JPH06331844A - 石英系光導波路及びその製造方法 - Google Patents

石英系光導波路及びその製造方法

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JPH06331844A
JPH06331844A JP11614493A JP11614493A JPH06331844A JP H06331844 A JPH06331844 A JP H06331844A JP 11614493 A JP11614493 A JP 11614493A JP 11614493 A JP11614493 A JP 11614493A JP H06331844 A JPH06331844 A JP H06331844A
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JP
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glass
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lower clad
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JP11614493A
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English (en)
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Yasuji Omori
保治 大森
Katsuhide Onose
勝秀 小野瀬
Hisaaki Okazaki
久晃 岡崎
Toshimi Kominato
俊海 小湊
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Nippon Telegraph and Telephone Corp
Original Assignee
Nippon Telegraph and Telephone Corp
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 凹型プロセスでの本質的な課題であった凹部
でのコア部の発泡および変形を解決するためになされた
もので、再現性が高く、強結合を有する方向性結合器を
形成できる石英系光導波路構造及びその製造方法を提供
する。 【構成】 基板11上に下部クラッド層12としてドー
プト石英ガラスを形成し、前記下部クラッド層12より
コア部となる部分をエッチングで除去し、下部クラッド
ガラスより屈折率が高く軟化温度の低いドープト石英ガ
ラスをコア層として堆積した後、前記コア層の不要部を
エッチングにより除去して光伝搬作用を有するコア部1
3を形成し、下部クラッド層12の屈折率とほぼ同じ屈
折率の上部クラッド層14を形成することにより、石英
系光導波路を形成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、導波型光回路部品分野
に用いる石英系光導波路とその製造方法に関するもので
ある。
【0002】
【従来の技術】石英系導波型光回路は石英系光ファイバ
との整合性が良いことから、実用的な導波型光部品を実
現できる手段として注目されている。この種の石英系導
波型光回路を作製するには、数μmから数十μm厚の石
英系ガラス膜を形成する技術とフォトリソグラフィを利
用して数μm幅のパターン形状に加工する技術との組み
合わせが用いられている。この膜形成技術と加工技術を
どのように組み合わせるかが光導波路および最終的な光
回路の構造と特性を決定することになる。
【0003】図5及び図6は基本となる2種類の石英系
光導波路の作製手順を示す。すなわち図5は、凸型プロ
セスと称する作製手順で、図6は凹型プロセスと称する
作製手順である。いずれの図も石英系光回路の基本回路
素子である方向性結合器を作製する場合について示して
ある。図5の凸型プロセスにおいては最初に下部クラッ
ドを兼ねる石英基板1にコア膜2を形成し(図5(a)(b)
参照)、コア膜2を導波路パターン(コア部)3になる
ように凸型に加工する(図5(c) 参照)。最後に上部ク
ラッドとなるガラス膜4を形成し(図5(d) 参照)、埋
め込み型の光導波路回路を作製する。一方、図6の凹型
プロセスでは最初に石英基板1にコア部になる部分を除
去して凹部1aを形成し、下部クラッドを凹型に加工し
た後(図6(a)(b)参照)、コア膜2を形成する(図6
(c) 参照)。次に、石英基板1上面までのコア膜2を除
去してコア部3を形成した後(図6(d) 参照)、上部ク
ラッド層となるガラス膜4を形成することで埋め込み型
の光導波路回路を作製する。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】従来は凹型プロセスに
おいてコア膜を形成する工程で、下部クラッド部に形成
した幅、深さとも数μmの凹部1aでコア膜が発泡する
か、発泡を防ぐためにより高温で熱処理するとコア形状
となる凹部が変形が大きいという本質的な問題があった
ため、凹型プロセスで実用的な光回路はほとんど作製さ
れていない。その結果、現状の石英系導波型光回路は図
5に示した基本となる凸型プロセスに各種改良を加えた
方法で作製されている。しかし、凸型プロセスでは上部
クラッド部を形成する時にコア部が凸型になっているた
め、凹型プロセスにくらべて本質的にコア部が変形しや
すいという問題があり、特に導波路間隔が2〜3μmに
なる方向性結合器では結合率の再現性が悪いという問題
があった。また、一般的な加工技術であるフォトリソグ
ラフィと反応性イオンエッチングを利用した方法で光導
波路に要求される数μmのガラスを除去すると、マスク
でのコア導波路幅より、実際のコアの導波路幅が小さく
なるというパターンやせ現象が本質的にある。
【0005】そのため、凸型プロセスで形成する方向性
結合器の結合部の導波路間隔は凹型に比べて本質的に大
きくなり、強結合方向性結合器を形成できないという問
題があった。
【0006】本発明の目的は、凹型プロセスでの本質的
な課題であった凹部でのコア部の発泡および変形を解決
するためになされたもので、再現性が高く、強結合を有
する方向性結合器を形成できる石英系光導波路及びその
製造方法を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明の石英系光導波路では基板上に形成された下
部クラッド層、コア層、上部クラッド層からなる石英系
光導波路において、前記下部クラッド層に酸化物または
フッ素を少なくとも1種類含有し、前記コア層に酸化物
またはフッ素を少なくとも1種類含有し、かつ前記コア
層が前記下部クラッド層よりも屈折率が高く軟化温度が
低い材料とした。また、本発明の石英系光導波路の製造
方法では、基板上に下部クラッド層としてドープト石英
ガラスを形成する工程と、前記下部クラッド層よりコア
部となる部分をエッチングで除去し、下部クラッドガラ
スより屈折率が高く軟化温度の低いドープト石英ガラス
をコア層として堆積した後、前記コア層の不要部をエッ
チングにより除去して光伝搬作用を有するコア部を形成
する工程と、下部クラッド層の屈折率とほぼ同じ屈折率
の上部クラッド層を形成する工程とからなる。
【0008】
【作用】本発明によれば、下部クラッドガラス及びコア
ガラスの網目構造(マトリクス構造)がドーパントによ
り、石英ガラスよりも少し広がった構造になっている。
そのため、下部クラッドとコアの境界でドーパントの偏
析が本質的に抑制された構造になっており、低温で発泡
が発生しない。また、コアガラスの軟化温度が下部クラ
ッドガラスよりも低いため、コアガラスを均質なガラス
にし、低損失特性を達成するために必要な熱処理を行っ
ても下部クラッドの凹部が変形しない。
【0009】すなわち、従来の凹型プロセスとはクラッ
ドとコア界面でのドーパントの偏析について考慮された
構造になっている点で大きく異なる。
【0010】光導波路の形状としては、下部クラッド厚
の厚さが、コア層の3倍以上であり、上部クラッド層の
厚さがコア層の2倍以上であることが望ましい。
【0011】
【実施例】以下、図面により本発明の実施例を詳細に説
明する。
【0012】図1は本発明の凹型プロセスによる石英系
光導波路の一実施例を示す。断面拡大図である。図6に
示した従来例との大きな相違点は下部クラッド層12が
石英ガラスの代わりにB2 3 、P2 5 添加石英ガラ
スになっていることである。図1に示した石英系光導波
路を製造するために、シリコン(Si)基板11に三塩
化ボロンBCl 3 、三塩化リンPCl 3 、四塩化硅素S
i Cl 4 の火炎加水分解反応を利用して(FHD)、ド
ープト石英ガラス微粒子を堆積した。次に、ガラス微粒
子をSi基板11と一緒に電気炉中で高温(約1350℃)
に加熱して透明ガラス化して約30μm厚の下部クラッド
層12とした。次にコア部になる部分を反応性イオンエ
ッチングにより6μm除去して下部クラッド層12に幅
6μm,深さ6μmの溝パターン(凹部)12aを形成
した。次に三塩化ボロンBCl3 、三塩化リンPCl
3 、四塩化ゲルマニウムGeCl 4 、四塩化硅素Si
Cl4 の火炎加水分解反応によりコア用ドープト石英ガ
ラス微粒子を堆積、透明ガラス化を行った。作製したコ
アガラス層の膜厚は12μmであった。この時、凹部12
aでの発泡は観測されず、本発明の有用性が確認でき
た。次に反応性イオンエッチングによりコアガラス層を
6μmエッチングし、図1に示すように、下部クラッド
層12の凹部12aのみに矩形のコア部13を残した。
最後に下部クラッド層12とほぼ同じ屈折率をもつB2
3 、P2 5 添加石英ガラス層14を約30μm上部ク
ラッド層として火炎加水分解反応により形成した。この
実施例で作製した方向性結合器の諸元は、コア部寸法6
μm×6μm、コア・クラッド間の比屈折率差0.75% 、
方向性結合器の結合部のコア間隔2μm、結合長0.3 m
mであった。また、全長は6cmであった。
【0013】このようにして作製した方向性結合器の挿
入損失を測定した結果、0.7 dBであった。比較のため
に、下部クラッド層としてCVD法およびスパッタ法で
石英ガラスにした従来技術でコア膜を形成したところ、
凹部でのコア・クラッド界面での微小な発泡が観測さ
れ、挿入損失は6dBと高損失であり実用的な回路では
なかった。
【0014】次に下部クラッド層の厚さを変えて上記の
方法で方向性結合器を作製し、挿入損失を測定した。そ
の結果を図2に示す。下部クラッド層が18μm以下に
なると損失の増加があった。これはコアからクラッドへ
の光のしみだしがコア径の約2倍のところまであり、基
板のSiによる損失が発生するためである。そのため、
低損失な光導波路を作製するためには下部クラッド層の
厚さがコア径の3倍以上かつ上部クラッド層が2倍以上
あることが必要である。
【0015】また、下部クラッド層およびコア層におい
てB2 3 、P2 5 、GeO2 の添加量をいろいろ変
化させて作製した。その結果、いずれの場合も発泡が発
生せず、挿入損失も1dB以下であった。
【0016】以上のことから、本実施例ではドーパント
として、B2 3 、P2 5 、GeO2 について述べた
が、本発明の本質はドープト石英ガラスを使用すること
にあるので、F、TiO2 、Al2 3 等のいずれのドー
パントについても適用できる。 図3は本発明の実施例
2を示すもので、基板として石英基板1を使用し、実施
例1と同じ方法で下部クラッド12、コア部13を作製
した。その後、CVD法で石英ガラスを上部クラッド層
34として形成した。その結果、前述の実施例1と同
様、挿入損失は1dB以下の低損失特性が得られた。こ
のことは本発明はSi基板及び上部クラッドがドープト
石英に限定されるものではなく、基板として石英ガラ
ス、サファイア等が適用できることと、上部クラッドガ
ラスは石英ガラスも使用できることを示している。
【0017】凸型プロセスと本発明による凹型プロセス
によるウエハ内の方向性結合器の結合率の均一性を調べ
るため、ウエハ内に実施例1に示す方向性結合器が9個
あるテストマクスにより、結合率の回路のウエハ内位置
依存性を測定した。凹型プロセスについては実施例1と
同じ手順で作製し、従来の凸型プロセスでも同じガラス
組成で作製した。その結果を図4に示す。本発明での結
合率のばらつきは±2%以下であるが、従来例では±8
%であり、約1/4に低減された。また、同じマスクを
使用しても、本発明の結合率は平均で50%であるのに
対して従来例では25%であり、倍の強結合が実現され
ている。
【0018】以上、方向性結合器を例にとり、本発明の
石英導波路の構造と製造方法について説明したが、本発
明は方向性結合器に限定されることはなく、導波路型光
分岐・結合器,光スイッチ,光合分波器等の多種、多様
な導波型光部品メニューに適用できることは言うまでも
ない。
【0019】以上の実施例では、ドープト石英ガラス膜
を火炎加水分解反応を利用して堆積したが、これは、こ
の方法が比較的厚く、高品質なガラス膜の堆積に適して
いるからである。場合によっては、別のガラス膜堆積
法、例えばCVD法やスパッタ法を一部または全部に用
いることもできる。
【0020】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
ドープト石英ガラスを下部クラッド層とコア層に形成す
ることで、凹型プロセスで発泡がなく、低損失な導波路
を形成でき、方向性結合器の再現性の向上、かつ容易に
強結合ができ、導波型光部品を安定かつ再現性よく製造
する上で極めて効果的である。また、Y分岐回路におい
ては分岐部分において導波路間隔を極めて狭くできると
い利点もある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の石英系導波路の実施例1を示す断面拡
大図
【図2】図1に示す方向性結合器の挿入損失の下部クラ
ッド厚依存性を示す図
【図3】実施例2で作製した石英系光導波路の断面拡大
【図4】本発明による方向性結合器の基板内の結合率ば
らつきを示す図
【図5】従来の凸型プロセスによる石英系光導波路の作
製手順を示す図
【図6】従来の凹型プロセスによる石英系光導波路の作
製手順を示す図
【符号の説明】
11…シリコン基板、12…ドープト石英ガラスの下部
クラッド層、12a…凹部、13…コア部、14…上部
クラッド層、34…石英ガラスの上部クラッド層。
フロントページの続き (72)発明者 小湊 俊海 東京都千代田区内幸町1丁目1番6号 日 本電信電話株式会社内

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基板上に形成された下部クラッド層、コ
    ア層、上部クラッド層からなる石英系光導波路におい
    て、 前記下部クラッド層に酸化物またはフッ素を少なくとも
    1種類含有し、 前記コア層に酸化物またはフッ素を少なくとも1種類含
    有し、かつ前記コア層が前記下部クラッド層よりも屈折
    率が高く軟化温度が低い材料であることを特徴とする石
    英系光導波路。
  2. 【請求項2】 基板上に下部クラッド層としてドープト
    石英ガラスを形成する工程と、 前記下部クラッド層よりコア部となる部分をエッチング
    で除去し、下部クラッドガラスより屈折率が高く軟化温
    度の低いドープト石英ガラスをコア層として堆積した
    後、前記コア層の不要部をエッチングにより除去して光
    伝搬作用を有するコア部を形成する工程と、 下部クラッド層の屈折率とほぼ同じ屈折率の上部クラッ
    ド層を形成する工程とからなることを特徴とする石英系
    光導波路の製造方法。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
DE102010044133A1 (de) 2010-11-18 2012-05-24 Schott Ag Ätzverfahren zur Oberflächenstrukturierung
JP2021039241A (ja) * 2019-09-03 2021-03-11 古河電気工業株式会社 光導波路回路、光源モジュールおよび光導波路回路の製造方法

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