JPH06329793A - 含窒素高分子固体電解質 - Google Patents

含窒素高分子固体電解質

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JPH06329793A
JPH06329793A JP5118040A JP11804093A JPH06329793A JP H06329793 A JPH06329793 A JP H06329793A JP 5118040 A JP5118040 A JP 5118040A JP 11804093 A JP11804093 A JP 11804093A JP H06329793 A JPH06329793 A JP H06329793A
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JP
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polymer
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JP5118040A
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English (en)
Inventor
Taisuke Yokomichi
泰典 横道
Hitoshi Nishino
仁 西野
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Osaka Gas Co Ltd
Original Assignee
Osaka Gas Co Ltd
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Publication date
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  • Polyurethanes Or Polyureas (AREA)
  • Macromolecular Compounds Obtained By Forming Nitrogen-Containing Linkages In General (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【構成】本発明は、高分子支持体と支持電解質とからな
る高分子固体電解質において、高分子支持体が、特定の
ポリエチレンイミン主鎖と、ポリエチレンオキサイド系
側鎖と、ポリエチレンオキサイド系架橋剤との3成分混
合系櫛型架橋高分子である含窒素高分子固体電解質を提
供する。 【効果】本発明含窒素高分子固体電解質は、高いイオン
伝導率をもち、可撓性を有し、電池、コンデンサー、エ
レクトロクロミック表示素子、センサー等の電気化学素
子のための優れた電解質として有効である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は含窒素高分子固体電解
質、より詳しくは電池、エレクトロクロミック表示素
子、エレクトロルミネッセンス表示素子、コンデンサ
ー、センサー等の電気化学素子等に有用な上記固体電解
質に関する。
【0002】
【従来の技術】電池、エレクトロクロミックデバイス、
コンデンサー等の電気化学素子は、電解液を使用してい
るため、液漏れによる信頼性の低下や、加工性、生産性
等に問題があり、之等の問題を伴わない固体電解質の研
究開発が、近年活発化してきている。該固体電解質の中
でも高分子固体電解質は、無機系固体電解質に比べて、
軽量で可撓性を有し、成形、加工性等に優れ、電極との
密着性にも優れていることから、注目を集めている。
【0003】本発明者らも上記高分子電解質につき鋭意
研究を重ねた結果、先に、主鎖に規則的な高次構造をと
り高い極性を有するポリエチレンイミン(PEI)を用
い、側鎖に低分子のポリエチレンオキサイド(PEO)
をグラフトさせた高分子支持体の利用によれば、高いイ
オン伝導率を有すると共にフィルムキャストが可能な高
分子固体電解質が得られることを見出だし、この知見に
係わる発明を特許出願した(特開平4−270762号
公報参照)。
【0004】しかしながら、上記先の出願に係わる高分
子固体電解質は、更にイオン伝導率を向上させるため
に、適当な極性溶媒を可塑剤として混入させた場合や、
70℃程度まで昇温した場合には、液状化し寸法安定性
が損なわれる欠点があった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、上記
従来の高分子固体電解質、殊にこれに利用される高分子
支持体に見られる欠点を悉く解消して、高いイオン伝導
率、良好な成膜加工性、可撓性、電極との良好な密着性
等を有する、斯界で要望される新しい高分子固体電解質
を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者は上記目的より
更に引き続き研究を重ねた結果、高分子支持体として下
記特定のポリエチレンイミン主鎖とポリエチレンエキサ
イド系側鎖とからなる櫛形高分子を所定のポリエチレン
オキサイド系架橋剤により架橋させた高分子を利用する
ときには、上記目的に合致する高分子固体電解質が得ら
れることを見出だし、ここに本発明を完成するに至っ
た。
【0007】即ち、本発明によれば、高分子支持体と支
持電解質とからなる高分子固体電解質において、高分子
支持体が、式(1) −(NH−CH2 CH2 l− 〔式中lは3〜1×107 整数を示す〕で示されるポリ
エチレンイミン主鎖と、該主鎖のN位に置換する式
(2) X−O−(CH2 CH2 O)m−R1 〔式中XはO=C=N−R2 −NH−CO−(R2 はア
リーレン鎖もしくはアルキレン鎖である)で示されるジ
イソシアネート片末端反応物を、R1 は低級アルキル基
を、mは3〜100の整数をそれぞれ示す〕で示される
ポリエチレンエキサイド系側鎖とからなり、上記主鎖の
窒素原子に対する側鎖の付加率が少なくとも5%である
櫛形高分子を、式(3) X−O−(CH2 CH2 −O)n−X 〔式中Xは上記に同じであり、nは3〜200の整数を
示す〕で示されるポリエチレンオキサイド系架橋剤で架
橋させて得られる、上記主鎖の窒素原子に対する側鎖の
架橋率が1〜95%の架橋櫛形高分子であることを特徴
とする含窒素高分子固体電解質が提供される。
【0008】以下、本発明高分子固体電解質において利
用される高分子支持体につき詳述すれば、該高分子支持
体はこれを構成する主鎖として、前記式(1)で示され
るポリエチレンイミン(PEI)主鎖を用いる。その例
としては例えば2−オキサゾリン類から合成されるポリ
エチレンイミン等が利用できる〔例えばMacromolecules
Communications to Editor, 5, 108 (1972)参照〕。該
主鎖は一般に約15〜50の鎖長(式(1)中のl)を
有するのが好ましい。
【0009】本発明支持体は、上記PEI主鎖と該主鎖
のN位に置換する側鎖とから構成され、該側鎖は、極性
解離基として機能するジイソシアン酸誘導体を導入され
た前記式(2)で示されるポリエチレンオキサイド(P
EO)の誘導体から構成される。該PEO系側鎖の導入
は、例えば片末端が低級アルキル基(R1 )で保護さ
れ、他方の片末端が水酸基であるPEO誘導体、例えば
エチレングリコールモノメチルエーテルの3量体乃至1
00量体等を、ジメチルスルホキシド(DMSO)等の
アプロティックな溶媒中で、2,4−ジイソシアン酸ト
リレン等のジイソシアン酸誘導体と、1:1モル等量で
反応させることにより対応する前記式(2)で示される
PEO系誘導体を合成し、次いでこれを前記PEI主鎖
に対応する直鎖状PEIと反応させることにより実施で
きる。ここで、低級アルキル基としては、例えばメチ
ル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル基等を例
示できる。またジイソシアン酸誘導体としては、R2
してトリレン、キシレン、メタキシレン等のアリーレン
鎖やヘキサメチレン、トリメチルヘキサメチレン、イソ
ホロン等の直鎖状乃至環状アルキレン鎖を有する各種の
誘導体をいずれも利用できる。上記各反応の反応条件は
特に限定されるものではないが、通常PEO系誘導体合
成反応は、一般に室温〜80℃程度の温度下、不活性ガ
ス雰囲気中、アプロティックな溶媒中で原料を混合する
ことにより実施され、側鎖の導入反応は、通常100〜
160℃程度の温度下、不活性ガス雰囲気中、アプロテ
ィックな溶媒中で原料を混合することにより実施され
る。また、側鎖を導入するためのPEO系誘導体は、通
常得られる高分子支持体の主鎖の単位ユニット100に
対して5〜500程度となる割合で、直鎖状PEIに対
して用いられるのが好ましく、かくして主鎖の窒素原子
に対する側鎖の付加率が少なくとも5%である所望のP
EI主鎖−PEO系側鎖高分子を収得できる。PEO系
誘導体の使用割合が上記5よりあまりに少なすぎると側
鎖の導入率が低下し、得られる高分子のイオン伝導率が
低下する欠点がある。逆に上記500を上回る場合は未
反応物が多くなり過ぎその除去に繁雑な操作を要する不
利がある。
【0010】尚、上記式(2)で示されるPEO系誘導
体の如き低分子量物は、それ単独では液体であるが、本
発明支持体中ではこれが側鎖として存在するため、寸法
安定性に優れ、またイオンの伝導に大きく寄与するPE
O鎖のミクロブラウン運動が活発に行なわれることが期
待できる。
【0011】かくして得られるPEI主鎖−PEO系側
鎖高分子は、例えば2,4−ジイソシアン酸トリレンを
用いた場合を例にとれば、下記式(4)で示される如き
櫛形構造を有している。
【0012】
【化1】
【0013】式中R1 及びmは前記に同じ、a+b=l
であり、95>100b/a+b>5を示す。
【0014】本発明支持体は、上記PEI主鎖−PEO
系側鎖櫛形高分子を、前記式(3)で示されるポリエチ
レンオキサイド(PEO)系架橋剤を用いて架橋反応さ
せることにより製造される。該PEO系架橋剤は、例え
ば両末端が水酸基であるPEO(n=3〜200)を、
DMSO等のアプロティックな溶媒中で、2,4−ジイ
ソシアン酸トリレン等のジイソシアン酸誘導体の2倍モ
ル等量と反応させることにより得られる。この反応は、
前記PEO系誘導体合成反応と略同様の反応条件下に実
施できる。また該架橋剤を用いたPEI主鎖−PEO系
側鎖櫛形高分子の架橋反応は、前記側鎖の導入反応と略
同様の反応条件下にて実施でき、PEO系架橋剤の添加
量は、架橋率が5〜60%程度となるように選択される
のが好ましい。ここで架橋率とは、主鎖の窒素原子に対
する架橋剤の使用モル比(百分率)で示される。該架橋
率が上記範囲を満たさない場合、即ちPEI主鎖−PE
O系側鎖高分子に対するPEO系架橋剤の使用割合があ
まりに少なすぎる場合は、得られる高分子の機械的強度
や寸法安定性が低下する傾向があり、逆に架橋剤の使用
割合があまりに多すぎる場合は、高分子のイオン伝導率
が低下する傾向にあり、いずれも好ましくない。
【0015】かくして上記PEO系架橋剤を利用した架
橋反応によって、前記PEI主鎖−PEO系側鎖櫛形高
分子のPEI主鎖に存在する未反応NH基に、該架橋剤
が反応して、所望の架橋櫛形高分子支持体が形成され
る。
【0016】上記高分子支持体は、これに常法に従い支
持電解質を含浸させることにより、高いイオン伝導率、
高温や可塑剤の添加によっても優れた成膜性を有する所
望の自立性含窒素高分子固体電解質とすることができ
る。
【0017】ここで用いられる支持電解質は、特に制限
されるものではなく、公知の各種のもののいずれでもよ
い。その具体例としては、例えばp−トルエンスルホン
酸、酢酸、蓚酸、ポリビニルスルホン酸、トリフルオロ
メタンスルホン酸、トリフルオロ酢酸、等の有機酸、リ
ン酸、過塩素酸、チオシアン酸、テトラクロロホウ酸、
ヘキサフルオロリン酸、トリフルオロ酢酸、硝酸等の無
機酸等の各種酸類や之等各種酸と、例えばハロゲン、ア
ルカリ金属、アルカリ土類金属、テトラブチルアンモニ
ウムやテトラエチルアンモニウム等の4級アンモニウム
等との反応による各種の塩類を例示できる。之等支持電
解質の含浸も通常の方法に従い行なうことができる。よ
り具体的には、例えばアセトニトリル、クロロホルム、
メタノール、N,N−ジメチルホルムアミド、ジメチル
スルホキシド、プロピレンカーボネート、エチレンカー
ボネート、ジエチルカーボネート等の溶媒や之等の混合
溶媒に、前記高分子支持体と支持電解質とを溶解させ、
得られる溶液をフィルムキャストする方法、前記高分子
支持体と支持電解質とを無溶媒で均一に混合し、高分子
支持体が軟化する温度で支持電解質を溶解させる方法等
を例示できる。
【0018】かくして得られる本発明含窒素高分子固体
電解質は、通常約1×10-3〜1×10-8S/cm程度
の高いイオン伝導率(σ)を示す。
【0019】
【発明の効果】本発明含窒素高分子固体電解質は、通常
約1×10-3〜1×10-8S/cm程度の高いイオン伝
導率(σ)をもち、可撓性を有し、電池、コンデンサ
ー、エレクトロクロミック表示素子、センサー等の電気
化学素子のための優れた電解質として有効である。特
に、本発明の固体電解質は常温でのイオン伝導率が非常
に高く、充放電特性の優れた電池やコンデンサー、応答
速度の早いエレクトロクロミック表示素子、発光効率の
高いエレクトロルミネッセンス表示素子やセンサー等の
製造に非常に有効である。
【0020】
【実施例】以下、本発明を更に詳しく説明するため、実
施例及び比較例を挙げる。
【0021】
【実施例1】アルドリッチ(Aldrich) 社製2−メチル−
2−オキサゾリンのリビング重合体を、以下の通り加水
分解してPEI主鎖を合成した〔Macromolecules, 8, 3
90 (1975) 参照〕。2−メチル−2−オキサゾリンのリ
ビング重合開始剤としてp−トルエンスルホン酸メチル
を用い、仕込みモル比は1/30とした。反応は、アセ
トニトリルを溶媒として不活性ガス雰囲気中で還流し、
反応の終了はガスクロマトグラフィーにより決定した。
【0022】かくして得られた30量体のポリ(N−ア
セチルイミン)を、約100g/l等量の水溶液とし、
更にこれに約900g/l等量のNaOHを加え、一昼
夜還流して、主鎖に対応する直鎖状ポリエチレンイミン
(PEI、30量体)を得た。
【0023】側鎖に対応するPEO誘導体として、アル
ドリッチ(Aldrich) 社製ポリ(エチレングリコールメチ
ルエーテル)(平均分子量=550、平均重合度=1
2.8)を用いた。
【0024】上記PEIへのPEO誘導体の付加を、
2,4−ジイソシアン酸トリレンを用いて以下の通り行
なった。即ち、ジメチルスルホキシド溶媒中、2,4−
ジイソシアン酸トリレンに不活性ガス中でポリ(エチレ
ングリコールメチルエーテル)を1:1のモル比で混合
し、室温で一昼夜撹拌して、まず前記式(2)に対応す
る側鎖を形成し得るPEO系誘導体を合成した。
【0025】得られた反応混合溶液から未反応の2,4
−ジイソシアン酸トリレンを取り除くために減圧蒸留を
行ない、次いでこれにジメチルスルホキシド及び上記で
合成したPEI(等量ユニット量)を順次加え、一昼夜
撹拌してPEI主鎖−PEO系側鎖からなる櫛形高分子
を含むジメチルスルホキシド溶液を得た。
【0026】上記で得られた高分子の側鎖の付加率は元
素分析の結果から64%と判明した。
【0027】PEO系架橋剤として、アルドリッチ(Ald
rich) 社製ポリ(エチレングリコール)(平均分子量=
1500、平均重合度=33.7)を用いた。
【0028】上記PEO系架橋剤を前記櫛形高分子に付
加させた。即ち、ジメチルスルホキシド溶媒中、2,4
−ジイソシアン酸トリレンに不活性ガス中でポリ(エチ
レングリコール)を1/2モル等量混合し、室温で一昼
夜撹拌して、前記式(3)で示される架橋剤を得た。
【0029】得られた反応混合溶液から未反応の2,4
−ジイソシアン酸トリレンを取り除くために減圧蒸留を
行ない、次いでこれにジメチルスルホキシド及び上記で
合成した櫛形高分子を順次加え、一昼夜還流して、目的
の架橋櫛形高分子を含むジメチルスルホキシド溶液を得
た。
【0030】得られた溶液を減圧蒸留して、反応混合物
からジメトルスルホキシドを取り除き、その後残留物を
アセトニトリルに溶解し、ジエチルエーテルで再沈殿さ
せた後、同様にして、メタノール、ベンゼン溶液をジエ
チルエーテルで再沈殿させて、目的の高分子支持体を分
離精製した。
【0031】得られた高分子支持体の架橋率は、元素分
析結果より、28%と判明した。
【0032】この高分子支持体を乾燥し、熱(DMSO
+PC(1:1))溶液にした後、アセトニトリルに溶
媒交換を行ない、高分子支持体に対して10.2重量%
となる過塩素酸リチウムを溶解後、フィルムキャスト
し、一昼夜室温で乾燥し、空気で溶媒を取り除いた後、
更に10時間、130℃で真空乾燥して、高分子固体電
解質を調製した。
【0033】得られた高分子固体電解質の物性としてガ
ラス転移温度とイオン伝導率(σ)を測定した。
【0034】セイコー電子工業株式会社製DSC220
Cにより測定したガラス転移温度は、−48.7℃であ
った。
【0035】ソーラートロン(Solartron) 社製1260
IMPEDANCE/GAIN-PHASE ANALYZERにより、1Hz〜1
0MHzの範囲で交流インピーダンスを測定し、Cole-C
olePlotを得ることにより評価したイオン伝導率(σ)
の温度依存性は、下記表1に示す通りであった。
【0036】
【表1】
【0037】該表より、本発明高分子固体電解質フィル
ムは、室温で2×10-4S/cmという高いイオン伝導
率を示し、更にその温度依存性も低く、例えば−8℃で
も2×10-5S/cmという優れた特性を示すことが明
らかである。
【0038】
【実施例2】実施例1では、側鎖、架橋剤を順次添加反
応させることにより、本発明高分子固体電解質のための
架橋櫛形高分子支持体を調製したが、本例では両者を混
合状態で添加反応させて所望の高分子固体電解質のため
の支持体を調製した。
【0039】即ち、側鎖用PEO誘導体としてアルドリ
ッチ(Aldrich) 社製ポリ(エチレングリコールメチルエ
ーテル)(平均分子量=550、平均重合度=12.
8)を、架橋剤用PEO誘導体としてアルドリッチ(Ald
rich) 社製ポリ(エチレングリコール)(平均分子量=
1500、平均重合度=33.7)を、それぞれ等モル
量となる割合でDMSOに混合した後、混合物を2,4
−ジイソシアン酸トリレンの3倍モル等量中に、不活性
ガス中、15℃で滴下し、80℃で還流した。
【0040】反応の終了はガスクロマトグラフィーによ
り2,4−ジイソシアン酸トリレンが観測されなくなる
までとした。
【0041】得られたDMSO溶液に、実施例1と同様
の手法により得られたPEI(30量体)のDMSO溶
液(1/2等量ユニット量)を、不活性ガス中で滴下
し、130℃で還流し、以後実施例1と同様にして再沈
殿を行ない、得られた粘張溶液をガラス基板にフィルム
キャストし、140℃で一昼夜真空乾燥して、自立性の
寸法安定性に優れたフィルムを得た。
【0042】上記フィルムを、過塩素酸リチウムのアセ
トニトリル溶液(フィルムに対し10.7重量%)で膨
潤させ、再度140℃で3日間真空乾燥し、可塑剤とし
てプロピレンカーボネートを高分子固体電解質に対して
19重量%添加して、自立性の寸法安定性に優れた高分
子固体電解質を得た。
【0043】このもののイオン伝導率を実施例1と同様
にして測定した結果、室温で3.2×10-4S/cmで
あった。
【0044】
【実施例3】実施例2において、調製した高分子固体電
解質に対する過塩素酸リチウムの添加量を種々変化させ
る以外は同様にして、各種の高分子固体電解質を調製し
た。
【0045】之等のイオン伝導率を測定した結果を、添
加した過塩素酸リチウム量と共に、下記表2に示す。
【0046】
【表2】
【0047】表2からも、本発明高分子固体電解質は優
れたイオン伝導率を示すことが判る。
【0048】
【実施例4】実施例2と同様にして、主鎖の鎖長約2万
の高分子支持体を得た。
【0049】即ち、ダウ(Dow) 社製2−エチル−2−オ
キサゾリンポリマー(平均分子量=20万)10gを濃
塩酸300ml及び蒸留水200mlの混合溶液中に加
え、加水分解して主鎖ポリエチレンイミンを合成した。
【0050】また上記主鎖と側鎖及び架橋剤との反応
は、実施例2と同様にして、側鎖用PEO誘導体として
アルドリッチ(Aldrich) 社製ポリ(エチレングリコール
メチルエーテル)(平均分子量=550、平均重合度=
12.8)を、架橋剤用PEO誘導体としてアルドリッ
チ(Aldrich) 社製ポリ(エチレングリコール)(平均分
子量=1500、平均重合度=33.7)を、側鎖:架
橋剤=5:1(モル比)で用い、之等を2,4−ジイソ
シアン酸トリレン(架橋剤の7倍モル等量)と混合し、
混合物を主鎖のPEI(架橋剤の2倍モル等量)と反応
させることにより行なった。
【0051】得られた高分子支持体を乾燥し、熱(DM
SO+PC(1:1))溶液とした後、アセトニトリル
に溶媒交換し、高分子支持体に対して10.2重量%と
なる過塩素酸リチウムを溶解後、フィルムキャストし、
一昼夜室温で乾燥空気に溶媒を取り除いた後、更に13
0℃で10時間真空乾燥して、所望の高分子固体電解質
を得た。
【0052】このもののイオン伝導率を測定した所、室
温で3×10-6S/cmであった。
【0053】
【実施例5】実施例2と同様にして、重合度30の主鎖
PEI、平均分子量550のポリ(エチレングリコール
メチルエーテル)を主骨格とする側鎖、平均分子量30
0(平均重合度=6.4)のポリ(エチレングリコー
ル)を主骨格とする架橋剤からなる高分子支持体を合成
した。用いたジイソシアネート類はヘキサメチレンジイ
ソシアネートであり、それぞれの仕込み割合は、主鎖:
側鎖:架橋剤:ジイソシアネート類=6:5:1:7
(モル比)とした。
【0054】得られた高分子支持体を乾燥後、アセトニ
トリルに膨潤させ、高分子支持体に対して5.4重量%
となる過塩素酸リチウムのアセトニトリル溶液を加え、
溶媒を留去して、所望の高分子固体電解質を得た。
【0055】このもののイオン伝導率を測定した所、室
温で1×10-7S/cmであった。
【0056】
【実施例6】実施例2と同様にして、重合度30の主鎖
PEI、平均分子量350(平均重合度7.2)のポリ
(エチレングリコールメチルエーテル)を主骨格とする
側鎖、平均分子量1000(平均重合度=22.3)の
ポリ(エチレングリコール)を主骨格とする架橋剤から
なる高分子支持体を合成した。用いたジイソシアネート
類はヘキサメチレンジイソシアネートであり、それぞれ
の仕込み割合は、主鎖:側鎖:架橋剤:ジイソシアネー
ト類=1:1:1:3(モル比)とした。
【0057】得られた高分子支持体を乾燥後、アセトニ
トリルに膨潤させ、高分子支持体に対して9.6重量%
となる過塩素酸リチウムのアセトニトリル溶液を加え、
溶媒を留去して、所望の高分子固体電解質を得た。
【0058】このもののイオン伝導率を測定した所、室
温で7×10-6S/cmであった。
【0059】
【実施例7】実施例2と同様にして、アルドリッチ(Ald
rich) 社製のポリ(エチレンイミン)(平均分子量5万
〜6万)主鎖、平均分子量350(平均重合度7.2)
のポリ(エチレングリコールメチルエーテル)を主骨格
とする側鎖、平均分子量1000(平均重合度=22.
3)のポリ(エチレングリコール)を主骨格とする架橋
剤からなる高分子支持体を合成した。用いたジイソシア
ネート類はヘキサメチレンジイソシアネートであり、そ
れぞれの仕込み割合は、主鎖:側鎖:架橋剤:ジイソシ
アネート類=1:1:1:3(モル比)とした。
【0060】得られた高分子支持体を乾燥後、アセトニ
トリルに膨潤させ、高分子支持体に対して6.1重量%
となる過塩素酸リチウムのアセトニトリル溶液を加え、
溶媒を留去して、所望の高分子固体電解質を得た。
【0061】このもののイオン伝導率を測定した所、室
温で2×10-6S/cmであった。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】高分子支持体と支持電解質とからなる高分
    子固体電解質において、高分子支持体が、式(1) −(NH−CH2 CH2 l− 〔式中lは3〜1×107 の整数を示す〕で示されるポ
    リエチレンイミン主鎖と、該主鎖のN位に置換する式
    (2) X−O−(CH2 CH2 O)m−R1 〔式中XはO=C=N−R2 −NH−CO−(R2 はア
    リーレン鎖もしくはアルキレン鎖である)で示されるジ
    イソシアネート片末端反応物を、R1 は低級アルキル基
    を、mは3〜100の整数をそれぞれ示す〕で示される
    ポリエチレンオキサイド系側鎖とからなり、上記主鎖の
    窒素原子に対する側鎖の付加率が少なくとも5%である
    櫛形高分子を、式(3) X−O−(CH2 CH2 −O)n−X 〔式中Xは上記に同じであり、nは3〜200の整数を
    示す〕で示されるポリエチレンオキサイド系架橋剤で架
    橋させて得られる、上記主鎖の窒素原子に対する側鎖の
    架橋率が1〜95%の架橋櫛形高分子であることを特徴
    とする含窒素高分子固体電解質。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US7238451B2 (en) * 2000-12-29 2007-07-03 The Board Of Regents Of The University Of Oklahoma Conductive polyamine-based electrolyte
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