JPH1137718A - 微小変位計測装置とその方法 - Google Patents

微小変位計測装置とその方法

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JPH1137718A
JPH1137718A JP19105697A JP19105697A JPH1137718A JP H1137718 A JPH1137718 A JP H1137718A JP 19105697 A JP19105697 A JP 19105697A JP 19105697 A JP19105697 A JP 19105697A JP H1137718 A JPH1137718 A JP H1137718A
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waveguide
branch
optical
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JP19105697A
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Ichiro Takatsu
一郎 高津
Jiro Toyama
二郎 外山
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Nok Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】分岐型光導波路を用いた変位測定装置では、初
期調整が面倒。 【解決手段】微小変位計測装置1では、レーザ発振器4
0からの光が光ファイバ30を介して光分岐導波路部1
0に入射され、Y分岐部で参照光と測定光とに分岐さ
れ、参照光は参照光光路14を通過して反射鏡16で反
射され再びY分岐型光導波路12のY分岐部へ戻る。ま
た測定光は、測定光光路13から被測定対象80に照射
され、その反射光が測定光光路13からY分岐型光導波
路12のY分岐部へと戻る。参照光と測定光の各反射光
はY分岐部で合波され、その干渉光を光ファイバ30を
介して戻し光検出器50で検出し、その強度変化から被
測定対象80の微小変位を検出する。この時、最初の被
測定対象80が変位していない状態で、測定光光路13
と参照光光路14の位相差がπ/2となるように参照光
光路14の電極15に位相制御部60より所定の電界を
印加しておく。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、レーザ光の可干渉
性を利用した微小変位計測装置に関する。
【0002】
【従来の技術】レーザ光の可干渉性を利用した変位計測
装置は、高精度な計測が可能であることから様々な分野
で利用されている。これまでの光学的干渉による微小変
位計測装置は、通常、次のような構成が用いられてい
る。ハーフミラーあるいは偏光ビームスプリッタ等と波
長板とを組合わせて、レーザ光を2つの光路に分岐し、
一方の光を参照光として参照光用鏡に照射し、もう一方
の光は被測定対象に照射し測定光とする。これら各々の
反射光を再び合波させたときの両者の位相差に応じて生
ずる干渉光の強度変化から、両光路の光路長の違い、す
なわち、被測定対象の変位を検出する。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、そのよ
うなこれまでの微小変位計測装置においては、複数の光
学部品を有しており、そのため精密な光軸調整を必要と
し取り扱いが難しいという問題がある。またそのため、
測定装置としての小型化が困難で高コスト化の一因とな
るという問題が生じている。
【0004】そこで近年、このような干渉計を光ファイ
バや光導波路部品を用いて集積化を図ろうとする試みが
なされるようになっている。たとえば、光ファイバ型の
フィゾー式干渉計を作成し、コオロギの鼓膜振動といっ
た微小変位を数十nmの分解能で測定することに成功した
例も報告されている("A fiber Fizeau interferometer
for measuring minute biological displacements",A.
D.Drake and D.C.Leiner, IEEE Trans Biomed Eng, VO
L. BME-31, NO.7,1984 )。光ファイバを干渉計に用い
ると、面倒な光軸調整を必要としない上、空間光では困
難な個所へも容易に測定光を誘導できるといった特徴が
あり好適である。
【0005】しかしながら、そのような光学的干渉を用
いた方式においては、微小変位に対する感度を大きくす
るため、参照光と測定光の位相差をあらかじめ調整して
おく必要があるが、たとえば前述したフィゾー式干渉計
では参照光と測定光とが同一光路を伝搬するため、一方
の光だけを位相制御するといったことが出来ないという
問題がある。そこで、一般には、被測定対象と干渉計プ
ローブとの初期間隔を調整したり、被測定対象を一定周
期で変動させ、検出器とのあいだで同期測定を行うとい
った対策がなされている場合が多い。しかしこのような
対策をとった場合には、被測定対象を駆動する専用のア
クチュエータが必要で、装置が大がかりなものとなる、
あるいは試料の固定に手間がかかるなどの、新たな問題
が生じる。
【0006】測定光と参照光とが異なる光路を伝搬する
マッハツェンダ式やマイケルソン式の干渉計であれば、
位相変調器の挿入は容易になるが、両光路に個別の光フ
ァイバを用いるため、ファイバ自身が受ける温度変化や
振動の影響がそのまま位相変化となって現れ、かえって
安定な計測が困難になる。このように、光ファイバを用
いた干渉計は、光軸調整の必要性がなく、微小領域の変
位計測に対して有効な手法と言えるが、測定光の位相変
調が容易に行えなず、計測装置としての小型化が困難で
あるといった問題がある。
【0007】したがって本発明の目的は、精密な光学的
調整あるいは光の位相の調整などを行う必要がなく、被
測定対象の最初の位置を高精度に把握または調整した
り、煩雑な検出器との間の同期測定を行う必要がなく、
さらに、より小型で低コスト化することができ、操作が
簡単な微小変位測定装置を提供することにある。また、
本発明の他の目的は、精密な光学的調整あるいは光の位
相の調整などを行う必要がなく、被測定対象の最初の位
置を高精度に把握または調整したり、煩雑な検出器との
間の同期測定を行う必要がなく、操作が簡単な微小変位
測定方法を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】したがって、本発明の微
小変位測定装置は、光源と、Y分岐型光導波路と、光源
と、電界制御手段と、光検出器とを有する。前記Y分岐
型光導波路12は、一方の端部より所定の光が入射され
る導波路であって、他方の端部が当該導波路と各々所定
の微小角度をなす2本の分岐導波路に分岐する分岐部と
なっており、前記入射された光を当該分岐部において分
岐し導波するとともに、前記2本の分岐導波路より各々
導波された光の干渉光を前記光が入射された端部より出
射する第1の光導波路と、前記第1の光導波路の分岐部
で分岐された分岐導波路のいずれか一方に連続した導波
路であって、端部に反射部材を有し、前記第1の光導波
路を介して導波され分岐された光を前記反射部材におい
て反射し参照光として前記分岐部に伝搬させる第2の導
波路と、前記第1の光導波路の分岐部で分岐された分岐
導波路の他方に連続した導波路であって、前記第1の光
導波路を介して導波され分岐された光を端部より出射し
てその反射光が再びその端部より入射されるように被測
定物に照射し、前記反射光を測定光として前記分岐部に
伝搬させる第3の導波路と、前記第2の導波路または前
記第3の導波路のいずれか一方または両方に対して設け
られ、当該導波路に対して電界を印加する電極とを有す
る。
【0009】また、前記光源は、前記Y分岐型光導波路
の第1の光導波路の前記一方の端部に前記所定の光を入
射し、前記光検出器は、前記Y分岐型光導波路の第1の
光導波路の前記一方の端部より出射される前記干渉光を
受光し、該干渉光の強度に応じた信号を出力する。好適
には、前記Y型分岐導波路の前記第1の導波路の前記一
方の端部と、前記光源および前記光検出器は、光ファイ
バーにより接続される。
【0010】好適には、前記電界制御手段は、前記被測
定物が変位をしていない時に、前記参照光と前記測定光
の位相差がπ/2となるように位相差を調整する電界を
前記導波路に印加するように、前記Y型分岐導波路の前
記電極に対して電圧を印加する。特定的には、前記Y型
分岐導波路の電極は、前記第2の導波路または前記第3
の導波路のいずれか一方に設けられ、前記電界制御手段
は、前記被測定物が変位していない時に、前記電極に印
加する電圧を所定の範囲内で変化させることにより前記
光検出器から出力される前記光強度に応じた信号の周期
的な変化を検出し、該信号の最大レベルと最小レベルの
平均レベルを当該被測定物が変位していない時の基準の
出力信号レベルと規定して、前記光検出器の出力信号が
その基準のレベルとなるように前記電極に印加する電圧
を調整する。
【0011】また、本発明の微小変位計測方法は、コヒ
ーレント光を、2つの分岐導波路の一方の分岐導波路の
端部に反射部材が設けられて分岐された光を参照光とし
て反射するY型分岐導波路に入射し、前記Y型分岐導波
路の他方の分岐導波路より出射される分岐光を、その反
射光が再びその端部より入射されるように被測定物に照
射し、前記Y型分岐導波路の前記コヒーレント光が入力
された端部より出射される、前記被測定物からの反射光
と前記参照光との干渉光の強度を検出し、前記被測定物
が変位をしていない状態で、前記参照光と前記測定光の
位相差がπ/2となるように、前記Y型分岐導波路の2
つの分岐導波路のいずれかまたは両方に電界を印加し、
その位相差を調整し、前記強度の変化に基づいて前記被
測定物の変位を検出する。
【0012】好適には、前記位相差の調整は、被測定物
が変位していない状態で、前記Y型分岐導波路の2つの
分岐導波路のいずれかまたは両方に対して設けられた電
極に印加する電圧を所定の範囲内で変化させ、前記干渉
光の強度の周期的な変化を検出し、前記変化の最大レベ
ルと最小レベルの平均レベルを当該被測定物が変位して
いない時の前記干渉光の強度に係わる信号の基準のレベ
ルと規定し、被測定物が変位していない状態で、前記信
号の出力がその基準のレベルとなるような電圧を前記電
極に印加する。
【0013】
【発明の実施の形態】本発明の一実施の形態を図1〜図
4を参照して説明する。図1は、本実施の形態の微小変
位計測装置の構成を示す図である。本実施の形態の微小
変位計測装置1は、光分岐導波路部10、反射鏡16、
光ファイバ30、レーザ発振器40、光検出器50、位
相制御部60および変位検出部70を有する。
【0014】まず、微小変位計測装置1の構造について
説明する。まず、光分岐導波路部10の構造について説
明する。図1に、光分岐導波路部10の上面図を示すよ
うに、光分岐導波路部10は、基板11上にY分岐型光
導波路12が形成されたものを基本構成とする。基板1
1は、本実施の形態においては、電気光学材料であるニ
オブ酸リチウム(LiNbO3 )結晶基板である。ま
た、基板11の寸法は、2mm×30mmである。
【0015】Y分岐型光導波路12は、LiNbO3
板に対し導波路パターン形状にTiを熱拡散することで
形成する。この時に、X軸に垂直な平面で切り出された
結晶基板を用い、導波路をZ軸方向に形成するようにす
れば、伝搬光の偏波方向に依存しない導波路を得ること
ができ好適である。そのY分岐型光導波路12の分岐後
の2本の導波路のうち、一方を測定光光路13、他方を
参照光光路14とする。本実施の形態において、Y分岐
型光導波路12の幅は約8μm,測定光光路13と参照
光光路14の光路間隔は約30μmである。
【0016】そして、参照光光路14の導波路端に参照
光反射用の反射鏡16を形成する。反射鏡16の素材と
しては、本実施の形態においてはアルミニウム等の蒸着
膜を用いるが、光源の波長に対応した誘電体薄膜を用い
てもよい。また、参照光光路14の両脇に、位相制御用
の電極15を形成する。この電極15には、位相制御部
60より所定の電圧が印加され、参照光光路14に対し
て電界を印加する。
【0017】次に、微小変位計測装置1の光分岐導波路
部10以外の部分について説明する。光ファイバ30
は、光分岐導波路部10に対して、レーザ発振器40で
発振された光を誘導するとともに、光分岐導波路部10
において生成された干渉光を光検出器50に誘導する。
レーザ発振器40は、光ファイバ30を介して光分岐導
波路部10に対して測定用の光を入射するための光源で
ある。発振するレーザ光としては、安定なコヒーレント
光で、光分岐導波路部10のY分岐型光導波路12中を
シングルモード伝播するものであれば、レーザの種類、
波長とも、特に限定されるものではない。本実施の形態
においては、発振波長1.3μmの半導体レーザを用い
た。光検出器50は、光ファイバ30で誘導されてきた
干渉光を受光し、その受光した干渉光の強度に対応した
信号を変位検出部70に出力する。
【0018】位相制御部60は、参照光光路14を伝搬
する参照光の位相を調整するために、参照光光路14の
両脇に設けられた電極15に対して電圧を印加する。本
実施の形態においては、被測定対象80が変位をしてい
ない基準の位置にある状態で、測定光光路13を伝搬し
た光と参照光光路14を伝搬した光との位相差がπ/2
となるように、参照光光路14を伝搬する光の位相が調
整するための電圧を印加する。この電極15に印加する
電圧の調整については後に詳細に説明する。
【0019】変位検出部70は、光検出器50で検出さ
れた干渉光の強度を示す信号に対して所定の処理を行
い、被測定対象80の変位状態を検出する。光検出器5
0で検出される干渉光の強度は被測定対象80の変位に
応じて周期的に変化する。そのため変位検出部70にお
いては、被測定対象80の変位量が測定光波長の1/4
以内である場合には、そのレーザ発振器40の干渉光の
強度に応じて変位量を求め出力する。また、被測定対象
80の変位量が測定光波長の1/4より大きい場合に
は、変位検出部70は変位開始時点から変位完了までの
干渉光のピークの数をカウントし、さらに変位完了時点
における干渉光強度を読み取り、これに基づいて被測定
対象80の変位量を求める。
【0020】次に、微小変位計測装置1の動作について
説明する。微小変位計測装置1においては、レーザ発振
器40で発振された光を光ファイバ30を介して光分岐
導波路部10の一端より入射させる。Y分岐型光導波路
12内に導かれた光は、Y分岐部で参照光と測定光とに
分岐される。このうち、参照光は参照光光路14を通過
して導波路端面の反射鏡16で反射し、Y分岐型光導波
路12のY分岐部へと戻る。また、測定光は、測定光光
路13から被測定対象80に照射され、その反射光が測
定光光路13からY分岐型光導波路12のY分岐部へと
戻る。これら、参照光および測定光それぞれの反射光が
Y分岐部で合波され互いに干渉しあう。この干渉光を光
ファイバ30を介して戻し、光ファイバ端の光検出器5
0で検出する。そして、変位検出部70により、その干
渉光の強度変化から被測定対象80の微小変位を検出す
る。
【0021】ここで、このような動作をする微小変位計
測装置1により被測定対象80の変位の測定を行う際
に、予め位相制御部60を介して行う参照光の位相の調
整について説明する。この調整においては、被測定対象
80が変位のない基準の位置にある状態での干渉光の干
渉状態の調整を調整する。具体的には、光分岐導波路部
10の電極15に印加する電圧を調整し、参照光光路1
4を伝搬する参照光の位相を、測定光とπ/2の位相関
係となるように調整する。
【0022】このような位相関係に調整する理由につい
て図2を参照して説明する。図2は測定光と参照光との
間の位相差と干渉光強度との関係、および、被測定対象
80の変位量と干渉計出力との関係を示す図である。一
般に、干渉計における干渉光強度Iは、測定光と参照光
の位相差をΔφ、測定光および参照光の実数振幅を各々
A,Bとすると、式1のように表される。
【0023】
【数1】 I=A2 +B2 +2ABcosΔφ ・・・(1)
【0024】この関係を図2の中央の曲線L−M−Nで
示す。図2に示すごとく、被測定対象の変位量が測定光
波長の1/4以内である場合、その変位量Xに対する干
渉計出力は、図2Yのようになり、その感度は、変位量
「0」における位相差が、π/2のときに最大となるこ
とがわかる。したがって、適当な電極電圧を光分岐導波
路部10の電極15に印加して、参照光が測定光とπ/
2の位相関係となるようにすることにより、位相変位に
対する干渉光強度変化を最大にする、すなわち、被測定
対象80の変位に対する感度を最大にすることができ
る。
【0025】この調整は、具体的には、変位量「0」の
ときに電極電圧を徐々に上げ、干渉光強度が最小となる
時の電圧Vmin と最大となるときの電圧V maxとを求
め、式2に基づいて位相差がπ/2となる位相シフト電
圧VS を求めることにより行う。
【0026】
【数2】 VS =(Vmin +V max)/2 ・・・(2)
【0027】次に、微小変位計測装置1により実際に変
位の計測を行った場合の検出結果を例示する。ここで
は、被測定対象80として、便宜的に圧電型アクチュエ
ータによって微動させることができる外部設置反射鏡を
用いる。測定に先立って、外部設置反射鏡80が所定の
基準位置の時、すなわち、変位量が「0」の時に、電極
15に直流電圧を徐々に印加したところ、印加電圧1V
のときに干渉光強度が最小となり、印加電圧8.6Vの
ときに最大となった。したがって、式2により、電極1
5に対する位相シフト電圧を4.8Vとした。
【0028】そして、圧電型アクチュエータに対し駆動
電圧をステップ状に印加し、外部設置反射鏡80を測定
光波長の1/4の範囲内で微動させた。このときの干渉
光強度変化を図3に示す。図3に示すように、微小変位
計測装置1においては、反射鏡80の微動量を数十nm
の分解能で検出することができた。
【0029】次に、反射鏡80を1μm〜5μm程度、
比較的大きく移動させた。この時の反射鏡80の移動量
と、微小変位計測装置1で干渉光より求めた測定移動量
との関係を図4に示す。図4に示すように、比較的大き
な動きに対しても、フリンジ計測と干渉光ピーク強度測
定を行うことで、高精度な計測が可能となった。
【0030】このように、本実施の形態の微小変位計測
装置1においては、光分岐導波路部10を用いて、適切
に微小変位を計測することができる。そして、微小変位
計測装置1においては、同一基板上に電気光学特性を有
するY分岐型光導波路12や反射鏡16などを形成して
いるので、従来必要であった、ビームスプリッタや波長
板、光学ミラーあるいは位相変調器といった光学部品を
用いることなく、これらの機能を単一基板内に集積化す
ることができる。したがって、測定系の誤差を著しく少
なくすることができ、高精度に微小変位を計測すること
ができるようになった。また、その結果、装置の小型
化、低コスト化が可能となった。
【0031】また、変位量が測定光波長の1/4を越え
る場合に、本実施の形態の微小変位計測装置1において
は、通常行われているような、干渉計出力のピーク数を
カウントすることのみで変位量を求めるのではなく、さ
らに、変位完了時点における干渉光強度を読み取り、変
位を検出している。したがって通常生じるような、変位
の検出分解能が1ピーク当たりの変位量、すなわち測定
光波長の1/4に低下することがなく、常に高い分解能
での変位の計測が可能となる。
【0032】そのような位相に基づいた計測を常に行う
ためには、変位量「0」の時点における初期位相を正確
に把握しておく必要がある。しかし、微小変位計測装置
1においては、変位量「0」のときに、干渉光強度が最
小となる時の電圧Vmin と最大となるときの電圧V max
とを求め、式2に基づいてその平均の電圧を求め、これ
を電極15に印加することにより、その時点、すなわち
変位量「0」のときの位相差をπ/2と調整することが
でき、その位相の把握を正確に行うことができる。換言
すれば、微小変位計測装置1においては、そのように簡
単かつ正確に初期位相の調整が可能なので、比較的大き
な変位量に対しても、干渉光の位相に基づいた正確な変
位量の検出が可能となる。
【0033】また、そのような調整方法を行っているの
で、干渉計の動作点を任意に制御することができ、干渉
計プローブと被測定対象間の距離の初期値に左右される
ことなく、常に最大感度部分で被測定対象の微小変位を
検出することができる。したがって、高精度に微小変位
を検出することができる。また、細かな光学的な調整作
業が不要となり操作が容易になる。
【0034】さらに、測定光光路13と参照光光路14
は互いに数十μm〜数100μm程度しか離れていない
ために、熱膨張や振動など外乱の影響は両光路でほぼ等
しいものとなる。したがって、これらの外乱の影響は両
光の干渉時に相殺される。したがって、高精度な測定が
安定して行える。
【0035】なお、本発明は、本実施の形態に限られる
ものではなく種々の改変が可能である。たとえば、光分
岐導波路部10の基板11およびY分岐型光導波路12
を構成する材料としては、前述したニオブ酸リチウム
(LiNbO3 )に限られるものではない。たとえば、
LiTaO3 結晶基板などの任意の電気光学材料を用い
てよい。
【0036】また、たとえばアクリル系高分子の主鎖に
ジアソ系色素を結合させたものなどの非線形有機材料を
用いてもよい。その場合、たとえばSiウェハなどの基
板上に、コア層より屈折率の低いエポキシ系の透明樹脂
などのポリマーをクラッド層として、またアクリル系高
分子の主鎖にジアゾ系色素を結合させたものをコア層と
して塗布する。そして、コア層をY分岐型導波路形状に
加工したあと、ガラス転移点付近の温度で直流電界を印
加しポーリング処理をすることにより光分岐導波路部1
0を製造する。
【0037】このように非線形有機材料を用いることに
より、前述した結晶基板を用いた場合と比べて、高温処
理工程を必要としないなど製作工程が簡素化され、装置
の低コスト化ができる。なお非線形有機材料を用いた場
合、前述した結晶基板と比べて、伝搬損失がやや劣るも
のの、変位計測については結晶基板と同等の性能を示
し、微小変位計測装置の光分岐導波路部として用いるこ
とに何ら支障はない。また、この場合の材料も、前述し
たアクリル系高分子の主鎖にジアソ系色素に限られるも
のではなく、電気光学特性を有する高分子であれば任意
の材料を用いてよい。
【0038】また、光分岐導波路部10のY分岐型光導
波路に対して導波光の位相を調整するために設けられる
電極は、本実施の形態においては参照光光路14に対し
てのみ設けられたが、参照光光路14に対して設けるよ
うにしても、あるいは、測定光光路13と参照光光路1
4の両光路に設けるようにしてもよい。なお、測定光光
路13と参照光光路14の両光路に設ける場合は、互い
に逆方向の電極を印加する。
【0039】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の微小変位
計測装置およびその方法によれば、基板上に形成された
Y分岐型光導波路を利用しているので、測定系の誤差を
著しく少なくすることができ、高精度に微小変位を計測
することができる。また、その結果、微小変位計測装置
の小型化、低コスト化が可能となる。さらに、測定光光
路と参照光光路は互いに数十μm〜数100μm程度し
か離れていないために、熱膨張や振動などの外乱の影響
は干渉により相殺され、高精度な測定が安定して行え
る。
【0040】また、本発明の微小変位計測装置およびそ
の方法によれば、分岐導波路に対して設けられた電極を
介して電界を印加することにより、簡単かつ正確に位相
の調整が可能なので、細かな光学的な調整作業が不要と
なり操作が容易になる。また、干渉計の動作点を任意に
制御することができるので、被測定対象の最初の位置に
左右されることなく、常に最大感度部分で被測定対象の
微小変位を検出することができる。さらに、これによ
り、比較的大きな変位量に対しても、干渉光の位相に基
づいた正確な変位量の検出が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態の微小変位計測装置の構
成を示す図である。
【図2】図1に示した微小変位計測装置における、測定
光と参照光との間の位相差と干渉光強度との関係、およ
び、被測定対象の変位量と干渉計出力との関係を示す図
である。
【図3】被測定対象を、測定光波長の1/4の範囲内で
微動させた時の干渉光強度変化を示す図である。
【図4】被測定対象を、比較的大きく移動させた時の被
測定対象80の移動量と、図1に示した微小変位計測装
置1で測定された移動量との関係を示す図である。
【符号の説明】
1…微小変位計測装置 10…光分岐導波路部 11…基板 12…Y分岐型光導波路 13…測定光光路 14…参照光光路 15…電極 16…反射鏡 30…光ファイバ 40…レーザ発振器 50…光検出器 60…位相制御部 70…変位検出部 80…被測定対象(反射鏡)

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】一方の端部より所定の光が入射される導波
    路であって、他方の端部が当該導波路と各々所定の微小
    角度をなす2本の分岐導波路に分岐する分岐部となって
    おり、前記入射された光を当該分岐部において分岐し導
    波するとともに、前記2本の分岐導波路より各々導波さ
    れた光の干渉光を前記光が入射された端部より出射する
    第1の光導波路と、 前記第1の光導波路の分岐部で分岐された分岐導波路の
    いずれか一方に連続した導波路であって、端部に反射部
    材を有し、前記第1の光導波路を介して導波され分岐さ
    れた光を前記反射部材において反射し参照光として前記
    分岐部に伝搬させる第2の導波路と、 前記第1の光導波路の分岐部で分岐された分岐導波路の
    他方に連続した導波路であって、前記第1の光導波路を
    介して導波され分岐された光を端部より出射してその反
    射光が再びその端部より入射されるように被測定物に照
    射し、前記反射光を測定光として前記分岐部に伝搬させ
    る第3の導波路と、 前記第2の導波路または前記第3の導波路のいずれか一
    方または両方に対して設けられ、当該導波路に対して電
    界を印加する電極とを有するY分岐型光導波路12と、 前記Y分岐型光導波路の第1の光導波路の前記一方の端
    部に前記所定の光を入射する光源と、 前記Y分岐型光導波路の電極に所望の電界を印加する電
    界制御手段と、 前記Y分岐型光導波路の第1の光導波路の前記一方の端
    部より出射される前記干渉光を受光し、該干渉光の強度
    に応じた信号を出力する光検出器とを有し、前記光検出
    器より前記被測定物の変位に応じて変化する信号を得る
    微小変位計測装置。
  2. 【請求項2】前記電界制御手段は、 前記被測定物が変位をしていない時に、前記参照光と前
    記測定光の位相差がπ/2となるように位相差を調整す
    る電界を前記導波路に印加するように、前記Y型分岐導
    波路の前記電極に対して電圧を印加する請求項1記載の
    微小変位計測装置。
  3. 【請求項3】前記Y型分岐導波路の電極は、 前記第2の導波路または前記第3の導波路のいずれか一
    方に設けられ、 前記電界制御手段は、前記被測定物が変位していない時
    に、前記電極に印加する電圧を所定の範囲内で変化させ
    ることにより前記光検出器から出力される前記光強度に
    応じた信号の周期的な変化を検出し、該信号の最大レベ
    ルと最小レベルの平均レベルを当該被測定物が変位して
    いない時の基準の出力信号レベルと規定して、前記光検
    出器の出力信号がその基準のレベルとなるように前記電
    極に印加する電圧を調整する請求項2記載の微小変位計
    測装置。
  4. 【請求項4】前記Y型分岐導波路の前記第1の導波路の
    前記一方の端部と、前記光源および前記光検出器は、光
    ファイバーにより接続されていることを特徴とする請求
    項1〜3いずれか記載の微小変位計測装置。
  5. 【請求項5】コヒーレント光を、2つの分岐導波路の一
    方の分岐導波路の端部に反射部材が設けられて分岐され
    た光を参照光として反射するY型分岐導波路に入射し、 前記Y型分岐導波路の他方の分岐導波路より出射される
    分岐光を、その反射光が再びその端部より入射されるよ
    うに被測定物に照射し、 前記Y型分岐導波路の前記コヒーレント光が入力された
    端部より出射される、前記被測定物からの反射光と前記
    参照光との干渉光の強度を検出し、 前記被測定物が変位をしていない状態で、前記参照光と
    前記測定光の位相差がπ/2となるように、前記Y型分
    岐導波路の2つの分岐導波路のいずれかまたは両方に電
    界を印加し、その位相差を調整し、 前記強度の変化に基づいて前記被測定物の変位を検出す
    る微小変位計測方法。
  6. 【請求項6】前記位相差の調整は、 被測定物が変位していない状態で、前記Y型分岐導波路
    の2つの分岐導波路のいずれかまたは両方に対して設け
    られた電極に印加する電圧を所定の範囲内で変化させ、 前記干渉光の強度の周期的な変化を検出し、 前記変化の最大レベルと最小レベルの平均レベルを当該
    被測定物が変位していない時の前記干渉光の強度に係わ
    る信号の基準のレベルと規定し、 被測定物が変位していない状態で、前記信号の出力がそ
    の基準のレベルとなるような電圧を前記電極に印加する
    請求項5記載の微小変位計測方法。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR100421870B1 (ko) * 2001-07-06 2004-03-09 엘지전자 주식회사 투사형 표시 장치
JP2009216638A (ja) * 2008-03-12 2009-09-24 Nec Corp 微小変位測定装置とその測定方法
JP2016224028A (ja) * 2015-06-03 2016-12-28 株式会社東芝 光学測定装置

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