JPH06328453A - トグル式型締装置 - Google Patents

トグル式型締装置

Info

Publication number
JPH06328453A
JPH06328453A JP32343391A JP32343391A JPH06328453A JP H06328453 A JPH06328453 A JP H06328453A JP 32343391 A JP32343391 A JP 32343391A JP 32343391 A JP32343391 A JP 32343391A JP H06328453 A JPH06328453 A JP H06328453A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
mold clamping
time
toggle mechanism
toggle
process time
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP32343391A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH07100327B2 (ja
Inventor
Sumio Sato
澄夫 佐藤
Kazuhiro Ikeda
和弘 池田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Niigata Engineering Co Ltd
Original Assignee
Niigata Engineering Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Niigata Engineering Co Ltd filed Critical Niigata Engineering Co Ltd
Priority to JP32343391A priority Critical patent/JPH07100327B2/ja
Publication of JPH06328453A publication Critical patent/JPH06328453A/ja
Publication of JPH07100327B2 publication Critical patent/JPH07100327B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Abstract

(57)【要約】 【構成】 トグル機構4のクロスヘッド15に位置検出
器21を設け、これによって検出されたクロスヘッド1
5の検出位置DEを位置比較器22により、予め設定さ
れた型締力発生開始位置S1および型締完了位置S2と比
較して、時間計測器25により型締時の実工程時間Bを
計測する。この実工程時間Bを時間比較器26によって
予め設定された、潤滑状態が良好な場合の工程時間に基
づく基準工程時間Aと比較して、実工程時間Bがこれを
超えた場合に、警報出力回路28により警報表示して作
業者に給油を促したり、自動給油装置により連結部に給
油を施す。 【効果】 トグル機構4の連結部の潤滑状態をリアルタ
イムで検出することができ、作業者が気づかないうちに
この潤滑状態が劣化してしまうのを防いだり、自動的に
通常の潤滑状態に復帰させたりできる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、射出成形機等の金型を
型締する型締装置に係わり、特にその型締機構としてト
グル機構が用いられたトグル式型締装置に関するもので
ある。
【0002】
【従来の技術】射出成形機やダイカストマシンなどに用
いられる型締装置としては、相対的に回動可能に連結さ
れた何対かのリンク部材から成るトグル機構と、このト
グル機構を伸縮せしめる型締シリンダーとを備えた、い
わゆるトグル式の型締装置が知られている。かかるトグ
ル式型締装置において、上記リンク部材の連結部には通
常、プレーンベアリングとしてピンおよびブシュが使用
されている。
【0003】ところで、このようなトグル機構を円滑に
作動させるためには、上記連結部のピンおよびブシュの
潤滑状態を常に良好な状態に維持しておく必要がある。
従来、この連結部のピンおよびブシュの潤滑は、一般的
に上記連結部にグリース等を供給することにより行われ
てきたが、このようなものは耐用寿命等の点で問題が少
なくない。このため、かかる問題を解決して給油間隔を
長くすることを目的に近年、例えば特開昭62−142
061号公報に記載されているように、黒鉛等を含有す
る固体潤滑剤を埋め込んだブシュが提案されている。
【0004】このようなブシュが上記連結部に使用され
たトグル式型締装置によれば、例えば100万ショット
毎や半年に一度程度の給油で充分であり、給油サイクル
を大幅に長くし得て保守の簡略化を図ることができる。
また、過剰な給油が防がれるため、漏れ出た潤滑剤等に
よって装置の周囲が汚染されるのを防止することがで
き、さらに潤滑剤の節約も図られるという利点が得られ
る。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このよ
うな利点が得られる反面、上記ブシュを用いたトグル式
型締装置では、給油サイクルが余りに長いことから上記
期間経過後の給油をつい怠りがちになってしまうという
欠点があった。そしてこの結果、作業者が気づかないう
ちに上記連結部の潤滑面が油膜切れを起こし、ピンとブ
シュとの摩擦が急激に大きくなって、いわゆるカジリ現
象を生じてしまうおそれがあった。また給油サイクルが
長いため、温度や湿度など作業現場の環境が僅かに変動
しただけでも、長期の給油サイクルの間には連結部の潤
滑状態が大きな影響を受けてしまい、これによって所定
の給油サイクルに達する前に油膜切れを起こしてしまう
場合があったり、逆に給油サイクルを経過した後でも必
要十分な潤滑状態を維持していて、あえて給油を要さな
い場合があったりする。そして、後者の場合はまだし
も、前者の場合には作業者が予期せぬ時に上述したカジ
リ現象が発生してしまい、ピンおよびブシュを交換せざ
るを得なくなったり、作業の停止を余儀なくされて作業
効率の著しい低下を招いたりするおそれがあった。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は、このような課
題を解決するためになされたもので、トグル機構に、該
トグル機構を構成するリンク部材の位置を検出する位置
検出手段と、この位置検出手段によって検出された上記
リンク部材の位置を予め設定された少なくとも2つの設
定位置と比較する位置比較手段と、この位置比較手段に
よる比較結果に基づき上記設定位置間の可動型の移動に
要する工程時間を計測する時間計測手段と、この時間計
測手段によって計測された上記工程時間を予め設定され
た基準工程時間と比較する時間比較手段と、この時間比
較手段による比較結果に基づいて出力動作を行う出力手
段とを具備して成ることを特徴とするものである。
【0007】
【作用】上述したようなトグル機構を有するトグル式型
締装置は、上記型締シリンダーの出力をトグル機構を介
し拡大して大きな型締力を得る装置であるが、このトグ
ル機構の伸長・収縮に要する工程時間は、型締シリンダ
ーの出力および伸縮サイクルが同じ場合には、トグル機
構を構成するリンク部材のレバー比およびこれらリンク
部材の連結部の摩擦係数によって決定される。すなわ
ち、一つの型締装置ではレバー比は一定であるので、上
記連結部の潤滑状態が良好であって摩擦係数が比較的小
さい場合には、トグル機構の伸縮時間、つまり型締工程
時間が短時間となり、逆にこの潤滑が劣化して油膜切れ
を起こした状態では摩擦係数が大きくなって上記工程時
間が比較的長時間となる。換言すると、上記工程時間が
変化して延長した場合には、連結部の潤滑状態が劣化し
たものと判断できる。
【0008】従って、トグル機構を構成するリンク部材
のうち、例えば一つのリンク部材が型締に伴う回動によ
り移動して通過する位置を予め少なくとも2点設定し、
上記リンク部材がこれらの設定位置間を移動するための
工程時間を計測することにより、当該トグル機構の連結
部の潤滑状態を検出することができる。そして上記工程
時間が、連結部の潤滑状態が良好な場合に比べ、ある一
定範囲を超えたときに警報を発して給油を促すように設
定することにより、作業者が気づかぬうちに連結部の潤
滑状態が劣化してカジリ現象が発生したりするような事
態を未然に防止することが可能となる。
【0009】ここで、このような出力動作を行う出力手
段として、例えばこの警報出力信号により作動するブザ
ーやランプ等の警報装置を用いることにより、上記連結
部の潤滑状態が劣化した場合に作業者に警報表示を行っ
て給油を促すことができる。また、この警報出力回路か
らの警報出力信号により作動する自動給油装置を用い
て、上記潤滑状態が劣化した場合には各リンク部材の連
結部に自動的に給油を行うようにしてもよい。一方、上
記摩擦係数の変化に伴う工程時間の変化は、トグル機構
の伸長によって固定型に密着した可動型がさらに固定型
に押圧されて型締られるまでの、当該トグル機構に最も
大きな力が作用する型締工程において特に顕著となる。
そこで上記設定位置の一つを、トグル機構の一端に装着
された可動型がこれに対向して設けられた固定型に接触
して型締力が発生し始める位置とするとともに、他の設
定位置をトグル機構による型締が完了する位置とするこ
とにより、僅かな摩擦係数の変化をも確実に検出して連
結部の潤滑不良を検知することが可能となる。
【0010】
【実施例】以下、図1ないし図5を用いて本発明の一実
施例について説明する。図1ないし図3において符号1
はエンドプレートであり、このエンドプレート1はタイ
バー2を介して固定盤3に固定されている。そして、こ
のエンドプレート1にはトグル機構4を介して固定盤3
との間に可動盤5が取り付けられており、この可動盤5
には上記タイバー2…が挿通されていて、これにより当
該可能盤5は固定盤3に対向した状態のまま、図1ない
し図3において左右方向に摺動可能とされている。さら
に、これら固定盤3および可動盤5には、それぞれ固定
型3aとこれに対向するように可動型5aとが設けられ
ている。
【0011】ここで上記トグル機構4は、図1ないし図
3においてエンドプレート1の上下部に固定された取付
部材6,6に、ピン7およびブシュ8を介して回動自在
に連結された第1リンク部材9,9と、これらの第1リ
ンク部材9,9と上記可動盤5の上下部に固定された取
付部材10,10とに、それぞれピン7およびブシュ8
を介して回動自在に連結された第2リンク部材11,1
1と、上記第1リンク部材9,9の分岐部9aにピン1
2およびブシュ13を介して回動自在に連結された第3
リンク部材14,14と、これら第3リンク部材14,
14間にピン12およびブシュ13を介して回動自在に
連結されたクロスヘッド15とから構成されている。ま
た、上記エンドプレート1のトグル機構4とは反対側の
面には、型締シリンダー16が取り付けられており、こ
の型締シリンダー16のピストンロッド16aはエンド
プレート1を貫通して固定盤3側に向かって延び、クロ
スヘッド15に取り付けられている。
【0012】さらに、上記クロスヘッド15には、型締
シリンダー16のピストンロッド16aに平行に、ラッ
ク17が取り付けられている。そして、このラック17
にはピニオン18が噛合せしめられており、さらに、こ
のピニオン18は、エンドプレート1に取付けたエンコ
ーダーあるいはポテンショメータ等の回転検出器(位置
検出器)21の回転軸に取り付けられていて、これらラ
ック17、ピニオン18、および位置検出器21によっ
て本実施例におけるリンク部材(クロスヘッド15)の
位置検出手段が構成されている。すなわち、本実施例で
はトグル機構4を構成するリンク部材の一つであるクロ
スヘッド15の位置を検出し、これに基づいて計測され
た工程時間によってトグル機構4の連結部の潤滑状態を
検出する構成となっている。
【0013】この位置検出器21によって検出され、位
置検出器入力回路21aに入力されたクロスヘッド15
の位置は、図4に示すように検出位置DE として、位置
比較器(位置比較手段)22に逐次送信される。ただし
本実施例では、この検出位置DE の値は、当該トグル機
構4が型開きする方向に向かって大きくなるように設定
されており、すなわち図1ないし図3においてクロスヘ
ッド15が右側に移動するほど小さくなる。この位置比
較器22には、図2に示すように可動型5aと固定型3
aとが接触して型締力が発生し始める時のクロスヘッド
15の位置S1と、図3に示すようにトグル機構4が伸
長しきって可動型5aと固定型3aとの型締が完了した
時のクロスヘッド15の位置S2とが、それぞれ型締力
開始位置設定器23と型締完了位置設定器24とに予め
設定されて入力されている。
【0014】そして、この位置比較器22では位置検出
器21からのクロスヘッド15の検出位置DEと上記設
定位置S1,S2とが随時比較されており、検出位置DE
が型締力発生開始位置S1を超えた場合、つまり上記検
出位置DEの値が型締力発生開始位置S1の値以下になっ
た場合には、当該位置比較器22に接続された時間計測
器(時間計測手段)25にスタート信号を送信するよう
に設定されている。また、この位置比較器22では、さ
らにトグル機構4が伸長して上記検出位置DEが型締完
了位置S2に達した場合、つまり検出位置DEの値が型締
完了位置S2の値以下となった場合には、時間計測器2
5にストップ信号を送信するようにも設定されている。
【0015】時間計測器25では、これら位置比較器2
2からの計時開始、停止信号に基づいて、型締力発生開
始位置S1から型締完了位置S2までのクロスヘッド15
の移動に要する実工程時間Bが計測される。こうして計
測された実工程時間Bは時間計測器25に接続された時
間比較器(時間比較手段)26に信号として送信され
る。この時間比較器26には、潤滑状態が良好な場合の
上記型締力発生開始位置S1から型締完了位置S2までの
クロスヘッド15の工程時間、すなわち基準工程時間設
定器27により設定された基準工程時間Aが予め入力さ
れている。そして、時間比較器26では上記実工程時間
Bと基準工程時間Aとを比較して、実工程時間Bが基準
工程時間Aを超えた場合には警報出力回路28に警報信
号を送信し、該警報出力回路28に接続されたブザーお
よびランプ等の警報表示器29により警報表示を発生す
るようになっている。すなわち、これら警報出力回路2
8と警報表示器29とによって警報装置が構成されてお
り、この警報装置が本実施例に置ける出力手段となって
いる。
【0016】次に、このように構成されたトグル式型締
装置を用いて射出成形を行う場合について、図5を参照
しながら説明する。まず、成形作業が行われる前に型締
力発生開始時のクロスヘッド15の位置(型締力発生開
始位置)S1および型締完了時のクロスヘッド15の位
置(型締完了位置)S2が、それぞれ型締力発生開始位
置設定器23,型締完了位置設定器24に設定される。
次いで、これに基づいてトグル機構4の連結部の潤滑状
態が良好な状態でのクロスヘッド15の実工程時間が計
測され、さらにこれに基づいて基準工程時間Aが基準工
程時間設定器27に設定される。ただし本実施例ではこ
の基準工程時間Aは位置検出器21の誤差や上記連結部
の必要十分な潤滑状態を考慮して、上記潤滑状態が良好
な状態(例えば、給油直後の潤滑状態)におけるクロス
ヘッド15の実工程時間の+30%程度に設定されてい
る。
【0017】こうして型締力発生開始位置S1、型締完
了位置S2、および基準工程時間Aが設定されたなら、
成形作業が開始される。成形作業の型締工程において、
型締シリンダー16が駆動されてトグル機構4が伸長
し、可動型5aを固定型3aに密着させて型締する。こ
のトグル機構4の伸長に伴い、クロスヘッド15は可動
型5aが固定型3aに接触した時点で上記型締力発生開
始位置S1に到達し、この時の位置検出器21によって
検出された位置DEと型締力発生開始位置S1とが位置比
較器22によって比較されて時間計測器25が計時を開
始する。さらにトグル機構4が伸長して型締が完了し、
この時点での位置検出器21により検出されたクロスヘ
ッド15の位置DEと上記型締完了位置S2とが位置比較
器22によって比較されて時間計測器25が計時を停止
し、実工程時間Bが算出される。そして、この実工程時
間Bと上記基準工程時間Aとが時間比較器26において
比較され、実工程時間Bが基準工程時間A以下であった
場合(図5において“NO”の場合)は、周知の射出成
形機の射出ノズルが金型3a,5aに接続されて射出成
形が行われる。
【0018】次いで成形物が冷却された後、型締シリン
ダー16のピストンロッド16aが引き込まれてトグル
機構4が収縮し、これに伴って可動盤5が後退して可動
型5aと固定型3aとが離間し、成形物が取り出され
る。このトグル機構4の収縮に伴い、クロスヘッド15
の検出位置DEは上記型締力発生開始位置S1を通過して
エンドプレート1側に後退し、これによってトグル機構
4は図1に示す状態に復帰するので、ここから再び当該
トグル機構4を伸長させて型締し、次の成形を行う。
【0019】こうして次々と射出成形が行われ、これに
伴ってトグル機構の伸長・収縮が繰り返されると、該ト
グル機構4の各リンク部材9,11,14、取付部材
6,10、およびクロスヘッド15を連結するピン7
…,12…およびブシュ8…,13…の潤滑状態が劣化
して両者の摩擦係数が増加し、これに従って上記実工程
時間Bも延長する。さらに上記潤滑状態の劣化が一定水
準を超え、ピン7,12とブシュ8,13との間の摺動
面が油膜切れを起こしたりしてピン・ブシュのカジリ現
象が発生すると、上記摩擦係数が急激に増大して実工程
時間Bも大幅に延長されてしまう。そして、この実工程
時間Bが上記基準時間Aを超えた場合(図5において
“YES”の場合)には、時間比較器26から警報信号
が発せられ、これを受けて警報出力回路28が警報表示
器29を作動させてブザーやランプ等により警報表示を
行って、作業者に連結部への潤滑剤の供給を促す。ま
た、これらの警報表示と同時に当該型締装置を自動的に
停止するようにしてもよい。
【0020】このように、上記構成のトグル式型締装置
によれば、トグル機構4の連結部の潤滑状態をピン7,
12とブシュ8,13との摩擦係数の変化に伴う工程時
間Bの変化によって検知することができ、これによって
上記潤滑状態が劣化した場合には警報を表示して作業者
に給油を促すことができる。これにより、給油サイクル
がきわめて長くて給油を怠りがちな場合でも、給油時期
を失することなく適当な時期に上記連結部に給油を施し
て、円滑な型締作業を継続することが可能となる。
【0021】例えば表1に示すのは、ある射出成形工程
における型締工程の型締力発生開始位置S1から型締完
了位置S2までの実工程時間Bの実測値を示すものであ
るが、この表1に示されるように給油直後から100万
ショット時位までは、給油直後の良好な潤滑状態におけ
る実工程時間Bの+20%以内で推移している。ところ
が、これが120万ショット時になると上記給油直後の
実工程時間Bの+37.5%となり、さらに140万シ
ョット時には一気に+140%にまで上昇しており、こ
の時点ではピンとブシュとの潤滑状態が悪くなっている
ことがわかる。そこで、このような場合には例えば上記
基準工程時間Aを給油直後の実工程時間Bの+30%程
度、すなわち0.52秒程度に設定することにより、ピ
ンとブシュとの摺動面の油膜切れが発生する前に、作業
者に給油を促して円滑な型締・射出成形作業を継続させ
ることが可能となる。
【0022】
【表1】
【0023】また上記構成のトグル式型締装置において
は、トグル機構4の連結部の潤滑状態が型締時の実工程
時間Bに変換されることにより、この潤滑状態をいわゆ
るリアルタイムで検出することができる。従って、従来
のように予め設定された期間毎に給油を行うのに比べ、
連結部の潤滑状態に応じて給油を行うことが可能となる
から、温度や湿度などの作業環境の変動等によって通常
よりも短期間で潤滑状態が劣化して給油が必要となった
場合でも、これを確実に検知して作業者に給油を促すこ
とができる。そしてこれにより、作業者が気づかぬうち
に油膜切れが進行して突然カジリ現象が発生し、成形作
業の停止を余儀なくされたり、連結部のピンおよびブシ
ュを交換せざるを得なくなったりするような事態を未然
に防止することが可能となる。
【0024】さらに上記トグル式型締装置では、実工程
時間Bの計測に係わる設定位置が型締力発生開始位置と
型締完了位置とに設定されており、型締工程の工程時間
によって連結部の潤滑状態を検出するようになってい
る。ここで、上述したように上記摩擦係数の変化に伴う
工程時間の変化は、トグル機構4に最も大きな力が作用
する当該型締工程において特に顕著となるから、上記構
成のトグル式型締装置によれば、トグル機構4の連結部
の潤滑状態の変化を鋭敏に感知し得て該連結部の潤滑不
良を確実に検出することが可能である。
【0025】なお、上記実施例ではトグル機構4を構成
するリンク部材のうちクロスヘッド15の位置を検出し
て実工程時間Bを計測したが、本発明はこれに限られる
ことなく、他のリンク部材9,11,14や取付部材1
0、あるいはこの取付部材10とともに移動する可動盤
5の位置を検出して実工程時間Bを計測するようにして
もよい。また上記実施例では、クロスヘッド15に連結
されたラック17と、このラック17に噛合したピニオ
ン18、およびこのピニオン18に連結されたエンコー
ダーやポテンショメータ等の回転検出器とを位置検出器
21としてクロスヘッド15の位置を検出するように構
成されているが、これ以外の検出器、例えばリミットス
イッチや、光センサ等の非接触型の検出器を用いること
も、もちろん可能である。
【0026】次に、図6および図7は本発明の他の実施
例を示すものであり、それぞれ図1ないし図3、および
図4と同じ部分には同一の符号を配して説明を省略す
る。本実施例は、時間比較手段である時間比較器26に
給油信号出力回路30が接続され、この給油信号出力回
路30に、該給油信号出力回路30からの出力信号によ
り作動してトグル機構4の各連結部のピン7…,12…
およびブッシュ8…,13…に給油を行う給油ポンプ3
1が接続され、これら給油信号出力回路30と給油ポン
プ31とから成る自動給油装置によって本実施例におけ
る出力手段が構成されていることを特徴とするものであ
る。
【0027】この給油ポンプ31には図6に破線で示す
ように給油配管32…が連結されており、これらの給油
配管32…は、継手部33…を介して各リンク部材9,
11,14同志の連結部、およびこれらリンク部材9,
11,14と取付部材6,11、クロスヘッド15との
連結部にまで延長されていて、各連結部のグリスニップ
ル等に接続されてピン7…,12…とブッシュ8…,1
3…との摺動面に連通せしめられている。なお、上記給
油配管32…のうち上記連結部に延長される給油配管3
2A…は各リンク部材の回動に対応し得るように、例え
ばナイロンチューブ等の可撓性を有するものが使用され
ている。
【0028】以下、このような構成のトグル式型締装置
の作用を図7および図8に従って説明すると、まず成形
作業が行われる前に予め型締力発生開始位置S1と型締
完了位置S2、および基準工程時間Aとが、それぞれ型
締力発生開始位置設定器23と型締完了位置設定器2
4、および基準工程時間設定器27に設定される。次に
成形作業が開始されると、トグル機構4の伸長に伴い可
動型5aが固定型3aに接触した時点で、クロスヘッド
15は上記型締力発生開始位置S1に到達し、この時の
検出位置DEと型締力発生開始位置S1とが位置比較器2
2によって比較されて時間計測器25が計時を開始す
る。さらにトグル機構4が伸長して型締が完了すると、
この時点での検出位置DEと上記型締完了位置S2とが位
置比較器22によって比較されて時間計測器25が計時
を停止し、実工程時間Bが算出される。そして、この実
工程時間Bと上記基準工程時間Aとが時間比較器26に
おいて比較され、実工程時間Bが基準工程時間A以下で
あった場合(図8において“NO”の場合)は、周知の
射出成形機の射出ノズルが金型3a,5aに接続されて
射出成形が行われる。
【0029】一方、この実工程時間Bがトグル機構4の
各連結部の潤滑状態劣化によって上記基準時間Aを超え
た場合(図8において“YES”の場合)には、この結
果が時間比較器26から給油信号出力回路30に伝えら
れ、これを受けて給油信号出力回路30が給油信号を発
して給油ポンプ31を作動させる。そして、これにより
給油ポンプ31から潤滑油剤が送給され、この潤滑油剤
は供給配管32および継手部33を経て各連結部のピン
7…,12…とブッシュ8…,13…との摺動面に供給
されて当該各連結部の潤滑状態を通常の状態に復帰させ
る。
【0030】このように、本実施例のトグル式型締装置
においても、トグル機構4の連結部の潤滑状態をピン
7,12とブシュ8,13との摩擦係数の変化に伴う工
程時間Bの変化によって検知することができ、図1ない
し図5に示した実施例と同様の作用効果を得ることがで
きる。しかも本実施例によれば、何等作業者の手を煩わ
せることなく適当時期に給油が施されるため、きわめて
長期に亙って円滑な型締・成形作業を継続して行うこと
が可能となる。
【0031】
【発明の効果】以上説明したように本発明によれば、ト
グル機構の連結部の潤滑状態を摩擦係数の変化に伴う実
工程時間の変化から鋭敏かつ確実に検出し得て、上記潤
滑状態の劣化を作業者に警告して給油を促したり、自動
的に給油を行うことができる。これにより、作業者が気
づかないうちにピンとブシュとの摺動面の油膜切れが生
じて突然カジリ現象が発生し、作業の停止や連結部の交
換を余儀なくされるような事態を未然に防止することが
できる。従って、このような作業停止による作業効率の
低下や連結部の交換によるランニングコストの増大を抑
えることができ、円滑な型締・成形作業を行うことが可
能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例を示す側面図である。
【図2】図1に示す実施例の型締力発生開始時の側面図
である。
【図3】図1に示す実施例の型締完了時の側面図であ
る。
【図4】図1に示す実施例の位置検出器21、位置比較
器22、時間計測器25、時間比較器26、および警報
装置の構成を示すブロック図である。
【図5】図1に示す実施例によって型締・射出成形およ
び潤滑状態の検出を行う場合のフローチャートである。
【図6】本発明の他の実施例を示す側面図である。
【図7】図6に示す実施例の位置検出器21、位置比較
器22、時間計測器25、時間比較器26、および自動
給油装置の構成を示すブロック図である。
【図8】図6に示す実施例によって型締・射出成形およ
び潤滑状態の検出を行う場合のフローチャートである。
【符号の説明】
1 エンドプレート 2 タイバー 3 固定盤 3a 固定型 4 トグル機構 5 可動盤 5a 可動型 6,10 取付部材 7,12 ピン 8,13 ブシュ 9,11,14 リンク部材 15 クロスヘッド 16 型締シリンダー 17 ラック 18 ピニオン 21 回転検出器(位置検出器) 22 位置比較器 25 時間計測器 26 時間比較器 28 警報出力回路 29 警報表示器 30 給油信号出力回路 31 給油ポンプ 32 給油配管

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 相対的に回動可能に連結されたリンク部
    材から成るトグル機構と、このトグル機構を伸縮せしめ
    る型締シリンダーとを備え、上記トグル機構の一端に装
    着された可動型を、この可動型に対向して設けられた固
    定型に密着させて型締するトグル式型締装置において、 上記トグル機構には、上記リンク部材の位置を検出する
    位置検出手段と、この位置検出手段によって検出された
    上記リンク部材の位置を予め設定された少なくとも2つ
    の設定位置と比較する位置比較手段と、この位置比較手
    段による比較結果に基づき上記設定位置間の上記リンク
    部材の移動に要する工程時間を計測する時間計測手段
    と、この時間計測手段によって計測された上記工程時間
    を予め設定された基準工程時間と比較する時間比較手段
    と、この時間比較手段による比較結果に基づいて出力動
    作を行う出力手段とを具備して成ることを特徴とするト
    グル式型締装置。
  2. 【請求項2】 上記出力手段が、上記時間比較手段によ
    る比較結果に基づいて警報信号を発する警報装置である
    ことを特徴とする請求項1記載のトグル式型締装置。
  3. 【請求項3】 上記出力手段が、上記時間比較手段によ
    る比較結果に基づき作動して上記トグル機構の連結部に
    給油を行う自動給油装置であることを特徴とする請求項
    1記載のトグル式型締装置。
  4. 【請求項4】 上記設定位置のうち、一の設定位置が、
    上記可動型が上記固定型に接触して上記トグル機構によ
    る型締力を発生させ始める時の上記リンク部材の位置と
    され、他の一の設定位置が、上記トグル機構による型締
    が完了する時の上記リンク部材の位置とされていること
    を特徴とする請求項1、請求項2、または請求項3記載
    のトグル式型締装置。
JP32343391A 1991-12-06 1991-12-06 トグル式型締装置 Expired - Fee Related JPH07100327B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP32343391A JPH07100327B2 (ja) 1991-12-06 1991-12-06 トグル式型締装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP32343391A JPH07100327B2 (ja) 1991-12-06 1991-12-06 トグル式型締装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH06328453A true JPH06328453A (ja) 1994-11-29
JPH07100327B2 JPH07100327B2 (ja) 1995-11-01

Family

ID=18154628

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP32343391A Expired - Fee Related JPH07100327B2 (ja) 1991-12-06 1991-12-06 トグル式型締装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH07100327B2 (ja)

Cited By (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO1997000162A1 (fr) * 1995-06-14 1997-01-03 Fanuc Ltd Mecanisme de serrage de moule pour machine de moulage par injection
US6344106B1 (en) 2000-06-12 2002-02-05 International Business Machines Corporation Apparatus, and corresponding method, for chemically etching substrates
EP1790459A2 (en) 2005-11-28 2007-05-30 Fanuc Ltd Abnormality detecting apparatus for mold clamping device
KR100756066B1 (ko) * 2005-04-02 2007-09-07 엘에스전선 주식회사 토글식 사출성형기의 6점식 형체기구
JP2019177621A (ja) * 2018-03-30 2019-10-17 住友重機械工業株式会社 射出成形機
JP2020062813A (ja) * 2018-10-17 2020-04-23 住友重機械工業株式会社 射出成形機

Cited By (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO1997000162A1 (fr) * 1995-06-14 1997-01-03 Fanuc Ltd Mecanisme de serrage de moule pour machine de moulage par injection
US5843496A (en) * 1995-06-14 1998-12-01 Fanuc Ltd. Mold clamping mechanism of an injection molding machine
US6344106B1 (en) 2000-06-12 2002-02-05 International Business Machines Corporation Apparatus, and corresponding method, for chemically etching substrates
KR100756066B1 (ko) * 2005-04-02 2007-09-07 엘에스전선 주식회사 토글식 사출성형기의 6점식 형체기구
EP1790459A2 (en) 2005-11-28 2007-05-30 Fanuc Ltd Abnormality detecting apparatus for mold clamping device
EP1790459A3 (en) * 2005-11-28 2008-10-15 Fanuc Ltd Abnormality detecting apparatus for mold clamping device
JP2019177621A (ja) * 2018-03-30 2019-10-17 住友重機械工業株式会社 射出成形機
JP2020062813A (ja) * 2018-10-17 2020-04-23 住友重機械工業株式会社 射出成形機

Also Published As

Publication number Publication date
JPH07100327B2 (ja) 1995-11-01

Similar Documents

Publication Publication Date Title
CN1974067B (zh) 成型机、紧固系统、毛刺检测方法以及异常检测方法
JP2537089B2 (ja) 射出成形機の自動給脂方法
US4685876A (en) Toggle injection molding clamping force monitor
US6651510B2 (en) Method and apparatus for monitoring abnormality of mold-clamping mechanism of molding machine
JP5353483B2 (ja) トグル式型締装置におけるトグル機構の劣化診断方法および装置
EP1238777A1 (en) Electric split nut opening/closing device in mold clamping apparatus
JP6790650B2 (ja) 流量制御弁の回転駆動系の劣化判定方法
JPH06328453A (ja) トグル式型締装置
CN103029279A (zh) 注塑成型机的异常检测装置
CN111660516A (zh) 注射成型机的管理系统和注射成型机的集中管理系统
DE4431871A1 (de) Verfahren und Vorrichtung zur Erfassung einer Anomalität im Hydrauliksystem einer Formteilmaschine
DE3427475A1 (de) Spritzgussverfahren
US20010026028A1 (en) Die clamping apparatus, die clamping force measurement method and die clamping force adjustment method
EP0386265B1 (en) Injection press composite molding machine
US4256166A (en) Tie bar adjustment system
KR100553865B1 (ko) 플라스틱 중공체들을 제조하기 위한 몰딩머신
JP6700067B2 (ja) 射出成形機
USRE32048E (en) Tie bar adjustment system
EP1438174B1 (de) Formschliesseinheit für eine spritzgiessmaschine
JP2019116927A (ja) 直動アクチュエーターの損耗検出方法および損耗検出システム
JP3410348B2 (ja) 電動式射出成形機の監視装置
JPS60115418A (ja) 射出成形機の型締異常検出方法
US4252174A (en) Method and apparatus for monitoring the operation of a reciprocating liquid injection unit
JP2003136574A (ja) 電動式射出成形機の給脂装置
DE102006009945B4 (de) Überwachbare Gussform und zugehöriges Verfahren

Legal Events

Date Code Title Description
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 19960924

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20081101

Year of fee payment: 13

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20091101

Year of fee payment: 14

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees