JPH06327482A - オリゴペプタイド、オリゴヌクレオチドならびにc型肝炎ウ イルス関連抗体検出方法 - Google Patents

オリゴペプタイド、オリゴヌクレオチドならびにc型肝炎ウ イルス関連抗体検出方法

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JPH06327482A
JPH06327482A JP15602693A JP15602693A JPH06327482A JP H06327482 A JPH06327482 A JP H06327482A JP 15602693 A JP15602693 A JP 15602693A JP 15602693 A JP15602693 A JP 15602693A JP H06327482 A JPH06327482 A JP H06327482A
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hcv
oligopeptide
hepatitis
oligonucleotide
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Hiroaki Okamoto
宏明 岡本
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Abstract

(57)【要約】 【目的】C型肝炎ウイルス(HCV)コア領域の特異オ
リゴペアタイド、これをコードするオリゴヌクレオチ
ド、ならびにこれらを用いたHCV抗体検出方法等を提
供することを目的とする。 【構成】配列番号1記載のオリゴペプタイド、配列番号
2記載のオリゴヌクレオチドならびにこれを宿主細胞に
組み込んで発現させて得るオリゴペプタイド、これらを
抗原として使用するHCV関連抗体の検出方法、HCV
関連抗体、ならびにこれを用いたHCV検出方法の発
明。 【効果】HCV関連抗体を簡便、高感度かつ特異的に検
出すると共に、C型肝疾患患者の重症度の診断、インタ
ーフェロンの治療効果の追跡等の臨床診断に有用な情報
を提供することができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、C型肝炎ウイルス(以
下「HCV」と略記する)に関連するオリゴペプタイ
ド、オリゴヌクレオチド、抗体、ならびにこれらを用い
たHCV抗体、抗原検出系に関する。
【0002】
【従来の技術】1988年にHCV遺伝子の一部が解明
されて以来、HCV診断への応用可能な数多くの技術が
開発され実用化されてきた。これまで、HCV感染によ
って患者血液中に現われるHCV関連抗体を検出する抗
体検査法、ならびにウイルス感染宿主内に存在するHC
V遺伝子を検出する方法、さらにHCVの遺伝子型を判
定する方法等が開発され、広く用いられてきている。こ
れらの診断技術に於ける現時点の最重要課題は、高い感
度と各遺伝子型に共通な、もしくは型特異的な高い特異
性を実現することである。この技術課題を解決する為に
は、HCVに特異的な遺伝子配列あるいは特異抗原の特
定とそれに基づく診断技術の確立が急務である。実際
に、いくつかの遺伝子の異なるHCV株については全遺
伝子の配列が解明されており、さらに他の株については
遺伝子配列の一部が解明され、HCV特異遺伝子配列の
特定あるいはHCV特異アミノ酸配列の特定に利用され
た。その結果、従来の検査法に比べ、これらの情報に基
づいて開発された最近の診断法は高い特異性と感度を有
するようになり、これに基づいて適切な治療方針を採用
できるようになりはじめた。しかし、他方、これらの検
査法を用いた場合でも捕捉できないHCV感染例のある
ことも判明しており、より高い特異性と感度を有する診
断法の開発が望まれている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】HCVはその遺伝子配
列が初めて解明されてからまだ時間が浅く、ウイルス本
体は未だ確認されていない。またウイルス由来の抗原も
天然界より得られておらず、遺伝子組換えや化学合成に
よって人工的に作成されたもののみが利用されているに
すぎない。したがって現状では、HCV遺伝子配列がコ
ードするアミノ酸配列が有する抗原性や活性は推定の域
を出ない。カイロン社がはじめてHCV関連抗体の測定
系を開発して以来、多くのHCV検出系が開発されてき
たが、これらはC型、あるいは非A非B型(以下「NA
NB型」と略記する)肝疾患の診断、治療に満足すべき
情報を提供しているとは言い難い。HCV−RNAの定
量測定は、ウイルス量の推定には有効であるが、病態と
の相関は必ずしも良好ではなく、また操作性の上でも経
済性の上でも大量検体を扱うには適していない。また、
抗体測定は簡便かつ低価格で実施できるにも関わらず、
従来はHCV感染者のスクリーニングを目的として開発
されたものが中心であり、C型肝炎の病態との相関性が
高いものはほとんど開発されていない。
【0004】本発明の目的は、高い感度と特異性を有
し、かつ従来のHCV検査法では十分に診断できなかっ
たC型肝炎の病態を追跡することが可能な抗体検査方法
と、これに用いるオリゴペプタイドを提供することであ
る。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者らはこれまで、
HCVに関して鋭意研究を続け、既にHCV−RNAを
検出する方法(特開平5−23200)、HCVコア抗
体を検出する方法(特願平2−153401)、HCV
の遺伝子型を判別する方法(特願平3−307296)
など多数のHCV検出系を開発してきた。しかしながら
本発明者らは、高い感度と特異性を有し、かつ従来のH
CV検査法では十分に診断できなかったC型肝炎の病態
を追跡することが可能な抗体検査方法の開発が急務であ
ると考え、さらに研究を進めた。その結果、HCVコア
領域の一部、詳しくはオープンリーディングフレームの
開始コドンATGにコードされるメチオニンから数えて
5番目から40番目の36個のアミノ酸残基からなるオ
リゴペプタイドCP14を抗原として用いることによ
り、本目的にかなう測定系を実現できることを見いだ
し、本発明を完成するに至った。
【0006】本発明のオリゴペプタイドは、本発明のオ
リゴヌクレオチドを適当な宿主に組み込んで発現させる
ことにより、あるいは化学合成により、得ることができ
る。本発明のオリゴペプタイドを抗原として用いること
によって、ヒト血液中などに存在するHCVコア抗体を
特異的、かつ高感度に検出することができ、さらにC型
肝疾患患者の病態の追跡に用いることができる。
【0007】すなわち、本発明は公知のHCV抗体検出
系とは異なる新しい抗体検出方法の発明であり、またこ
れに用いることのできる配列番号1記載のオリゴペプタ
イドCP14、または宿主細胞に組み込んでCP14を
得ることのできる配列番号2記載のオリゴヌクレオチド
CN14の発明である。
【0008】HCVのコア領域は非常に保存性が高く、
異なった遺伝子型の株間でも配列上の差異は少ない。し
かしながらHCV総体としては、RNAウイルスである
ことから遺伝子の変異およびこれに伴うアミノ酸配列の
変異は非常に多く、本発明においても若干の部分置換を
有するオリゴヌクレオチドは本発明の範囲に含まれ、同
様に若干の置換を有するオリゴペプタイドも抗原性を維
持する限り当然本発明の範囲に包含される。また、本発
明はオリゴペプタイドCP14、またはこれと同一の抗
原性を有するオリゴペプタイドを用い、あるいは抗ヒト
IgG抗体、抗ヒトIgA抗体、抗ヒトIgM抗体の中
から選択される1種以上のポリクローナル抗体またはモ
ノクローナル抗体を用いるC型肝炎ウイルス抗体検出方
法の発明である。さらに、本発明は、本発明のオリゴペ
プタイドに対するポリクローナル抗体またはモノクロー
ナル抗体の発明、ならびにこれらの抗体を用いたC型肝
炎ウイルス検出方法の発明である。
【0009】本発明者らは、実施例1、2に示すよう
に、オリゴペプタイドCP14を用いた新しいHCV抗
体検出方法を開発した。この抗体検出方法は、既に本発
明者らによって開発されたオリゴペプタイドCP10、
CP9を抗原として利用した抗体検出系(特願平2−1
53401)や市販のHCV抗体検出方法と比較して、
同等以上に抗体検出が可能であるのみならず、本発明の
抗体検出方法では肝疾患の重症度により有意に抗体価が
異なり、さらにHCV−RNA量の変化に呼応するよう
に抗体価が変化するので、臨床的に非常に有用であるこ
とが見いだされた。
【0010】さらに本発明を詳細に説明すると、実施例
3に示すように、NANB型慢性肝疾患患者群において
はIgM型CP14抗体の力価は疾患の重症度と相関
し、慢性肝炎患者群における抗体価は肝硬変患者群、肝
細胞ガン患者群より有意に低かった。また実施例4に示
すように、IgM型CP14抗体はC型急性肝炎患者群
において肝炎の発症を顕著に検出しているのみならず、
肝炎の寛解/再燃をも良く反映していた。さらに実施例
5に示すように、インターフェロン治療を施したC型肝
炎患者群において、IgG型CP14抗体、IgM型C
P14抗体共に血中HCV−RNA量の変動に伴って抗
体価が変化した。このことから、インターフェロンの治
療効果を追跡するのにも適していることが確認された。
【0011】本発明の好適な実施態様は、オリゴペプタ
イドCP14を常法により化学合成によって得ることで
ある。また、オリゴヌクレオチドCN14も化学合成に
よって得ることができる。したがって、CN14を適当
なベクターに組み込んだ後常法により宿主細胞、例えば
E.coliや、S.cerevisiaeなどに組み
込み、発現させてCP14を得ることもできる。
【0012】HCV抗体検出方法の好適な実施態様とし
ては、オリゴペプタイドCP14を適当な担体、例えば
ポリスチレン製マイクロプレートに固相化し、酵素や放
射性同位元素(125I)などで標識した抗ヒトIgA
抗体、抗ヒトIgG抗体、抗ヒトIgM抗体などとでサ
ンドイッチ型免疫測定系を組むことができる。
【0013】本発明の抗CP14ポリクローナル抗体
は、常法によりウサギ、ラット、マウス等にオリゴペプ
タイドCP14を免疫することによって得ることがで
き、また免疫したマウスの胸腺細胞をマウスミエローマ
細胞と融合することによって抗CP14マウスモノクロ
ーナル抗体を得ることができる。さらに、得られたポリ
クローナル抗体またはモノクローナル抗体を適当な担
体、例えばポリスチレン製マイクロプレートに固相化
し、酵素や放射性同位元素などで標識した抗CP14抗
体もしくは他の抗HCV抗体とでサンドイッチ型免疫測
定系を組むことにより、HCV抗原を検出することがで
きる。
【0014】
【作用】本発明のオリゴペプタイドCP14またはこれ
と同一の抗原性を有するオリゴペプタイドは、これを抗
原として用いてC型肝炎ウィルス抗体を検出することが
できる。本発明のオリゴペプタイドCP14またはこれ
と同一の抗原性を有するオリゴペプタイドは、抗ヒトI
gG抗体、抗ヒトIgA抗体、抗ヒトIgM抗体から選
択されるポリクローナル抗体またはモノクローナル抗体
と共に用いることにより、C型肝炎ウィルス抗体を検出
することができる。本発明のオリゴペプタイドに対する
ポリクローナル抗体またはモノクローナル抗体は、C型
肝炎ウィルス抗体を検出することができる。本発明のオ
リゴヌクレオチドは宿主細胞に組み込んで本発明のオリ
ゴペプタイドを得ることができる。
【0015】
【実施例】以下、本発明の実施例について述べるが、も
とより本発明がこれらの実施例に限定されるものではな
い, 実施例1:ペプタイドの製造 Merrifieldの固相法に基づき、ペプタイドの
C末端のアミノ酸をまず架橋ポリエチレンに縮合させ、
ついでN末端の方向へ向かってt−プトキシカルボニル
アミノ酸を1個ずつ順次縮合させてゆき、以下のアミノ
酸配列を有するペプタイドを合成した。 CP14:PKPQRKTKRNTNRRPQDVKF
PGGGQIVGGVYLLPRR(36−mer,a
a5−40) CP10:PKPQRKTKRNTNRRPQDVK
(19−mer,aa5−23) CP9 :RRGPRLGVRATRKTSERSQP
RGRRQPIPKVRRPEGR(36−mer,a
a39−74) カッコ内、aa はHCV遺伝子のORF(オープンリ
ーディングフレーム)の開始コドンATGにコードされ
るメチオニンを1として数えた番号を表す。合成後、6
N−HCl、110℃、24時間減圧下で加水分解し、
上記アミノ酸組成を確認した。
【0016】実施例2:抗HCV抗体測定系 (1)測定系の作成 CP14、CP10、CP9の3種のペプタイドを用い
た酵素免疫測定法(EIA法)による抗HCV抗体測定
系を作成した。各ペプタイドは実施例1で得た合成ペプ
タイドを用いた。EIA用マイクロプレート(グライナ
ー社製)に1ウエル当たり5μg/mlの各合成ペプタ
イド溶液50μl(リン酸buffer、10mM、p
H7.5)を固相し、オーバーコートは40%牛血清入
りのリン酸bufferで行なった。IgGクラス抗
体、IgAクラス抗体の検出では1ウエル当たり40%
牛血清入りリン酸buffer50μlと検体10μl
を添加し、IgMクラス抗体の検出では40%牛血清入
りのリン酸burrerで10倍に希釈した検体を1ウ
エル当たり50μl添加した。室温1時間放置後、0.
05%Tween20を含む生理食塩水でウエルを5回
洗浄した。各ウエルに、酵素標識抗体としてHorse
radish−peroxidase標識した抗ヒトI
gG/γマウスモノクローナル抗体(#B−22)、抗
ヒトIgA/αマウスモノクローナル抗体(#A−1
3)、抗IgM/μマウスモノクローナル抗体(#M−
49)1ngを25%牛血清50μlに溶解した液を加
え、室温にて1時間反応させた。反応終了後、上記と同
じ手順で5回洗浄し、基質として過ホウ酸ナトリウム、
発色剤としてo−フェニレンジアミン溶解液50μlを
加えて、室温で30分間反応させた後、4N硫酸50μ
lを加えて反応を停止させ、492nmにおける吸光度
を測定した。 (2)カットオフ値の設定 HCVマーカーが陰性で、ALT値が正常な献血者血清
60検体について実施例2−(1)の合成ペプタイドE
IAを行なった。得られた吸光度を対数変換し、その平
均値の10倍をカットオフ値とし、これを越える値を示
すものを陽性と判定した。IgG、IgM、IgAの各
イムノグロブリンクラス別のEIAにおけるカットオフ
値はそれぞれ、抗CP14抗体で0.30、0.11、
0.24、抗CP10抗体で0.30、0.24、0.
23、抗CP9抗体で0.30、0.07、0.27で
あった。
【0017】実施例3:NANB型慢性肝疾患患者群に
おける抗体測定 (1)HCV−RNA測定 HCV−RNAの測定は以下の方法に従い、5’非翻訳
領域の遺伝子を増幅して行なった。血漿0.1mlから
RNAを抽出し、これをテンプレートにしてcDNA合
成後、2段階PCR法を行なった。プライマーペアは1
次プライマーとして#32(5−CTGTGAGGAA
CTACTGTCTT−3’、センス)と#299
(5’−ACCCAACACTACTCGGCTAG−
3’、アンチセンス)を、2次プライマーとして#33
(5’−TTCACGCAGAAAGCGTCTAG−
3’、センス)と#48(5’−GTTGATCCAA
GAAAGGACCC−3’、アンチセンス)を用い
た。またPCRの反応条件は1次2次とも、94℃によ
る変性1分、55℃によるプライマー結合反応1分30
秒、72℃によるプライマー伸長反応2分を1サイクル
とし35サイクル行った。HCV−RNA量はRNA検
出限界の希釈率の10の指数をもって示した。
【0018】(2)肝疾患患者群の設定 NANB型慢性肝疾患患者149人(男性95人、女性
54人)。内訳は慢性肝炎50人、肝硬変50人、原発
性肝細胞ガン49人であった。一部の肝細胞ガン患者を
除き、肝生検を実施して病理組織学的に診断した。14
9人中136人(91%)がEIA−2(オーソ・ダイ
アグノスティックシステムズ社製)にて陽性であった。
内訳は、慢性肝炎50/50(100%)、肝硬変42
/50(84%)、肝細胞ガン44/49(90%)で
あった。
【0019】(3)抗体測定結果 (2)の患者群の血清を用い、実施例(2)−1の方法
に従って抗HCV抗体を測定した。表1にグループAの
149人における抗体陽性者を示した。抗体陽性者を抗
体クラス別に見ると、疾患の重症度/ペプタイドの種類
に関係なくIgGが最も多く、次いでIgM、IgAの
順であった。またペプタイド別に見ると、疾患の重症度
/抗体クラスの種類に関係なくCP14が最も多く、次
いでCP10、CP9の順であった。 表1(肝疾患別の各ペプタイドに対する抗体陽性率) 149人の患者のうち11人は、どのペプタイドを用い
てもいずれのクラスの抗体も陰性であった。EIA−2
の陰性者13人のうち9人がCP14/CP10/CP
9の陰性者で、不一致は6人だけであった。ペプタイド
抗体陰性者の2人はEIA−2で強陽性であった(A4
92>2.0)。肝硬変患者2人、肝細胞ガン患者2人
ではEIA−2陰性であったのに対して、HCVペプタ
イド抗体の1種以上が陽性であったが、おおむね弱陽性
であった。NANB型慢性肝疾患患者群では、IgG型
以外ではIgM型CP14抗体が最も陽性率が高くなる
傾向を示した。IgM型CP14抗体の力価は肝疾患の
重症度に伴って高かった。慢性肝炎患者での吸光度の平
均値(0.31±0.33)は肝硬変患者での平均値
(0.50±0.48)より低く(p〈0.05)、ま
た肝細胞ガン患者での平均値(0.53±0.38)よ
り低かった(p〈0.01)。
【表1】
【0020】実施例4:C型急性肝炎患者群における抗
体測定 (1)肝疾患患者群の設定 C型急性肝炎患者7人(男性3人、女性4人)。うち4
人は輸血後に肝炎を発症した患者(輸血後急性肝炎患
者)であるが、残り3人は輸血も血液製剤も使用したこ
とは無く、薬物利用者でもなかった(散発性急性肝炎患
者)。全員HBsAg、IgM型HBc抗体、IgM型
HAV抗体とも陰性であった。輸血後急性肝炎患者のう
ち、2人は3ケ月後にALT値が正常化し(45IU/
L未満)肝炎が寛解したが、残りの5人は3ケ月以内に
一度寛解したがその後12ケ月までのうちに肝炎が再燃
した。7人全員がEIA−2陽性であった
【0021】(2)抗体測定結果 (1)の患者群の血清を用い、実施例(2)−1の方法
に従って抗HCV抗体を測定した。輸血後C型肝炎の2
患者は、輸血を受けていない患者で見られた臨床所見を
呈してから3ケ月以内に血清ALT値の正常化と共に寛
解したが、1ないし2ケ月半後に再燃した。輸血後肝炎
の1症例および散発性急性C型肝炎の3症例ではいちど
寛解した後、ALT値が異常高値を示した。7症例で見
る限りでは、9種類の抗体の中ではIgM型CP14抗
体が最も良く肝炎の寛解/再燃を反映していた。(図
1) 6症例でIgM型CP14抗体が急性肝炎の発症を検出
していた。このうち5症例では5ケ月以内に低下した。
その後、輸血後肝炎の患者でかつ肝炎が寛解した2症例
ではIgM型CP14抗体が低下し続けた。反対に、残
りの5症例、すなわちALT値の急激な上昇を示した輸
血後肝炎2例および散発性肝炎3例ではIgM型CP1
4抗体は高値を持続した。
【0022】
【図1】
【0023】実施例5:C型慢性肝炎/インターフェロ
ン治療患者群における抗体測定 (1)肝疾患患者群の設定 HCV−RNAは実施例3−(1)の方法に従って測定
した。組換え型IFNα−2a(日本ロシュ社製)で治
療を受けたC型慢性肝炎患者30人(男性21人、女性
9人)を対象とした。600万ユニット/日を1週間連
続投与の後、300万ユニット/日を週3回、23週間
投与を行なった。IFNの効果判定は投与開始直前と、
開始後1ケ月ごとに血液中のHCV−RNAを定量測定
して行なった。このうち9人でHCV−RNAが消失し
(著効群)、16人でHCV−RNA量が投与開始前の
1/10以下に一旦下がったがその後1/10以上
に増加した(有効群)。残る5人は、IFNの投与期間
を通じて投与開始前の1/10以上であった(無効
群)。30人全員がEIA−2陽性であった。
【0024】(2)抗体測定結果 (1)の患者群の血清を用い、実施例(2)−1の方法
に従って抗HCV抗体を測定した。C型慢性肝炎患者3
0人について、組換えIFNα−2aを24週投与(合
計249×10ユニット)期間中のIgM型CP14
抗体を測定した(図2)。インターフェロンに対する反
応は血清中のHCV−RNA量で調べた。著効群、すな
わちインターフェロンに反応し血清HCV−RNAが検
出されなくなった9症例で、IgM型CP14抗体が4
週後に急減し低値を維持した。IgG型CP14抗体の
吸光値は連続的に減少したがIgM型CP14抗体より
緩徐であった。有効群、すなわち8週後に血清HCV−
RNA量が一旦は減少したがその後増加した16症例で
は、IgM型CP14抗体は20週後まで減少しその後
増加した。IgG型CP14抗体はIgM型抗体と同じ
動きを見せた。無効群、すなわち血清中のHCV−RN
A量が治療前の1/10以内の変化しか無かった5症例
では、IgM型CP14抗体は8週後まで減少しその後
増加した。IgG型CP14抗体も同様の動きを見せた
がIgM型抗体ほど顕著でなかった。血清ALT値はH
CV−RNA量に伴って変化し、著効群では4週後に正
常化し、有効群では4〜12週後に一旦正常化してその
後再上昇し、無効群では高値を示したままであった。
【0025】
【図2】
【0026】
【効果】本発明の検出方法は、C型肝炎ウィルス抗体を
高感度に検出することができるのみでなく、肝疾患の重
症度により有意に抗体値が異なり、HCV−RNA量の
変化に呼応して抗体価が変化する。また、本発明の検出
方法は、インターフェロンの治療効果を追跡するのにも
適する。
【0027】
【配列表】
配列番号:1 配列の長さ:36 配列の型:アミノ酸 鎖の数:一本鎖 配列の種類:ペプタイド (CP14)
【0028】配列番号:2 配列の長さ:108 配列の型:核酸 鎖の数:一本鎖 トポロジー:直線性 配列の種類:cDNA to genomic RNA
(CN14)
【図面の簡単な説明】
図1:C型急性肝炎7症例におけるIgM型CP14抗
体価の時間経過。黒丸は寛解した症例、白丸は再燃した
症例を表し、実線で結んだ症例は輸血後肝炎、点線で結
んだ症例は散発例を示す(実施例4)。 図2:インターフェロン治療における著効群、有効群、
無効群におけるIgG型ならびにIgM型CP14抗体
価、HCV−RNA量の時間経過。黒丸はIgM型抗
体、白丸はIgG型抗体、斜線四角はHCV−RNA量
を示す(実施例5)。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 G01N 33/576 Z 8310−2J 33/577 B 8310−2J

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】配列番号1記載のアミノ酸配列を有するオ
    リゴペプタイドCP14。
  2. 【請求項2】請求項1記載のオリゴペプタイドCP14
    と同一の抗原性を有するオリゴペプタイド。
  3. 【請求項3】化学合成により得られた請求項1または2
    記載のオリゴペプタイド。
  4. 【請求項4】配列番号2記載の塩基配列を有するオリゴ
    ヌクレオチドCN14。
  5. 【請求項5】請求項4記載のオリゴヌクレオチドと部分
    置換を有するオリゴヌクレオチド。
  6. 【請求項6】請求項4または5記載のオリゴヌクレオチ
    ドを宿主細胞に組み込んで発現させた請求項1または2
    記載のオリゴペプタイド。
  7. 【請求項7】請求項1ないし3、または6記載のオリゴ
    ペプタイドを抗原として用いるC型肝炎ウイルス抗体検
    出方法。
  8. 【請求項8】抗ヒトIgG抗体、抗ヒトIgA抗体、抗
    ヒトIgM抗体の中から選択される1種以上のポリクロ
    ーナル抗体またはモノクローナル抗体を用いる請求項7
    記載のC型肝炎ウイルス抗体検出方法。
  9. 【請求項9】請求項1ないし3、または6記載のオリゴ
    ペプタイドに対するポリクローナル抗体またはモノクロ
    ーナル抗体。
  10. 【請求項10】請求項9記載の抗体を用いたC型肝炎ウ
    イルス検出方法。
JP15602693A 1993-05-21 1993-05-21 オリゴペプタイド、オリゴヌクレオチドならびにc型肝炎ウ イルス関連抗体検出方法 Pending JPH06327482A (ja)

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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO1995027733A1 (en) * 1994-04-08 1995-10-19 The Government Of The United States Of America, Represented By The Department Of Health & Human Services Hepatitis c virus core peptide for stimulation of cytotoxic t lymphocytes and diagnosis of hcv exposure
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JP2003529744A (ja) * 1999-07-28 2003-10-07 カイロン コーポレイション C型肝炎ウイルス抗原免疫アッセイ検出システム

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