JPH06326432A - 混成集積回路用基板及びその製造方法 - Google Patents
混成集積回路用基板及びその製造方法Info
- Publication number
- JPH06326432A JPH06326432A JP11190193A JP11190193A JPH06326432A JP H06326432 A JPH06326432 A JP H06326432A JP 11190193 A JP11190193 A JP 11190193A JP 11190193 A JP11190193 A JP 11190193A JP H06326432 A JPH06326432 A JP H06326432A
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- JP
- Japan
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- layer
- insulating layer
- integrated circuit
- hybrid integrated
- filler
- Prior art date
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- Insulated Metal Substrates For Printed Circuits (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【目的】 高い耐電圧と低い熱抵抗を併せ持つ優れた金
属ベースの混成集積回路用基板とその製造方法を提供す
る。 【構成】 金属基板上に充填材と樹脂からなる絶縁層を
形成する時に、絶縁層を隣接する両側の層より充填材の
含有率が低い境界層及び該境界層によって分断された複
数の層構造とする。充填材の含有率が低い境界層を形成
することによって、耐電圧性の低下の原因となる気泡を
充填材の含有率が高い層内に封じ込めることができるの
で、高い耐電圧性と高熱伝性(低い熱抵抗)を有する金
属ベースの混成集積回路用基板を得ることができる。
属ベースの混成集積回路用基板とその製造方法を提供す
る。 【構成】 金属基板上に充填材と樹脂からなる絶縁層を
形成する時に、絶縁層を隣接する両側の層より充填材の
含有率が低い境界層及び該境界層によって分断された複
数の層構造とする。充填材の含有率が低い境界層を形成
することによって、耐電圧性の低下の原因となる気泡を
充填材の含有率が高い層内に封じ込めることができるの
で、高い耐電圧性と高熱伝性(低い熱抵抗)を有する金
属ベースの混成集積回路用基板を得ることができる。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は電機機器、通信機、自動
車等に用いられる電子部品に用いられる混成集積回路用
基板に関するものである。
車等に用いられる電子部品に用いられる混成集積回路用
基板に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来より、混成集積回路用基板として金
属基板に絶縁材料を積層してなる金属ベース絶縁基板が
知られている。この種の金属ベース絶縁基板を用いた混
成集積回路用基板は、主としてハイパワー領域で使用さ
れているため、その絶縁層には高耐電圧性及び高熱伝導
性が不可欠である。このため、絶縁層は熱伝導性を向上
させるため、充填材を高充填した樹脂からなる絶縁材料
を使用しているものが一般的である。
属基板に絶縁材料を積層してなる金属ベース絶縁基板が
知られている。この種の金属ベース絶縁基板を用いた混
成集積回路用基板は、主としてハイパワー領域で使用さ
れているため、その絶縁層には高耐電圧性及び高熱伝導
性が不可欠である。このため、絶縁層は熱伝導性を向上
させるため、充填材を高充填した樹脂からなる絶縁材料
を使用しているものが一般的である。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかし、このような充
填材を高充填した樹脂からなる絶縁材料によって形成さ
れた絶縁層は、充填材の含有率が高くなるにつれて、樹
脂と充填材の界面での欠陥が多くなり、かつ粘度上昇に
より気泡の巻き込みが多くなるため、絶縁性が低下し耐
電圧が低くなる。充填材の含有率を低くすると、耐電圧
を向上させることができるが、逆に熱伝導性が低下す
る。このように、従来の混成集積回路用基板では高耐電
圧性及び高熱伝導性を併せ持つものを得ることは難しか
った。
填材を高充填した樹脂からなる絶縁材料によって形成さ
れた絶縁層は、充填材の含有率が高くなるにつれて、樹
脂と充填材の界面での欠陥が多くなり、かつ粘度上昇に
より気泡の巻き込みが多くなるため、絶縁性が低下し耐
電圧が低くなる。充填材の含有率を低くすると、耐電圧
を向上させることができるが、逆に熱伝導性が低下す
る。このように、従来の混成集積回路用基板では高耐電
圧性及び高熱伝導性を併せ持つものを得ることは難しか
った。
【0004】本発明の目的は、熱伝導性が良好で、かつ
耐電圧性にも優れた金属ベースの混成集積回路用基板を
供給することにある。
耐電圧性にも優れた金属ベースの混成集積回路用基板を
供給することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】以下、図面により本発明
を詳細に説明する。本発明の混成集積回路用基板は図2
に示すように、金属基板1の上に充填材と樹脂の混合物
からなる絶縁層2から形成されており、その絶縁層2に
は境界層7が少なくとも一つ以上認められることを特徴
とするものである。
を詳細に説明する。本発明の混成集積回路用基板は図2
に示すように、金属基板1の上に充填材と樹脂の混合物
からなる絶縁層2から形成されており、その絶縁層2に
は境界層7が少なくとも一つ以上認められることを特徴
とするものである。
【0006】ここでいう境界層とは、走査型顕微鏡によ
り観察することができるもので、隣接する両側の層より
充填材の含有率が少ない層か、もしくは充填材を含まな
い層をいい、樹脂の種類、充填材の種類に限定されな
い。絶縁層中の境界層の層数は多ければ多いほど耐電圧
性は向上するが、作業性を考慮すれば1〜3が望まし
い。また、分断される層の厚みは耐電圧性の点から20
μm〜80μmが最適である。この境界層の厚みは通常
数μm程度であるが、1μm〜10μmが好ましい。1
μmより薄いと耐電圧性が低下し、10μmより厚いと
熱伝導性が低下する。また、境界層の境界面は充填材の
含有率が急激に変化する面であり、走査型電子顕微鏡写
真により次に示す方法により求められる。
り観察することができるもので、隣接する両側の層より
充填材の含有率が少ない層か、もしくは充填材を含まな
い層をいい、樹脂の種類、充填材の種類に限定されな
い。絶縁層中の境界層の層数は多ければ多いほど耐電圧
性は向上するが、作業性を考慮すれば1〜3が望まし
い。また、分断される層の厚みは耐電圧性の点から20
μm〜80μmが最適である。この境界層の厚みは通常
数μm程度であるが、1μm〜10μmが好ましい。1
μmより薄いと耐電圧性が低下し、10μmより厚いと
熱伝導性が低下する。また、境界層の境界面は充填材の
含有率が急激に変化する面であり、走査型電子顕微鏡写
真により次に示す方法により求められる。
【0007】(境界面の検出方法)混成集積回路用基板
を切断し、その断面を走査型電子顕微鏡(DS−13
0、明石ビームテクノロジー製)で、例えば加速電圧2
0kV、倍率603倍という条件で撮影する。走査型電
子顕微鏡の機種、条件は観察に好適なものを選択するこ
とができる。境界層は次の方法によって確認することが
できる。すなわち絶縁層の断面を走査型電子顕微鏡で
撮影し、その断面写真を肉眼で識別して充填材の含有率
の変化が大きい面を境界面とする方法、走査型電子顕
微鏡写真による絶縁層の断面に数μm間隔で金属基板と
平行な直線を引き、その直線が充填材をきる長さの全長
に対する割合の変化が大きい面を決定する方法、走査
型電子顕微鏡写真による絶縁層の断面に数μm間隔で金
属基板と平行な直線を引き、その直線によって形成され
る領域中の充填材の占める面積から体積換算して充填率
を求め、その変化が大きい層の中間面を境界面とする方
法等がある。、において数μm間隔の平行直線の巾
はできるだけ小さい方がよい。
を切断し、その断面を走査型電子顕微鏡(DS−13
0、明石ビームテクノロジー製)で、例えば加速電圧2
0kV、倍率603倍という条件で撮影する。走査型電
子顕微鏡の機種、条件は観察に好適なものを選択するこ
とができる。境界層は次の方法によって確認することが
できる。すなわち絶縁層の断面を走査型電子顕微鏡で
撮影し、その断面写真を肉眼で識別して充填材の含有率
の変化が大きい面を境界面とする方法、走査型電子顕
微鏡写真による絶縁層の断面に数μm間隔で金属基板と
平行な直線を引き、その直線が充填材をきる長さの全長
に対する割合の変化が大きい面を決定する方法、走査
型電子顕微鏡写真による絶縁層の断面に数μm間隔で金
属基板と平行な直線を引き、その直線によって形成され
る領域中の充填材の占める面積から体積換算して充填率
を求め、その変化が大きい層の中間面を境界面とする方
法等がある。、において数μm間隔の平行直線の巾
はできるだけ小さい方がよい。
【0008】本発明の境界層を有する混成集積用回路基
板の製造方法は、樹脂または、充填材を含有した樹脂か
らなる絶縁材料を金属基板、もしくは導電箔へ塗布して
硬化させ、その上に更に上記と同様の絶縁材料を塗布す
る、または塗布された金属板と塗布された導電箔を張り
合わせることにより作製される。いずれの場合も、境界
層は金属基板、もしくは導電箔へ塗布した絶縁材料が硬
化するときに充填材が沈降して形成される。この境界層
の形成条件としては、硬化温度、昇温速度があげられ
る。例えば、充填材を含有したエポキシ樹脂を、樹脂の
硬化温度150乃至200℃まで50℃/分以上の昇温
速度で急激に昇温することによりエポキシ樹脂の粘度が
低下し、充填材が沈降し、境界層を形成することができ
る。境界層を2つ以上形成する場合は、塗布、硬化させ
た金属板もしくは導電箔の上に、さらに充填材を含有し
た樹脂を塗布するといった工程を繰り返すことにより2
つ以上の境界層を有する混成集積回路用基板を得ること
ができる。
板の製造方法は、樹脂または、充填材を含有した樹脂か
らなる絶縁材料を金属基板、もしくは導電箔へ塗布して
硬化させ、その上に更に上記と同様の絶縁材料を塗布す
る、または塗布された金属板と塗布された導電箔を張り
合わせることにより作製される。いずれの場合も、境界
層は金属基板、もしくは導電箔へ塗布した絶縁材料が硬
化するときに充填材が沈降して形成される。この境界層
の形成条件としては、硬化温度、昇温速度があげられ
る。例えば、充填材を含有したエポキシ樹脂を、樹脂の
硬化温度150乃至200℃まで50℃/分以上の昇温
速度で急激に昇温することによりエポキシ樹脂の粘度が
低下し、充填材が沈降し、境界層を形成することができ
る。境界層を2つ以上形成する場合は、塗布、硬化させ
た金属板もしくは導電箔の上に、さらに充填材を含有し
た樹脂を塗布するといった工程を繰り返すことにより2
つ以上の境界層を有する混成集積回路用基板を得ること
ができる。
【0009】また、絶縁材料を塗布硬化させるときに充
填材の沈降が生じない条件で絶縁層を形成するときに
は、この絶縁層を形成した後、境界層となる樹脂を塗
布、又は配置した後、次の絶縁層を塗布硬化させる方法
によっても製造することができる。
填材の沈降が生じない条件で絶縁層を形成するときに
は、この絶縁層を形成した後、境界層となる樹脂を塗
布、又は配置した後、次の絶縁層を塗布硬化させる方法
によっても製造することができる。
【0010】本発明で用いられる金属基板1としては、
板厚0.3〜5.0mm程度のアルミニウム、銅、ステ
ンレス、鉄等の金属板または金属合金板が用いられる。
絶縁層2の各層3、4、5、7に充填されている充填材
としては酸化アルミニウム、窒化アルミニウム、窒化珪
素、窒化ホウ素等であり、その混合系でも単独系でもか
まわない。導電箔1は銅、アルミニウム、ニッケル、
鉄、錫、銀、チタニウムのいずれか、または、これらの
金属を2種類以上含む合金及びそれぞれの金属を使用し
たクラッド箔が用いられる。この時の箔の製造方法は電
解法でも圧延法で作製したものでもよい。また、樹脂と
してはエポキシ樹脂、フェノール樹脂及びポリイミド樹
脂が好ましい。
板厚0.3〜5.0mm程度のアルミニウム、銅、ステ
ンレス、鉄等の金属板または金属合金板が用いられる。
絶縁層2の各層3、4、5、7に充填されている充填材
としては酸化アルミニウム、窒化アルミニウム、窒化珪
素、窒化ホウ素等であり、その混合系でも単独系でもか
まわない。導電箔1は銅、アルミニウム、ニッケル、
鉄、錫、銀、チタニウムのいずれか、または、これらの
金属を2種類以上含む合金及びそれぞれの金属を使用し
たクラッド箔が用いられる。この時の箔の製造方法は電
解法でも圧延法で作製したものでもよい。また、樹脂と
してはエポキシ樹脂、フェノール樹脂及びポリイミド樹
脂が好ましい。
【0011】
【作用】絶縁層を隣接する両側の層より充填材の含有率
が低い層か、もしくは充填材を含まない境界層で分けら
れた多層構造とすることにより、耐電圧性の低下を防止
することができるのは、充填材の含有率が高い層に多く
巻き込まれた気泡が原因となって生じる絶縁破壊を、境
界層を存在させることによって防止することができるか
らである。しかも絶縁層中の充填材の充填率を低下させ
ることなく、上記構造を形成できるので熱伝導性を保持
することが出来る。
が低い層か、もしくは充填材を含まない境界層で分けら
れた多層構造とすることにより、耐電圧性の低下を防止
することができるのは、充填材の含有率が高い層に多く
巻き込まれた気泡が原因となって生じる絶縁破壊を、境
界層を存在させることによって防止することができるか
らである。しかも絶縁層中の充填材の充填率を低下させ
ることなく、上記構造を形成できるので熱伝導性を保持
することが出来る。
【0012】
【実施例】以下、実施例に基づきその内容を具体的に説
明する。 [実施例1]1.5mm厚さのアルミニウム板上に1層
目として平均粒子径4μmの酸化アルミニウムを充填材
として50体積%充填したビスフェノ−ルF型エポキシ
樹脂により、絶縁層を形成し、60℃/分の昇温速度で
昇温し、200℃、5分加熱硬化後、その上に2層目と
して1層目と同一組成の充填材を含有した樹脂を用い絶
縁層を形成し、35μm銅箔を接着した後、この基板を
150℃、24時間硬化して、混成集積回路用基板を作
製した。この基板の断面を走査型電子顕微鏡(DS−1
30、明石ビームテクノロジー)、倍率600倍で撮影
したところ図1に示す構造のものが確認できた。すなわ
ち、厚さ40μmの絶縁層(1層目)と厚さ40μmの
絶縁層(2層目)の間に5μmの厚み境界層が一つ認め
られた。また、この回路基板の絶縁破壊電圧及び熱伝導
性の指標である熱抵抗を測定した。絶縁破壊電圧の測定
法はJIS Z1020で規定している段階昇圧法(A
C電圧)にて測定した。また、熱抵抗測定については、
下記測定方法によって測定した。
明する。 [実施例1]1.5mm厚さのアルミニウム板上に1層
目として平均粒子径4μmの酸化アルミニウムを充填材
として50体積%充填したビスフェノ−ルF型エポキシ
樹脂により、絶縁層を形成し、60℃/分の昇温速度で
昇温し、200℃、5分加熱硬化後、その上に2層目と
して1層目と同一組成の充填材を含有した樹脂を用い絶
縁層を形成し、35μm銅箔を接着した後、この基板を
150℃、24時間硬化して、混成集積回路用基板を作
製した。この基板の断面を走査型電子顕微鏡(DS−1
30、明石ビームテクノロジー)、倍率600倍で撮影
したところ図1に示す構造のものが確認できた。すなわ
ち、厚さ40μmの絶縁層(1層目)と厚さ40μmの
絶縁層(2層目)の間に5μmの厚み境界層が一つ認め
られた。また、この回路基板の絶縁破壊電圧及び熱伝導
性の指標である熱抵抗を測定した。絶縁破壊電圧の測定
法はJIS Z1020で規定している段階昇圧法(A
C電圧)にて測定した。また、熱抵抗測定については、
下記測定方法によって測定した。
【0013】(熱抵抗の測定方法)回路用基板の導電箔
を10×15mmにエッチングにてパッド部を形成し、
この上にトランジスター(TO220 、株式会社東芝製)を
はんだ付けする。金属板面側を冷却し、トランジスター
に通電して、絶縁層を挟んだトランジスター側と金属板
側の温度差と通電量より熱抵抗を測定した。その結果を
表1に示すが、絶縁破壊電圧は5.4kV、熱抵抗は
0.72℃/Wであった。
を10×15mmにエッチングにてパッド部を形成し、
この上にトランジスター(TO220 、株式会社東芝製)を
はんだ付けする。金属板面側を冷却し、トランジスター
に通電して、絶縁層を挟んだトランジスター側と金属板
側の温度差と通電量より熱抵抗を測定した。その結果を
表1に示すが、絶縁破壊電圧は5.4kV、熱抵抗は
0.72℃/Wであった。
【0014】[実施例2]1.5mm厚さのアルミニウ
ム板上に1層目として実施例1と同一組成の絶縁剤で2
8μmの厚さに絶縁層を形成し、60℃/分の昇温速度
で昇温し、200℃、5分加熱硬化した。さらにこの上
に、2層目として1層目と同じ組成の絶縁材料を用い2
8μm厚の絶縁層を塗布し、1層目と同じ条件で硬化さ
せた。この上に3層目として1層目と同一組成の絶縁剤
を用い29μmの厚みに絶縁層を形成し、その上に35
μm銅箔を接着した後、この基板を150℃、24時間
硬化して、混成集積回路用基板を作製した。この基板を
実施例1と同じ手法で断面観察、絶縁破壊電圧測定およ
び熱抵抗測定を行った。基板の断面観察は図2に示す構
造のものが確認できた。その結果を表1に示すが、2.
5μmの2本の境界層によって分けられた3層、すなわ
ち、1層目の厚さが28μm、2層目の厚さが28μ
m、3層目の厚さが29μmの絶縁層が観察された。ま
た、この混成集積回路用基板の絶縁破壊電圧は6.0k
V、熱抵抗は0.72℃/Wであった。
ム板上に1層目として実施例1と同一組成の絶縁剤で2
8μmの厚さに絶縁層を形成し、60℃/分の昇温速度
で昇温し、200℃、5分加熱硬化した。さらにこの上
に、2層目として1層目と同じ組成の絶縁材料を用い2
8μm厚の絶縁層を塗布し、1層目と同じ条件で硬化さ
せた。この上に3層目として1層目と同一組成の絶縁剤
を用い29μmの厚みに絶縁層を形成し、その上に35
μm銅箔を接着した後、この基板を150℃、24時間
硬化して、混成集積回路用基板を作製した。この基板を
実施例1と同じ手法で断面観察、絶縁破壊電圧測定およ
び熱抵抗測定を行った。基板の断面観察は図2に示す構
造のものが確認できた。その結果を表1に示すが、2.
5μmの2本の境界層によって分けられた3層、すなわ
ち、1層目の厚さが28μm、2層目の厚さが28μ
m、3層目の厚さが29μmの絶縁層が観察された。ま
た、この混成集積回路用基板の絶縁破壊電圧は6.0k
V、熱抵抗は0.72℃/Wであった。
【0015】[比較例1]比較例1として、1.5mm
厚さのアルミニウム板上に絶縁層に充填材として酸化ア
ルミニウムが50体積%充填されたエポキシ樹脂によ
り、厚さ85μmの絶縁層を形成し、30℃/分の昇温
速度で昇温し、130℃、5分間硬化させた後35μm
銅箔を張り合わせ、150℃、24時間硬化して、混成
集積回路用基板を作製した。実施例1と同様な測定方法
で電子顕微鏡による断面観察、絶縁破壊電圧測定および
熱抵抗測定を行った。その結果を表1に示したが、境界
層は認められず、絶縁破壊電圧は3.8kV、熱抵抗は
0.72℃/Wであった。
厚さのアルミニウム板上に絶縁層に充填材として酸化ア
ルミニウムが50体積%充填されたエポキシ樹脂によ
り、厚さ85μmの絶縁層を形成し、30℃/分の昇温
速度で昇温し、130℃、5分間硬化させた後35μm
銅箔を張り合わせ、150℃、24時間硬化して、混成
集積回路用基板を作製した。実施例1と同様な測定方法
で電子顕微鏡による断面観察、絶縁破壊電圧測定および
熱抵抗測定を行った。その結果を表1に示したが、境界
層は認められず、絶縁破壊電圧は3.8kV、熱抵抗は
0.72℃/Wであった。
【0016】[比較例2]比較例2として、絶縁層に充
填材として酸化アルミニウムが50体積%充填されたエ
ポキシ樹脂からなる絶縁材料を塗布し、厚さ10μmの
絶縁層を形成し、30℃/分の昇温速度で昇温し、13
0℃で5分間硬化させた後、同じ絶縁材料を塗布して厚
さ75μmの絶縁層を形成し、その上に35μm銅箔を
張り合わせた後、150℃、24時間硬化して、混成集
積回路用基板を作製した。実施例1と同様な測定方法で
電子顕微鏡による断面観察、絶縁破壊電圧測定および熱
抵抗測定を行った。その結果を表1に示したが、境界層
は認められず、絶縁破壊電圧は4.0kV、熱抵抗は
0.72℃/Wであった。
填材として酸化アルミニウムが50体積%充填されたエ
ポキシ樹脂からなる絶縁材料を塗布し、厚さ10μmの
絶縁層を形成し、30℃/分の昇温速度で昇温し、13
0℃で5分間硬化させた後、同じ絶縁材料を塗布して厚
さ75μmの絶縁層を形成し、その上に35μm銅箔を
張り合わせた後、150℃、24時間硬化して、混成集
積回路用基板を作製した。実施例1と同様な測定方法で
電子顕微鏡による断面観察、絶縁破壊電圧測定および熱
抵抗測定を行った。その結果を表1に示したが、境界層
は認められず、絶縁破壊電圧は4.0kV、熱抵抗は
0.72℃/Wであった。
【0017】
【表1】
【0018】
【発明の効果】本発明によれば、絶縁層が充填材と樹脂
の混合物から形成された混成集積回路用基板において、
絶縁層中に境界層が少なくとも1層以上存在することに
より、熱抵抗特性を低下させることなく、耐電圧特性を
向上させることができた。
の混合物から形成された混成集積回路用基板において、
絶縁層中に境界層が少なくとも1層以上存在することに
より、熱抵抗特性を低下させることなく、耐電圧特性を
向上させることができた。
【図1】本発明の金属ベース回路基板の一例を示す断面
図である。
図である。
【図2】本発明の一例である実施例2の金属ベース回路
基板の構造を示す図である。
基板の構造を示す図である。
1 金属基板 2 絶縁層 3 第一層 4 第二層 5 第三層 6 導電箔 7 境界層
Claims (2)
- 【請求項1】 金属基板に絶縁層を介して導電性金属箔
が接合された混成集積回路用基板において、該絶縁層が
充填材と樹脂の混合物から形成されたものであって、境
界層及び該境界層によって分断された複数の層からなる
ことを特徴とする混成集積回路用基板。 - 【請求項2】 金属基板に絶縁層を介して導電性金属箔
が接合された混成集積回路用基板を製造する方法におい
て、絶縁層を2回以上に分けて積層することを特徴とす
る請求項1記載の混成集積回路用基板の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP11190193A JPH06326432A (ja) | 1993-05-13 | 1993-05-13 | 混成集積回路用基板及びその製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP11190193A JPH06326432A (ja) | 1993-05-13 | 1993-05-13 | 混成集積回路用基板及びその製造方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH06326432A true JPH06326432A (ja) | 1994-11-25 |
Family
ID=14572974
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP11190193A Pending JPH06326432A (ja) | 1993-05-13 | 1993-05-13 | 混成集積回路用基板及びその製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH06326432A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
EP0898310A2 (en) * | 1997-08-19 | 1999-02-24 | Sumitomo Electric Industries, Ltd. | Heat sink for semiconductors and manufacturing process thereof |
US6171691B1 (en) | 1997-02-06 | 2001-01-09 | Sumitomo Electric Industries, Ltd. | Heat sink material for use with semiconductor component and method for fabricating the same, and semiconductor package using the same |
-
1993
- 1993-05-13 JP JP11190193A patent/JPH06326432A/ja active Pending
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
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