JPH06329553A - 花粉内容物の抽出方法 - Google Patents

花粉内容物の抽出方法

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JPH06329553A
JPH06329553A JP12180793A JP12180793A JPH06329553A JP H06329553 A JPH06329553 A JP H06329553A JP 12180793 A JP12180793 A JP 12180793A JP 12180793 A JP12180793 A JP 12180793A JP H06329553 A JPH06329553 A JP H06329553A
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JP
Japan
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pollen
extraction
contents
extract
extracting
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Pending
Application number
JP12180793A
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English (en)
Inventor
Hidetaka Itaya
英貴 板谷
Naoko Wakiyama
菜穂子 脇山
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Showa Denko Materials Co Ltd
Original Assignee
Hitachi Chemical Co Ltd
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Publication date
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  • Medicines Containing Antibodies Or Antigens For Use As Internal Diagnostic Agents (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【構成】 ボールミルに花粉及び抽出液を入れ、摩砕処
理しながらその内容物の抽出を行うことを特徴とする花
粉内容物の抽出方法。 【効果】 花粉内容物を熱変性させることなく抽出で
き、収率も向上する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、アレルギーの診断や治
療に用いられるアレルゲン等として有用な花粉内容物の
抽出方法に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、食生活の変化、大気汚染の増加、
住宅環境の変化等により、花粉症、喘息、アトピー性皮
膚炎等のアレルギー疾患は増加の一途を辿っている。こ
れらアレルギーの原因物質はアレルゲンと呼ばれる。ア
レルギー患者の体内では、アレルゲンが非自己の外来物
質として認識され、その排除のため過度の免疫反応が起
こった結果、各種のアレルギー症状が起こる。代表的な
アレルゲンとして、気管支喘息を誘発するダニ、花粉症
を引き起こすスギやブタクサの花粉、食物アレルギーの
原因である卵白、ダイズなどが知られている。中でもス
ギが戦後の植林政策により国内の森林面積の多くを占め
るために、スギ花粉は最も重要なアレルゲンとなってい
る。
【0003】アレルギーの診断や治療には、アレルゲン
の抽出液が重要となる。診断法には、誘発テストや皮膚
テストといった、患者の体をアレルゲンで刺激して反応
を見る方法と、患者から血液を採取し、血清中に含まれ
るIgE抗体の量を調べる方法の2種類がある。IgE
抗体はアレルゲンの刺激によって体内で生成され、アレ
ルゲンとアレルギー症状の橋渡しをする蛋白質で、患者
の血液中のIgE抗体の有無を試験管内で調べることに
より、原因アレルゲンの特定を行うことが出来る。何れ
の方法においても、診断にはアレルゲンの粗抽出液また
は粗抽出液の精製物が必要とされる。また、治療法では
稀薄アレルゲン抽出液を定期的に患者に投与し、体内に
IgGの中和抗体を生成せしめIgEとアレルゲンの結
合を遮蔽する所謂減感作療法において、アレルゲンの抽
出液が利用される。
【0004】従来、アレルゲンの抽出には蒸留水、生理
食塩水、各種緩衝液、DP液Cocaバッファー等の抽
出液が用いられている。抽出液にダニ、花粉、イヌやネ
コの毛等を浸漬し4℃程度の低温又は室温で数時間から
数日間抽出し粗抽出液を得る。得られた抽出液はそのま
ま診断に用いたり、硫安沈殿、クロマトグラフィー等の
手法を用い精製されて用いられている。
【0005】また、近年分子生物学的手法を用いた遺伝
子組換体アレルゲンが注目されているが、この場合細胞
や花粉からDNAやmRNAを抽出し、これをベクター
に組み込んで大腸菌などに感染させてアレルゲン蛋白質
の合成を行わせている。この方法では、目的とするアレ
ルゲンが花粉の場合、花粉内部の生殖核、栄養核等がセ
ルロースの内膜で包まれ、さらにその外側に強靱な外膜
が存在するため、抽出前に外膜を壊し、アレルゲンやD
NA、mRNAの抽出効率を上げることが必要である。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】必要な花粉が少量の場
合、花粉を2ml程度の大きさのエッペンドルフチューブ
に入れ、ステンレス製のペッスル等を用いて手で擦りつ
ぶしている。この場合、1回で数百ミリグラムの花粉し
か処理出来ず、また手で加重をかけて擦りつぶすため常
に一定の粉砕物を得ることは難しい。それより多量の花
粉を摩砕する方法としてフレンチプレス、ホモジナイザ
ー、超音波破砕機を用いる方法があるが、これらの方法
は短時間に局所的に大変なシェアをかけて花粉を粉砕す
るため、局部的に大きな熱がかかり得られる内容物が変
性する恐れがある。また、粉砕後、粉砕物を抽出液に移
すため装置の粉砕部や容器への花粉の付着により、ロス
を生じ歩留りが低下する。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者らはかかる花粉
内容物の抽出に拘る問題を解決するため、鋭意検討の結
果、塗料の顔料分散や磁性材のバインダーへの分散など
に用いられているボールミルを用いて、花粉の外膜をゆ
るやかに摩砕しながら抽出することで、局所的に大きな
エネルギーをかけることなく、従って、内容物を熱変性
させることなく抽出できることを見出した。すなわち本
発明は、ボールミルに花粉及び抽出液を入れ、摩砕処理
しながらその内容物の抽出を行うことを特徴とする花粉
内容物の抽出方法に関する。
【0008】本発明の詳細な内容を説明する。本発明に
使用するボールミルとは、回転する2軸の上に、目的の
成分とボールまたはビーズを入れた磁製またはガラス製
の円筒状容器を載せて回転させる構造の装置で、回転に
よってボールが互いにこすれながら移動することで目的
成分を摩砕、撹拌するものである。使用するボールミル
駆動部は、工業用の物でも良いが、ビルトインチャンバ
ー等の低温室で抽出することを考慮し、卓上の物が好ま
しい。用いるボールの材質はアルミナ、ジルコニウム、
ガラスなどが有るが、特に制限はない。ボールの大きさ
は特に制限はなく、抽出のスケールや抽出物によって適
宜選択できるが、卓上のボールミルを用いる場合は直径
1〜10mmの小さなものを用いるのが好ましい。ボール
及び抽出液を入れる容器は通常磁製の円筒状容器を用い
るが、卓上のボールミルを用いる場合は小型のガラス瓶
で代用することもできる。
【0009】花粉はスギ、ヒノキ、ブタクサ等特に制限
なく適用できる。抽出に用いる抽出液は、蒸留水、生理
食塩水、PBS、TBS、GOOD、炭酸バッファー等
の各種緩衝液、CocaバッファーやDP液の様にフェ
ノール等の有機成分を加えたものなどであり、花粉の種
類や目的とする花粉成分に応じて適宜選択することが出
来る。こうした抽出液には、抽出中の細菌や真菌など増
殖を押さえるためにアジ化ナトリウム等の防腐剤を加え
たり、プロテアーゼによる蛋白質分解を押さえるために
(p−アミノジフェニル)メタンスルホニルフルオルド
塩酸塩等のプロテアーゼインヒビタを加えることもでき
る。また、抽出に先立ち、エタノール、アセトン、エー
テル等の有機溶剤で脱脂操作を行うこともできる。
【0010】抽出の温度は、0℃から室温まで適宜選択
できるが、花粉に含有される各種酵素の働きを押さえ抽
出した蛋白質を安定に保つため、なるべく低温で抽出す
ることが好ましく、通常は一般に生化学等の実験に用い
られる4℃の低温室中で抽出されるのが好ましい。ボー
ルミルの回転数はそのスケールや花粉の固さ、量等によ
って適宜選択することができるが、低速では摩砕効果が
不十分であったり、容器内が十分に撹拌されず不均一に
なる。通常は1分間に10〜200回転程度で行われ
る。抽出時間は花粉や抽出液、また、目標とする収量に
より異なるが、通常は1〜48時間程度かけて抽出され
る。抽出後は濾過、遠心、デカンテーション等の手段
で、抽出液の上清を花粉残渣及びボールから分離するこ
とが出来る。また、収量を稼ぐために残った花粉の沈殿
液に再び新しい抽出液を加え、再抽出しても良い。得ら
れた抽出液は、さらに特定の分画だけを得るために、硫
安沈殿、クロマトグラフィー等の手段により精製して用
いることが出来る。
【0011】
【実施例】以下本発明を実施例により詳細に説明する。 実施例1 ジエチルエーテル15gを入れた50mlのラボラン規格
瓶に、ヒノキ花粉(茨城県で採取)1gを加え、10分
間撹拌した後30分間静置して花粉を自然沈降させ、上
清を取り除いた後フタを開けたままクリーンベンチ内に
1時間放置してジエチルエーテルを完全に蒸発させた。
次いで、0.9%食塩水20mlと直径3mmのジルコニウ
ムボール30gを加え、規格瓶にフタをして入江製作所
製卓上ボールミルV−1Mに載せ、回転数60rpmで瓶
を回転させ摩砕、抽出を行った。摩砕、抽出は4℃の低
温室で1晩(約16時間)行った。翌朝、規格瓶を卓上
ボールミルから実験台に移し、約1時間静置して花粉と
ジルコニウムボールを沈降させた後、上清を採り花粉粗
抽出液を得た。残った花粉をプレートグラスに乗せて光
学顕微鏡で形態観察したところ、外膜が充分に割れ、内
容物がかなり減っていた。花粉粗抽出液に含まれる蛋白
含有量をバイオラッド(Bio Rad)社製蛋白定量キット
で測定したところ、0.44mg/mlであった。
【0012】比較例1 抽出時にジルコニウムボールを入れなかった他は実施例
1と全く同じ方法で抽出操作を行った。形態観察の結
果、外膜はほとんど割れておらず、内容物もほとんど残
存していた。花粉粗抽出液に含まれる蛋白含有量は0.
24mg/mlであった。実施例1及び比較例1の抽出操作
後の花粉の形態の光学顕微鏡写真を図1〜2に示す。ボ
ールを用いたものの花粉は充分に割れているが、用いな
いものは割れていない。
【0013】
【発明の効果】本発明の抽出方法によれば、局所的に大
きなエネルギーをかけることなく、従って、内容物を熱
変性させることなく花粉内容物を抽出できる。また、粉
砕と抽出を同時に行うため、粉砕物を抽出用バッファー
に移すときに生じるロスがなく、収率も向上する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の抽出方法を行った後の花粉の形態を示
す光学顕微鏡写真である。
【図2】比較例1の抽出方法を行った後の花粉の形態を
示す光学顕微鏡写真である。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ボールミルに花粉及び抽出液を入れ、摩
    砕処理しながらその内容物の抽出を行うことを特徴とす
    る花粉内容物の抽出方法。
  2. 【請求項2】 抽出する内容物がアレルゲンである請求
    項1記載の花粉内容物の抽出方法。
JP12180793A 1993-05-25 1993-05-25 花粉内容物の抽出方法 Pending JPH06329553A (ja)

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JP12180793A JPH06329553A (ja) 1993-05-25 1993-05-25 花粉内容物の抽出方法

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JPH06329553A true JPH06329553A (ja) 1994-11-29

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2014517824A (ja) * 2011-04-21 2014-07-24 アレジー セラピューティクス (ユーケー) リミテッド ワクチン組成物を調製するプロセス
KR20210057345A (ko) * 2019-11-12 2021-05-21 경희대학교 산학협력단 볼밀을 이용하여 저온에서 약재 추출물을 제조하는 방법

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2014517824A (ja) * 2011-04-21 2014-07-24 アレジー セラピューティクス (ユーケー) リミテッド ワクチン組成物を調製するプロセス
US9731004B2 (en) 2011-04-21 2017-08-15 Allergy Therapeutics (Uk) Limited Process for preparing vaccine composition
KR20210057345A (ko) * 2019-11-12 2021-05-21 경희대학교 산학협력단 볼밀을 이용하여 저온에서 약재 추출물을 제조하는 방법

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