JP3337624B2 - 微小変位測定装置とその方法 - Google Patents

微小変位測定装置とその方法

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JP3337624B2 JP21634297A JP21634297A JP3337624B2 JP 3337624 B2 JP3337624 B2 JP 3337624B2 JP 21634297 A JP21634297 A JP 21634297A JP 21634297 A JP21634297 A JP 21634297A JP 3337624 B2 JP3337624 B2 JP 3337624B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、レーザ光の可干渉
性を利用した微小変位測定装置に関する。
【0002】
【従来の技術】レーザ光の可干渉性を利用した変位測定
装置は、高精度な測定が可能であることから様々な分野
で利用されている。これまでの光学的干渉による微小変
位測定装置は、通常、次のような構成が用いられてい
る。ハーフミラーあるいは偏光ビームスプリッタ等と波
長板とを組合わせて、レーザ光を2つの光路に分岐し、
一方の光を参照光として参照光用鏡に照射し、もう一方
の光は被測定物に照射し測定光とする。これら各々の反
射光を再び合波させたときの両者の位相差に応じて生ず
る干渉光の強度変化から、両光路の光路長の違い、すな
わち、被測定物の変位を検出する。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、そのよ
うなこれまでの微小変位測定装置においては、複数の光
学部品を有しており、そのため精密な光軸調整を必要と
し取り扱いが難しいという問題がある。またそのため、
測定装置としての小型化が困難で高コスト化の一因とな
るという問題が生じている。
【0004】そこで近年、このような干渉計を光ファイ
バケ−ブル(以後、単に光ファイバと言う)や光導波路
部品を用いて集積化を図ろうとする試みがなされるよう
になっている。たとえば、光ファイバ型のフィゾー式干
渉計を作製し、コオロギの鼓膜振動といった微小変位を
数十nmの分解能で測定することに成功した例も報告され
ている("A fiber Fizeau interferometer for measuri
ng minute biological displacements",A.D.Drake and
D.C.Leiner, IEEE Trans Biomed Eng, VOL. BME-31, N
O.7,1984 )。光ファイバを干渉計に用いると、面倒な
光軸調整を必要としない上、空間光では困難な個所へも
容易に測定光を誘導できるといった特徴があり好適であ
る。
【0005】しかしながら、そのような光学的干渉を用
いた方式においては、微小変位に対する感度を大きくす
るため、参照光と測定光の位相差をあらかじめ調整して
おく必要があるが、たとえば前述したフィゾー式干渉計
では参照光と測定光とが同一光路を伝搬するため、一方
の光だけを位相制御するといったことが出来ないという
問題がある。そこで、一般には、被測定対象と干渉計プ
ローブとの初期間隔を調整したり、被測定対象を一定周
期で変動させ、検出器とのあいだで同期測定を行うとい
った対策がなされている場合が多い。しかしこのような
対策をとった場合には、被測定対象を駆動する専用のア
クチュエータが必要で、装置が大がかりなものとなる、
あるいは試料の固定に手間がかかるなどの、新たな問題
が生じる。
【0006】測定光と参照光とが異なる光路を伝搬する
マッハツェンダ式やマイケルソン式の干渉計であれば、
位相変調器の挿入は容易になるが、両光路に個別の光フ
ァイバを用いるため、ファイバ自信が受ける温度変化や
振動の影響がそのまま位相変化となって現れ、かえって
安定な測定が困難になる。このように、光ファイバを用
いた干渉計は、光軸調整の必要性がなく、微小領域の変
位測定に対して有効な手法と言えるが、測定光の位相変
調が容易に行えなず、測定装置としての小型化が困難で
あるといった問題がある。
【0007】したがって本発明の目的は、精密な光学的
調整あるいは光の位相の調整や、被測定対象の初期位置
の高精度な調整、あるいは、煩雑な同期測定などを行う
必要がなく操作が簡単で、さらに、より小型で低コスト
化することができる微小変位測定装置を提供することに
ある。また、本発明の他の目的は、精密な光学的調整あ
るいは光の位相の調整や、被測定対象の初期位置の高精
度な調整、あるいは、煩雑な同期測定などを行う必要が
なく操作が簡単な微小変位測定方法を提供することにあ
る。
【0008】
【課題を解決するための手段】前記課題を解決するため
に、本発明の微小変位測定装置は、一方の端部が、光フ
ァイバの一方の端部と、当該光ファイバを伝搬された光
の一部が入射され一部が反射されるように接続され、他
方の端部より、被測定物からの反射光が再びその端部よ
り入射されるように前記光ファイバより入射された光を
出射し被測定物に照射する光導波路と、前記光導波路と
接続される前記光ファイバであって、他方の端部より入
射された光を前記光導波路に対して伝搬し、前記光導波
路と接続されている一方の端部で反射された光と前記光
導波路から入射された前記被測定物からの反射光との干
渉光を前記他方の端部へ伝搬する光ファイバと、前記光
ファイバの前記他方の端部より所定の光を入射する光源
と、前記光ファイバの前記他方の端部より出射される前
記干渉光を受光し、該干渉光の強度に応じた信号であっ
て、前記被測定物の変位に応じて変化する信号を出力す
る光検出器と、前記光導波路に対して電界を印加する電
極と、前記被測定物の変位に応じて生じる前記干渉光の
強度変化の割合が、前記被測定物が変位をしていない基
準の位置の近傍で大きくなるように、前記電極に電界を
印加し、前記光導波路を伝搬される前記被測定物からの
反射光の位相を調整する電界制御手段とを有する。
【0009】特定的には、前記光導波路と前記光ファイ
バは、屈折率の異なる部材で形成されている。また特定
的には、前記光ファイバの前記一方の端部は、当該光フ
ァイバと実質的に同じ屈折率を有する接着剤により、そ
の光軸が前記光導波路の光軸と同じになるように、前記
光導波路の前記一方の端部に接続されている。好適に
は、前記光導波路の前記他方の端部は、当該光導波路を
伝搬した光が当該端部で反射しないように、反射防止加
工が施されている。また好適には、前記電界制御手段
は、前記被測定物が変位をしていない時に、前記光ファ
イバと前記光導波路との接続部で反射される光と、前記
光導波路を伝搬される前記被測定物からの反射光との位
相差が、π/2となるように位相差を調整する電界を前
記電極を介して前記導波路に印加する。
【0010】また、本発明の微小変位測定方法は、コヒ
ーレント光を、光ファイバの一方の端部に入射し、前記
光ファイバの他方の端部を、当該光ファイバの伝搬光の
一部が光導波路に伝搬され一部が接続面で反射されるよ
うに、光導波路の一方の端部に接続し、前記光導波路の
他方の端部より出射される光を、その反射光が再び当該
端部より入射されるように被測定物に照射し、前記光フ
ァイバを伝搬される、前記光導波路に入射され伝搬され
る前記被測定物からの反射光と、前記光ファイバと前記
光導波路の接続面からの反射光との干渉光の強度を検出
し、前記検出される干渉光の強度に基づいて、前記被測
定物が変位をしていない状態で、前記被測定物からの反
射光と、前記光ファイバと前記光導波路との接続面から
の反射光の位相差がπ/2となるように、前記光導波路
に対して電圧を印加し、前記光導波路を伝搬される前記
被測定物からの反射光の位相差を調整し、前記調整の
後、前記検出される前記干渉光の強度の変化に基づいて
前記被測定物の変位を検出する。
【0011】好適には、前記位相差の調整は、被測定物
が変位していない状態で、前記光導波路に対して設けら
れた電極に印加する電圧を所定の範囲内で変化させ、前
記干渉光の強度の周期的な変化を検出し、前記変化の最
大レベルと最小レベルの平均レベルを検出し、前記被測
定物が変位していない状態で、前記信号の出力がその平
均レベルとなるような電圧を前記電極に印加することに
より行う。
【0012】
【発明の実施の形態】本発明の一実施の形態を図1〜図
3を参照して説明する。図1は、本実施の形態の微小変
位測定装置の構成を示す図である。本実施の形態の微小
変位測定装置1は、光導波路部10、光ファイバケ−ブ
ル30(以後、単に光ファイバ30と言う)、レーザ発
振器40、光検出器50、位相制御部60および変位検
出部70を有する。
【0013】まず、微小変位測定装置1の構造について
説明する。まず、光導波路部10の構造について説明す
る。図1に、光導波路部10の上面図を示すように、光
導波路部10は、基板11上に直線光導波路12および
位相制御用電極15が形成されたものを基本構成とす
る。基板11は、本実施の形態においては、電気光学材
料であるニオブ酸リチウム(LiNbO3 )結晶基板で
ある。
【0014】このLiNbO3 基板に対し、導波路パタ
ーン形状にTiを熱拡散することで直線光導波路12が
形成される。この直線光導波路12は、後述する光導波
路部10に接続される光ファイバ30と異なる屈折率を
有するように形成する。また、この直線光導波路12の
形成時に、X軸に垂直な平面で切り出された結晶基板を
用い、導波路をZ軸方向に形成するようにすれば、伝搬
光の偏波方向に依存しない導波路を得ることができ好適
である。
【0015】この直線光導波路12の両端面は、導波路
の光軸と直交するように切削あるいは研磨加工されてお
り、この一方の端面は、反射防止膜18を形成するなど
の反射防止加工が施されており、外部に光が出射される
際に、この端面において部分的に反射されるのを防ぐよ
うになっている。また、直線光導波路12のもう一方の
端面には、光ファイバ30が、光ファイバと同等の屈折
率を有する接着剤17により、直線光導波路12の光軸
とその光軸が一致するように位置合わせされて接着固定
されている。前述したように、この光ファイバ30およ
び接着剤17と、基板11に形成された直線光導波路1
2とは屈折率が異なる。したがって、光ファイバ30と
直線光導波路12との境界部分では、光が部分的に反射
され、部分的に透過されることになる。
【0016】また、直線光導波路12の両脇に、位相制
御用の電極15が形成されている。この電極15には、
位相制御部60より所望の電圧が印加され、直線光導波
路12に対して電界を印加する。
【0017】次に、微小変位測定装置1の光導波路部1
0以外の部分について説明する。光ファイバ30は、光
導波路部10に対して、レーザ発振器40で発振された
光を誘導するとともに、光ファイバ30と直線光導波路
12の接続部で部分反射した光と、直線光導波路12よ
り入射される被測定対象80からの反射光との干渉光を
光検出器50に誘導する。レーザ発振器40は、光ファ
イバ30を介して光導波路部10に対して測定用の光を
入射するための光源である。発振するレーザ光として
は、安定なコヒーレント光で、光導波路部10の直線光
導波路12中をシングルモード伝播するものであれば、
レーザの種類、波長とも、特に限定されるものではな
い。本実施の形態においては、発振波長1.3μmの半
導体レーザを用いる。光検出器50は、光ファイバ30
で誘導されてきた干渉光を受光し、その受光した干渉光
の強度に対応した信号を変位検出部70に出力する。
【0018】位相制御部60は、直線光導波路12を伝
搬する被測定対象80からの反射光の位相を調整するた
めに、直線光導波路12の両脇に設けられた電極15に
対して電圧を印加する。本実施の形態においては、被測
定対象80が変位をしていない基準の位置にある状態
で、直線光導波路12を通過する被測定対象80からの
反射光と、光ファイバ30と直線光導波路12との端面
で反射される光との位相差がπ/2となるように、直線
光導波路12を通過する光の位相が調整するための電圧
を印加する。この、電極15に印加する電圧の調整につ
いては後に詳細に説明する。
【0019】変位検出部70は、光検出器50で検出さ
れた干渉光の強度を示す信号に対して所定の処理を行
い、被測定対象80の変位状態を検出する。光検出器5
0で検出される干渉光の強度は被測定対象80の変位に
応じて周期的に変化する。そのため変位検出部70にお
いては、被測定対象80の変位量が測定光波長の1/4
以内である場合には、そのレーザ発振器40の干渉光の
強度に応じて変位量を求め出力する。また、被測定対象
80の変位量が測定光波長の1/4より大きい場合に
は、変位検出部70は変位開始時点から変位完了までの
干渉光のピークの数をカウントし、さらに変位完了時点
における干渉光強度を読み取り、これに基づいて被測定
対象80の変位量を求める。
【0020】次に、微小変位測定装置1の動作について
説明する。微小変位測定装置1においては、レーザ発振
器40で発振された光を光ファイバ30により伝搬し
て、光導波路部10の一端に照射する。この時に、光フ
ァイバ30と直線光導波路12との間では、屈折率の差
異に起因するフレネル反射により、伝搬光の一部が反射
され、光ファイバ30内を戻っていく。残る伝搬光は、
光導波路部10に入射され、直線光導波路12を伝搬
し、直線光導波路12の他方の端部より出射されて、被
測定対象80に照射される。この時、直線光導波路12
のこの端部には、反射防止膜18により反射防止処理が
施されているために、ここでの反射はほとんど生じな
い。
【0021】被測定対象80に照射された光は、被測定
対象80で反射され、再び直線光導波路12に入射さ
れ、光ファイバ30に出射される。そしてこの被測定対
象80より反射された光は、光ファイバ30において、
最初に直線光導波路12の端面で反射された光と干渉し
ながら、光ファイバ30を戻っていく。この干渉光強度
は、被測定対象80と光導波路との距離の変位量に応じ
て変化するため、この干渉光の強度を検出することによ
り、被測定対象80の変位量を求めることができる。す
なわち、この戻り光を、光検出器50において検出して
その強度に応じた信号を変位検出部70に出力し、変位
検出部70において、その干渉光の強度変化から被測定
対象80の変位を検出する。
【0022】ここで、このような動作をする微小変位測
定装置1により被測定対象80の変位の測定を行う際
に、予め位相制御部60を介して行う参照光の位相の調
整について説明する。この調整においては、被測定対象
80が変位のない基準の位置にある状態での干渉光の干
渉状態の調整を調整する。具体的には、前述したよう
に、光導波路部10の電極15に印加する電圧を調整
し、直線光導波路12を伝搬する測定光の位相を、直線
光導波路12の入力端面で反射される参照光とπ/2の
位相関係となるように調整する。
【0023】このような位相関係に調整する理由につい
て図2を参照して説明する。図2は測定光と参照光との
間の位相差と干渉光強度との関係、および、被測定対象
80の変位量と干渉計出力との関係を示す図である。一
般に、干渉計における干渉光強度Iは、測定光と参照光
の位相差をΔφ、測定光および参照光の実数振幅を各々
A,Bとすると、式1のように表される。
【0024】
【数1】 I=A2 +B2 +2ABcosΔφ ・・・(1)
【0025】この関係を図2の中央の曲線L−M−Nで
示す。図2に示すごとく、被測定対象の変位量が測定光
波長の1/4以内である場合、その変位量Xに対する干
渉計出力は、図2Yのようになり、その感度は、変位量
「0」における位相差が、π/2のときに最大となるこ
とがわかる。したがって、適当な電極電圧を光導波路部
10の電極15に印加して、参照光が測定光とπ/2の
位相関係となるようにすることにより、位相変位に対す
る干渉光強度変化を最大にする、すなわち、被測定対象
80の変位に対する感度を最大にすることができる。
【0026】この調整は、具体的には、変位量「0」の
ときに電極電圧を徐々に上げ、干渉光強度が最小となる
時の電圧Vmin と最大となるときの電圧V maxとを求
め、式2に基づいて位相差がπ/2となる位相シフト電
圧VS を求めることにより行う。
【0027】
【数2】 VS =(Vmin +V max)/2 ・・・(2)
【0028】次に、微小変位測定装置1により実際に変
位の測定を行った場合の検出結果を例示する。ここで
は、被測定対象80として、便宜的に圧電型アクチュエ
ータによって微動させることができる外部設置反射鏡を
用いる。測定に先立って、外部設置反射鏡80が所定の
基準位置の時、すなわち、変位量が「0」の時に、電極
15に直流電圧を徐々に印加したところ、印加電圧0.
8Vのときに干渉光強度が最小となり、印加電圧8.4
Vのときに最大となった。したがって、式2により、電
極15に対する位相シフト電圧を4.6Vとした。
【0029】そして、圧電型アクチュエータに対し駆動
電圧を印加し、反射鏡80を1μm〜5μmの間で移動
させた。この時の反射鏡80の移動量と、微小変位測定
装置1で干渉光より求めた測定移動量との関係を図3に
示す。図3に示すように、比較的大きな動きに対して
も、フリンジ測定と干渉光ピーク強度測定を行うこと
で、高精度な測定が可能となった。
【0030】このように、本実施の形態の微小変位測定
装置1においては、光導波路部10を用いて、適切に微
小変位を測定することができる。そして、微小変位測定
装置1においては、同一基板上に電気光学特性を有する
直線光導波路12や反射鏡16などを形成しているの
で、従来必要であった、ビームスプリッタや波長板、光
学ミラーあるいは位相変調器といった光学部品を用いる
ことなく、これらの機能を単一基板内に集積化すること
ができる。したがって、測定系の誤差を著しく少なくす
ることができ、高精度に微小変位を測定することができ
るようになった。また、その結果、装置の小型化、低コ
スト化が可能となった。
【0031】また、変位量が測定光波長の1/4を越え
る場合に、本実施の形態の微小変位測定装置1において
は、通常行われているような、干渉計出力のピーク数を
カウントすることのみで変位量を求めるのではなく、さ
らに、変位完了時点における干渉光強度を読み取り、変
位を検出している。したがって通常生じるような、変位
の検出分解能が1ピーク当たりの変位量、すなわち測定
光波長の1/4に低下することがなく、常に高い分解能
での変位の測定が可能となる。
【0032】そのような位相に基づいた測定を常に行う
ためには、変位量「0」の時点における初期位相を正確
に把握しておく必要がある。しかし、微小変位測定装置
1においては、変位量「0」のときに、干渉光強度が最
小となる時の電圧Vmin と最大となるときの電圧V max
とを求め、式2に基づいてその平均の電圧を求め、これ
を電極15に印加することにより、その時点、すなわち
変位量「0」のときの位相差をπ/2と調整することが
でき、その位相の把握を正確に行うことができる。換言
すれば、微小変位測定装置1においては、そのように簡
単かつ正確に初期位相の調整が可能なので、比較的大き
な変位量に対しても、干渉光の位相に基づいた正確な変
位量の検出が可能となる。
【0033】また、そのような調整方法を行っているの
で、干渉計の動作点を任意に制御することができ、干渉
計プローブと被測定対象間の距離の初期値に左右される
ことなく、常に最大感度部分で被測定対象の微小変位を
検出することができる。したがって、高精度に微小変位
を検出することができる。また、細かな光学的な調整作
業が不要となり操作が容易になる。
【0034】さらに、被測定対象80で反射して得られ
た測定光と、その測定光と位相を比較するために用いら
れる参照光は、同じ光ファイバ30および直線光導波路
12よりなる同じ光路を通過するので、熱膨張や振動な
ど外乱の影響は両光路でほぼ等しいものとなる。したが
って、これらの外乱の影響は両光の干渉時に相殺され
る。したがって、高精度な測定が安定して行える。
【0035】なお、本発明は、本実施の形態に限られる
ものではなく種々の改変が可能である。たとえば、光導
波路部10の基板11および直線光導波路12を構成す
る材料としては、前述したニオブ酸リチウム(LiNb
3 )に限られるものではない。たとえば、LiTaO
3 結晶基板などの任意の電気光学材料を用いてよい。
【0036】また、たとえばアクリル系高分子の主鎖に
ジアソ系色素を結合させたものなどの非線形有機材料を
用いてもよい。その場合、たとえばSiウェハなどの基
板上に、コア層より屈折率の低いエポキシ系の透明樹脂
などのポリマーをクラッド層として、またアクリル系高
分子の主鎖にジアゾ系色素を結合させたものをコア層と
して塗布する。そして、コア層を直線光導波路形状に加
工したあと、ガラス転移点付近の温度で直流電界を印加
しポーリング処理をすることにより光導波路部10を製
造する。
【0037】このように非線形有機材料を用いることに
より、前述した結晶基板を用いた場合と比べて、高温処
理工程を必要としないなど製作工程が簡素化され、装置
の低コスト化ができる。なお非線形有機材料を用いた場
合、前述した結晶基板と比べて、伝搬損失がやや劣るも
のの、変位測定については結晶基板と同等の性能を示
し、微小変位測定装置の光導波路部として用いることに
何ら支障はない。また、この場合の材料も、前述したア
クリル系高分子の主鎖にジアソ系色素に限られるもので
はなく、電気光学特性を有する高分子であれば任意の材
料を用いてよい。
【0038】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の微小変位
測定装置およびその方法によれば、基板上に形成された
直線光導波路を利用しているので、測定系の誤差を著し
く少なくすることができ、高精度に微小変位を測定する
ことができる。また、その結果、微小変位測定装置の小
型化、低コスト化が可能となる。さらに、熱膨張や振動
などの外乱の影響をほとんど受けず、高精度な測定が安
定して行える。
【0039】また、本発明の微小変位測定装置およびそ
の方法によれば、直線導波路に対して設けられた電極を
介して電界を印加することにより、簡単かつ正確に位相
の調整が可能なので、細かな光学的な調整作業が不要と
なり操作が容易になる。また、干渉計の動作点を任意に
制御することができるので、被測定対象の最初の位置に
左右されることなく、常に最大感度部分で被測定対象の
微小変位を検出することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態の微小変位測定装置の構
成を示す図である。
【図2】図1に示した微小変位測定装置における、測定
光と参照光との間の位相差と干渉光強度との関係、およ
び、非測定対象の変位量と干渉計出力との関係を示す図
である。
【図3】被測定対象を、移動させた時の被測定対象の移
動量と、図1に示した微小変位測定装置で測定された移
動量との関係を示す図である。
【符号の説明】
1…微小変位測定装置 10…光導波路部 11…基板 12…直線光導波路 15…電極 17…接着剤 18…反射防止膜 30…光ファイバ 40…レーザ発振器 50…光検出器 60…位相制御部 70…変位検出部 80…被測定対象(反射鏡)
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平7−229713(JP,A) 特開 昭61−288102(JP,A) 特開 昭62−27603(JP,A) 特開 平8−35811(JP,A) 特開 平7−325276(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G01B 11/00 G01B 9/02 G02B 6/00

Claims (7)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】一方の端部が、光ファイバケ−ブルの一方
    の端部と、当該光ファイバケ−ブルを伝搬された光の一
    部が入射され一部が反射されるように接続され、他方の
    端部より、被測定物からの反射光が再びその端部より入
    射されるように前記光ファイバケ−ブルより入射された
    光を出射し被測定物に照射する光導波路と、 前記光導波路と接続される前記光ファイバケ−ブルであ
    って、他方の端部より入射された光を前記光導波路に対
    して伝搬し、前記光導波路と接続されている一方の端部
    で反射された光と前記光導波路から入射された前記被測
    定物からの反射光との干渉光を前記他方の端部へ伝搬す
    る光ファイバケ−ブルと、 前記光ファイバケ−ブルの前記他方の端部より所定の光
    を入射する光源と、 前記光ファイバケ−ブルの前記他方の端部より出射され
    る前記干渉光を受光し、該干渉光の強度に応じた信号で
    あって、前記被測定物の変位に応じて変化する信号を出
    力する光検出器と、 前記光導波路に対して電界を印加する電極と、 前記被測定物の変位に応じて生じる前記干渉光の強度変
    化の割合が、前記被測定物が変位をしていない基準の位
    置の近傍で大きくなるように、前記電極に電界を印加
    し、前記光導波路を伝搬される前記被測定物からの反射
    光の位相を調整する電界制御手段とを有する微小変位測
    定装置。
  2. 【請求項2】前記光導波路と前記光ファイバケ−ブル
    は、屈折率の異なる部材で形成されている請求項1記載
    の微小変位測定装置。
  3. 【請求項3】前記光ファイバケ−ブルの前記一方の端部
    は、当該光ファイバケ−ブルと実質的に同じ屈折率を有
    する接着剤により、その光軸が前記光導波路の光軸と同
    じになるように、前記光導波路の前記一方の端部に接続
    されている請求項2記載の微小変位測定装置。
  4. 【請求項4】前記光導波路の前記他方の端部は、当該光
    導波路を伝搬した光が当該端部で反射しないように、反
    射防止加工が施されている請求項1〜3いずれか記載の
    微小変位測定装置。
  5. 【請求項5】前記電界制御手段は、 前記被測定物が変位をしていない時に、前記光ファイバ
    ケ−ブルと前記光導波路との接続部で反射される光と、
    前記光導波路を伝搬される前記被測定物からの反射光と
    の位相差が、π/2となるように位相差を調整する電界
    を前記電極を介して前記導波路に印加する請求項1〜4
    いずれか記載の微小変位測定装置。
  6. 【請求項6】コヒーレント光を、光ファイバケ−ブルの
    一方の端部に入射し、 前記光ファイバケ−ブルの他方の端部を、当該光ファイ
    バケ−ブルの伝搬光の一部が光導波路に伝搬され一部が
    接続面で反射されるように、光導波路の一方の端部に接
    続し、 前記光導波路の他方の端部より出射される光を、その反
    射光が再び当該端部より入射されるように被測定物に照
    射し、 前記光ファイバケ−ブルを伝搬される、前記光導波路に
    入射され伝搬される前記被測定物からの反射光と、前記
    光ファイバケ−ブルと前記光導波路の接続面からの反射
    光との干渉光の強度を検出し、 前記検出される干渉光の強度に基づいて、前記被測定物
    が変位をしていない状態で、前記被測定物からの反射光
    と、前記光ファイバケ−ブルと前記光導波路との接続面
    からの反射光の位相差がπ/2となるように、前記光導
    波路に対して電圧を印加し、前記光導波路を伝搬される
    前記被測定物からの反射光の位相差を調整し、 前記調整の後、前記検出される前記干渉光の強度の変化
    に基づいて前記被測定物の変位を検出する微小変位測定
    方法。
  7. 【請求項7】前記位相差の調整は、 被測定物が変位していない状態で、前記光導波路に対し
    て設けられた電極に印加する電圧を所定の範囲内で変化
    させ、 前記干渉光の強度の周期的な変化を検出し、 前記変化の最大レベルと最小レベルの平均レベルを検出
    し、 前記被測定物が変位していない状態で、前記信号の出力
    がその平均レベルとなるような電圧を前記電極に印加す
    ることにより行う請求項6記載の微小変位測定方法。
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