JP3257715B2 - めっき密着性の優れた高加工用高強度合金化溶融亜鉛めっき鋼板の製造方法 - Google Patents

めっき密着性の優れた高加工用高強度合金化溶融亜鉛めっき鋼板の製造方法

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、各種の成形を伴う主と
して自動車用鋼板に関して、最近、要求の高い引張強さ
45kgf/mm2以上、特に50kgf/mm2以上の高強度でも
良好な加工性と耐パウダリング性を有する合金化溶融亜
鉛めっき鋼板の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】従来よ
り、加工性の優れた高強度冷延鋼板として極低炭素又は
低炭素Alキルド鋼にSi、Mn、Pなどの固溶強化元素
を添加した鋼板が知られている。しかし、この技術で
は、高加工性は得られるものの、引張強さは45kgf/m
m2が上限である。
【0003】最近、引張強度45kgf/mm2以上で高加工
性を得る方法としてCuを添加した熱処理強化型鋼板が
提案されている。これは、鋼板の焼鈍中或いはプレス成
形後の熱処理にて、鋼中にε−Cuを析出させて高強度
化を図るものである。例えば、以下の技術がある。
【0004】Cuを添加した極低炭素Alキルド鋼又は
これにTi、Nbを添加した鋼板を連続焼鈍時の過時効帯
でε−Cuを析出物させる、又は鋼板で析出処理は行わ
ずに加工変形後に析出処理を行う方法(特開昭64−4
429号)。 同様な成分鋼について連続焼鈍後の過時効帯或いは再
加熱による熱処理などでε−Cu析出物の芽となる核生
成のみを行い、加工後の熱処理によりε−Cu析出物の
成長を行い、高強度化を図る(特開平4−141524
号)。
【0005】しかし、これらの技術は、合金化溶融亜鉛
めっき鋼板を対象としていないため、その加工性や耐パ
ウダリング性についての特性は不明である。
【0006】一方、特開平2−170921号において
は、めっき鋼板について本文中にて述べられているが、
これは、焼鈍を連続溶融亜鉛めっきラインにて代替実施
するものであり、上記と同様、合金化溶融亜鉛めっき鋼
板としての加工性や耐パウダリング性については述べら
れておらず、不明である。
【0007】TiやPを含む合金化溶融亜鉛めっき鋼板
の製造に際しては、これらの元素がFeとZnの合金化速
度に大きく影響し、適正な合金化条件が得られないと合
金化めっき層表面に亜鉛が残る合金化不足や、或いは合
金化が進みすぎて脆いГ相(Fe3Zn10)が厚く成長する
合金化過度の現象が現われ易いという問題が生じるた
め、特に高加工性用途の場合は耐パウダリング性の改善
が更に必要とされる。
【0008】本発明は、上記従来技術の問題点を解決し
て、高加工性用途において、めっき密着性の優れた引張
強さ45kgf/mm2以上の高強度合金化溶融亜鉛めっき鋼
板を安価に製造し得る方法を提供することを目的とする
ものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、前記課題
を解決するために鋭意研究を重ねた結果、引張強さ45
kgf/mm2以上(特に50〜65kgf/mm2級)の高強度で高
加工性(深絞り性、伸びフランジ性)、プレス成形時に生
じる耐パウダリング性の良好な合金化溶融亜鉛めっき鋼
板を得るには、Ti乃至TiとNbを複合添加した極低炭
素鋼とCu添加を利用し、かつ圧延、熱処理、めっき条
件等を規制することにより、ユーザーでの加工後の熱処
理を必要としない該鋼板の製造が可能であるとの知見を
得て、ここに本発明を完成したものである。
【0010】すなわち、本発明は、C≦0.005%、
Si≦0.5%、0.05%≦Mn≦2.0%、P≦0.10
%、S≦0.010%、0.005%≦Al≦0.10%、
N≦0.0040%、0.5%≦Cu≦2.5%、0.2%
≦Ni≦1.5%を含有し、更に、0.010%≦Ti≦
0.10%の単独又は0.005%≦Nb≦0.06%との
複合で含み、更に必要に応じて0.0005%≦B≦0.
0020%を含み、残部がFe及び不純物からなる鋼を
溶製してスラブとし、常法にて加熱し、仕上温度をAr3
点以上で熱間圧延を終了した後、平均冷却速度30℃/
sec以上にて冷却し、巻取温度720℃以下にて巻取
り、次いで酸洗、冷間圧延を行い、再結晶温度以上95
0℃以下にて焼鈍後、室温まで冷却し、0.5〜5%の
歪付与を行った後、引続き、溶融亜鉛めっきラインに
て、500〜690℃にて30〜600秒の加熱、及び
次式で与えられる浴中有効Al濃度(重量%)に調整した
浴にて溶融亜鉛めっきと500〜690℃にて3〜60
秒の合金化処理を施すことを特徴とするめっき密着性の
優れた高加工用高強度合金化溶融亜鉛めっき鋼板の製造
方法を要旨としている。 0.95≦{0.100−1/12×(P)+1/5×(Ti)}/(浴中有効A
l濃度)≦1.05 (ここで、(P)及び(Ti)は鋼中P及びTi量(重量%)を
示す)
【0011】
【作用】以下に本発明の詳細について説明する。まず、
本発明における鋼の化学成分の限定理由について説明す
る。
【0012】C:Cは高強度でも加工性に影響を及ぼす
元素であり、深絞り性、伸びフランジ性を優れたものに
するには、極力少なくする必要がある。C量が増すと前
記の加工性が劣化するばかりか、Cを固定するTi、Nb
量が増し、コストアップとなるため、C量は0.005
%以下とする。
【0013】Si:Siは加工性を損なわずに強度を高め
る元素であるが、過度の添加は溶融めっき性や熱延鋼板
での酸洗性の劣化を招くため、0.5%以下とする。
【0014】Mn:Mnは熱間圧延時のSによる熱間脆性
を防止するために添加する。しかし、過度の添加は加工
性の劣化や精錬コストの増加を招くため、2.0%以下
とする。
【0015】P:Pは深絞り性を損なわずに強度を高め
る元素として、その必要強度に応じて添加することがで
きる。しかし、過度の添加は鋼板の二次加工脆性を生じ
るため、0.10%以下とする。
【0016】S:Sは加工性、特に伸びフランジ性に影
響を及ぼす元素である。S量が多いと介在物が増し、清
浄性が悪くなり、伸びフランジ性が劣化する。このた
め、S量は0.010%以下とするが、好ましくは0.0
010〜0.0050%である。
【0017】Al:Alは脱酸調整のために0.005%
以上添加するが、過度の添加はアルミナ系介在物を増
し、特に伸びフランジ性の劣化を生じるため、上限を
0.10%とする。
【0018】N:Nは深絞り性を高めるためには低いほ
ど好ましいので、0.0040%以下とする。
【0019】Cu:Cuは本発明における重要な必須元素
であり、ε−Cuの析出を利用して目標とする高強度を
得るために添加する。しかし、0.5%未満ではε−Cu
の析出が少なく目標強度が得られず、また2.5%を超
える過度の添加は深絞り性、伸びフランジ性の劣化を招
くため、Cu量は0.5〜2.5%の範囲とする。
【0020】Ni:Niは熱間圧延時のCuによる熱間脆
性を防止するために添加する。Cu添加量に応じて添加
するが、0.2%未満では効果が得られなく、また1.5
%を超えるとその効果が飽和するばかりかコスト高とな
るため、Ni量は0.2〜1.5%の範囲とする。
【0021】Ti、Nb:Ti、Nbは、いずれも鋼中の
C、Nを固定して深絞り性と歪時効性を向上させるため
に、Ti:0.010〜0.10%、Nb:0.005〜0.
06%にてTi単独又はTi及びNbの複合で添加する。
いずれも、下限以下では固溶C、N量が多量に残り、上
記特性が得られない。また上限以上では効果が飽和する
ばかりか、コスト高となるので好ましくない。
【0022】B:Bは結晶粒界に偏析し、鋼板の耐二次
加工脆性を向上させる効果があり、必要に応じて添加す
ることができる。添加する場合、0.0005%未満で
はその効果がなく、しかし余りに多いと深絞り性の劣化
や焼鈍温度の上昇を招くため、上限を0.0020%と
する。
【0023】次に製造条件の限定理由について述べる。
【0024】〈スラブ加熱温度〉上記化学成分を有する
鋼は、常法により溶製し、スラブとして熱間圧延を行
う。スラブ加熱温度は特に規定するものではなく、11
50℃以上あれば良い。更に、深絞り性を高める場合は
1000〜1100℃の低温加熱を行っても良い。また
スラブを加熱炉を通さず圧延する直接熱間圧延及び室温
まで冷却せずに加熱圧延するホットチャージ圧延を行っ
てもよい。
【0025】〈仕上温度〉但し、熱間圧延の仕上温度は
Ar3点以上とする。Ar3点未満では、熱延鋼板での結晶
粒の粗大化を招くと共に加工組織となり、最終製品での
深絞り性が劣化する。なお、仕上温度がAr3点+50℃
の範囲であると、特に熱延鋼板での結晶粒が細粒化し、
深絞り性の改善が図れるので望ましい。
【0026】〈冷却速度〉極低炭素鋼は結晶粒が成長し
易いため、熱延仕上げ後の冷却が遅いと粗大粒となり、
深絞り性の劣化や材質の異方性が悪くなる。結晶粒の細
粒化を図るためには冷却速度は速い方がよく、巻取りま
での平均冷却速度を30℃/sec以上とする。これより
遅い冷却速度では結晶粒が大きくなり、深絞り性や異方
性に劣るので好ましくない。
【0027】〈巻取温度〉巻取り後、熱延コイル状態で
は巻取温度によりε−Cuの析出状態が異なるため、得
られる強度も異なる。しかし、冷間圧延後、再結晶温度
以上にて焼鈍を行う本発明では、焼鈍時にε−Cuの再
固溶が生じるためか、焼鈍及び合金化めっき後の強度は
巻取温度による影響を殆ど受けない。このため、本発明
における巻取温度は、熱延後に行われる酸洗性を損なわ
ない720℃以下とする。通常は500〜700℃であ
り、必要な場合は室温まで冷却して巻取ってもよい。
【0028】〈冷間圧延率〉巻取られたコイルは常法に
従い酸洗によるスケールの除去を行い、冷間圧延に供す
る。冷間圧延率は特に規定するものではないが、50%
以上、好ましくは70〜85%である。
【0029】〈焼鈍〉冷間圧延後、焼鈍を行うが、この
焼鈍は再結晶と熱間圧延段階で析出したε−Cuの再固
溶を行うためのものであり、めっきライン以外であれば
箱焼鈍又は連続焼鈍のいずれでも良い。めっきラインに
て焼鈍を行うとε−Cuの析出に必要な時間がないた
め、目標とする強度が得られない。焼鈍温度は再結晶温
度以上950℃以下であるが、通常750〜850℃で
ある。再結晶温度未満では冷延組織が残り、また950
℃を超えるとオーステナイト域となり、いずれも加工性
が劣化する。焼鈍後は常法での室温までの冷却、又、特
に連続焼鈍の場合は通常行われている450℃以下での
過時効処理のいずれでも良い。なお、本焼鈍では強度に
寄与するε−Cuの析出は殆どない。
【0030】〈歪付与〉歪付与は再結晶焼鈍後であって
析出処理前に行うものであり、歪の導入によりε−Cu
の析出促進による処理時間のより短時間化を主目的とし
たものである。歪付与の方法は特に問わないが、通常は
圧延、レベラー等が用いられ、0.5〜5%の範囲であ
る。0.5%以下では析出促進効果が小さく、5%以上
では効果が飽和する。通常は1〜2%にて実施される。
【0031】〈溶融亜鉛めっきライン〉歪付与後、溶融
亜鉛めっきラインでは、ε−Cu析出物を実質的に全量
析出、成長させて高強度化と合金化溶融亜鉛めっきを行
う。ε−Cuの析出はめっき前の均熱とめっき後の合金
化処理温度を利用するもので、均熱は500〜690℃
(板温)にて30〜600sec、合金化処理は500〜6
90℃(板温)にて3〜30sec(通常は3〜20sec)を必
要とする。いずれも、温度が上記範囲外ではε−Cuの
析出を短時間で析出できなく、目標とする高強度が得ら
れず、合金化処理温度が500℃未満では合金化が困難
となり製品とならない。また、処理時間についても上記
下限未満では上述の理由により高強度が得られない。な
お、処理時間については、均熱処理と合金化処理の合計
が30秒以上が望ましい。
【0032】本発明では溶融亜鉛めっきと合金化処理を
行うが、この際、Fe−Znの合金化はめっき浴中のAl
と素地Feとの反応によって生成するFe−Al合金層を
素地FeとZnの相互拡散によって破壊することで開始さ
れる。Fe−Al合金層の性状には鋼中のTi、Pと浴中
Alが強く影響し、Tiは合金化を促進し、P、浴中Al
は合金化を遅延する。ここで、浴中Alとは浴に溶解し
ているAlと浴中Feと重量比で1:1で結合してドロス
となっているAlとに分けられるが、Fe−Al合金層の
性状に影響するのは、有効Alと言われる浴中に溶解し
ているAlである。
【0033】このため、本発明においては、めっき浴中
のこの有効Al濃度(=浴中Al濃度−浴中Fe濃度)を鋼
中のTi、P含有量に応じて調整することにより、一定
の合金化速度を得るようにした。
【0034】具体的には、本発明者らは、種々のTi、
P量を含有する鋼板を各種有効Al濃度のめっき浴にて
めっきを施し、直ちに合金化加熱処理を行い、この時の
合金化速度を調査した。その結果、次式の関係が成り立
つ場合に合金化速度がほぼ一定になることが判明した。 浴中有効Al濃度(%)=0.100−1/12×(P)+1/5×(Ti) (ここで、(P)及び(Ti)は鋼中P及びTi量(重量%)を
示す)
【0035】すなわち、鋼成分に応じて、上記式の右辺
の項より求められる値にめっき浴中有効Al濃度を調整
することによって、合金化処理を的確にかつ迅速に行う
ことができるのである。なお、上記式を成立させる条件
化で操業することが最適ではあるが、実際上、浴中有効
Al濃度は最適濃度の±5%の範囲内であれば合金化不
足或いは合金化過度にはならないので、本発明では、鋼
中Ti、P量、浴中有効Al濃度の関係を、次式によって
規定する。 0.95≦{0.100−1/12×(P)+1/5×(Ti)}/(浴中有効A
l濃度)≦1.05
【0036】しかし、上記式の値が0.95未満或いは
1.05超えであれば、合金化不足による塗装後の耐食
性、溶接性の低下或いは合金化過度によるめっき密着性
の劣化を招くことになる。なお、合金化溶融亜鉛めっき
処理後は調質圧延を施しても良い。
【0037】以上の製造条件により、引張強さ45kgf
/mm2以上の高強度と深絞り性(r値≧1.4)、伸びフラ
ンジ性(穴拡げ率≧80%)、めっき密着性等の優れた合
金化溶融亜鉛めっき鋼板をライン内にて製造することが
可能である。
【0038】次に本発明の実施例を示す。
【0039】
【実施例1】
【0040】表1に示す化学成分の鋼について、実験室
にて溶解して得たスラブに対し表2に示す条件で熱間圧
延、冷却、巻取り処理を行い、3.2mm厚の熱延鋼板と
した。酸洗後、この鋼板を0.8mm厚まで冷間圧延を行
った後、表2に示す条件で連続焼鈍炉による再結晶焼鈍
と溶融亜鉛めっき炉によるCuの析出とめっき及び合金
化処理を兼ね合せた熱処理を施した。めっき目付量は6
0g/m2である。
【0041】得られた鋼板の引張特性、深絞り性(r
値)、伸びフランジ性(穴拡げ率)、耐二次加工脆性、
塗装後の耐食性、めっき密着性などの調査結果を表3に
示す。
【0042】なお、穴拡げ率(伸びフランジ性の指標)は
(D−D0)/D0×100(D0:初期穴径、D:穴拡げ試
験後の穴径)にて求めた。耐二次加工脆性は、絞り比2.
0にてカップ成形し、−30℃にて押し拡げした時の縦
割れ発生状況により、○(割れなし)、×(割れ発生)で評
価した。塗装後耐食性は、リン酸塩処理後、自動車用3
コート塗装した後、クロスカットを入れて塩水噴霧試験
を1000時間実施し、クロスカット部からの塗膜ふく
れ幅を3段階(○:優、Δ:良、×:不可)で評価した。
めっき密着性は、60゜V曲げ試験を行い、圧縮側をテ
ープテストし、めっき剥離程度を3段階(○:優、Δ:
良、×:不可)で評価した。
【0043】表3に示すように、本発明鋼No.1〜No.
7Dはいずれも、45kgf/mm2以上の高強度で深絞り
性、伸びフランジ性に優れ、−30℃での二次加工脆性
においても縦割れの発生は見られなかった。なお、鋼N
o.6のB添加鋼では−60℃でも縦割れの発生はみられ
ず、耐二次加工性は更に優れていた。また、耐食性、め
っき密着性も優れている。
【0044】これに対し、本発明範囲外の化学成分を有
する鋼である比較鋼No.8〜No.13においては、上記
特性のいずれかが劣り、目的とする鋼板が得られないこ
とが明らかである。
【0045】
【実施例2】
【0046】次に、本発明範囲内の化学成分を有する鋼
No.4について、製造条件の影響を調べた。各鋼(4A
〜4J)とも、化学成分は表1に示すように鋼No.4と
同じであるが、製造条件は表2に示すように変化させ
た。試験結果を表3に併記する。
【0047】表3より明らかなように、鋼4A、4B
は、仕上温度、冷却速度が本発明範囲外であるため深絞
り性に劣り、鋼4Cは巻取温度が高すぎるため酸洗性に
劣っている。鋼4Dは連続焼鈍での温度が低いため、再
結晶組織とならず、深絞り性、伸びフランジ性が共に皆
無である。なお、鋼4Dのr値と耐二次加工脆性は全伸
びの不足により試験できなかった。鋼4Eは焼鈍後に歪
を与えていないため、ε−Cuの析出が遅く、強度が目
標に未達である。鋼4F、4Gは均熱温度、時間が本発
明範囲外であるために目標強度が得られていない。鋼4
H、4Iはめっき条件が本発明範囲外であるため、めっ
き密着性が悪く、耐パウダリング性に劣っている。鋼4
Jは合金化温度が本発明範囲外のため、強度が目標に未
達である。
【0048】
【表1】
【0049】
【表2】
【0050】
【表3】
【0051】
【発明の効果】以上詳述したように、本発明によれば、
深絞り性、伸びフランジ性等の加工性及びめっき密着性
の優れた引張強さ45kgf/mm2以上の合金化溶融亜鉛め
っき鋼板を連続焼鈍ライン及び溶融亜鉛めっきラインを
用いて製造できるので、非常に安価に提供可能となるも
のである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI C23C 2/06 C23C 2/06 2/28 2/28 2/40 2/40 (56)参考文献 特開 平5−230614(JP,A) 特開 平6−179922(JP,A) 特開 平6−240363(JP,A) 特開 平6−25754(JP,A) 特開 平6−57336(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C21D 9/46 - 9/48 C21D 8/00 - 8/04 C22C 38/16 C23C 2/00 - 2/40

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 重量%で(以下、同じ)、C≦0.005
    %、Si≦0.5%、0.05%≦Mn≦2.0%、P≦0.
    10%、S≦0.010%、0.005%≦Al≦0.10
    %、N≦0.0040%、0.5%≦Cu≦2.5%、0.
    2%≦Ni≦1.5%を含有し、更に、0.010%≦Ti
    ≦0.10%の単独又は0.005%≦Nb≦0.06%と
    の複合で含み、残部がFe及び不純物からなる鋼を溶製
    してスラブとし、常法にて加熱し、仕上温度をAr3点以
    上で熱間圧延を終了した後、平均冷却速度30℃/sec
    以上にて冷却し、巻取温度720℃以下にて巻取り、次
    いで酸洗、冷間圧延を行い、再結晶温度以上950℃以
    下にて焼鈍後、室温まで冷却し、0.5〜5%の歪付与
    を行った後、引続き、溶融亜鉛めっきラインにて、50
    0〜690℃にて30〜600秒の加熱、及び次式で与
    えられる浴中有効Al濃度(重量%)に調整した浴にて溶
    融亜鉛めっきと500〜690℃にて3〜60秒の合金
    化処理を施すことを特徴とするめっき密着性の優れた高
    加工用高強度合金化溶融亜鉛めっき鋼板の製造方法。 0.95≦{0.100−1/12×(P)+1/5×(Ti)}/(浴中有効A
    l濃度)≦1.05 (ここで、(P)及び(Ti)は鋼中P及びTi量(重量%)を
    示す)
  2. 【請求項2】 前記鋼が更に0.0005%≦B≦0.0
    020%を含む請求項1に記載の方法。
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