JPH0632607A - 高結晶性炭素微粉末およびその製造方法 - Google Patents

高結晶性炭素微粉末およびその製造方法

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JPH0632607A
JPH0632607A JP4185558A JP18555892A JPH0632607A JP H0632607 A JPH0632607 A JP H0632607A JP 4185558 A JP4185558 A JP 4185558A JP 18555892 A JP18555892 A JP 18555892A JP H0632607 A JPH0632607 A JP H0632607A
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JP
Japan
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fine powder
highly crystalline
vapor
less
crystalline carbon
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JP4185558A
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Takashi Osaki
孝 大崎
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Nikkiso Co Ltd
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Nikkiso Co Ltd
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Publication date
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    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C01INORGANIC CHEMISTRY
    • C01BNON-METALLIC ELEMENTS; COMPOUNDS THEREOF; METALLOIDS OR COMPOUNDS THEREOF NOT COVERED BY SUBCLASS C01C
    • C01B32/00Carbon; Compounds thereof
    • C01B32/05Preparation or purification of carbon not covered by groups C01B32/15, C01B32/20, C01B32/25, C01B32/30

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  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Organic Chemistry (AREA)
  • Inorganic Chemistry (AREA)
  • Carbon And Carbon Compounds (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 この発明の目的は、微細で均一な粒径を有
し、導電性、機械的強度、化学安定性等に優れ、複合材
料、摺動材料、導電材料、電極材料、触媒材料等の各種
産業分野に好適に使用することのできる高結晶炭素微粉
末およびその製造方法を提供することにある。 【構成】この発明の高結晶性炭素微粉末では、平均粒径
が0.7μm以下で、かつ粒径の変動率が50%以下で
あることを特徴とする。また、この発明の高結晶性炭素
微粉末の製造方法は、直径5μm以下の気相成長炭素繊
維を直径10mm以下の小球と共に高速撹拌することを
特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は高結晶性炭素微粉末およ
びその製造方法に関し、さらに詳しくは、複合材料、摺
動材料、電極材料、触媒材料等の各種産業分野に使用さ
れる高結晶性炭素微粉末およびその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術および発明が解決しようとする技術的課
題】一般に、炭素特に黒鉛は、劈開性があり、導電性お
よび化学安定性に優れているので、複合材料、摺動材
料、導電材料、電極材料、触媒担体材料等の広い用途に
用いられている。通常、このような用途に用いられる炭
素特に黒鉛の形状は、微粉末が好適である。しかしなが
ら、天然に産する黒鉛を粉砕してその微粉末を得ようと
しても、黒鉛の結晶構造に因り、鱗片状でしかもその粒
径に大きなばらつきのある粒子しか得られず、上記用途
に好適な微粉末が得られないという欠点がある。
【0003】ところで、近年、気相成長法により炭素繊
維を製造する方法が知られている。一般に、この方法に
より製造される気相成長炭素繊維は、縮合環状の炭素面
が繊維軸に平行に、しかも繊維軸を中心とする年輪状に
発達した構造を有しているので、高機械的強度、高弾性
を有する。そのため、この気相成長炭素繊維は、プラス
チック、セラミックス、ゴム、金属等の各種のマトリッ
クス材料と複合することにより、これらの各種のマトリ
ックス材料の機械的性質を大きく改善することができる
ものと期待されている。そこで、このような天然黒鉛に
匹敵する人工黒鉛としての気相成長炭素繊維を用いて、
天然黒鉛に匹敵する結晶構造を有する微粉末を製造しよ
うという試みがなされている。
【0004】例えば、気相成長炭素繊維をジェットミル
等の粉砕機で粉砕して微粉末を得る方法を挙げることが
できる。しかしながら、気相成長炭素繊維は年輪状に発
達した構造を有しているので、粉砕機を用いると鱗片状
に砕けてしまい、均一な粒径を有した微細な微粉末を得
ることが困難であるという欠点がある。このような方法
で得られた微粉末を利用して厚さ数ミクロンといった乾
性皮膜を製造した場合には、微粉末の不均一な粒径によ
り、十分な摺動性および導電性を有した乾性皮膜を得る
ことができないという問題が生じる。このように、従来
の方法においては、例えば電極材料や触媒材料等のよう
に化学変化に関連する材料に好適に利用することができ
る均一な高結晶性炭素微粉末を得ることが困難であると
いう問題点があった。
【0005】本発明は、上記事情に基づいて基づいてな
されたものである。すなわち、本発明の目的は、微細で
均一な粒径を有し、導電性、機械的強度、化学安定性等
に優れ、複合材料、摺動材料、導電材料、電極材料、触
媒材料等の各種産業分野に好適に使用することのできる
高結晶性炭素微粉末およびその製造方法を提供すること
である。
【0006】
【課題を解決するための手段】すなわち、前記課題を解
決するための請求項1に記載の発明は、平均粒径が0.
7μm以下で、かつ粒径の変動率が50%以下であるこ
とを特徴とする高結晶性炭素微粉末であり、請求項2に
記載の発明は、前記高結晶性炭素微粉末の黒鉛網面間距
離(d002)が0.355nm以下であり、黒鉛結晶子
の厚さ(Lc )が2nm以上である前記請求項1に記載
の高結晶性炭素微粉末であり、請求項3に記載の発明
は、前記高結晶性炭素微粉末の黒鉛網面間距離
(d002)が0.335〜0.345nmであり、黒鉛
結晶子の厚さ(Lc )が10nm以上である前記請求項
1に記載の高結晶性炭素微粉末であり、請求項4に記載
の発明は、直径5μm以下の気相成長炭素繊維を直径1
0mm以下の小球と共に高速撹拌することを特徴とする
請求項1に記載の高結晶性炭素微粉末の製造方法であ
り、請求項5に記載の発明は、直径が5μm以下である
黒鉛化処理前の気相成長炭素繊維を直径10mm以下の
小球と共に高速撹拌することを特徴とする請求項1に記
載の高結晶性炭素微粉末の製造方法であり、請求項6に
記載の発明は、直径が5μm以下である黒鉛化処理前の
気相成長炭素繊維を直径10mm以下の小球と共に高速
撹拌してから、さらに1700℃以上の温度で熱処理す
る前記請求項1に記載の高結晶性炭素微粉末の製造方法
であり、請求項7に記載の発明は、直径が5μm以下で
ある黒鉛化処理後の気相成長炭素繊維を直径10mm以
下の小球と共に高速撹拌することを特徴とする請求項1
に記載の高結晶性炭素微粉末の製造方法である。
【0007】以下、本発明の高結晶性炭素微粉末および
その製造方法についてさらに詳述する。本発明における
高結晶性炭素微粉末の平均粒径は、0.7μm以下であ
り、特に0.5μm以下であるのが好ましい。上記粒径
が0.7μm以上である場合には、高結晶性炭素微粉末
と樹脂とを混合して薄膜化した場合に、厚さや濃度のば
らつきが生じやすく、また高結晶性炭素微粉末を化学変
化に関連する材料として用いた場合には、表面積の低下
により反応速度が減少するので、これらの点で好ましく
ない。本発明における高結晶性炭素微粉末の粒径の変動
率は、50%以下であり、特に30%以下であるのが好
ましい。上記変動率とは、粒径の標準偏差を粒径の平均
値で割った値の百分率ある。変動率が上記範囲にあるこ
とにより、例えば、高結晶性炭素微粉末を他材に配合し
て摺動材として用いる場合に、摺動材の摩擦抵抗が低下
するので、他材を傷付けないという利点がある。
【0008】本発明においては、前記高結晶性炭素微粉
末の黒鉛網面間距離(d002 )が、0.355nm以下
であり、特に0.335nm〜0.345nmであるの
が好ましく、さらに0.335nm〜0.338nmで
あるのが好ましい。また、前記高結晶性炭素微粉末の黒
鉛結晶子の厚さ(Lc )が、2nm以上であり、特に1
0nm〜>100nmであるのが好ましく、さらに60
nm〜>100nmであるのが好ましい。なお、「>1
00」と表示しているのは、X線から結晶層の厚みを算
出するいわゆる「学振法」では、計算値が100nmを
越える場合には「>100nm」と表示することになっ
ているからである。
【0009】黒鉛網面間距離(d002 )が0.355n
mより大きい場合、あるいは黒鉛結晶子の厚さ(Lc
が2nmより小さい場合には、高結晶性炭素微粉末の結
晶性が不十分なので黒鉛が有する特性と同様な特性を発
揮せず、摺動、導電、その他の特性が利用するのに不十
分である。特に、黒鉛網面間距離(d002 )が0.33
5〜0.345nmであり、黒鉛結晶子の厚さ(Lc
が10nm以上である高結晶性炭素微粉末は、摺動特
性、電気特性および化学安定性に優れており、複合材
料、摺動材料、導電材料、電極材料、触媒材料等の各種
産業分野に好適に使用することができる。
【0010】本発明の高結晶性炭素微粉末は、例えば後
述の製造方法のように、年輪構造を有した高結晶性およ
び高配向性の気相成長炭素繊維等を摩砕して製造され
る。それゆえ、本発明の高結晶性炭素微粉末は、結晶性
および配向性に優れる。また、本発明の高結晶性炭素微
粉末は、例えば後述の製造方法のように、気相成長炭素
繊維を小球と共に撹拌することにより得られる。それゆ
え、本発明の高結晶性微粉末は、短径に対する長径の比
が3〜5程度であるが、鱗片状の微粉末ではなく、粒径
が小さくて粒径分布の狭い微粉末である。
【0011】したがって、本発明の高結晶性炭素微粉末
は、均一で微細な粒径を有し、結晶性および配向性に優
れており、摺動性、導電性、化学的安定性等に優れ、マ
トリックス材料等の他材と複合して、様々な用途に好適
に使用することができる。例えば、本発明の高結晶炭素
微粉末と樹脂とを混合した複合材料は、安定した導電性
や摺動特性を示すので、厚さが数十μm以下の薄いフィ
ルム状の皮膜に使用でき、導電塗料や潤滑塗料の用途に
好適である。また、本発明の高結晶性炭素微粉末は、樹
脂以外の材料と混合することも可能である。例えば、僅
かな量の、ポリマー、セラミックス、炭素、金属等のバ
インダーと共に固めた複合材料を電極または反応触媒と
して使用すると、均一で素早い反応を期待することがで
きる。さらに、微粉末にまで粉砕されていない気相成長
炭素繊維と共に本発明の高結晶性炭素微粉末を使用する
ことにより、フィラー充填材の量を高めることも可能で
ある。
【0012】本発明の高結晶性炭素微粉末は、本発明の
製造方法によって製造することができる。本発明の製造
方法においては、気相成長炭素繊維を小球とともに高速
撹拌して、気相成長炭素繊維を摩砕する。前記気相成長
炭素繊維は、気相成長法により製造することができる。
【0013】気相成長法により気相成長炭素繊維を製造
する方法としては、いわゆる基板法と流動気相法とがあ
る。基板法は、基板に触媒金属例えば遷移金属もしくは
遷移金属化合物を担持させ、高温度に加熱しながら、そ
の基板上に炭素源ガスである炭化水素ガスを流通させる
ことにより、基板表面に炭素繊維を生成させる方法であ
り、流動気相法は、基板を使用せず、触媒金属になり得
る金属化合物と炭素源である炭素化合物とを気化して高
温の反応管中に流通させることにより、空間中に炭素繊
維を生成させる方法である。
【0014】具体的には、特開昭60−54998号、
特開昭60−215816号、特開昭61−70014
号を始めとし、、特開昭52−107320号、特開昭
57−117622号、特開昭58−156512号、
特開昭58−180615号、特開昭60−18581
8号、特開昭60−224815号、特開昭60−23
1821号、特開昭61−132630号、特開昭61
−132600号、特開昭61−132663号、特開
昭61−225319号、特開昭61−225322
号、特開昭61−225325号、特開昭61−225
327号、特開昭61−225328号、特開昭61−
2275425号、特開昭61−282427号の各公
報に記載の方法により製造される気相成長炭素繊維を本
発明の方法における気相成長炭素繊維として使用するこ
とができる。
【0015】上記気相成長法により製造される気相成長
炭素繊維は、縮合環状の黒鉛網面が繊維軸を中心にして
年輪状に高度の発達した構造を有する。本発明において
は、前記気相成長炭素繊維の直径が5μm以下であるの
が好ましく、特に3μm以下であるのが好ましく、さら
に1μm以下であるのが好ましい。気相成長炭素繊維の
直径が上記範囲にある場合には、摩砕時間が短く、しか
も均一な微粉末を得ることができる。
【0016】前記気相成長炭素繊維は、上記製造方法に
よって製造された気相成長炭素繊維をそのまま使用する
ことができるが、更に黒鉛化処理をしてから使用するこ
ともできる。もっとも黒鉛化処理により完全に黒鉛化し
た気相成長炭素繊維は、前記小球と共に撹拌して摩砕す
ると、燐片状微細粉が発生するので、黒鉛化処理前の気
相成長炭素繊維を使用するのが好ましい。
【0017】黒鉛化されていない気相成長炭素繊維を使
用する場合においては、気相成長炭素繊維の結晶構造
は、d002 が0.346nm〜0.355nmであり、
c が2nm〜9nmである。黒鉛化された気相成長炭
素繊維を使用する場合においては、気相成長炭素繊維の
結晶構造は、d002 が0.335nm〜0.345nm
であり、Lc が10nm〜>100nmである。さらに
高度に黒鉛化された気相成長炭素繊維を使用する場合に
おいては、気相成長炭素繊維の結晶構造は、d002
0.335nm〜0.338nmであり、Lc が60n
m〜>100nmである。上記黒鉛化の方法としては、
通常行われている黒鉛処理方法を用いればよく、例え
ば、黒鉛化されていない気相成長炭素繊維を不活性雰囲
気中で1,700℃以上、好ましくは2,000℃以上
で加熱処理する方法を挙げることができる。
【0018】本発明における小球としては、高硬度の小
球であるのが好ましい。上記小球の材質としては、ジル
コニア、アルミナ等のセラミックス、あるいはスチール
等の金属に代表される高硬度のものが好ましい。上記小
球の大きさとしては、直径が10mm以下であるのが好
ましく、特に6mm以下であるのが好ましい。小球の範
囲が10mmより大きい場合には、十分に気相成長炭素
繊維を摩砕できず、得られた微粉末は、極めて微細な鱗
片状粉と砕かれなかった繊維等とが混在する。
【0019】本発明における撹拌の方法としては、前記
気相成長炭素繊維と前記小球とが十分に撹拌されて目的
とする微粉末が得られるのであれば特に限定はないが、
例えば、アクアマイザー等の通常使用されている撹拌機
を用いることができる。なお、本発明においては、例え
ば純水等の水、アルコール、アセトン等の有機溶媒等の
溶媒の存在下に、前記気相成長炭素繊維と前記小球とを
撹拌してもよい。上記溶媒等を用いて撹拌することによ
り、撹拌時に生じる摩擦による発熱および粉燼の発生を
防止することができる。
【0020】上記撹拌における速度については、高速で
あるのが好ましいが特に限定はなく、目的とする粒径に
合わせて適宜に設定するのが望ましいが、通常100r
pm〜600rpmが好ましく、特に200rpm〜4
00rpmが好ましい。上記撹拌における時間について
は、特に限定はなく、目的とする粒径に合わせて適宜任
意に設定するのが望ましいが、通常1時間〜48時間が
好ましく、特に3時間〜10時間が好ましい。
【0021】上記撹拌において、前記気相成長炭素繊維
と前記小球との混合割合については、特に限定はなく、
目的とする粒径に合わせて任意に設定するのが望まし
い。前記小球に対する前記気相成長炭素繊維の混合比
が、通常0.001〜0.1(重量比)であるのが好ま
しく、特に好ましくは0.005〜0.05(重量比)
である。本発明においては、上記のような撹拌により気
相成長炭素繊維を摩砕するので、ジェットミル等の粉砕
機では得られなかった微粉末を得ることができ、上述し
た特徴を有する高結晶性炭素微粉末を得ることができ
る。
【0022】本発明においては、完全に黒鉛化していな
い気相成長炭素繊維を原料として用いた場合には、これ
を前記のようにして摩砕処理してから、得られた摩砕物
を更に黒鉛化処理を施して高結晶性炭素微粉末を製造し
ても良い。黒鉛化の処理方法としては、例えば、1,7
00℃以上の温度で、上記高結晶性炭素微粉末を熱処理
する方法を挙げることができる。
【0023】本発明の製造方法によると、上記のように
小球とともに撹拌して気相成長炭素繊維を摩砕するの
で、年輪状の構造を有した気相成長炭素繊維が鱗片状に
粉砕されるのを防止することができ、均一で微細な粒径
を有した微粉末を得ることができる。また、本発明の方
法によると、高結晶性および高配向性を有する気相成長
炭素繊維を摩砕しているので、得られた微粉末は気相成
長炭素繊維の優れた結晶特性を有することができ、結晶
性および配向性に優れ、複合材料、摺動材料、導電材
料、電極材料、触媒材料等の各種の産業分野に好適な炭
素微粉末を得ることができる。
【0024】
【実施例】次に実施例と比較例とに基いて本発明をさら
に具体的に説明する。
【0025】(実施例1〜3および比較例1〜5)気相
成長炭素繊維として、特開昭60−215816号に記
載された方法に準じてベンゼン、フェロセンを原料と
し、水素雰囲気中で約1,100℃で製造されたものを
使用した。この気相成長炭素繊維のd002 は0.351
nm、Lc は3.8nmで平均直径は0.8μm、平均
長さは約120μmであった。その後、この気相成長炭
素繊維をハイブリダイザー(奈良機械製作所株式会社
製)で処理して、平均長さ10μmの気相成長炭素繊維
を得た。次に、直径3mmのジルコニア球が約10kg
入っているアクアマイザーAQ−5(ホソカワミクロン
株式会社製)内に、上記の平均長さ10μmの気相成長
炭素繊維200gを1.6リットルの純水とともに投入
し、表1に示す条件にて撹拌処理を行った。得られた粉
体について、粒径と変動率とを米国Leeds&Nor
thrup社製MICROTRAC−FRA粒度分析計
を用いて測定した。その結果を表1に示す。
【0026】(比較例6)実施例1において撹拌処理を
行う前の平均長さ10μmの気相成長炭素繊維の粒径と
変動率とについて、実施例1と同様にして測定した。そ
の結果を表1に示す。
【0027】(実施例4)実施例2において、得られた
粉体を2,850℃で熱処理して黒鉛化した。得られた
粉体について実施例1と同様にして平均粒径および変動
率を測定した。平均粒径および変動率は、黒鉛化前後で
差がなかった。なお、得られた粉体のd002 は0.33
6nm、Lc は100nm以上であった。
【0028】(実施例5)直径0.3μm、長さ6μm
で、d002 は0.337nm、Lc は98nmの黒鉛化
された気相成長炭素繊維を用い、かつ撹拌処理を400
rpmで10時間にした外は実施例1と同様に行なっ
た。得られた粉体の平均粒径は0.390μm、変動率
は36%であった。
【0029】(比較例7)鱗片状天然黒鉛粉(市販品、
日本黒鉛工業(株)製CSP)の粒径と変動率とを米国
Leeds&Northrup社製MICROTRAC
−FRA粒度分析計を用いて測定した。その結果を表1
に示す。
【0030】(比較例8)ピッチ小球からの黒鉛粉(市
販品、大阪ガス(株)製MCMB−6−28)の粒径と
変動率とを米国Leeds&Northrup社製MI
CROTRAC−FRA粒度分析計を用いて測定した。
その結果を表1に示す。
【0031】(実施例6〜8および比較例9)実施例
1、4、5で得られた粉体または比較例7の粉体とエポ
キシ樹脂(チバガイギー株式会社製、LY556:HY
917J:DY062=100:90:2)とを、実施
例1、4、5で得られた粉体または比較例7の粉体が3
5重量%になるように、三本ロール上で混合した。得ら
れた混合物をアセトンで希釈した後、ガラス板状に塗布
して100℃で2時間乾燥硬化した。なお、得られた膜
の厚さは0.06〜0.1mmであった。得られた膜の
表面抵抗を、三菱油化株式会社製表面抵抗計ロレスタF
P4端子を用いて評価した。その結果を表2に示す。
【0032】(実施例9〜11および比較例10)実施
例6、7、8または比較例9で製造したアセトン希釈前
の混合物を100℃で2時間硬化させた後、直径8mm
の丸棒を切り出した。得られた丸棒の摺動性について評
価を行った。なお、摺動性の評価は、ピンオンディスク
試験を採用し、相手材としてアルミニウム(JIS10
71)を用い、荷重12.8N、速度0.2m/sで行
った。その結果を表3に示す。
【0033】
【表1】
【0034】
【表2】
【0035】
【表3】
【0036】
【発明の効果】本発明の製造方法によると、上記のよう
に小球とともに撹拌して気相成長炭素繊維を摩砕するの
で、年輪状の構造を有した気相成長炭素繊維が鱗片状に
粉砕されるのを防止することができ、均一で微細な粒径
を有した微粉末を得ることができる。また、本発明の製
造方法によると、高結晶性および高配向性を有する気相
成長炭素繊維を摩砕するので、得られた微粉末は気相成
長炭素繊維の優れた結晶特性を有することができる。
【0037】本発明の製造方法により得られた本発明の
高結晶性炭素微粉末は、結晶性および配向性に優れた微
細で均一な粒径を有した微粉末であり、しかも、導電
性、摺動性、機械的特性および化学安定性等に優れてい
るので、複合材料、摺動材料、導電材料、電極材料、触
媒材料等の各種の産業分野に好適に使用することができ
る。
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成4年7月28日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0018
【補正方法】変更
【補正内容】
【0018】本発明における小球としては、高硬度の小
球であるのが好ましい。上記小球の材質としては、ジル
コニア、アルミナ等のセラミックス、あるいはスチール
等の金属に代表される高硬度のものが好ましい。上記小
球の大きさとしては、直径が0.5mm以上10mm以
下であるのが好ましく、特に0.5mm以上6mm以下
であるのが好ましい。この直径が0.5mm未満である
と粉砕後の小球と生成微粉末との分離が困難になる。小
球の範囲が10mmより大きい場合には、十分に気相成
長炭素繊維を摩砕できず、得られた微粉末は、極めて微
細な鱗片状粉と砕かれなかった繊維等とが混在する。

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 平均粒径が0.7μm以下で、かつ粒径
    の変動率が50%以下であることを特徴とする高結晶性
    炭素微粉末。
  2. 【請求項2】 前記高結晶性炭素微粉末の黒鉛網面間距
    離(d002 )が0.355nm以下であり、黒鉛結晶子
    の厚さ(Lc )が2nm以上である前記請求項1に記載
    の高結晶性炭素微粉末。
  3. 【請求項3】 前記高結晶性炭素微粉末の黒鉛網面間距
    離(d002 )が0.335〜0.345nmであり、黒
    鉛結晶子の厚さ(Lc )が10nm以上である前記請求
    項1に記載の高結晶性炭素微粉末。
  4. 【請求項4】 直径5μm以下の気相成長炭素繊維を直
    径10mm以下の小球と共に高速撹拌することを特徴と
    する請求項1に記載の高結晶性炭素微粉末の製造方法。
  5. 【請求項5】 直径が5μm以下である黒鉛化処理前の
    気相成長炭素繊維を直径10mm以下の小球と共に高速
    撹拌することを特徴とする請求項1に記載の高結晶性炭
    素微粉末の製造方法。
  6. 【請求項6】 直径が5μm以下である黒鉛化処理前の
    気相成長炭素繊維を直径10mm以下の小球と共に高速
    撹拌してから、さらに1700℃以上の温度で熱処理す
    る前記請求項1に記載の高結晶性炭素微粉末の製造方
    法。
  7. 【請求項7】 直径が5μm以下である黒鉛化処理後の
    気相成長炭素繊維を直径10mm以下の小球と共に高速
    撹拌することを特徴とする請求項1に記載の高結晶性炭
    素微粉末の製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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US6103373A (en) * 1995-11-01 2000-08-15 Showa Denko K.K. Carbon fiber material and electrode materials and method of manufacture therefor
US6528211B1 (en) 1998-03-31 2003-03-04 Showa Denko K.K. Carbon fiber material and electrode materials for batteries

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