JPH06325689A - 含浸形陰極 - Google Patents
含浸形陰極Info
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- JPH06325689A JPH06325689A JP11480393A JP11480393A JPH06325689A JP H06325689 A JPH06325689 A JP H06325689A JP 11480393 A JP11480393 A JP 11480393A JP 11480393 A JP11480393 A JP 11480393A JP H06325689 A JPH06325689 A JP H06325689A
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- Japan
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- pellet
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Abstract
(57)【要約】
【目的】 多孔質ペレットの固定の緩みを防止し、陰極
線管の特性変動を低減できる含浸形陰極を提供する。 【構成】 水素雰囲気下で熱処理された2段同心円筒形
状の円筒電極2の大径部2b側から、タングステンペレ
ット1が一定加圧で挿入され、小径部2aの内周面で保
持されてサブ組立部4が形成されている。円筒電極2の
大径部2b側に、モリブデンからなる陰極スリーブ5が
挿入されて、大径部2bの外周面上の溶接点7,7,…
がレーザ溶接又はシーム溶接され、固着されている。
線管の特性変動を低減できる含浸形陰極を提供する。 【構成】 水素雰囲気下で熱処理された2段同心円筒形
状の円筒電極2の大径部2b側から、タングステンペレ
ット1が一定加圧で挿入され、小径部2aの内周面で保
持されてサブ組立部4が形成されている。円筒電極2の
大径部2b側に、モリブデンからなる陰極スリーブ5が
挿入されて、大径部2bの外周面上の溶接点7,7,…
がレーザ溶接又はシーム溶接され、固着されている。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、陰極線管に用いる含浸
形陰極に関する。
形陰極に関する。
【0002】
【従来の技術】図3は、特開昭60−62034 号公報に開示
された従来の含浸形陰極の構造を示す模式的断面図であ
る。図中14は、タングステンペレット11を、モリブ
デンのような高融点材からなるカップ電極12内に保持
したサブ組立部であり、タングステンペレット11の表
面には電子放射特性を向上させるために、Ir又はOs
−Ru等の膜13が蒸着されている。タングステンペレ
ット11は、タングステン粉末成形品を水素雰囲気中の
1700℃以上の高温で焼結し、電子放射物質(BaO,C
aO,Al2 O3 等)を含浸させたタングステンの焼結
体ペレットであり、カップ電極12内に機械的に圧入す
ることにより保持されている。
された従来の含浸形陰極の構造を示す模式的断面図であ
る。図中14は、タングステンペレット11を、モリブ
デンのような高融点材からなるカップ電極12内に保持
したサブ組立部であり、タングステンペレット11の表
面には電子放射特性を向上させるために、Ir又はOs
−Ru等の膜13が蒸着されている。タングステンペレ
ット11は、タングステン粉末成形品を水素雰囲気中の
1700℃以上の高温で焼結し、電子放射物質(BaO,C
aO,Al2 O3 等)を含浸させたタングステンの焼結
体ペレットであり、カップ電極12内に機械的に圧入す
ることにより保持されている。
【0003】含浸形陰極は、このサブ組立部14をモリ
ブデンからなる円筒状の陰極スリーブ15の一端に固定
して構成されている。陰極スリーブ15内には、タング
ステンペレット11を 950℃程度に加熱するためのヒー
タ19が組み込まれており、サブ組立部14が陰極スリ
ーブ15内に圧入される。これにより、陰極スリーブ1
5内周面にカップ12の外周面が圧接され、カップ12
は、その外周面上にレーザ溶接により複数の溶接点1
8,18,…を形成して固定されている。
ブデンからなる円筒状の陰極スリーブ15の一端に固定
して構成されている。陰極スリーブ15内には、タング
ステンペレット11を 950℃程度に加熱するためのヒー
タ19が組み込まれており、サブ組立部14が陰極スリ
ーブ15内に圧入される。これにより、陰極スリーブ1
5内周面にカップ12の外周面が圧接され、カップ12
は、その外周面上にレーザ溶接により複数の溶接点1
8,18,…を形成して固定されている。
【0004】このような含浸形陰極は陰極線管に組み込
まれ、蛍光面へ電子線を放射する。このとき、含浸形陰
極の電子放出側に図示しないG1 電極が配置されてお
り、G1 電極に印加される電圧及び含浸形陰極からの距
離によって、蛍光面への電子放射量が制御される。
まれ、蛍光面へ電子線を放射する。このとき、含浸形陰
極の電子放出側に図示しないG1 電極が配置されてお
り、G1 電極に印加される電圧及び含浸形陰極からの距
離によって、蛍光面への電子放射量が制御される。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】以上の如き構造の含浸
形陰極では、タングステンペレット11をカップ電極1
2内に機械的に圧入し保持しているが、カップ電極12
の形状がカップ型であるために、圧入する際の径方向の
拡開量が開口側周面部では大きく、底側周面部では小さ
い。このために、タングステンペレット11を十分に固
定させることが困難であった。
形陰極では、タングステンペレット11をカップ電極1
2内に機械的に圧入し保持しているが、カップ電極12
の形状がカップ型であるために、圧入する際の径方向の
拡開量が開口側周面部では大きく、底側周面部では小さ
い。このために、タングステンペレット11を十分に固
定させることが困難であった。
【0006】従って、陰極線管に取り付けた後、ヒータ
19で加熱,冷却が繰り返されることにより、カップ電
極12の寸法が変化してタングステンペレット11の固
定が緩み、タングステンペレット11と前記G1 電極と
の間隔が変動する。前述したように、電子放射量はG1
電極に制御されるため、タングステンペレット11とG
1 電極との0.005mm 程度の間隔の変化により電子放射量
は変化する。このために、例えばカットオフ電圧のよう
な陰極線管の特性が変動するという問題があった。
19で加熱,冷却が繰り返されることにより、カップ電
極12の寸法が変化してタングステンペレット11の固
定が緩み、タングステンペレット11と前記G1 電極と
の間隔が変動する。前述したように、電子放射量はG1
電極に制御されるため、タングステンペレット11とG
1 電極との0.005mm 程度の間隔の変化により電子放射量
は変化する。このために、例えばカットオフ電圧のよう
な陰極線管の特性が変動するという問題があった。
【0007】これを防止するために、カップ電極12の
底面においてタングステンペレット11をろう付けする
方法が考えられるが、ろう付けのための設備を要し、工
程が増えるという問題があった。
底面においてタングステンペレット11をろう付けする
方法が考えられるが、ろう付けのための設備を要し、工
程が増えるという問題があった。
【0008】また、タングステンペレット11をカップ
電極12に機械的に圧入する際に、これらの機械的寸法
が一致しない場合には、カップ電極12の底側周面部の
径方向の拡開量が小さいために、タングステンペレット
11又はカップ電極12が破損する虞があるという問題
があった。
電極12に機械的に圧入する際に、これらの機械的寸法
が一致しない場合には、カップ電極12の底側周面部の
径方向の拡開量が小さいために、タングステンペレット
11又はカップ電極12が破損する虞があるという問題
があった。
【0009】さらに、上述の含浸形陰極においては、カ
ップ電極12及び陰極スリーブ15の周面を溶接してカ
ップ電極12を固定させているために、溶接の際の熱に
より多孔質ペレット11に含浸させた電子放射物質が溶
融, 蒸発し、陰極特性が劣化するという問題があった。
これを解決するために、特開昭63−78428 号公報では以
下の含浸形陰極が提案されている。図4はその含浸形陰
極の構造を示す模式的断面図である。図中22は押さえ
カップであり、底部に開口部が設けてある。押さえカッ
プ22内に多孔質ペレット21が装入されており、カッ
プ状の押さえスリーブ25の底側が押さえカップ22内
に挿入されている。押さえカップ22の開口部側周面と
押さえスリーブ25の周面とが溶融固着されて、多孔質
ペレット21が、押さえカップ22の底部と押さえスリ
ーブ25の底部とで挟持されている。
ップ電極12及び陰極スリーブ15の周面を溶接してカ
ップ電極12を固定させているために、溶接の際の熱に
より多孔質ペレット11に含浸させた電子放射物質が溶
融, 蒸発し、陰極特性が劣化するという問題があった。
これを解決するために、特開昭63−78428 号公報では以
下の含浸形陰極が提案されている。図4はその含浸形陰
極の構造を示す模式的断面図である。図中22は押さえ
カップであり、底部に開口部が設けてある。押さえカッ
プ22内に多孔質ペレット21が装入されており、カッ
プ状の押さえスリーブ25の底側が押さえカップ22内
に挿入されている。押さえカップ22の開口部側周面と
押さえスリーブ25の周面とが溶融固着されて、多孔質
ペレット21が、押さえカップ22の底部と押さえスリ
ーブ25の底部とで挟持されている。
【0010】また、突起部を有する多孔質ペレットを、
その突起部を押さえカップの開口部に係合させた態様
で、押さえカップの底部とカップ状の押さえスリーブの
底部とで挟持し、押さえカップの開口部側周面を押さえ
スリーブの周面に溶融固着させた含浸形陰極が、特開昭
64−77821 号公報で提案されている。
その突起部を押さえカップの開口部に係合させた態様
で、押さえカップの底部とカップ状の押さえスリーブの
底部とで挟持し、押さえカップの開口部側周面を押さえ
スリーブの周面に溶融固着させた含浸形陰極が、特開昭
64−77821 号公報で提案されている。
【0011】これらの含浸形陰極は、押さえカップと押
さえスリーブとの溶融位置が多孔質ペレットから離れて
いるので、多孔質ペレットは熱の影響を受けず、陰極特
性の劣化が防止される。しかしながら、これらの含浸形
陰極では、多孔質ペレットの固定は押さえカップと押さ
えスリーブとの挟持で行われており、上述した、ヒータ
での加熱,冷却によるタングステンペレット11の固定
の緩みは解決されず、陰極線管の特性が変動するという
問題があった。
さえスリーブとの溶融位置が多孔質ペレットから離れて
いるので、多孔質ペレットは熱の影響を受けず、陰極特
性の劣化が防止される。しかしながら、これらの含浸形
陰極では、多孔質ペレットの固定は押さえカップと押さ
えスリーブとの挟持で行われており、上述した、ヒータ
での加熱,冷却によるタングステンペレット11の固定
の緩みは解決されず、陰極線管の特性が変動するという
問題があった。
【0012】本発明は、かかる事情に鑑みてなされたも
のであり、円筒形状の保持部材に多孔質ペレットを圧入
し、保持部材の内周面で多孔質ペレットを固定する構造
にすることにより、多孔質ペレットの固定の緩みを防止
し、多孔質ペレットに溶接の際の熱の影響を及ぼさず、
陰極線管の特性変動を低減する含浸形陰極を提供するこ
とを目的とする。
のであり、円筒形状の保持部材に多孔質ペレットを圧入
し、保持部材の内周面で多孔質ペレットを固定する構造
にすることにより、多孔質ペレットの固定の緩みを防止
し、多孔質ペレットに溶接の際の熱の影響を及ぼさず、
陰極線管の特性変動を低減する含浸形陰極を提供するこ
とを目的とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】第1発明に係る含浸形陰
極は、陰極スリーブに固定された保持部材に保持された
多孔質ペレットから電子を放出させる含浸形陰極におい
て、多孔質ペレットを一側に圧入した円筒形状の前記保
持部材を備え、保持部材の他側を前記陰極スリーブに固
定してあることを特徴とする。
極は、陰極スリーブに固定された保持部材に保持された
多孔質ペレットから電子を放出させる含浸形陰極におい
て、多孔質ペレットを一側に圧入した円筒形状の前記保
持部材を備え、保持部材の他側を前記陰極スリーブに固
定してあることを特徴とする。
【0014】第2発明に係る含浸形陰極は、第1発明に
おいて、一側が小径で他側が大径である内径を有する2
段同心円筒形状の保持部材を備えることを特徴とする。
おいて、一側が小径で他側が大径である内径を有する2
段同心円筒形状の保持部材を備えることを特徴とする。
【0015】第3発明に係る含浸形陰極は、第1発明に
おいて、保持部材及び陰極ペレットの固定がレーザ溶接
又はシーム溶接されてなることを特徴とする。
おいて、保持部材及び陰極ペレットの固定がレーザ溶接
又はシーム溶接されてなることを特徴とする。
【0016】
【作用】本発明の含浸形陰極では、多孔質ペレットが円
筒形状の保持部材に圧入されているので、保持部材全体
に亘って径方向の拡開量が一定である。これにより保持
部材の一側の内周面で多孔質ペレットが安定して固定さ
れ、加熱,冷却の繰り返しにより保持部材の寸法が変化
しても、多孔質ペレットの固定が緩むことがない。
筒形状の保持部材に圧入されているので、保持部材全体
に亘って径方向の拡開量が一定である。これにより保持
部材の一側の内周面で多孔質ペレットが安定して固定さ
れ、加熱,冷却の繰り返しにより保持部材の寸法が変化
しても、多孔質ペレットの固定が緩むことがない。
【0017】また、保持部材が異なる内径を有する2段
同心円筒形状であり、多孔質ペレットを小径側で保持す
るので、保持部材の大径側から多孔質ペレットを挿入す
ることができ、圧入し易い。
同心円筒形状であり、多孔質ペレットを小径側で保持す
るので、保持部材の大径側から多孔質ペレットを挿入す
ることができ、圧入し易い。
【0018】さらに、多孔質ペレットを保持しない保持
部材の他側で陰極ペレットに溶接されているので、保持
部材及び陰極ペレット両側からの圧接が必要であるシー
ム溶接、又は高温処理を施すレーザ溶接が行え、溶接固
定が強化される。
部材の他側で陰極ペレットに溶接されているので、保持
部材及び陰極ペレット両側からの圧接が必要であるシー
ム溶接、又は高温処理を施すレーザ溶接が行え、溶接固
定が強化される。
【0019】
【実施例】以下、本発明をその実施例を示す図面に基づ
き具体的に説明する。図1は、本発明の含浸形陰極の構
造を示す模式的断面図である。図中4は、前記多孔質ペ
レットである円柱形状のタングステンペレット1を、前
記保持部材である円筒電極2内に保持したサブ組立部で
あり、図2は、サブ組立部4の構造を示す模式的断面図
である。
き具体的に説明する。図1は、本発明の含浸形陰極の構
造を示す模式的断面図である。図中4は、前記多孔質ペ
レットである円柱形状のタングステンペレット1を、前
記保持部材である円筒電極2内に保持したサブ組立部で
あり、図2は、サブ組立部4の構造を示す模式的断面図
である。
【0020】図2において、タングステンペレット1
は、タングステン粉末成形品を水素雰囲気中に1700℃以
上の高温で焼結し、電子放射物質(BaO,CaO,A
l2 O3 等)を含浸させたタングステンの焼結体ペレッ
トである。また、円筒電極2はモリブデンのような高融
点材からなり、一側の小径部2aと他側の大径部2bと
で構成された異なる内径を有する2段同心円筒形状をな
している。円筒電極2は、タングステンペレット1が固
定される側の内径即ち小径部2aの内径が、タングステ
ンペレット1の外径よりも小さく、大径部2bの内径が
後述する陰極スリーブの外径と等しく形成されている。
本実施例では、タングステンペレット1の外径ばらつき
を考慮して、円筒電極2の小径部2aと大径部2bとの
内径差は0.1mm に形成してある。そして、サブ組立部4
は、タングステンペレット1が円筒電極2内に機械的に
圧入され、小径部2a内周面で固定されて形成されてい
る。
は、タングステン粉末成形品を水素雰囲気中に1700℃以
上の高温で焼結し、電子放射物質(BaO,CaO,A
l2 O3 等)を含浸させたタングステンの焼結体ペレッ
トである。また、円筒電極2はモリブデンのような高融
点材からなり、一側の小径部2aと他側の大径部2bと
で構成された異なる内径を有する2段同心円筒形状をな
している。円筒電極2は、タングステンペレット1が固
定される側の内径即ち小径部2aの内径が、タングステ
ンペレット1の外径よりも小さく、大径部2bの内径が
後述する陰極スリーブの外径と等しく形成されている。
本実施例では、タングステンペレット1の外径ばらつき
を考慮して、円筒電極2の小径部2aと大径部2bとの
内径差は0.1mm に形成してある。そして、サブ組立部4
は、タングステンペレット1が円筒電極2内に機械的に
圧入され、小径部2a内周面で固定されて形成されてい
る。
【0021】このタングステンペレット1の圧入方法を
説明する。まず、円筒電極2を水素雰囲気下で熱処理す
る。そして、タングステンペレット1をプレス機に取り
付けて、円筒電極2の大径部2b側から一定加圧で挿入
する。このとき、上述したように、円筒電極2の小径部
2aの内径がタングステンペレット1の外径よりも小さ
いので、円筒電極2の小径部2aは径方向に押し拡げら
れ、タングステンペレット1は円筒電極2の小径部2a
の内周面で保持される。そして、電子放射特性を向上さ
せるために、タングステンペレット1の表面にIr又は
Os−Ru等の膜3が蒸着される。
説明する。まず、円筒電極2を水素雰囲気下で熱処理す
る。そして、タングステンペレット1をプレス機に取り
付けて、円筒電極2の大径部2b側から一定加圧で挿入
する。このとき、上述したように、円筒電極2の小径部
2aの内径がタングステンペレット1の外径よりも小さ
いので、円筒電極2の小径部2aは径方向に押し拡げら
れ、タングステンペレット1は円筒電極2の小径部2a
の内周面で保持される。そして、電子放射特性を向上さ
せるために、タングステンペレット1の表面にIr又は
Os−Ru等の膜3が蒸着される。
【0022】図1に示すように、モリブデンのような高
融点材からなるカップ型の陰極スリーブ5の底側が、上
述の如く形成されたサブ組立部4の円筒電極2の大径部
2b側から挿入され、含浸形陰極が形成される。陰極ス
リーブ5には、その内部にタングステンペレット1を 9
50℃程度に加熱するためのヒータ9が組み込まれてお
り、円筒電極2の大径部2bの外周面上の複数の溶接点
7,7,…に適当な加圧が行われて、レーザ溶接又はシ
ーム溶接され、サブ組立部4が陰極スリーブ5の周面に
固定される。これにより、タングステンペレット1に溶
接の際の熱の影響を及ぼさず、タングステンペレット1
の劣化を防止することができる。なお、溶接の際の加圧
は、円筒電極2の大径部2bと陰極スリーブ5との接触
状態を良好にするために行っている。
融点材からなるカップ型の陰極スリーブ5の底側が、上
述の如く形成されたサブ組立部4の円筒電極2の大径部
2b側から挿入され、含浸形陰極が形成される。陰極ス
リーブ5には、その内部にタングステンペレット1を 9
50℃程度に加熱するためのヒータ9が組み込まれてお
り、円筒電極2の大径部2bの外周面上の複数の溶接点
7,7,…に適当な加圧が行われて、レーザ溶接又はシ
ーム溶接され、サブ組立部4が陰極スリーブ5の周面に
固定される。これにより、タングステンペレット1に溶
接の際の熱の影響を及ぼさず、タングステンペレット1
の劣化を防止することができる。なお、溶接の際の加圧
は、円筒電極2の大径部2bと陰極スリーブ5との接触
状態を良好にするために行っている。
【0023】このような含浸形陰極は陰極線管に組み込
まれて、電子を放出させ、含浸形陰極の電子放出側に配
置された図示しないG1 電極の電圧、及び含浸形陰極か
らの距離により電子放射量が制御されて、蛍光面へ放射
するようになっている。
まれて、電子を放出させ、含浸形陰極の電子放出側に配
置された図示しないG1 電極の電圧、及び含浸形陰極か
らの距離により電子放射量が制御されて、蛍光面へ放射
するようになっている。
【0024】以上の如き含浸形陰極は、タングステンペ
レット1が円筒電極2の内周面で安定に保持され、加
熱,冷却により円筒電極2の寸法が変化しても、タング
ステンペレット1は固定されており、G1 電極との距離
が変動しない。
レット1が円筒電極2の内周面で安定に保持され、加
熱,冷却により円筒電極2の寸法が変化しても、タング
ステンペレット1は固定されており、G1 電極との距離
が変動しない。
【0025】なお、本実施例では、タングステンペレッ
ト1を円筒電極2に圧入する際に、円筒電極2に加熱処
理を施しているが、加熱は円筒電極2の剛性を低下させ
てタングステンペレット1を挿入し易くするためであ
り、必ず行うものではない。
ト1を円筒電極2に圧入する際に、円筒電極2に加熱処
理を施しているが、加熱は円筒電極2の剛性を低下させ
てタングステンペレット1を挿入し易くするためであ
り、必ず行うものではない。
【0026】
【発明の効果】以上のように、本発明においては、多孔
質ペレットを円筒形状の保持部材に圧入して保持し、保
持部材との固定強度が強化されているので、多孔質ペレ
ットの固定が緩むことがなく、また多孔質ペレットに溶
接の際の熱の影響を及ぼさないので、陰極線管の特性変
動を低減できる。また、保持部材が2段同心円筒形状で
ある場合は多孔質ペレットを保持部材に圧入し易く、さ
らに、保持部材と陰極ペレットとをシーム溶接又はレー
ザ溶接により固定できるので、多孔質ペレットが含浸形
陰極に安定に固定され、陰極線管の特性変動を低減でき
る等、本発明は優れた効果を奏するものである。
質ペレットを円筒形状の保持部材に圧入して保持し、保
持部材との固定強度が強化されているので、多孔質ペレ
ットの固定が緩むことがなく、また多孔質ペレットに溶
接の際の熱の影響を及ぼさないので、陰極線管の特性変
動を低減できる。また、保持部材が2段同心円筒形状で
ある場合は多孔質ペレットを保持部材に圧入し易く、さ
らに、保持部材と陰極ペレットとをシーム溶接又はレー
ザ溶接により固定できるので、多孔質ペレットが含浸形
陰極に安定に固定され、陰極線管の特性変動を低減でき
る等、本発明は優れた効果を奏するものである。
【図1】本発明の含浸形陰極の構造を示す模式的断面図
である。
である。
【図2】本発明に係るサブ組立部の構造を示す模式的断
面図である。
面図である。
【図3】従来の含浸形陰極の構造を示す模式的断面図で
ある。
ある。
【図4】従来の含浸形陰極の構造を示す模式的断面図で
ある。
ある。
1 タングステンペレット 2 円筒電極 2a 小径部 2b 大径部 4 サブ組立部 5 陰極スリーブ 7 溶接点 9 ヒータ
Claims (3)
- 【請求項1】 陰極スリーブに固定された保持部材に保
持された多孔質ペレットから電子を放出させる含浸形陰
極において、前記保持部材は円筒形状をなし、一側に前
記多孔質ペレットを圧入してあり、他側を前記陰極スリ
ーブに固定してなることを特徴とする含浸形陰極。 - 【請求項2】 保持部材が、その内径を一側で小径に他
側で大径にした2段同心円筒形状をなす請求項1記載の
含浸形陰極。 - 【請求項3】 保持部材及び陰極ペレットを、レーザ溶
接又はシーム溶接で固定してなる請求項1記載の含浸形
陰極。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP11480393A JPH06325689A (ja) | 1993-05-17 | 1993-05-17 | 含浸形陰極 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP11480393A JPH06325689A (ja) | 1993-05-17 | 1993-05-17 | 含浸形陰極 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH06325689A true JPH06325689A (ja) | 1994-11-25 |
Family
ID=14647087
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP11480393A Pending JPH06325689A (ja) | 1993-05-17 | 1993-05-17 | 含浸形陰極 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH06325689A (ja) |
-
1993
- 1993-05-17 JP JP11480393A patent/JPH06325689A/ja active Pending
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