JPH0633455Y2 - 採光式ブライトフレームファインダー - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 「技術分野」 本考案は、カメラ、特にレンズシャッタ式カメラの採光
式ブライトフレームに関する。

「従来技術およびその問題点」 従来のレンズシャッタ式カメラは、撮影光学系とは別に
ファインダー光学系を有している。ファインダー光学系
の視野中には、撮影範囲を示すフレームおよびオートフ
ォーカスカメラであれば合焦位置を示すフレームを設け
る必要がある。このフレームを設ける手段の一つに採光
式ブライトフレームファインダーがある。

その従来例を第３図および第４図に基づいて説明する。
ボディ30の前面撮影レンズ32の上方に、左から順にオー
トフォーカス装置の受光窓33、ファインダー光学系のフ
ァインダー窓34および採光窓37並びにストロボ窓36が設
けられている。35はオートフォーカス装置の発光窓であ
る。

ファインダー窓34および採光窓37は、第３図に横断面図
を示すように、ボディ30の内部で連通している。ファイ
ンダー窓34には対物レンズ39が嵌め込まれ、その光軸に
沿った後方に光軸に対して45°をなすハーフミラー40が
配設され、さらにその後方に接眼レンズ41が設けられて
視野光学系を構成している。

採光窓37にはフレームマスク43が嵌め込まれ、フレーム
マスク43の後方にはハーフミラー40と平行に表面鏡44が
配設され、フレームマスク43を透過した光線束がハーフ
ミラー40に入射し、反射されて接眼レンズ41に入射する
フレーム光学系を構成している。

このフレームマスク43は、遮光板に、視野フレーム（お
よび合焦位置フレーム）の角部を打ち抜いてフレーム孔
43aを穿け、残った面を黒く塗ったもので、これらフレ
ーム孔43aのみから外光が入射するように形成されてい
る。従って接眼レンズ41からファインダーを覗くと、対
物レンズ39を通した視野像に視野フレーム孔43aの像が
重なって見える。そしてこのフレーム孔43aの像は、こ
れを透過する光量が対物レンズ39から入射する視野像の
光量よりも多いほど、すなわち明るいほど明瞭に見え
る。

しかしながら、採光窓37をファインダー窓34と並設した
この従来構成では、採光源がファインダー像と同一なの
で、明暗に差異ができにくい。しかも横方向のスペース
をとるので、オートフォーカス装置の受光窓33、発光窓
35を並設することが困難であった。

「考案の目的」 本考案は、以上の従来の採光式ブライトフレームについ
ての問題意識に基づいてなされたもので、より明るい採
光ができ、カメラ前面のスペースをとらない採光式ブラ
イトフレームファインダーを提供することを目的とす
る。また本考案は、フレームマスクに視度を合わせやす
いファインダーを得ることを目的とする。

「考案の概要」 本考案の採光式ブライトフレームファインダーは、視野
光学系と；この視野光学系の上方のボディ上面に形成さ
れたフレーム光学系の採光窓と；この採光窓の近傍に設
けられたフレームマスクと；視野光学系を挟んで上記採
光窓の反対側に位置させた表面鏡と；この表面鏡からの
反射光を受ける、視野光学系内に配設したハーフミラー
と；を備えていて、この表面鏡及びハーフミラーが、採
光窓及びフレームマスクを透過した光線束を、視野光学
系の光軸に一致させて該視野光学系内に導くことを特徴
としている。

「考案の実施例」 以下図示実施例について本考案を説明する。

第１図は本考案を適用したオートフォーカス・レンズシ
ャッタ式カメラの一実施例の外観斜視図、第２図は同実
施例の要部を示す縦断面図である。ボディ10の前面撮影
レンズ12の上方に、ファインダー光学系のファインダー
窓14を挟んで、オートフォーカス機構の受光窓13および
発光窓15、その隣りにストロボ窓16が設けられている。
さらにボディ10の上面には、ファインダー窓14の後方に
位置させて採光窓17が設けられている。

ファインダー窓14および採光窓17は、第１図に縦断面図
を示すように、ボディ10の内部で三方に開口11a、11b、
11cを有する鏡筒11を介して連通している。ファインダ
ー窓14には保護ガラス18が嵌め込まれ、その後方の鏡筒
11の開口11aに対物レンズ19が固着されている。対物レ
ンズ19の光軸Ｏに沿った後方には、ハーフミラー20が光
軸Ｏに対して下した垂線と所定角度α１（22.5°）傾斜
して配設され、さらに後方の鏡筒11の開口11bには接眼
レンズ21が固着されている。従って視野像は、保護ガラ
ス18、対物レンズ19、ハーフミラー20および接眼レンズ
21を透して観察される。

採光窓17には集光プリズム（フレネルレンズ）22が嵌め
込まれ、その下の鏡筒11の開口11cにフレームマスク23
が固着されている。このフレームマスク23は、従来のフ
レームマスク43と同様の構成で、フレーム孔23aを有し
ている。フレームマスク23の下方でファインダーの光路
外には表面鏡24が、ハーフミラー20に向ってファインダ
ーの光軸Ｏに対して所定角度α２（22.5°）傾斜して配
設されている。従ってフレームマスク23を透過した光線
束は、表面鏡24、ハーフミラー20で反射して視野像と共
に観察者の眼に入射する。

このように本考案では、フレームマスク23の採光窓17を
ボディ10の上面に設けてあるので、屋外での撮影では一
般に上方に位置する太陽光や明るい空を光源にでき、明
るいフレーム像を得ることができる。また、フレームマ
スク23の像は、ファインダー光軸Ｏを挟んで採光窓17の
反対側に位置する表面鏡24で反射してからハーフミラー
20に入射するので、フレームマスク23からハーフミラー
20迄の光路長を長くとることができる。このため、視野
像とフレームマスクとの視野差を少なくして、観察者に
とって見易いフレームマスクを得ることができる。な
お、表面鏡24を凹面鏡から構成すれば、より光路長を長
くすることができる。

ところで、通常の撮影では太陽を背にしたアングルを取
ることが多いが、太陽の高度が低いと、採光窓17が撮影
者の頭部の陰に入ってしまう場合がある。陰に入らない
にしても、一般にカメラの上部後方には撮影者の頭髪部
が位置する。そこで本実施例では採光窓17に左右方向に
延びる断面三角形の微小プリズムを多数形成した集光プ
リズム22を取り付け、前方における臨界角を小さくして
前方からの光線束をより多く取り込めるようにしてあ
る。さらに、採光窓17を前下がりに傾斜させてもよい。

「考案の効果」 本考案によれば、採光窓をボディの上面に設けてあるの
で、より多くの光量を取り込め、明瞭な視野フレームを
得ることができる。また、横方向のスペースを取らない
ので、オートフォーカス装置の発光、受光窓をファイン
ダー窓と共に一列に並設することも可能となる等、カメ
ラデザイン上の制約が少なくなる。さらに、採光窓から
の光は、視野光学系を挟んで、採光窓の反対側に位置す
る表面鏡を介して、視野光学系内のハーフミラーに与え
られるので、フレームマスクからハーフミラー迄の光路
長を長くすることができる。このため、視野像とフレー
ムマスクとの視度差を少なくして、観察者にとって見易
いフレームマスクを得ることができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案を適用したオートフォーカス・レンズシ
ャッタ式カメラの一実施例の要部を示す縦断面図、第２
図は同実施例の外観斜視図、第３図は従来の採光式ブラ
イトフレームファインダーを備えたオートフォーカス・
レンズシャッタ式カメラの要部を示す横断面図、第４図
は同従来例の外観斜視図である。 10…ボディ、11…鏡筒、12…撮影レンズ、14…ファイン
ダー窓、17…採光窓、19…対物レンズ、20…ハーフミラ
ー、21…接眼レンズ、22…集光プリズム、23…フレーム
マスク、23a…フレーム孔、24…表面鏡。

Claims (2)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】視野光学系と； この視野光学系の上方のボディ上面に形成されたフレー
   ム光学系の採光窓と； この採光窓の近傍に設けられたフレームマスクと； 上記視野光学系を挟んで上記採光窓の反対側に位置させ
   た表面鏡と； この表面鏡からの反射光を受ける、上記視野光学系内に
   配設したハーフミラーと； を備え、 かつ、上記表面鏡及びハーフミラーは、上記採光窓及び
   フレームマスクを透過した光線束を、視野光学系の光軸
   に一致させて、該視野光学系内に導く角度で配置されて
   いることを特徴とする採光式ブライトフレームファイン
   ダー。
2. 【請求項２】実用新案登録請求の範囲第１項において、
   採光窓に、斜め前方の光をより多く取り入れる集光プリ
   ズムが設けられているカメラの採光式ブライトフレーム
   ファインダー。