。

【図６】採光窓の他の実施例の構成を説明する説明図で
ある。

【図７】同上の採光窓の閉じ状態における連結部を示す
拡大側面図である。

【符号の説明】

１ 屋根部 ２ 開口部 ３ 屋根パネル体 ４ 固定部 ５ 採光窓

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 屋根部に設けられた開口部に不透明で断
   熱性を有する開閉自在な屋根パネル体を設置し、屋根パ
   ネル体の下方に透光性を有すると共に一部が固定部とさ
   れた採光窓を開閉自在に設けて成ることを特徴とする開
   閉屋根の構造。