JPH06333278A - 光磁気記録媒体 - Google Patents

光磁気記録媒体

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JPH06333278A
JPH06333278A JP5119926A JP11992693A JPH06333278A JP H06333278 A JPH06333278 A JP H06333278A JP 5119926 A JP5119926 A JP 5119926A JP 11992693 A JP11992693 A JP 11992693A JP H06333278 A JPH06333278 A JP H06333278A
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JP
Japan
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layer
magnetic field
magnetization
recording
magneto
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JP5119926A
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English (en)
Inventor
Kazutomo Miyata
一智 宮田
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Nikon Corp
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Abstract

(57)【要約】 【目的】光変調オーバーライト方式の光磁気記録におい
て、初期化磁界補助層を付加することにより、初期補助
磁界の低減を可能とする光磁気記録媒体を提供する。 【構成】記録された情報の読み出し温度においては、磁
界が小さくなり、また室温においては、外部磁界がかか
らないときは面内磁化しており、外部磁界がかかったと
きは垂直磁化の成分をもち、この変化の際ヒステリシス
エネルギーは持たないような層を付加したことを特徴と
する光磁気記録媒体。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、光変調オーバーライト
可能な光磁気記録媒体の改良に関する。オーバーライト
(over write)とは、前の情報を消去せずに新たな情報を
記録する行為を言う。この場合、再生したとき、前の情
報は再生されてはならない。本明細書で言う「オーバー
ライト」とは、特に、記録磁界Hb の向き及び強度を変
調せずに、単にレーザービームを記録すべき情報に従い
パルス変調しながら照射する(irradiate) ことにより、
オーバーライトすることを言う。
【0002】
【従来の技術】最近、高密度、大容量、高いアクセス速
度、並びに高い記録及び再生速度を含めた種々の要求を
満足する光学的記録再生方法、それに使用される記録装
置、再生装置及び記録媒体を開発しようとする努力が成
されている。広範囲な光学的記録再生方法の中で、光磁
気記録再生方法は、情報を記録した後、消去することが
でき、再び新たな情報を記録することが繰り返し何度も
可能であるというユニークな利点のために、最も大きな
魅力に満ちている。
【0003】この光磁気記録再生方法で使用される記録
媒体は、記録を残す層として1層又は多層からなる垂直
磁化膜(perpendicular magnetic layer or layers) を
有する。この磁化膜は、例えばアモルファスのGdFeやGd
Co、GdFeCo、TbFe、TbCo、TbFeCoなどからなる。垂直磁
化膜は、一般に同心円状又はらせん状のトラックを有し
ており、このトラックの上に情報が記録される。トラッ
クは明示的な場合と黙示的な場合の2通りある。 〔明示的なトラック〕光磁気記録媒体はディスク形状を
している。明示的なトラックを有するディスクは、ディ
スク平面に対し垂直方向から見た場合、情報を記録する
トラックが渦巻状又は同心円状に形成されている。そし
て、隣接する2つのトラック間にトラッキングのため及
び分離のための溝(グルーブ groove )が存在する。逆
に溝と溝の間をランド(land)と呼ぶ。実際には、ディス
クの裏表でランドと溝が逆になる。そこで、ビームが入
射するのと同じにディスクを見て、手前を溝、奥をラン
ドと呼ぶ。垂直磁化膜は、溝の上にもランドの上にも一
面に形成するので、溝の部分をトラックにしてもよい
し、ランドの部分をトラックにしてもよい。溝の幅とラ
ンドの幅との間に特に大小関係はない。
【0004】このようなランドと溝を構成するために、
一般に、基板には、表面に渦巻状又は同心円状に形成さ
れたランドと、2つの隣合うランド間に挟まれた溝が存
在する。このような基板上に薄く垂直磁化膜が形成され
る。これにより垂直磁化膜はランドと溝を持つ。 〔マーク〕本明細書では、膜面に対し「上向き(upwar
d) 」又は「下向き(downward)」の何れか一方を、「A
向き」、他方を「逆A向き」と定義する。
【0005】記録すべき情報は、予め2値化されてお
り、この情報が「A向き」の磁化を有するマーク(B1)
と、「逆A向き」の磁化を有するマーク(B0)の2つの
信号で記録される。これらのマークB1 ,B0 は、デジ
タル信号の1,0の何れか一方と他方にそれぞれ相当す
る。しかし、一般には記録されるトラックの磁化は、記
録前に強力な外部磁場を印加することによって「逆A向
き」に揃えられる。この磁化の向きを揃える行為は、古
い意味で「初期化* (initialize* )」と呼ばれる。そ
の上でトラックに「A向き」の磁化を有するマーク(B
1)を形成する。情報は、このマーク(B1)の有無、位
置、マークの前端位置、後端位置、マーク長等によって
表現される。特にマークのエッジ位置が情報を表す方法
はマーク長記録と呼ばれる。尚、マークは過去にピット
又はビットと呼ばれたことがあるが、最近はマークと呼
ぶ。
【0006】ところで、記録ずみの媒体を再使用するに
は、 (1) 媒体を再び初期化* 装置で初期化* するか、
又は (2) 記録装置に記録ヘッドと同様な消去ヘッドを
併設するか、又は (3) 予め、前段処理として記録装置
又は消去装置を用いて記録ずみ情報を消去する必要があ
る。従って、光磁気記録方式では、これまで、記録ずみ
情報の有無にかかわらず新たな情報をその場で記録でき
るオーバーライトは、不可能とされていた。
【0007】もっとも、もし記録磁界Hb の向きを必要
に応じて「A向き」と「逆A向き」との間で自由に変調
することができれば、オーバーライトが可能になる。し
かしながら、記録磁界Hb の向きを高速度で変調するこ
とは不可能である。例えば、記録磁界Hb が永久磁石で
ある場合、磁石の向きを機械的に反転させる必要があ
る。しかし、磁石の向きを高速で反転させることは、無
理である。記録磁界Hbが電磁石である場合にも、大容
量の電流の向きをそのように高速で変調することは不可
能である。
【0008】しかしながら、技術の進歩は著しく、記録
磁界Hb の強度を変調せずに(ON、OFF を含む) 又は記
録磁界Hb の向きを変調せずに、照射する光ビームの強
度を記録すべき2値化情報に従い変調するだけで、オー
バーライトが可能な光磁気記録方法と、それに使用され
るオーバーライト可能な光磁気記録媒体と、同じくそれ
に使用されるオーバーライト可能な記録装置が発明さ
れ、特許出願された(特開昭62−175948号=DE3,619,61
8A1 =米国特許出願中 Ser.No453,255) 。以下、この発
明を「基本発明」と引用する。 〔基本発明の説明〕基本発明では、「基本的に垂直磁化
可能な磁性薄膜からなる記録再生層recording layer
(本明細書では、この記録再生層をメモリー層 Memory
layer又はM層と言う)と、垂直磁化可能な磁性薄膜か
らなる記録補助層 referencelayer (本明細書では、こ
の記録補助層を記録層 Writing layer 又はW層と言
う)とを含み、両層は交換結合(exchange-coupled) し
ており、かつ、室温でM層の磁化の向きは変えないでW
層の磁化のみを所定の向きに向けておくことができるオ
ーバーライト可能な多層光磁気記録媒体」を使用する。
【0009】そして、情報をM層(場合によりW層に
も)における「A向き」磁化を有するマークと「逆A向
き」磁化を有するマークで表現し、記録するのである。
この媒体は、W層が外部手段(例えば初期補助磁界Hin
i. )によって、その磁化の向きを「A向き」に揃える
ことができる。しかも、そのとき、M層は、磁化の向き
は反転せず、更に、一旦「A向き」に揃えられたW層の
磁化の向きは、M層からの交換結合力を受けても反転せ
ず、逆にM層の磁化の向きは、「A向き」に揃えられた
W層からの交換結合力を受けても反転しない。そして、
W層は、M層に比べて低い保磁力HC と高いキュリー点
C を持つ。
【0010】基本発明の記録方法によれば、記録媒体
は、記録前までに、外部手段によりW層の磁化の向きだ
けが「A向き」に揃えられる。この行為を本明細書では
特別に“初期化(initialize)”と呼ぶ。この“初期化”
はオーバーライト可能な媒体に特有なことである。その
上で、2値化情報に従いパルス変調されたレーザービー
ムが媒体に照射される。レーザービームの強度は、高レ
ベルPH と低レベルPL があり、これはパルスの高レベ
ルと低レベルに相当する。この低レベルは、再生時に媒
体を照射する再生レベルPR よりも高い。既に知られて
いるように、記録をしない時にも、例えば媒体における
所定の記録場所をアクセスするためにレーザービームを
<非常な低レベル>で点灯することがある。この<非常
な低レベル>も、再生レベルPR と同一又は近似のレベ
ルである。
【0011】例えば、「A向き」に“初期化(initializ
e)”された媒体は、低レベルPL のレーザービームの照
射を受けると、媒体の温度が向上してM層の保磁力Hc1
が非常に小さくなるか極端にはゼロになる。ゼロになる
のは、媒体の温度がM層のキュリー点以上であるときで
ある。このとき、W層の保磁力Hc2は十分に大きく、
「逆A向き」の記録磁界Hb で反転されることはない。
そして、W層の力が交換結合力を介してM層に及ぶ。M
層、W層は、一般に重希土類金属(heavy rareearth me
tal:以下、REと略す)−遷移金属(transition meta
l:以下、TMと略す)合金で構成される。交換結合力
は、両層のRE磁気モーメント同士を揃える力と両層の
TM磁気モーメント同士を揃える力からなる。尚、合金
中ではREの副格子磁化とTMの副格子磁化とは、向き
が逆であり、大きい方の副格子磁化の向きが、合金の磁
化の向きを決める。両副格子磁化が等しいとき、その組
成を補償組成(compensation composition) と言い、そ
の温度を補償温度(compensation temperature) と言
う。補償温度より上ではTM副格子磁化の方が強く、補
償温度より下ではRE副格子磁化の方が強い。
【0012】レーザービームを照射する前のマークの状
態は、M層とW層との間に界面磁壁が存在する状態
と、存在しない状態との2種がある。存在しない状
態のマークは、形成しようとするマークと一致する。
存在する状態のマークは、形成しようとするマークと一
致しない。後者の場合、W層の力が交換結合力を介し
てM層に及ぶ結果、非常に小さくなった保磁力Hc1を持
つM層の磁化は、W層によって支配された所定の向き
(例えば、「A向き」)を向かされる。その結果、M層
とW層との間に界面磁壁が存在しないマーク(目的とす
るマーク)が形成される。
【0013】仮にM層の磁化がゼロだった場合(Tc1
上)でもレーザービームの照射がなくなり、媒体の温度
が自然に低下してキュリー点Tc1よりやや下がると、M
層に磁化が現れる。このとき、同様にW層の力が交換結
合力を介してM層に及ぶ。そのため、M層に現れる磁化
は、W層によって支配された所定の向き(例えば、「A
向き」)を向く。この状態から室温に戻るが、所定の向
きが保たれる。ただし、室温へ戻る途中にM層、W層に
補償温度があると、そこを越えたとき、その層の磁化の
向きは逆転する。このプロセスは低温サイクル又は低温
プロセスと呼ばれる。
【0014】他方、例えば、「A向き」に“初期化(ini
tialize)”された媒体は、高レベルPH のレーザービー
ムの照射を受けると、媒体の温度が向上してM層の保磁
力Hc1はゼロになり、W層の保磁力Hc2は非常に小さく
なるか、極端にはゼロになる。そのため、非常に小さい
保磁力Hc2を持つW層の磁化は、記録磁界Hb に負けて
所定の向き(例えば、「逆A向き」)を向く。仮にW層
の磁化がゼロだった場合でもレーザービームの照射がな
くなり、媒体の温度が自然に低下して キュリー点Tc2
よりやや下がると、W層に磁化が現れるが、このとき、
同様に記録磁界Hb に負けて、W層の磁化は所定の向き
(例えば、「逆A向き」)を向く。更に媒体の温度が冷
えてキュリー点Tc1よりやや下がると、M層に磁化が現
れる。このとき、W層の力が交換結合力を介してM層に
及ぶ。そのため、M層に現れる磁化は、W層によって支
配された所定の向き(例えば、「逆A向き」)を向く。
この状態から室温に戻るが、所定の向きが保たれる。但
し、室温へ戻る途中にM層、W層に補償温度があると、
そこを越えたとき、M層、W層の磁化の向きは逆転す
る。このプロセスは高温サイクル又は高温プロセスと呼
ばれる。
【0015】以上の低温サイクル、高温サイクルは、M
層、W層の磁化の向きに無関係に、起こる。ともかく、
レーザービームの照射前にW層が“初期化(initializ
e)”されておれば良い。そのため、オーバーライトが可
能となる。基本発明では、レーザービームは、記録すべ
き情報に従いパルス状に変調される。しかし、このこと
自身は、従来の光磁気記録でも行われており、記録すべ
き2値化情報に従いビーム強度をパルス状に変調する手
段は既知の手段である。例えば、THE BELL SYSTEM T
ECHNICAL JOURNAL, Vol.62(1983),1923 −1936に詳し
く説明されている。従って、ビーム強度の必要な高レベ
ルと低レベルが与えられれば、従来の変調手段を一部修
正するだけで容易に入手できる。当業者にとって、その
ような修正は、ビーム強度の高レベルと低レベルが与え
られれば、容易であろう。
【0016】基本発明に於いて特徴的なことの1つは、
ビーム強度の高レベルと低レベルである。即ち、ビーム
強度が高レベルの時に、記録磁界Hb その他の外部手段
によりW層の「A向き」磁化を「逆A向き」に反転(re
verse)させ、このW層の「逆A向き」磁化によってM層
に「逆A向き」磁化〔又は「A向き」磁化〕を有するマ
ークを形成する。ビーム強度が低レベルの時は、W層の
磁化の向きは、“初期化”状態と変わらず、そして、W
層の作用(この作用は交換結合力を通じてM層に伝わ
る)によってM層に「A向き」磁化〔又は「逆A向き」
磁化〕を有するマークを形成する。
【0017】基本発明で使用される記録媒体は、M層と
W層を含む多層構造を有する。M層は、室温で保磁力が
高く磁化反転温度が低い磁性層である。W層はM層に比
べ相対的に室温で保磁力が低く磁化反転温度が高い磁性
層である。なお、M層とW層ともに、それ自体多層膜か
ら構成されていてもよい。 場合によりM層とW層との
間に中間層(例えば、交換結合力σW 調整層・・・・以
下、この層をI層と略す)が存在していてもよい。I層
については、特開昭64−50257 号や特開平1−273248号
を参照されたい。
【0018】また、オーバーライト可能な光磁気記録に
ついては、その外、特開平4−123339号や特開平4−13
4741号など多くの資料が出されているので、ここでは、
これ以上の説明を省く。なお、特開平4−123339号に開
示された4層構造のディスクは、M層、W層の外に、
“初期化”層 (Initializing layer:以下、Ini層と
略す)、Ini層とW層との間に両層の間の交換結合をオ
ン・オフするスイッチング層(Swithing layer:以下:
S層と略す)を持つ。
【0019】C/N比を高めるために、M層の上に(つ
まり、レーザービームの入射側に)M層よりキュリー点
が高くカー効果の高い読出層(Readout layer :以下:
R層と略す)を積層したものも提案されている。例え
ば、特開昭63−64651 号公報、特開昭63−48637 号公報
を参照されたい。提案されたR層もRE−TM系合金で
構成される。
【0020】ところで、光変調オーバーライト方式で
は、以上述べてきたように、書き込み前に媒体を初期補
助磁界により初期化する必要があり、現在この初期補助
磁界は3kOe以上の大きなものになっている。しかしなが
らディスクカートリッジや記録再生装置が大型化してし
まう等の問題があるため初期補助磁界の低減が望まれて
おり、光変調オーバーライト方式の実用化における重要
な課題となっている。
【0021】
【課題を解決するための手段】本発明ではこれら課題を
解決するために鋭意研究した結果、光変調によるオーバ
ーライトが可能な光磁気記録媒体において、情報の読み
出し温度においては磁化が小さくなり、室温において
は、外部磁界がかからないときは面内磁化しており、外
部磁界がかかると垂直磁化の成分をもち、この変化の際
ヒステリシスエネルギーは持たないような層(以下、初
期化磁界補助層と言う)を設けることにより、初期補助
磁界を低下させることができることを見い出すに至っ
た。
【0022】
【作用】初期化磁界補助層が外部磁界の作用により垂直
磁化成分をもち、その垂直磁化成分の静磁界により、W
層にかかる見かけの外部磁界が増大する。この効果によ
り実際の外部磁界を低くすることができる。
【0023】
【実施例】図2に示す様な3つの真空槽をもち、そのう
ち2つはスパッタリング槽で、それぞれに各4つのスパ
ッタリング用ターゲット(以下、ターゲットと言う)を
備えたスパッタリング装置により、図1に示すような光
磁気記録媒体を以下の手順で作成した。
【0024】まず、中央の真空層にトラッキング用案内
溝の刻まれた樹脂層を有するディスク用ガラス基板をセ
ットし、5×10-5Pa以下の真空状態にした.スパッタリ
ング装置のスパッタリング槽内にArガスとN2ガスを導
入し、第1のターゲットSiによりスパッタリング速度10
nm/min、Ar圧0.2Paの条件で、SiとN2の反応性スパッタ
リングを行い、SiN層を厚さ70nm形成した。
【0025】次に第2のターゲットGdFeCoによりスパッ
タリング速度20nm/min、Ar圧0.3 Paの条件でGd24.7Fe
51.8Co23.5のR層を厚さ30nm形成した。次に第3のター
ゲットTbと第4のターゲットFeCoによりスパッタリング
速度20nm/minでTbとFeCoの2元同時スパッタリングを行
い、Tb21Fe75Co4 のM層を厚さ25nm形成した。
【0026】次に第5のターゲットGdFeCoによりスパッ
タリング速度20nm/min、Ar圧0.3Paの条件でGd35Fe52Co
13のI層を厚さ15nm形成した。次に第6のターゲットDy
と第7のターゲットFeCoによりスパッタリング速度20nm
/min、Ar圧0.2Paの条件でDyとFeCoの2元同時スパッタ
リングを行い、 DyFeCoのW層を厚さ50nm形成した。
【0027】次に第8のターゲットGdFeCoにより初期化
磁界補助層を厚さ100nm 形成した。最後に第1のターゲ
ットにより前記Si層と同様の条件でSiN層を形成し、図
1に示す媒体が製作できた。以上のようにして得た媒体
を初期補助磁界Hini が組み込まれた光磁気記録再生装
置にセットし、記録再生ヘッドと媒体の相対速度(線
速)11.3m/sで回転させながら、約1μm径に集光させた
波長830nmのレーザービームを周波数3MHz、デューティ
ー比50%で変調させて、媒体に基板側から照射した。こ
の際、ビーム強度はPH = 8.0mW あるいはPL =4.0mW
の2値変調を行い、記録磁界として300Oeを印加して記
録を行った。
【0028】次に、この媒体に、周波数を4MHzにした以
外は同一の条件で重ねて記録(オーバーライト)を行っ
た。このようにオーバーライトをおこなった媒体をビー
ム強度PR =1.0mW により情報を再生し、C/Nの測定
をおこなった。以上の一連の実験を初期補助磁界を変化
させて行い、初期補助磁界の大きさと単一信号強度とノ
イズ強度の比(C/N値)との関係を求めた。
【0029】結果を表1に示す。表1より本実施例によ
る媒体は、初期補助磁界2.0 KOeまで小さくしても充分
にオーバーライトが可能であることがC/N値の変化か
ら読み取れる。
【0030】
【比較例】初期化磁界補助層を設けないこと以外は本実
施例と同様な媒体を作製し、本実施例と同様な評価を行
った。結果を表2に示す。表2より本比較例による媒体
は、初期補助磁界3.0 KOeまではオーバーライトを良好
に行うものの、2.0 KOe以下ではC/Nが低下してしま
いオーバーライトが良好に行われていないことがわか
る。
【0031】
【発明の効果】
【0032】
【表1】
【0033】
【表2】
【0034】以上のように、本発明による初期化磁界補
助層を備えた媒体は、初期補助磁界の低減に有効であ
り、これによってディスクカートリッジや記録再生装置
の小型化が可能となることから、光変調方式のオーバー
ライトの実用化に役立つことが示された。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例で作製した媒体の断面図であ
る。
【図2】本発明の実施例の作製に使用したスパッタリン
グ装置の説明図である。
【符号の説明】
1・・・・・・基板 2・・・・・・樹脂層 3・・・・・・SiN層 4・・・・・・R層 5・・・・・・M層 6・・・・・・I層 7・・・・・・W層 8・・・・・・初期化磁界補助層 21〜28・・・スパッタリング用ターゲット 31・・・・・・ロード、アンロード槽 32・・・・・・スパッタリング槽 以上

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】垂直磁気異方性を有する第1層をメモリー
    層とし、垂直磁気異方性を有する第2層を記録層とする
    多層構造を有し、層平面に対して上向きまたは下向きの
    いずれか一方を「A向き」とし、他方を「逆A向き」と
    するとき、記録層の磁化のみが記録前までに初期化磁界
    により「A向き」に揃えられ、高レベルのレーザービー
    ムが照射された時は、記録磁界により記録層の「A向
    き」磁化が「逆A向き」に反転させられ、この記録層の
    「逆A向き」の磁化の作用によってメモリー層に「逆A
    向き」(または「A向き」)を有するマークが形成さ
    れ、低レベルのレーザービームが照射されたときは、記
    録層の「A向き」の磁化の作用によってメモリー層に
    「A向き」(または「逆A向き」)を有するマークが形
    成される、オーバーライトが可能な光磁気記録媒体にお
    いて、情報の読み出し温度においては、磁化が小さくな
    り、また室温においては、外部磁界がかからないときは
    面内磁化しており、外部磁界がかかったときは垂直磁化
    の成分をもち、この変化の際ヒステリシスエネルギーは
    持たないような層を付加したことを特徴とする光磁気記
    録媒体。
JP5119926A 1993-05-21 1993-05-21 光磁気記録媒体 Pending JPH06333278A (ja)

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