JPH06329108A - ロープ締め付け装置、および、ロープの結び合わせ方法 - Google Patents

ロープ締め付け装置、および、ロープの結び合わせ方法

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JPH06329108A
JPH06329108A JP11671093A JP11671093A JPH06329108A JP H06329108 A JPH06329108 A JP H06329108A JP 11671093 A JP11671093 A JP 11671093A JP 11671093 A JP11671093 A JP 11671093A JP H06329108 A JPH06329108 A JP H06329108A
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rope
pair
winding
tightening device
tension
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Zenjiro Nakazato
善二郎 仲里
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 一対のロープ端を内側に付勢して張力を付与
するロープ締め付け装置に関し、操作が容易で、作業中
に、一対のロープ端の張力レベルを操作の手応えから容
易に認知でき、1mと言ったかなり大きな締め込み量も
許容できるロープ締め付け装置を提供することを目的と
する。 【構成】 一対のロープ端11A、11Bを内側に付勢
して、一対のロープ端11A、11Bに張力を付与す
る。重ね合わせ部分を挟む一方の側で、他方の側から延
長したロープを拘束する拘束手段12と、一方向に回転
を許可された状態で一方の側から延長したロープを巻き
上げ可能な巻き取り手段13と、巻き取り手段13に対
して、一方向に回転を許可された状態でロープ巻き上げ
用のトルクを付与するレバー手段14と、を有する構成
とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、一対のロープ端を内側
に付勢して張力を付与するロープ締め付け装置、およ
び、一対のロープ端を締め付け状態で相互に結び合わせ
るロープの結び合わせ方法に関する。
【0002】
【従来の技術】植木の移植に伴う根回し処理、わら束や
落とし枝の結束、トラックの荷台に搭載した貨物のシー
ト掛け作業、台風準備に伴う民家の屋根の固定作業、建
築中の建物の保護やコンクリート養生に伴うシート掛け
作業、イベントに伴うポールや支柱の固定作業、比較的
に大型の荷物の荷造り等においては、対向する反対方向
から延長して重ね合わせた一対のロープ端が、張力を付
与した状態で、相互に結び合わされる。
【0003】これらの作業は、従来は、専ら、複数の人
手による協同作業を通じて遂行されており、適正な張力
を付与した状態で結び目を形成するにはかなりの熟練と
体力が要求され、作業者や作業状態が異なると張力の値
が大幅に変動する。
【0004】例えば、植木の移植に伴う根回し〜堀り上
げ作業では、植木の根本回りに一周の溝を形成して余分
な根が切断され、相当量の土塊を根株に抱かせた状態で
周囲をござやビニールシートで被覆する。そして、その
外側から縦横にロープを巻き回し、ロープ端を根株の反
対方向から引き伸ばして、内側に向かって付勢した状態
で、ロープ端を相互に結び合わせる。
【0005】この作業は、背丈数m程度の植木であれ
ば、1人の作業者だけで実行可能であるが、樹木が大型
化して根株と一緒に結束する土塊量が増すと、作業が著
しく困難になり、2〜3人の作業者による協同作業が必
要となる。
【0006】何故なら、根回し〜堀り上げ作業を通じた
根株の結束が不十分であると、土塊の重量が根に直接作
用して根を傷めたり、運搬中に土塊が崩れて、移植作業
を停滞させたり、移植後の樹勢を損なわせる等の問題が
発生するからである。
【0007】一方、根回し〜堀り上げ作業が済んでしま
えば、クレーンや適当な建設機械を操作して、1人で、
トラック積込み、運搬、荷降ろし、植え込み、根鉢の結
束の解除等を行うことも可能である。従って、根回し〜
堀り上げ作業が樹木の移植に必要な人員の削減を困難に
している。
【0008】図5は、一対のロープ端を内側に付勢して
張力を付与するために、従来使用されていた器具の説明
図である。
【0009】図5において、相互に逆向きのねじ部51
A、53Aを設けた鉤部51、53は、本体52の両端
部にねじ込まれている。この状態で、本体52を一方の
方向に回転させると、鉤部51、53は相互に接近し、
本体52を他方の方向に回転させると、鉤部51、53
は相互に遠ざかる。
【0010】被結束物を周回させて対向する反対側から
伸ばした一対のロープ端は、それぞれ、鉤部51、53
に結び合わされる。そして、この状態で、本体52の空
洞部52Aに棒等を挿入して、本体52を一方の方向に
回転させれば、鉤部51、53が相互に接近して、一対
のロープ端が内側に付勢されて、大きな張力が付与され
る。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】図5の従来使用されて
いた器具では、(1) 一対のロープ端に所定レベルの張力
を付与するまでに長時間を要する、(2) 操作に手間がか
かる、(3) 締め込み可能な距離が小さい、(4) 器具を被
結束物の表面にそのまま残す必要がある、(5) 水分や土
砂の多い環境ではトラブルを起こし易い、等の問題があ
る。
【0012】すなわち、図5の従来使用されていた器具
では、本体52の1回転に伴なう締め付け量が小さく、
一対のロープ端に所定レベルの張力を付与するまでに、
本体52を何回も回転させる必要がある。また、本体5
2を回転させると、ねじ部51A、53Aの摩擦力が鉤
部51、53に不要なねじり力を作用するから、本体5
2を回転する際には、鉤部51、53を、回転しないよ
うに押さえておく必要がある。
【0013】さらに、ねじ部51A、53Aの先端が接
触すると、それ以上の締め込みは不可能になるから、可
能な締め込み量は、最大限、本体52の空洞部52Aの
長さに留まり、数10cm〜1mもの締め込みを必要と
する用途には利用できないことになる。また、本体52
を回転させる力の少なくない部分がねじ部51A、53
Aの摩擦力に費やされるので、本体52を回転させる手
応えからは、ロープが十分に締め付けられたか確認でき
ず(一対のロープ端に付与された張力のレベルを認知で
きず)、締め込み不足や締め込み過剰を起こし易い。
【0014】本発明は、操作が容易で、作業中に、一対
のロープ端の張力レベルを操作の手応えから容易に認知
でき、1mと言ったかなり大きな締め込み量も許容でき
るロープ締め付け装置、および、このロープ締め付け装
置を使用したロープの結び合わせ方法を提供することを
目的とする。
【0015】
【課題を解決するための手段】図1は本発明の基本的な
構成の説明図である。図1において、請求項1のロープ
締め付け装置は、対向する反対方向から延長して重ね合
わせた一対のロープ端11A、11Bを内側に付勢し
て、一対のロープ端11A、11Bに張力を付与するロ
ープ締め付け装置において、前記重ね合わせ部分を挟む
一方の側で、他方の側から延長したロープを拘束する拘
束手段12と、前記拘束手段12に対して対抗可能に配
置され、前記重ね合わせ部分を挟む他方の側で、一方向
に回転を許容された状態で、一方の側から延長したロー
プを巻き上げ可能な巻き取り手段13と、該巻き取り手
段13に対して、一方向に回転を許容された状態で、ロ
ープ巻き上げ用のトルクを付与するレバー手段14と、
を有するものである。
【0016】請求項2のロープ締め付け装置は、対向す
る反対方向から延長して重ね合わせた一対のロープ端を
内側に付勢して張力を付与するロープ締め付け装置にお
いて、枠体に、間隔を置いて平行に配置した一対の巻き
取りドラムと、前記一対の巻き取りドラムのそれぞれに
設けられ、前記ロープ端を拘束して前記ドラム表面にロ
ープを追従させる拘束手段と、前記一対の巻き取りドラ
ムのそれぞれに設けられ、前記枠体に対する前記巻き取
りドラムの一方向の回転を阻止可能な阻止手段と、前記
一対の巻き取りドラムのそれぞれに設けられ、その揺動
動作を前記枠体に対する前記巻き取りドラムの回転力に
変換するレバー手段と、を有するものである。
【0017】請求項3のロープの結び合わせ方法は、対
向する反対方向から延長して重ね合わせた一対のロープ
端を、張力を付与した状態で、相互に結び合わせるロー
プの結び合わせ方法において、(1) 前記一対のロープ端
を少なくとも1回撚り合わせて重ね合わせ、(2) 軸間隔
を固定された一対の巻き取りドラムに、前記一対のロー
プ端をそれぞれ拘束し、(3) 前記一対の巻き取りドラム
をそれぞれ回転し、前記一対のロープ端を巻き上げて張
力を付与し、(4) 前記一対のロープ端の撚り合わせ部分
を線材で縛って仮止めし、(5) 前記巻き取りドラムに対
する前記一対のロープ端の拘束を解除し、(6) 仮止めし
た部分の上で前記一対のロープ端を結び合わせる方法で
ある。
【0018】
【作用】本発明のロープ締め付け装置は、天然繊維、合
成繊維、樹脂線材、金属線等を撚り合わせて形成される
各種のロープはもちろん、フレキシブルで巻き取りが可
能な広義のロープ、すなわち、樹脂線材、金属線の単
線、鎖等に対しても張力を付与できる。そして、張力を
付与した状態でこれらのロープを相互に(または共通な
定着物にそれぞれ)固定することによって、ロープ締め
付け装置を取り外し可能にする。
【0019】ロープの固定には、各種の結び合わせ、ア
ルミニウムや銅のリングを塑性変形して締め付ける圧
着、接着材による接着結合、熱溶着(樹脂ロープの場
合)、ロウ付け(ワイヤロープの場合)、リングとフッ
クを用いた掛け合わせ、摩擦リング、共通な板への釘
(針)打ちによるロープ端の固定、針金や糸による縛り
合わせ等の手法を利用できる。
【0020】本発明のロープ締め付け装置は、1本のロ
ープの両端、または、それぞれ一端を固定した2本のロ
ープの別端同士等で構成される一対のロープ端に張力を
付与して、そのまま位置関係を固定する用途に使用され
る。そして、一対のロープ端の少なくとも一方を人力に
よって巻き上げるが、このロープ端の巻き上げは、操作
者がレバー手段を揺動させた際に、その揺動の往復行程
の片行程で行われる。
【0021】図1において、請求項1のロープ締め付け
装置では、被結束物を周回させる等して対向する反対側
から伸ばした一対のロープ端11A、11Bに、内向き
の張力が付与される。
【0022】拘束手段12は、ロープ端11Aを拘束し
て、巻き取り手段13がロープ端11Bを巻き取る際に
発生する、ロープ端11Aを他方の側へ移動しようとす
る力に抵抗する。拘束手段12は、ロープ端11Aの単
なるクランプ機構や引っ掛け機構でも構成できるが、ロ
ープ端11Aを積極的に一方の側に移動して張力を付与
する機構(例えば巻き取り手段13)としてもよい。
【0023】巻き取り手段13は、少なくともロープ端
11Bを巻き上げる際には、巻き上げ方向にのみ回転可
能で、巻き取り手段13に対して巻き上げ方向の力が全
く作用していない状態でも、ロープ端11Bが一方の側
に引っ張られて移動しないで済む。
【0024】巻き取り手段13は、円形、方形、楕円形
等の断面を有するドラム、複数本の棒を連結した糸巻き
やつづみ構造で構成できる。巻き取り手段13を1方向
にのみ回転可能にするための機構は、つめとつめ歯車、
板ばねとつめ歯車、各種のラチェット機構等で構成でき
る。
【0025】巻き取り手段13と拘束手段12は、例え
ば両者の間隔を固定した関係に配置され、少なくとも巻
き取り手段13がロープ端11Bを巻き上げる際には、
相互に対抗して突張り合い、一対のロープ端11A、1
1Bが作用する外向きの力に抵抗する。
【0026】レバー手段14は、操作者によって揺動さ
れ、揺動の往復行程の片行程で巻き取り手段13にトル
クを伝達して、巻き取り手段13を前記の巻き上げ方向
に回転させ、ロープ端11Bを巻き取り手段13に巻き
取らせる。
【0027】レバー手段14は、操作者が巻き上げの手
応えから一対のロープ端11A、11Bの張力状態を認
知することを可能にする。しかし、拘束手段12と巻き
取り手段の対抗力を計測する手段(ばね量り等)を設け
て、張力状態を正確に識別できるようにしてもよい。レ
バー手段14は、トルクが大きい分、巻き取り手段13
を巻き上げる速度が比較的に遅いから、巻き上げ初期の
低トルク段階では、補助ハンドルを取り付けて、巻き取
り手段13を直接回転させてもよい。
【0028】請求項2のロープ締め付け装置では、請求
項1の拘束手段12が、巻き取り手段13で構成され、
一対の巻き取りドラムを用いて、一対のロープ端11
A、11Bをそれぞれ並行して巻き上げる。
【0029】一対の巻き取りドラムは、枠体にそれぞれ
回転可能に取り付けられている。枠体は、一対の巻き取
りドラムを間隔を隔てて平行に保持し、巻き上げられた
一対のロープ端が一対の巻き取りドラムを外向きに付勢
して発生する引っ張り力に抵抗する。
【0030】拘束手段は、例えば、巻き取りドラムの表
面や枠部に配置した溝、鉤、引っ掛けリング、突起等で
構成される。拘束手段は、巻き取りドラムの表面に対す
るロープ端の位置関係を固定し、巻き取りドラムの回転
に伴わせて、ロープ端を巻き取りドラムに周回させる。
【0031】阻止手段は、巻き取りドラムに対して巻き
上げ方向のトルクを全く作用させない状態でも、一対の
ロープ端の張力が駆動する、巻き取りドラムの張力を減
じる方向の回転を阻止する。阻止手段は、つめとつめ歯
車、板ばねとつめ歯車、各種のラチェット機構等、回転
可能な物体に1方向の回転のみを許可する種々の機構に
よって構成される。
【0032】一対のレバー手段および巻き取りドラム
は、好ましくは、一対のレバー手段を同時に内向き(ま
たは外向き)に揺動した際に、一対の巻き取りドラムが
それぞれのロープ端を巻き上げ得るように配置され、巻
き取りドラムと阻止手段の組合せが設定される。
【0033】レバー手段の揺動のストロークを巻き取り
ドラムの必要な回転力に変換する機構は、回転可能な物
体に1方向の回転のみを許可する公知な機構によって構
成される。
【0034】請求項3のロープの結び合わせ方法では、
請求項2のロープ締め付け装置を用いて一対のロープ端
が相互に結び合わせられる。
【0035】一対のロープ端を1回以上撚り合わせた状
態で、それぞれのロープ端が巻き取りドラムに巻き上げ
られて、一対のロープ端に内向きの張力が付与される。
続いて、一対のロープ端の撚り合わせ部分を仮止めした
状態で、ロープ締め付け装置が取り外される。そして、
仮止めした部分の上でさらに一回結び目を形成すること
によって一対のロープ端が相互に結び合わせられる。
【0036】
【実施例】図2は第1実施例のロープ締め付け装置の構
成の説明図、図3は図2のロープ締め付け装置を用いた
ロープ結び合わせ方法の説明図である。図2中、(a) は
平面図、(b) は側面図である。図3中、(a) は巻き上げ
前、(b) は巻き上げ中、(c) は巻き上げ後を示す。
【0037】ここでは、巻き取りドラムを含む左右の機
構部分が同一に構成され、一対のレバーの外向きの揺動
が一対の巻き取りドラムの回転に変換されて、一対のロ
ープ端が同時に巻き上げられる。
【0038】図2(a) 、(b) において、巻き取りドラム
22Bを含む右側の機構部分のそれぞれの構成部材に関
しては、巻き取りドラム22Aを含む左側の機構部分と
A、Bを異ならせた符合を付与して、詳細な説明を省略
する。
【0039】巻き取りドラム22Bの軸29Bを回転可
能に支持する枠部材21Bと、巻き取りドラム22Aの
軸29Aを回転可能に支持する枠部材21Aとは、3本
の梁部材20A、20B、20Cで連結される。
【0040】枠部材21Aに回転可能に支持された軸2
9Aには、巻き取りドラム22Aおよびつめ歯車24A
が固定され、一緒に回転する。一方、レバー27Aは、
軸29Aに回転可能に支持されており、レバー27Aに
回転可能に支持されたつめ26Aを介してのみ、レバー
27Aからつめ歯車24Aへのトルク伝達が可能であ
る。
【0041】枠部材21Aに回転可能に支持された別の
つめ25Aは、枠部材21Aに対する巻き取りドラム2
2Aの回転を1方向にのみ、すなわち、巻き取りドラム
22Aの外側部分を下向きに付勢する方向にのみ許可す
る。しかし、レバー27Aを下向きに押し下げて、つめ
26Aを介してつめ歯車24Aにトルクを作用させた状
態で、つめ歯車24Aに対するつめ25Aの引っ掛かり
状態を解除すれば、逆方向(巻き取りドラム22Aの外
側部分を上向きに付勢する方向)にも、巻き取りドラム
22Aを回転させ得る。
【0042】レバー27Aは、外側に向かって押し下げ
られる過程で、つめ26A、つめ歯車24Aを介して、
巻き取りドラム22Aに、ロープ巻き上げ用の回転トル
クを及ぼす。一方、内側に向かって持ち上げられる過程
では、つめ25Aが停止させたつめ歯車24Aの歯面で
つめ26Aを滑らせて、巻き取りドラム22Aに回転ト
ルクを及ぼさない。
【0043】レバー27Aの先端に設けた把手28A
は、操作者に把握され、その揺動操作を受け入れる。巻
き取りドラム22Aに設けた突起部23Aは、巻き上げ
るロープ端を巻き取りドラム22Aの表面に固定する際
に使用される。つめ26Aの特異な形状は、レバー27
Aの揺動範囲のすべての位置で、つめ26Aによるつめ
歯車24Aの歯面を押圧する力を確保させる。
【0044】図3(a) において、ロープ端31A、31
Bは、被結束物を複数回に渡って縦横に周回させた1本
のロープのそれぞれの端部である。被結束物の左右の端
から延長したロープ端31A、31Bは、中央で1m余
りを重ね合わせ、重ね合わせの中央で1回撚り合わせを
形成してある。
【0045】図3(b) において、(a) の撚り合わせ部分
の上に、ロープ締め付け装置30が置かれる。そして、
ロープ端31Aは、突起部23Bにからめて巻き取りド
ラム22Bの表面に固定され、ロープ端31Bは、突起
部23Aにからめて巻き取りドラム22Aの表面に固定
される。
【0046】続いて、操作者は、レバー27A、27B
を両手に把持して左右対称な形式で揺動させ、巻き取り
ドラム22A、22Bにロープ端31A、31Bをそれ
ぞれ巻き上げる。操作者は、レバー27A、27Bを揺
動する手応えが適当な水準に達するまで、ロープ端31
A、31Bの張力を上昇させ続ける。
【0047】図3(c) において、ロープ端31A、31
Bの張力が適当な水準に達した段階で図3(b) のロープ
締め付け装置30の操作が停止される。そして、ロープ
締め付け装置30が張力を作用させたままの状態で、ロ
ープ端31A、31Bの撚り合わせ部分が番線(針金)
32で仮止めされる。ロープ端31A、31Bの撚り合
わせ部分に番線32が複数回に渡って周回され、番線3
2は、工具33で絞られて撚り合わせ部分を強く圧縮す
る。
【0048】その後、操作者は、図2のつめ歯車24A
とつめ25Aの噛み合わせを解除して、巻き取りドラム
22Aによるロープ端31Bの付勢状態を解除して、突
起部23Aによる拘束を開放する。同様に、巻き取りド
ラム22Bからもロープ端31Aが開放され、一対のロ
ープ端31A、31Bの撚り合わせ部分を番線32で仮
止めした状態で、ロープ締め付け装置30が取り外され
る。
【0049】そして、操作者は、番線32の仮止め上で
さらに1回以上結び目を形成して、ロープ端31A、3
1Bを強固に結び合わせる。結び合わせ後は、番線32
を切断して除去してもよく、そのまま残してもよい。
【0050】図3(a) 〜(c) の操作手順に従えば、ロー
プ締め付け装置30による内側向きの引っ張りを解除す
ることも、獲得した張力を緩めることもなく、一対のロ
ープ端31A、31Bに強固な結び合わせを形成でき
る。
【0051】第1実施例では、つめ歯車24Aの歯面に
対するつめ25A、26Aの付勢を専らつめ25A、2
6Aに作用する重力に頼ったが、つめ25A、26Aを
ばねで付勢してつめ歯車24Aの歯面に追従させる構成
を採用してもよい。また、工具等に広く利用されるラチ
エット機構を利用して、1方向に回転を拘束するそれぞ
れの機構(巻き取りドラム−枠部材、巻き取りドラム−
レバー)を構成してもよい。
【0052】第1実施例では、レバーを左右対称な形式
で下向きに揺動させる過程でロープ端を巻き上げたが、
これ以外の形式、例えば、左右対称でない形式、上向き
に揺動させる過程でロープ端を巻き上げる形式等に構成
してもよい。
【0053】第1実施例では、一対のロープ端を結び合
わせて固定したが、ロープ締め付け装置30の用途はこ
れに限定されず、接着、熱圧着、特別な摩擦リングにロ
ープ端をからませる等の手法を利用して、一対のロープ
端を固定する方法にも同様に利用できる。
【0054】図4は第2実施例のロープ締め付け装置の
構成の説明図である。ここでは、第1実施例のロープ締
め付け装置の機構の半分を利用した形式でロープ締め付
けを行う。
【0055】図4において、枠部材41の一方の側に
は、固定側把手49が固定され、他方の側には、引っ掛
け溝41Aおよびスライド溝41Bが形成される。枠部
材41の一方の側に回転可能に設けた巻き取りドラム4
2は、ソケットレンチやバルブレンチに採用されるもの
と同形式のラチエット機構を2組内蔵する。
【0056】ラチエット機構の1組は、枠部材41に対
する巻き取りドラムの回転を1方向に拘束する。また、
別の1組は、軸49の左回り方向(正面から見て)の回
転に追従させて巻き取りドラム42を回転駆動するが、
軸49の右回り方向の回転に対しては、空転してトルク
を伝達しない。
【0057】レバー47は、軸49に固定されており、
従って、レバー47を揺動させた際のレバー47を持ち
上げる過程は巻き取りドラム42を回転させるが、レバ
ー47を押し下げる過程は巻き取りドラム42にトルク
を及ぼさない。
【0058】固定側把手49は、揺動側把手48を揺動
させる際に、枠部材41を一定の姿勢に保持し、揺動側
把手48を揺動する際に力を入れ易くする。巻き取りド
ラム42の表面には、平面形状が三角形の引っ掛け溝4
3が形成される。
【0059】第2実施例のロープ締め付け装置では、ま
ず、右側から左側に向かって延長したロープ端31Bの
先端に形成した結び目31bを、枠部材41の引っ掛け
溝41Aに引っ掛けて固定する。
【0060】次に、左側から右側に向かって延長したロ
ープ端31Aの先端に形成した結び目31aを、巻き取
りドラム42の引っ掛け溝43に挿入して、巻き取りド
ラム42の表面にロープ端31Aを追従させ、揺動側把
手48を複数回に渡って揺動させることにより、ロープ
端31Aを巻き取りドラム42に巻き上げる。
【0061】一対のロープ端31A、31Bは、図3
(a) と同様に、中央に撚り合わせを設けて重ね合わされ
ており、撚り合わせは、枠部材41に設けたスライド溝
41Bと案内棒41Cとによって、枠部材41の内側に
位置決めされる。すなわち、巻き取りドラム42にロー
プ端31Aを巻き上げると、撚り合わせ部分が巻き取り
ドラム42の方向に引っ張られて移動するが、案内棒4
1Cに引っ掛かってこれを越えることはない。また、ロ
ープ端31Aをスライド溝41Bに落とし込んでいるか
ら、撚り合わせ部分が枠部材41に接近し過ぎて仮止め
作業に支障をきたすこともない。
【0062】第2実施例のロープ締め付け装置では、図
3と同様な結び合わせの手順を利用できる。すなわち、
一対のロープ端に張力を付与した状態で、撚り合わせ部
分を番線で仮止めし、その後、ロープ締め付け装置を取
り外し、仮止めの上に1回以上の結び目を形成して、一
対のロープ端の位置関係を固定する。
【0063】第2実施例のロープ締め付け装置は、ま
た、図4の下部に示すような比較的に小型の被結束物3
6Gを結束する際にも使用される。被結束物36Gを周
回させたロープ36Aの一端に形成した結び目を、枠部
材41の引っ掛け溝41Aに引っ掛けて固定する一方、
この一端に撚り合わせたロープ36Aの他端を、巻き取
りドラム42に巻き上げる。この方法によって、重量5
00〜1500kgの荷物でも、1人で結束して荷作りで
きる。
【0064】第2実施例のロープ締め付け装置は、第1
実施例のロープ締め付け装置の巻き上げ機構をそのまま
利用する形式でも構成できる。すなわち、図1の枠部材
21Aに含まれる機構部分を取り除き、中側の梁部材2
0Bも取り除き、左方向に延長された梁部材20A、2
0Cの先端側を相互に溶接して、先端に垂直な引っ掛け
棒を溶接する。
【0065】ロープの一端は、引っ掛け棒に結び付けら
れ、ロープは、図4の下部に示されるように被結束物の
回りを周回され、ロープの他端の20cmを折り返して
撚り合わせた引っ掛け輪が突起部23Bに引っ掛けられ
て、その後、把手28Bが揺動されて、ロープの他端が
巻き取りドラム22Bに巻き上げられる。
【0066】第2実施例のロープ締め付け装置によれ
ば、例えば、台風に対する準備等において、地面に差し
込んだ杭に一m程度のロープを結び付けておき、このロ
ープ端に、建物の屋根やわら束の山を越えて延長した別
の長いロープのロープ端を結び付ける場合に有利であ
る。すなわち、短いロープを巻き上げることなく、長い
ロープのみを巻き上げて、最終的に必要な所定の張力レ
ベルを確保させる。
【0067】
【発明の効果】請求項1のロープ締め付け装置によれ
ば、図5の従来使用されていた器具に比較して、(1) 一
対のロープ端に所定レベルの張力を付与するまでの時間
が短くて済む、(2) 操作が容易で、大型の被結束物の場
合でも1人で荷作り〜ロープ巻き回しを実施できる、
(3) 締め込み可能な距離が大きく、1m以上の締め込み
も可能である、(4) 水分や土砂の多い環境でも信頼性高
く使用できる、(5) レバー手段の手応えからロープの張
力をかなり正確に認知でき、適正な締め込み張力を設定
し得る、各利点がある。
【0068】そして、1人作業でも、500〜1000
kgと言った強い締め付け力を発生して、そのまま維持し
た状態で結び合わせを残すことができる。従って、無駄
な締め付けで被結束物を破損したり、結び合わせ時に締
め付け力が失われて結束状態が緩み、荷崩れを起こす等
の事故が防止できる。
【0069】請求項2のロープ締め付け装置によれば、
一対の巻き取りドラムで並行して巻き上げを行うから、
巻き取りドラムが1個の場合に比較して、一対のロープ
端に所定レベルの張力を付与するまでの時間が短くて済
む。また、一対のロープ端を重ねて撚り合わせを形成し
た際に、巻き上げに伴う撚り合わせの移動量を一対の巻
き取りドラムで相殺でき、一対の巻き取りドラムの回転
量の調整を通じて、撚り合わせを任意の位置に案内する
こともできる。
【0070】さらに、一対のロープ端における巻き上げ
量のバランスを調整できるから、一対のロープ端の両方
を巻き上げて必要な張力を付与する過程で、一対のロー
プ端の結び目や連結位置を任意の位置に誘導できる。
【0071】請求項3のロープの結び合わせ方法によれ
ば、結び目を解除すれば、何回でも同じロープの同じ場
所を再利用でき、荷作り〜ロープ巻き回し等、最終的に
一対のロープ端を結合する作業のやり直しが容易であ
る。
【0072】また、一対のロープ端の結合部分に図5の
ような器具や図2、図3のような装置を残す必要がな
く、従って、図2、図3のような装置を1台用いて、多
数の結び合わせを順番に1人で実行できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の基本的な構成の説明図である。
【図2】第1実施例のロープ締め付け装置の構成の説明
図である。
【図3】ロープ結び合わせ方法の説明図である。
【図4】第2実施例のロープ締め付け装置の構成の説明
図である。
【図5】従来使用されていた器具の説明図である。
【符号の説明】
12 拘束手段 13 巻き取り手段 14 レバー手段 11A、11B ロープ端

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 対向する反対方向から延長して重ね合わ
    せた一対のロープ端(11A、11B)を内側に付勢し
    て、一対のロープ端(11A、11B)に張力を付与す
    るロープ締め付け装置において、 前記重ね合わせ部分を挟む一方の側で、他方の側から延
    長したロープを拘束する拘束手段(12)と、 前記拘束手段(12)に対して対抗可能に配置され、前
    記重ね合わせ部分を挟む他方の側で、一方向に回転を許
    可された状態で、一方の側から延長したロープを巻き上
    げ可能な巻き取り手段(13)と、 該巻き取り手段(13)に対して、一方向に回転を許可
    された状態で、ロープ巻き上げ用のトルクを付与するレ
    バー手段(14)と、を有することを特徴とするロープ
    締め付け装置。
  2. 【請求項2】 対向する反対方向から延長して重ね合わ
    せた一対のロープ端を内側に付勢して張力を付与するロ
    ープ締め付け装置において、 枠体に、間隔を置いて平行に配置した一対の巻き取りド
    ラムと、 前記一対の巻き取りドラムのそれぞれに設けられ、前記
    ロープ端を拘束して前記ドラム表面にロープを追従させ
    る拘束手段と、 前記一対の巻き取りドラムのそれぞれに設けられ、前記
    枠体に対する前記巻き取りドラムの一方向の回転を阻止
    可能な阻止手段と、 前記一対の巻き取りドラムのそれぞれに設けられ、その
    揺動動作を前記枠体に対する前記巻き取りドラムの回転
    力に変換するレバー手段と、を有することを特徴とする
    ロープ締め付け装置。
  3. 【請求項3】 対向する反対方向から延長して重ね合わ
    せた一対のロープ端を、張力を付与した状態で、相互に
    結び合わせるロープの結び合わせ方法において、 (1) 前記一対のロープ端を少なくとも1回撚り合わせて
    重ね合わせ、 (2) 軸間隔を固定された一対の巻き取りドラムに、前記
    一対のロープ端をそれぞれ拘束し、 (3) 前記一対の巻き取りドラムをそれぞれ回転し、前記
    一対のロープ端を巻き上げて張力を付与し、 (4) 前記一対のロープ端の撚り合わせ部分を線材で縛っ
    て仮止めし、 (5) 前記巻き取りドラムに対する前記一対のロープ端の
    拘束を解除し、 (6) 前記仮止め上で前記一対のロープ端を結び合わせ
    る、ことを特徴とするロープの結び合わせ方法。
JP11671093A 1993-05-19 1993-05-19 ロープ締め付け装置、および、ロープの結び合わせ方法 Pending JPH06329108A (ja)

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPWO2018220767A1 (ja) * 2017-05-31 2020-04-09 学校法人慶應義塾 インナーチューブ
JP2021075834A (ja) * 2019-11-12 2021-05-20 カール マイヤー ロータル ソチエタ レスポンサビリタ リミタータ ロープ結び装置

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