JPH0632924A - 酸素ガスバリヤ−性フィルムおよびその製法 - Google Patents

酸素ガスバリヤ−性フィルムおよびその製法

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JPH0632924A
JPH0632924A JP5020845A JP2084593A JPH0632924A JP H0632924 A JPH0632924 A JP H0632924A JP 5020845 A JP5020845 A JP 5020845A JP 2084593 A JP2084593 A JP 2084593A JP H0632924 A JPH0632924 A JP H0632924A
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film
pva
gas barrier
oxygen gas
coating
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JP5020845A
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Hiroshi Kayama
博 香山
Atsuji Tanioka
厚治 谷岡
Koji Kubo
紘司 久保
Masami Fujita
雅巳 藤田
Yasuhisa Maeda
靖寿 前田
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Unitika Ltd
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Unitika Ltd
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  • Coating Of Shaped Articles Made Of Macromolecular Substances (AREA)
  • Laminated Bodies (AREA)
  • Shaping By String And By Release Of Stress In Plastics And The Like (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 油脂の酸敗による食品の変質を防止するため
の酸素ガスバリヤー性を有するフィルム、およびその製
造法を提供する。 【構成】 二軸延伸ポリプロピレンフィルムまたは二軸
延伸ポリエステルフィルムの片面に、重合度300〜1
000、鹸化度95〜99.5%のPVA水溶液をコー
ティングし、乾燥させ、厚み1〜4μの皮膜を形成させ
た後、ロール状に巻き取られた酸素ガスバリヤー性フィ
ルムとその製法、更には前記PVA皮膜の上にヒートシ
ール樹脂層を設けてなる酸素ガスバリヤー性フィルム。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は包装用、特に食品包装用
フィルムとして好適な酸素ガスバリヤー性フィルム、お
よびその製法に関する。さらに詳しくは、食品包装用フ
ィルムとして、食品中の油脂の酸敗を防止するための優
れた酸素ガスバリヤー性を有するフィルム、およびその
製造法に関する。
【0002】
【従来の技術】酸素ガスバリヤー性フィルムおよびそれ
を用いた包装材は既に多く知られている。最も完璧な酸
素ガスバリヤー性を有するものとしてはアルミニウム
(以下「Al」)箔があるが、単独ではピンホール強力
が弱く、特殊な例を除いて使用できず、ほとんどラミネ
ートフィルムの中間層として使用される。このラミネー
トフィルムのガスバリヤー性はほぼ完璧なものである
が、不透明のため内容物が見えないこと、また確実にヒ
ートシールされたか判断しにくいこと等の欠点がある。
【0003】他の酸素ガスバリヤー性フィルムとしては
ポリ塩化ビニリデン(以下「PVDC」)のフィルムお
よびコーティングフィルムがよく知られている。特にP
VDCのコーティングフィルムはよく知られ、酸素ガス
および水蒸気のバリヤー性が必要な場合、ラミネート用
基材フィルムとしてよく使用されている。PVDCは吸
湿性が殆どなく、高湿下でも良好なガスバリヤー性を有
するため、コーティング用の素材フィルムとしては透湿
度に関係なく種々のものが使用される。例えば二軸延伸
ポリプロピレン(以下「OPP」)、二軸延伸ナイロン
(以下「ON」)、二軸延伸ポリエステル(以下、二軸
延伸ポリエチレンテレフタレートの場合を「OPET」
と略す)、セロファン等のフィルムが使用されている。
そしてラミネートされたフィルムはガスバリヤー性を生
かし、乾燥・水物を問わず、種々の食品包装に利用され
ている。しかしこれらの包装材料は利用された後、家庭
から一般廃棄物として廃棄されることとなるが、PVD
Cは燃焼により塩化水素ガスを生じることから、他材料
への移行が強く望まれている。しかし性能やコスト面か
らこのPVDCに代わる素材はまだ現れていないのが現
状である。
【0004】さらに、酸素ガスバリヤー性フィルムとし
てポリビニルアルコール(以下「PVA」)系フィルム
もよく知られている。PVAフィルムは吸湿の少ない状
態では非常に酸素ガスバリヤー性の良いフィルムである
が、吸湿が激しく、相対湿度が70%を越えるあたりか
ら酸素ガスバリヤー性は急激に悪化し、実用性に乏しい
と考えられている。PVAの吸湿性を改良するため、エ
チレンと共重合させてエチレン・ビニルアルコール共重
合体(以下「EVOH」)としたり、PVAの両面にP
VDCをコーティングして防湿対策を施したものも提案
されている。PVDCをコーティングしたものは、焼却
時に塩化水素ガスが発生するという問題点は前述の通り
である。
【0005】このPVAはフィルムばかりでなく、コー
ティング素材としても知られている。例えば特公昭37
ー3286号公報には、「高度の結晶度を有するポリプ
ロピレンを基材とし、ガス類、蒸気、油脂類並びに類似
物に対して不浸透性のフィルムをつくるに当たり、該フ
ィルムをあらかじめ表面変性処理、例えばクロロスルホ
ン化、酸化あるいはグラフト処理に付し、しかる後その
表面変性されたフィルムをPVAの薄い層で被覆し更に
ビニル重合体もしくは共重合体の層で被覆することを特
徴とする不浸透性フィルムの製造法」が開示されてい
る。この発明の特徴は、該公報第2欄8〜18行に「本
発明の最初の実施例によれば、ポリビニル・アルコール
の被覆を施し、次いで液状の水の可能な危険な作用から
ポリビニル・アルコールを守るため、ビニル重合体又は
共重合体を基材とした甚だ薄い膜で更に被覆することが
できる。」とあるようにPVAの防湿対策である。具体
的に実施例1でスルホン化またはクロルスルホン化した
結晶性ポリプロピレンフィルムを5μmのPVA層で覆
い、さらに塩化ビニル・酢酸ビニル共重合体の接着性保
護層を設けたものである。この場合、塩素含有樹脂を使
用する弊害は前期PVDCを使用する場合と同様であ
る。また実施例2では同様に酸化することにより親水性
にされた50μmのポリプロピレンフィルムに7μmの
PVA被覆を設け、さらに同様の塩化ビニルを含む共重
合体で2〜3μmの附着性保護層を設けたものである。
実施例4も同様である。なお第I表によればこの実施例
2において、フィルムの酸素透過率は、相対湿度0%で
は酸化も被覆もしないポリプロピレンフィルムが0.1
80×10-9cm3/cm/cm2・sec・cmHgで
あるのに対し、PVAで被覆した酸化ポリプロピレンフ
ィルムは0.00009×10-9cm3/cm/cm2
sec・cmHgであり、さらに附着性保護層を設けた
フィルムでは相対湿度65%下で酸素透過率が0.00
7×10-9cm3/cm/cm2・sec・cmHgであ
り、湿った空気の中でもフィルムのガス及び蒸気に対す
る不浸透性を持ち続けることができたと記載されてい
る。また実施例3は厚み50μmの酸化ポリプロピレン
フィルムに7μmのPVA被覆を設け、さらに保護層と
してポリビニルブチラールを用いたものである。
【0006】しかし、この文献に使用されているポリプ
ロピレンフィルムは後記本発明の場合と異なり繁雑な酸
化工程を経たものであり、また本発明における酸素ガス
バリヤー性の評価に換算すると、前記相対湿度0%での
酸化も被覆もしないポリプロピレンフィルムの0.18
0×10-9cm3/cm/cm2・sec・cmHgは、
ポリプロピレンフィルム厚み20μmでは約6000c
c/(m2・24hr・atm)に、PVAで被覆した
酸化ポリプロピレンフィルムの0.00009×10-9
cm3/cm/cm2・sec・cmHgは、ポリプロピ
レンフィルム厚み20μmにPVA被覆7μmを設けた
値としては2.2cc/(m2・24hr・atm)
に、さらには附着性保護層を設けたフィルムの相対湿度
65%下での酸素透過率が0.007×10-9cm3
cm/cm2・sec・cmHgは、ポリプロピレンフ
ィルム厚み20μmにPVA被覆7μmと保護層3μm
を設けた値としては155cc/(m2・24hr・a
tm)になり、本発明で提供される酸素ガスバリヤー性
フィルムの酸素ガスバリヤー性に比べると相対湿度65
%における酸素ガスバリヤー性が著しく乏しいものであ
り、これは後記本発明で使用する特定の性状を有するP
VAが特定の厚みで用いられていないことによるものと
考えられる。
【0007】また、特開昭63ー78748号公報には
「基材層の一面に2つのコーティングを有する合成熱可
塑性重合体の基材層を含んでなる、但し第1のコーティ
ングが基材層に隣り且つ乾いた時にポリビニルアルコー
ルの水性分散液又は溶液によって「完全に濡らされる」
0.3〜3g/基材層m2の範囲の量の溶媒に基づくウ
レタンプライマーであり、そして第2のコーティングが
第1のコーティングの露呈された表面上に位置し、且つ
2.0g/基材層m2までの範囲の量のポリビニルアル
コール気体遮断材料を含んでなり、なお該第2のコーテ
ィングが分散液又は溶液から成形される、複合構造
体。」が開示されている。基材層としては、ポリプロピ
レンやポリエステルが例示され(6頁左下欄19〜20
行)、気体遮断材料であるPVAのけん化度は少なくと
も90モル%、好ましくは少なくとも99モル%であり
(同じく6頁左下欄3〜5行)、PVA層の上には熱封
性フィルム又は層に接着剤で積層され、あるいは押出コ
ーティングされる(8頁左下欄〜右下欄)。また実施例
4には12μmの配向したポリエステルフィルムにプラ
イマー層を設け、さらにPVAの7重量%水溶液をコー
ティングしているが、コーティング厚みについての明記
はない。しかし、第1頁左下欄〜第2頁左下欄の特許請
求の範囲から判断すると、最大でも1.5μmと算出さ
れ、またこの文献には後記本発明で用いる特定重合度の
PVAの特定のコーティング層厚で用いることについて
は記載がなく、高湿雰囲気下での酸素ガスバリヤー性に
乏しいものである。具体的には、ナイロンフィルムを用
いた実施例2と実施例6の23℃、相対湿度0%におけ
る酸素透過性と相対湿度75%における酸素透過性の値
を参考にして、配向ポリエステルフィルムを用いた実施
例4における23℃、相対湿度0%における酸素透過性
から相対湿度75%における酸素透過性を推定すると、
35cc/(m2・24hr・atm)程度となる。
【0008】さらにはAl蒸着フィルムもガスバリヤー
素材として使用されている。しかしこれも不透明であ
り、かつ前記Al箔ほどのガスバリヤー性はない。
【0009】また最近は環境保全を目的に、PVDCコ
ーティングフィルムに代わるものとして、SiOx等の
透明蒸着フィルムもわずかながら生産されている。しか
しこれはコストが高く、到底PVDCコーティングフィ
ルムの代替物になりうる可能性は小さい。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】本発明者らは、酸素ガ
スバリヤー性の前記現状を踏まえ、酸素ガスバリヤー性
が要求される用途は包装材料であり、PVDCコーティ
ングフィルムに対して大きくコストが上がっては普及が
難しいこと、PVDCコーティングフィルムが使用され
ている水物を含む全ての包装内容物を対象にする必要は
なく、その水物を除く食品に対しPVDC以外の包装材
料に代替されたとしても環境保全上非常に大きな貢献に
なることから、PVDCに代わる安価な包装材料につい
て鋭意検討した。その結果、透湿度の比較的少ないOP
PまたはOPETを基材フィルムとし、これに所定のP
VAの所定厚みの層とヒートシール樹脂層を設けたフィ
ルムが常温、常湿で酸素ガスバリヤー性が良好であるこ
と、即ちコーティングフィルムとして23℃、相対湿度
75%で10cc/(m2・24hr・atm)程度以
下、30℃,相対湿度75%で15cc/(m2・24
hr・atm)程度以下が達成できることを見出し、従
来環境上問題のあったPVDCフィルムの用途の内、水
物を除く食品用包装材の代替用としては十分実用化でき
るものであるとの知見を得て、本発明を完成した。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明の第一は、OPP
フィルムまたは二軸延伸ポリエステルフィルムの片面
に、重合度300〜1000、けん化度95〜99.5
%のPVAの皮膜が1.7〜4μmの厚みに形成され、
かつロール状に巻き取られてなる酸素ガスバリヤー性フ
ィルムであり、本発明の第二は、OPPフィルムまたは
二軸延伸ポリエステルフィルムの片面に、重合度300
〜1000、けん化度95〜99.5%のPVAの水溶
液をコーティングし、乾燥させ、厚み1.7〜4μmの
PVA皮膜を形成させた後、冷却してロール状に巻き取
ることを特徴とする酸素ガスバリヤー性フィルムの製法
であり、本発明の第三は、OPPフィルムまたは二軸延
伸ポリエステルフィルムの片面に重合度300〜100
0、けん化度95〜99.5%のPVAの皮膜が1.7
〜4μmの厚みに形成され、さらに該PVA皮膜の上に
ヒートシール樹脂層が設けられてなる酸素ガスバリヤー
性フィルムである。以下、本発明をさらに詳しく説明す
る。
【0012】本発明で用いられるPVAは、水溶液のコ
ーティング適性と得られる皮膜の酸素ガスバリヤー性の
点から重合度やけん化度の範囲が定められる。重合度に
ついては、低すぎると水溶液粘度は低く扱い易いがコー
ティングされた皮膜の酸素ガスバリヤー性が低下する。
また重合もしにくくなり、コスト高となる。高すぎると
水溶液粘度が高くなり、コーティングが困難となる。従
って平均重合度はバリヤー性から下限が300、コーテ
ィング適性から上限が1000であり、好ましくは30
0〜800、さらに好ましくは300〜500である。
けん化度については、95%未満では薄い皮膜の場合に
酸素ガスバリヤー性の改良不足となり、一方99.5%
を越えると水溶液を調製しにくくなり、調製できても経
時的にゲル化し易く、かなり低濃度の水溶液としなけれ
ばコーティングが困難となる。従ってけん化度は酸素ガ
スバリヤー性から下限が95%、コーティング適性から
上限が99.5%であり、好ましくは97〜99%であ
る。
【0013】PVA水溶液は通常表面張力が高いため、
少量の活性剤・レベリング剤あるいはアルコールなどを
活用してもよく、またコーターでの攪拌・循環などによ
り発泡しやすいため、消泡剤の活用をしても良い。
【0014】本発明の吸湿防止対策としては、コーティ
ング用のベースフィルムとして吸湿性の少ないフィルム
を使用し、かつPVAがコーティングされたフィルムを
ロール状で保管することである。従ってベースフィルム
には吸湿性の極めて小さいOPP、あるいは同様に小さ
いOPETを使用してPVAの吸湿を防ぐことが第一の
条件であり、そしてこのコーティングフィルムをロール
状に巻き取った状態で保管することが第二の条件とな
る。この状態ではロール端部からの吸湿もPVA層が薄
いためあまり考慮しなくても良いことが分かった。この
フィルムの最終的な使用方法としては、PVAコーティ
ング面にヒートシール樹脂のラミネート加工がなされ、
ヒートシール樹脂であるポリプロピレン(以下「CP
P」)あるいはポリエチレン(以下「PE」)等の層か
らも吸湿を防ぐことになるため、実用的にも特に大きな
問題はない。
【0015】本発明の酸素ガスバリヤー性フィルムの酸
素ガスバリヤー性を保つには、PVA層の吸湿を防止す
ることが重要であることはいうまでもない。包装される
内容物との関係では、乾燥・油もの食品であれば包装袋
内部が外部よりも低湿度のため外部からの吸湿を防止す
る目的で基材フィルムとしてOPPを採用することが好
ましく、内容物がハムのような高湿・油もの食品であれ
ば、ヒートシール樹脂層を通して吸湿したPVA層の水
分を包装袋外部に排出させやすいように基材フィルムと
してOPETを用いることが好ましい。
【0016】本発明の酸素ガスバリヤー性フィルムの製
造において、PVAコーティングOPPまたはOPET
をある期間保管し、次いで印刷し、ラミネートする間に
吸湿して、PVAの有する優れた酸素ガスバリヤー性が
低下する懸念がある。従って本発明においては前記フィ
ルムを前記のようにロール状巻物状態で巻き取る。巻き
取ったものはそのまま次工程まで保管される。この場
合、防湿包装を施して保管することが好ましい。なお、
PVAの吸湿は平衡吸湿量は大きいものの、吸湿速度は
遅く、加工中にも酸素ガスバリヤー性が低下するほど吸
湿することはなく、実用的には全く問題ない。
【0017】コーティングにより形成されるPVA層の
厚みに関しては、皮膜の硬さの軽減、前述のロール端部
からの吸湿防止という点から酸素ガスバリヤー性能を発
揮させる最小限の厚みがよく、1.7〜4μmの範囲、
好ましくは2〜3μmの範囲が適切である。
【0018】コーティング工程を経た後、コーティング
膜の乾燥工程でPVA水溶液は乾燥され、PVA皮膜が
形成される。乾燥温度は高い程良いが、通常基材フィル
ムの耐熱性に依存することからOPPを基材に用いた場
合は100℃程度、OPETを基材に用いた場合は約1
30〜150℃程度である。乾燥後、PVAコーティン
グOPPは前述の通りロール状に巻き取られる。
【0019】なお本発明で採用するコーティング法は特
に限定するものではなく、グラビアロールコーティング
法、リバースグラビアコーティング法、リバースロール
コーティング法、マイヤーバーコーティング法等を採用
し得る。
【0020】ついで、PVA皮膜の上にヒートシール樹
脂層が形成される。ヒートシール樹脂層の形成は、通常
押し出しラミネート法あるいはドライラミネート法によ
りなされる。
【0021】本発明で用いるヒートシール樹脂としては
HDPE,LDPE、LLDPEなどのポリエチレン樹
脂類、PP樹脂、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチ
レン・α−オレフィンランダム共重合体、アイオノマー
樹脂など、通常ヒートシール樹脂として使用されるもの
がそのまま使用できる。ヒートシール樹脂も塩素含有樹
脂でないものが使用後の焼却処理時の環境問題上から選
ばれる。
【0022】本発明により、安価で酸素ガスバリヤー性
に優れ、かつ燃焼排ガス中に塩化水素ガスを含まず、最
近問題になっている環境保全に対して有効な酸素ガスバ
リヤー性フィルムを提供できる。
【0023】
【実施例】次に本発明を以下の実施例、比較例を用いて
具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるもの
ではない。
【0024】(実施例1)表−1に示す各種PVAを用
い、レベリング剤としてサーフィノール440(日信化
学工業株式会社製)を0.1%、表面張力低下剤として
ドデシルベンゼンスルホン酸ソーダを1%添加した水中
にPVAを攪拌しながら徐々に投入し、均一に分散させ
たあと、約75℃に加熱して完全に溶解させた。次いで
濾過をしてから冷まし、20%のPVA水溶液を調製し
た。
【0025】
【表1】
【0026】20μmのOPPおよびOPETのコロナ
処理面にイソシアネート系プライマーをコーティング
後、グラビアコーターにて上記PVA溶液をコーティン
グし、乾燥してロール状に巻き取った。PVA番号〜
は問題なくコーティング可能であった。またはやや
高粘度であるが可能な範囲であった。コーティングされ
たPVA皮膜はいずれも2μmであった。
【0027】(実施例2)実施例1で得られたPVAコ
ーティングOPPおよびOPETの酸素透過量(O2
R)を測定した。なお巻き取りロールは温度20℃、相
対湿度65%の状態で3日間放置したものを用いた。ロ
ールからのサンプリングは室温で行い、測定器はモダン
コントロール社(米国)製「MOCON OX−TRA
N 100」を使用し、23℃,相対湿度75%にコン
トロールした雰囲気下で1時間かけて測定した。結果は
実施例1の試料番号に合わせて表−2に示す。O2TR
の単位は{cc/(m2・24hr・atm)}であ
る。PVA番号、およびが本発明の実施例に相当
する。
【0028】
【表2】
【0029】以上の結果から、ロール状に巻き取られた
PVAコーティングOPP、OPETを製造したあと、
印刷、ラミネート等の加工にかかるまでの通常の期間お
よび加工に要する時間程度では、酸素ガスバリヤー性に
影響することはないといえる。
【0030】(実施例3)実施例1で得られたPVAコ
ーティングOPP、OPETの巻き取りロールをOPP
で簡易包装をし、20℃、相対湿度65%中に1週間放
置したあと、PVA面にイソシアネート系プライマーを
コーティング後、15μmのPEを押し出しながら30
μmのCPPと押し出しラミネート(サンドラミネーシ
ョン)を行った。得られたラミネートフィルムからO2
TR測定用のサンプルをサンプリングし、30℃,相対
湿度80%の雰囲気下に1ヶ月放置した。そしてO2
Rを前記「MOCON OX−TRAN 100」を用
い、23℃,相対湿度75%の雰囲気下で1時間かけて
測定した。またWVTRはJIS Z0208に準じカ
ップ法にて放置条件と同じ30℃,相対湿度80%の雰
囲気下で1週間かけて測定した。結果は実施例1の試料
番号に合わせて表ー3に示す。なお表中のO2TRの単
位は{cc/(m2・24hr・atm)}であり、W
VTRの単位は{g/(m2・24hr)}である。
【0031】
【表3】
【0032】(実施例4)実施例として表−3のPVA
を用いたフィルム、比較例としてPVDCコーティン
グOPP、EVOHコーティングOPP、OPET、O
PPの6種類のフィルムに40μmのLDPEをドライ
ラミネートし、これらのラミネートフィルムで食品を包
装し、保存テストを行った。食品としては乾燥・油もの
の代表としてピーナッツ、高湿・油もの食品としてスラ
イスハムを用いた。結果を表ー4および5に示す。ピー
ナッツの保存雰囲気は30℃、相対湿度80%、暗所で
あり、保存期間は1カ月である。表ー4中のPOVはピ
ーナッツの酸化された程度の指標となる過酸化物価を示
し、官能検査とは実際に食べてみての美味しさ(○:美
味,×:美味でない)を示す。またスライスハムの保存
雰囲気は20℃、相対湿度65%、1500ルックスの
蛍光灯下であり、酸化によるハムの色の変化を調べた。
【0033】
【表4】
【0034】
【表5】
【0035】表−4から明らかなように、ピーナッツの
ような乾物の包装には本発明の酸素ガスバリヤー性フィ
ルムの内、OPPを基材とするものがOPP/PVDC
を用いたフィルムよりも好ましく、一方スライスハムの
ような高湿ものの包装にはOPETを基材とするものが
OPET/EVOHやOPP/PVDCよりも好ましい
ことが分かる。従って、本発明の酸素ガスバリヤー性フ
ィルムも内容物により、選択して用いることが好まし
い。
【0036】
【発明の効果】上記のように本発明で提供されるフィル
ムは非常に優れた酸素ガスバリヤー性を有することが分
かる。またフィルムの製造途中段階においてもロール状
に巻き取られているので、次工程の印刷やヒートシール
樹脂層のラミネート加工までに多少の放置期間が有って
も、吸湿を防ぐことができる。また、本発明の酸素ガス
バリヤー性フィルムにはガスバリヤー層としてPVDC
等の含ハロゲン樹脂を使用していないので、焼却の際に
も環境に悪影響を及ぼす塩化水素ガスを発生しない。
フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 B29L 9:00 4F (72)発明者 藤田 雅巳 京都府宇治市宇治樋ノ尻31番地3 ユニチ カ株式会社宇治プラスチック工場内 (72)発明者 前田 靖寿 京都府宇治市宇治樋ノ尻31番地3 ユニチ カ株式会社宇治プラスチック工場内

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 二軸延伸ポリプロピレンフィルムまたは
    二軸延伸ポリエステルフィルムの片面に、重合度300
    〜1000、けん化度95〜99.5%のポリビニルア
    ルコールの皮膜が1.7〜4μmの厚みに形成され、か
    つロール状に巻き取られてなる酸素ガスバリヤー性フィ
    ルム。
  2. 【請求項2】 二軸延伸ポリプロピレンフィルムまたは
    二軸延伸ポリエステルフィルムの片面に、重合度300
    〜1000、けん化度95〜99.5%のポリビニルア
    ルコールの水溶液をコーティングし、乾燥させ、厚み
    1.7〜4μmのポリビニルアルコール皮膜を形成させ
    た後、冷却してロール状に巻き取ることを特徴とする酸
    素ガスバリヤー性フィルムの製法。
  3. 【請求項3】 二軸延伸ポリプロピレンフィルムまたは
    二軸延伸ポリエステルフィルムの片面に重合度300〜
    1000、けん化度95〜99.5%のポリビニルアル
    コールの皮膜が1.7〜4μmの厚みに形成され、さら
    に該ポリビニルアルコール皮膜の上にヒートシール樹脂
    層が設けられてなる酸素ガスバリヤー性フィルム。
JP5020845A 1992-05-16 1993-01-14 酸素ガスバリヤ−性フィルムおよびその製法 Pending JPH0632924A (ja)

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