JPH06331321A - 微細構造の測定装置 - Google Patents

微細構造の測定装置

Info

Publication number
JPH06331321A
JPH06331321A JP12416493A JP12416493A JPH06331321A JP H06331321 A JPH06331321 A JP H06331321A JP 12416493 A JP12416493 A JP 12416493A JP 12416493 A JP12416493 A JP 12416493A JP H06331321 A JPH06331321 A JP H06331321A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
light
fine structure
signals
phase
signal
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP12416493A
Other languages
English (en)
Other versions
JP3340792B2 (ja
Inventor
Takahiro Oide
孝博 大出
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
LASER TEC KK
Original Assignee
LASER TEC KK
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by LASER TEC KK filed Critical LASER TEC KK
Priority to JP12416493A priority Critical patent/JP3340792B2/ja
Publication of JPH06331321A publication Critical patent/JPH06331321A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3340792B2 publication Critical patent/JP3340792B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Lifetime legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Length Measuring Devices By Optical Means (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 位相シフトマスクの位相シフト量を測定する
に当たり、2本の光ビームの間隔を容易かつ正確に設定
する。 【構成】 周波数が僅かに相違する2本の光ビームを位
相シフトマスクに投射し、差動型光ヘテロダイン法によ
って位相シフト量を測定するに際し、音響光学素子に供
給する駆動信号の周波数を変化させることによって光ビ
ームの間隔を調整する。スーパーヘテロダイン法による
信号処理を行って位相差を正確に検出する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、例えば半導体集積回路
の製造に用いられている位相シフトマスクの位相シフタ
による位相シフト量や位相シフタの膜厚を測定したり、
微細な凹凸を測定する技術に関するものであり、特に差
動光ヘテロダイン法を利用して微細構造を精密に測定す
ることができる微細構造の測定装置に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】半導体集積回路の集積度が高くなるに伴
って一層微細なパターンを形成することができるリソグ
ラフィ技術の開発が要求されるようになってきている。
例えば16MbitDRAMの製造においては最小線幅0.5 μm の
パターンを形成する必要があり、64MbitDRAMにおいては
0.3 μm の最小線幅を実現する必要がある。このような
サブミクロンまたはサブハーフミクロンの最小線幅を実
現する加工技術の一つとして位相シフトマスクの使用が
提案されている。
【0003】位相シフトマスクは図1に示すように透明
基板1の一方の表面に金属パターン2が形成され、この
金属パターンの上にさらに透明なシフタ3を設けたもの
である。このようなシフタ3を設けると位相シフトマス
クを透過した光の振幅分布はシフタの部分で位相が反転
したものとなり、したがってウエファ4上に投射した場
合には光強度分布は大きなコントラストを有するものと
なる。このような位相シフトマスクとしては種々のもの
が提案されている。例えば金属パターンが周期的なパタ
ーンの場合には繰り返しの一つ置きにシフタを設けた繰
り返しパターン用位相シフトマスクや、孤立したパター
ンの周囲にシフタを設けた孤立パターン用位相シフトマ
スクなどが知られている。
【0004】このような位相シフトマスクを用いて微細
なパターンを加工するに際しては、シフタによる位相シ
フト量が正確に規定した値になっていることが重要であ
る。そのためには位相シフトマスクの位相シフト量を定
量的に検査する必要があるが、従来はシフタの表面と透
明基板とシフタとの界面との多重反射を利用して膜厚を
測定するエリプソメータが用いられていた。しかしなが
ら、エリプソメータでは透明基板とシフタの屈折率の差
が小さい場合には測定が非常に困難となるとともに位相
シフト量はシフタの膜厚とその屈折率とから算出してい
たため、シフタの膜厚全体に亘って屈折率が一様でない
場合には位相シフト量を正確に測定することができない
欠点があった。また、実際に位相シフトマスクを用いる
場合には露光用の光はシフタだけでなく、透明基板も透
過するので、位相シフタによる位相シフト量だけを測定
しても実際の位相シフト量と一致しない場合もある。
【0005】このような位相シフトマスクの検査装置の
欠点を解消するものとして、例えば特開平4-151662号公
報、同4-181251号公報、同4-181252号公報などには位相
シフトマスクに単一周波数の光ビームを入射させる角度
を変化させたり、光路中に配置した遮光部材を移動させ
ることによって位相シフトマスク上の周期的パターンに
より形成される干渉縞を移動させ、その移動量を測定し
て位相シフト量を検出するようにした位相シフトマスク
の検査装置が開示されている。
【0006】さらに、微細構造の表面の3次元的構造を
精度良く測定する技術として、差動型光ヘテロダイン干
渉法が提案されており、例えば特開昭59-211810 号公報
に記載されている。この測定方法は、周波数が僅かに異
なる2本の光ビームを物体面上に照射し、物体面からの
反射光ビームのビート成分を検出し、参照光ビームのビ
ート成分との位相を比較して物体表面の形状を測定する
ものである。このように周波数が僅かに異なる2本の光
ビームを発生させるために、音響光学素子を互いに独立
した周波数を持つ2つの交流信号で駆動して駆動周波数
に応じた方向に回折される周波数の異なる2本の光ビー
ムを発生させ、これらの光ビームを物体表面の互いに接
近した部位に入射させるようにしている。
【0007】上述したように干渉縞を形成し、その移動
量から位相シフト量を検出する従来の装置では、干渉縞
を検出する際に、光強度に基づいた測定を行っているた
め、例えばレーザパワーの変動が測定誤差となる。ま
た、干渉縞を移動させるために位相シフトマスクに入射
する光ビームの入射角を変化させたり、遮光部材を移動
させたりする必要があるが、そのための機械的機構の誤
差が避けられず、この誤差が移動シフト量の測定誤差と
なる。このように従来の位相シフトマスクの検査装置に
おいては、位相シフトマスクによる位相シフト量を正確
に測定することができない欠点がある。
【0008】さらに、上述した差動型光ヘテロダイン干
渉法を用いれば、位相シフトマスクの表面の形状、した
がって位相シフタの膜厚を測定できる可能性があるが、
膜厚が正確に位相シフト量を正確に表さない場合があ
る。すなわち、位相シフト量は位相シフタの膜厚とその
屈折率で計算できるが、屈折率が正確でない場合がある
とともに位相シフタの屈折率が一様でない場合があり、
実際に導入される位相シフト量が計算によって求めた位
相シフト量と一致しない場合がしばしばある。すなわ
ち、位相シフタにおいて重要なことは膜厚ではなく、そ
れによって導入される位相シフト量であり、上述した従
来の差動型光ヘテロダイン干渉法によっては位相シフト
量を正確に測定することができない問題がある。
【0009】さらに、従来の差動型光ヘテロダイン干渉
法においては、位相の基準となる参照光ビームを得るた
めに音響光学素子から射出される2本の光ビームをビー
ム分割手段によって分割し、その一方を被検物体に照射
し、他方を参照光ビームとして受光手段に入射させてい
る。しかし、このように光ビームを分割して使用してい
るので、物体に照射される光ビームの光量は減少し、そ
れだけS/Nが低下してしまう欠点がある。
【0010】上述した差動型光ヘテロダイン干渉法の原
理を応用して、位相シフトマスクによる位相シフト量は
もとより微細構造によって導入される位相差をも正確に
測定することができる位相シフトマスクの測定装置を本
発明者は先に提案している(特願平5−20291
号)。この微細構造の測定装置は、僅かにずれた周波数
を有し、互いに異なる方向に出射する2本の光ビームを
含む光束を放射する光源手段と、この光源手段から出射
される2本の光ビームを、測定すべき微細構造に入射さ
せる光学手段と、前記光源手段から放射される2本の光
ビームのビート成分を表す第1の電気信号を発生する第
1の受光手段と、前記微細構造を透過した光束を受光し
て、前記2本の光ビームのビート成分を表す第2の電気
信号を発生する第2の受光手段と、前記第1および第2
の受光手段から発生される第1および第2の電気信号の
位相を比較して前記微細構造による位相シフト量を検出
する位相比較手段とを具えるものである。
【0011】このような微細構造の測定検査装置では従
来の光の干渉縞の移動量から位相シフト量を測定するの
ではなく、僅かに異なる周波数の2つの光波を干渉さ
せ、この干渉位相をビート信号の位相に変換する差動型
光ヘテロダイン法の原理に基づいて位相シフトマスクに
よる位相シフト量を測定しているので、本質的にきわめ
て精度の高い測定が可能になるとともに光源の光強度変
動があっても測定誤差とならないとともに機械的な移動
機構を必要としないため位相シフトマスクによる位相シ
フト量をきわめて正確にかつ再現性良く測定することが
できる。さらに、微細構造を透過した光ビームのビート
成分を取り出すようにする場合には、従来の差動型光ヘ
テロダイン干渉法とは相違して、微細構造を透過した2
本の光ビームのビート成分を検出するようにしているの
で、被検物体を透過した光に与えられる位相シフト量を
正確に測定することができる。さらに、参照光ビームを
音響光学素子の零次光ビームから取り出すようにした場
合には、参照光ビームを得るために光ビームを分割する
必要がないので、微細構造に照射される光ビームの光量
が減少されてしまうことがなく、S/Nの高い信号を得
ることができ、一層正確な測定を行うことができる。
【発明が解決しようとする課題】
【0012】上述したように改良された差動型光ヘテロ
ダイン干渉法によって、例えば位相シフトマスクの位相
シフタによって導入される位相シフト量を測定する場
合、図1に示すように位相シフタ1が形成された部分
と、位相シフタが形成されていない部分とに2本の光ビ
ームを照射させる必要がある。一方、位相シフトマスク
としては種々のライン・アンド・スペースのものが用い
られており、これらを検査する場合には2本の光ビーム
スポット2および3の間隔Dを種々に変える必要があ
る。このために、2本の光ビームの間隔Dを光学系を調
整して変化させることが考えられるが、可動部による光
軸の乱れを避けることができず、測定精度が低下してし
まう欠点がある。また、可動部を微調整する操作が面倒
であり、操作性が悪いという欠点もある。
【0013】本発明の目的は上述した欠点を除去し、微
細構造に照射される2本の光ビームの間隔を光学系を調
整して変化させるのではなく、電気的に変化させること
によって測定精度および操作性を向上することができる
ようにした微細構造の測定装置を提供しようとするもの
である。
【0014】
【課題を解決するための手段】本発明は、単一周波数の
光ビームを放射する光源と、該光源から放射される単一
周波数の光ビームを受け、周波数が僅かに相違し、出射
方向が異なる2本の光ビームを発生する音響光学素子
と、該音響光学素子に僅かに周波数が異なる駆動信号を
供給する駆動回路と、前記音響光学素子から出射される
2本の光ビームを、測定すべき微細構造に入射させる光
学手段と、前記音響光学素子から放射される2本の光ビ
ームのビート成分を表す第1の電気信号を発生する第1
の受光手段と、前記微細構造を透過した光束または微細
構造で反射された光束を受光して、前記2本の光ビーム
のビート成分を表す第2の電気信号を発生する第2の受
光手段と、前記第1および第2の受光手段から発生され
る第1および第2の電気信号の位相を比較して前記微細
構造による位相シフト量を検出する位相比較手段とを具
える微細構造の測定装置において、前記音響光学素子に
供給される僅かに周波数が異なる駆動信号を作成する駆
動回路に可変発振回路を設け、この可変発振回路を調整
することによって駆動信号の周波数を変化させて微細構
造に入射する2本の光ビーム間の距離を変化させるよう
に構成したことを特徴とするものである。
【0015】さらに本発明は、単一周波数の光ビームを
放射する光源と、該光源から放射される単一周波数の光
ビームを受け、周波数が僅かに相違し、出射方向が異な
る2本の光ビームを発生する音響光学素子と、該音響光
学素子に僅かに周波数が異なる第1および第2の駆動信
号を供給する駆動回路と、前記音響光学素子から出射さ
れる2本の光ビームを、測定すべき微細構造に入射させ
る光学手段と、前記音響光学素子から放射される2本の
光ビームのビート成分を表す第1の電気信号を発生する
第1の受光手段と、前記微細構造を透過した光束または
微細構造で反射された光束を受光して、前記2本の光ビ
ームのビート成分を表す第2の電気信号を発生する第2
の受光手段と、前記第1および第2の受光手段から発生
される第1および第2の電気信号の位相を比較して前記
微細構造による位相シフト量を検出する位相比較手段と
を具える微細構造の測定装置において、前記音響光学素
子に供給される僅かに周波数が異なる信号を作成する駆
動回路に可変発振回路を設け、これら周波数を変化させ
ることによって微細構造に入射する2本の光ビーム間の
距離を変えるように構成し、さらに前記可変発振回路の
出力信号を前記位相比較手段に供給し、前記第1および
第2の受光手段から出力される第1および第2の電気信
号とそれぞれ混合して差の周波数を有する第3および第
4の電気信号を取り出し、これら第3および第4の電気
信号の位相を比較して微細構造による位相シフト量を検
出するように構成したことを特徴とするものである。
【0016】
【作用】本発明においては、音響光学素子に与える駆動
信号の周波数によって音響光学素子から射出される光ビ
ームの方向が変化するという特性を有効に利用し、微細
構造に入射する2本の光ビームの間隔を微小にしかもき
わめて正確に変化させることができるものである。この
ように駆動信号の周波数を変化させるものであるので、
光学系に可動部を設ける必要がなく、したがって測定精
度を低下させることはないとともに操作性も非常に良好
なものとなる。さらに、駆動信号を変化させるための可
変発振回路の出力信号を、位相比較手段に供給して第1
および第2の電気信号と混合するようにした発明では、
スーパーヘテロダイン方式と同様の利点が得られ、微細
構造による位相シフト量をきわめて高精度で測定するこ
とができる。
【0017】
【実施例】図2は本発明による微細構造の測定装置の第
1の実施例の構成を示す線図である。本例では単一周波
数のレーザ光を放射するレーザ光源11を設ける。このレ
ーザ光源11としては、例えば波長6328Åのレーザ光を放
射するHe-Ne ガスレーザとすることができる。このレー
ザ光を音響光学素子12に所定の入射角を以て音響光学素
子12に入射させる。この音響光学素子12には、互いに僅
かに周波数の異なる2つの発振器13a, 13bおよび二重平
衡変調器(Double Balanced Modulator の頭文字をとっ
てDBM と略記する)14から僅かに周波数が異なる2つの
駆動信号を与える。本発明においては、第1の発振器13
a は固定の発振器として構成し、第2の発振器13b は可
変発振器として構成する。例えば第1の発振器13a の発
振周波数を70.5MHz とし、第2の発振器13b の発振周波
数を535/2 〜 1605/2KHzとすることができる。この場合
には、DBM15 からは70.5MHz ±535/2 〜 70.5MHz±1605
/2KHz の駆動信号が出力されることになる。当分の間、
第2の発振器13b の出力周波数は500KHzに固定されてい
るものとして説明する。このように音響光学素子12を周
波数( ν1 およびν2)の異なる2つの駆動信号で駆動す
ると、音響光学素子からは周波数が異なる2つのレーザ
光ビームが異なる方向に出射されることになる。すなわ
ち、入射レーザ光の周波数をνとすると、ν+70MHz の
周波数の光ビームとν+ 71MHz の周波数の光ビームとが
互いに異なる方向へ出射されるようになる。
【0018】このようにして音響光学素子12から射出さ
れる2つの光ビームをビームスプッリタ15に入射させ、
その反射面で反射される第1の光束と反射面を透過する
第2の光束とに分割する。第1の光束を第1の集光レン
ズ16で集光して第1の受光器17に入射させ、この第1の
受光器から発生される第1の電気信号を第1のプリアン
プ18で増幅する。この第1の受光器17に入射される第1
の光束は位相シフトマスクの影響を受けておらず、した
がって第1のプリアンプ18から出力される第1の電気信
号は位相基準信号として作用するものである。
【0019】ビームスプリッタ15を透過する第2の光束
を対物レンズ19を介して検査すべき位相シフトマスク20
に入射させる。この位相シフトマスク20を透過した光束
を第2の集光レンズ21で集光して第2の受光器22に入射
させ、この第2の受光器から発生させる第2の電気信号
を第2のプリアンプ23で増幅する。上述した第1および
第2のプリアンプ18および23から出力される第1および
第2の電気信号を位相比較器24に供給して、これら両信
号の位相差を検出し、この位相差信号を出力端子25に出
力する。後述するようにこの位相比較器24から出力され
る位相差信号は被検体である位相シフトマスク20の位相
シフタを設けた部分と設けない部分とを透過する光の位
相差を表すものとなり、したがってこの位相差信号に基
づいて位相シフトマスク20の位相シフタによって生ずる
位相差を検出することができる。
【0020】次に、本例の微細構造の測定装置の動作を
説明する。図3は本例における音響光学素子12の作用を
示すものである。この音響光学素子12には周波数がνの
レーザ光ビームを所定の入射角度θで入射させる。音響
光学素子12の電極に周波数がそれぞれν1 およびν2
(ν1 <ν2 )の駆動信号をDBM 14から与えると、周波
数の変調を受けない透過光が入射方向と一致する方向に
射出するとともに周波数がν+ν1 の回折光とν+ν2
の回折光とが零次回折光に対して対称的に出射されるこ
とになる。このように、音響光学素子12は光の偏向のみ
ならず、周波数の変調も同時に行うものであるが、この
ような作用そのものは既知であり、例えば1992年5月発
行の「光学」、第21巻第5号、pp. 327-332 に記載され
ている。本発明においては、さらに音響光学素子12から
出射される回折光の方向が駆動信号の周波数によって変
化することを利用するものである。すなわち、駆動信号
の周波数がν1, ν2 のときの零次回折光に対する角度
がθ1 であるとすると、駆動信号の周波数がν1 ′,
ν2 ′に変化すると上記の角度はθ2 に変化することに
なる。本発明においては、音響光学素子12の上述した特
性を利用して互いに周波数が僅かに相違しているととも
に僅かに異なる出射方向が変化する2本の光ビームを発
生させるようにしている。
【0021】図4は位相シフトマスク20の構成を拡大し
て示すものであり、透明基板20a の上に位相シフタ20b
が選択的に形成されている。ここで、位相シフタ20b が
形成されていない部分と、位相シフタが形成された部分
とを光ビームが透過すると、位相のずれが生じることに
なる。すなわち、位相シフタ20b の厚さをdとし、屈折
率をnとし、光ビームの波長をλとし、位相差をΔφと
すると、これらの間には以下の式(1)で示すような関
係が成立する。
【数1】
【0022】本発明においては、このように周波数が僅
かに相違する2本の光ビームを用いるので、これらの光
ビームがビートを生じることになる。このビートの周波
数は2本の光ビームの周波数の差に等しく、上述した位
相差Δφに等しい位相を有するものとなる。したがっ
て、このビート成分の位相を基準の位相と比較すること
によって位相シフトマスクの位相シフタによって導入さ
れる位相シフト量Δφを検出することができる。
【0023】図5は第2の光束を構成する2本の光ビー
ムがともに位相シフトマスク20の位相シフタ20b を形成
していない部分を透過した場合に第1および第2のプリ
アンプ18および23から出力される第1および第2の電気
信号S1およびS2を示すものである。この場合にはこれら
第1および第2の電気信号S1およびS2の間には位相差Δ
t1が生じる。図6は2本の光ビームの一方が位相シフト
マスク20の位相シフタ20b を形成していない部分を透過
し、他方が位相シフタを形成した部分を透過した場合に
第1および第2のプリアンプ18および23から出力される
第1および第2の電気信号S1およびS2を示すものであ
る。この場合にはこれら第1および第2の電気信号S1お
よびS2の間には位相差Δt2が生じる。このように2本の
光ビームが位相シフタ20b を透過する場合と、しない場
合とでビート成分の位相が異なることになる。すなわ
ち、これらの位相差Δt1と、Δt2とを求めることによっ
て位相シフタによって導入される位相シフト量Δφを以
下の式(2)から求めることができる。なお、Tは第2
の電気信号S2の周期を示すものである。
【数2】
【0024】本発明においては、第1および第2の受光
器17および22では2本のコヒーレントな光ビームを重畳
して受光しているので、これらの受光器から出力される
第1および第2の電気信号S1およびS2は2本の光ビーム
のビート成分を表すものとなる。すなわち、受光器で検
出されるビート信号は、2つの光波による干渉縞が毎秒
2つの光波の周波数の差に等しい個数の縞だけ移動する
ようなものとなる。したがって、第1および第2の電気
信号S1およびS2の位相差を検出することによって位相シ
フトマスク20の位相シフタ20b によって導入される位相
差を検出することができる。この位相差は光強度そのも
ののを検出しているのではないので、光源の光強度の変
動に影響されることはなく、正確な測定ができる。
【0025】さらに、本発明においては上述したように
第2の発振器13b の発振周波数を変化させることによっ
て音響光学素子12から出射される光ビームの方向を変
えることができるので、位相シフトマスクのライン・ア
ンド・スペースに合うように2本の光ビームの間隔を調
整することができる。この場合、光ビームの周波数も変
化することになるが、この変調は2本の光ビームに対し
て同じように現れるので、そのビート成分には全く影響
はない。
【0026】図7は本発明による微細構造の測定装置の
第2の実施例を示すものであり、前例と同一の部分には
同じ符号を付けて示した。単一周波数レーザ11としてHe
-Neレーザを用い、このレーザから放射されるレーザビ
ームをビームエキスパンダ51を経てビームの断面形状を
補正した後、音響光学素子12に所定の角度で入射させ
る。上述したようにこの音響光学素子12にはDBM14 から
可変周波数ν1 およびν2 の駆動信号を供給する。上述
したように音響光学素子12に入射されたレーザビームは
周波数が異なるとともに方向が異なる2本のレーザビー
ムとして出射される。これら2本のレーザビームをリレ
ーレンズ53および54を経て偏光ビームスプリッタ55に入
射させる。この偏光ビームスプリッタ55の偏光面は、こ
れらのレーザビームを透過するようなものに設定されて
いる。
【0027】上述した実施例においては、参照光ビーム
を取り出すために、ビームスプリッタを用いたが、本例
においては2本のレーザビームはビームスプリッタ55を
透過する。本例では参照光ビームを音響光学素子12から
出射される透過光ビームを用いる。この透過光ビームの
周波数はレーザ11から出射されるレーザビームの周波数
と同じであるが、その輝度は2周波発振器52から発生さ
れる2つの交流駆動信号の周波数の差に等しいことを確
かめた。すなわち、音響光学素子12から出射される透過
光ビームを利用することによって参照光を得ることがで
きることが判った。このように音響光学素子12から出射
される透過光ビームを用いると、上述した実施例のよう
に光ビームを分割するためのビームスプリッタが必要で
なくなり、その結果として位相シフトマスクに高輝度の
光ビームを入射させることができ、S/N が良好となり、
測定精度が向上する利点がある。さらに、前例において
は、参照ビームのビート成分を取るために2本の光ビー
ムを干渉させて受光する必要があるため、受光器を含め
た光学系の設定、調整が非常に微妙であったが、本例に
おいては単一の光ビームを受光すれば良いので、光学系
の設定、調整が非常に容易になる利点もある。また、測
定精度を向上するためには測定光ビームの光路長と参照
光ビームの光路長とを一致させるのが望ましいが、参照
用の2本の光ビームの光路長を長くすると安定性に欠け
るようになるが、本例においては参照光ビームは1本で
あるので、その光路長を長くしても安定となる効果があ
る。さらに、被検物体に入射される光ビームの光量の減
少を防止するためには、基準位相を与える参照信号を音
響光学素子12の駆動信号から電気的に形成することも考
えられるが、このようにして取り出した基準信号は、音
響光学素子を通ったものではないので、本質的に参照信
号としての位相精度を持っていないので、高い測定精度
を確保することはできない。
【0028】図7に示すように音響光学素子12を直進す
る光レーザビーム56をリレーレンズ53を経て反射鏡57に
入射させた後、集光レンズ58によって第1のスリット付
きの受光器17に入射させる。このようにしてこの受光器
17から位相の基準となる第1の信号を発生させ、これを
プリアンプ18を経て位相比較器24の一方の入力端子に供
給する。偏光ビームスプリッタ55を透過した2本のレー
ザビームはリレーレンズ59、1/4 波長板60、スリット61
およびビームスプリッタ62を経て対物レンズ19に入射さ
せ、位相シフトマスク20の互いに接近した2つの部位に
集束して入射させる。この位相シフトマスク20はXYス
テージ63の上に載置する。位相シフトマスク20を透過し
た2本のレーザビームをコリメータレンズ64で平行光束
とし、ビームスプリッタ65を経てスリット付きの第2受
光器22に入射させる。この受光器22の出力端子をプリア
ンプ23を経てスイッチ66の一方の入力端子a に接続す
る。このスイッチ66の出力端子は位相比較器24の他方の
入力端子に接続する。したがって、スイッチ66を端子a
に接続する場合には、第1の受光器17からの第1の電気
信号の位相と、第2の受光器22からの第2の電気信号の
位相とを位相比較器24で比較することによって前例と同
様に位相シフトマスク20の位相シフタによって導入され
る位相シフト量を測定することができる。
【0029】本実施例においては、さらに位相シフトマ
スク20の表面で反射される2本のレーザビームを対物レ
ンズ19で集光し、ビームスプリッタ62、スリット61およ
び1/4 波長板60を経て偏光ビームスプリッタ55に入射さ
せる。このレーザビームは1/4 波長板60を2回透過して
いるので偏光方向が90°回転され、したがって偏光ビー
ムスプリッタ55で反射されることになる。このように偏
光ビームスプリッタ55で反射されたレーザビームをコリ
メータレンズ54によって平行光束とし、スリット付きの
第3の受光器68に入射させる。したがって、この第3の
受光器68は、位相シフトマスク20で反射された2本のレ
ーザビームの干渉成分であるビート成分を検出すること
になる。この第3の受光器68の出力信号をプリアンプ69
を経てスイッチ66の他方の入力端子b に供給する。した
がって、スイッチ66を端子b に切換えると、位相シフト
マスク20の表面の凹凸、すなわち位相シフタの膜厚を測
定することができる。なお、スリット61は、主として対
物レンズ19による散乱光を除去するために、いわゆるコ
ンフォーカル光学系を構成するもので図7の平面に垂直
な方向の巾が小さく、図7の平面に平行な方向に細長い
ものである。また、受光器17, 22および68に設けたスリ
ットは、受光面に入射する干渉縞の個数を制限して測定
感度を上げるもので、図7の紙面に平行な方向の巾が狭
いものである。
【0030】上述したように本実施例においては、スイ
ッチ66を切換えることによって位相シフトマスク20の位
相シフタによって導入される位相シフト量および位相シ
フタの膜厚を測定することができる。従来、位相シフト
マスクの特性を特定するために、位相シフタの膜厚が測
定されてきたが、実際の測定はプローブを用いる接触法
で行われている。しかし、この方法は非常に精度の悪い
ものであるととともに測定も面倒なものであった。本実
施例では、非接触で位相シフタの膜厚を簡単にかつ非常
に高精度で測定することができ、しかも同時に位相シフ
ト量も測定されるので、位相シフトマスクに関するきわ
めて有用な情報を与えるものである。本実施例によって
実際に位相シフトマスクの位相シフタの位相シフト量お
よび膜厚を測定した結果を次表に示す。なお、位相シフ
ト量は角度で表し、膜厚はnmの単位で表している。ま
た、上段の結果は対物レンズの倍率を10倍とし、石英基
板の上にクロムパターンを形成し、その上に位相シフタ
として石英の屈折率と殆ど同じ材料を形成したものであ
り、下段の結果は20倍の対物レンズを用い、石英基板の
表面に凹凸を形成した位相シフトマスクを測定したもの
である。さらに、それぞれ同一の部位を5回測定するよ
うにしているが、順次の測定の間でXYステージを移動
させているので、厳密には全く同一の点を測定している
ものではない。
【表1】
【0031】さらに、図7に示す実施例においては、照
明ランプ70を設け、それから放射される光を集光レンズ
71、ビームスプリッタ65を経て位相シフトマスク20の下
方から照射して位相シフトマスクを照明し、さらに位相
シフトマスクの像を対物レンズ19およびビームスプリッ
タ62を介してCCDカメラ72で撮像するようにしてい
る。このCCDカメラ72の出力画像信号をモニタ73に供
給して位相シフトマスク20の測定部位を観察できるよう
に構成する。
【0032】図8は本発明による微細構造の測定装置の
信号処理部分の他の実施例を示すものであり、これは図
2および図7に示された測定装置に適用できるものであ
る。固定周波数の信号を発生する第1の発振器13a は安
定に発振する水晶振動子を有する局部発振器を以て構成
する。この第1の発振器13a の発振周波数は、例えば7
1.5MHz とする。本例では可変周波数の信号を発生する
第2の発振器13b にバリキャップを用い、可変抵抗によ
ってそのバイアス電圧を制御して発振周波数を変化させ
るようにした可変LC発振器101 を以て構成する。本例で
は、この可変LC発振器101 の発振周波数を990 〜2060KH
z の範囲で変化させることができるものとする。この発
振器101 の出力信号を第1のDBM 102 の一方の入力端子
に供給する。このDBM 102 の他方の入力端子には水晶発
振器103 から455KHzの信号を供給する。したがって、DB
M 102 からはこれら2つの入力信号の周波数の和および
差の信号、すなわち990 ±455KHz〜2060±455KHzの信号
が出力されることになる。この出力信号をフィルタ104
に通して下側の周波数帯の信号、すなわち535 〜1650KH
z の信号のみを抽出する。さらに、この信号を増幅器10
5 で増幅した後、1/2分周器106 に供給して535/2 〜162
0/2KHz の信号を生成する。この信号の波形は矩形波に
近いものであり、音響光学素子12を駆動するのに適さな
いので、フィルタ107 に通して正弦波に近い信号とし、
これを増幅器108 を経て第2のDBM 14に供給する。した
がって、DBM 14からは、71.5MHz ± 535/2KHz 〜71.5MH
z ± 1620/2KHzの駆動信号が出力されることになる。
【0033】参照光ビームを受光する第1の受光器17の
出力信号はプリアンプ18を経て位相比較回路24に供給す
る。本例においては、この位相比較回路24には、第1の
DBM111 を設け、その一方の入力端子にはプリアンプ18
の出力信号を供給し、他方の入力端子には上述した可変
LC発振器101 の出力信号を供給する。プリアンプ18から
の出力信号は2本の光ビームのビート成分であるので、
その周波数は535KHz〜1605KHz の間にあり、可変LC発振
器101 からの出力信号の周波数は990 〜2060KHz である
ので、第1のDBM 111 からは990 ± 535KHz 〜2060±16
05KHz の信号が出力されるが、差の周波数は常に455KHz
となる。すなわち、可変LC発振器101 の発振周波数をど
のように変化させてもDBM 111 の出力信号には455KHzの
信号が含まれることになる。このDBM 111 の出力信号を
フィルタ112 に通してこの455KHzの信号を抽出する。こ
のフィルタ112 の出力信号を増幅器113 で増幅した後、
第2のDBM 114 の一方の入力端子に供給し、他方の入力
端子には固定発振器115 から発生される456KHzの信号を
供給する。この第2のDBM 114 の出力信号をフィルタ11
6 に通して差の周波数成分を取り出し、これを第1の電
気信号として位相比較器117 の一方の入力端子に供給す
る。
【0034】微細構造で位相シフトを受けた光ビームを
受光する第2の受光素子22から出力される信号も上述し
たところと全く同様に処理するために、第3のDBM 118
、フィルタ119 、増幅器120 、第4のDBM 121 および
フィルタ122 を設け、第4のDBM 121 には固定発振器11
5 の出力信号を供給する。このようにしてフィルタ122
から出力される1KHzの信号を第2の電気信号として位相
比較器117 の他方の入力端子に供給する。本例ではこの
位相比較器117 をディジタル位相比較器を以て構成する
が、上述したように第1および第2の電気信号の周波数
は1KHz となっているので、サンプリング数を飛躍的に
増大させることができ、したがって位相差を高精度で測
定することができる。このようにして測定した位相差を
表示器123から出力する。
【0035】図9は本実施例における信号波形を示すも
のである。例えば、図9Aおよび9Bに示す455KHzおよび99
0KHzの信号をDBM 102 に供給するとDBM からは図9Cに示
すように535KHzの信号と1525KHz の信号とが重畳された
信号が出力される。これをフィルタ104 に通すことによ
って535KHzの信号を抽出する。この信号は図9Dにしめす
ように正弦波に近いものであるが、この信号の周波数を
1/2 とするために図9Eに示すような矩形波に変換し、こ
れを分周器106 に供給すると、その出力信号は図9Fに示
すような矩形波となる。上述したようにこのような矩形
波は音響光学素子12を駆動するのに適していないので、
フィルタ107 に通して図9Gに示すような正弦波に変換す
る。
【0036】上述した実施例においては、位相比較回路
24にDBM を設け、音響光学素子12の駆動信号を生成する
可変LC発振器101 の出力信号と、第1および第2の受光
器17および22から出力される信号とを混合するようにし
たが、次にその作用について説明する。本発明において
は音響光学素子12の駆動信号の周波数を変化させて微細
構造に入射する2本の光ビームの間隔を調整するように
している。したがって、第1および第2の受光器17およ
び22の出力信号の周波数は、上述した数値例では535 〜
1605KHz の範囲で変化することになる。そのため、これ
らの受光器の出力信号を処理する回路としては図10A に
示すように少なくとも1070KHz の広い帯域を有する必要
がある。一方、受光器17および22の出力信号には全帯域
に亘って大きなノイズNが重畳されている。したがっ
て、位相比較器117 に供給される第1および第2の電気
信号には非常に多くのノイズが含まれることになり、こ
れらの電気信号の位相差を正確に検出することができな
い。これに対し上述した実施例においては、DBM 111 お
よび118 を設け、駆動信号の周波数の変化に拘らず常に
455KHzの信号を取り出すようにしているので、後段の回
路は図10B に示すように3 〜5KHzの非常に狭い帯域を有
するもので足りるようになる。したがって、図10A の場
合と同じレベルのノイズNが存在していてもS/N は高く
なり、位相比較器117 における位相差の検出を正確に行
うことができるようになり、測定精度を向上することが
できる。
【0037】図9は本発明による微細構造の測定装置の
信号処理回路の他の実施例を示すブロック図である。図
8に示した実施例においては、DBM 102 の出力信号を1/
2 に分周してDBM 108 に供給し、可変発振器101 の出力
信号をそのままDBM 111 および118 に供給するようにし
たが、本例においてはDBM 102 の出力信号を分周せずに
DBM 108 に供給し、可変発振器101 の出力信号を逓倍回
路130 によって2倍に逓倍してDBM 111 および118 に供
給するようにする。また、本例では増幅器113および120
の出力信号をそのまま位相比較器117 に供給する。そ
の他の構成を図8に示した実施例と同様であるので説明
を省略する。本例においても、音響光学素子12の駆動信
号の周波数を変化させることによって微細構造に入射す
る2本の光ビームの間隔を調整することができ、しかも
可変LC発振器101 の出力信号を位相比較回路24のDBM 11
1 および118 に供給して第1および第2の受光器17およ
び22から出力される信号と混合して一定の周波数の信号
を抽出するようにしたので、位相差を正確に検出するこ
とができる。
【0038】本発明は上述した実施例にのみ限定される
ものではなく、幾多の変更や変形が可能である。例え
ば、上述した実施例では位相シフトマスクの位相シフタ
を測定するものとしたが、他の微細構造を測定すること
ができる。また、図7に示した実施例において、第2の
受光器を省き、被検物体の表面の形状のみを測定するよ
うに変更することができる。さらに、音響光学素子を駆
動するに当たって発振周波数の異なる2つの発振器を用
い、その何れか一方または双方の発振周波数を可変とし
て2本の光ビームの間隔を調整するようにしても良い。
【0039】
【発明の効果】上述した本発明による微細構造の測定装
置においては、差動光ヘテロダイン干渉計測の原理を応
用するものであるから、測定精度をきわめて高くするこ
とができ、しかも音響光学素子の駆動信号の周波数を変
化させることによって微細構造に照射される2本の光ビ
ームの間隔を変えるようにしたので、光学系の可動部が
なくなり、ビーム間隔を正確にかつ容易に変えることが
できる。また、第1および第2の受光器からの出力信号
の位相差を検出するものであるから、光源から放射され
る光ビームの強度が変動しても、測定誤差となならず、
例えば位相シフトマスクにより導入される位相差を非常
に正確に測定することができる。さらに、音響光学素子
の駆動信号を位相比較回路に供給して受光器の出力信号
と混合することによっていわゆるスーパーヘテロダイン
と同様の効果が得られ位相差をノイズに影響されること
なく正確に検出することができる。また、被検物体を透
過する光ビームのみでなく、これで反射される光ビーム
をも受光するようにした本発明による微細構造の測定装
置によれば、位相シフト量のみでなく、表面の形状まで
正確に測定することができ、一層有用な情報を得ること
ができる。さらに、音響光学素子の透過光ビームから参
照光ビームを得るようにした本発明による微細構造の測
定装置によれば、被検物体に高輝度の光ビームを入射さ
せることができるとともに測定の安定性をさらに向上す
ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、位相シフトマスク上に照射される2本
の光ビームのスポットと位相シフタとの位置関係を示す
平面図である。
【図2】図2は、本発明による微細構造の測定装置の一
実施例の全体の構成を示す全図である。
【図3】図3は、本発明において2本の光ビームの間隔
を変化させる状況を示す線図である。
【図4】図4は、位相シフタを透過した光束と透過しな
い光束との位相差を示す線図である。
【図5】図5は、位相シフタを透過しない場合に検出さ
れる第1および第2の電気信号の位相関係を示す図であ
る。
【図6】図6は、一方の光ビームが位相シフタを透過す
る場合に検出される第1および第2の電気信号を示す図
である。
【図7】図7は、本発明による微細構造の測定装置の第
2の実施例の構成を示す線図である。
【図8】図8は、本発明による信号処理回路部分の第1
の実施例の構成を示す回路図である。
【図9】図9A〜Gは、同じその動作を示す信号波形図
である。
【図10】図10AおよびBは、同じくその動作を示す
波形図である。
【図11】図11は、本発明による信号処理部分の第2
の実施例の構成を示すブロック図である。
【符号の説明】
11 単一周波数レーザ 12 音響光学素子 13a 固定発振器 13b 可変発振器 14 二重平衡変調器( DBM ) 15 ビームスプリッタ 16, 21 第1および第2の集光レンズ 17, 22 第1および第2の受光器 18, 23 第1および第2のプリアンプ 19 対物レンズ 20 位相シフトマスク 24 位相比較回路 51 ビームエキスパンダ 52 2周波発振器 53, 54, 59 リレーレンズ 55 偏光ビームスプリッタ 56 透過光ビーム 57 反射鏡 58, 71 集光レンズ 60 1/4 波長板 61 スリット 62, 65 ビームスプリッタ 63 XYステージ 64, 67 コリメータレンズ 66 スイッチ 68 第3の受光器 69 プリアンプ 70 照明ランプ 72 CCDカメラ 73 モニタ 101 可変LC発振器 102 DBM 103 固定発振器 104, 107 フィルタ 106 分周器 111, 118 DBM 112, 116, 119, 122 フィルタ 114. 121 DBM 115 固定発振器 117 ディジタル位相比較器 130 逓倍器

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 単一周波数の光ビームを放射する光源
    と、 該光源から放射される単一周波数の光ビームを受け、周
    波数が僅かに相違し、出射方向が異なる2本の光ビーム
    を発生する音響光学素子と、 該音響光学素子に僅かに周波数が異なる駆動信号を供給
    する駆動回路と、 前記音響光学素子から出射される2本の光ビームを、測
    定すべき微細構造に入射させる光学手段と、 前記音響光学素子から放射される2本の光ビームのビー
    ト成分を表す第1の電気信号を発生する第1の受光手段
    と、 前記微細構造を透過した光束または微細構造で反射され
    た光束を受光して、前記2本の光ビームのビート成分を
    表す第2の電気信号を発生する第2の受光手段と、 前記第1および第2の受光手段から発生される第1およ
    び第2の電気信号の位相を比較して前記微細構造による
    位相シフト量を検出する位相比較手段とを具える微細構
    造の測定装置において、 前記音響光学素子に供給される僅かに周波数が異なる駆
    動信号を作成する駆動回路に可変発振回路を設け、この
    可変発振回路を調整することによって駆動信号の周波数
    を変化させて微細構造に入射する2本の光ビーム間の距
    離を変化させるように構成したことを特徴とする微細構
    造の測定装置。
  2. 【請求項2】 単一周波数の光ビームを放射する光源
    と、 該光源から放射される単一周波数の光ビームを受け、周
    波数が僅かに相違し、出射方向が異なる2本の光ビーム
    を発生する音響光学素子と、 該音響光学素子に僅かに周波数が異なる第1および第2
    の駆動信号を供給する駆動回路と、 前記音響光学素子から出射される2本の光ビームを、測
    定すべき微細構造に入射させる光学手段と、 前記音響光学素子から放射される2本の光ビームのビー
    ト成分を表す第1の電気信号を発生する第1の受光手段
    と、 前記微細構造を透過した光束または微細構造で反射され
    た光束を受光して、前記2本の光ビームのビート成分を
    表す第2の電気信号を発生する第2の受光手段と、 前記第1および第2の受光手段から発生される第1およ
    び第2の電気信号の位相を比較して前記微細構造による
    位相シフト量を検出する位相比較手段とを具える微細構
    造の測定装置において、 前記音響光学素子に供給される僅かに周波数が異なる信
    号を作成する駆動回路に可変発振回路を設け、これら周
    波数を変化させることによって微細構造に入射する2本
    の光ビーム間の距離を変えるように構成し、さらに前記
    可変発振回路の出力信号を前記位相比較手段に供給し、
    前記第1および第2の受光手段から出力される第1およ
    び第2の電気信号とそれぞれ混合して差の周波数を有す
    る第3および第4の電気信号を取り出し、これら第3お
    よび第4の電気信号の位相を比較して微細構造による位
    相シフト量を検出するように構成したことを特徴とする
    微細構造の測定装置。
  3. 【請求項3】 前記第1の受光手段を、前記音響光学素
    子から出射される零次光ビームを受光して前記第1の電
    気信号を発生するように構成したことを特徴とする請求
    項2記載の微細構造測定装置。
  4. 【請求項4】 前記光学手段に、前記音響光学素子から
    放射される2本の光ビームを分割するビーム分割手段を
    設け、このビーム分割手段によって分割された一方の光
    束を前記微細構造に入射させるようにし、前記第1の受
    光手段を、前記ビーム分割手段によって分割された他方
    の光束を受光して前記第1の電気信号を発生するように
    構成したことを特徴とする請求項2記載の微細構造測定
    装置。
  5. 【請求項5】 前記駆動回路に設けた可変発振回路に、
    可変発振器と、第1の局部発振器と、これら可変発振器
    および第1の局部発振器の出力信号を混合する第1の二
    重平衡変調器と、この第1の二重平衡変調器の出力信号
    を分周する分周手段と、第2の局部発振器と、前記分周
    手段の出力信号と第2の局部発振器の出力信号とを混合
    する第2の二重平衡変調器とを設け、この第2の二重平
    衡変調器から出力される周波数が僅かに相違する2つの
    信号を前記第1および第2の駆動信号として前記音響光
    学素子に供給するように構成し、 前記位相比較手段には、前記可変発振器から出力される
    信号を前記第1および第2の受光手段の出力信号とそれ
    ぞれ混合して前記第3および第4の電気信号を出力する
    第3および第4の二重平衡変調器と、これら第3および
    第4の二重平衡変調器の出力信号から微細構造による位
    相シフト成分を表す信号を抽出する第1および第2のフ
    ィルタと、これら第1および第2のフィルタの出力信号
    の位相を比較する位相比較器とを設けたことを特徴とす
    る請求項2記載の微細構造の測定装置。
  6. 【請求項6】 前記駆動回路に設けた可変発振回路に、
    可変発振器と、第1の局部発振器と、これら可変発振器
    および第1の局部発振器の出力信号を混合する第1の二
    重平衡変調器と、第2の局部発振器と、前記第1の二重
    平衡変調器の出力信号と第2の局部発振器の出力信号と
    を混合する第2の二重平衡変調器とを設け、この第2の
    二重平衡変調器から出力される周波数が僅かに相違する
    2つの信号を前記第1および第2の駆動信号として前記
    音響光学素子に供給するように構成し、 前記位相比較手段には、前記可変発振器から出力される
    信号の周波数を逓倍する逓倍回路と、この逓倍回路の出
    力信号を前記第1および第2の受光手段の出力信号とそ
    れぞれ混合して前記第3および第4の電気信号を出力す
    る第3および第4の二重平衡変調器と、これら第3およ
    び第4の二重平衡変調器の出力信号から微細構造による
    位相シフト成分を表す信号を抽出する第1および第2の
    フィルタと、これら第1および第2のフィルタの出力信
    号の位相を比較する位相比較器とを設けたことを特徴と
    する請求項2記載の微細構造の測定装置。
  7. 【請求項7】 前記位相比較器をディジタル位相比較器
    を以て構成したことを特徴とする請求項5または6記載
    の微細構造の測定装置。
  8. 【請求項8】 前記位相比較手段に、第3の局部発振器
    と、この第3の局部発振器の出力信号と、前記第1およ
    び第2のフィルタから出力される第3および第4の電気
    信号とを混合する第5および第6の二重平衡変調器とを
    設け、これら第5および第6の二重平衡変調器の出力信
    号を前記位相比較器に供給するように構成したことを特
    徴とする請求項6または7記載の微細構造の測定装置。
JP12416493A 1993-05-26 1993-05-26 微細構造の測定装置 Expired - Lifetime JP3340792B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP12416493A JP3340792B2 (ja) 1993-05-26 1993-05-26 微細構造の測定装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP12416493A JP3340792B2 (ja) 1993-05-26 1993-05-26 微細構造の測定装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH06331321A true JPH06331321A (ja) 1994-12-02
JP3340792B2 JP3340792B2 (ja) 2002-11-05

Family

ID=14878536

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP12416493A Expired - Lifetime JP3340792B2 (ja) 1993-05-26 1993-05-26 微細構造の測定装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3340792B2 (ja)

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US7423745B2 (en) 2004-09-21 2008-09-09 Nec Corporation Optical inspection apparatus and optical inspection method
US7436507B2 (en) 2006-06-20 2008-10-14 Nec Corporation Method and apparatus for inspecting a pattern
JP2011257408A (ja) * 2011-07-05 2011-12-22 Hitachi High-Technologies Corp 変位検出回路
JP2012053015A (ja) * 2010-09-03 2012-03-15 Saki Corp:Kk 外観検査装置及び外観検査方法

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US7423745B2 (en) 2004-09-21 2008-09-09 Nec Corporation Optical inspection apparatus and optical inspection method
US7436507B2 (en) 2006-06-20 2008-10-14 Nec Corporation Method and apparatus for inspecting a pattern
JP2012053015A (ja) * 2010-09-03 2012-03-15 Saki Corp:Kk 外観検査装置及び外観検査方法
JP2011257408A (ja) * 2011-07-05 2011-12-22 Hitachi High-Technologies Corp 変位検出回路

Also Published As

Publication number Publication date
JP3340792B2 (ja) 2002-11-05

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US4710026A (en) Position detection apparatus
US5377006A (en) Method and apparatus for detecting photoacoustic signal
US7397596B2 (en) Surface and subsurface detection sensor
US6018391A (en) Method and apparatus for inspecting foreign matter by examining frequency differences between probing light beam and reference light beam
JPH0216419A (ja) 散乱表面からの過渡運動の光学的検出方法及び装置
JPH07311182A (ja) 光熱変位計測による試料評価方法
US7286239B2 (en) Laser scanner with amplitude and phase detection
JPH06317534A (ja) 検査装置と検査方法、並びにこれを用いたシステム
JP3340792B2 (ja) 微細構造の測定装置
USRE34010E (en) Position detection apparatus
JPS61215905A (ja) 位置検出装置
JPH0727746A (ja) 光熱変位計測による試料評価方法
JPH09138198A (ja) 欠陥検査装置
JP3200902B2 (ja) 光音響信号検出方法及び装置
JPH07159381A (ja) 光音響信号検出方法及びその装置
JP2886755B2 (ja) 微細構造の測定装置
JP3421309B2 (ja) 表面形状測定方法及び表面形状測定器
JP3508988B2 (ja) 位相シフトマスク加工用位相シフト量測定方法
JP3261704B2 (ja) 光音響信号検出方法及び装置
JP3795657B2 (ja) ヘテロダイン偏光による異物検査方法及びこの方法を実施する装置
JPH02307046A (ja) ヘテロダイン法による面板欠陥検出方式および検査装置
JP3353316B2 (ja) 試料の表面または内部情報検出方法およびその装置
JP3184914B2 (ja) 表面形状測定方法および表面形状測定器
JPH06160020A (ja) 計測装置
JPH07159379A (ja) 光熱変位信号検出方法とその装置

Legal Events

Date Code Title Description
R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20080816

Year of fee payment: 6

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Year of fee payment: 7

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090816

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090816

Year of fee payment: 7

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100816

Year of fee payment: 8

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110816

Year of fee payment: 9

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Year of fee payment: 10

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120816

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Year of fee payment: 10

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120816

S531 Written request for registration of change of domicile

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313531

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Year of fee payment: 10

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120816

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Year of fee payment: 11

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130816

EXPY Cancellation because of completion of term