JPH06331314A - 変位測定方法及びそれに用いる変位測定装置 - Google Patents

変位測定方法及びそれに用いる変位測定装置

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JPH06331314A
JPH06331314A JP5122716A JP12271693A JPH06331314A JP H06331314 A JPH06331314 A JP H06331314A JP 5122716 A JP5122716 A JP 5122716A JP 12271693 A JP12271693 A JP 12271693A JP H06331314 A JPH06331314 A JP H06331314A
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displacement
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健司 佐藤
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 複数波長のレーザ光を発振可能な単一光源、
集積化光学部品を用いて、判別可能な不連続変位の最大
値の拡大を図るとともに、迅速・高精度・高安定な変位
測定法、小形で耐振性の変位測定装置を提供。 【構成】 発光電流の値により波長の異なる2種類以上
のレーザ光を発振するレーザダイオード光源1と、結晶
基板4に入力側偏光子5,レーザ光を参照光と照射光に
分割する3dBカプラ6,位相変調用電極7a〜7c,
位相変調器18等の光学要素を集積した光導波路型干渉
系とを主要な部分とする。参照光の反射鏡9による反射
光と照射光の被測定物12からの反射光を3dBカプラ
6で干渉させ、干渉光を検出して被測定物の表面におけ
る微小部分の変位を測定する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、光学的干渉による被測
定物の変位測定方法及びそれに用いる変位測定装置に関
するものである。
【0002】
【従来の技術】レーザ、エレクトロニクス、マイクロコ
ンピュータ、センサ素子等の発達により、可干渉性に優
れるレーザ光を用いた光学的干渉による表面の微小部分
の変位測定方法が普及している。レーザ光を用いたこの
変位測定は、非接触でかつ高精度に行うことができる。
例えば、結晶ウェハ、光学部品、X線用ミラー等の表面
粗さの測定に利用されている。
【0003】上述のレーザ光を用いた光学的干渉による
表面の微小部分の変位測定方法は、一般に次のような構
成である。レーザ発振器から放射されたレーザ光をハー
フミラー、偏光ビームスプリッター等で参照光と照射光
とに分割し、一方の参照光を参照光反射用鏡で反射さ
せ、他方の照射光を被測定物に照射して反射させ、光路
長の違いから位相差の生じたこれら二つの反射光を干渉
させる。この干渉光を光検出素子で検知して、干渉の様
子によって被測定物における表面の微小部分の変位を測
定する。レーザ光を用いた光学的干渉による表面の微小
部分の変位測定方法において、判別可能な不連続変位の
最大値は、測定に用いるレーザ光の波長λの半分であ
る。
【0004】しかし、従来の光学的干渉による被測定物
における表面の微小部分の変位測定方法では、単一波長
の光を発する光源を用いており、この光の単一波長より
大きな変位が不連続的に生じた場合、変位が判別できな
い。そこで、それぞれ波長の異なる単一波長の光を発す
る2種類以上の光源、例えば単一波長λ1 の光を発する
光源Aと単一波長λ2 (>λ1 )の光を発する光源Bか
らの光を用いると、この両光の合成波長λ3 が、判別可
能な不連続変位の最大値を規制する。なお、両光の合成
波長λ3 は、下記の(1)式となる。 λ3 =1/(1/λ1 −1/λ2 ) (1) (1)式より、波長λ1 と波長λ2 との差が小さいほ
ど、合成波長λ3 が大きくなるので、判別可能な不連続
変位の最大値も大きくできることが分かる。それぞれ波
長の異なる光を発する2種類以上の光源を用いるには、
二つ以上のレーザ発振器を用いる方法、白色光を分光器
等で2波長以上の光に分割させる方法などで得ることが
できる。
【0005】なお、照射光の反射光と参照光の位相差を
測定する方法としては、ヘテロダイン干渉を生じさせ、
位相差計で位相を測定する方法、ヘテロダイン干渉を生
じさせ、ビート信号を測定する方法、ガラス基板上の光
導波路に抵抗加熱で位相変調を行い、位相変調による干
渉変化から位相を測定する方法、同時に2波長以上の光
を発するレーザを用いる方法がある。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】ところで、二つ以上の
レーザ発振器を用いる方法では、波長の異なる光を同一
の干渉系に導入したり、被測定物の表面の同一位置にこ
れらの光を導くことが、測定システムを複雑化する。そ
のため、装置の構成が大きくなり、ミラー、レンズ、プ
リズム等の光学要素の光学的調整が煩雑になったり、ま
た、わずかな衝撃や振動によって、光路の調整ずれが生
じる危険がある。そのうえ、わずかに波長の異なる光の
干渉の違いを検出するは、非常に安定性の優れた干渉系
を用いなければならない。白色光を分光器で用いて波長
の異なる二つの光に分割しても、分割された光は波長に
よって分光器からの射出角が異なるので、上述同様に、
分割された光を被測定物の表面の同一位置に導くため
に、特別の工夫が必要となる。
【0007】なお、照射光の反射光と参照光の位相差を
測定する方法には、次のような問題がある。すなわち、
位相差計で位相を測定する場合、ヘテロダイン干渉を生
じさせるためのAOM変調器や位相変調器が複数必要
で、小型に干渉系を組むことが困難であり、加えて位相
差計の応答速度が遅いため、測定に時間がかかる欠点が
ある。ヘテロダイン干渉を生じさせ、ビート信号を測定
する場合も上記と同様に、AOM変調器や位相変調器が
複数必要で、小型に干渉系を組むことが難しく、しかも
半波長以下の変位は検出困難である。ガラス基板上の光
導波路に抵抗加熱で位相変調を行う場合は、温度上昇ま
での時間が電気光学効果に比べてはるかに遅いため、高
速な位相変調ができず、測定に時間がかかる欠点があ
る。2波長以上の光を発光するレーザを用いる場合、そ
れぞれの波長間のビート信号を測定するため、半波長以
下の変位は検出困難であり、λの数分の1の変位が実用
的な限界である。
【0008】本発明は、上述のような事情に鑑みてなさ
れたものであり、複数波長のレーザ光が発振可能な単一
光源、及び集積化した光学要素を用いることにより、判
別可能な不連続変位の最大値の拡大を図るとともに、調
整容易で迅速・高精度・高安定な変位測定を可能とし、
その測定方法を用いた小形で衝撃・振動に強い変位測定
装置を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明の変位測定方法
は、同一光源のレーザ光を参照光と照射光とに分割し
て、参照光を参照光反射用鏡に、照射光を被測定物にそ
れぞれ照射し、光路の違いによって位相差の生じた参照
光及び照射光のそれぞれの反射光を干渉させて、干渉光
から被測定物の表面の微小変位を測定する変位測定方法
において、発光電流の値によって波長の異なる2種類以
上のレーザ光を発振するレーザダイオード光源に、階段
波状に変調した発光電流を流して2種類以上の波長のレ
ーザ光を交互に発振させ、結晶基板上に構成した3dB
カプラでこのレーザ光を参照光と照射光とに分割し、こ
れら参照光及び照射光の一方を、あるいは両方を、結晶
基板上の光導波路を往復する間に、結晶基板上に構成し
た電気光学効果を利用する位相変調器によって位相変調
せしめるとともに、位相変調された参照光と照射光を3
dBカプラで干渉させることを、第1の特徴としてい
る。
【0010】また、本発明の変位測定方法は、第1の特
徴に加えて結晶基板がLiNbO3結晶基板又はLiT
aO3 結晶基板であることを第2の特徴としている。更
に、本発明の変位測定方法は、第1と第2の特徴に加え
て結晶基板上に構成した位相変調器によって位相変調さ
れた参照光と照射光の3dBカプラでの干渉がプロトン
交換光導波路によってなさることを特徴としている。
【0011】本発明の変位測定装置は、発光用電源と、
光源と、干渉系と、位相変調用電源とから構成され、光
源からの光を干渉系に導き、この光を参照光と照射光と
に分割して、参照光を参照光反射用鏡に、照射光を被測
定物にそれぞれ照射し、参照光の反射光と照射光の反射
光との干渉光を検出して、被測定物の表面の微小変位を
測定する変位測定装置において、光源が、発光電流の値
によって波長の異なる2種類以上のレーザ光を発振する
レーザダイオード光源であり、干渉系が、二つの偏光子
と、光導波路を介してこれら偏光子と結合する3dBカ
プラと、参照光用光導波路及び照射光用光導波路の一方
に、あるいは両方に設けた位相変調器と、を同一結晶基
板に集積した光導波路型干渉系であることを第1の特徴
としている。
【0012】また、本発明の変位測定装置は、第1の特
徴に加えて光導波路型干渉系における結晶基板がLiN
bO3 結晶基板又はLiTaO3 結晶基板であることを
第2の特徴としている。更に、本発明の変位測定装置
は、第1と第2の特徴に加えて光導波路型干渉系がプロ
トン交換光導波路で構成されていることを特徴としてい
る。
【0013】
【作用】図1は、本発明の変位測定方法及びそれに用い
る変位測定装置の作用を説明するための概念図である。
図中、1は発光電流の値によって波長の異なる2種類以
上のレーザ光を発振するレーザダイオード光源、2は光
アイソレータ、3は入力側光ファイバ、4は結晶基板で
ある。結晶基板4上には、次の光学要素を含む光導波路
型干渉系が構成されている。すなわち、入力側偏光子
5,レーザ光を参照光と照射光とに分割する3dBカプ
ラ6,電界を印加する位相変調用電極7a,7b,7c
及び位相変調用電極7a,7b間に形成された参照光用
光導波路8,位相変調用電極7b,7c間に形成された
照射光用光導波路10,出力側偏光子13,入力端1
6,出力端17等が光導波路干渉系を構成する。
【0014】9は光導波路干渉系の一端に設けた参照光
反射用鏡、11は集光レンズ、12は被測定物、14は
出力側光ファイバ、15は光検出用ダイオードである。
また、参照光用光導波路8と照射光用光導波路10に
は、位相変調用電極7a,7cと位相変調用電極7bに
よって互いに逆方向の電界が印加される構造で、位相変
調器18を構成する。3dBカプラ6は入力側偏光子5
の下を通る光導波路と参照光用光導波路8とを連結する
光導波路6a,出力側偏光子13の下を通る光導波路と
照射光用光導波路10とを連結する光導波路6bとの両
光導波路6a,6bが近接し、平行に位置することによ
り構成される。
【0015】図2に示すような階段波状に変調した発光
電流をレーザダイオード光源1に流し、階段波状の発光
電流に応じた2種類以上の波長のレーザ光を交互に発振
させる。このレーザ光は光アイソレータ2を通過した
後、入力側光ファイバ3を介して入力端16から結晶基
板4上の光導波路干渉系に伝搬する。光導波路干渉系に
おいて、レーザ光は入力側偏光子5を通り、3dBカプ
ラ6で参照光と照射光にほぼ均等に配分されて伝搬す
る。参照光は位相変調用電極7a,7b間の参照光用光
導波路8を伝播し、参照光反射用鏡9で反射させられ
る。参照光反射用鏡9からの反射光は、再び参照光用光
導波路8を通り3dBカプラ6に戻る。なお、階段波状
の変調電流波形は、必ずしも単調増加である必要はな
く、所定の電流が、ある時間連続する凹凸状の波形でも
同様な効果が得られる。
【0016】一方、照射光は位相変調用電極7b,7c
間の照射光用光導波路10を伝播して、光導波路干渉系
外へ射出し、集光レンズ11を通り被測定物12を照射
する。被測定物12からの反射光は、再び集光レンズ1
1,照射光用光導波路10を通り、3dBカプラ6に戻
る。3dBカプラ6において、参照光の反射光と照射光
の反射光とを干渉させ、光導波路6b,出力側偏光子1
3,出力端17を介して出力側光ファイバ14に伝播
し、光検出用ダイオード15に導かれる。位相変調によ
る干渉光の強度変化を、光検出用ダイオード15で検出
することにより反射光の位相変化を高精度に求め、被測
定物12の表面におけるλ/2の数百分の一から数万分
の一の微小変位を連続的に測定する。
【0017】上述のように、本発明による変位測定方法
及び変位測定装置は、被測定物にレーザ光を照射し、光
路長変化により、被測定物表面の微小変位を測定するも
のである。発光電源は、階段波状の発光電流を供給する
ものである。用いるレーザダイオード光源1の特性に応
じて、2種類以上の大きさの発光電流が一定時間交互に
保持され、その波形は図2に示すように時間軸に対して
階段波状になっている。この波形が周期的に繰り返され
てもよい。レーザダイオード光源1は、発光電流の値に
よって波長の異なる2種類以上のレーザ光を発振するも
ので、ファブリ・ペロー共振器構造を有するものが用い
られる。このようなレーザダイオード光源1を用いるこ
とで、一つの光源で複数の波長のレーザ光を得ることが
できる。
【0018】レーザダイオード光源1から光導波路干渉
系へレーザ光を伝播する光路の途中に設けてある光アイ
ソレータ2は、ノイズとなる戻り光をカットする。光ア
イソレータ2と光導波路干渉系とを連結する入力側光フ
ァイバ3,光導波路干渉系と光検出用ダイオード15と
を連結する出力側光ファイバ14には、公知の光ファイ
バを使用できる。光導波路干渉系は、結晶基板4上に金
属膜や誘電体膜を付与して作成される入力側偏光子5,
出力側偏光子13と3dBカプラ6及び位相変調器18
とを集積して形成される。この光導波路干渉系の結晶基
板4には、LiNbO3 (ニオブ酸リチウム)又はLi
TaO3 (タンタル酸リチウム)の結晶を用いることが
できる。
【0019】位相変調器について述べれば、図1で位相
変調器18は、参照光用光導波路8と照射光用光導波路
10が、位相変調用電源18a並びに位相変調用電極7
a,7cと位相変調用電極7bによって互いに逆方向の
電界が印加される構造になっている。しかし、参照光用
光導波路8と照射光用光導波路10のうち、少なくとも
一方の光導波路の両側に電極を設ければよく、位相変調
用電極7a,7cのどちらかが無くても、位相変調器1
8は作用する。そうして、位相変調用電極7a,7cの
うち、少なくとも一方と位相変調用電極7bの間に所要
の大きさの電圧を印加すれば、参照光用光導波路8,照
射光用光導波路10を伝搬する光の位相差は、電気光学
効果により変調せしめられる。電気光学効果を利用した
位相変調器は、数十GHzの応答速度を有するものが作
られており、他の方法では得られない高速変調を実現で
きる。
【0020】偏光子5,13は、結晶基板4の光導波路
6a,6bに金属を乗せて、TM光(基板平面と垂直な
方向に電界成分を有する光)、TE光(基板平面と平行
な方向に電界成分を有する光)どちらか一方の偏光成分
を吸収、又は放射により減衰させるものである。なお、
結晶基板4全体をプロトン交換光導波路で構成すれば、
結晶基板4自体がTM光を放射しTE光のみ伝搬するの
で、偏光子を特に設ける必要はなくなる。偏光子は、被
測定物からの反射光の偏光の純度を向上するために用い
る。偏光が乱れているままでは、完全な干渉が起こらな
いからである。
【0021】3dBカプラ6は、伝搬してきたレーザ光
を参照光と照射光に等配分し、それぞれ参照光用光導波
路8と照射光用光導波路10へ伝搬する。そして、参照
光反射用鏡9からの参照光の反射光、被測定物12から
の照射光の反射光は、再び3dBカプラ6で干渉せしめ
られる。参照光反射用鏡9は、結晶基板4上に形成した
照射光用光導波路10の終端面に、金属や酸化物を蒸着
して設ける。数種類の光学要素からなる光導波路型干渉
系を、同一の結晶基板4上に集積することで、各光学要
素の接続調整は不要となり、機械的にも安定し、光の結
合損失を低減できる。また、参照光光路である光導波路
6a,参照光用光導波路8と照射光光路である光導波路
6b,照射光用光導波路10とは、わずか数百μmしか
離れておらず、同じように熱変化するので、熱膨張の影
響が相殺され、その結果、精度が高く、安定な位相変位
測定が可能となる。
【0022】集光レンズ11は、被測定物12を照射す
る照射光、及びその反射光の光束を調整するために設け
てある。光検出用ダイオード15は、干渉光を電気信号
に変換するもので、例えば、pn接合型フォトダイオー
ド、pinフォトダイオード、アバランシェ・フォトダ
イオード(APD)等を使用できる。
【0023】
【実施例】本発明の変位測定方法に用いる変位測定装置
の作用を説明するための概念図である図1を基として、
実際に変位測定装置を製造のうえ、変位測定を行った。
厚み1mm,直径75mmのXカットされたLiNbO
3 ウェハ結晶基板4に、SiO2 による交換マスクを施
した。次に、安息香酸を用いてプロトン交換して、Y軸
方向伝搬のプロトン交換導波路及び3dBカプラ6を設
けた。更に、結晶基板4上に金属蒸着して、位相変調器
18の位相変調用電極7a,7b及び7cを形成した。
その次に、結晶基板4を3mm(幅)×30mm(長
さ)×1mm(厚さ)の寸法にダイシングした。 プロ
トン交換導波路を伝搬した光の消光比は50dB以上で
あったので、このプロトン交換導波路は偏光子として十
分機能することが示された。
【0024】位相変調器18の半波長電圧は2.8Vで
あった。ここで半波長電圧とは、位相変調器18を伝播
する光に、πradの位相変化を与えるのに必要な電圧
をいう。位相変調器18は、参照光と照射光との両方に
作成し、プッシュプル動作をさせたので、参照光と照射
光とがそれぞれ往復する間に、πradの位相変化を与
えるのに必要な電圧は、2.8V÷4=0.7Vであっ
た。
【0025】反射損失を減少させるため、入力側光ファ
イバ3,出力側光ファイバ14と結晶基板4との間に
は、反射防止膜をコーティングした。参照光反射用鏡9
は、参照光用光導波路8の終端面にアルミニウムを蒸着
して形成した。一方、照射光用光導波路10の終端面に
も、反射損失を減少させるため、反射防止膜をコーティ
ングした。そして、照射光用光導波路10の終端面から
射出した照射光を集光レンズ11で集中して被測定物1
2に照射し、反射光を再び照射光用光導波路10に導く
ようにした。
【0026】レーザダイオード光源1には、レーザ発振
波長830nmのフォブリー・ペロー共振器型のものを
使用した。光アイソレータ2には、レーザ発振波長83
0nm用のものを用いた。また、光検出用ダイオード1
5には、Si−pin型フォトダイオードを使用した。
このほか、入力側光ファイバ3には、偏波保持型光ファ
イバを、出力側光ファイバ14には、コア径50μmの
多モード光ファイバを用いた。位相変調用電源18a
は、マイクロコンピュータが駆動する12bitのDA
コンバータで構成し、出力電圧範囲が±2.8Vになる
ように調整した。
【0027】レーザダイオード光源1から発振したレー
ザ光を光アイソレータ2に通したのち、入力側光ファイ
バ3を介して、光導波路型干渉系へ導いた。多モード光
ファイバである出力側光ファイバ14を通じて、干渉光
を光検出用ダイオード15へ導いた。レーザダイオード
光源1のレーザ発振波長を、830.1nm及び83
1.8nmに切り替えて、それぞれの波長において被測
定物12からの反射光の位相を測定した。このときの位
相測定誤差は、0.006rad以下であった。0.0
06radの位相差は、λ×0.006/(2π)=
0.8nmの光路長変化に相当する。したがって、本変
位測定装置の変位分解能は0.4nm以下である。合成
波の波長λ3 は、(1)式より0.4mmであり、理論
的には光路差0.4mm,すなわち0.2mm以下の不
連続変位を測定できることになる。被測定物12として
は、オーバハングの段差傷を付与したアルミニウム板を
用いた。その結果、0.13mmの段差を測定でき、図
3に示す測定結果を得た。
【0028】
【発明の効果】以上説明したように本発明に係る物体の
表面における微小部分の変位測定方法及びそれに用いる
変位測定装置は、複数波長のレーザ光が発振可能な単一
光源、集積化した光学部品を用いることにより、判別可
能な不連続変位の最大値を拡大ができるとともに、調整
容易で迅速・高精度・高安定な変位測定が可能である。
また、装置の小型化が促進され、衝撃・振動に強い変位
測定装置が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の変位測定方法及びそれに用いる変位測
定装置の作用を説明するための概念図である。
【図2】本発明の変位測定方法及びそれに用いる変位測
定装置におけるレーザダイオードの発光電流の波形図で
ある。
【図3】本発明の変位測定装置に係る実施例で得られた
測定結果を示す図である。
【符号の説明】
1 レーザダイオード光源 3 入力側光ファイバ 4 結晶基板 5 入力側偏光子 6 3dBカプラ 7a 位相変調用電極 7b 位相変調用電極 7c 位相変調用電極 8 参照光用光導波路 9 参照光反射用鏡 10 照射光用光導波路 12 被測定物 13 出力側偏光子 14 出力側光ファイバ 15 光検出用ダイオード 18 位相変調器 18a 位相変調用電源

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 同一光源のレーザ光を参照光と照射光と
    に分割して、前記参照光を参照光反射用鏡に、前記照射
    光を被測定物にそれぞれ照射し、光路の違いによって位
    相差の生じた前記参照光及び前記照射光のそれぞれの反
    射光を干渉させて、干渉光から前記被測定物の表面の微
    小変位を測定する変位測定方法において、 発光電流の値によって波長の異なる2種類以上のレーザ
    光を発振するレーザダイオード光源に、階段波状に変調
    した前記発光電流を流して前記2種類以上の波長のレー
    ザ光を交互に発振させ、 結晶基板上に構成した3dBカプラで前記レーザ光を参
    照光と照射光とに分割し、 前記参照光及び前記照射光の一方を、あるいは両方を、
    前記結晶基板上の光導波路を往復する間に、前記結晶基
    板上に構成した電気光学効果を利用する位相変調器によ
    って位相変調せしめるとともに、位相変調された前記参
    照光と前記照射光を前記3dBカプラで干渉させること
    を特徴とする変位測定方法。
  2. 【請求項2】 発光用電源と、光源と、干渉系と、位相
    変調用電源とから構成され、前記光源からの光を前記干
    渉系に導き、前記光を参照光と照射光とに分割して、前
    記参照光を参照光反射用鏡に、前記照射光を被測定物に
    それぞれ照射し、前記参照光の反射光と前記照射光の反
    射光との干渉光を検出して、前記被測定物の表面の微小
    変位を測定する変位測定装置において、 前記光源が、発光電流の値によって波長の異なる2種類
    以上のレーザ光を発振するレーザダイオード光源であ
    り、 前記干渉系が、二つの偏光子と、光導波路を介して前記
    偏光子と結合する3dBカプラと、参照光用光導波路及
    び照射光用光導波路の一方に、あるいは両方に設けた位
    相変調器と、を同一結晶基板に集積した光導波路型干渉
    系であることを特徴とする変位測定装置。
  3. 【請求項3】 結晶基板がLiNbO3 結晶基板又はL
    iTaO3 結晶基板である請求項1に記載の変位測定方
    法。
  4. 【請求項4】 光導波路型干渉系における結晶基板がL
    iNbO3 結晶基板又はLiTaO3 結晶基板である請
    求項2に記載の変位測定装置。
  5. 【請求項5】 結晶基板上に構成した位相変調器によっ
    て位相変調された参照光と照射光の3dBカプラでの干
    渉がプロトン交換光導波路によってなされる請求項1又
    は請求項3に記載の変位測定方法。
  6. 【請求項6】 光導波路型干渉系がプロトン交換光導波
    路で構成されている請求項2又は請求項4に記載の変位
    測定装置。
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