JP6615609B2 - 抗菌ペプチダーゼの合成を活性化する活性剤としての亜麻仁抽出物の使用 - Google Patents

抗菌ペプチダーゼの合成を活性化する活性剤としての亜麻仁抽出物の使用 Download PDF

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Description

本発明は、化粧品および薬剤の分野に、さらに具体的には、皮膚科学の分野に関する。本発明は、微生物のストレスから皮膚および皮膚付属器を保護することにおける使用のための亜麻仁抽出物に関する。
本発明はまた、抗菌性ペプチドの発現レベルを増大することにおける使用のための亜麻仁抽出物にも関する。
本発明による「皮膚付属器」という用語は、身体の表面、具体的には体毛、まつげ、眉毛、爪および髪に存在する全てのケラチン付属器を包含する。
表皮の主な機能は、その生物体と外部環境との間に保護バリアを提供することである。表皮では、二種類のバリア:強力な細胞内結合(デスモソーム、密着結合)およびケラチン細胞の摩耗耐性によって確保される、皮膚自体によって形成される物理的なバリアと、皮膚分泌物(皮脂、汗)によって形成される化学的バリアとが効果を現し、これによって、アレルゲンおよび刺激物と戦うことが可能になり、かつこれらのバリアは角質層の酸性pHならびに加水分解酵素の存在および抗菌性ペプチドの存在に起因して抗菌性の役割を果たす。免疫系の細胞は、表皮をなんとかして通過できる微生物を除去できる第三の防御バリアを形成する。
皮膚は、外部環境と直接接触しており、表皮および付属器(毛包、皮脂腺および汗腺)の表層にコロニー形成する多くの微生物に曝されている。皮膚は、その増殖要件が局所条件と適合する特定の微生物に対して有益な安定な生態系を維持する。ヒトの皮膚は、一千種を超える細菌を有し得、そして総数は、1012個の細菌と推定される。健常な被験体の皮膚の微生物叢は、常在の皮膚細菌叢および一過性の皮膚細菌叢を含む片利共生微生物叢である。
常在性の皮膚細菌叢では、グラム陽性種、特にStaphylococcus属の細菌(例えば、S.epidermidis)、Corynebacterium属の細菌(例えば、C.minutissimum)およびPropionibacterium属の細菌(例えば、P.acnes)が優勢である。常在性の細菌叢の他の細菌とは、例えば、特定のミクロコッカスまたはBrevibacterium属である。
一過性の皮膚細菌叢は、さらに多様であって、かつ消化管または鼻咽頭または環境に由来する潜在的に病原性の病原菌を含む場合がある。これには、腸球菌、黄色ブドウ球菌(Staphylococcus aureus)およびグラム陰性の細菌(具体的には、Acinetobacter、Enterobacter、Pseudomonas)および真菌(例えば、C.Albicans)が挙げられる。
一過性微生物叢の細菌は一般には、彼らにとって環境が好適ではない皮膚上の滞在は短期間である。しかし、それらは、日和見性の病原体として作用する場合もあり、防御系が弱い個体では、例えば、全身性疾患の場合(免疫抑制、糖尿病患者)、または皮膚のバリア機能が変化した場合(乾癬またはアトピー性皮膚炎)には、感染を生じる場合もある。
いずれの皮膚病変も、その自然な防御ラインの弱体化につながる。従って皮膚は、病原性微生物による攻撃に敏感である。さらに、常在性または一過性の皮膚の微生物叢は、従って、日和見性の病原体として作用して、病変をコロニー形成し、もし条件が好適ならば、局所および/または全身の感染プロセスを生じる。
片利共生皮膚の微生物叢は、皮膚の化学的バリア機能に加わることによって、生態系および皮膚の健康を維持することを助ける。実際、皮膚の常在性の病原菌は、それらが、病原性細菌と空間および食物を巡って競合し、抗菌物質を放出し(インヒビター、好適でないpH条件の創出またはレセプターの改変)、これが病原性細菌の増殖を遅らせ、免疫系を連続的に刺激し、皮膚および皮膚付属器の細菌叢を調節可能にするので、病原性微生物によるコロニー形成に対する皮膚の抵抗に重要な役割を果たす。
さらに、ケラチン生成細胞および脂腺細胞も、常在性の皮膚細菌叢の均衡に関与し、とりわけ、抗菌性ペプチド(Antimicrobial Peptide)(AMP)を発現することによって、皮膚を病原性微生物から保護する。AMP類は、細菌、真菌、エンベロープウイルスおよび原虫を含む広範な病原性微生物に対して活性スペクトルを有する100未満のアミノ酸のポリペプチドのファミリーである。AMP類の作用機序としては、直接の抗菌活性および宿主応答の開始が挙げられ、これはサイトカインの放出、炎症、血管形成および再上皮形成をもたらす。AMP類の直接の抗菌性活性の機序は、多量体の細孔の形態での標的微生物の膜に対するそれらの結合に関与し、その結合が標的微生物の溶解をもたらす。
ヒトでは、2群のAMP:デフェンシン(DEFB)および上皮カテリシジン(非特異的な先天性免疫系のカチオン性メディエーターである)が皮膚で優勢に発現される。
ヒトカテリシジンhCAP18は、不活性なプロペプチドである。そのC末端フラグメントLL37は、広範な活性スペクトルを伴う抗菌活性を有し、免疫応答を調整する。表皮では、剥離過程に関与する基本的な酵素であるカリクレインが、カテリシジンのLL−37への転写後の成熟を担っている。
デフェンシンは、前駆体プレプロペプチドの形態で発現される50未満のアミノ酸という小型のカチオン性ペプチドである。このデフェンシンファミリーは、2つのグループ:α−デフェンシン類(好中球および小腸のパネート細胞に位置する)および上皮細胞の表面で発現されるβ−デフェンシン類に分けられ得る。DEFB1〜DEFB6と呼ばれる6つのβ−デフェンシンがヒト組織で特定されており、これには、皮膚で発現されるDEFB1、2および3が含まれる。DEFB1、2および3は、健常な皮膚の上層のケラチン生成細胞で構成的に発現されて、病原性微生物の増殖およびそれらの皮膚表面での侵襲を阻害することによって皮膚の化学的バリアに関与する。
このような状況では、AMP類の特性は、微生物のストレスから皮膚の防御機能を強化するため、および皮膚の常在性の微生物叢の均衡を促進するため特に有益であると考えられる。
局所適用のために化粧品または医薬品に組み込まれた物質が一定数みられている。米国特許出願公開第2009/0005300号および米国特許出願公開第2010/0215591号という文献では、天然または合成のAMP、および薬学的組成物または化粧品組成物における抗菌剤としてのそれらの使用を記述している。しかし、皮膚機能の健全性および完全性を得ることを可能にする新規な成分を開発する必要性はやはり存在している。さらに、皮膚の美的外観を改善するための新規な成分を開発する必要性が、特に敏感で易刺激性の皮膚を有するヒトでは、やはり存在する。
本発明は、天然由来という利点を有しており、かつ皮膚の片利共生微生物叢を保護することを可能にする活性剤を提唱することを意図している。本発明者らは、本発明で記載された亜麻仁抽出物の抗菌活性を実証した。この亜麻仁抽出物は、皮膚に与えられた場合、皮膚の片利共生細菌叢および皮膚刺激反応を生じる感染性因子による侵襲に対して強力な防御活性を有するということが特に実証されている。
従って、皮膚のAMPの発現レベルを増大できるというこの新規な活性原理によって、新規な化粧品および治療用の展望を考慮することが可能になる。
第一の局面によれば、本発明は、活性な抗菌剤としての亜麻仁抽出物に関する。
本発明および得られた利点は、本開示に照らしてさらに良く理解される。
本発明は、概して哺乳動物に、さらに具体的にはヒトに取り組む。
「抗菌性(antimicrobial)」または「微生物のストレスからの防御」という用語は、微生物の死滅、微生物の増殖の阻害または微生物の増殖の防止に関する。「病原性微生物の増殖の阻害」とは、例えば、病原性微生物のコロニーの数および/またはコロニーの大きさの低減に関して、病原性微生物の増殖の低減を意味するが、「微生物の増殖の防止」という句は、微生物増殖の停止を指す。
「微生物(microorganism)」または「微生物(microbe)」とは、古細菌(achaebacteria)または細菌の系統発生学的な領域で見出される任意の生物体、ならびに単細胞菌および糸状菌(例えば、酵母)、単細胞藻類または糸状藻類、単細胞および多細胞の寄生生物およびウイルスを指す。
特定の特徴によれば、本発明は、微生物のストレスからの皮膚および皮膚付属器の防御における使用のための亜麻仁抽出物に関する。
化学的バリア機能が変化しているか、または局所免疫系が弱体化している皮膚での、亜麻仁抽出物またはこれを含有している組成物の使用によって、皮膚および皮膚付属器は、病原性微生物または日和見性の微生物による攻撃に対して、防御することが可能になり、かつ、さらに抵抗できるようになる。
特定の特徴によれば、本発明は、抗菌性ペプチドの発現レベルを増大することにおける亜麻仁抽出物のその使用に関する。
好ましくは、本発明は、デフェンシンおよび/またはカテリシジンの細胞発現レベルを増大するための亜麻仁抽出物に関する。
特定の特徴によれば、本発明は、皮膚の免疫防御を刺激することにおける亜麻仁抽出物のその使用に関する。
特定の特徴によれば、本発明は、皮膚および皮膚付属器のStaphylococcus aureus感染の処置における亜麻仁抽出物のその使用に関する。
本発明はまた、アトピー性皮膚炎および/または皮膚の酒さの処置における亜麻仁抽出物のその使用に関する。
酒さとは、脆弱な皮膚防御系をもたらす要因におそらく関連している、細菌によって生じる皮膚の状態である。またアトピー性皮膚炎とは、カテリシジンの発現が異常に低下している皮膚状態である。
有利なことに、本発明による亜麻仁抽出物によれば、皮膚の毒性もアレルギー性反応も生じることなく、皮膚細胞によるカテリシジン型AMPの生成を刺激することが可能になる。
第二の局面によれば、本発明は、皮膚および皮膚付属器の化学的バリア機能を強化するための亜麻仁抽出物の使用に関する。
「化学的バリア機能を強化する」とは、亜麻仁抽出物またはそれを含有している化粧品組成物を、健常な皮膚および/または過敏な皮膚に塗布することが、AMPの細胞発現レベルを増大することを可能にするということを意味する。亜麻仁抽出物は、表皮で局所的な作用を有し、過敏な皮膚の赤みまたは不快感のような皮膚の炎症を抑えることを可能にする。
特定の特徴によれば、本発明は、片利共生微生物叢を保護するか、および/または皮膚および皮膚付属器の片利共生微生物叢の不均衡を制限するための亜麻仁抽出物の使用に関する。
有利なことに、本発明による亜麻仁抽出物の化粧品使用によって、表皮でAMPの発現を局所刺激することによって皮膚の良好な化学的バリア機能を維持することが可能になり、これによって、皮膚の片利共生ミクロフローラの生態系の平衡および好適な状態を維持することが助けられる。
本発明によって用いられる亜麻仁抽出物は、任意の種類の亜麻仁抽出物であってもよい。
好ましい特徴によれば、亜麻仁抽出物は、亜麻仁タンパク質の加水分解から得られる。
より好ましくは、この亜麻仁抽出物は、乾燥抽出物の重量として少なくとも0.1〜5g/lのペプチド化合物、乾燥抽出物の重量として0.1〜2g/lの糖を含み、かつ分子量5kDa未満、好ましくは分子量2.5kDa未満のペプチド化合物を本質的に含む。
「ペプチド」という用語は、ペプチド結合または修飾されたペプチド結合によってお互いと連結された2つ以上のアミノ酸の鎖を指し、「ポリペプチド」という用語は、より長いサイズのペプチドを指し;「ペプチド化合物」という用語は、混合物中に存在するタンパク質フラグメント、ペプチドおよび遊離のアミノ酸を指す。
「加水分解産物または加水分解から得られる」という用語は、植物材料の加水分解後に得られた、任意の物質もしくは物質の混合物、または単離された調製物を指す。
抽出を行うには、植物全体、または植物の特定の一部(葉、種子など)を用いることが可能である。
本発明によってさらに具体的には、Linum属の、アマ科の多くの植物のうち1つ(亜麻仁)を用いる。Linum属には、北半球で繁殖する200を超える種が挙げられる。それらは、線維性の幹、単葉、5花弁の花を有する草本植物である。好ましくは、本発明によれば、栽培種のLinum usitatissimum Lを用いる。本発明による亜麻仁抽出物(Linum)は好ましくは、亜麻仁の種子および好ましくは脱穀工程でその殻を除去された種子から抽出されたタンパク質の加水分解から生じるペプチド抽出物である。
当業者に公知の抽出または精製の任意の方法を用いて、本発明による亜麻仁抽出物を調製してもよい。
好ましくは、亜麻仁抽出物は、以下を包含するプロセスによって得られる:
−植物由来のタンパク質を抽出する工程、
−生物学的に活性なペプチド化合物を放出する、制御された加水分解の工程。
植物中で見出される多くのタンパク質は、それらの構造中に生物学的に活性なペプチド化合物を含有できる。制御された加水分解によって、これらのペプチド化合物を除去することが可能になる。本発明を行うためには、関係のタンパク質を最初に抽出し、次いでそれらを加水分解するか、または原料抽出物で最初に加水分解を行い次にペプチド化合物を精製することのいずれも可能であるが、必須ではない。
本発明による亜麻仁抽出物を得るためのプロセスの特定の実施形態を下に記述する。
第一の工程では、植物を、植物の粉砕機によって粉砕する。このように得られた粉末を、従来の有機溶媒(例えば、アルコール、ヘキサンまたはアセトンなど)によって引き続き「脱脂」してもよい。
第二の工程では、植物タンパク質の抽出は、従来のプロセスで行われる。植物の粉砕された材料を、不溶性のポリビニルポリピロリドン(PVPP)(0.01−20%)型の吸着製品を含有するアルカリ溶液中に懸濁する;実際、その後の加水分解および精製の操作はこれによって容易になることが観察されている。これによってタンパク質と相互作用するフェノール物質の濃度は低下される。
可溶性画分を、遠心分離および濾過の工程後に収集するので、原料溶液は、タンパク質、炭化水素および可能性としては脂質を含有する抽出物の最初の形態から構成されている。
このプロセスの特定の実施形態によれば、次にタンパク質を、媒体を酸性化することによりイオン力を変化することによって沈殿させてもよく、これによって可溶性の成分を除去することが可能になる。次に沈殿物を有機溶媒、例えば、エタノールまたはブタノールなどによって洗浄し、次いでその溶媒を真空乾燥によってエバポレートする。次に、タンパク質リッチの沈殿物を水溶液中に、または別の溶媒中に入れ、次いでさらに精製された形態の加水分解産物を構成する。
植物からタンパク質を抽出する工程はまた、常にポリビニルポリピロリドンの存在下で、中性または酸性の媒体中で行ってもよい。濾過工程の後、沈殿工程を、従来の沈殿剤、例えば、塩(塩化ナトリウム、硫酸アンモニウム)または有機溶媒(アルコール、アセトン)などによって、特定の実施態様で行ってもよい。得られた沈殿物は、水または別の溶媒中の溶液に入れられた後の透析によって沈殿剤から分離されてもよい。
タンパク質、炭水化物および可能性としては脂質を含む可溶性画分を、遠心分離および濾過工程の後に収集する。次にこの原料溶液を制御された条件下で加水分解して、ペプチド化合物、ポリペプチドおよび可溶性のペプチドを生成する。加水分解とは、水による分子の切断を含む化学反応であると規定され、この反応は、天然の酸または塩基性の媒体中で行うことができる。本発明によれば、この加水分解は、タンパク質分解性の酵素によって化学的におよび/または有利に行われる。
特定の特徴によれば、加水分解は、プロテアーゼ、またはプロテアーゼおよび/もしくはセルロースの混合物、またはセルラーゼの混合物で行われる。
好ましい特徴によれば、以下を含んでいる酵素の混合物を用いる:
−植物由来のエンドプロテアーゼ類(例えば、パパイン、ブロメライン、フィシンなど)および/または微生物由来のエンドプロテアーゼ類(Aspergillus、Rhizopus、Bacillus、Alcalase(登録商標)など)、
−および/またはセルラーゼもしくはセルラーゼ類の混合物(例えば、Celluclast(登録商標)CL)。
有利なことに、セルラーゼ類は、亜麻仁の細胞壁をさらに良く加水分解可能で、これによって、タンパク質の接近性が増大し、濾過が容易になる。実際、セルラーゼ類は、小型のオリゴ糖類を有する細胞壁の加水分解を可能にする。次に、セルラーゼ類およびプロテアーゼ類の共同動作によって、5kDa未満の低分子量、およびさらに具体的には2.5kDa未満の有意な画分を有するポリペプチドが得られる。一旦、これらの異なる加水分解を行えば、この酵素を不活性化するためには、熱不活性化工程が必要である。
上記と同じ理由、すなわち、ポリフェノール物質の除去のために、ある量のポリビニルポリピロリドンを、この制御された加水分解工程で反応媒体に添加する。
濾過後、得られた溶液は、本発明による亜麻仁ペプチド抽出物の最初の有利な形態を構成する。この亜麻仁ペプチド抽出物をさらに精製して、生成されたペプチドの分子量および性質を選択してもよい。この分画は、限外濾過によって、および/またはクロマトグラフィー方法によって有利に行われてもよい。
ペプチド抽出物、および具体的には、低分子量のペプチド抽出物の使用は、化粧品において多くの利点がある。出発タンパク質混合物中には存在しないペプチド化合物の生成とは別に、加水分解および精製によって、より安定なペプチド化合物と、さらに容易に再生可能でありかつ化粧品中でアレルギー反応を生じない組成物との混合物を得ることが可能になる。
特定の特徴によれば、本発明による亜麻仁抽出物は本質的に、低分子量を有するペプチド化合物を含む。好ましくは、本発明による亜麻仁ペプチド抽出物は本質的に、2.5kDa未満の分子量を有するペプチド化合物を含む。
次いで、加水分解産物の多かれ少なかれ精製された形態のうちの任意の1つを水中に、または水を含む任意の混合物中に溶解して、次いで限外濾過によって滅菌する。
本発明によって得られた亜麻仁抽出物を、その物理化学的特徴およびそのペプチド化合物含量について定性的および定量的に分析する。ペプチド化合物という用語は、その混合物中に存在するタンパク質フラグメント、ペプチドおよび遊離のアミノ酸を指す。このペプチド、アミノ酸およびタンパク質フラグメントは、当業者に周知の従来の技術によって投与される。
従って、本発明の有利な実施形態によれば、亜麻仁抽出物は、4〜5のpH、および好ましくは4〜4.5のpHを有する。有利なことには、この酸性のpHは、水中でのタンパク質の溶解を促進し、タンパク質を安定化する。本発明による亜麻仁抽出物は、0.1〜8g/l、および好ましくは、0.1〜5g/lの乾燥重量を有し、かつ:
乾燥抽出物の重量として0.1〜5g/lのペプチド化合物、
および、乾燥抽出物の重量として0.1〜2g/lの糖、
を含む。
次いで、この抽出物を水中に、または水を含有する溶媒の任意の混合物中に希釈し、次いで滅菌濾過によって滅菌する(0.2μm)。
特定の特徴によれば、その抽出物を1つ以上の生理学的に許容される溶媒、例えば、水、グリセロール、エタノール、プロパンジオール、ブチレングリコール、ジプロピレングリコール、エトキシル化またはプロポキシル化ジグリコール類、環状ポリオール類、またはこれらの溶媒の任意の混合物中に希釈する。「生理学的に許容される」とは、選ばれた溶媒が、毒性も耐容不能な反応も生じることなく皮膚と接触するために適切であることを意味する。
好ましくは、希釈後、この亜麻仁抽出物は以下を含む:
−乾燥抽出物の重量として1.5〜3.5g/lのペプチド化合物、
−および、乾燥抽出物の重量として約0.3g/lの糖。
この糖含量は、本発明による亜麻仁抽出物中で、さらにより好ましくは0.3g/l未満である。
この希釈工程の後、その抽出物を、化粧品の分野で用いられる、リポソームもしくは任意の他のマイクロカプセルなどの化粧品もしくは薬学的なベクター中にカプセル化しても、もしくは含んでもよいし、または粉末有機ポリマー、鉱物支持体、例えば、滑石およびベントナイト上に吸着してもよく、さらに一般的には、任意の生理学的に許容されるベクター中に可溶化しても、もしくはその上に固定してもよい。
本発明による亜麻仁抽出物は、化粧品または薬学的組成物中で用いられてもよい。この組成物は、所望の結果、すなわち:皮膚および皮膚付属器を微生物のストレスから保護すること、皮膚および皮膚の付属器の細菌叢を保護すること、皮膚の免疫防御を刺激すること、およびAMPの発現を刺激することを達成するために必要な量の亜麻仁抽出物を含んでもよい。
本発明の有利な実施形態によれば、本発明による亜麻仁抽出物は、最終組成物の総重量に対して0.0001%〜約20%の濃度で、好ましくは0.05%〜約5%の濃度で、さらにより好ましくは1%〜約3%の濃度で組成物中に存在する。
本発明による組成物は、任意の適切な経路によって、具体的には経口、非経口または外部局所で適用されてもよく、それらの処方物は当業者によって、具体的には、化粧品または薬学的組成物に対して適合される。
有利には、本発明による組成物は、体表または身体の皮膚の少なくともある程度に対する、皮膚の局所投与を意図している。本発明による化粧品組成物は、ケア製品として、および/または皮膚メークアップ製品として用いられてもよい。従って、これらの組成物は、本発明による生理学的に許容される媒体、すなわち、毒性も、不適合性もさらにはアレルギー応答のリスクさえなくヒトの皮膚または皮膚付属器と接触して用いるのに適切な媒体を含まなければならない。
好ましくは、顔面または身体の皮膚の少なくともある程度に対して局所的に塗布することを意図した本発明による組成物は、水性、水アルコールもしくは油状の溶液、水中油型もしくは油中水型のエマルジョン、または多重エマルジョン、溶液、懸濁液、マイクロエマルジョン、水性または無水のゲル、美容液または液滴の分散、またはコロイド状の分散の形態である。これらの組成物はまた、皮膚、粘膜、唇および/または皮膚付属器に対する適用に適切なクリーム、懸濁物または粉末の形態であってもよい。これらの組成物は、液体が多くても少なくてもよく、クリーム、ローション、乳液、美容液、ポマード、クリーム、ペースト、軟膏または発泡体の形態であってもよい。それらはまた、固体型、例えば、スティック、パッチであってもよく、またはエアロゾルまたはスプレーの形態で皮膚上に塗布されてもよい。それらは、皮膚ケア製品として用いられても、および/または皮膚メークアップ製品としてもちいられてもよい。これらの組成物はまた、頭皮および/または毛髪、ならびに具体的には、シャンプー、コンディショナー、スタイリングローション、トリートメントローション、クリームまたはスタイリングジェル、毛髪用ローション、マスクなどに対する適用についても適切であり得る。本発明による化粧品組成物は、具体的には、添付後にすすいでも、またはすすがなくても、塗布を含むトリートメントで用いられてもよいし、またはシャンプーの形態で用いられてもよい。これはまた、具体的には、まつ毛、眉毛、または毛髪に対して、ブラシまたはクシによって塗布される染料またはマスカラの形態であってもよい。
これらの組成物はまた、予測される使用の分野で通常用いられる任意の添加物、およびそれらの処方物に必要なアジュバント、例えば、共溶媒(エタノール、グリセロール、ベンジルアルコール、保湿剤・・・)、増粘剤、希釈剤、乳化剤、抗酸化剤、着色剤、日焼け止め剤、色素、充填剤、防腐剤、芳香剤、臭気吸収材、エッセンシャルオイル、微量元素、必須脂肪酸、サーファクタント、塗膜形成ポリマー、化学的または鉱物フィルター、水和剤または温泉水などを含む。これには、例えば、天然ポリマー型の水溶性ポリマー、例えば、多糖体またはポリペプチド、メチルセルロースまたはヒドロキシプロピルセルロース型のセルロース誘導体、または合成ポリマー、ポロキサマー、カルボマー、シロキサン、PVAまたはPVP、および具体的には、Ashland社が販売するポリマーを挙げることが可能である。どんな場合でも、当業者は、これらのアジュバント、ならびにそれらの割合が、本発明による組成物中で探求される有利な特性に有害に影響しない様に選択されることを確認する。これらのアジュバントは、例えば、その組成物の総重量の0.01〜20%に相当し得る。本発明の組成物がエマルジョンである場合、その脂肪相は組成物の総重量に対して、5〜80重量%、および好ましくは5〜30重量%に相当し得る。この組成物中で用いられる乳化剤および共乳化剤(co−emulsifier)は、考慮される分野で慣習的に用いられるものから選択される。例えば、それらは、その組成物の総重量に対して0.3〜10重量%におよぶ割合で用いられ得る。
本発明による有効成分は、化粧品組成物中で、単独で用いられてもよいし、または少なくとも1つの他の有効成分と一緒に用いられてもよい。
有利には、本発明によって用いることができる組成物はまた、具体的には、皮膚バリア機能に関連する障害の予防および/もしくは処置のため、または皮膚を落ち着かせるため、本発明による活性薬剤の作用を促進することを意図した種々の有効成分を含んでもよい。
これには、非限定的に、以下の分類の成分を挙げることが可能である:他のペプチド有効成分、植物抽出物、治癒、アンチエイジング、しわ取り、鎮静(calming)、抗フリーラジカル、抗UV剤、皮膚の高分子の合成またはエネルギー代謝を刺激する剤、水和剤、抗菌剤、抗真菌剤、抗炎症剤、麻酔剤、種々の分化調節剤、皮膚の色素沈着または色素脱失、爪または毛髪の成長刺激因子など。好ましくは、鎮静活性を有する因子または皮膚の高分子の合成を刺激する因子、またはエネルギー代謝を刺激する因子が用いられる。さらに具体的には、この有効成分は、生理活性のペプチド有効成分、ビタミン類、植物ステロール類、フラボノイド類、DHEAおよび/またはその前駆体の1つ、またはその化学的もしくは生物学的誘導体の1つ、メタロプロテイナーゼインヒビターまたはレチノイドから選択される。
第三の局面によれば、本発明はまた、亜麻仁抽出物を含んでいる組成物が、処置されるべき皮膚または皮膚付属器に対して局所的に塗布されるという点で特徴付けられる、片利共生微生物叢を保護するか、および/または片利共生微生物叢の不均衡を制限することを意図した化粧品処置のためのプロセスからなる。
この化粧品処置プロセスの特定の実施形態はまた、上記の説明から生じる。本発明の他の利点および特徴は、例示的な実施例および非限定的な実施例について提供された実施例を考慮すればより明確になる。
図1は、1%の亜麻仁抽出物で24時間処置したかまたは処置していないエキソビボの皮膚における抗菌性タンパク質DEFB1およびLL−37の発現レベルの免疫組織化学的検出をヒストグラムの形態で示す。
亜麻仁(Linum usitatissimum L.)からの有効成分の調製
第一の工程では、1kgの亜麻仁種子(Linum usitatissimum L.)を穀物粉砕機で粉砕する。得られた粉(1kg)を、10リットルのヘキサンの存在下におく。次いでその混合物を室温で2時間撹拌して、原料の脱脂を行う。濾過および真空乾燥の後、得られた粉末を、1%のポリビニルポリピロリドン(Polyclar V ISP)を含んでいる800mlのアルカリ水溶液(1/10希釈)pH10の中に懸濁する。この混合物を室温で2時間撹拌して、その溶液の画分を可溶化することを可能にする。この抽出段階の後、媒体を遠心分離によって清澄化し、次いでプレート上で濾過する。亜麻仁の可溶性画分を含むこの濾液を、次に、中性または酸性の媒体中でイオン力を変化することによってタンパク質沈殿に供し、これによって、可溶性の炭化水素成分、脂質および核酸を除去することを可能にする。この媒体をpH3.5にする。その上清を取り出して、次にその沈殿物をエタノールで洗浄し、次いでその溶媒を真空乾燥でエバポレートする。
この段階で、以下を含んでいる原料のタンパク質抽出物の淡黄色粉末を約50グラム得る:
−タンパク質:78%
−炭水化物:20%
−脂質<2%。
タンパク質リッチの沈殿物を、500グラムの水の溶液中に入れる。
次いで、原料のタンパク質抽出物を、0.5%のPVPP(Polyclar V)およびシステインエンドペプチダーゼ(2g/lのブロメラインおよび2g/lのアルカラーゼ)の存在下で、一連の制御されたおよび選択的な酵素の加水分解に供する。50℃で2時間の反応、次に80℃で2時間の酵素カクテルの不活性化の後、加水分解産物を、多孔性の漸減するプレートで濾過し、次いで滅菌性カートリッジ(0.2μm)で濾過する。
次いで、淡色の加水分解産物を得て、15〜30g/lの乾燥抽出物で測定し、次にこれを、ローリー法で決定したペプチド化合物の濃度が0.1〜5g/l、好ましくは1.5〜3.5g/lであるように希釈する。有効成分を構成する、植物加水分解産物の物理化学的分析によって、そのpHが4〜5、好ましくは4〜4.5であることが示される。本発明による亜麻仁抽出物は、1〜8g/l、および好ましくは0.1〜5g/lの乾燥抽出物含量を有し、かつ乾燥抽出物の重量で0.1〜5g/lのペプチド化合物、および乾燥抽出物の重量で0.1〜2g/lの糖を含み、好ましくは、本発明による亜麻仁抽出物を希釈して、乾燥抽出物の重量で1.5〜3.5g/lのペプチド化合物、および乾燥抽出物の重量で0.1〜0.3g/lの糖を含むようにする。
ケラチン生成細胞中のDEFB1およびLL37のメッセンジャーRNAの発現レベルに対する実施例1による亜麻仁抽出物の活性化効果の実証
本研究の目的は、DEFB1転写発現に対する、およびLL−37転写発現に対する、実施例1による亜麻仁抽出物の影響を決定することである。DEFB1メッセンジャーRNAの発現レベル、およびLL−37メッセンジャーRNAの発現レベルを評価するために、リアルタイムポリメラーゼ連鎖反応(PCR)定量を行った。
プロトコール
NHK細胞(正常な初代ヒトケラチン生成細胞)を、実施例1による1%亜麻仁抽出物を用いて、48時間の間に1日に2回処理するか、または処理しない(コントロール)。
DEFB1メッセンジャーRNAの発現レベルおよびLL−37メッセンジャーRNAの発現レベルを評価するためには、実施例1による亜麻仁抽出物によって処理されたか、または処理されていない培養中のケラチン生成細胞から全RNAを単離することが必要である。次いでその全RNAを、逆転写酵素の作用によって相補的DNAに変換する。次いで、相補的DNAの定量は、StepOnePlus(商標)サーモサイクラー(Applied Biosystems)によってリアルタイムPCRで行う。この定量によって、DEFB1メッセンジャーRNAの発現レベルおよびLL−37メッセンジャーRNAの発現レベルを決定することが可能になる。
結果
DEFB1メッセンジャーRNAの発現レベルの31%の増大およびLL−37メッセンジャーRNAの発現レベルの23%の増大が、未処理の細胞と比較して、実施例1による亜麻仁抽出物での48時間の処理の後に細胞で観察される。
結論
実施例1による亜麻仁抽出物は、DEFB1をコードするメッセンジャーRNAの発現レベルおよびLL−37をコードするメッセンジャーRNAの発現レベルを、正常なヒトケラチン生成細胞において増大する。
ケラチン生成細胞における、抗菌性タンパク質DEFB1の発現に対する、および抗菌性タンパク質LL−37の発現に対する、実施例1による亜麻仁抽出物の活性化効果の実証
本研究の目的は、抗菌性タンパク質DEFB1の発現および抗菌性タンパク質LL−37の発現に対する、実施例1による亜麻仁抽出物の影響を決定することである。このために、DEFB1タンパク質の発現レベルおよびLL−37タンパク質の発現レベルを、実施例1による1%亜麻仁抽出物を用いて24時間処理するか、または処理なし(コントロール)のパラフィン中に包埋したケラチン生成細胞で免疫細胞化学によって評価した。
プロトコール
NHK細胞(正常な初代ヒトケラチン生成細胞)を培養した。次いで、これらの細胞を10%ホルモルで固定し、次いでパラフィン中に包埋する。次いで、細胞ブロックを、ミクロトームナイフを用いて4μmの厚みを有する切片に切断し、次いでスライドに移す。
その切片を、100%キシレンを用いてパラフィンから取り出し、次いで連続アルコール浴:2 100%エタノール浴(EtOH)2分間、1 95% EtOH浴、2分間、1 90% EtOH浴、2分間、および1 HO浴5分間で再水和する。そのスライドを、0.01M pH6のクエン酸緩衝液中に浸し、目的のタンパク質に対して抗体が容易にアクセスするように軽く沸騰するまで加熱する。この切片を、5%BSAとともに30分間、次いで一次抗体:PBS中で1/500に希釈した抗「DEFB1」ポリクローナルウサギ抗体ab14425(Abcam,Cambridge,UK))か、またはPBSで1/75に希釈した抗−「LL−37」モノクローナルマウス抗体sc−166770(Tebu Santa Cruz,CA,USA)とともに、撹拌しながら室温で11/2時間インキュベートする。PBSでの複数の洗浄後、その切片を、PBS中で1/1000まで希釈した二次蛍光抗体(抗ウサギ抗体Alexa Fluor 488 A21206(Invitrogen,Fisher))とともに室温で1時間インキュベートする。細胞核を、0.3μMの4’6’−ジアミジノ−2−フェニルインドール(DAPI)(Molecular Probes)でマークする。その切片をPBS中で5分間リンスする。抗菌性タンパク質DEFB1および抗菌性タンパク質LL−37の発現を、蛍光顕微鏡によって検出する(対物40×)。
結果
その結果によって、24時間後に実施例1による1%亜麻仁抽出物で処理したケラチン生成細胞では、未処理のケラチン生成細胞と比較して、抗菌性タンパク質DEFB1の発現の118%の増大、および抗菌性タンパク質LL−37の発現の136%の増大があることが示される。
結論
実施例1による亜麻仁抽出物は、ケラチン生成細胞中の、抗菌性タンパク質DEFB1の発現、および抗菌性タンパク質LL−37の発現を刺激する。
エキソビボの皮膚における抗菌性タンパク質DEFB1の発現に対する、および抗菌性タンパク質LL−37の発現に対する、実施例1による亜麻仁抽出物の活性化効果の実証
本発明の目的は、DEFB1の発現に対する、およびLL−37の発現に対する、実施例1による亜麻仁抽出物の影響を決定することである。DEFB1およびLL−37の発現レベルを評価するために、エキソビボの皮膚切片に対するDEFB1およびLL−37の免疫標識を行った。
プロトコール
ヒトの皮膚生検を、エキソビボにおいて培養物中で保持し、次いで、実施例1による亜麻仁抽出物の1%溶液の20μlの局所適用によって24時間の間に1日2回処理するか、または処理しない。
次いで、皮膚生検を固定し、次にShandon Hypercenter XP自動装置(Shandon,UK)を通過した後、パラフィンに包埋する。次いで、パラフィンに包埋した皮膚生検を、ミクロトームナイフを用いて4μmの厚みを有する切片に切断して、これ自体をスライドに移す。その切片を、100%キシレンを用いてパラフィンから取り出し、次いで、連続アルコール浴:2 100%エタノール浴(EtOH)2分間、1 95%EtOH浴、2分間、1 90% EtOH浴、2分間、および1 HO浴5分間で再水和する。そのスライドを、0.01MのpH6のクエン酸緩衝液中に浸し、目的のタンパク質に対して抗体が容易にアクセスするように軽く沸騰するまで加熱する。この切片を、5%BSAとともに30分間、次いで一次抗体:PBS中で1/500に希釈した「DEFB1」ポリクローナルウサギ抗体ab14425(Abcam,Cambridge,UK))か、またはPBSで1/100に希釈した抗−「LL−37」モノクローナルマウス抗体sc−166770(Tebu Santa Cruz,CA,USA)とともに、撹拌しながら室温で11/2時間インキュベートする。PBSでの複数回の洗浄後、その切片を、PBS中で1/1000まで希釈した二次蛍光抗体(抗ウサギ抗体Alexa Fluor 488 A21206(Invitrogen,Fisher))とともに室温で1時間インキュベートする。細胞核を、0.3μMの4’6’−ジアミジノ−2−フェニルインドール(DAPI)(Molecular Probes)でマークする。その切片をPBS中で5分間リンスする。抗菌性タンパク質DEFB1および抗菌性タンパク質LL−37の発現を、蛍光顕微鏡によって検出する(対物40×)。
図1は結果のセット図である。
免疫組織化学により切片で得られた蛍光の評価によって、実施例1による亜麻仁抽出物で処理した皮膚生検は、未処理の皮膚生検と比較して、DEFB1の有意に高レベルの発現(+240%)およびLL−37の有意に高レベルの発現(+140%)があることが示される。
結論
ヒト皮膚生検に対する実施例1による亜麻仁抽出物での処置の結果として、抗菌性タンパク質DEFB1の発現に対する、および抗菌性タンパク質LL−37の発現に対するポジティブな効果が得られる。
エキソビボの皮膚での層状体の数および分泌活性に対する、実施例1による亜麻仁抽出物の効果の実証
本研究の目的は、顆粒層および角質層の境界に存在する抗菌性タンパク質貯蔵部位である層状体の数に対する実施例1による亜麻仁抽出物の影響を決定することである。層状体を観察するために、エキソビボ皮膚切片から得られる電子顕微鏡画像を撮った。
プロトコール
ヒト皮膚生検を、エキソビボの培養物中で保持し、次いで、実施例1による亜麻仁抽出物の1%溶液の20μlの局所適用によって24時間の間に1日1回処置するか、または処置しない。
次いで、皮膚生検を、カルノフスキー(Karnovsky)固定緩衝液(Electron Microscopy Sciences,Hatfield,UK)によって、室温で1時間、次いで4℃で一晩固定する。0.1Mのカコジル酸ナトリウム緩衝液(Sigma, Steinheim, Germany)でリンスした後、生検を、1%の四酸化オスミウムOsO4中で1時間の間、後固定し、次いでリンスして、連続のアルコール浴で脱水する。そのサンプルを浸潤させて、低粘度のエポン−エポキシ混合物中にいれる。
その切片を、ダイヤモンドブレードを装備したミクロトームナイフによって生成する。次いで、その切片を酢酸ウラニルおよびクエン酸鉛で着色する。観察は、透過電子顕微鏡を用いて60keVで行う。
結果
電子顕微鏡画像の観察によって、実施例1による亜麻仁抽出物で処理された皮膚生検が、未処置の皮膚生検と比較して顆粒層および角質層の境界でより多数の層状体を有することが示される。
結論
抗菌性ペプチド貯蔵部位である層状体の数に対するポジティブな影響が、ヒト皮膚生検に対して実施例1による亜麻仁抽出物での処理の結果として観察される。
Staphylococcus aureusの細菌増殖に対して、実施例1による亜麻仁抽出物で得られた、ケラチン生成細胞での抗菌性効果の実証
本研究の目的は、Staphylococcus aureusの細菌増殖に対して、実施例1による亜麻仁抽出物による刺激の結果としてケラチン生成細胞で得られた抗菌性タンパク質の合成の増大の影響を決定することである。このために、放射状拡散試験を行った。
プロトコール
NHK細胞(正常な初代ヒトケラチン生成細胞)を、実施例1による亜麻仁抽出物を用いて、24時間の間に1日2回処理するか、または処理しない(コントロール)。ネガティブコントロールを得るために、細胞となんら接触のないNHK培養培地を用いる。次いで、細胞の上清を回収し、150μlを用いて、6mmの直径を有するディスクを浸漬する。次いで、このディスクを塊で播種したS.aureus培養物上に置く(各々の条件について4つのディスクおよびペトリ皿)。48時間後、放射拡散領域が観察される。阻害エリアの写真をQImaging Micropublisher 3.3 RTVカメラを用いて撮って、それらの直径をQ−キャプチャー Pro7(商標)ソフトウェアプログラムによって算出する。
結果
その結果によって、未処理のケラチン生成細胞と比較して、24時間後、実施例1による1%の亜麻仁抽出物で処理したケラチン生成細胞の培養物から得られた上清の適用後、細菌増殖阻害エリアの直径は19%増大していることが示される。
結論
実施例1による亜麻仁抽出物によって、細菌増殖の阻害が可能になる。
Staphylococcus aureusの細菌増殖に対する、ケラチン生成細胞における実施例1による亜麻仁抽出物で得られた抗菌性効果の実証
本研究の目的は、Staphylococcus aureusの細菌増殖に対する、実施例1による亜麻仁抽出物による刺激の結果としてケラチン生成細胞によって得られた抗菌性タンパク質の合成増大の効果を決定することである。このために、細菌増殖阻害試験を行った。
プロトコール
NHK細胞(正常な初代ヒトケラチン生成細胞)を、実施例1による亜麻仁抽出物を用いて48時間の間に1日に2回処理するか、または処理しない(コントロール)。ネガティブコントロールを得るために、細胞とはなんら接触していないNHK培養培地を用いる。次いで、細胞の上清を回収して、200μlを用いて、S.aureusの溶液を混入させる。この上清/S.aureusの混合物を、37℃で3時間インキュベートし、次いでTSA寒天ディッシュ上に展開する。48時間後、S.aureusコロニーが発達し、裸眼で見える。ディッシュの写真をQImaging Micropublisher 3.3RTVで撮る。
結果
その結果によって、実施例1による1%亜麻仁抽出物で処理したケラチン生成細胞の培養物から上清を得た条件下で発達したS.aureusのコロニーの数は24時間後に、未処理のケラチン生成細胞と比較して、79%低下していることが示される。
結論
実施例1による亜麻仁抽出物によって、細菌コロニーの数を低下することが可能になる。
実施例:組成物の調製
保護用の鎮静デイ・クリーム
Figure 0006615609
A相を調製して、75℃まで加熱する。カルボポール、次いでキサンタンガムを撹拌しながら分散することによってB相を調製する。完全な均一性が得られるまで静置しておく。Bを75℃まで加熱する。
75℃で、ローター−ステーター撹拌下でBの中にAを乳化する。急速に撹拌しながらC相で中和する。40℃で冷却した後、脂質相D、次いでE相(40℃まで予備加熱し、完全な透明性が得られるまで均一にした)を添加する。25℃まで軽度に撹拌しながら冷却を続けて、F相を添加する。
Figure 0006615609
A相およびB相の構成要素を別々に70℃〜75℃の間で加熱する。A相をB相中で撹拌しながら乳化する。C相を、さらに速く撹拌しながら45℃で添加する。次いで、温度が40℃未満である場合、D相およびE相を添加する。冷却は、激しい撹拌のもとで25℃まで続ける。

Claims (11)

  1. 微生物のストレスによって生じる皮膚、毛包、皮脂腺および汗腺の炎症の治療用の薬学的組成物の製造のための、亜麻仁タンパク質の加水分解物の使用であって、前記亜麻仁タンパク質の加水分解物は、抗菌ペプチドであるディフェンシン及び/又はカテリシジンの発現レベルを増大させることにおける活性な抗菌剤として使用される、亜麻仁タンパク質の加水分解物の使用
  2. 前記亜麻仁タンパク質の加水分解物が、乾燥抽出物の重量として少なくとも0.1〜5g/lのペプチド化合物、乾燥抽出物の重量として0.1〜2g/lの糖を含み、かつ5kDa未満の分子量を有するペプチド化合物を含む、請求項1に記載の亜麻仁タンパク質の加水分解物の使用
  3. 皮膚の免疫防御を刺激するために抗菌ペプチドであるディフェンシン及び/又はカテリシジンの発現レベルを増大させることにおける使用のための請求項1〜2のいずれか1項に記載の亜麻仁タンパク質の加水分解物の使用
  4. 皮膚、体毛、まつげ、眉毛、爪および髪のStaphylococcus aureus感染の処置において抗菌ペプチドであるディフェンシン及び/又はカテリシジンの発現レベルを増大させることにおける使用のための請求項1〜3のいずれか1項に記載の亜麻仁タンパク質の加水分解物の使用
  5. 前記ディフェンシンがDEFB1であり前記カテリシジンがLL−37である、請求項1〜4のいずれか1項に記載の亜麻仁タンパク質の加水分解物の使用
  6. 前記亜麻仁タンパク質の加水分解がシステインエンドペプチターゼによりなされる、請求項1〜5のいずれか1項に記載の亜麻仁タンパク質の加水分解物の使用
  7. 抗菌ペプチドであるディフェンシン及び/又はカテリシジンの発現レベルを増大させることにより皮膚、体毛、まつげ、眉毛、爪および髪の片利共生微生物叢を保護する薬学的組成物の製造のための、亜麻仁タンパク質の加水分解物の使用
  8. 前記亜麻仁タンパク質の加水分解物が、乾燥抽出物の重量として少なくとも0.1〜5g/lのペプチド化合物、乾燥抽出物の重量として0.1〜2g/lの糖を含み、かつ5kDa未満の分子量を有するペプチド化合物を含む、請求項7に記載の亜麻仁タンパク質の加水分解物の使用
  9. 前記ディフェンシンがDEFB1であり前記カテリシジンがLL−37である、請求項7〜8のいずれか1項に記載の亜麻仁タンパク質の加水分解物の使用
  10. 前記亜麻仁タンパク質の加水分解がシステインエンドペプチターゼによりなされる、請求項7〜9のいずれか1項に記載の亜麻仁タンパク質の加水分解物の使用
  11. 抗菌ペプチドであるディフェンシン及び/又はカテリシジンの発現レベルを増大させることにより皮膚、体毛、まつげ、眉毛、爪および髪の片利共生微生物叢を保護する薬学的組成物の製造のための、亜麻仁タンパク質の加水分解物の使用であって、前記薬学的組成物は、生理学的に許容される媒体を含み、皮膚への局所投与のためのものである、請求項7〜10のいずれか一項に記載の亜麻仁タンパク質の加水分解物の使用
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