JPH06334352A - セラミック回路基板およびその製造方法 - Google Patents

セラミック回路基板およびその製造方法

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JPH06334352A
JPH06334352A JP14674893A JP14674893A JPH06334352A JP H06334352 A JPH06334352 A JP H06334352A JP 14674893 A JP14674893 A JP 14674893A JP 14674893 A JP14674893 A JP 14674893A JP H06334352 A JPH06334352 A JP H06334352A
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JP
Japan
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conductive paste
circuit board
paste
surface layer
ceramic
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Application number
JP14674893A
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English (en)
Inventor
Shuji Kato
修治 加藤
Toshio Ogawa
敏夫 小川
Noritaka Kamimura
典孝 神村
Mitsuru Hasegawa
長谷川  満
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Hitachi Ltd
Original Assignee
Hitachi Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 導電性ペーストによって回路パターンの形成
されたセラミック未焼成グリーンシートを積層し、これ
らを一括焼成して形成されるセラミック回路基板におい
て、一括焼成時における表層回路パターンの捲れや剥離
を防止する。 【構成】 表層に形成される導電性ペーストの焼結開始
温度をセラミックグリーンシートの焼結開始温度より高
くする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、セラミック回路基板お
よびその製造方法に係り、特に、表面に回路パターンの
形成された多数のグリーンシートを積層後一括焼成する
ことにより製造されるセラミック回路基板およびその製
造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、ハイブリッドIC等の半導体実装
用基板として、基板内部に回路パターンを埋設したセラ
ミック多層回路基板が用いられている。従来のセラミッ
ク多層回路基板は、表面に導電性ペーストにより回路パ
ターンの印刷された多数のグリーンシートを積層後一括
焼成して形成された絶縁基板の表面に、表層回路の形成
された基板(グリーンシート)を更に積層することによ
り形成されていた。ところが、セラミックは焼結時に大
きな寸法変化(収縮)を伴うため、上記した構成のセラ
ミック回路基板では、絶縁基板内に埋設された回路パタ
ーンと表層回路との位置のマッチングがとりにくいとい
う問題があった。
【0003】このようなセラミック基板の熱収縮に伴う
種々の問題点を解決するために、例えば特開平2−15
9093号公報では、表層回路基板を他の多数のグリー
ンシートと共に一括焼成する技術が提案されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところが、上記した従
来の表層回路基板をも含めた一括焼成では、表層回路の
パターンが捲れ上がったり剥離してしまうという問題が
あった。そして、発明者等が検討を重ねた結果、このよ
うな問題は表層回路パターンの焼結開始タイミングが絶
縁基板材料(グリーンシート)の焼結開始タイミングよ
り早いことに起因することがわかった。
【0005】すなわち、一般的に回路パターンとなる導
電性ペーストの焼結開始温度は、セラミックグリーンシ
ートの焼結開始温度より低いため、これらを一括焼成す
ると導電性ペーストが初めに焼結を開始する。ところ
が、この時点でのグリーンシートは無機粉末の集合体で
あり、その表面はなんら拘束力を持たない。したがっ
て、導電性ペース(回路パターン)が焼結して収縮する
と、グリーンシートは導電性ペースの収縮を支えきれ
ず、回路パターンは基板から剥がれて捲れ上がってしま
う。なお、内部配線となるパターンは積層されるために
捲れ上がりや剥離を生じることはない。
【0006】また、本発明等の実験結果によれば、基板
と回路パターンとの接着強度が1kgf/1.5mm□
以下であると、回路パターンにチップ部品を実装するこ
とが困難となり、製品の信頼性を保証する面からも問題
となることを確認した。
【0007】本発明の目的は、上記した従来技術の問題
点を解決して、一括焼成時における表層の回路パターン
の捲れ上がりや剥離を防止するようにしたセラミック回
路基板およびその製造方法を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記した目的を達成する
ために、本発明では、導電性ペーストによって回路パタ
ーンの形成されたセラミック未焼成グリーンシートを積
層し、これらを一括焼成して形成されるセラミック回路
基板において、表層に形成される導電性ペーストの焼結
開始温度をセラミックグリーンシートの焼結開始温度よ
り高くした点に特徴がある。
【0009】
【作用】上記した構成によれば、導電性ペーストより先
に基板表面が焼結し、基板表面が十分な強度を有した後
に導電性ペーストが焼結するので、導電性ペーストの収
縮が基板表面によって制限されて捲り上がりや剥離が防
止される。
【0010】
【実施例】上記したように、表層回路パターンの捲り上
がりといった問題は、表層回路の焼結開始タイミングが
絶縁基板材料の焼結開始タイミングより早いことに起因
するという技術的考察に基づいて、発明者等は、絶縁基
板材料の焼結開始タイミングを表層回路パターンの焼結
開始タイミングよりも早くし、表層回路パターンが基板
と共に収縮するようにすることで上記問題の解決を試み
た。
【0011】焼結は化学ポテンシャル差を駆動力とした
表面拡散、粒界拡散、体積拡散、粘性流動などによる物
質移動の結果生じる。したがって、焼結開始時期は、そ
の材料を構成する物質の拡散速度により決まる。焼結開
始温度の比較は便宜上、拡散係数が10-7cm2 /sに
達する温度の比較より判断できると考えてよい。
【0012】表層回路パターンの焼結開始温度を絶縁基
板材料の焼結温度より高くするためには、絶縁基板材料
の焼結開始温度を低くすれば良いが、基板材料であるグ
リーンシート中の有機物の分解温度より低くすることは
できず限界がある。したがって、表層回路パターンの焼
結開始温度を高める方法が現実的である。
【0013】表層回路パターンの焼結開始温度を高める
ためには、導体の主原料である金属粉末の粒径を大きく
し、焼結助剤の液化温度を高くすれば良い。なお、焼結
助剤とは他の物質の焼結を助けるために添加する無機物
のことである。主に、表層回路パターンの焼結助剤は酸
化物であり、基板と表層回路パターンの接着剤としても
機能する。以下では、結晶における融点およびガラスに
おける軟化温度のことを液化温度と定義する。
【0014】上に述べた方法により表層回路を絶縁基板
材料と一括焼成することが可能となる。しかし、これだ
けでは回路基板としての有効利用が困難な場合が多い。
前述のように、焼結助剤は基板と導体の接着剤としても
機能する。基板と導体が強い接着力を持つためには焼結
助剤が基板中に十分拡散することが必要となる。ところ
が、焼結助剤として液化温度の高いものを使用しなけれ
ばならないため、焼成温度において十分には軟化せず、
基板に十分拡散しないことが多い。したがって、焼結助
剤には温度粘度特性が大きなものを用いるのが好まし
い。特に、表層回路パターンの主成分がCu等の卑金属
の場合には、その酸化を防止するために中性雰囲気中で
焼成する必要がある。一般に、中性雰囲気中での脱脂は
容易ではなく、グリーンシートの焼結開始温度を通常約
600℃以上に設定しなければならない。したがって、
表層回路パターンはこの温度すなわち600℃以上で焼
結を開始するように設定しなければならない。したがっ
て、表層回路パターンの主成分が卑金属のときは焼結助
剤の選択の幅がいっそう狭くなる。こうした条件を満足
する材料として、具体的には結晶性Bi2 3 が好まし
い。
【0015】絶縁基板材料と導体の焼結のタイミングを
ずらすには材料の焼結開始温度をずらす方法のほかに、
導体と基板に温度勾配をつけて焼成する方法がある。具
体的には、基板材料によく吸収されるマイクロ波により
加熱する方法がある。
【0016】以下、上記した考察に基づいて選別した各
種の導体および基板材料を用いて一括焼成を行った実験
結果について説明する。 [実験1]平均粒径2μmのAg粉末とBi2 3 粉末
との重量比が10対2である混合物に、アクリル樹脂/
ブチルカルビトールアセテートからなるビヒクル(以
下、単にビヒクルと表現する)を適量加えて、3本ロー
ルを用いて室温で混練し、スクリーン印刷に好適なAg
導体ペーストを作成した。このペーストの焼結開始温度
は、金属粉末Agの焼結開始温度が支配的となり約46
0℃である。
【0017】次に、硼硅酸鉛ガラスとフリットとしての
アルミナ粉末にポリビニルブチラール等の有機溶剤を加
えて撹拌し、泥しょう化状態とした。この泥しょうをド
クターブレードを用いたキャスティング成膜法によって
10cm×10cmの未焼成のグリーンシートを複数枚
形成した。このグリーンシートの焼結開始温度は約42
0℃であり、前記Ag導体ペーストの焼結開始温度より
も低い。
【0018】この様にして形成した複数のグリーンシー
トを積み重ね、熱プレス機を用いて温度120℃、圧力
200kg/cm2 の条件で上下面から熱圧着し、積層
体を得た。この積層体上に前記Ag導体ペーストを用い
て、一辺が1.5mmの正方形パッドをスクリーン印刷
により形成した。この後、約400℃の空気中で1時間
の脱脂を行った後、850℃で10分間焼成した。Ag
導体は捲れ上がることなく形成され、基板との接着強度
は2.2kgfであった。したがって、前記表層回路の
Ag導体ペーストと前記グリーンシートとの組み合わせ
により表層回路を一括焼成できることが確認された。 [実験2]平均粒径0.3μmのAg粉末とBi2 3
粉末との重量比が10対2の混合物に、前記と同様にビ
ヒクルを適量加えて室温で混練することによりAg導体
ペーストを作成した。このペーストの焼結開始温度は、
金属粉末Agの焼結開始温度が支配的となり、約350
℃である。
【0019】このAg導体ペーストを用いて、前記グリ
ーンシート積層体上に一辺が1.5mmの正方形パッド
をスクリーン印刷により形成した。この後、約400℃
の空気中で1時間の脱脂を行った後、850℃で10分
間焼成した。焼成中、Ag導体は捲れ上がり、この組み
合わせでは表層回路を一括焼成できないことが確認され
た。 [実験3]平均粒径2μmのAg粉末と平均粒径4μm
のSi−B−Bi系酸化物ガラス粉末との重量比が10
対2の混合物に、前記と同様にビヒクルを適量加えて室
温で混練することによりAg導体ペーストを作成した。
この導体ペーストの焼結開始温度はガラスの軟化温度に
より支配され、約350℃である。
【0020】このAg導体ペーストを用いて前記グリー
ンシート積層体上に、一辺が1.5mmの正方形パッド
をスクリーン印刷により形成した。この後、約400℃
の空気中で1時間の脱脂を行った後、850℃で10分
間焼成した。焼成中、Ag導体は捲れ上がり、この組み
合わせでは表層回路を一括焼成できないことが確認され
た。 [実験4]平均粒径2μmのAg−Pdの合金粉末とB
2 3 粉末との重量比が10対2の混合物に前記と同
様にビヒクルを適量加えて室温で混練することによりA
g−Pd導体ペーストを作成した。このペーストの焼結
開始温度は、金属粉末の焼結開始温度が支配的となり、
約560℃である。
【0021】次に、前記と同様な方法でグリーンシート
を複数枚形成した。このグリーンシートの焼結開始温度
は約420℃であり、前記Ag−Pd導体ペーストの焼
結開始温度よりも低い。ここで前記と同様にしてグリー
ンシート積層体を得た。この積層体上に前記Ag−Pd
導体ペーストを用いて、一辺が1.5mmの正方形パッ
ドをスクリーン印刷により形成した。この後、約400
℃の空気中で1時間の脱脂を行った後、850℃で10
分間焼成した。Ag−Pd導体は捲れ上がらることなく
形成でき、基板との接着強度は1.5kgfであった。
したがって、この組み合わせにより表層回路を一括焼成
できることが確認された。 [実験5]平均粒径0.1μmのAg−Pd合金粉末と
Bi2 3 粉末との重量比が10対2の混合物に、前記
と同様にビヒクルを適量加えて室温で混練することによ
りAg−Pd導体ペーストを作成した。このペーストの
焼結開始温度は、金属粉末の焼結開始温度が支配的とな
り、約350℃である。このAg−Pd導体ペーストを
用いて、前記グリーンシート積層体上に、一辺が1.5
mmの正方形パッドをスクリーン印刷により形成した。
この後、約400℃の空気中で1時間脱脂を行った後、
850℃で10分間焼成した。焼成中、Ag−Pd導体
は捲れ上がり、この組み合わせでは表層回路を一括焼成
できないことが確認された。 [実験6]平均粒径2μmのAg−Pd合金粉末と平均
粒径4μmのSi−B−Bi系酸化物ガラス粉末との重
量比が10対2の混合物に、前記と同様にビヒクルを適
量加えて室温で混練することによりAg−Pd導体ペー
ストを作成した。このペーストの焼結開始温度はガラス
の軟化温度に支配され、約350℃である。
【0022】このAg−Pd導体ペーストを用いて、前
記グリーンシート積層体上に、一辺が1.5mmの正方
形パッドをスクリーン印刷により形成した。この後、約
400℃の空気中で1時間の脱脂を行った後、850℃
で10分間焼成した。焼成中、Ag−Pd導体は捲れ上
がり、この組み合わせでは表層回路を一括焼成できない
ことが確認された。 [実験7]平均粒径2μmのAg粉末と平均粒径2μm
のPt粉末とBi2 3 粉末との重量比が15対1対3
の混合物に前記と同様にビヒクルを適量加えて室温で混
練することによりAg−Pt導体ペーストを作成した。
このペーストの焼結開始温度は、金属粉末の焼結開始温
度が支配的となり、約460℃である。
【0023】次に、前記と同様に未焼成のグリーンシー
トを複数枚形成した。このグリーンシートの焼結開始温
度は約420℃であり、前記Ag−Pt導体ペーストの
焼結開始温度よりも低い。さらに前記と同様な方法によ
りグリーンシート積層体を得た。前記積層体上に前記A
g−Pt導体ペーストを用いて、一辺が1.5mmの正
方形パッドをスクリーン印刷により形成した。この後、
約400℃の空気中で1時間の脱脂を行った後、850
℃で10分間焼成した。
【0024】この時、Ag−Pt導体は捲れ上がること
なく形成でき、基板との接着強度は2.0kgfであっ
た。したがって、この組み合わせにより表層回路を一括
焼成できることが確認された。 [実験8]平均粒径0.3μmのAg粉末と平均粒径2
μmのPt粉末とBi2 3 粉末との重量比が15対1
対3の混合物に前記と同様にビヒクルを適量加えて室温
で混練することによりAg−Pt導体ペーストを作成し
た。このペーストの焼結開始温度は、金属粉末の焼結開
始温度が支配的となり、約350℃である。
【0025】このAg−Pt導体ペーストを用いて、前
記グリーンシート積層体上に一辺が1.5mmの正方形
パッドをスクリーン印刷により形成した。この後、約4
00℃の空気中で1時間の脱脂を行った後、850℃で
10分間焼成した。この時、Ag−Pt導体は捲れ上が
り、この組み合わせでは表層回路を一括焼成できないこ
とが確認された。 [実験9]平均粒径2μmのAg粉末と平均粒径2μm
のPt粉末とSi−B−Bi系酸化物ガラス粉末との重
量比が15対1対3の混合物に前記と同様にビヒクルを
適量加えて室温で混練することによりAg−Pt導体ペ
ーストを作成した。このペーストの焼結開始温度はガラ
スの軟化温度に支配され、約350℃である。
【0026】このAg−Pt導体ペーストを用いて前記
グリーンシート積層体上に一辺が1.5mmの正方形パ
ッドをスクリーン印刷により形成した。この後、約40
0℃の空気中で1時間脱脂を行った後、850℃で10
分間焼成した。焼成中、Ag−Pt導体は捲れ上がり、
この組み合わせでは表層回路を一括焼成できないことが
確認された。 [実験10]平均粒径0.7μmのAu粉末とBi2
3 粉末との重量比が10対2の混合物に前記と同様にビ
ヒクルを適量加えて室温で混練することによりAu導体
ペーストを作成した。このペーストの焼結開始温度は、
金属粉末の焼結開始温度が支配的となり、約470℃で
ある。
【0027】次に、前記と同様に未焼成のグリーンシー
トを複数枚形成した。このグリーンシートの焼結開始温
度は約420℃であり前記Au導体ペーストの焼結開始
温度よりも低い。さらに前記と同様な方法により、グリ
ーンシート積層体を得た。前記積層体上に前記Au導体
ペーストを用いて、一辺が1.5mmの正方形パッドを
スクリーン印刷により形成した。この後、約400℃の
空気中で1時間脱脂を行った後、850℃で10分間焼
成した。
【0028】この時、Au導体は捲れ上がらず、また、
基板との接着強度は1.8kgfであった。したがっ
て、この組み合わせにより表層回路を一括焼成できるこ
とが確認された。 [実験11]平均粒径0.1μmのAu粉末とBi2
3 粉末との重量比が10対2の混合物に、前記と同様に
ビヒクルを適量加えて室温で混練することによりAu導
体ペーストを作成した。本ペーストの焼結開始温度は、
金属粉末の焼結開始温度が支配的となり、約390℃で
ある。前記Au導体ペーストを用いて、前記グリーンシ
ート積層体上に一辺が1.5mmの正方形パッドをスク
リーン印刷により形成した。この後、約400℃の空気
中で1時間脱脂を行った後、850℃で10分間焼成し
た。焼成中、Au導体は捲れ上がり、この組み合わせで
は表層回路を一括焼成できないことが確認された。 [実験12]平均粒径0.1μmのAu粉末と平均粒径
4μmのSi−B−Bi系酸化物ガラス粉末との重量比
が10対2の混合物に、前記と同様にビヒクルを適量加
えて室温で混練することによりAu導体ペーストを作成
した。このペーストの焼結開始温度はガラスの軟化温度
が支配的となり、約350℃である。前記Au導体ペー
ストを用いて、前記グリーンシート積層体上に一辺が
1.5mmの正方形パッドをスクリーン印刷により形成
した。この後、約400℃の空気中で1時間脱脂を行っ
た後、850℃で10分間焼成した。焼成中、Au導体
は捲れ上がり、この組み合わせでは表層回路を一括焼成
できないことが確認された。 [実験13]平均粒径4μmのCu粉末とBi2 3
末との重量比が10対2の混合物に、前記と同様にビヒ
クルを適量加えて室温で混練することによりCu導体ペ
ーストを作成した。このペーストの焼結開始温度は、金
属粉末の焼結開始温度が支配的となり、約610℃であ
る。
【0029】次に、硼硅酸アルミガラスとフリットとし
てのアルミナ粉末にポリビニルブチラール等の有機溶剤
を加えて撹拌し、泥しょう化状態とした。この泥しょう
をドクターブレードを用いたキャスティング成膜法によ
って10cm×10cmの未焼成のグリーンシートを複
数枚形成した。このグリーンシートの焼結開始温度は約
590℃であって前記Cu導体ペーストの焼結開始温度
よりも低い。
【0030】この様にして形成した複数のグリーンシー
トを順次積み重ね、熱プレス機を用いて温度120℃、
圧力200kg/cm2 の条件で上下面から熱圧着し、
積層体を得た。この積層体上にCu導体ペーストを用い
て、一辺が1.5mmの正方形パッドをスクリーン印刷
により形成した。この後、約580℃の窒素雰囲気中で
5時間脱脂を行った後、窒素雰囲気中900℃で20分
間焼成した。この時、Cu導体は捲れ上がることなく形
成され、基板との接着強度は2.2kgfであった。し
たがって、この組み合わせにより表層回路を一括焼成で
きることが確認された。 [実験14]平均粒径0.3μmのCu粉末とBi2
3 粉末との重量比が10対2の混合物に、前記と同様に
ビヒクルを適量加えて室温で混練することによりCu導
体ペーストを作成した。このペーストの焼結開始温度
は、金属粉末の焼結開始温度が支配的となり約450℃
である。
【0031】このCu導体ペーストを用いて、前記グリ
ーンシート積層体上に一辺が1.5mmの正方形パッド
をスクリーン印刷により形成し、約580℃の窒素雰囲
気中で5時間脱脂を行った後、窒素雰囲気中900℃で
20分間焼成した。
【0032】焼成中、Cu導体は捲れ上がり、この組み
合わせでは表層回路を一括焼成できないことが確認され
た。 [実験15]平均粒径4μmのCu粉末と平均粒径4μ
mのSi−B−Bi系酸化物ガラス粉末との重量比が1
0対2の混合物に、前記と同様にビヒクルを適量加えて
室温で混練することによりCu導体ペーストを作成し
た。このペーストの焼結開始温度はガラスの軟化点が支
配的となり約350℃である。
【0033】このCu導体ペーストを用いて、前記グリ
ーンシート積層体上に一辺が1.5mmの正方形パッド
をスクリーン印刷により形成し、約600℃の窒素雰囲
気中で5時間脱脂を行った後、窒素雰囲気中900℃で
20分間焼成した。この焼成中、Cu導体は捲れ上が
り、この組み合わせでは表層回路を一括焼成できないこ
とが確認された。
【0034】以上の各実験結果から明らかなように、表
層に形成される導電性ペーストの焼結開始温度をセラミ
ックグリーンシートの焼結開始温度より高くすることに
より、一括焼成時における表層回路パターンの捲れや剥
離を防止することができる。
【0035】なお、本実施例によれば、例えば図1の平
面図および図2の斜視図に示したように、一辺が14c
mの絶縁基板の4隅に、ビア間の距離がビアの直径φ
(100μm)の1500倍以上となるように4つのビ
ア(もしくはスルーホール)3、4、5、6を設け、そ
れぞれを幅が30μmの回路パターン7で接続したセラ
ミック基板において、ビア3とビア6との間で導通がと
れることを確認した。
【0036】また、本発明は多層基板のみでなく、スル
ーホールやビアなどを有する片面配線基板や両面配線基
板にも適用可能であり、多層回路基板と同様に基板の高
密度化に有効である。
【0037】そして、本発明のセラミック回路基板は、
ハイブリッドIC、マルチチップモジュール、光インタ
フェース用モジュール、電話交換機、ワークステーショ
ン、ビデオ、携帯電話、電子計算機等に有効利用でき
る。
【0038】
【発明の効果】上記したように、本発明によれば、表層
回路パターン材料の焼結開始温度を絶縁層材料の焼結開
始温度より高くするような材料構成をとることにより、
表層回路を一括焼成した多層回路基板を提供できるよう
になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明によるセラミック基板の平面図であ
る。
【図2】 本発明によるセラミック基板の斜視図であ
る。
【符号の説明】
1…セラミック基板,3、4、5、6…ビア、7…配線
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 長谷川 満 茨城県日立市大みか町七丁目1番1号 株 式会社日立製作所日立研究所内

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 導電性ペーストによって表面に回路パタ
    ーンの形成されたセラミック未焼成グリーンシートを積
    層し、これらを一括焼成して形成されるセラミック回路
    基板において、 少なくとも表層に形成される導電性ペーストの焼結開始
    温度がセラミックグリーンシートの焼結開始温度より高
    いことを特徴とするセラミック回路基板。
  2. 【請求項2】 前記導電性ペーストに含まれる最も拡散
    速度の高い無機物の拡散係数が10-7cm2 /sに達す
    る温度が、前記セラミックグリーンシートに含まれる最
    も拡散速度の高い無機物の拡散係数が10-7cm2 /s
    に達する温度より高いことを特徴とする請求項1記載の
    セラミック回路基板。
  3. 【請求項3】 前記導電性ペーストは、Ag導体ペース
    トであることを特徴とする請求項1記載のセラミック回
    路基板。
  4. 【請求項4】 前記導電性ペーストは、Ag−Pd導体
    ペーストであることを特徴とする請求項1記載のセラミ
    ック回路基板。
  5. 【請求項5】 前記導電性ペーストは、Ag−Pt導体
    ペーストであることを特徴とする請求項1記載のセラミ
    ック回路基板。
  6. 【請求項6】 前記導電性ペーストは、Au導体ペース
    トであることを特徴とする請求項1記載のセラミック回
    路基板。
  7. 【請求項7】 前記導電性ペーストは、Cu導体ペース
    トであることを特徴とする請求項1記載のセラミック回
    路基板。
  8. 【請求項8】 導電性ペーストによって表面に回路パタ
    ーンの形成されたセラミック未焼成グリーンシートを積
    層し、これらを一括焼成して形成されるセラミック回路
    基板の製造方法において、 少なくとも表層に形成される導電性ペーストが焼結を開
    始する前にセラミックグリーンシートを焼結を開始させ
    るようにしたことを特徴とするセラミック回路基板の製
    造方法。
  9. 【請求項9】 前記導電性ペーストは卑金属を含み、中
    性雰囲気中で焼成することを特徴とする請求項8記載の
    セラミック回路基板の製造方法。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6265090B1 (en) * 1998-06-05 2001-07-24 Murata Maufacturing Co., Ltd. Electrically conductive paste ceramic multi-layered substrate
JP2015106574A (ja) * 2013-11-28 2015-06-08 Necトーキン株式会社 インダクタンス素子

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