JPH063315U - 使い捨ておむつ - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 おむつ本体の尻当部の左右に張り出して取付
けたウエストバンドを、おむつ本体のポリエチレンフィ
ルムからなる外側シートの前当部に粘着テープで粘着し
て身体に装着する際、粘着テープを外側シートの前当部
から剥しても外側シートのポリエチレンフィルムが破れ
ないようにする。 【構成】 ポリエチレンフィルムの外側シート６に予め
エンボス模様１５，１６を加工して置く。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

この考案は、使い捨ておむつ、特に大人用のパンツタイプに適した使い捨てお むつに関する。

【０００２】

【従来の技術】

従来の大人用パンツタイプの使い捨ておむつは、幅をせばめた股ぐり部の前後 に前当て部と、尻当て部とを連接したおむつ本体を、不織布の内側シートと、ポ リエチレンフィルムの外側シートと、両シート間に介在する吸水層とで形成し、 前記尻当て部の左右に張り出して取付けたウェストバンドを粘着テープにより前 当て部の外側シートに粘着して装着するようになっている。 この使い捨ておむつは、寝たきり老人等の身体を動かすことができない患者に 使用するもので、看護者は時々、患者が用を足したか、否かを確認したり、補助 的な役割を果たす吸水性のサブパットと併用している場合にそのサブパットを取 出して新しいサブパットをおむつ内部に挿入するために、粘着テープを前当て部 の外側シートから剥してウェストバンドを外し、患者が用を足していないときや 、サブパットの装入後に再び粘着テープでウェストバンドを外側シートに貼着し て患者に装着する。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】

外側シートに使用するポリエチレンフィルムは厚さが３０μｍｍ程度であって 、貼着したウェストバンドを外すために粘着テープを外側シートから剥すと、粘 着テープの接着力によってポリエチレンフィルムの粘着テープとの貼着部分が引 きつれて破れ、患者の排泄物の一部が、その破れた部分から外に洩れることがあ る。このため、ウェストバンドの粘着テープを貼着する前当て部の外側シートの 外面に厚手のフロントパッチ、例えば厚さ４０μｍｍ程度のポリプロピレンシー トを重ねて取付け、ウェストバンドの粘着テープをそのフロントパッチに貼着し 、貼着後に粘着テープを剥しても引きつれたり破れたりしないようにしている。 しかし、この方法ではフロントパッチがゴワゴワして着用感が悪いばかりか、フ ロントパッチを取付けるために製造工程が増し、コストアップ、ロス率の増加を 来すと共に、製造装置の構造も複雑になる。

【０００４】

【課題を解決するための手段】

本考案は、上述のフロントパッチを前当て部の外面に取付けないで、粘着テー プによるウェストバンドの付け剥しを反復して行えるようにしたのであって、お むつ本体を形成するための外側シートのポリエチレンフィルムをエンボス模様を 有するロールの間に通してエンボス加工し、エンボス模様面に前記粘着テープを 粘着するようにしたのである。

【０００５】

【実施例】

図示の実施例において、１はおむつ本体で、幅をせばめた股ぐり部２の前後に 前当て部３と尻当て部４が連接されて居り、股ぐり部２を横切る線２′を境に本 体１は上下対称になっている。このおむつ本体１は身体に接する不織布の内側シ ート５と、厚さ３０μｍｍ程度のポリエチレンフィルムからなる防水性の外側シ ート６と、両シートの間に介装された吸水層７、例えばパルプに吸水性ポリマー を混合した厚さ５〜１０ｍｍ程度の綿状の層とからなり、内側シート５と外側シ ート６は同形同大であるのに対し、吸水層７は上記両シート５，６より少し小さ い相似形であって、内側シート５と外側シート６は吸水層７の回りで接着してあ る。そして、股ぐり部２の左右側縁部にはゴム糸８を縫い込んで弾力的にしぼり 、装着したときに股に密着して排泄物が外に洩れないようにする。

【０００６】 ９は尻当て部４の左右に張り出して取付けたウェストバンドで、例えば不織布 とポリエチレンフィルムのラミネート片からなり、不織布を内側にして接着など で取付けてある。この各ウェストバンド９の上下のコーナには内側の不織布面上 に片面粘着テープを貼って剥離片１０とし、外側のポリエチレンフィルム面には 側縁９′から外に突出する片面粘着テープ１１を張り、該粘着テープ１１を側縁 ９′で折返して剥離片１０上に粘着する。

【０００７】 使用に際しては、患者の尻の下に尻当て部４をあてがい、前当て部４を下腹上 にあてることで局部を股ぐり部２により包み、各ウェストバンド９に取付けた粘 着テープ１１を剥離片１０から剥して前当て部３の外面の外側シート６に貼着し 、患者に装着する。

【０００８】 外側シート６を構成するポリエチレンフィルムは、原反の状態でエンボス模様 を有するロールの間に通して微細な凹凸模様を加工し、これから切断したもので ある。 エンボス加工するエンボスの模様目の大きさ及び深さは、貼着した粘着テープ を保持してウェストバンドを装着状態に保つと共に、必要に応じ粘着テープを容 易に剥すことができるように、粘着テープの接着力に応じて定める。

【０００９】 ポリエチレンフィルムに対する接着力が２０００ｇ／２５ｍｍ程度の粘着テー プを使用する場合は、金属製で、外周に１インチ当り３０〜３５センの大きさで 、深度８〜１２μｍｍのダイヤ（菱形）の粗いエンボス模様を彫刻したエンボス ロール１２と、硬質ゴム製で、外周に１インチ当り３００センの大きさで、深度 ２μｍｍの細かい砂目エンボス模様をサンドブラスト法で形成したエンボスロー ル１３との間にポリエチレンフィルムを通し、フィルムの表裏に粗いダイヤのエ ンボス模様と、細かい砂目模様の複合した立体模様面を生じさせ、砂目模様のエ ンボスロール１３に接触した面１４が外になるように使用し、その面１４に粘着 テープ１１を貼着する。これによって面１４にはダイヤの粗いエンボス模様１５ が凹んで形成され、その凹の模様の間隔に細かい砂目のエンボス模様１６が凸に 生じ、粘着テープ１１の粘着層１１′は凸の細かい砂目のエンボス模様１６と接 着する。従って、エンボス模様を有さないポリエチレンフィルムに対する接着力 が２０００ｇ／２５ｍｍ程度の粘着テープの場合、ダイヤの粗いエンボス模様の 間隔に形成された凸の細かい砂目のエンボス模様１６に接着すると接着力は約１ ０６５ｇ／ｍｍ程度に低下するが、この程度の接着力であれば患者が身体を動か しても貼着したウェストバンド９は外側シート６から剥れることはない。そして 、ウェストバンド９を貼着した粘着テープ１１は、少し力を要えると容易に外側 シートから剥れ、接着力が低いため、外側シートが引きつれて破れることもない 。

【００１０】

【考案の効果】

以上で明らかなように、本考案ではおしめ本体を形成する外側シートにエンボ ス模様を形成し、ウェストバンドに取付けた粘着テープを上記外側シートの凸の エンボス模様に対して貼着するようにしたので、ウェストバンドを粘着テープに より外側シートに対し剥れることなく貼着して患者に装着できると共に、必要に 応じ装着を外す際は外側シートを傷めることなく反復して粘着テープを剥すこと ができる。これにより従来、外側シートの前当て部外面に重ねて取付けたフロン トパッチが不要になるので着用感が良くなると共に、製造工程及び製造装置が簡 略になり、コスト及びロス率の低下が図れる。

【図面の簡単な説明】

【図１】使い捨ておむつの一半を内側から、他半を外側
から見た平面図である。

【図２】外側シートをエンボス加工している状態の拡大
説明図である。

【図３】外側シートに粘着テープを貼着した状態の拡大
断面図である。

【符号の説明】

１ おしめ本体 ２ 股ぐり部 ３ 前当て部 ４ 尻当て部 ５ 内側シート ６ 外側シート ７ 吸水層 ９ ウェストバンド １１ 粘着テープ １１′ 粘着層 １５ エンボス模様 １６ エンボス模様

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 幅をせばめた股ぐり部の前後に前当て部
   と、尻当て部とを連接したおむつ本体を、不織布の内側
   シートと、ポリエチレンフィルムの外側シートと、両シ
   ート間に介在する吸水層とで形成し、前記尻当て部の左
   右に張り出して取付けたウェストバンドを粘着テープに
   より前当て部の外側シートに粘着して装着する使い捨て
   おむつにおいて、上記外側シートのポリエチレンフィル
   ムをエンボス模様を有するロールの間に通してエンボス
   加工し、エンボス模様面に前記粘着テープを粘着するよ
   うにしたことを特徴とする使い捨ておむつ。