JPH06330181A - 表面性状に優れた深絞り用高強度溶融亜鉛めっき鋼板の製造方法 - Google Patents

表面性状に優れた深絞り用高強度溶融亜鉛めっき鋼板の製造方法

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JPH06330181A
JPH06330181A JP11464493A JP11464493A JPH06330181A JP H06330181 A JPH06330181 A JP H06330181A JP 11464493 A JP11464493 A JP 11464493A JP 11464493 A JP11464493 A JP 11464493A JP H06330181 A JPH06330181 A JP H06330181A
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 加工性及び表面品質に優れ、高度の加工を施
してもめっき層に欠陥を生じない高強度溶融亜鉛めっき
鋼板を得る。 【構成】 C:0.001〜0.010%,Si:2.
0%以下,Mn:0.5〜3.0%,P:0.03〜
0.30%,S:0.015%以下,酸可溶Al:0.
005〜0.100%,N:0.007%以下,B:
0.0002〜0.0010%,Ti:0.10%以下
及びNb:0.01〜0.10%を含有し、且つTi%
/48≧C%/12+N%/14+S%/32を満足す
るTi−Nb複合含有極低炭素鋼スラブを1150〜1
280℃に加熱した後、Ar3 変態点以上1000℃以
下の温度で熱間圧延を終了し、400〜600℃で巻き
取る。冷間圧延後に連続溶融亜鉛めっきラインに通板
し、H2 濃度30体積%以上の雰囲気において800〜
900℃の温度範囲で還元加熱し、その後の冷却過程で
亜鉛めっき浴に浸漬する板温を500〜650℃の温度
範囲に制御し、次いで溶融亜鉛めっきする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、自動車内板等に使用さ
れ、表面性状及び深絞り性に優れた高強度溶融亜鉛めっ
き鋼板を製造する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】自動車用鋼板として、安全性の向上,車
体重量の軽減,素材使用量の節減等から高強度鋼板が広
く使用されるようになってきている。自動車用高強度鋼
板のなかでも、たとえば寒冷期に道路の融雪剤に含まれ
る塩類による腐食を防止するため、耐食性を一層向上さ
せることが要求される。鋼板の耐食性は、Cu,Cr等
の合金元素を鋼中に添加する方法,鋼板表面に金属めっ
きを施す方法等で向上する。しかし、合金元素を添加す
る方法では、塩害等の過酷な腐食雰囲気に曝される使用
環境では所与の効果を期待できない。したがって、この
ような過酷な腐食環境に耐える耐食性を付与するため、
金属めっき、特に厚目付けが容易に且つ安価に行われる
溶融亜鉛めっきが通常採用されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】塗膜密着性及び溶接性
が要求される用途では、溶融亜鉛めっき後に合金化処理
を施すことが一般的に採用されている。しかし、合金化
溶融亜鉛めっき鋼板は、プレス加工性、特に深絞り加工
性が劣っており、高度の成形加工を施すことができな
い。この点、耐食性に加えて加工性も優れためっき鋼板
を大量生産できる方法の確立が望まれている。また、高
強度合金化溶融亜鉛めっき鋼板は、軟質鋼板に比較して
高強度を確保するため、Si,Mn,P等の強化元素を
多量に含有している。強化元素の増量は、強度の向上に
有効であるが、溶融亜鉛めっき性に悪影響を与える。特
に、Si,Mn等の固溶強化元素を含有している鋼板で
は、ピンホール,不めっき等のめっき欠陥やスケール模
様の表面肌荒れ等の欠陥が製品表面に発生し、表面品質
を劣化させ易い。その結果、外観不良及び耐食性不良を
原因として不合格になる割合が多く、製品の歩留りが高
い水準にあるものとはいえない現状である。
【0004】本発明者等は、高強度合金化溶融亜鉛めっ
き鋼板の各種表面性状を改善するため、合金成分,熱延
条件,めっき条件等を種々調査・研究した。その過程
で、極低炭素Ti,Nb複合添加鋼にMn,P,B等の
固溶強化元素を複合添加し、制御された条件下での熱間
圧延及び焼鈍を施した後、溶融亜鉛めっきし、450〜
600℃の温度域に1秒以上保持するとき、欠陥の少な
い合金化溶融亜鉛めっき層が形成されることを見い出
し、特開平2−163346号公報として紹介した。得
られた高強度合金化溶融亜鉛めっき鋼板は、加工性にも
優れ、プレス加工時に二次加工割れを発生することもな
い。
【0005】更に、特開平4−66653号公報では、
同様な組成をもつ鋼板を高めの仕上げ温度及び低めの巻
取り温度で熱間圧延した後、70%以上の高圧延率で冷
間加工し、次いで溶融めっき槽内で高温還元焼鈍すると
き、更に加工性の向上が図られることを紹介した。本発
明は、このような高強度溶融亜鉛めっき鋼板の加工性及
び耐食性に関する継続した調査・研究の過程で案出され
たものであり、溶融亜鉛めっき設備での温度管理及び雰
囲気制御によって、密着性に優れた溶融亜鉛めっき層を
鋼板表面に形成し、加工性及び耐食性が一層優れた高強
度溶融亜鉛めっき鋼板を得ることを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明の製造方法は、そ
の目的を達成するため、C:0.001〜0.010重
量%,Si:2.0重量%以下,Mn:0.5〜3.0
重量%,P:0.03〜0.30重量%,S:0.01
5重量%以下,酸可溶Al:0.005〜0.100重
量%,N:0.007重量%以下,B:0.0002〜
0.0010重量%,Ti:0.10重量%以下及びN
b:0.01〜0.10重量%を含有し、且つTi%/
48≧C%/12+N%/14+S%/32を満足する
Ti−Nb複合含有極低炭素鋼スラブを1150〜12
80℃に加熱した後、Ar3 変態点以上1000℃以下
の温度で熱間圧延を終了し、400〜600℃で巻き取
り、冷間圧延後に連続溶融亜鉛めっきラインに通板し、
2 濃度30体積%以上の雰囲気において800〜90
0℃の温度範囲で還元加熱し、その後の冷却過程で亜鉛
めっき浴に浸漬する板温を500〜650℃の温度範囲
に制御し、次いで溶融亜鉛めっきすることを特徴とす
る。
【0007】次いで、本発明で規定した各種条件を説明
する。 [素材鋼の成分] C: 本発明で使用される鋼材に含まれているCは、T
iC,NbC等の炭窒化物として固定される。C含有量
が低いほど、深絞り性や延性に有利に働き、固定化元素
として使用するTiやNb等の含有量も下げることがで
きる。この点で、C含有量の上限を0.010重量%に
設定し、C含有量に応じたTi,Nb等の消費量増加を
抑え、鋼材コストの上昇を回避する。しかし、0.00
1重量%未満のC含有量は、製鋼工程において過度の脱
炭精練を必要とし、製造コストを上昇させる原因とな
る。したがって、本発明においては、0.001〜0.
010重量%の範囲にC含有量を定めた。
【0008】Si: 鋼板の強度を向上させる上で有効
な合金元素である。しかし、含有量が2.0重量%を超
えると極端にめっき層の密着性が低下することから、S
i含有量の上限を2.0重量%に規定した。 Mn: Siと同様に鋼板の強度を向上させる有効な合
金元素であり、含有量0.5重量%以上でMnの効果が
顕著になる。しかし、3.0重量%を超える多量のMn
が含まれると、A3 変態点が大きく低下し、焼鈍時に金
属組織のα→γ変態が促進される。その結果、再結晶過
程で形成された{111}方位の集合組織が損なわれ、
ランクフォード値(以下、r値という)を低下させる。
したがって、必要とする加工性を確保するため、Mn含
有量の上限を3.0重量%に規定した。
【0009】P: 鋼板の強度向上に有効に働く合金元
素であり、0.03重量%以上でPの効果が顕著にな
る。しかし、0.30重量%を超える多量のPが含有さ
れると、プレス加工時に二次加工割れが著しく発生する
と共に、連続式溶融亜鉛めっき装置内における合金化も
困難になる。 S: Mnと結合して非金属介在物を形成し、プレス加
工時に加工割れ等の欠陥を発生させる有害元素である。
また、TiSを形成することから、Cの固定に必要なT
iの含有量を増大させ、鋼材コストを上昇させる原因に
もなる。したがって、本発明においては、S含有量の上
限を0.015重量%に規定した。 Al: 脱酸剤として添加される元素であり、0.00
5重量%以上の添加が必要とされる。しかし、0.10
重量%を超える多量のAlを含有させると、Al23
等の介在物が増加し、加工性及び表面品質を劣化させ
る。
【0010】N: 鋼中に不可避的に含まれる不純物元
素であり、TiNとして固定されることによりr値が向
上する。N含有量が0.007重量%を超えるようにな
ると、Nの安定化に必要なTi量が増大し、鋼材コスト
の上昇を招く。したがって、本発明では、N含有量の上
限を0.007重量%に規定した。 B: Pよりも優先的に結晶粒界に偏析し、P起因の粒
界脆化によってプレス成形性が劣化することを防止す
る。Pの粒界偏析を抑制し、良好なプレス成形性を確保
するためには、0.0002重量%以上のBを含むこと
が必要である。しかし、0.0010重量%を超えて多
量のBが含まれると、結晶粒の成長性が阻害され、鋼板
のr値及び延性が低下する。
【0011】Ti: S,N及びCを固定すると共に、
{111}方位の再結晶集合組織を発達させる上で、有
効な合金元素である。この作用を得るために、鋼材に含
まれているS,N及びCの当量、すなわち(48/1
2)×C%+(48/14)×N%+(48/32)×
S%以上の量でTiを含有させることが必要である。し
かし、0.10重量%以上では、Tiの増量に見合った
効果が得られず、却って鋼材コストを上昇させる原因と
なる。 Nb: 安定なTiの炭窒化物を核とし、熱間圧延時に
粗大なTi,Nbの複合炭化物を生成する。複合炭化物
の生成により、{111}方位の再結晶集合組織が一層
発達し易くなり、絞り性やr値の面内異方性が改善され
る。このようなNbの作用は、含有量が0.01重量%
以上で顕著となり、0.10重量%で飽和する。
【0012】[製造条件]転炉,電気炉等において各合
金元素の含有量が調整された鋼材は、スラブに連続鋳造
される。スラブは、そのまま冷却されることなく直送さ
れ、或いは一旦冷却した鋳片を再加熱した後で、熱間圧
延に供される。熱延材は、冷間圧延工程を経て薄鋼板と
なる。 熱延条件:本発明で規定した組成をもつ鋼材は、熱延工
程におけるスラブ加熱条件を制御することによって、非
常に優れた深絞り性を呈する鋼板になる。すなわち、1
280℃未満の温度まで再加熱して熱間圧延するとき、
熱延材中の析出物及びその後の冷延焼鈍時における析出
物が調整され、深絞り性に有利な集合組織の形成が促さ
れる。熱延開始温度は、必要とする熱延仕上げ温度を確
保するために、下限が1150℃に設定される。
【0013】熱間圧延は、{111}方位の再結晶集合
組織を成長させるために、Ar3 変態点以上に熱延仕上
げ温度を設定する。熱延仕上げ温度がAr3 変態点未満
になると、{111}方位の再結晶集合組織に悪影響を
与える熱延集合組織が生成し易くなる。熱延仕上げ温度
の上限は、1000℃に設定される。熱延仕上げ温度が
1000℃を超えると、熱延材の結晶粒径が大きくな
り、{111}方位をもった再結晶集合組織の核発生率
が冷間圧延時に減少する。その結果、焼鈍後のr値が低
下する。熱間圧延された板材は、400〜600℃の温
度範囲で巻き取られる。巻取り温度が600℃よりも高
いと、熱延材の表面に生成したスケールの酸洗性が低下
する。逆に400℃を下回る巻取り温度では、巻き取ら
れた鋼板に形状不良等の欠陥が発生し易くなる。
【0014】溶融亜鉛めっき条件:熱延材は、通常の酸
洗で鋼板表面を清浄にした後、冷間圧延される。得られ
た冷延板は、インライン焼鈍型連続式溶融亜鉛めっき装
置に導入される。ライン内の雰囲気は、H2 濃度30体
積%以上の還元性雰囲気に維持される。この還元性雰囲
気のH2 濃度30体積%以上は、鋼板表面に形成される
溶融亜鉛めっき層にピンホール,不めっき等の表面性状
欠陥を発生させない上で重要な因子である。H2 濃度が
30体積%未満では、図1に示しているように還元加熱
温度及び亜鉛めっき浴への鋼板浸漬温度(以下、これを
インレット温度という)等の条件を変化させても、ピン
ホール,不めっき等の欠陥発生が避けられない。
【0015】導入された冷延板は、還元性雰囲気中で8
00〜900℃の温度範囲で加熱焼鈍される。還元加熱
温度が800℃を下回ると、冷延板を溶融亜鉛めっき浴
に導入したときに鋼板表面に対する溶融亜鉛の濡れ付着
性が低下し、ピンホール,不めっき等の欠陥が解消され
ない。溶融亜鉛の濡れ付着性低下は、固溶強化元素S
i,Mnの酸化皮膜が鋼板表面に厚く生成し、溶融亜鉛
めっき処理時に厚い酸化皮膜が残存していることに由来
するものと推察される。他方、900℃を超える還元加
熱温度では、{111}方位の再結晶集合組織がα→γ
変態に伴って消失し、r値が劣化する。このようなこと
から、還元加熱焼鈍は、800〜900℃の温度範囲で
行うことが必要である。冷延板は、溶融亜鉛めっき浴に
導入される直前で、500〜650℃のインレット温度
に維持することが必要である。500℃未満のインレッ
ト温度では、図2に示すように還元加熱温度を変化させ
ても溶融亜鉛濡れ付着力が低下し、ピンホール,不めっ
き等の欠陥が鋼板表面に形成されることが避けられな
い。650℃を超えるインレット温度では、連続式溶融
亜鉛めっきラインにおいて表面傷が発生し易くなり、亜
鉛めっき浴の温度上昇に伴った亜鉛ヒューム等の放散が
活発化し操業上困難になる。
【0016】
【実施例】所定の組成に調整した溶鋼を連続鋳造し、ス
ラブを得た。表1は本発明に従った組成をもつ鋼材であ
り、表2は比較用の鋼材である。各種鋼材に対し、それ
ぞれ表3及び表4に示した条件下の熱間圧延を施し、板
厚3.2mmの熱延板を製造した。熱延板は、酸洗工程
及び冷間圧延工程を経て板厚0.8mmの冷延鋼板とし
た後、表3及び表4に示した条件下で連続式溶融亜鉛め
っきラインで還元焼鈍し、片面当り60g/m2 の目付
け量で溶融亜鉛めっきを施した。
【0017】
【表1】
【0018】
【表2】
【0019】
【表3】
【0020】
【表4】
【0021】溶融亜鉛めっきされた鋼板に対し、インラ
インでめっき層を合金化処理した後、伸び率0.8%の
スキンパス圧延を行った。得られた溶融亜鉛めっき鋼板
は、表5及び表6に示す引張り特性,耐二次加工脆性及
び表面性状をもっていた。引張り特性の調査には、JI
S Z2201に規定されている5号試験片を使用し
た。耐二次加工脆性は、図3に示す手順で調査した。す
なわち、直径90mmに打ち抜いた素材を使用し、絞り
比2.73の三段絞りで直径33mmの平底円筒カップ
に成形した。カップ底部から35mmの位置で平底円筒
カップを切断し、円筒成形されたカップ上部から先端角
60度のポンチを徐々に押し込み、カップを圧潰した。
そして、脆性割れが発生しない最低温度を縦割れ限界温
度として測定し、この温度に基づいて耐二次加工脆性を
評価した。めっき鋼板の表面性状は、肌荒れ,欠陥発生
等に関して鋼板表面を観察し、観察結果を相対評価し
た。
【0022】
【表5】
【0023】
【表6】
【0024】表6にみられるように、試験番号B1〜B
4の溶融亜鉛めっき鋼板は、本発明で規定した素材の成
分に関する要件を満足し、390N/mm2 級以上の高
強度を示し、r値も1.3以上と高くなっている。しか
し、溶融亜鉛めっき条件が本発明で規定した範囲を外れ
ることから、表面肌荒れやピンホール,不めっき等の欠
陥が発生し、表面性状に劣るものであった。試験番号B
5〜B7の溶融亜鉛めっき鋼板は、Si,C及びMn含
有量の何れかが本発明で規定した範囲を外れ、溶融亜鉛
めっき条件も本発明で規定した範囲を外れることから、
r値や靭性に劣り、表面肌荒れやピンホール,不めっき
等の表面性状に問題があった。
【0025】P含有量が過剰な試験番号8及びB含有量
が過剰な試験番号B9溶融亜鉛めっき鋼板は、390N
/mm2 以上の高強度及び1.3以上のr値を示してい
るものの、耐二次加工脆性に劣っていた。また、試験番
号10の溶融亜鉛めっき鋼板は、熱延条件及びめっき条
件共に本発明で規定した要件を満足するものの、Bを含
んでいないことから縦割れ限界温度が大幅に高くなって
おり、耐二次加工脆性に劣っていた。同様な傾向は、P
を過剰に含む試験番号8でもみられた。これに対し、本
発明に従ったAグループの溶融亜鉛めっき鋼板は、表5
に示されているように大きな延性の低下もなく、390
N/mm2 以上の高強度及び1.3以上のr値を示して
いる。また、耐二次加工脆性も、縦割れ限界温度で−4
0℃以下と良好であり、しかも表面肌荒れやピンホー
ル,不めっき等の欠陥がない良好な表面品質をもってい
た。
【0026】表5と表6との対比から明らかなように、
優れた加工性及び表面品質の双方を兼ね備えさせるため
には、素材の成分,製造条件及び溶融亜鉛めっき条件を
本発明で規定した範囲に維持することが必要である。そ
して、素材成分及び溶融亜鉛めっき条件の何れかが条件
を満足されないと、加工性及び/又は表面品質に劣った
めっき鋼板となる。また、表面性状が良好な領域を、還
元性雰囲気中のH2 濃度及び還元加熱温度との関係で調
べたところ図1に示す関係、インレット温度と還元加熱
温度との関係で調べたところ図2に示す関係がそれぞれ
成立していた。図1及び図2から、良好な表面品質をも
つ溶融亜鉛めっき層を鋼板表面に形成するためには、H
2 濃度,還元加熱温度及びインレット温度との間に特定
の関係があることが判る。
【0027】
【発明の効果】以上に説明したように、本発明において
は、素材の組成,製造条件及び溶融亜鉛めっき条件を特
定された条件下で組み合わせることにより、表面品質が
良好な溶融亜鉛めっき層をもち、加工性及び耐食性に優
れた高強度溶融亜鉛めっき鋼板を製造している。得られ
た高強度溶融亜鉛めっき鋼板は、その優れた性質を活か
し、安全性,軽量化等を図った自動車用鋼板を始めとし
て広範な分野で使用される。
【図面の簡単な説明】
【図1】 還元性雰囲気中のH2 濃度及び還元加熱温度
が溶融亜鉛めっき鋼板の表面性状に及ぼす影響を表した
グラフ
【図2】 インレット温度及び還元加熱温度が溶融亜鉛
めっき鋼板の表面性状に及ぼす影響を表したグラフ
【図3】 耐二次加工脆性の試験方法を示した図
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C22C 38/14 (72)発明者 田中 照夫 広島県呉市昭和町11番1号 日新製鋼株式 会社鉄鋼研究所内

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 C:0.001〜0.010重量%,S
    i:2.0重量%以下,Mn:0.5〜3.0重量%,
    P:0.03〜0.30重量%,S:0.015重量%
    以下,酸可溶Al:0.005〜0.100重量%,
    N:0.007重量%以下,B:0.0002〜0.0
    010重量%,Ti:0.10重量%以下及びNb:
    0.01〜0.10重量%を含有し、且つTi%/48
    ≧C%/12+N%/14+S%/32を満足するTi
    −Nb複合含有極低炭素鋼スラブを1150〜1280
    ℃に加熱した後、Ar3 変態点以上1000℃以下の温
    度で熱間圧延を終了し、400〜600℃で巻き取り、
    冷間圧延後に連続溶融亜鉛めっきラインに通板し、H2
    濃度30体積%以上の雰囲気において800〜900℃
    の温度範囲で還元加熱し、その後の冷却過程で亜鉛めっ
    き浴に浸漬する板温を500〜650℃の温度範囲に制
    御し、次いで溶融亜鉛めっきすることを特徴とする表面
    性状に優れた深絞り用高強度溶融亜鉛めっき鋼板の製造
    方法。
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