JPH06326291A - イメージセンサ - Google Patents

イメージセンサ

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JPH06326291A
JPH06326291A JP5131049A JP13104993A JPH06326291A JP H06326291 A JPH06326291 A JP H06326291A JP 5131049 A JP5131049 A JP 5131049A JP 13104993 A JP13104993 A JP 13104993A JP H06326291 A JPH06326291 A JP H06326291A
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sensor
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Kiyoshi Matsuda
潔 松田
Nobuyoshi Miyazaki
信義 宮崎
Hiroshi Ishihara
啓 石原
Masatoshi Kato
雅敏 加藤
Tadahiko Hamaguchi
忠彦 浜口
Takeshi Takeda
岳 竹田
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Mitsubishi Kasei Corp
Mitsubishi Electric Corp
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Mitsubishi Kasei Corp
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 ダイオードを用いることなく各光電変換素子
間の電流の回り込み防止を可能にしイメージセンサを得
る。 【構成】 個別電極1を設けた支持体4の上にブロッキ
ング層2と光導電層3とが形成され、その上に共通電極
5が設けられ、光導電層3を、光照射時に逆バイアス電
圧を印加したときの抵抗値が、順バイアス電圧を印加し
たときの抵抗値に比べて100倍以上大きい有機の光導
電材料で構成したものである。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、有機系の光導電材料を
用いた光導電層を有する光電変換素子により画像読み取
りを行うイメージセンサに関するものである。
【0002】
【従来の技術】ファクシミリやイメージスキャナ等の画
像入力装置に用いるラインイメージセンサは、高性能
化,低価格化を目指して数種のイメージセンサが提案さ
れている。これらのイメージセンサに使用されるセンサ
材料としてはa−Si(アモルファス・シリコン),C
dS,CCD(Charge Coupled Dev
ice)および有機系の光導電材料等があるが、有機系
の光導電材料を用いたイメージセンサは、成膜が容易で
あり、生産性に優れていること、大面積化が容易である
ことなどいくつかの利点を有している。そのため、有機
材料を使用したイメージセンサの例がいくつか知られて
いる。(例えば特開昭61−285262号公報,特開
昭61−291657号公報,特開昭1−184961
号公報等参照) また、イメージセンサをその構造で分類すると、センサ
の各素子毎に駆動用のスイツチを付ける非マトリクス型
と、センサの全素子を複数のブロックに分けマトリクス
配線を施したマトリクス型とに分けられる。特に、光導
電型のマトリクス型イメージセンサは、駆動用ICの数
を減らすことができてコスト削減が計られるという点で
優れているが、1本のマトリクス配線に複数の素子が接
続されているため各素子間に電流の回り込みが生じる。
このため、各素子毎に電流回り込み防止のブロッキング
ダイオードを付加したものが多い。このセンサの光信号
検出方式としては抵抗を負荷としてこれに光電流を流
し、この抵抗に発生する電圧を検出する方式や、センサ
から流れる電荷を配線の浮遊容量等に蓄積し、この蓄積
電荷を検出する方式等があるが、センサ電流が微小の場
合はノイズに強い後者の方が有利である。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかし、電流回り込み
防止のブロッキングダイオードをイメージセンサの各素
子毎に付加することは、製造工程が増え歩留り低下の要
因となっていた。また、これを取り除くと各素子間の電
流の回り込みが発生し、このためSN比が悪化し、正確
な画像情報が得られないという問題点があった。
【0004】本発明は、上記の問題点を解消するために
なされたもので、光信号検出時の順バイアス電圧を印加
したときの素子抵抗値に比べて、光照射時の逆バイアス
電圧印加における素子の抵抗値が十分大きな特性を有す
る有機の光導電材料からなる光電変換素子を、マトリク
ス型イメージセンサに用いることにより、このイメージ
センサからの信号を読み取るに際し、各素子毎にブロッ
キングダイオードを付加せずにセンサの各素子間の電流
の回り込み防止を可能にして、正確な画像が得られるイ
メージセンサを得ることを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明にかかるイメージ
センサは、各光電変換素子として光照射時に逆バイアス
電圧を印加したときの抵抗値が、順バイアス電圧を印加
したときの抵抗値に比べて100倍以上大きい有機の光
導電層を有するものである。
【0006】
【作用】本発明においては、光電変換素子の光導電層に
有機の光導電材料を使用したので、順バイアス電圧を印
加し各光電変換素子の抵抗値を低くして光信号検出を行
い、光照射時に逆バイアス電圧を印加して光電変換素子
抵抗値が、順バイアス電圧を印加したときの光電変換素
子の抵抗値に比べて100倍以上大きくなり、各光電素
子間の電流の回り込みが抑えられる。
【0007】
【実施例】まず、本発明のイメージセンサで用いる光電
変換素子のうち、いわゆるサンドイッチ型素子の実施例
を図1によって説明する。
【0008】図1(a)は、本発明のイメージセンサに
使用する光電変換素子の構成例を示す平面図、図1
(b)は図1(a)のIーI線による断面図である。図
1において、個別電極1を設けた支持体4の上にブロッ
キング層2と光導電層3とが形成され、さらにその上に
共通電極5が設けられる。この場合、ブロッキング層2
は正電極となる個別電極1に直接接して設けられる。個
別電極1の1つおよびこれが対向する電極対、ならびに
電極対の間に介在する光導電層3とブロッキング層2と
で1つの光電変換素子が構成され、個別の光電変換素子
の光に応じた信号を取り出せる。光導電層3ならびにブ
ロッキング層2は各光電変換素子共通でよい。また、少
なくとも一方の電極、すなわち個別電極1(または共通
電極5)は光の入射通路になるので十分光を透過する透
明電極であることが必要である。透明電極としては、酸
化インジウム,酸化スズ,インジウム・スズ酸化物膜な
どの金属酸化物,また、金,アルミニウムなどの金属の
薄い膜が挙げられる。もう一方の対向する電極、すなわ
ち共通電極5(または個別電極1)には種々の金属が使
用でき、例えばアルミニウム,チタン,金,銀,銅,ニ
ッケル,クロム,モリブデン,タンタル,タングステン
などが挙げられる。支持体4側から露光を行う場合、支
持体4も充分光を透過することが必要である。有機の光
導電層3の電荷発生物質としてはアゾ顔料,フタロシア
ニン顔料,多環キノン顔料,ペリレン顔料,メロシアニ
ン顔料,スクウエアリウム顔料等が、また、電荷移動物
質としてはヒドラゾン誘導体,ピラゾリン誘導体,カル
バゾール,インドール,オキサジアゾール等の複素環誘
導体,トリフェニルアミン等の誘導体,スチルベンゼン
誘導体,側鎖あるいは主鎖に上記の化合物を有する高分
子化合物などが挙げられる。なかでもヒドラゾン誘導
体,アリールアミン類,スチルベンゼン誘導体はより好
ましい電荷移動物質である。有機の光導電層3としては
前記の電荷発生物質をバインダ中に分散させた層構成、
電荷発生物質および電荷移動物質を有効成分として含有
し、両物質をバインダ樹脂に分散した層構成、また、電
荷発生層、電荷移動層を積層した層構成が挙げられる。
なかでも、少なくとも電荷発生物質を含有する電荷発生
層と電荷移動物質を含有する電荷移動層とからなる光導
電層が好ましい。
【0009】本発明のイメージセンサの各光電変換素子
は有機の光導電材料からなり、順バ7イアス電圧を印加
して光信号検出を行い、光照射時に逆バイアス電圧を印
加したときの光電変換素子抵抗値が、順バイアス電圧を
印加したときの光電変換素子の抵抗値に比べて十分大き
な特性を有するが、ここで十分大きな特性とは、例えば
光照射(通常15μW/cm2程度)時、逆バイアス電圧
(通常6V以下)における光電変換素子の抵抗値が通常
光信号検出時に光電変換素子に印加する順バイアス電圧
(通常10V から40V 程度)における光電変換素子の
抵抗値に比べて100倍以上であり、より好ましくは2
000倍以上を有する特性である。このため、このよう
な特性が得られる電荷発生層,電荷移動層を積層した層
構成が特に好ましい。また、上記光電変換素子の光信号
検出は通常光信号検出時に印加する電圧(通常10Vから4
0V 程度)を印加した場合に、光照射時の光電流(明電
流)が光非照射時の光電流(暗電流)に比べて十分大き
い(50倍以上)場合に可能となるが、この光信号検出
時に素子に印加する電圧を順バイアス電圧、これと正負
逆向きの電圧を逆バイアス電圧とする。
【0010】次に、本発明のイメージセンサの電荷蓄
方式での 駆動例を説明する。図2は本発明のイメージセ
ンサの駆動回路図であり、図3は図2の回路の駆動タイ
ミング図である。図2においてS11〜SMNは図1の光電
変換素子であり、N×M個並んで光電変換素子列を形成
しており、M個のブロックに分割されており、各ブロッ
クは共通電極側配線K1 〜KM に接続されている。ま
た、この光電変換素子の個別電極1側はマトリクス配線
L1 〜LN に接続されている。C11〜CMNは素子容
量、R11〜RMNは素子抵抗、L-C1〜L-CN は前記マ
トリクス配線L1〜LN の浮遊容量、VSはセンサ駆動
電源(この例の場合、センサの順バイアス電圧は負電
圧)、X1 〜XM は電源側スイッチ、Y1 〜YN は電
荷リセットスイッチ、A1 〜ANはインピーダンス変換
用アンプ、Z1 〜ZN は読取り側スイッチ、GNDは電
源グランドである。
【0011】図3において、電源側スイッチX1 〜XM
はパルスが“H”の状態がセンサ駆動電源VS側で、
“L”の状態が電源グランド(GND)側である。ま
た、電荷リセットスイッチY1 〜YN はパルスが“H”
の状態がオンするものとする。
【0012】まず、電荷リセットスイッチY1 〜YN は
全てオン、電源側スイッチX1 〜XM-1は全て電源グラ
ンドGND側、XM はセンサ駆動電源VS側、読取り側
スイッチZ1 〜ZN は全てオフになっている状態で、電
源側スイッチX1を電源グランドGND側からセンサ駆
動電源VS側に切り替え、電源側スイッチXM をセンサ
駆動電源VS側から電源グランドGNA側に切り替え
る。すると、光電変換素子S11〜S1Nに電圧が印加さ
れ、素子容量C11〜C1Nは充電される。次に、電荷リセ
ットスイッチY1 〜YN を1クロック毎に順次オフに切
り替えて行く。光電変換素子S11〜S1Nにはそれぞれ光
量に応じた光電流が発生しているため、電荷リセットス
イッチY1〜YN がオフになった直後から、この光電流
に応じて素子容量C11〜C1Nに充電された電荷が放電さ
れ、また、配線の浮遊容量L-C1 〜L-CN に電荷が蓄
積される。このため、マトリクス配線L1 〜LN に電圧
が発生する。
【0013】一方、光電変換素子S11〜S1Nはそれぞれ
マトリクス配線L1 〜LN によって、個別電極1側で第
2ブロックから第Mブロックまでの対応する各素子に接
続されており、これらのブロックの共通電極5側は電源
グランドGND側であるため、第2ブロックから第Mブ
ロックの各光電変換素子S21〜SMNにはマトリクス配線
L1 〜LN に発生する電圧により逆バイアス電圧が印加
され、これらの光電変換素子S21〜SMNに電流が流れ
る。これが前記のセンサ素子間の電流の回り込みであ
り、このため時間tが経過するとマトリクス配線L1 〜
LN にそれぞれの電荷量に応じて次式に示す電圧が発生
する。
【0014】
【数1】 Vout=VS・( r2 / (r1+r2 ))・( 1 -exp ( -t/τ )) ここで、r= 1 / ( 1/r1 + 1 /r2 ), c= c1 +
c2 + c3 τ(時定数)=c・r 〔数1〕において、r1 はセンサ駆動電源VSにおける
選択素子抵抗(選択素子はセンサ信号検出対象の素
子)、r2 は選択素子にマトリクス配線で接続されてい
る全ての非選択素子抵抗の逆バイアス電圧Vout におけ
る並列抵抗、c1 は選択素子容量、c2 は選択素子と個
別電極1側のマトリクス配線で接続されている全非選択
素子容量の並列容量、c3 はマトリクス配線の浮遊容
量、VSはセンサ駆動電源、tは蓄積時間である。
【0015】なお、本発明に使用される光電変換素子S
11〜SMNの素子抵抗は、一定光量照射時に非線形抵抗で
あるため、素子抵抗値は素子印加電圧の関数となる。例
えば選択素子がS12の場合、この選択素子S12にマトリ
クス配線で接続されている各非選択素子はS22〜SM2と
なり、選択素子抵抗r1 はセンサ駆動電源VSにおける
R12、非選択素子抵抗R22〜RM2の逆バイアス電圧Vou
t における全並列抵抗がr2、選択素子容量c1 はC12、
非選択の素子容量C22〜CM2の全並列容量がc2 、配線
の浮遊容量L−C2 がマトリクス配線の浮遊容量c3 と
なる。
【0016】〔数1〕において、センサの各光電変換素
子S11〜SMN間の電流の回り込みは並列抵抗r2 がある
ために発生するが、r2 >>r1 の場合は、式(1) は次
式のように近似できる。
【0017】
【数2】Vout=VS・( 1−exp(−t/τ)) ここで、τ(時定数)=c・r1 、 c= c1 +c2 +
c3 この〔数2〕にはr2 が含まれていないため、この場合
には電流の回り込みは無視できる。また〔数1〕におい
て、時定数τ(τ=c・rでrはr1 とr2 の並列抵
抗)が蓄積時間tに比べて十分大きい場合、式(1) は次
式のように近似できる。
【0018】
【数3】Vout=Vs・t/(c・r1 ) ここで、c=c1 + c2 + c3 この〔数3〕にもr2 が含まれていないため、この場合
にも電流の回り込みは無視できる。
【0019】本発明のイメージセンサの各光電変換素子
S11〜SMNは、光照射時に逆バイアス電圧Vout の印加
における素子抵抗値が順バイアス電圧印加における素子
抵抗値に比べて十分大きな特性を有するため、選択素子
が明(光照射)で、この選択素子にマトリクス配線で接
続している非選択素子が全て明の場合(この場合が並列
抵抗r2 の値が最小となり、電流の回り込みが最大とな
る)、通常のセンサ駆動条件(通常センサ駆動電源VS
は−10Vから−40V程度で使用)においてはr2>>r1と
なり、時定数τの値に関わらず逆バイアス電圧Vout は
〔数2〕で近似でき、素子間の電流の回り込みは無視で
きる。これに対して、このような特性を有さない、例え
ば各素子抵抗が一定光量照射時に線形抵抗であるセンサ
では、同様の条件の場合にr2 >>r1 とはならず電流
の回り込みは無視できなくなる。また、選択素子が暗
(光非照射)で選択素子にマトリクス配線で接続してい
る非選択素子が全て明(光照射)の場合、通常のセンサ
駆動条件においてはr2 >>r1 とはならないが、〔数
1〕におけるr1 およびr2 の値は十分大きく、時定数
τは蓄積時間t(本駆動方式では通常数百μsec 〜100m
sec 程度)に比べて十分大きくなる。このため、この場
合の出力は〔数3〕で近似でき、電流の回り込みは無視
できる。これに対して、各素子抵抗が一定光量照射時に
線形抵抗値であるセンサでは、同様の条件の場合に〔数
1〕における時定数τが蓄積時間tに比べて十分大きく
はなくなる。このため電流の回り込みは無視できなくな
る。結局、本発明のイメージセンサでは電流の回り込み
が最大となる場合、つまり選択素子にマトリクス配線で
接続している非選択素子が全て明の場合でも、選択素子
の状態によらず電流の回り込みが無視ができることにな
る。
【0020】上記マトリクス配線に発生する逆バイアス
電圧Vout が光電変換素子S11〜S1Nの信号出力とな
り、これをアンプA1 〜AN でインピーダンス変換後、
電荷リセットスイッチZ1 〜ZN を順次切り替えて、こ
れらの信号出力を読み取って行く。ここで光電変換素子
S11〜S1Nの各素子の信号出力の読み取り直後に電荷リ
セットスイッチY1 〜YN を各素子の蓄積時間t(リセ
ットスイッチがOFFの期間)が一定になるように1ク
ロック毎に順次オンに切り替えて行き、蓄積電荷をリセ
ットする。次にこれらの電荷リセットスイッチY1 〜Y
N が全てオンになった後に電源側スイッチX1 をセンサ
駆動電源VS側から電源グランドGND側に切り替え、
これと同時に電源側スイッチX2 を電源グランドGND
側からセンサ駆動電源VS側に切り替え、第1ブロック
内素子の信号出力の読み取りと同様の操作で第2ブロッ
ク内素子の信号出力を読み取って行く。以後、同様の操
作を全ブロックについて行い全素子の信号出力を読み取
って行く。 具体例1 共重合ナイロン(ダイセル(株)製、商品名ダイアミドT1
71)をn−プロパノールに溶解し、インジウム・スズ酸
化物(ITO )の透明電極を図1の個別電極1として1mm
あたり8素子(8dot/mm ,1素子あたりの面積は0.01m
m2)、全体で1728素子を一次元状にパターンニング
したガラス板上に、乾燥後0.3μm の膜厚に浸漬塗布し
た。次に、電荷発生物質としてオキシチタニウムフタロ
シアニン10g をジメトキシエタンでサンドグラインダに
よって分散処理し、ポリビニルブチラール樹脂(積水化
学(株)製、商品名エスレックBH-3)5g をジメトキシエタ
ンに溶解した液と混合し塗布液を得た。この塗布液を浸
漬法によって上記ナイロン層からなるブロッキング2層
上に塗布乾燥し、0.4 μm の電荷発生層を設けた。次に
ポリカーボネート(商品名ノバレックス7025A、三菱化成
(株)製)100g、〔化1〕で表される化合物160g,〔化
2〕で表される化合物40g をジオキサン中に溶解し、上
記電荷発生層上に浸漬塗布し、乾燥後0.5μmの電荷移動
層を設けた。さらにこの上にアルミニウムを真空蒸着し
対向電極を設け、図1のサンドイッチ型の光電変換素子
を作成した。
【0021】
【化1】
【0022】
【化2】 測定のため上記と同様の方法で製作した電極が一対の光
電変換素子の電圧、電流特性の一例を図4に示す。図4
(a)はLED(スタンレー電気(株)製;HPY5566 、ピ
ーク波長570nm)光源より直径4mm の光電変換素子面が15
μW/cm2になるように光を照射した場合の素子印加電圧
(この場合、順バイアス電圧は正電圧)と光電流(明電
流)の関係を示した図であり、図4(b)は図4(a)
と同条件でLEDを消灯した場合の素子印加電圧と光電
流(暗電流)の関係を示した図である。
【0023】この光電変換素子の順バイアス電圧20V 印
加、逆バイアス電圧6.0V印加、逆バイアス電圧4.6 印
加、および逆バイアス電圧2.0V印加の場合の明電流の測
定値はそれぞれ 1.3×10-6A 、-5.8×10-11A、-3.1×10
-11A、および-3.2×10-12Aであり、暗電流の測定値はそ
れぞれ8.8 ×10-10A、-5.6×10-11A、-2.8×10-11Aおよ
び-3.0×10-12Aであり、明電流の測定値より素子面積0.
01mm2あたりの素子抵抗値を算出すると、それぞれ 1.9
×1010Ω、 1.3×1014Ω、 1.9×1014Ω、および7.9×1
014Ωとなる。よってこの光電変換素子は光照射時、逆
バイアス電圧(6.0V以下)印加における素子抵抗値が通
常光信号検出時に印加する順バイアス電圧20V における
素子抵抗値に比べて十分大きい(約7千倍以上)事が確
認された。 具体例2 実施例1の光電変換素子(8dot/mm 、1素子あたりの面
積は0.01mm2)を18ブロックで構成されるマトリクス型
イメージセンサに用いて前記駆動方式で信号読み取りを
行う場合を想定して、式(1) におけるr1 およびr2 を
具体例1の測定結果を用いて求める。
【0024】選択素子が明(光照射)および暗(光非照
射)の場合のr1 をそれぞれr1 (明)およびr1
(暗)とすると、センサ駆動電源VSが-20Vの場合(前
記駆動方式ではセンサの順バイアス電圧は負電圧)、r
1 (明)は 1.9×1010Ω、r1 (暗)は 2.9×1013Ωと
なる。またセンサの各素子間の電流の回り込みが最も大
きくなる場合は、選択素子にマトリクス配線で接続して
いる全ての非選択素子が明(光照射)の場合であり、こ
の場合のr2 をr2 (明)とし、電流の回り込みが最も
小さくなる場合は選択素子にマトリクス配線で接続して
いる全ての非選択素子が暗(光非照射)の場合であり、
この場合のr2 をr2 (暗)とすると、Vout が-4.6V
の場合、r2 (明)は 1.1×1013Ω、r2 (暗)は1.2
×1013Ω、Vout が-2.0V の場合、r2(明) は、4.6 ×
1013Ω、r2 (暗)は4.9 ×1013Ωとなる。なお、セン
サ印加逆バイアス電圧が1.0V以下では、光電流値が微小
のため測定が不可能であった。このためVout が-1.0V
以下の場合のr2 の値はVoutが-2.0V の場合のr2 と
同一とする。
【0025】次に、ここで算出したr1 (明)、r1
(暗)、r2 (明)、およびr2 (暗)より、上記想定
の場合の式(1) におけるr2 とr1 の比(r2/r1 )、
時定数τおよび出力Vout を次のA,BおよびCの場合
でそれぞれ算出して比較を行う。
【0026】A; 本発明のイメージセンサ使用の場合 B; Aの場合でイメージセンサの各素子間の電流回り
込みが無い場合(〔数1〕においてr2 を無限大にした
場合で、〔数2〕で算出できる) C; 素子抵抗が線形抵抗の場合(r1 (明))、r1
(暗)は前記算出した値を用い、r2 (明)およびr2
(暗)の値は、それぞれr1 (明)/17およびr1
(暗)/17となる。
【0027】ここで、Vsは-20V、蓄積時間tは100mse
c 、cは20PFとする。 (1)選択素子が明(光照射)で、これとマトリクス配
線で接続している全ての非選択素子が明の場合 Aの場合; r2/r1 :570, τ:380msec, V
out :-4.6V Bの場合; r2/r1 :無限大, τ:380msec, V
out :-4.6V Cの場合; r2/r1 :5.9 ×10-2, τ:21msec,
Vout :-1.1V (2)選択素子が明で、これとマトリクス配線で接続し
ている全ての非選択素子が暗(光非照射)の場合 Aの場合; r2/r1 :610, τ:380msec, Vo
ut :-4.6V Bの場合; r2/r1 :無限大, τ:380msec, Vo
ut :-4.6V Cの場合; r2/r1 :90, τ:380msec, Vo
ut :-4.6V (3)選択素子が暗で、これとマトリクス配線で接続し
ている全ての非選択素子が明の場合 Aの場合; r2/r1 :1.6, τ:350sec, V
out :-3.5mV Bの場合; r2/r1 :無限大, τ:570sec, V
out :-3.5mV Cの場合; r2/r1 :3.9 ×10-5, τ:22msec,
Vout :-0.8mV (4)選択素子が暗で、これとマトリクス配線で接続し
ている全ての非選択素子が暗の場合 Aの場合; r2/r1 :1.7, τ:360sec, V
out :-3.5mV Bの場合; r2/r1 :無限大, τ:570sec, V
out :-3.5mV Cの場合; r2/r1 :5.9 ×10-2, τ:32msec,
Vout :-0.5mV 以上の結果、Aの本発明センサ使用の場合は、(1)お
よび(2)の場合にはr2 >>r1 であり、このため前
記のように時定数τの値に関わらず電流の回り込みの影
響が無視でき、また(3)および(4)の場合にはr2
>>r1 ではないが、時定数τが蓄積時間に比べて十分
大きく、この場合も前記のように電流の回り込みの影響
が無視できる。結局、(1)〜(4)の場合で電流の回
り込みの影響が無視でき、Bの電流回り込みが無い場合
とほぼ同一の出力が得られた。
【0028】Cの素子抵抗が線形抵抗の場合は、(1)
の場合にはr2 >>r1 ではなく、また時定数τが蓄積
時間(100msec)に比べ小さいため、電流の回り込みの影
響が無視できず、Bの場合に比べて出力が大きく減少し
たが、(2)の場合にはr2>>r1であり、Bの場合と
ほぼ同様の出力が得られる。また、(3)の場合には時
定数τが蓄積時間に比べて小さく、またr2 >>r1 で
もないため電流の回り込みの影響が無視できず、Bの場
合に比べて出力が大きく減少したが、(4)の場合には
時定数τが蓄積時間に比べて十分大きくBの場合とほぼ
同様の出力が得られた。
【0029】結局、Cの素子抵抗が線形抵抗の場合は選
択素子が明,暗いずれの場合も選択素子とマトリクス配
線で接続している非選択素子の状態により電流の回り込
みの影響が異なり、出力が非選択素子の明,暗の状態に
より変化するが、Aの本発明のイメージセンサ使用の場
合は選択素子が明,暗いずれの場合も選択素子とマトリ
クス配線で接続している非選択素子の明,暗の状態によ
らず、センサの各素子間の電流の回り込みの影響が無視
でき、出力の減少が殆ど無いことが確認された。 比較例1 具体例1の光電変換素子において、素子中の有機の光導
電層を電荷発生層(膜厚は0.9μm )のみとした場合の
電極が一対の測定用の光電変換素子の電圧、電流特性の
一例を図5に示す。図5(a)はLED(スタンレー電
気(株)製;HPY5566、ピーク波長570nm )光源より直径4m
m の素子面が15μW/cm2になるように光を照射した場合
の素子印加電圧(この場合、順バイアス電圧は正電圧)
と光電流(明電流)の関係を示した図であり、図5
(b)は図5(a)と同条件でLEDを消灯した場合の
素子印加電圧と光電流(暗電流)の関係を示した図であ
る。
【0030】この光電変換素子の順バイアス電圧20V 印
加、逆バイアス電圧6.0V印加、逆バイアス電圧4.6V印
加、および逆バイアス電圧2.0V印加の場合の明電流の測
定値はそれぞれ2.9 ×10-7A ,-8.0×10-8A ,-5.0×10
-8A ,および-1.5×10-8A であり、この場合の素子面積
0.01mm2あたりの素子抵抗値はそれぞれ8.8 ×1010Ω,
9.4 ×1010Ω ,1.2 ×1011Ω ,および1.7 ×1011Ωと
なる。よってこの光電変換素子は光照射時、逆バイアス
電圧(6.0V以下)印加における素子抵抗値が通常光信号
検出時に印加する順バイアス電圧20V における素子抵抗
値に比べて十分大きくはない(2倍以下)。
【0031】次に、上記光電変換素子と同様の層構成で
1mm あたり 8個の光電変換素子(8dot/mm,1素子あたりの
面積は0.01mm2)を18ブロックで構成されるマトリクス
型イメージセンサに用いて前記駆動方式で信号読み取り
を行う場合を想定して、光照射時の式(1) におけるr1
およびr2 を求めると、センサ駆動電源VSが-20Vの場
合、r1(明)は8.8 ×1010Ω、Vout が-2V の場合、r
2 (明)は9.6 ×109Ωとなる。この場合はr2 <r1
であり、Vout は式(2) のように近似できず、センサ各
素子間の電流の回り込みは無視できない。
【0032】
【発明の効果】以上説明したように本発明は、各光電変
換素子の光電導層が光照射時に逆バイアス電圧を印加し
たときの抵抗値が、順バイアス電圧を印加したときの抵
抗値に比べて100倍以上大きな抵抗値を有する有機の
光導電材料で構成され、この光電変換素子をマトリクス
型イメージセンサに用いるので、このイメージセンサに
より読み取るのに際し、イメージセンサの各素子間の電
流の回り込みが防止でき、このため、SN比の悪化を防
止でき正確な画像情報が得られる。また、ブロッキング
ダイオードを各素子毎に付加する必要がなくなり、イメ
ージセンサの製造工程の簡略化が達成でき、歩留の向上
が計ることができる利点を有する。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は本発明のイメージイメージセンサに使用
する光電変換素子の構成を示す図である。
【図2】図2は本発明のイメージセンサの駆動回路図で
ある。
【図3】図3は図2の駆動回路の駆動タイミングを示す
図である。
【図4】図4は本発明のイメージセンサに用いた光電変
換素子中の有機の光導電層を電荷発生層,電荷移動層に
積層した光電変換素子の電圧、電流特性図である。
【図5】図5は光電変換素子中の有機の光導電層を電荷
発生層のみとした光電変換素子の電圧、電流特性図であ
る。
【符号の説明】
1 個別電極 2 ブロッキング層 3 光導電層 4 支持体 5 共通電極 S11〜SMN 光電変換素子 C11〜CMN 素子容量 R11〜RMN 素子抵抗 K1 〜KM 共通電極側配線 L1 〜LN 個別電極側のマトリクス配線 L-C1〜L-CN マトリクス配線L1 〜LN の浮遊容
量 VS センサ駆動電源 X1 〜XM 電源側スイッチ Y1 〜YN 電荷リセットスイッチ A1 〜AN インピーダンス変換用アンプ Z1 〜ZN 読取り側スイッチ GND 電源グランド
フロントページの続き (72)発明者 石原 啓 神奈川県横浜市緑区鴨志田町1000番地 三 菱化成株式会社総合研究所内 (72)発明者 加藤 雅敏 神奈川県鎌倉市大船二丁目14番40号 三菱 電機株式会社生活システム研究所内 (72)発明者 浜口 忠彦 神奈川県鎌倉市大船二丁目14番40号 三菱 電機株式会社生活システム研究所内 (72)発明者 竹田 岳 神奈川県鎌倉市大船二丁目14番40号 三菱 電機株式会社生活システム研究所内

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 順バイアス電圧を印加して光信号検出を
    行う光電変換素子を一列に複数個配列した光電変換素子
    列を用い、前記各光電変換素子の一端を共通電極側に、
    他端を個別電極側にマトリクス配線により接続したイメ
    ージセンサにおいて、前記各光電変換素子は、光照射時
    に逆バイアス電圧を印加したときの抵抗値が、順バイア
    ス電圧を印加したときの抵抗値に比べて100倍以上大
    きい有機の光導電層を有することを特徴とするイメージ
    センサ。
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