JPH06331370A - 経路評価装置 - Google Patents

経路評価装置

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JPH06331370A
JPH06331370A JP12152293A JP12152293A JPH06331370A JP H06331370 A JPH06331370 A JP H06331370A JP 12152293 A JP12152293 A JP 12152293A JP 12152293 A JP12152293 A JP 12152293A JP H06331370 A JPH06331370 A JP H06331370A
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routes
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美也子 桂川
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宏司 大野
Hiroyoshi Tsuji
紘良 辻
Masaharu Hirota
正治 広田
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 利用者の好みを正確に反映させた評価を行
う。 【構成】 複数の評価基準に対し一対の評価基準毎に重
要度を比較させて比較結果を入力させ、入力された比較
結果を要素とする行列を求め、該行列の固有ベクトルを
演算して重要度ベクトルを演算する(ステップ102 〜10
4 )。次にモデル経路データを取込み、経路の評価基準
に関する値と利用者の満足度との関係を表す満足度特性
を各評価基準毎に演算し、モデル経路の各評価基準につ
いての評価値を要素とする評価値行列を求め、評価値行
列に重要度ベクトルを乗じてモデル経路の経路評価値ベ
クトルを演算し、さらにモデル経路の各評価基準に関す
る値と経路評価値とに基づいて経路評価関数を求める
(ステップ108 〜118 )。評価対象の経路の評価は、各
評価基準に関する値を経路評価関数に代入することによ
って求めた経路評価値に基づいて行う(ステップ124 〜
132 )。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は経路評価装置に係り、特
に、複数の経路を利用者の好みに応じて評価し最適な経
路を選択するための経路評価装置に関する。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】車両用
のナビゲーションシステムとしては、従来より種々のも
のが提案されており、例えば衛星等を利用して自車両の
位置を検出し、地図上に自車両の現在位置を重ねて表示
するようにしたものや、更に自車両の現在位置から目的
地に至る複数の経路を評価して自車両が走行する経路と
して最適な経路を評価選択し表示するようにしたもの、
等がある。運転者等の利用者は、自車両の現在位置が重
ねて表示された地図を参照して自車両の位置を把握した
り、最適な経路が表示されている場合には前記経路に沿
って車両を運転することで、確実に目的地に到達するこ
とができる。
【0003】ところで、経路の評価選択については、走
行距離、目的地に到達するまでの所要時間、走り易いか
否か、等の様々な評価基準があり、利用者にとっての最
適な経路は一意的に定まるものではなく、利用者の好み
(例えば、どの評価基準をどの程度重視するか等)によ
って異なる。従って、経路の評価選択にあたっては利用
者の好みを考慮し、利用者が所望する最適な経路を選択
する必要がある。
【0004】利用者が所望する経路を選択するための従
来の方法としては、例えば特開平2-277200号公報、特開
平4-205499号公報等に開示されている。これらの従来技
術では、評価対象としての複数の経路または複数のリン
クに対し、各評価基準に関する値を重み付けして積算す
ることによって各経路または各リンクの評価選択の基準
となる評価値を求めており、各評価基準に関する値に付
与する重み係数の値を調整することによって前記評価値
に利用者の好みを反映させている。特開平2-277200号公
報では状況によって変化する利用者の好みに対応して、
例えば最短時間経路を優先するモード、最短距離経路を
優先するモード等の複数のモードを用意し、各モード毎
に評価基準の重み係数を予め定めておき、利用者によっ
て選択されたモードの重み係数を用いて前記評価値を演
算するようにしている。
【0005】上記では、各モード毎に評価基準の重み係
数をどのように定めているか明らかではないが、各モー
ド毎の重み係数は利用者の好みを定量的に反映したもの
ではなく、重み係数を変更して利用者の好みを反映させ
たい場合には利用者自身が重み係数の値を設定すること
が記載されている。また、特開平4-205499号公報につい
ても重み係数の設定方法が明らかではないが、経路の評
価選択に利用者の好みを反映させたい場合には、利用者
自身が重み係数の値を定める必要があった。
【0006】しかしながら、人間による経路の評価選択
は、例えばある人間が経路の距離が短いことを最も重要
な評価基準であると考えていたとしても、A経路は距離
が短いが所要時間が長く、右左折回数もかなり多い、そ
れに対してB経路は距離が少し長いが所要時間が短く、
また右左折回数も比較的少ない、従ってこの場合はB経
路を選択する、等のように、複数の評価基準及び自身の
好みを勘案して行っている。このような複雑な経路選択
意識を利用者自身が重み係数として定量化するのは困難
であり、重み係数として利用者の好みが反映された適切
な値が設定されない可能性は非常に高い。重み係数とし
て適切な値が設定されなかった場合には、経路の評価選
択に利用者の好みを正確に反映させることはできない。
【0007】また、前記評価基準に関する値として、特
開平2-277200号公報では所要時間、走行距離、右左折回
数等を全て時間に換算した値を用いており、特開平4-20
5499号公報では道路データより演算によって求めた値を
用いているが、経路に対する利用者の満足度は前述の評
価基準に関する値に比例するとは限らない。例えば経路
の所要時間が長くなるに従って経路に対する利用者の満
足度が二次関数的に急激に低下することも考えられる。
上記技術では、このような経路に対する利用者の満足度
の変化を評価値に反映することができないので、この点
からも利用者の好みを経路の評価選択に反映させること
は困難である。
【0008】本発明は上記事実を考慮して成されたもの
で、利用者の好みを正確に反映させた評価を行うことが
できる経路評価装置を得ることが目的である。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に請求項1記載の発明は、経路を評価するための複数の
評価基準に対し一対の評価基準毎に重要度を比較して定
めた比較結果を要素とする行列を求め、該行列の固有ベ
クトルを演算して重要度ベクトルを演算する重要度演算
手段と、経路の評価基準に関する値と利用者の満足度と
の関係を表す満足度特性を各評価基準毎に演算する満足
度特性演算手段と、評価対象としての複数の経路の各評
価基準に関する値と前記各評価基準毎の満足度特性とに
基づいて、前記複数の経路の各評価基準についての満足
度を表す評価値を要素とする評価値行列を求め、前記評
価値行列と前記重要度ベクトルとに基づいて経路評価値
ベクトルを演算する評価値演算手段と、前記経路評価値
ベクトルに基づいて前記複数の経路を評価する評価手段
と、を有している。
【0010】請求項2記載の発明は、経路を評価するた
めの複数の評価基準に対し一対の評価基準毎に重要度を
比較して定めた比較結果を要素とする行列を求め、該行
列の固有ベクトルを演算して重要度ベクトルを演算する
重要度演算手段と、経路の評価基準に関する値と利用者
の満足度との関係を表す満足度特性を各評価基準毎に演
算する満足度特性演算手段と、予め定められた複数のモ
デル経路の各評価基準に関する値を記憶する記憶手段
と、前記複数のモデル経路の各評価基準に関する値と前
記各評価基準毎の満足度特性とに基づいて、複数のモデ
ル経路の各評価基準についての満足度を表す評価値を要
素とする評価値行列を求め、前記評価値行列と前記重要
度ベクトルとに基づいて、複数のモデル経路の経路評価
値を要素とする経路評価値ベクトルを演算する第1の評
価値演算手段と、各モデル経路の各評価基準に関する値
と各モデル経路の経路評価値とに基づいて、前記各評価
基準に関する値と前記経路評価値との関係を表す経路評
価関数を求める評価関数演算手段と、評価対象としての
複数の経路の各評価基準に関する値と前記経路評価関数
とに基づいて、前記複数の経路の各々の経路評価値を演
算する第2の評価値演算手段と、前記複数の経路の各々
の経路評価値に基づいて複数の経路を評価する評価手段
と、を有している。
【0011】請求項3記載の発明は、経路を評価するた
めの複数の評価基準に対し一対の評価基準毎に重要度を
比較して定めた比較結果を要素とする行列を求め、該行
列の固有ベクトルを演算して重要度ベクトルを演算し経
路の評価基準に関する値と利用者の満足度との関係を表
す満足度特性を各評価基準毎に演算し、予め定められた
複数のモデル経路の各評価基準に関する値と前記各評価
基準毎の満足度特性とに基づいて複数のモデル経路の各
評価基準についての満足度を表す評価値を要素とする評
価値行列を求め、前記評価値行列と前記重要度ベクトル
とに基づいて複数のモデル経路の経路評価値を要素とす
る経路評価値ベクトルを演算し、各モデル経路の各評価
基準に関する値と各モデル経路の経路評価値とに基づい
て求められた前記各評価基準に関する値と前記経路評価
値との関係を表す経路評価関数を記憶する評価関数記憶
手段と、評価対象としての複数の経路の各評価基準に関
する値と前記経路評価関数とに基づいて、前記複数の経
路の各々の経路評価値を演算する評価値演算手段と、前
記複数の経路の各々の経路評価値に基づいて複数の経路
を評価する評価手段と、を有している。
【0012】
【作用】請求項1記載の発明では、従来のように利用者
によって値が設定された、あるいは予め定められた重み
係数を用いることに代えて、経路を評価するための複数
の評価基準に対し一対の評価基準毎に重要度を比較して
定めた比較結果を用いている。一対の評価基準毎に重要
度を比較することは、多数の評価基準を比較して重み係
数を定める場合と比べ、比較対象の数が少ないので比較
が容易である。また重要度の比較は相対的な評価である
ので、経路の評価についての好みを重み係数として定量
化する場合と比較して馴染み易い。
【0013】従って、利用者の経路評価の好みが正確に
反映された比較結果が得られる可能性が非常に高い。本
発明では、前記比較結果を要素とする行列を求め、該行
列の固有ベクトルを演算して重要度ベクトルを演算して
いる。この重要度ベクトルの要素は各評価基準毎の重要
度に相当しており、上記処理によって重要度の比較結果
が定量化され、利用者の経路評価の好みが正確に反映さ
れた各評価基準毎の重要度が求められる。
【0014】また本発明は、経路の評価基準に関する値
と利用者の満足度との関係を表す満足度特性を各評価基
準毎に演算し、評価対象としての複数の経路の各評価基
準に関する値と前記各評価基準毎の満足度特性とに基づ
いて、前記複数の経路の各評価基準についての満足度を
表す評価値を要素とする評価値行列を求める。このよう
に満足度特性を用いることにより、経路に対する利用者
の満足度が経路の評価基準に関する値に比例していない
等の場合にも、各評価基準についての評価値を経路に対
する各評価基準毎の利用者の満足度に一致させることが
できる。従って、利用者の好みを評価値行列の各要素、
すなわち各評価基準についての評価値に正確に反映させ
ることができる。
【0015】さらに本発明は、上記のようにして求めた
評価値行列と重要度ベクトルとに基づいて経路評価値ベ
クトルを演算する。経路評価値ベクトルは例えば評価値
行列と重要度ベクトルとの積を演算することで求めるこ
とができる。従って、経路評価値ベクトルの要素は複数
の経路の各々の経路評価値に相当し、各々利用者の経路
評価の好みが正確に反映された値となる。従って、この
経路評価値ベクトルに基づいて、各要素(各経路の経路
評価値)の大小等を比較することで利用者の好みを正確
に反映させて複数の経路を評価することができる。
【0016】請求項2記載の発明では、記憶手段に予め
定められた複数のモデル経路の各評価基準に関する値を
記憶し、複数のモデル経路の各評価基準に関する値と各
評価基準毎の満足度特性とに基づいて、複数のモデル経
路の各評価基準についての満足度を表す評価値を要素と
する評価値行列を求め、該評価値行列と重要度ベクトル
とに基づいて、複数のモデル経路の経路評価値を要素と
する経路評価値ベクトルを演算する。そして、各モデル
経路の各評価基準に関する値と各モデル経路の経路評価
値とに基づいて、前記各評価基準に関する値と前記経路
評価値との関係を表す経路評価関数を求める。なお、経
路評価関数は例えば重回帰分析等によって求めることが
できる。
【0017】また、評価対象としての複数の経路の各評
価基準に関する値と経路評価関数とに基づいて、前記複
数の経路の各々の経路評価値を演算し、複数の経路の各
々の経路評価値に基づいて複数の経路を評価する。この
ように経路評価関数を用いることにより、評価対象とし
ての複数の経路について評価値行列を求める等の処理を
行うことなく経路評価値を求めることができ、請求項1
の発明と比較して、評価対象を変えながら経路の評価を
多数回行う等の場合の処理時間を短縮することができ
る。
【0018】また請求項1の発明において、評価対象と
しての複数の経路に、評価基準に関する値が同一もしく
は近似した経路が混在していた場合には、前記経路に対
する経路評価値が低下し、場合によっては経路の評価結
果が変化する現象が発生することがある。これに対し、
請求項2の発明では予め定められたモデル経路を用いて
いるので、前記モデル経路に評価基準に関する値が同一
もしくは近似した経路が含まれないようにモデル経路を
定めておけば、前述のような評価結果が変化する等の現
象が発生することを防止できる。
【0019】請求項3記載の発明では、請求項2に記載
したようにして求めた経路評価関数を記憶手段に記憶し
ておき、評価対象としての複数の経路の各評価基準に関
する値と経路評価関数とに基づいて、前記複数の経路の
各々の経路評価値を演算し、複数の経路の各々の経路評
価値に基づいて複数の経路を評価する。これにより、請
求項2の発明と同様の効果が得られると共に、請求項2
の発明と比較してモデル経路に関する情報を記憶する必
要が無くなると共に、重要度演算手段、満足度特性演算
手段、第1の評価値演算手段、評価関数演算手段等を備
える必要が無くなるので、経路評価装置の構成を簡略化
することができる。
【0020】
【実施例】以下、図面を参照して本発明の実施例を詳細
に説明する。なお本発明は、本実施例に記載した数値に
限定されるものではない。
【0021】図1には本発明の経路評価装置としてのナ
ビゲーション装置10が示されている。ナビゲーション
装置10は、図示しない車両のイントルメントパネル等
に取付けられる液晶等のディスプレイ12を備えてい
る。ディスプレイ12はインタフェース14を介して制
御回路16の入出力ポート16Dに接続されている。ま
た、ディスプレイ12の表示面にはタッチパネル18が
設けられている。タッチパネル18は表示面上に多数配
列された透明電極を備えており(図1では個々の透明電
極を破線で示す)、利用者によってディスプレイ12の
表示面上の所定部位がタッチされると、前記所定部位に
配置されている透明電極がオンするようになっている。
タッチパネル18はインタフェース20を介して制御回
路16の入出力ポート16Dに接続されている。
【0022】制御回路16はCPU16A、ROM16
B、RAM16C、入出力ポート16Dがバスを介して
互いに接続されて構成されている。制御回路16は車両
のトランクルーム内等に配置される。
【0023】ROM16Bには地図データ、リンクデー
タ、モデル経路データ等が記憶されている。地図データ
は地図を表す多数のイメージデータで構成されており、
ディスプレイ12に地図を表示する際に用いられる。リ
ンクデータは実際の道路を、図2に示すようにノード
(交差点に相当)と、ノードの間を接続するリンク(道
路に相当)と、の組合せで表現した道路ネットワークを
表すデータであり、各ノードの地図上における位置を表
すデータ、リンクとノードとの接続関係を表すデータ、
各リンクについての詳細データ(後述)等で構成されて
いる。なお、モデル経路データについては後述する。
【0024】また、入出力ポート16Dには車両位置検
出部22が接続されている。車両位置検出部22は、衛
星からの電波を受信する図示しないアンテナと、受信し
た電波により衛星との距離を検出し車両の現在位置を求
める図示しない演算部と、を備えており、求めた車両位
置を表す信号を制御回路16へ出力する。
【0025】次に図3のフローチャートを参照して本実
施例の作用を説明する。なお、図3のフローチャートは
ナビゲーション装置10に電源が投入されると実行され
る。図3のフローチャートのステップ100では、ナビ
ゲーション装置10の経路評価関数の初期設定が既に行
われているか否か判定する。この経路評価関数の初期設
定は、ナビゲーション装置10が車両に搭載されて最初
に電源が投入されたときに行われる。経路評価関数の初
期設定が行われていない場合には、ステップ100の判
定が否定されてステップ102へ移行し、以下で説明す
るようにステップ102乃至118で経路評価関数の初
期設定処理が行われる。
【0026】ナビゲーション装置10では、経路を評価
するために「所要時間」、「走行距離」、「右左折回
数」、「平均車線数」等の複数の評価基準が予め定めら
れている。ステップ102では前記複数の評価基準の中
から一対の評価基準を選択し、選択した一対の評価基準
の重要度の度合いを比較するための重要度比較画面50
(一例として図4参照)をディスプレイ12に表示する
と共に、前記一対の評価基準の重要度を比較した結果を
入力するよう利用者に要請する。図4には、一例として
「所要時間」と「走行距離」の重要度を比較するための
重要度比較画面50が示されている。
【0027】利用者は表示された一対の評価基準を参照
し、自身の好みに基づいてどちらの評価基準の重要度が
高いか、または重要度は共に同じであるか、を5段階評
価で表した比較結果をタッチパネル18を介して入力す
る。例として、図4において「所要時間」の方が明らか
に重要であると考えた場合には、「左が重要」と表示さ
れた部位をタッチして前記比較結果を入力する。また
「走行距離」の方が若干重要であると考えた場合には、
「少し右が重要」と表示された部位をタッチして比較結
果を入力する。
【0028】ナビゲーション装置10では、入力された
比較結果を数値に置き換えて記憶する。この数値への置
き換えは、例えば「左が重要」の場合には「3」、「少
し左が重要」の場合には「2」、「左右とも同じ」の場
合には「1」、「少し右が重要」の場合には「1/
2」、「右が重要」の場合には「1/3」のようにして
行うことができる。
【0029】一対の評価基準の比較結果が入力されると
ステップ104へ移行し、前記複数の評価基準の全ての
組合せについて重要度の比較結果が入力されたか否か判
定する。ステップ104の判定が否定された場合にはス
テップ102へ戻り、複数の評価基準の中から一対の評
価基準として他の組合せ(例えば「所要時間」と「右左
折回数」等)を選択し、選択した一対の評価基準の重要
度を比較するための重要度比較画面50を表示し、重要
度の比較結果を入力させる。
【0030】上記のようにしてステップ102、104
の処理が繰り返され、複数の評価基準の全ての組合せに
ついて比較結果が入力されるとステップ104の判定が
肯定され、ステップ106で各評価基準の重要度を各々
算出する。この重要度の算出は、最初に図5に示すよう
にして一対比較行列を作成する。すなわち、評価基準の
総数n個に対応するn行n列の行列を設定し、ステップ
102で入力された一対の評価基準毎の重要度の比較結
果を前記行列の要素として前記行列の右上側に配置す
る。
【0031】次に、前記配置した比較結果の行と列を入
替えた位置(行列の左下側)に前記比較結果の逆数を要
素として配置する。例えば評価基準1と評価基準2との
比較して「評価基準1の方が重要である」との比較結果
が入力された場合には、行が評価基準1に対応し列が評
価基準2に対応する位置に前記比較結果を置き換えた数
値「3」を要素として配置し、行と列を入替えた位置、
すなわち行が評価基準2に対応し列が評価基準1に対応
する位置に、前記数値の逆数「1/3」を要素として配
置する。更に前記行列の対角要素を全て「1」にする。
このようにして一対比較行列が作成される。
【0032】ここで、各評価基準の重要度ω1 、ω2
…、ωn が与えられており、前記重要度に従って重要度
の比較結果が入力されたと仮定すると、前記一対比較行
列は次の(1)式のように置き換えることができる。
【0033】
【数1】
【0034】上記一対比較行列をAとおき、重要度の
ベクトルω =(ω1 ,ω2 ,…,ωn ) を乗ずると、ωA =nω が成立する。nがAの固有値であるならばωはA
の固有ベクトルである。従って、一対比較行列の最大固
有値n(n≠0)を求め、この最大固有値nを用いて固
有ベクトルを求めることにより各評価基準の重要度
ω1 、ω2 、…、ωnを要素とする重要度ベクトルが求
まる。更に本ステップでは、各評価基準の重要度を、
Σωi=1となるように正規化する。以下では正規化
した重要度を単に重要度と呼ぶ。
【0035】次のステップ108では、ROM16Bに
記憶されたモデル経路データの取込みを行う。本実施例
ではモデル経路として、各々同一の出発地から同一の目
的地へ至りかつ各々異なる特徴をもった複数の仮想的な
経路(図6参照)を適用している。前述のモデル経路デ
ータは、次の表1にも示すように前記複数のモデル経路
の各々の各評価基準に関する値を表すデータで構成さ
れ、前記仮想的なモデル経路に基づいて人為的に生成さ
れる。
【0036】
【表1】
【0037】上記モデル経路データにおいて、例えば評
価基準1が「所要時間」の場合、評価基準1に関する値
11〜Am1はモデル経路1〜mの各々を走行したときの
所要時間を表している。なお、モデル経路データは人為
的に生成することに限定されるものではなく、例えば典
型的と思われる特定地域の具体的な経路群から採取する
ようにしてもよい。
【0038】ステップ110では複数の評価基準の中か
ら所定の評価基準を選択し、選択した所定の評価基準に
対応する満足度入力画面(一例として図7及び図8参
照)をディスプレイ12に表示し、経路の前記所定の評
価基準に関する値が変化した場合の利用者の満足度を入
力するよう利用者に要請する。図7には所定の評価基準
が「所要時間」の場合の満足度入力画面52が示されて
いる。満足度入力画面52では所定の評価基準に関する
値、すなわち所要時間の基準値として30分の経路に対
する満足度を50%として示し、所定の評価基準に関す
る値が基準値の2/3(所要時間が20分)の経路、所
定の評価基準に関する値が基準値の4/3(所要時間が
40分)の経路に対する満足度を各々入力させる。
【0039】また本ステップ110では、所定の評価基
準について、所定の評価基準に関する値の基準値を数回
変更し、所定の評価基準に関する値が各基準値の2/3
の経路、基準値の4/3の経路に対する満足度を各々入
力させる。これにより、例として図9(A)に示すよう
に、所定の評価基準に関する値と利用者の満足度との関
係を表す満足度特性が得られる。なお、図9(A)に示
す満足度特性は、所定の評価基準が「所要時間」で、基
準値を30分、60分、90分と変更して満足度を入力
させることにより得られる。
【0040】次のステップ112では、上記で入力され
た満足度データを用い、所定の評価基準についての評価
値を各モデル経路毎に算出する。この所定の評価基準に
ついての評価値の算出は、まず所定の評価基準について
の満足度行列の作成を行う。以下では所定の評価基準を
評価基準xとして満足度行列の作成を説明する。
【0041】満足度行列の作成は、最初に、モデル経路
の総数m個に対応するm行m列の行列を設定する。次
に、前述の満足度特性を補間することにより、あるモデ
ル経路の評価基準xに関する値を基準値(満足度50
%)としたときの満足度特性を、前述の満足度特性(図
9(A))を補間することにより求め、求めた満足度特
性に基づいて、前記基準値に対する他のモデル経路の所
定の評価基準に関する値の満足度を求める。
【0042】一例として、あるモデル経路がモデル経路
1である場合には、モデル経路1の評価基準xに関する
値A1xを満足度50%としたときの満足度特性が求めら
れ(図9(B)参照)、求められた満足度特性に基づい
て、基準値A1xに対する他のモデル経路の評価基準xに
関する値A2x、・・、Amxの各満足度S12x、・・、S
mxが求められる。なお、求めた満足度が「100」を
越えた場合には満足度を「100」とし、求めた満足度
が「1」未満の場合には満足度を「1」とする。次に上
記で求めた、評価基準xについてあるモデル経路の値を
基準としたときの他のモデル経路の満足度を用い、各モ
デル経路の満足度で「50」を除した値を前記行列のあ
るモデル経路に対応する行に配置する。
【0043】上記のように、あるモデル経路を基準とし
て満足度特性を求め、求めた満足度特性に基づいて他の
モデル経路の満足度を求め、行列に配置する処理をモデ
ル経路1〜mを基準として行うことにより、図9(B)
に示すように各モデル経路を基準とする満足度特性が求
められ、次の(2)式に示すような評価基準xについて
の満足度行列が作成される。
【0044】
【数2】
【0045】次に上記満足度行列に対し、前述のステッ
プ106における一対比較行列に対する処理と同様に、
満足度行列の固有値を求め、求めた固有値を用いて固有
ベクトルを求めることにより、評価基準xについての各
モデル経路の満足度を表す評価値e1x、e2x、・・、e
mxを要素とする評価値行列を求める。更に本ステップで
は評価基準xについての各モデル経路の評価値を、Σ
ei=1となるように正規化する。
【0046】次のステップ114では、全ての評価基準
についての各モデル経路の評価値の算出を行ったか否か
判定する。ステップ114の判定が否定された場合には
ステップ110へ戻り、他の評価基準について同様の処
理を行う。
【0047】なお、評価基準の1つである「車線数」に
ついては他の評価基準と若干処理が異なっており、ステ
ップ110における満足度の入力に際して、図8に示す
満足度入力画面54を表示し、経路の車線数が「片側1
車線未満」、「片側1車線」、「片側2車線」、「片側
3車線以上」の場合の満足度を各々入力させる。また入
力された満足度に基づいて、ステップ112では例とし
て図10に示すような満足度特性を求め、評価基準「車
線数」についての各モデル経路の満足度を前記満足度特
性より求める。
【0048】そして前記満足度行列には、あるモデル経
路の「車線数」についての満足度を基準とし、該満足度
を他のモデル経路の「車線数」についての満足度で除し
た値をm行m列の行列の前記あるモデル経路に対応する
行に配置することを繰り返して満足度行列を作成する。
この満足度行列を用いて上述と同様の演算を行うことに
より、評価基準「車線数」についての各モデル経路の満
足度を表す評価値を要素とする評価値行列が求まる。
【0049】上記のようにして各評価基準毎に求めた各
モデル経路の評価値は、ある評価基準に着目したときの
各モデル経路の満足度に対応しており、ステップ110
で入力された満足度の変化が大きい、すなわち満足度特
性の傾きが大きい評価基準については、前記評価基準に
関する値が大きく異なるモデル経路に対してはそれらの
評価値の差も大きくなる。逆に入力された満足度の変化
の小さい、すなわち満足度特性の傾きが小さい評価基準
については、前記評価基準に関する値が大きく異なるモ
デル経路であってもそれらの評価値の差が余り大きくは
ならない。
【0050】全ての評価基準についての各モデル経路の
評価値が求まると、ステップ114の判定が肯定されて
ステップ116へ移行する。ステップ116では各モデ
ル経路の経路評価値を算出する。この経路評価値の算出
は、まずモデル経路数m、評価基準数nに対応してm行
n列の行列を設定し、前述の各評価基準についての各モ
デル経路の評価値を前記行列の対応する位置に配置して
評価値行列を求める。次に、以下の(3)式にも示すよ
うに、評価値行列にステップ106で求めた重要度ベク
トルを乗じて、各モデル経路の経路評価値を要素とする
経路評価値ベクトルを演算する。
【0051】
【数3】
【0052】上記(3)式により、例えばモデル経路1
の経路評価値E1 は、 E1 =ω1 11+ω2 12+・・+ωn 1n となる。これにより、所定の評価基準の評価値eが他の
評価基準の評価値eと比較して差がかなり大きい場合に
も、前記所定の評価基準の重要度が低く、ωが小さな値
であればモデル経路の経路評価値E1 の値に与える影響
は小さい。また、所定の評価基準の評価値eが他の評価
基準の評価値eと比較してあまり差がない場合にも、所
定の評価基準の重要度が高くωが大きな値であれば経路
評価値E1の値に与える影響は大きくなる。このよう
に、利用者の経路選択意識を重要度ω 1 、ω2 、・・、
ωn に反映させ、この重要度を重み係数として経路評価
値Eを求めているので、経路評価値Eの値が大きくなる
程利用者の好みにあったモデル経路であるといえる。
【0053】次のステップ118では、実際の経路(本
実施例ではリンク)を評価するための経路評価関数の係
数を決定する。この経路評価関数は、実際の経路の各評
価基準に関する値から実際の経路(リンク)の評価値を
簡易に算出するためのものであり、次の(4)式で定義
される。
【0054】 α1 1 +α2 2 +・・・+αn n +C=1−E ・・(4) 但し、Aは実際の経路の各評価基準に関する値、αは評
価基準に関する値Aの重み係数、Cは定数、1−Eは実
際の経路(リンク)の評価値である。ここで1−Eを実
際の経路(リンク)の評価値としているのは、前述のよ
うに、経路評価値Eが利用者の好みに合うに従って値が
大きくなるのに対し、従来の経路の評価では利用者の好
みに合うに従って値が小さくなるように評価値を定めて
おり、この従来の評価と整合させるためである。
【0055】本ステップ118では、各モデル経路の各
評価基準に関する値A11〜Amnを説明変数とし、「1」
から各モデル経路の経路評価値E1 〜En をそれぞれ減
算した値を目的変数として重回帰分析によって係数α1
〜αn 及び定数Cを決定し、メモリ等に記憶する。以上
で経路評価関数の初期設定を終了し、ステップ120へ
移行する。
【0056】ステップ120では実際に車両が走行する
最適な経路を探索する指示が入力されたか否か判定す
る。ステップ120の判定が否定された場合にはステッ
プ122へ移行し、経路評価関数を変更するか否か判定
する。この経路評価関数の変更は、例えば経路の評価選
択についての利用者の好みが変化した場合や、異なる利
用者が本ナビゲーション装置10を使用する等の場合に
行われる。ステップ120及びステップ122の判定が
否定されている間はステップ120、122の判定を繰
り返す。
【0057】利用者により最適な経路を探索する指示が
入力されるとステップ120の判定が肯定され、ステッ
プ124で地図上における車両の現在位置及び目的地の
位置の認識を行う。車両の現在位置の認識は、車両位置
検出部22から現在の車両位置を表す信号を取り込み、
ROM16Bに記憶された地図データと照合することに
よって行われる。また目的地の位置の認識については、
ディスプレイ12に地図を表示し、地図上における目的
地の位置を利用者に入力させることにより行われる。な
お、地名、住所等と地図上の位置との対応を表すデータ
を予め記憶しておき、利用者によって入力された目的地
の地名または住所に基づいて地図上における目的地の位
置を認識するようにしてもよい。
【0058】ステップ126ではROM16Bに記憶さ
れたリンクデータのうち、車両が現在の位置から目的地
に至るために利用する可能性のある全てのリンクについ
ての詳細データを取り込む。なお、リンクについての詳
細データは、前述の表1と同様に、リンクの各評価基準
に関する値を表すデータで構成されている。次のステッ
プ128では、前述のステップ118で係数α1 〜αn
が決定された経路評価関数を用い、各リンク毎に各評価
基準に関する値を経路評価関数に各々代入して各リンク
のリンクコスト(評価値)を算出する。なお、本ステッ
プでは(5)式に示すように経路評価関数から定数Cを
省略してリンクコストを算出する。
【0059】 リンクコスト=α1 1 +α2 2 +・・・+αn n ・・(5) 但し、「右左折回数」等の評価基準はリンク単体では判
断できないので、(5)式によるリンクコストの計算か
ら除外する。また、経路の評価に際して評価基準「車線
数」については、例えば、ある経路を仮想的に複数のリ
ンクに分割した場合、各仮想リンクの評価基準「車線
数」に関する値Aを前記ある経路全体に亘って足し合わ
せた値が、前記ある経路が有する値Aに一致するよう
に、上記(5)式における「車線数」に対応する項で
は、評価基準に関する値Aとして、(リンクの距離÷リ
ンクの車線数)を用いる。これにより、結果として利用
者の満足度が高い車線数の部分の経路全体に占める割合
が高い経路が選択され易くなるようにリンクコストを定
めることができる。なお、このように「車線数」をリン
クコストに反映させる場合には、前記ステップ118に
おける重回帰分析を行なう際にも、「車線数」に関する
説明変数として(モデル経路の「走行距離」÷モデル経
路の「車線数」)を用いる必要がある。
【0060】ステップ130では、上記で算出した各リ
ンクのリンクコストに基づいて周知のダイクストラ法等
を適用し、現在位置から目的地へ至る複数の経路のう
ち、各経路を構成するリンクのリンクコストの合計値を
求め、リンクコストの計算から除外した前述の「右左折
回数」等の評価値を加算した後に、演算結果が最小であ
る最適な経路を探索する。なお、前述のようにステップ
128で定数Cを省略して各リンクのリンクコストを算
出しているので、多数のリンクで構成される経路であっ
ても、各リンクのリンクコストの合計値である経路の評
価値が増大することが防止され、リンクの数が異なる経
路を比較することが可能となっている。
【0061】次のステップ132では、ディスプレイ1
2に地図を表示すると共に目的地へ至る最適な経路を前
記地図に重ねて表示させる。これにより、利用者は目的
地に至る最適な経路を認識することができ、この経路に
沿って走行して目的地に至ることで、他の経路を走行す
る場合と比較して大きな満足を得ることができる。
【0062】このように、本実施例では利用者に、一対
の評価基準毎に重要度を比較させ、入力された重要度の
比較結果を要素とする行列を求め、該行列の固有ベクト
ルを演算し、各評価基準の重要度を要素とする重要度ベ
クトルを演算するようにしたので、重み係数の数値を入
力させる場合と比較して利用者の好みを正確に反映され
た重要度(重み係数)を得ることができる。
【0063】また、本実施例では各評価基準毎に満足度
特性を求め、各評価基準に関する値と各評価基準の満足
度特性とに基づいて求めた各評価基準についての満足度
を表す評価値を要素とする評価値行列を求めているの
で、経路に対する利用者の満足度が経路の評価基準に関
する値に比例していない等の場合にも、各評価基準につ
いての評価値を経路に対する各評価基準毎の利用者の満
足度に一致させることができる。従って、従来と比較し
て経路評価値が利用者の実際の満足度に近似した値とな
り、利用者の好みを正確に反映させた評価を行うことが
できる。
【0064】さらに、本実施例ではモデル経路の各評価
基準に関する値と各モデル経路の経路評価値とに基づい
て経路評価関数を求め、評価対象としてのリンクの各評
価基準に関する値と経路評価関数とに基づいてリンクコ
スト(リンクの評価値)を求めているので、特に評価対
象を変えながら経路の評価を多数回行う等の場合の処理
時間を短縮することができ、また経路の探索を行う地域
が変わっても、常に同一の基準で経路の評価を行うこと
ができる。
【0065】またモデル経路を用いて評価関数を求めて
いるので、モデル経路に評価基準に関する値が同一もし
くは近似した経路が含まれないようにモデル経路を定め
ておけば、経路の評価結果が変化する現象が発生するこ
とを防止できる。
【0066】なお、上記では車両に搭載したナビゲーシ
ョン装置10に、一対の評価基準毎の重要度の比較結果
及び評価基準に関する値が変化した場合の満足度を入力
させ、ナビゲーション装置10で経路評価関数の係数α
を求めるようにしていたが、本発明はこれに限定される
ものではなく、予めナビゲーション装置10の利用者の
典型的な好みが反映されるように経路評価関数の係数を
定めておき、ナビゲーション装置10には経路評価関数
のみを記憶させ、ステップ120及びステップ124乃
至132の処理のみを行わせるよう構成してもよい。
【0067】また、本実施例では経路評価関数を用いて
リンクの評価値としてのリンクコストを演算するように
していたが、本発明はこれに限定されるものではなく、
経路評価関数を用いずにステップ112、116で説明
した処理を評価対象であるリンクに対して行ってリンク
コストを求めるようにしてもよい。但し、経路評価関数
を用いて評価を行う場合と比較して、評価対象を変えな
がら経路の評価を多数回行う等の際に処理に非常に時間
がかかるので、実施例に記載したように経路評価関数を
用いてリンクコストを演算することが好ましい。
【0068】さらに、経路評価関数を複数記憶しておい
てもよい。例えば短時間で目的地に到達する必要が生じ
た等のように通常とは異なる状況で経路の探索を行う場
合には、利用者からの指示等に応じて通常用いている経
路評価関数よりも「所要時間」の重要度を高くした経路
評価関数を用いて経路の評価選択を行う、等のように、
利用者の目的に合致した経路評価関数を選択し、選択し
た経路評価関数を用いて経路の評価選択を行うように構
成してもよい。
【0069】また、上記実施例では衛星を利用して車両
の現在位置を検知するようにしていたが、これに限定さ
れるものではなく、方位センサ、移動距離センサ等を用
いて車両の移動を地図と照合しながら走行することによ
って現在位置を把握するようにしてもよい。
【0070】
【発明の効果】以上説明したように請求項1記載の発明
は、経路を評価するための複数の評価基準に対し一対の
評価基準毎に重要度を比較して定めた比較結果を要素と
する行列を求め、該行列の固有ベクトルを演算して重要
度ベクトルを演算すると共に、経路の評価基準に関する
値と利用者の満足度との関係を表す満足度特性を各評価
基準毎に演算し、評価対象としての複数の経路の各評価
基準に関する値と各評価基準毎の満足度特性とに基づい
て、複数の経路の各評価基準についての満足度を表す評
価値を要素とする評価値行列を求め、評価値行列と重要
度ベクトルとに基づいて経路評価値ベクトルを演算し、
経路評価値ベクトルに基づいて複数の経路を評価するよ
うにしたので、利用者の好みを正確に反映させた経路の
評価を行うことができる、という優れた効果が得られ
る。
【0071】また請求項2記載の発明は、予め定められ
た複数のモデル経路の各評価基準に関する値を記憶し、
複数のモデル経路の各評価基準に関する値と各評価基準
毎の満足度特性とに基づいて複数のモデル経路の評価値
行列を求め、該評価値行列と重要度ベクトルとに基づい
て複数のモデル経路の経路評価値ベクトルを演算し、各
モデル経路の各評価基準に関する値と各モデル経路の経
路評価値とに基づいて経路評価関数を求め、評価対象と
しての複数の経路の各評価基準に関する値と経路評価関
数とに基づいて複数の経路の各々の経路評価値を演算し
て評価するようにしたので、請求項1の発明の効果に加
えて、評価対象を変えながら経路の評価を多数回行う等
の場合の処理時間を短縮することができる、という効果
が得られる。
【0072】また、請求項3記載の発明は、請求項2に
記載したようにして求めた経路評価関数を記憶してお
き、評価対象としての複数の経路の各評価基準に関する
値と経路評価関数とに基づいて複数の経路の各々の経路
評価値を演算し、複数の経路を評価するようにしたの
で、請求項2の発明の効果に加えて、装置の構成を簡略
化することができる、という効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本実施例に係るナビゲーション装置の概略構成
を示すブロック図である。
【図2】リンクデータを説明するための概念図である。
【図3】本実施例の作用を説明するフローチャートであ
る。
【図4】重要度比較画面の画面イメージである。
【図5】一対比較行列の作成を説明するための概念図で
ある。
【図6】モデル経路を説明するための概念図である。
【図7】評価基準が「所要時間」の場合の満足度入力画
面の画面イメージである。
【図8】評価基準が「車線数」の場合の満足度入力画面
の画面イメージである。
【図9】(A)は所定の評価基準に関する値と利用者の
満足度との関係を表す満足度特性の例を示す線図、
(B)は所定のモデル経路の所定の評価基準に関する値
を満足度50%としたときの満足度特性の例を示す線図
である。
【図10】評価基準「車線数」についての満足度特性の
例を示す線図である。
【符号の説明】
10 ナビゲーション装置 16 制御回路 50 重要度比較画面 52 満足度入力画面 54 満足度入力画面
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 大野 宏司 愛知県愛知郡長久手町大字長湫字横道41番 地の1株式会社豊田中央研究所内 (72)発明者 辻 紘良 愛知県愛知郡長久手町大字長湫字横道41番 地の1株式会社豊田中央研究所内 (72)発明者 広田 正治 愛知県豊田市トヨタ町1番地 トヨタ自動 車株式会社内

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 経路を評価するための複数の評価基準に
    対し一対の評価基準毎に重要度を比較して定めた比較結
    果を要素とする行列を求め、該行列の固有ベクトルを演
    算して重要度ベクトルを演算する重要度演算手段と、 経路の評価基準に関する値と利用者の満足度との関係を
    表す満足度特性を各評価基準毎に演算する満足度特性演
    算手段と、 評価対象としての複数の経路の各評価基準に関する値と
    前記各評価基準毎の満足度特性とに基づいて、前記複数
    の経路の各評価基準についての満足度を表す評価値を要
    素とする評価値行列を求め、前記評価値行列と前記重要
    度ベクトルとに基づいて経路評価値ベクトルを演算する
    評価値演算手段と、 前記経路評価値ベクトルに基づいて前記複数の経路を評
    価する評価手段と、 を有する経路評価装置。
  2. 【請求項2】 経路を評価するための複数の評価基準に
    対し一対の評価基準毎に重要度を比較して定めた比較結
    果を要素とする行列を求め、該行列の固有ベクトルを演
    算して重要度ベクトルを演算する重要度演算手段と、 経路の評価基準に関する値と利用者の満足度との関係を
    表す満足度特性を各評価基準毎に演算する満足度特性演
    算手段と、 予め定められた複数のモデル経路の各評価基準に関する
    値を記憶する記憶手段と、 前記複数のモデル経路の各評価基準に関する値と前記各
    評価基準毎の満足度特性とに基づいて、複数のモデル経
    路の各評価基準についての満足度を表す評価値を要素と
    する評価値行列を求め、前記評価値行列と前記重要度ベ
    クトルとに基づいて、複数のモデル経路の経路評価値を
    要素とする経路評価値ベクトルを演算する第1の評価値
    演算手段と、 各モデル経路の各評価基準に関する値と各モデル経路の
    経路評価値とに基づいて、前記各評価基準に関する値と
    前記経路評価値との関係を表す経路評価関数を求める評
    価関数演算手段と、 評価対象としての複数の経路の各評価基準に関する値と
    前記経路評価関数とに基づいて、前記複数の経路の各々
    の経路評価値を演算する第2の評価値演算手段と、 前記複数の経路の各々の経路評価値に基づいて複数の経
    路を評価する評価手段と、 を有する経路評価装置。
  3. 【請求項3】 経路を評価するための複数の評価基準に
    対し一対の評価基準毎に重要度を比較して定めた比較結
    果を要素とする行列を求め、該行列の固有ベクトルを演
    算して重要度ベクトルを演算し経路の評価基準に関する
    値と利用者の満足度との関係を表す満足度特性を各評価
    基準毎に演算し、予め定められた複数のモデル経路の各
    評価基準に関する値と前記各評価基準毎の満足度特性と
    に基づいて複数のモデル経路の各評価基準についての満
    足度を表す評価値を要素とする評価値行列を求め、前記
    評価値行列と前記重要度ベクトルとに基づいて複数のモ
    デル経路の経路評価値を要素とする経路評価値ベクトル
    を演算し、各モデル経路の各評価基準に関する値と各モ
    デル経路の経路評価値とに基づいて求められた前記各評
    価基準に関する値と前記経路評価値との関係を表す経路
    評価関数を記憶する評価関数記憶手段と、 評価対象としての複数の経路の各評価基準に関する値と
    前記経路評価関数とに基づいて、前記複数の経路の各々
    の経路評価値を演算する評価値演算手段と、 前記複数の経路の各々の経路評価値に基づいて複数の経
    路を評価する評価手段と、 を有する経路評価装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2002310695A (ja) * 2001-04-10 2002-10-23 Aisin Aw Co Ltd ナビゲーション装置及びナビゲーションプログラム

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